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音楽スレ(2021~ )

1korou:2021/01/01(金) 16:34:02
2020年までで938書き込み。
「名曲300選」の途中とはいえ
それは1000書き込みで完結しない見込み。
となれば、年の途中でスレが変わるのもどうかと思うので
新スレをスタート。

504korou:2024/01/07(日) 13:19:41
○ベートーヴェン「交響曲第2番」

前回推薦盤のワルター&コロンビア響で聴く。
録音はやはり素晴らしい。1959年という時期を思えば最高レベル。
いつもこの組み合わせの演奏の録音は最上級。
演奏は、安定のワルターというべきか。
ただし、2024年の現在のイメージで語れば
決して”闘うベートーヴェン”ではないだろう。
やはり解釈の奥底にワルターの円熟と箴言を感じてしまい
苦難を乗り越え真の歓喜に、ということではなくなってしまう。
贅沢な悩みだが、 ベートーヴェンの交響曲だけに
要求するレベルは高くなる。
第3楽章などはその傾向が顕著で
いかにも音楽的に美しいスケルツォなのだが
もっとも深刻なニュアンスも欲しいところ。
まあ、そういうことができるのは20世紀前半に活躍した大指揮者だけだろうから
録音面のことも考慮すれば
推薦盤から外すことまではできない。
以上の欲張りな不満も踏まえての推薦盤ということで
再確認は終了。

505korou:2024/01/11(木) 11:20:25
○ベートーヴェン「交響曲第3番」

実に残念な話、ヘッドホンで聴く限り「英雄」の名演は存在しない。
おそらくフルトヴェングラー&VPOの演奏がベストなはずだが
イヤホンでは聴き取れた細かいニュアンスが
現時点でのヘッドホンではすべて消え去ってしまい
断片的に物凄さを感じる程度の演奏に聴こえてしまうという現実。
「英雄」に関してはイヤホンで聴くべきなのだろう。

強いて言えば
クリップス&ロンドン響の演奏だと
ヘッドホンでも音質の良さが感じられ
刺激のない「英雄」を聴きたいときはこれで十分だろう。
また、シューリヒト指揮のものも
音質を超えた面白さが感じられるのだが
そこまでして「英雄」を聴き通す根気は出てこない。
時間潰しのように聴く音楽ではないので
これは仕方がない。

506korou:2024/01/12(金) 12:07:35
○ベートーヴェン「交響曲第4番」

前回推薦盤のフルトヴェングラー&VPOで聴く。
音質はかなり良く、これならモノ録音でも十分。
演奏のほうは、最晩年の演奏らしくバランスが取れていて
偶数番交響曲らしい穏当な表現になっている。
それでいて、一音一音に魂がこもっているように聴こえるのは
フルトヴェングラーだけが為し得る奇跡のようなものだろう。
いかにもベートーヴェンらしい雰囲気を味わうとしたら
この演奏はやはり推薦盤ということになるだろう。
ただし、こういう熱のこもった演奏は避けたいときもあるわけで
絶対外せない演奏というわけでもないのが
21世紀の今の現実。
ベートーヴェンの音楽の緻密さというのも
味わうべきものになっているからで
それでいて熱の全くない演奏というのも問題なのだが
その点でこの演奏は
少しだけピントがずれていて
でも方向性だけは合っているという
いかにも偶然の名演という類。
緻密さと穏当さの微妙な差異。

507korou:2024/01/13(土) 18:50:07
○ベートーヴェン「交響曲第4番」

もう1つの前回推薦盤、クリップス&ロンドン響を聴いてみた。
このところヘッドホン試聴が不調なので
この演奏もどうかと思ったが
この時期としては抜群の音質の良さで
そんな不安も一気に解消、とにかく録音の良さに驚かされる。
音楽がきっちりと聴こえてくると
この演奏を好むようになった最近の嗜好が明確に蘇り
ヘッドホン試聴だろうがイヤホンだろうが
そんなことは関係なく推薦盤だ。

正しいテンポ、正しいリズム、それだけで名演なのだから
不思議といえば不思議、まさに芸術の深奥を覗く思い。
そして、ベートーヴェン特有の展開部の魂の叫びでさえ
クリップスは全く問題にせず普通に流してしまい
あくまでもハイドン風に演奏する職人技。
クリップスは誰にも認められていないけれど
史上屈指の名指揮者と思っている。

508korou:2024/01/14(日) 11:52:11
○ベートーヴェン「交響曲第5番」

前回推薦盤のカルロス・クライバー&VPOで聴く。
出だしの音質は最高級で、VPOとしては最上の部類。
第1楽章は、リズムの取り方が個性的で
ベートーヴェンを演奏するなら、この視点がベストだと思うので
好感が持てたのだが・・・
第2楽章になると、ここでもリズムに気をつけながら
演奏しているのは分かるのだが
結果としては平凡な出来になってしまった。
これはクライバーの出来不出来というより
曲そのものの難しさに由来するわけで
子クライバーは曲の泥沼にハマってしまっている。
第3楽章はリズムのメリハリに失敗しているように聴こえた。
終楽章になると、再び個性が発揮され活気を取り戻すが
中間楽章の不出来のせいでイマイチ盛り上がれない。
結論としては、推薦盤取り消しということになる。
親クライバーは中間楽章をどう解釈したのだろうか?(気になるところ)

まずは、もう一つの推薦盤、クレンペラーを聴いてからだが。

509korou:2024/01/15(月) 16:54:15
○ベートーヴェン「交響曲第5番」

クレンペラー&フィルハーモニア管で聴く。
第1楽章は、カルロス・クライバーとは全く違う感じで大変な名演。
それこそクレンペラーの魔法とでもいうべきか、
どこをどうしたらそういう響きになるのか全く分からないのだが
一つ一つの響きは細部までベートーヴェンの音楽本来の響きになっていて
満足度はMAXだ。
第2楽章もその響きの正しさは続き
退屈しかねない素朴な曲想を内部から支えていって
音楽が途切れないのは素晴らしい。
第3楽章、第4楽章は
こうしたクレンペラーの重厚なスタイルに合わないのかもしれない。
前半2楽章ほどの感銘は受けなかった。
それに第2楽章を聴き切った”疲労”も出た。
(本当はもう1回聴くべきなのだろうけど)

