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他大学の試み

994凡人:2017/05/01(月) 09:57:09 ID:43ozVO8k0
「群大事故が投げかけた10の課題」、名大長尾氏
日本外科学会で講演、「どこの施設でも起こり得る」
2017年4月28日 橋本佳子(m3.com編集長)

 4月27日の第117回日本外科学会定期学術集会の特別企画、「医療の安全・安心を確かなものに」で、名古屋大学医学部附属病院、医療の質・安全管理部部長の長尾能雅氏は、「群馬大学病院事故が外科診療に投げかけた10の課題」をテーマに講演、「事故調査の過程で、この出来事は群大に特有の問題ではなく、どこの施設でも起こり得ると認識した。また医療界が長年抱えている問題が浮き彫りになった」と述べ、他の医療機関にも群大事故の教訓から学ぶべきことは多いとして、注意を促した。

 長尾氏は、2016年7月に報告書をまとめた群馬大学医学部附属病院の肝切除術に伴う、外部委員による医療事故調査委員会のメンバーの一人(『“名大事件”が群大事故調査の手本 - 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.1』などを参照)。

 時系列的に見ると、「死亡例が集中し、いったん手術を抑えようとした時期があるが、患者の来院が続いたため、緩やかに再開するという繰り返しだった」(長尾氏)などの経緯があることから、「日常診療において、標準から逸脱した医療が登場した場合、それを早期に発見し、より安全な医療へと是正する自浄的な取り組みを進めるために、医療界の叡智を集めて解決することが求められる」という調査委員会報告書の一節を引用し、「クリニカル・ガバナンス」の重要性を強調した。

 「クリニカルガバナンスとは、誰かが誰かを統治する、つまり人による統治ではなく、医療の質や安全・安心という理念により、我々の行動が統制される仕組み」と長尾氏は説明、その実現に向け、10の課題を紹介した。「これらの課題の難易度は高いが、医療の発展と国民の安全を第一に考えた場合、これらの10の課題の克服が求められる」(長尾氏)。
「群馬大学病院事故が外科診療に投げかけた10の課題」をテーマに講演した、長尾能雅氏。

 群大事故では当初、院内主体のメンバーで調査が行われ、2015年3月に報告書をまとめた。しかし、調査が不十分とされ、外部委員による委員会が発足した経緯がある。6人の一人が長尾氏で、副委員長を務めた。委員会は計35回開催され、議論の時間は延べ210時間以上に及んだ。

 委員会での議論や報告書の内容を踏まえ、長尾氏が提案した「10の課題」は以下の通りだ。

1.マイクロシステム(最小診療単位)に対する監視と支援
 群大の肝胆膵外科は、多い時でも3人、普通は2人でやっていた。病院全体としては診療の質向上などに取り組んでいても、マイクロシステム(最小診療単位)が脆弱だと、そこから思いも寄らぬほころびが生じてくる。手術が許容量を超えると、患者への説明時間や診療録の記載や例検討の時間が確保できなくなってくる。
 「群大の先生は、月曜日から日曜日までスケジュールが入っていて、患者への説明時間が、朝の2時ということも、まれではなかった」(長尾氏)。こうしたことに対しては、病院がモニター、あるいは支援していかなければいけない。

2.高難度手術を導入する際の技量評価と管理
 事故調査では、「典型的なラーニング・カーブは、指導体制や管理体制に不備がある可能性を示すものであり、許容されるものではない」という意見があった。私の臨床経験上、「患者で練習することは避けられない」と感じていたが、典型的なラーニング・カーブは好ましくないという指摘だった。できるだけこうしたカーブが発生しない努力が必要であり、新しい技術を導入する際の指導体制やトレーニング体制を構築し、テクニカルだけではなく、ノンテクニカルの部分も育成していくことが必要。
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