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界螺旋聖・遠方見聞録

15彗斗:2012/12/31(月) 15:11:05 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
さて、今年もあとわずか。今までにない事を此方の話では考えておりますのでどうぞ生温かい目でも良いので見ていって下さい☆
―――――――――――――
十乃呪印 罪界からの魔の手
「? メテオ、その子は……?」
「ん? あぁ、桜か」
 メテオにいきなり声をかけて来たのは、先程までショックで身動きすら出来ていなかった桜だった。その後ろには爽もちゃんと付いて来ている。
 穹は二人を見て自己紹介を始めた。
「あ、私「鷸谷 穹」と言う者です。因みにこの岩は私が住んでいる世界の土台で……」
「それならアンタがこの岩を私の神社の境内にプレゼントしたって事で良いのかしら? 倍のプレゼントをアンタにしてあげるから覚悟しなさい!!」
「止めろ〜!? まだ穹とか言う奴の話が全て終わっていないぜ?! お前は待つと言う二文字を知らないのか〜?!」
 いきなり呪印を結び穹に向って呪印を解放しようとする桜を、爽は慌てて背後から取り押さえる。
 その様子を隣でずっと見ていたメテオは人知れず呟いた。
「……この異変について調べたりできる場所は無いのか……」
「!! そうだ爽あれよっ!!」
 メテオの言葉を聞いて、桜は爽を連れて居間に駆け上がる。
「いきなり何を…! あぁ、あれか!!」
 いきなりだった為に爽は訳が分らすにいたが、桜が畳の床を指さした瞬間、爽は理解が出来た様だ。
「地下書物庫か……あそこなら過去に似たような異変について書かれた書物があるかもしれないな。よし! その話、乗ったぜ!!」
「お…お前らそんな場所があったら早く言えよな……」
「それじゃ、私達は書物庫で調べ物をして来るから、アンタはここで穹ちゃんを護っていてよ?」
 畳をめくって地下への入り口を開けた桜は、メテオに穹を護る様に指示した。勿論の事だが、メテオは反発しようと口を開いたが既に桜が呪印を組んでメテオに向けていた為、渋々受諾するより他無かった。
「……ったくしょうがねぇな…分ったよ」
「……あ、そうだ。穹ちゃんを何処にも逃がしたりしないように、あと私が調べてる最中に和菓子とか勝手に食べないでね」
 その二つを言い残して爽と共に地下室へと降りていってしまった……その時を見計らいメテオは腰を上げて少し呟いた。
「いまさっき、和菓子などを勝手に食べるなって言ったのを聞いたよな? この言い付けには穴がある。それは……此処にしまってある茶葉を勝手に使ってお前と俺が飲む緑茶にしても良って言う事だな」
「それ……良いんですか? 後でボコボコにされちゃいますよ……?」
 その言葉を聞いた穹は、ホトホト呆れている。その茶が入った筒を持って台所の方にメテオは行ってしまった……頭に手を当てて呆れている穹にメテオの返答が返ってきた。
「大丈夫さ、お客をもてなす事の何処が悪いんだよ?」
 台所からメテオの返答が返ってきた。ま…それもそうかな……と割り切った穹はメテオが緑茶を持って来るのを待っていた……とその時、生温かい風が穹の頬を撫でた……
――仏界に居た時に感じた風とそっくりである。
 穹の顔からさっと血の気が引いた。慌てて周囲を見渡すが何も居ない……ホッと安堵のため息を漏らしたと同時に見ていた風景にある変化が起きた……
――目の前の空間が……どんどん歪んでいる……
 歪みは酷くなり続け、最終的に黒い空間になった。穹との距離は4、5メートルと言った所だ。とその中から一人の人間らしき姿をした者が現れた。闇を具現化したかのような黒い髪に、暗闇を照らす炎の様に紅い瞳と、闇に溶け込むかの様な水の様に蒼い瞳をした男が立っていた。
 右手には黒く且つ鈍く光る日本刀を持っており、片方の手には重厚に黒光りする拳銃を所持していた。雰囲気からして相当危険な人物である事は間違いない。
 その姿を見た穹の顔色が一瞬で真っ青になる……。
「ま…まさか……貴方は…甓瀧 響(びゃくろう ひびき)!? どうして…貴方が……」
 穹の掠れ掠れの問いかけにも答える事無くゆっくりと距離を詰めて来る……最初は4、5メートルあった距離が三メートル…2メートルと縮まって行く……
「わ…分らないの!? 響!! 私よ、穹よ!? 返事をしてっ!!」
 穹の言葉は一切、響の耳にも心にも届いていない様だ……響と呼ばれる穹と同い年程の男は返事の代わりにある一言を冷たく機械的に言い放った。
「ターゲット発見。抹殺に移ります」
 その瞬間、穹の視界は色が抜けてしまったかのように白く……そして、霞んでいった……


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