推薦盤としては完全でない印象になってしまったが
逆に聴く側が完全になる必要がある。
クレンペラーには
聴く側の姿勢を正してくれる堅牢感、質実さがある。

510korou:2024/01/18(木) 14:22:33
〇モーツァルト「交響曲第40番」

セルの伝記本を借りたので、さっそく「訳者あとがき」で推薦のあったこの曲を聴いた。
セル&クリーヴランド管で1967年の演奏。
第1楽章は、意外なほど旋律にタメをつくり、なめらかな表現で驚かされる。
これくらい、じっくりとメロディを歌うこともできるのだ。
まさにモーツァルトの音楽の最上のレベル。
しかし、第2楽章になると、いつものセルに戻ってしまった。
明らかに空気の変わる楽想の切れ目において
何もなかったかのように無愛想に流してしまう。
これでは楽譜を音にしているだけではないか?
その限りにおいては極限まで磨かれているのだけれど
逆にその完成度が空しい。
第3楽章以降も同様だ。
第1楽章のあの楽想のふくらみは何だったのか?
疑問の残る演奏、セルはセル。
今の自分には縁がない指揮者(伝記本は興味深くよむけれど)

511korou:2024/01/20(土) 13:34:50
○ベートーヴェン「交響曲第6番」

前回推薦盤のワルター&コロンビア響で聴く。
どう書いたらいいのか分からないが
実に困った演奏で
超絶素晴らしい瞬間も味わえるのだが
ずっと聴いていると
どうにもならない不満もくすぶってしまうという感想になる。

第1楽章の展開部で曲想が盛り上がっていく部分など
まさに田園風景に感動した瞬間そのものが完璧に再現されていて
聴いていて胸が打ち震えるのをおさえることができないくらい素晴らしいのだが
終楽章まで聴き続けるにつれて
なぜそのような感動の瞬間が、それ以来再度訪れないのかという
贅沢な不満を覚えるという不可思議。

推薦盤であることに変わりはないが(上記感動の瞬間など他の演奏ではなかなか味わえない)
まだまだこれ以上のものを求めたい気持ちも大きい。
多分、ワルターがきっちり仕事ができた時期にステレオ録音が可能だったら
凄い演奏になっていたはず。

512korou:2024/01/21(日) 16:05:16
○ベートーヴェン「交響曲第8番」

推薦盤のシューリヒト&パリ音楽院管で聴く。
正直あまり期待していなくて
シューリヒトに結構イレこんでいた時期のなごりかもしれないとさえ思っていたのだが
聴き終わってビックリというか
やはりシューリヒトはシューリヒト、偉大な指揮者であることを再認識させられた。

出だしは録音の悪さもあって
何が行われているのか明確につかめない感じなのだが
すぐに個々の音の鋭さが感じ取れて
そこから先は天才の所業に凡人が慌てふためくといった体になった。
とにかく、ぼんやりとは聴いていられない。
そして、しっかり聴けば聴くほど
何が行われているのかどんどんハッキリしていくので
しっかりと聴くかいがあって
しっかり聴くことのしんどさなど微塵もないのである。
退屈もせず、心地よい精神の緊張を伴ったまま
終楽章まで到達し一気に終わる感じ。
曲が短めということもあるが
こんなに集中して音楽を聴き続けて
しかも真の意味で愉しいというのは
本当に久々の体験だった。
推薦盤に間違いなし!

513korou:2024/01/24(水) 15:09:33
○ベートーヴェン「交響曲第3番」

ヘッドホンでは、どうしても音量不足になりがちで
今回から、必要に応じて設定音量を調節することにした。
痩せた音質のシューリヒトの場合、通常の「50」ではなく「60」に設定。
その上で、シューリヒト&パリ音楽院管の「英雄」を試聴。

これは曲の外面を鋭く磨いた演奏で
「英雄」という曲が内包する魂の燃焼がイマイチうっとうしくなっている
今の自分にとって最上のスタイルの演奏といえる。
決して”人間ベートーヴェン”を再現した演奏ではないが
「英雄」という曲の持つ美点をいやがうえでも認識させられる職人肌の名演だ。
「英雄」について、他の演奏では何も感じられなくなった自分だが
この演奏だとさすがに心地よく伝わってくる。
新しく推薦盤としよう。

514korou:2024/01/25(木) 12:32:57
○チャイコフスキー「交響曲第4番」

寒くなったこともあり、今回は突然ながらチャイコフスキーを聴きたくなった。
推薦盤としては
スピーカー試聴を試みたときに追加したクーベリック&バイエルン放送響の演奏が面白そうだったので
今回はヘッドホン試聴で聴いてみた。
クーベリックの演奏は、普段あまり聴かないのだが
「ハルくん」サイトで推薦があって聴いてみたという過去の書き込みを確認、
なるほどそうだったのかと思い、とは言えその演奏の様子は全く記憶から消えてしまっているので(たった1年前なのに)
今回も半信半疑(クーベリック?という感じ)で聴き始める。
のっけから明快な音響でホッとする。期待通りのステレオ録音、
ハルくんの記述によると、1969年のライブの録音で
その時期としては最上の部類の録音だということ、そして
ライブで燃えるクーベリックの面目躍如ということだったが
まさにその通りで
これこそチャイコフスキーの交響曲を聴く醍醐味というべきか
音色一つ一つに哀愁と寂しさ、絶望感といった感情がこもっていて
心を動かされる。
ヘッドホンで聴いても素晴らしく
推薦盤であることに間違いはなかった。
録音、演奏ともに超一級品(第4楽章がややもたれるが、まあ小さな傷)

515korou:2024/01/26(金) 12:17:34
○ベートーヴェン「交響曲第3番」

「英雄」についてセルの名盤があることを思い出して
出だしだけ聴いてみたものの
薄っぺらい音質でクリーヴランド管の美点が全く感じられない録音に失望。
セルの演奏スタイル自体が現在の自分には好みでないのだが
それにしてもこの音質だと、それ以前の問題としてどうしようもない。

そんなわけで
オーケストラ演奏の醍醐味を味わいたいと思い
カイルベルトとドイツのオケの演奏はないかと探したところ
うまい具合に「英雄」がユンク氏サイトにアップされていたので
さっそく試聴・・・これが、素晴らしい!
思ったとおりオケがドイツの響きで満足したのはもちろん
カイルベルトの棒が「英雄」の楽譜から多くのニュアンスを引き出していて
久々に、ベート―ヴェンの音楽を聴く喜びを十分堪能。
リズムの処理が抜群で、これは今の自分には最も好ましいアプローチに感じられ
しかも細かい部分で聴きどころが多いのも嬉しい(同じくリズムが厳しいカラヤンには、こうしたニュアンスが乏しいのが惜しい)
録音の音質も1956年とは思えない美しさで
本当にどの楽器の音もクリアに聴こえる。
現時点では断トツNo.1、断然推薦盤となる(ヘッドホン試聴)

