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おもらし千夜一夜4

395事例11「卯柳 蓮乃」と体育祭。7:2016/06/23(木) 00:03:57
――
 ――

山寺さんとの話を終えてから、今度はまゆや弥生ちゃんに捕まり
ようやく開放された私は体育館を出て再度『声』に意識を傾ける。

『此処、個室ひとつしか使えないんだった……校舎の方に行こうかな?』
『やっと次だよー、もう、さっさと修理してよー』

複数の『声』が聞こえる。
個室がひとつしか使えないということは体育館横のトイレだろう。
と言うか、私まで『声』が届きそうな位置にあるトイレはそこだけ。

だけど、聞こえてくる『声』はどれも大きくなく、切羽詰っている様子はない。
卯柳さんの『声』も聞こえてこない。

――……出遅れたし…もしかして、もう済ませちゃった?

一瞬そう感じたが、私が体育館で話をしていたのは長く見積もっても精々5分。
『声』の中に『やっと次だよー』という内容があったことを踏まえると
並んでいるのは一人や二人では無さそうな気がする。

そう思い、視線をトイレのあるほうに向けるとトイレの入り口――――個室ではない――――付近に
数人並んでいるのが見て取れる。
5分前もあの状態だと仮定すると、既に済ませたと言うのは流石にないはず。
だとすると――

――……校舎に戻って2階のトイレに向かった?

体育館から一番近いのはそこだ。
私にとっては少し嫌な思い出のあるトイレだけど……。

とりあえず、渡り廊下を小走りに歩みを進め、校舎へ向かう。
もしかしたらもう済ませた後なのかも知れないが、体育館横のトイレの混みようだと
こちらに流れてきている人もそれなりに居てもおかしくはない。

校舎に入り階段を上る。
上から人の気配を感じ同時に『声』が聞こえてきた。

『こっちも混んでるのか……』
『ちょっと時間掛かったけどあっちよりかはマシだよね? 個室多いわけだし』

複数のそんな『声』の中に一際大きい『声』が聞こえる。

『あぁもう! 後何人?? ……はぁ、直ぐ回ってくると思うけど』

それは卯柳さんの『声』。
私は階段を上り切るとトイレから5人くらいが溢れるように並んでいるのが目に入る。
その後ろから2番目に卯柳さんはいた。
私は行列の最後尾の方に歩みを進め、不自然に見えない程度に視線を卯柳さんへ向け観察する。

仕草は若干落ち着きがない程度で、意識して見ていないとわからない。
切羽詰ってはいるが、まだ余裕も残してる……そんな風に感じる。


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