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中・長編SS投稿スレ
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「しかしすでに黒旗軍は日本と交流をもっている。出遅れたのが痛いな」
大統領の言葉に、国務長官が胸を張って答える。
「土地の租借問題を見る限り、日本政府は黒旗軍とうまく交流ができているとは言えないようです。
確かに日本を仲介にしなければならないのは痛いですが、いずれは日本を出し抜き、我が国へ彼らを招致して
見せます」
「どこを貸し出すのだ?」
「フロリダです。この氷河期といってもよい世界で数少ない温暖な土地です。そして臨時首都であるアトランタの
目と鼻の先にあるこの州を差し出すとなれば、彼らも我が国がどれほど本気かを理解してくれるはずです」
「だが我々の真意が彼らに伝わるかね? 彼らは随分、こちらと感性が違うようだが」
地球派遣艦隊司令官の姿を思い浮かべて尋ねる大統領に、国務長官は断言する。
「何とかして見せます。合衆国のために」
すでに国務長官はアメリカに残された最良の頭脳集団を呼び寄せて、黒旗軍、そしてその上位存在に関する
分析を開始させていた。
「確かに感性や価値観、考え方が異なる相手ですが、その思考方法は論理的(地球人のものとは違うとは言え)で
あるはずです。そうでなければあのような科学力を持つはずがありません」
「それを解析する、か。時間は?」
「情報が少ないために時間が掛かります。ですがこれから日本の仲介のもと、黒旗軍と積極的に接触していけば」
「判った。頼む」
そういうと大統領は閣僚達を見渡して言う。
「諸君、確かに我々は現在非常に苦しい立場にある。史上最悪の犯罪国家として後ろ指を差され、さらに前大統領
の行いによって約束さえ守らないならず者とされ、国際的信用は地に落ちている。
だが決して諦めてはならない。我々が諦めてしまえばアメリカの理想も、正義も復活する事なく、悪の
レッテルを貼られ歴史に葬られることになる。そして国民とこれから生まれる子供達は永久に苦しむ
ことになるだろう。それだけは絶対に避けなければならない。我々の命を差し出してでもだ」
絶対に諦めない、その決意を聞いた閣僚達は力強く頷き、それぞれの仕事に戻っていった。
かくしてアメリカは動き出す。
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