516korou:2024/01/27(土) 17:58:32
○ベートーヴェン「交響曲第5番」

「エロイカ」の演奏が印象的だったので
同じカイルベルト&ハンブルク・フィルの組み合わせで
決定盤のない「運命」を聴いてみた。
ユンク氏サイトにはアップされていないので
ナクソスで試聴。
「エロイカ」同様、純ドイツ風の音色に歯切れの良いリズムが刻まれ
出だしは予想通りの好印象。
前半2楽章は文句なしで、迫力の点でクレンペラーさえ上回る感じだったが
クレンペラー同様、後半2楽章の内容の薄さをカヴァーするものがなく
その点は残念な結果に終わった。
この後半2楽章に関しては
録音・実演ともに、かつて80年代に実演で聴いた朝比奈隆&大フィルの演奏を
上回るものに、なかなか出会えない。
その演奏にしても、ほぼ朝比奈の強引なドライブによるものだけに
やはりこの「運命」という曲は駄曲という他ないだろう。
前半2楽章だけ聴いて終わり、というのが今の自分の率直な感想である。
その意味では、クレンペラー同様
現時点で暫定の推薦盤となる。

517korou:2024/01/28(日) 16:32:10
○ベートーヴェン「交響曲第6番」

ちょっと前に
スピーカー試聴ながら
モントゥーの指揮で聴いた「田園」が良さそうに思えたので
再度試聴。今度はヘッドホンで。

結果、思ったより潤いがなかったので残念。
VPOの音は通常よりしっかり響いていて
独墺系の名門オケとしての実力は伝わってくるのだが
モントゥーとしては
それ以上の指示は遠慮しているかのようだった。
VPOといえども、普通に上手く合奏しただけでは
少なくともベートーヴェンの交響曲である以上
名演にはなり得ないという典型例だろう。
誰も悪くはないのだが
普通程度の演奏になってしまった。
VPOの音色を最上として敬意を抱く人にとっては
これでも推薦盤になるのだろうけど。

518korou:2024/01/29(月) 11:53:19
○ベートーヴェン「交響曲第6番」

どうも「田園」には決定機名盤がない。
モントゥーはかなり良い方だが、そしてワルターはそれ以上に良いのだが
それでも決定的ではない。
今回は、まず苦しい時のクリップス頼みということで、クリップス盤を聴いてみた。
さすがにテンポ、リズムは正確無比で素晴らしい。
ダイナミズムまでも気が配られていて素晴らしいのだが
なぜかロンドン響の音に不満が出てしまう。
他の曲でロンドン響の音色に不満を感じたことはないのだが。

そこで、純ドイツ風ということで
カイルベルト&ハンブルク・フィルの演奏を聴いてみたのだが
録音も演奏もなぜか冴えない。
演奏がイマイチだと、もともと録音は貧弱なので聴き続けることができない。

宇野さんの本だとシューリヒトが良いと書いてあるので
シューリヒト&パリ音楽院管で聴いてみる。
これはクリップスと同じで、正確な演奏なのだが
いかんせん音質が貧し過ぎるし、オケの音色にも不満が出る。

再び純ドイツ風ということで、ヨッフム&AC管、アバド&VPOあたりを試してみる。
ヨッフムの指揮は、物凄い重たいテンポで、今の自分の嗜好に合わない。
アバドもVPOだとテンポが遅いのだが、BPO盤もあって
なぜか、こちらはカラヤンばりにテンポが速くスマートだ。
同じ指揮者でなんでここまでテンポが違うのか不思議なくらいだが
BPOのほうが聴きやすい・・・でも何かが足りない。ニュアンス不足?

結局、名盤にたどり着けないし、以上の経過はエクセルに記述するほどでもない。
やはりワルターとモントゥーは特別なのかもしれない。

519korou:2024/01/30(火) 11:45:00
○ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」

推薦盤は、ルービンシュタイン(p)、クリップス&シンフォニー・オブ・ジ・エアー。
出だしは、いかにもアメリカの巨大オケらしい力強い音質で
クリップスが紡ぎ出すはずの音楽とは違和感満載だが
しばらく我慢して聴き続ける。
ルービンシュタインも
ホロヴィッツ・ショックからの基礎からのやり直しが完成した直後でもあり
やりたい放題の演奏で
どこまでもベートーヴェンではなく演奏者を感じさせる演奏。
一体どうなることかと思ったが
第1楽章の最後で、ルービンシュタインの弾くカデンツァの出来が素晴らしく
そこから第2楽章の入りに至るまで、オケの音色もクリップス風味がにじみ出てきて
このあたりから両巨匠の芸風がうまくハマり始める。
第2楽章の音楽の濃さ、ルービンシュタインの個性とクリップスの個性の
それぞれの最大の美点が奇跡的に混じり合い
他のどの演奏でも味わえない深い境地の音楽が聴こえるのだ、
第3楽章の速いテンポになっても、その深さは維持されて
こういう感じのベートーヴェンは初めて聴いたような気がする。
第1楽章の大半は違和感だらけでも
後半の充実度は驚嘆すべきもので
それだけでも推薦盤の価値はあると判断した。
本来なら(部分的に優れている場合は)○評価だけど、特別に◎でもいいかな。

520korou:2024/01/31(水) 14:14:57
○ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」

推薦盤のケンプ(p)、ケンペン&BPOで聴く。
モノラルながら音質は悪くなく
1953年当時のBPOの硬質で美しい弦の音と
ケンプの慈しむようなキータッチの音色が
ちゃんと伝わってくる。
演奏のほうも
十分に緊張感がありつつ、細かいニュアンスに事欠かない。
推薦盤として申し分ない。
優れた演奏だから、これ以上書くことがない。
これぞベートーヴェン!

521korou:2024/02/01(木) 16:16:02
○ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番」

推薦盤の1つ、ゼルキン(p)、バーンスタイン&NYPで聴く。
ゼルキンのピアノは真摯で力強く、ベートーヴェンの音楽にはぴったり。
それに対して、この時期のバーンスタインは
情熱的で前のめりで、これまた別の意味でベートーヴェンの音楽に最適。
そうした組み合わせで聴く「皇帝」は
第1楽章あたり、満足できる出来栄えになっている。
問題は、第2楽章からの深みのある曲想になってから。
第1楽章は豪快なニュアンスさえあれば
他のニュアンスが聴こえなくても良いくらいなのだが
第2、第3楽章は、意外なほど
ニュアンスを要求してくる音楽のように思えた。
その意味で、ゼルキンのピアノは実直に過ぎ、
バーンスタインは単調に過ぎるように思えた、
悪い演奏ではないのだが、推薦盤となると
もっとグレイドの高い演奏があるのではと
思いたくなる。

もう1つの推薦盤、ナクソスからグルダ(p)、シュタイン&VPOは
ヘッドホンで聴くと、グルダのピアノの音がおもちゃのピアノのような音に変換されてしまう。
演奏を聴く以前の音質の問題で、これはどうしようもない、

以上、前回の推薦盤2つともに疑義がついた。
次回は、元に戻って(?)、バックハウスなどを聴いてみることにする。

522korou:2024/02/02(金) 14:44:27
○ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番」

