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大阪星光学院中学校

35名無しさん:2013/10/26(土) 10:17:05
こうした不正には、書類の改竄が必要になる。そこで馬谷は、部下に命じた。
「この件は、山崎さんや渡部さんもすべて知っている。会社の意志だ。書類のクライアント担当者名を、見本と同じ筆跡に変えて記入してくれ」
 部下は悩んだが、仕方なく指示通りにする。有印私文書の偽造だ。社長の山崎も、この不正が大株主に発覚すれば、上場どころか会社の倒産になりかねないと考え、偽造を続けることを認める。
 しかし、不良債権化の先延ばしには限界があった。これでは資金が足りない。そこで3人は、自分たちの手持ちの金を補填することにする。しかも、
「銀行からの振り込みでは、三者での不自然な資金移動になる」
 と考えて、すべて現金でやった。最初はATMを使って、1億9400万円もの入金補填をした。だが、途中で法改正によって、ATMでの入金が10万円までに制限される。困った3人は、自分たちでも家族でもない第三者の口座を作ることにして、知人の名前を借りて口座を開設した。
 だが、補填のための資金もやがて枯渇する。そこで馬谷は、山崎と渡部に対し、
「株式を担保にして融資を受け、資金調達をしよう」
 と提案する。3人で2億5千万円の融資を受け、架空口座を使って入金した。
 退職した社員の名前も利用した。架空の給与を振り込んで、入金に充てたのだ。請求書も偽造した。ソフトウエアの購入費用を架空計上した。馬谷は山崎に言った。
「ソフト購入費の計上をうまくやると、穴埋め資金を捻出できる。これで一気に不正会計が解消する。自分に任せてくれ。監査のチェックにも耐えられる」
 そこで山崎も、具体的なやり方は馬谷に一任した。不正はしばらく続いた。この間、山崎の念願だった上場も果たしている。
 だが、監査法人の追求は厳しかった。ソフトウエア購入には、実態がなかった。馬谷は、
「開発やプログラムは自力ではできないので、全て外部に委託しています」
 などと担当者に説明させた。しかし、矛盾は隠せなかった。ついに監督官庁から、調査が入ることになった。
 馬谷は、山崎と渡部に提案した。
「会社存続のためにも、本件は自分が単独でやったことにすべきだ」
 山崎と渡部も同意した。しかし、不正書類を書かせた部下が事情聴取をされると、3人による口裏合わせの隠蔽工作が明らかになった。破局がやってきた。



 結局、シニアコミュニケーションで計上された架空の売り上げは、5年間にわたり総額11億5700万円になった。入金されなかった売掛金は、22億1100万円にのぼった。マザーズの上場は取り消された。
 不正の責任をとり、3人は退任した。書類の偽造を強要された社員は、途中で退職している。この一部始終を、調査報告書で読むことができる。ビジネスマンの隠れた必読文献だ


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