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中・長編SS投稿スレ

63earth:2011/02/04(金) 23:58:10
 未来人の多元世界見聞録 第9話『消去法的選択』

火星奪還作戦が開始される直前、地球派遣艦隊、通称《長門》艦隊の旗艦長門(主力戦艦)の艦橋では地球圏
の環境修復についての全権を委ねられた2人のアンドロイドがいかに効率的に環境を修復するかを馬鹿でかい
モニターが床の代わりにある作戦室で話し合っていた。
 尤も見た目が可憐な少女2人が、不釣合いな軍服(長門は黒コート。朝倉は青コート)を着て色々と
小難しい話をしているのは違和感を拭えないが……。
 床に映し出される月や地球周辺の映像や分析結果を見て彼女達は最善の道を探る。

「やはり月周辺の重力異常が問題」
「そうね。G弾で飽和攻撃なんてしてくれたから、月周辺の環境が滅茶苦茶。デブリも多いし。
 おまけに何の因果かは知らないけど、重力異常の影響で、質量が減った月が何とか地球の回りを
 回っているんだから、手がつけにくいったら無いわね。下手に質量を回復させると月が地球に落下するし」

 原作のような超常の能力こそないものの、彼女達の演算能力は00ユニットに準ずる程度のものだった。
 その彼女達からしても、今の地球圏の環境修復は面倒なものだった。

「でもこのまま放置することはできない」
「ええ。かなりデリケートな作業になるけど……全く(あの大将は面倒だからこっちに投げたんでしょうけど)」
「故に周辺宙域の安全確保は絶対不可欠。可能性はゼロに近いが、米国の残存部隊がG弾をこちらに
 撃ってこないとも限らない」
「確かに重力異常の解消中にG弾なんて撃たれたら溜まったものじゃないわね。《伊勢》のコスモタイガーⅡを
 早期警戒のために常に飛ばしておく必要があるか」

 この意見に長門は頷く。 
 このあとも彼女達はあくまでも地球環境回復のことだけを議論し、BETAの話題は全くでなかった。
 彼女達にとって地球のBETAとはその程度の存在、地上と地中を這いずり回る害獣でしかなかった。
まぁ宇宙空間で戦いを挑んでくるようなBETAが出てくれば彼女達も本気を出すだろうが……。

「さて、それでは到着次第、始めましょうか。地球環境修復作戦《オペレーション・グリーンピース》を」




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