バックハウス(p)、イッセルシュテット&VPOの演奏を聴く。
言わずとしれた天下の名盤で
確かにドイツ風味満点、技術的にも表現においても
何も損なうものがなく完璧に近い。
しかし、致命的というか、個人的嗜好からいえば
この演奏には緊迫度が足りない、
悪く言えば
なにもかも分かっている世界でのんびり弾いているように思えるのである。

それから沢山の演奏を試聴。
なかなかこれぞ推薦盤という演奏に出会えなかったのだが・・・

やっと見出した。
ギレリス(p)、ルートヴィヒ&フィルハーモニア管の演奏。
これは、(一般にはまずいとされている)この盤の録音状態が
たまたま現在のヘッドホンの性能と相性が良いという偶然もあるのだが
とにかくオケの音色とピアノのタッチが渾然と溶け込んで心地よいのである。
それに加えて
ギレリスの演奏がいかにもベートーヴェンらしく真摯で誠実なのも
推薦盤に足る要素となっている。
ルートヴィヒという指揮者は初めてだがギレリスのサポートとして申し分ない。
これで決まりだ。

523korou:2024/02/03(土) 15:12:27
○ベートーヴェン「交響曲第8番」

推薦盤だが再聴をし忘れていたので試聴。
クリップス&ロンドン響の録音は全て良好で
最初から豊かな音質で楽しめるのが嬉しいところ。
この曲は、集中して聴かないと
途中で退屈すること必定なのだが
今日は集中できなかった(ちょうど眠気のリズムのピークで聴いてしまった)
それでも、良い演奏であることは確認できた。
クリップスの特徴からして
この曲で悪い演奏になるはずがない。
必要なことはすべておさえられていて
文句のつけようがない。
当然、推薦盤。

524korou:2024/02/03(土) 16:01:00
○ベートーヴェン「交響曲第5番」

べートーヴェンの交響曲をあらかた聴き終わり
「英雄」以降で唯一◎がついていない曲は「運命」だけだったので
未練がましくまだ名盤はないかと思いめぐらせ
フリッチャイの演奏を再聴することに。

ヘッドホンで再度聴いてみたフリッチャイの「運命」は
予想以上に音質、演奏ともに今の自分にフィットし
前回聴いたときよりも遥かに大きな感銘を受けた。
もともと第1楽章については
どんな指揮者よりも優れていることは分かっていたが
今回は、第2楽章以降も集中力を保って聴き続けることができ
実に素晴らしい演奏であることを再確認した。
曲想の単調な第4楽章でさえ
BPOの各奏者の名人芸で堪能できるのだから
これ以上の名演はない。
やっと「運命」にも◎の演奏を見つけたのである、
これでコンプリート!

525korou:2024/02/04(日) 16:09:23
○ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」

推薦盤は、パールマン、バレンボイム&BPO。
ナクソスでさっそく聴いてみた。
バレンボイムの指揮は無難なものだが
パールマンのヴァイオリンは、さすがの愉しさで
耳をひきつける。
ただし、あまりに軽快にすいすいと弾きこなしてしまうので
聴いていて引っ掛かるところがなく
贅沢な不満を覚えてしまう。
そもそも、この曲は真にベートーヴェンの音楽らしいのかという
本質的な疑問も生まれてくる。
音楽的には問題ないが
音楽鑑賞的には疑問の余地があるという演奏。
◎はつけにくく、○とした。
とはいうものの、これ以上の演奏を見つけるのは
どうだろうか?

526korou:2024/02/05(月) 14:32:50
○ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」

いろいろと試聴。
評判の良いシェリングはユンク氏サイトになかったので
ユンク氏サイトからは
まずシゲティとワルターの演奏を試聴。
ワルターの伴奏は完璧で美しいが
シゲティの精神美についてはピンとくるものがなかった。
本来はドラティのバックの演奏が推薦されていたが
ドラティだとピンとくるのだろうか。
そもそもこういう音楽について
自分は感性が不足しているのかもしれない。
ユンク氏サイトには、オイストラフもなかったので
ここでナクソスに切り替えて試聴。
シェリングがあったので聴いてみたが
やはりピンとこず(イッセルシュテットの伴奏は素晴らしい)
オイストラフも聴いてみたが、ピンとこず。
カラヤンとフェラスもダメで
これは曲自体が自分の好みでないと判断。
”300選からの選抜”自体から外すことにした。

527korou:2024/02/06(火) 12:40:24
○ベートーヴェン「ピアノソナタ第8番”悲愴”」

ケンプ、バックハウス、ギレリス、ギーゼキングを聴いた。
宇野氏絶賛のホロヴィッツがユンク氏、ナクソスともに見当たらないのが残念だが
一応、世間的にはこの4名のピアニストを聴き比べれば
主なところは網羅したことになるだろう(300選のアシュケナージ、インマゼールなどは論外)

やはりケンプが一番良い。
バックハウスは、1959年の演奏については問題外で
弾く意欲が全く感じられない。
おそらくレーベルの都合でステレオ録音をせがまれて
仕方なく録音したのだろう。
それに比べて1953年の演奏は(モノラルとはいえピアノ独奏なので音質的には致命的でない)
表現者としての意欲に満ちていて、まだ聴きがいがあるというもの。
しかし、それでもケンプに比べて単調で一本調子に思える。
ギレリスの演奏は、いかにもベートーヴェンという雰囲気が最高なのだが
バックハウス同様、重たさに傾きすぎて、聴き続けていると退屈してしまうのである。
その点では、ギーゼキングの演奏は
即物的というか、あらゆるニュアンスを一切捨てていながら
逆にすべてのニュアンスが詰まっていて聴きどころが多いという
逆説的で奇跡のような演奏になっていて興味深い。
ケンプのようなオーソドックスなニュアンスの入れ方とは正反対ながら
行き着いた地点は同じように深いのである。
惜しいのは音質で、これはレーベルの失態というべき。
この音質ではギーゼキングに失礼過ぎるというもの。
よって、前回推薦盤のケンプが、今回も推薦盤という結論に至る。

528korou:2024/02/07(水) 16:44:43
○ベートーベン「ピアノ・ソナタ第14番”月光”」

まずナクソスで推薦盤のギレリスを聴く。
残念なことに、この曲の第1楽章の静謐な分散和音の連続について
もう自分としては耐えられない感性を持ってしまっていることに気付く。
かつては神妙に聴き続けていたのだが。
途中でケンプの演奏に切り替える。
ケンプにしても、その退屈さを免れないのだが
ギレリスよりは音色が柔らかいので
その音色の微妙な変化を味わうこともでき
その点でギレリス(そしてケンプ以外のほぼすべてのピアニスト)を
上回っている。
第2楽章以下もケンプの演奏の優位は揺るがない。
おそらく、前回は第3楽章の迫力の点でギレリスに軍配を挙げたのだろうが
今回は、ケンプの第3楽章のニュアンスの細かさを聴き取れることができ
結局、推薦盤はケンプということに変更。
ギレリスも全然悪くない演奏、ケンプのような奇跡のピアニストが居なければ
断然ナンバーワンと言ってもよく
微かに感じ取れるその退屈さにしても
ベートーヴェンの音楽の古さのせいなのだと思う。

