たとえばアイヌ語諸方言は 5 母音で、古い文献もありませんが、Vovin のアイ
ヌ祖語は比較によって e と o を 2つに分け、さらに内的再構によって 5つの
母音を加えて 12母音のシステムにしています。
日本語の場合、万葉時代の音韻をそのまま再構するのは不可能でしょうが、現
代語しかなくても e が他の母音よりずっと少なく、かつ出てくる場所に特徴が
あることはわかります。そこからアメ/アマのような例を手がかりに e ← ai
のような変化を考えることができ、同様に u/i, o/i の交替例をもつ i をそれ
以外の i から分けるところまではいけるでしょうね。