したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1500件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

【news+】ニュース速報スレ【全般】★9

179名無し長右衛門:2011/02/07(月) 12:16:20
【赤木智弘の眼光紙背】「世の中はどうしたって、多様でしかありえない」
眼光紙背提供:眼光紙背
2011年01月27日10時00分
15ツイート 21コメント 36total .赤木智弘の眼光紙背:第166回
http://news.livedoor.com/article/detail/5299478/

 伊達直人ブームで注目されている「児童養護施設」だが、虐待から逃れて児童養護施設で保護されている子供の中には、親の同意が得られないために、現代社会で生活を送る上で必要不可欠な携帯電話を契約できないケースがあるという。(*1)

 記事中で携帯電話会社が言っている「民法上」というのは、民法5条1項「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。」という条文の事である。つまり、未成年者は「法定代理人」の同意を得ないと、各種の契約ができない。
 法定代理人とは「親」はもちろんとして、養子であれば「養親」。そして「未成年後見人」などを指すが、児童養護施設で子供が親の虐待から逃れているような場合、法的な手続きを経ない限りは、法定代理人は「親」のままであり、施設長は法定代理人にはなりえない。
 かつては、契約をしなくてもコンビニで携帯電話を購入し、プリペイドでお金を支払う事で、誰でも携帯電話を利用する事ができた。しかし、犯罪者同士の連絡や、振り込め詐欺などに利用されたために、2006年から携帯電話不正利用防止法が施行され、契約者の本人確認が義務化された。
 もう一つ、携帯サイトなどの「有害(!)情報」から子供を守るためと称して、都道府県の条例などでフィル
タリングの解除などに対して、法的代理人の関与を強める方向にある。
 ネットなどでは「携帯電話会社の頭が固い」という意見もあるようだが、安心安全のために携帯各社に対し、契約をより厳密にするように求めているのは、私たち自身である。
 私たちの要求により発生した問題を、「児童養護施設の子供がかわいそうだ。携帯電話会社が柔軟に対応しろ」と、一方的に携帯電話会社の問題として突き放す事は、無責任な態度である。

 携帯電話を契約できないという事は、決して選択の幅がないというだけの問題ではない。
 この記事の高校生が、バイト先から携帯電話を持っていて欲しいと言われているように、携帯電話の有無は仕事の有無に繋がってくる。
 別の例で言えば、本人確認のできないホームレスもまた、携帯電話を契約できない。
 ホームレスになる以前の住所で携帯電話を維持し続けることはできるようだが、一度失えば今後の契約は極めて難しい。今や日雇いや派遣の仕事すら携帯電話がなければ得られない状況で、携帯電話を失えば、生命の危機にすら瀕する可能性がある。
 確かに、本人確認や契約の締結を厳密にする事で、携帯を犯罪に使う事が難しくなるという利点があるのかもしれないが、一方で、今回の問題のように、児童養護施設に逃げ込んだ未成年者や、ホームレスといった、一般的に想定される生活形態とは違った生活を営む人たちが、携帯を利用できなくなったり、不便を強いられてしまう。
 そのことの問題が、最近の社会では、あまりに軽く考えられているのではないかと感じている。

 日本には、決して幸せで安定的な家族ばかりが生活しているのではない。というか、家族関係とは人間関係そのものなのだから、幸福で安定している家族ばかりではないのは当たり前だ。
 しかし最近は、政治家や行政の人間が平気で「家族は素晴らしくあるべきだ」という趣旨の言葉を口にして憚らない。そこには、幸せで安定的な家族を営めない人たちに対する卑下の文脈が潜む。
 そうした風潮の中で制度設計をする際に、幸せで安定的ではない家族形態があるという前提で、考慮する事を躊躇したり、望ましくないことと考えてしまっているのではないか。
 配慮がない事を前提としながら、「携帯電話会社が配慮すればいい」とすることは、多様性のない制度、すなわち現実を直視しない制度を、消極的に肯定しているに過ぎない。
 多様な生活形態が存在する社会にふさわしいのは、配慮を「現場レベルの例外」として扱うのではなく、法や制度の中に組み込み、配慮がある事を前提とする制度なのではないだろうか。

*1:児童養護施設の子、ケータイ契約できず「親の同意いる」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/digital/mobile/TKY201101230322.html

眼光紙背
眼光紙背[がんこうしはい]とは:「眼光紙背に徹する」で、行間にひそむ深い意味までよく理解すること。
本コラムは、livedoor ニュースが選んだ気鋭の寄稿者が、ユーザが生活や仕事の中で直面する様々な課題に対し、「気付き」となるような情報を提供し、世の中に溢れるニュースの行間を読んで行くシリーズ。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板