529korou:2024/02/09(金) 11:11:45
○ベートーベン「ピアノ・ソナタ第15番”田園”」

前回推薦盤はケンプ、しかし、馴染の無い曲ということもあり
ケンプらしい温かい演奏だと気が抜けて聴こえるのも事実(聴き慣れればいいのかもしれないが)。
バックハウスも同じように淡い演奏でイマイチしっくり来ない。
ナクソスでギレリスの演奏を聴いてみた。
これはじっくりと熟成させた演奏で
一つ一つの音が意味深く聴こえてくる。
最高の演奏なのかどうか
この曲に詳しくない自分には判らないが
少なくとも今の自分には
このギレリスのような慎重で用意周到な演奏が好ましい。
現時点での推薦盤はギレリスということになる。

530korou:2024/02/14(水) 11:52:12
○ベートーベン「ピアノ・ソナタ第17番”テンペスト”」

推薦盤はバックハウスだが
52年の旧盤か63年の新盤なのか不明だったので
まず新盤からチェック。
悪くはないが、取り立てて抜群の名演とも思えない。
レコ芸500選だとリヒテルが一番で、小林利之氏もリヒテル推しなので
ナクソスでリヒテルの61年盤を試聴。
リヒテルに向いている曲想であることは間違いないが
バックハウス新盤との優劣を考えた場合
これという決め手がないように聴こえた。

最後にバックハウスの旧盤を聴く。
これは素晴らしい。
第1楽章で曲想が盛り上がり、鍵盤で強音が鳴ったときに
バックハウスが表現しようとしたベートーヴェンの魂が
聴こえたような気がした。
これこそベートーヴェンの音楽。
文句なしに推薦盤。
旧盤であることを明示しておこうか。

531korou:2024/02/15(木) 17:39:15
○ベートーベン「ピアノ・ソナタ第21番”ワルトシュタイン”」

まず推薦盤のバックハウスから。
前回の試聴で旧盤と新盤ではかなり出来映えの差があることに気付いたので
今回は旧盤だけで試聴。
「テンペスト」同様、これぞベートーヴェンという演奏で
曲想も相俟って、物凄い迫力だった。
試しにケンプも聴いてみたが
このバックハウスの後に聴くと
さすがに物足りない。
曲想によっては、こういうこともある。
レコ芸だとギレリスを推薦しているので
ナクソスで聴いてみた。
これも素晴らしい。
バックハウスほどピタッとハマってはいないのだが
そんなことを忘れさせるほど異様なほどの集中力で
音楽をまとめて有無を言わせない。
ギレリスの良い面が最大限に現れた名演だと思う。
バックハウスとの優劣など考えるだけ無意味だ。
名演と名演を比較しても仕方ない。
最後に宇野氏絶賛のホロヴィッツを聴いた。
これは音質も演奏もベートーヴェンを味わうには
テイストが違い過ぎる。
固いだけのタッチで、いつもの集中力も感じられない。
ホロヴィッツならもっと凄い演奏があったはずだ。
というわけで、バックハウスとギレリスの2つの名盤が推薦盤。

532korou:2024/02/17(土) 13:10:57
○ベートーベン「ピアノ・ソナタ第23番”熱情”」

まず推薦盤のバックハウスを聴くが
例によって旧盤から聴くと、これが音質が悪くて迫力がない。
新盤に切り替えると、音質は格段に良くて
バックハウスのやろうとしていることがよく分かる。
これは珍しく新盤の演奏を採るしかない。
それにしても、この曲のイメージからは
やや外れた感じの印象を持つので
さらにギレリス、ケンプ、ホロヴィッツ、リヒテル、アラウなどを聴いたが
どれもこれも「熱情」というより「意志」という感じで
重たく大きく、激しさは部分的にしか表現されない
(以上のなかではアラウが最も音楽的に優れているように思う。
 そして以上のなかでは、やはりバックハウス新盤が一番自分の好みに近い)

ナクソスでグルダを聴いてみた。
これこそ自分の(勝手な)「熱情」のイメージに最も近い。
重たさ、大きさなどが念頭になくて
鋭さ、激しさ、明晰さが優先された演奏。
バックハウス、アラウと並ぶ名演、そして一番愛聴しそうな名演。
推薦盤はグルダとし、他はいろいろ聴いたがバックハウスとアラウだけ
記録に残しておこう。

533korou:2024/02/18(日) 15:52:03
○ベルリオーズ「幻想交響曲」

まず推薦盤のモントゥー&サンフランシスコ響から。
何度も聴いた演奏だが
今回は久々というか、ほぼ初めて全部通して聴いた。
個人的には、第1楽章からして素晴らしいのだが
一般的には、後半2楽章が鮮烈ということらしい。
今回はその鮮烈さを実感した試聴となった。
テンポの動きがいかにもこの曲のおどろおどろしさにピッタリで
どうやってこういう表現にまで至ったのか
凡人には本当に分からない、まさに天才指揮者というべきか。

ということで
この演奏について推薦盤の地位は不動だ。
ただし、この曲については
思ったほど他の指揮者を聴いていないように思うので
しばらく数人ほど聴いてみようかと思っている。

534korou:2024/02/21(水) 17:55:34
○ベルリオーズ「幻想交響曲」

まず定番とされているミュンシュ指揮の演奏から。
67年のパリ管盤を聴き始めるが、弦の音色が酷いので
聴き続けることができない。
なぜ、こんな音質の演奏が絶賛されるのか理解に苦しむ。
ちょっと尋常でない音の悪さだ。
次に、62年のボストン響盤も聴いてみたが
これは音色が軽すぎて、聴き続けられないというより
この程度の普通の演奏を聴くだけ時間のムダのように思え、中止。
第4楽章のティンパニと金管の音の鮮烈さは秀逸だが
そういう個性的な表現のない部分は実に平凡。

ミュンシュのパリ管盤は
音が悪いとは言え、表現に感情がこもっていて
その点が魅力的なのはモントゥーと同タイプの演奏だろう。
となれば、もう少しクールな感覚の演奏も聴きたくなり
ナクソスで60年代のカラヤン&BPOの演奏を探して聴いてみた。
これは期待通りの音質で耳に心地よく
カラヤンの演出もクールそのもの。
楽曲の内部に浸り切って感情を爆発するというタイプの演奏とは真逆で
聴こえてくる音から何の感情も伝わってこないが
それはそれで心地よいのである。
カラヤンの美点が意外なほどこの曲にマッチしている。
推薦盤にはし難いが
クールにこの曲を味わいたいときには最適な演奏だと思った。

