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中・長編SS投稿スレ
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日本帝国内部でゴタゴタが生じている頃、日本の外交官達は必死にカナーバに接触して情報収集に当たった。
彼らは黒旗軍の上位者の正体、それがどこに居るのか、他に異星人はいるのか、そして黒旗軍はBETAについて
どれほど知っているのかを聞き出そうとする。
BETAについての情報は欲しいし、それに上位存在がどのような存在かを知ることは今後の帝国の舵取りに
必要不可欠だからだ。
何しろ相手はその気になればいとも簡単に人類を絶滅させることができる存在。その存在の機微を知ることが
できなければ、話し合いなどできるわけが無い。故に彼らは必死だ。
帝国側が懸命に上位存在について知ろうと考えているのを、カナーバは理解していたが、さすがに素直に正体を
言うわけにはいかない。故に彼女は幾つかのポイントをぼかして彼らに話をした。
まぁBETAについては大まかに炭素で作られたロボットと教えたが。
外交官達が得た情報は逐一、上位存在研究室に届けられた。ここではあらゆる分野の学者が集められ、日夜
上位存在について研究を行っている。
だが彼らは知れば知るほど、上位存在が人類とはかけ離れた存在であると結論づけざるを得なかった。
「もとからかけ離れた存在とは思っていたけど、ここまでとはね」
夕呼は研究室にある自分の机で書き上げたレポートを見てため息を漏らす。
「上位存在は炭素系生命体ではないことはわかっていたけど」
レポートでは上位存在とは非炭素系生命体であるどころか、幽霊のように実体すらない可能性があることを
示唆していた。これはカナーバが上位存在の本体は宇宙には存在しないと言ったことが原因だ。
一部の宗教学者には、彼らこそが人類がこれまで神と呼んでいた存在であり、その本体は高次元(天界?)に
存在するのではないかと言っていたが、これには夕呼は賛同しなかった。
また個体でありながら多数の宇宙船に加え、高度な科学技術を持っていることから、論理的思考能力は人類を
超えることが断定された。
ただ単一の思考パターンだけであれだけの科学力を持ちえたとは考えられないために、その思考パターンは
複数存在する、つまり人間で言えば多重人格の可能性があるとレポートの中では推測されている。
「奴らは個体で存在する。でも、その中身までもが一つとは限らない。厄介な存在ね」
単に一つの思考しかないなら、行動パターンから行動を読み取れるかも知れない。
だがもしも複数の思考がせめぎ合っているとしたら、その予想は容易ではない。
かといって彼女は諦めるつもりはない。人類を舐めきったような態度を見せる連中をうまく利用して人類を
一刻も早く復興し、自分達が無力な存在ではないことを示すつもりだった。
「人類を舐めんじゃ無いわよ」
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