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中・長編SS投稿スレ
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1999年以降、ユーラシア大陸各国の思惑の隔たりが明らかになり、国際情勢が緊迫していく
に連れて、さすがに浮ついた気分はなくなった。それでも、これから明るい未来が待っていると誰もが思った。
いや、思っていた。あの忌々しい『大崩壊』の日までは。
2004年6月12日。オルタネイティブ6の発動による月面総攻撃により、月は引き裂かれ、引き裂かれた
月の一部は崩壊しつつ、地球各地に降り注いだ。この日以降、人類はBETA大戦よりも遥かに厳しい戦いを
強要されている。
「米軍が余計なことさえしなければ……」
武の呟きは、日本人、いやアメリカ人以外の地球人類なら誰もが一度は呟いたものだった。
そして偶然にも武と同じ時間に、似たような言葉を吐いた人間がいた。それも帝都京都の中枢で。
「米軍が余計なことをしたおかげでこの様か!」
彼女の名は月詠真耶。
彼女は仕える主である煌武院悠陽の執務室に向かう中、窓の外の光景を見て歯を食いしばる。
現将軍・煌武院悠陽の忠臣である彼女は、国民が苦しむ姿を見て、心を痛める主君にかける言葉がなかった。
何しろどこをどうみても明るい要素などないのだから。
故にこの事態を引き起こした張本人たちに憎悪の念を抱いていた。故に彼女は忌々しく呟く。
「あのような者達を守らなければならないとは」
生き残った人々はこの危機を引き起こしたアメリカとアメリカ軍を憎悪した。帝都の大使館では投石騒ぎは
日常茶飯事となっている。帝国軍が警備をしていなければ、焼き討ちにあってもおかしくなかった。
尤も警備している軍人達さえ、本当はアメリカ人に対して憎悪を抱いているのだから、アメリカ人は生きた
心地がしなかった。
(オルタネイティブ7。あの計画が最後の頼みの綱か)
彼女は誰もが眉唾ものと思いながら、最後の希望をかける計画のことを思い出す。
(殿下も、オルタネイティブ7が成果を見せれば、多少は……)
淡い希望を抱きつつ、彼女は主君の待つ部屋に向かった。
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