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ちょっと専門的なQ&Aスレ

35diamonds8888x:2006/10/10(火) 05:33:38 ID:IgreeRk2
−中立説私論−橋渡し問題−2−

 生物の進化・多様性の分子機構における謎とは、「新たな環境に適応する際に新しい遺伝子を増やさねばならない時、いかにして新しい遺伝子が生まれるのか?」ということであろう。つまり従来の遺伝子が突然変異を重ねるだけでは、従来の遺伝子の機能も保ちながら新しい機能を獲得することができない。また実際にも多くの生物は進化により遺伝子数が増加している。そして答えもほぼ出ているように思われる。遺伝子重複である。
 遺伝子重複により機能的遺伝子が複数コピーできると、ひとつのコピーさえ機能していれば他のコピーの機能的に重要な配列が変化しても生物は生き残れる。すなわち他のコピーは中立な遺伝子となる。中立な遺伝子は多型化してゆき、中には機能は持つが環境のせいで取りあえず中立というものも出てくる。そして環境が変化したとき、淘汰係数が変化して有利になるものも出てくるということになる。
 また機能を持つ遺伝子があったとしても、そのオン−オフが調節遺伝子のわずかな変異で変わるとすれば、この機能遺伝子が不利な環境ではオフの調節遺伝子が多くなり、この機能遺伝子が有利な環境ではオンの調節遺伝子が多くなるという形で機能遺伝子自体は存続することも可能であろう。
 なお前世紀までは(^_^)調節因子としてタンパク質が想定されていたのだが、実は非翻訳RNAの中に調節因子として働くものが多いのではないかということがわかりつつある。つまり今までジャンク領域と言われていた広大なゲノムの領域の変異が、多細胞生物の多様性を生み出しているのかも知れない。

余談) 取りあえず中立な遺伝子というのはいわば居候なのだが、中国の食客というのを連想させる。それとも成果はあまりないのに続けさせてもらっている研究者か(爆)。

次回にまとめて終わりたい


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