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ホラーテラー作品群保管庫

246女の存在を知らせること:2020/04/16(木) 05:14:35 ID:o.Sh1KJQ0
Hの目線に合わせて頭をスライドさせてもそこには後ろ向きにかがんでいる人がいるだけ。かがんでいる人は古い花柄のワンピースを着ていて、肩にかからないほどのパーマをかけていました。この人も昭和みたいだな。というのが第1印象でした。

その女の人は右手を振りかざし、そのまま目の前の地面に手刀よろしく右手を振り落としていました。そして、女の人の向こうにはマンホール4,5個分くらいの穴がぽっかりと開いていました。正直、明かりもついてなかったので、女の人がなにしているのかわかりませんでした。穴にもなにがあるのかさっぱりです。

黙々と作業している女の人を後ろから眺めている6人の男女。

隣の家からは、「りんごかわい〜や〜かわいやり〜ん〜ご〜」とかなんとかと歌っている女の歌手の声。

なんだこれは、と一人で苦笑していると突然女の人の周りが明るくなりました。その後にパシャっというカメラのシャッター音。「ああ、まちがってIがカメラを押しちゃったんだな。」と理解する前に僕の頭のなかは目の前の光景に引き付けられました。

女の人の右手には大振のナタがあり、光りでなぜか赤茶色に反射しました。それよりも息を呑んだのは穴の中の光景でした。

一瞬の光りでも僕の目はそれを認識しました。バラバラの手が、足が、指が、胸が、破れた服が、大きい額縁めがねが、頭皮が、髪の毛が見えました。それもいくつも。真っ赤な斑点が無数にとびちり、真っ赤な臓器のようなものも見えた気がします。女の足元には先ほど切ったであろう体が千切れかけで転がっていました。


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