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【考察】型月作品考察材料保管スレ【補助】

14僕はね、名無しさんなんだ:2004/08/12(木) 15:01 ID:GHleyn46
(月姫絵本より)

1/Red Moon
それはとてもむかしむかし。
まだ地上がわりあい静かで、それなりに火がともりはじめた頃のお話です。
その星にはいろいろあって、たくさんの子供たちと付き合ってました。
とても小さなものからとても大きなもの、
フワフワした無害なものからガフガフした凶暴なもの、
海の中に潜むものから空の果てに進むもの。
一度も話したコトなどありませんが、とにかく大勢の子供たちを育んできたのです。

ですが、いつのまにかおかしな子供が生まれました。
ソレが今までの子供とどこが違うのか、星は説明するコトができません。
ただ、この生き物は違うものだと星は思い、初めて自分の行く末を案じたのでした。
その声を聞きつけて、月の王様がやってきました。
「動くことのできないアナタの代わりに、私がアナタを守りましょう」
星に喚ばれた月の王様は、その赤い赤いこわくてやさしい目で約束します。
星は喜んで月の王様を子供たちの一員と認めました。
こうして地上にはほんらい星の子供ではない月のひとが生まれるようになったのです。

星は月の王様をおてほんにして、地上の王様を作ります。
けれど、どんなに工夫しても王様は生まれません。
そればかりか、自分の分身であるはずの月の人たちはタイヘンなけっかんがあったのです。
星は自分の子供たちが大好きです。
その分身である月の人が、地上の生き物を愛するのも当然です。
けど、大好きだからって食べてしまうのはどうなのかな、と星は疑問に思いました。
星は知らなかったのです。
月の王様が星を守ろうとするのは、星が可愛そうだったからではなく。

なんにもなくなってしまった自分の国の代わりに、きれいな世界が欲しかっただけだという事を。


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