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永遠に変わらない心、変わらない誓い

2上総(カズサ):2012/10/26(金) 17:29:55 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp



あ、まただ。
この囁く声と気持ちいい風の感触はあの頃の私たち――…。




『ねぇ、大きくなったら私ギルのお嫁さんになってあげる!』
『ミストが僕のお嫁さんだったら毎日が大変だね。だけど、僕に取ってはそのハラハラがきっと居心地が良いんだよ』
『…それって私を侮辱してるのっ?ちょっとくらいならお料理くらい出来るんだから』


少女はプーッと頬を膨らました。
ピンク色に染まる優しい肌触りの頬に思わず少年は一つ笑いを浮かべ、膨らんだ頬を突ついた。



『――――大好きだよ、ミンス』


風が2人の間を通過した。
ミンスはその言葉に顔を真っ赤にさせながら『そんなの知ってるもん!』と呟き。優しくキスをする。幼いまだ6歳くらいの淡い恋――…。



そんな幸せなひと時は残酷ながら、灰となった。
ある年の春から夏に変わる季節――戦に巻き込まれたある街が被害を受け、2人の一族は全員天へと旅立った。
まだ幼い2人さえも巻き込んだ騒動。その後、祀られた石が今の代にまであるらしい。名前も彫られていると聞いたが行くことが出来ない。
現実は今。あの日々は過去。前世の記憶を持って生まれたことを誰にも話すことはしない。




++




リンリンリンッ――――ー…。



あ、もう起きなくちゃ目覚ましが鳴っている。
照りつける朝日が窓を通り越し私の体へと暖かさを送っている。その暖かさを感じたらまた一つ浅い眠りが襲って来た。
もうちょっとだけ寝よう。もう少し眠ったら起きて朝食を食べて、それから…






――ん?
さっきまで暖かかった光が急に影になったように、肌寒さを感じた。目をつぶりながら手探りで暖かいモノを探す。
すると、腕を掴まれた。この腕の感触には覚えがあって飛び起きてしまった。
飛び起きたらやはり、と思い目が下を向く。前世ではあんなに仲が良かった大好きだったギルの現在の姿だった――…。


『おはよう御座います、――お嬢様』
『お、おはよう』



ぎこちない会話から、一日が始まる。


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