535korou:2024/02/23(金) 12:13:57
○ベルリオーズ「幻想交響曲」

その後も、ミュンシュ&パリ管の演奏をスピーカー視聴したり
バレンボイム、パレー、プレートル、モントゥー&VPOなどを聴いてみたが
モントゥー&サンフランシスコ響を超える演奏は存在しないことを
再確認する結果に終わった。
これは天才の演奏、これを超える演奏は
今後とも現れないと思われる。
以上でとりあえず「幻想」は終わり、
次の曲へ。

536korou:2024/03/01(金) 12:24:13
○ブラームス「交響曲第1番」

(数日前にこのスレに記入したような気がしたが勘違いだったようだ。ここ数日の試聴記録を以下に記すことにする)
カラヤン&BPO(’63)の演奏。特に不満はないのだが
カラヤンの集中力とBPOの分厚い合奏で、この曲を通して聴くと
さすがに重苦しく聴こえてしまう。
贅沢な注文になってしまうが、
もしこの重苦しさがなくて、これだけの厚味があれば、と思ってしまう。
フルトヴェングラー&BPOも同様で
特に第1楽章冒頭のキマった感じは尋常でないのだが
むしろ聴く側の自分のほうに
冒頭の緊張を45分以上持続させて聴き続ける能力がないように感じるのだ。
ワルター&コロンビア響の演奏は
さすがにオケの迫力が乏しく
この曲に関しては、それが致命的に思える。
以上が前回推薦盤(カラヤンだけはBPOとVPOを間違えた)についての感想。

そして、今日、聴き比べサイトでの推薦盤、ショルティ&シカゴ響から聴き始め。
これは、ワルターと真逆で、この曲にふさわしい剛毅なイメージはたっぷり、とは言え
それ以外のニュアンスが皆無という寂しい演奏、いかにもショルティ、
評判高い晩年のカラヤン&BPO(’87)の演奏は
ショルティを聴いた直後だと素晴らしいが
それでもあえて(この段階で未確認の)カラヤン&VPO(’59)を聴いてから判断。
そのカラヤン&VPO、素晴らしい!これこそ推薦盤にふさわしい。
VPOがニュアンスをつけて、
同時期のカラヤン&BPO盤で感じられた重苦しさを消している・
他に、ベーム&VPO(’59)も気になるのだが、
多分カラヤン&BPOと同じ重くるしさがあるのでは、と思ってしまう。
とりあえず、カラヤン&VPOで今回のヘッドホン試聴での推薦盤に決定。

537korou:2024/03/04(月) 15:06:48
○ブラームス「交響曲第1番」

ベーム&BPO(’59)を聴いてみた。
重苦しいのではと予想していたが
それを上回る推進力があり
カラヤンにはない中身の詰まった、いかにも名演のときのベームといった
素晴らしい出来だった。

カラヤンも聴き直してみたが
これはこれで他にはない魅力があり
ベームのような燃焼力の高さよりも
スッキリとこの曲を味わいたいときには
やはりベスト盤ということになる。

というわけで
◎は2種、カラヤン&VPO、ベーム&BPO(いずれも’59)を
推薦盤とする。

538korou:2024/03/05(火) 14:52:12
ついに、PCからのbluetooth受信に成功。
ナクソスを
無線イヤホンで聴くことができるようになった。

・・・となれば
今日以降は、ヘッドホン試聴ではなく
ワイヤレスイヤホン試聴ということにしたほうが
耳などの健康と、今現在の生活環境の面から
ベターであることは間違いない。

ということで
エクセルの表を修正し
さっそく最初のワイヤレスイヤホン試聴を
試してみた。
試した結果として
ヘッドホン試聴はもうやらない
ということで良さそうである。
次々と変更し続けることになるが
仕方ない。
より良い条件で
試聴を続ければいいのだから。

539korou:2024/03/05(火) 14:57:41
○ブラームス「交響曲第2番」

ワイヤレスイヤホン試聴の初回。
ナクソスをワイヤレスイヤホンで聴くと
ステレオ録音の音質が
予想以上にぐっと広がって聴こえて
かなりイイ感じになることが分かった。
モノラル録音だと
逆に音量不足の結果となって
ヘッドホン試聴以下の音質になるのだが
その点でも随分と今までと違ってくるだろう。

推薦盤は、ワルター&NYP、ジュリーニ&ロス・フィルだったが
ワルターについては、上記のようなことで
ワイヤレスイヤホン試聴の形になると物足りない。
ジュリーニのほうは
素晴らしい音質になるのだが
肝心の演奏が、第1楽章の意味不明な演奏時間ということもあり
やたら長く感じるのが致命的だ。
代わりに、ハルくん推薦のシューリヒト&シュトゥットガルト放送響の演奏が
音質も演奏も良く
とりあえず
今回はこれが推薦盤となる。
もう少し聴き込んでみようか。

540korou:2024/03/06(水) 18:03:21
○ブラームス「交響曲第3番」

ワイヤレスイヤホンで多くの演奏を試聴。
推薦盤のジュリーニ&ロス・フィルを聴いていて分かったこと。
この曲について一番聴きたかった時期には
このジュリーニの穏健な演奏が一番良かったのだが
今となってはそこまでの入れ込みがなく
そうなると、もう少し細かく表現してほしいということになる。
その意味で
ゆっくりで重たくてもよければ
ナクソスでザンデルリンク&ベルリン響の演奏も好ましく
もう少し普通に音楽的に高度なものとなれば
ユンク氏サイトでクレンペラー&フィルハーモニア管がベストだろう。
というわけで
クレンペラーが今回の推薦盤となるが
気分によってはジュリーニが一番という時期もあるかもしれない。
とにかく、なかなか難しい曲で
弦の音色、管楽器の絡ませ方、テンポ、冒頭のアクセントの付け方、リズム
どれをとっても、不満な箇所が目立てば
もうそれだけで聴く意欲が失せていく、そんな感じなのである。
(音質さえ良ければ、トスカニーニの演奏も推薦盤候補なのだが・・・)

541korou:2024/03/08(金) 12:01:44
○ブラームス「交響曲第4番」

ワイヤレスイヤホンで聴くと、音質がいくらか劣化するので
今までに推薦盤で聴いた印象とは異なってくるのは納得していたはずだが
今回ほどそのギャップを痛感したことはなかった(といっても、まだ3曲目なのだが)
いろいろな演奏を聴いて、そのどれもにイマイチな印象を抱き
そのうちに、この曲を聴くことについて一体何を求めているのか分からなくなる
という比較試聴のドツボにハマっていくことになっていくのである。

