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中・長編SS投稿スレ
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未来人の多元世界見聞録 第14話『横浜会談 後編』
ロスアラモスに築かれていたはずのオリジナルハイヴが消滅したとの報告を受けて、帝国は休憩をとる
ことを提案した。
本当に消滅したかについて再確認する必要があったし、何より驚きの連続によって帝国側交渉団はあらゆる
意味で疲弊していた。このまま話し合っていたら、彼らの頭がどうにかなりそうだった。
懇願にも近い申し出を受けて、長門は頷く。
「了承した」
かくして横浜会談は休憩を挟むことになった。
「「「………疲れた」」」
休憩室に入った帝国側交渉団の人間達はそういって机に突っ伏した。
すでにこれまでの話し合いで、彼らのSAN値は激減していた。元ネタのゲームでは怪異をのぞきこむ
たびにSAN値が減っていたが、彼らの場合、あの2人の少女(?)の言葉を聞くたびにSAN値がガリガリ
削られていた。
しかしいつまでも机に突っ伏したままではいられない。彼らには無駄な時間がないのだ。
外務大臣は何とか頭を切り換えて、天才と名高い夕呼に尋ねる。
「……香月博士、彼らの話をどう思う?」
「少なくとも嘘は言っていないかと。実際にオリジナルハイヴが消滅したとの報告もあります。
まぁ再度確認しなければいけませんが、彼らが前回と同様の方法でハイヴを消し去ったと考えるのが筋でしょう」
「ということは、益々彼らを、いや黒旗軍を無碍に出来ないな。人類に友好的で、かつBETAと敵対してくる存在だ。
下手に機嫌を損なえばどうなるか判らない……しかし問題は」
外務大臣が言葉を濁す。それを見た夕呼は付け足すように言う。
「彼らのメンタルが理解できない、ことですね」
「……そうだ。正直に言って、彼らは確かにBETAと違って対話してくれるし、誠意を持った対応をしてくれる。
しかし彼らの価値観や思考といったものが理解できない」
この意見に出席者達は暗い顔で同意する。
あまりに価値観が離れすぎる存在。それでいてその気になれば人類をあっという間に消滅させることができる
存在と圧倒的不利な条件下で話し合うというのはトンでもないストレスを彼らに与えていた。
これならまだあの米国の人間と話をしていたほうが気楽だった……殆どの人間がそう思っていた。
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