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人口問題・少子化・家族の経済学

435チバQ:2010/03/02(火) 12:14:47
■高い年収が不利に

 杉並区のサトミさん(40)も第3希望の区立園まですべてダメで、育休を延長せざるをえなくなった。会社の制度で育休は2歳まで取れる。次女が1歳半での復職を予定していたが、年収の高さが不利になった。
「働いて稼いだほど不利だなんて。税金も多く納めてるのに」
 子どもが2人いる同僚にこぼすと、叱られた。
「甘いわよ。時代が変わったんだから」
 彼女は第1希望の区立園に内定し、9月までのはずだった育休を切り上げるという。国や会社が制度を整えても使えないなんて矛盾してる、と思う。
 しかし、不況で企業にも余裕はない。昨年は「育休切り」も表面化。いつ戻るかわからない社員のポストを空けておくわけにはいかない。戻る職場がなければ保育園の内定も返上だ。もはや育休切り上げしか保活に勝つ方法はないのかもしれない。
 生活も職場も、保育園に振り回される。認可外の園をいくつも押さえて「保険」をかける人が多いから、内定を取れなかった人でも「繰り上げ当選」や「滑り込み」もありうる。そして保活は第2ステージに突入する。
〈保育園全滅!〉
 人材会社を経営するエツさん(41)が友人にメールすると、すぐ返信がきた。
〈区役所に電話して何番目で落ちたか確認を。希望した園に入れた人の最低指数も聞いて!〉
 自分の「偏差値」を探り、二次選考に向けてただちに保活せよ!との指令だった。
 住んでいる世田谷区では、入園を希望する0歳児が昨年より約100人も増えた。早めに認可外の園を押さえればよかったのだが、昨年から会社の経営が厳しくなり、妊娠中も仕事に追われた。「保育園やばいよ!」と友達に言われて見学したのが出産直前。4月に数人できる空きを100人近くが待っていた。めぼしい園は予約で溢れ、見学すらすぐにはできなかった。
 家で子どもを預かる保育ママも11人に断られ、残るは幼稚園教諭の免許を持つ知人に預かってもらうぐらい。仕事との両立だけで不安なのに、保活を続ける気力を保てるだろうか。

■出産嬉しいはずなのに

 2月に復職した弁護士のカナさん(33)の財布からは、千円札が瞬く間に消えていく。保育ママ宅まで長女を送迎するタクシー代は片道3500円。区立園に入れるまで2カ月間の投資だと割り切っていたが、内定を取れなかった。このままだと交通費だけで月15万円。長女を抱いてタクシーを降りるとき、領収書を必ずもらってオムツ入れの内ポケットにしまう。区役所に直談判するつもりだ。
 育休に入ってから保育園の見学を始めた港区のヨシオさん(37)は、出遅れた焦りから、引っ越すしかないと思い詰めた。港区がダメなら、入園しやすいのは? 6カ月の長男をあやしながらインターネットで200倍のUR賃貸住宅に申し込み、当選したときは夫婦で喜んだ。でもよく考えると、これで区立園に入れる保証はないし、2万円アップの家賃もキツい。結局、住宅はキャンセル。冷静さを失っていたと今ならわかるが、とにかく必死だった。
 第5希望の区立園の内定が取れ、ひと安心。自転車で20分かかるが、入れただけで御の字だ。でも、ふと思う。
「なぜ戦いなのか?」
 子どもが生まれて嬉しいはずなのに、この1年は不安と焦りでいっぱいだった。情報に踊らされ、心身ともに疲れ切った。
 保育園に入れない。そのことが生活や職場、人間性まで変える。ある区の入園相談窓口では、
「火をつけてやりたい」
 と吐き捨てた母親もいたという。*(文中カタカナ名は仮名)
ライター 三宮千賀子 編集部 小林明子 写真 今村拓馬
(3月8日号) 最終更新:3月 1日(月) 12時10分


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