推薦盤のラトルとベームというのは自分でも意外な選定で
その経過を確かめることなく、いきなり聴いてみたが
ラトル盤は解釈が当たり前すぎて特徴がなく、
逆にベーム盤はどこにも不満はないのだが、ただベームというだけで重たい印象が拭えないわけで
どちらも今回は推薦盤にはなり得ない。
ふとヨッフムのモノラル盤(本当はステレオ盤が聴ければベストなのだが・・・残念!)を聴いてみると
やはりこれが一番すんなりと聴ける演奏で、推薦盤にふさわしい。

そして、今日、ステレオ録音をユンク氏サイト中心に
ほぼ全部聴き続けてみたが
どうもピッタリの演奏が見当たらない。
結局、少し重たすぎるきらいはあるものの
同じ重たさでもベームのような野暮ったさがないだけマシということで
ナクソスでのザンデルリンク&ベルリン響の演奏を
ステレオ録音での推薦盤ということにした。
それにしても、ワルター&コロンビア響の演奏が
もう少し弦の厚味が聴こえればベストなんだが・・・(無線イヤホン試聴では薄すぎ、かといってイヤホン試聴でもイマイチに聴こえた・・)

542korou:2024/03/08(金) 12:32:00
○ブラームス「交響曲第4番」

ジュリーニ&VPOを聴き忘れていた。
出だしは最高なのだが、やはり最後の追い込みが落ち着き過ぎていて
結局ザンデルリンクと同じ印象になってしまう。
ここはヨッフムの独壇場ではないだろうか。
早くヨッフムのステレオ盤が無料で聴けるようになってほしい。
それまでは、ジュリーニとザンデルリンクが暫定推薦盤(評価○)となる。
以上。

543korou:2024/03/09(土) 10:31:53
○シューベルト「交響曲第9番」

ふと聴きたくなって、ブラームスの次のブルックナーではなく
このシューベルト(ホント、時として急に聴きたくなるのだ)
推薦盤はクリップス&AC管、これは期待できる・・・と思ったが
無線イヤホンだとこれが違ってくるわけだ。
別の曲でも、クリップスは
無線イヤホンで聴くと魅力が減退してしまったのを経験済みなのだが
この演奏もそう。
クリップスのせいではなく、視聴環境のせいである。
音が貧弱に聴こえる、そしてそのせいでこの偉大な指揮者が
何をしようとしていないかについて用意周到であることが
全然伝わってこないのである。
したがって貧相な音でごく普通の演奏を聴いているという
印象になる(あ〜あ、やんなっちゃうよ)
まあ仕方ない、真価を知りたければイヤホンもしくはヘッドホンで聴くしかない。

ということで、無線イヤホン試聴では、録音・演奏ともに○という評価に格下げ。

544korou:2024/03/10(日) 15:32:06
○ブルックナー「交響曲第4番」

まず、推薦盤のうち、ティントナー指揮の演奏から。
出だしが記憶している以上にゆったりとしていて
まず自分の記憶が意外(苦笑)
しかし(そこは記憶と違っていても)納得の推薦盤。
全然せっついた感じがなく
まさに大自然の悠揚たる息遣いとともに呼吸しているかのような
これぞブルックナーの宇宙という印象。
こんな世界は
ブルックナーの音楽鑑賞以外あり得ない。
迷うことなく推薦盤です。
録音も優秀、オケ(ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管)も適度な淡さが快適、

545korou:2024/03/11(月) 16:05:36
○ブルックナー「交響曲第4番」

あまり好きな曲ではなかったのだが
調べれば調べるほど面白い情報が出てくるので
しばらくはこの曲ばかり聴き続けることになりそうだ(1日に2つ聴くことは不可能だし、演奏時間からも、聴くエネルギーからも)

まず、かつてのもう1つの推薦盤、ネルソンスについて。
これは、どこも悪くないのだが
かといって、今聴くと、どこが良いのかも分からなくなってしまった。
どこを聴いて推薦盤にしたのだろう?
普通程度の良い演奏ではないのかと思ってしまう。
そして曲のつまらなさを思ってしまう。

ひょっとして、つまらない曲を立派に聴かせる点で
クレンペラーなどがいいのではと思い
ナクソスからユンク氏に切り替えてクレンペラーの指揮で聴く。
確かにこれもいいのだが、やはり途中で退屈してしまうのも事実。
これは曲のせいだと思っていたのだが・・・

最後にヨッフムを聴いてみた。
これは良い!曲のつまらなさなど一切連想させない。
これでもかこれでもかといろいろな仕掛けを繰り出しながら
ブルックナーの音楽の素朴さ、自然さを全く損なわないのが奇跡的。
本当に退屈せずに、しかもブルックナーらしい響きで聴ける。
これは推薦盤に値する。ティントナーとは正反対のアプローチで、こんな名演もあるのだという驚き。

546korou:2024/03/11(月) 16:22:53
○ブルックナー「交響曲第4番」

さて、この曲については
ケンペ、レーグナー、チェリビダッケなどの名演があるらしく
レーグナーは最速、チェリビダッケは最遅で有名ということらしい。
ケンペが指揮するミュンヘン・フィルは
ブルックナーに最適な音色のオケということらしい。

この曲に関しては
聴き比べサイトの方のヨッフム評が自分とは異なるので
ハルくんの感性のほうが自分には近いが
その両方のサイトで上記3点が高く評価されている。
さらに、ハルくんサイトでは
ベーム、ヴァントも最高級の評価で
これら(及び年代が違っても類似のもの)の演奏が
ナクソスにあれば
やはり聴いてみたいところ。
ヨッフムのおかげで
他の演奏も聴く余裕が出てきたし。
(ティントナーは他と全く違うので、他の演奏を聴く余裕が出てこなかった
 つまり、ティントナーのようなアプローチは他にはないだろうと予測できるので)

547korou:2024/03/12(火) 16:54:59
○ブルックナー「交響曲第4番」

今回はチェリビダッケ&ミュンヘン・フィルの演奏を聴いてみた。
テンポが極端に遅いと聞いていたが、聴いた感じではそんな印象ではなかった。
繊細に表現すべきところでは慎重に音を響かせていたが
そうでないところは少し遅い程度で全く気にならない。
そして、全体として非常に荘厳で神々しい。
聴いていて飽きるどころか
もっとじっくり聴き込んでみたいと思わせる演奏だ。
個性的ではあるが
けっして指揮者の存在を強くする演奏ではなく
あくまでもブルックナーの宇宙を表出するための
壮大な仕掛けという感じ。
初めてチェリビダッケの真骨頂を知った気がする。
これは間違いなく名演、推薦盤にふさわしい。
ヨッフムの指揮は
意図したところが明快で、それでいて意図が先走らない見事なものだが
チェリビダッケの指揮は
どう意図しているのか分からないが、とにかくブルックナーにふさわしい壮大さがある。
そして、ティントナーは、指揮という行為さえ感じさせない自然さ。
三者三様で素晴らしい。

