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おもらし千夜一夜4

486 名無しさんのおもらし :2017/07/17(月) 00:28:10
「ぅぅ……」
「ねぇっ、もうすぐ休み終わっちゃうから、早くしてよっ!」

 女子トイレの中、個室に向けて並んだ列から声がする。
誰も ”アレ”――小便器を使おうとはしない。
男子トイレにあるのと形は少し違っていて、腰の高さできゅっとすぼまる器の淵はそのまま突き出し、細長い溝が突き出している。
男性器の無い私たちがおしっこをした時どうしてもお尻の方におしっこが垂れてしまうから用意されたものだと分かるのだけれど、不格好に伸びたそれは舌を出してケタケタ笑っているみたいで、私は苛立ちを覚えながら目を逸した。

ここ数年で急速に普及が進んだ、女性用の小便器。
公園の、駅の、コンサートホールの……今じゃ、大抵の女子トイレは壁の片側から個室が取り払われている。
慢性的な女子トイレ不足を解決できて、トイレのために新たにスペースを確保する必要も無い――なんて、いいトコだけ書けば確かに良さそうに聞こえるけれど。
誰が推したのやら……あんなもの。

私の前にも後ろにも続く長い列と対照的に、五個ある小便器はどれも使われておらず、真新しくピカピカと光っている。
だから、あの溝を跨いで、下着を降ろして、体から力を抜く、それは一切待つ必要なくて、今スグにでもおしっこを出す事ができる。

でも。

「はぁっ……トイレっ……早く……!」

 順番を次に控えた子が、切なげにそう呟く。
その声、その言葉に体の奥底からゴポゴポと泡立つように、また大波が来る。
私は膝をピッタリくっつけて、スカートの裾をぎゅっと握った。

「っ……ん、くぅ……!」

 壁が無いから視線は遮らない、擬音装置も無ければセンサーで人影を感知するものだから用を足し終えるまで水は流せない。
紙が用意されていたり、さっき言った溝だったりと配慮は一応あるけれど、用が足せればそれでいいじゃないかと言わんばかり。
まだ幼い小学生の妹は、 ”こっちの方が早くできるし便利じゃん” なんて言ってすっかり順応しているけれど、私はそれを “トイレ” とは思えなかった。
これがパソコンやスマホに文句を付ける人たちの気持ちがなのかと、綿のように柔らかく受け入れる妹がちょっと怖かった。

「駄目そーだね……」
「うん……戻ろっか」

 後ろから沈んだ声色と共に、足音が段々と遠ざかっていく。
壁には向かわず、出口に向かって一直線。
あの子たちも私と同じ気持ちなんだろう。

「はぁっ……トイレ、もっと増やしてよっ……!」

 後ろから詰めてきた子が低い声でそう漏らす。
多くの女性達があの品のないL字形を受け入れる事ができていない……それがこの国の今。
そりゃあそうだよ。これまでの常識――仕切られた個室の中、ひっそり慎ましく用を足す――とはまるで違う “立ちション” をいきなりやれと言われてもそれは無茶だ。
これは結構問題になっていて、学校でも小便器を利用するようにだとか、小便器の使い方を保健の授業で教えたりするくらい。
 私もこの学校に入学したての頃は、全然ありつけない個室のトイレを諦めて ”アレ” で何度か用を足した頃があるけれど、物凄い目で見られるし、死ぬほど恥ずかしいし……季節が夏に移り変わった今、 “アレ” で立ち小便を披露しようだなんて子は早々いない。

“あんなの、トイレじゃない”
それが乙女の共通認識だった。


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