そして、まだケンペとレーグナーが未聴なのだ。
ブルックナー「第4」侮れない。
名曲ではないが、指揮者の能力の何かを引っ張り出すだけの魔力のある曲だということが
今回の比較試聴で分かった。

548korou:2024/03/13(水) 11:40:59
○ブルックナー「交響曲第4番」

今回はケンペとレーグナー。
まずケンペ&ミュンヘン・フィルから。
これは予想通りの正統派の演奏で
曲の解釈やオケの音色について何の不足もないが
逆に積極的に聴いてみたいという魅力に欠けるのである。
ケンペと言えば、いつもその印象なのだが
今回も評判の割には
そのイメージを払拭するほどの個性は感じなかった。

レーグナー&ベルリン響については
確かに速い演奏で、それでいて音楽が途切れないようになっているのは
さすがにレーグナーらしいところ。
曲の構成を知るには最適な演奏かもしれない。
ただし、チェリビダッケとかティントナーのような超名演を知ってしまった以上
こちらの要求するものが肥大化していて
そう思えば、一度聴けば十分かなということにもなってくる。

というわけで
他に超名演がなければ
なんとなく推薦盤というレベルではあったが
さすがにヨッフムを凌ぐ出来栄えとは思えなかったので
推薦盤とはならず。
まあ一度は聴くべき佳演ではあるのだけれど。

549korou:2024/03/13(水) 12:12:58
(訂正)↑
 (誤)レーグナー&ベルリン響 ⇒ (正)レーグナー&ベルリン放送響

550korou:2024/03/15(金) 17:32:17
○ブルックナー「交響曲第4番」

ベーム&VPOで聴く。
これはVPOの音色が抜群で
それだけで推薦盤に値するクオリティだ。
ベームの指揮は安定していて
ブルックナーの音楽にフィットする部分は多いわけで
世評高い演奏というのも納得できる。

ただし、あまりにぴったりの音色で
堂々と音楽を展開されると
逆に眠くなってしまうということにもなる・・・
試聴中、何度かウトウトしてしまった。
これは聴く側の問題なので
推薦盤にすることについて何の問題もないが。

ヨッフムかベーム、これが入門編で
どちらを選ぶかは好みということになる。
そして、チェリビダッケとティントナー、これも
愛聴するかどうかは別として必聴もの。
この曲に関しては
予想外に明確な基準ができあがった。
次は順番通り「第5番」にしようか(エクセルの表だと「第7番」の順なのだが)

551korou:2024/03/22(金) 11:41:04
○ブルックナー「交響曲第7番」

結局、このところ「第7番」ばかり聴いている(時間の関係で第1楽章ばかり)。
まず、推薦盤のネルソンスだが
無線イヤホン試聴だと、意外なほど淡泊に聴こえてイマイチ。
耳の感覚のせいかと思いきや
マタチッチで聴くと、期待通りの分厚い音感で
これは間違いなく推薦盤だ。
ユンク氏サイトで目ぼしいものはないかと聴きまくってみたが
ワルター以外、聴きごたえするものがなかった。
ワルターの指揮は、意外なほど、新鮮な響きで
他の指揮者では聴かれない多彩な音が聴こえてくる。
再びナクソスに戻り物色。
ティーレマンを発見し、これは拾い物。
ベートーヴェンでは物足りなさがあるが
さすがにブルックナーだと聴かせる演奏だ。
そして、今日、ティントナーと朝比奈隆を聴いた。
ティントナーはいつも通りの淡い響きで好感が持てるが
さすがにこの曲ともなると、もう少しの情熱感が欲しい。
第4番あたりまではティントナーの淡さが最大限にフィットするのだが・・・
そして、朝比奈隆、これは響きがまさにブルックナー。
荘厳で神々しい、これはこれで独壇場ではないか。

あと、ヨッフムとレーグナーを聴けば十分かと。
さらに。◎印の演奏について、第3楽章以降もチェックしたい。

552korou:2024/03/24(日) 15:52:31
○ブルックナー「交響曲第7番」

レーグナーを聴く。
いつもの爽やかな響き、清冽な響きで心地よいが
残念なことにテンポが速すぎて
微妙に感情がついていけないきらいがある。
この曲の前半には
どうしても守ってほしいテンポがあると思っているので。

ヨッフムを聴く。
ドレスデン・シュターツカペレとの演奏は
ブルックナーの曲想に阿吽の呼吸でさすがだが
いかんせん、ナクソスの音源を無線イヤホンで聴くという環境では
あまりにも音が薄っぺらすぎる。
解釈において、これが現在の環境で聴けるベストの演奏なのだが・・・
BPOとの演奏('64)は
ユンク氏サイトでもナクソスでも試聴可能で
これはドレスデンとの演奏とは真反対というか
演奏の出来は劣るけれどもオケの響きが実に美しい。
最初は、ヨッフムなのでここまで響きが絶妙なら推薦盤としようかと思ったのだが
AC管との演奏のあの深い境地を知っている限り
このBPO盤の”当たり前な”解釈を推薦盤とするには忍びないのである。
ドレスデン盤なら、音質さえ良ければ文句なしに推薦盤なのだが。

ということで、曲の前半までの結果から
マタチッチ、ワルター、ティレーマン、朝比奈隆が推薦盤となる。
次回以降は後半戦。

553korou:2024/03/28(木) 21:11:29
○ブルックナー「交響曲第7番」

曲の後半を、ワルター、ティレーマン、朝比奈隆、ヨッフム、チェリビダッケ、マタチッチで聴く。
チェリビダッケは聴く必要なかったのだが、間違えて聴いた。
凄いとは思うが、この曲に関しては判断しにくい(前半も聴いてないし)
ヨッフムも聴く必要なかったのに聴いた。
前半と同じく、オケ(BPO)の音色は素晴らしいが、それ以上のクオリティはない。
その意味では、ティレーマンも同じで
ドレスデンのオケは素晴らしいが、それ以上のものがなかった。
朝比奈隆はそれと正反対で
いろいろと個性的なのだが
都響の音色の単調さを補って余りあるという評価まではできなかった、

同じくオケの音色というか厚みに不足があるワルターではあったが
それ以上の美しさ、抜群の表現力に惹かれた。
何回でも聴ける安心感、安定感がある。

そしてどの指揮者で聴いても同じような後半なのだが
ただ一人、全然違う音楽を聴かせてくれたのがマタチッチ。
これこそブルックナーといいたくなるような威厳と強さがあった。

というわけで
名曲ゆえに推薦盤以外は聴くに値しないということでは全くないのだが
そのなかでも推薦盤ということになれば
マタチッチが一番、ワルターもそれに次ぐ推薦盤という結果となった。

次は「第5番」に戻ろうかな。


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