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中・長編SS投稿スレ

18earth:2011/02/01(火) 19:09:38
 慌てた耕平は、周辺の情報収集を急いだ。すると大まかながら原因が推測できるようになった。

「月周辺で常識では考えられない規模の重力異常。それに砕けた月。そして大量のBETAの死体。
 まさか、アメリカ軍の連中、月を攻略するのにG弾を大量に打ち込んだのか?」

 耕平の考えはあたっていた。この世界の人類は月奪還のためにG弾を大量運用したのだ。  
 だがそれは耕平がやったBETA駆逐作戦も大きく影響していた。 
 1998年1月1日に行われた大気圏外からの攻撃によって、すべてのハイヴは根こそぎ消滅した。
 何者かがどのような兵器を用いて行ったかは判らないが、大量破壊兵器を用いてハイヴを叩くという戦略が
妥当であるということが証明されたとアメリカ合衆国首脳部、特にオルタ5派は判断した。
 ゆえに彼らはG弾の整備とその運用を強力に推し進めていった。勿論、すでに地上にBETAはいない。
G弾を使うとなると同じ人類に向けてということになる。
 しかしBETA大戦が終って間もない状況で、アメリカがG弾を同じ人類に向けて使うのは些か問題が
多く、さらに汚染の問題もあり地球上での使用は難しかった。
 かと言ってG弾の運用を進めていた派閥、特にバビロン作戦を推進していた人間達がG弾の使用を諦める
ことはなかった。
 彼らはアメリカの力、いや正確に言えば自分達の力を見せ付けるための場を求めた。
 それが2004年に行われた月奪還作戦だった。
 彼らはユーラシアをG弾で焼き尽くす代わりに、月をG弾で焼き尽くすオルタネイティブ6を立ち上げた。
 そしてオルタ5で建造された移民船団を宇宙艦隊に仕立て上げたあと、月に攻め込んだ。多数のG弾を携えて。
 彼らの目論見は当初、的中したと思われた。月にいたBETAはアメリカ戦略宇宙軍艦隊が撃ちこんだG弾に
よって大打撃を受ける。
 これによって同行していた国連軍も勢いづいた。彼らは一気に月を奪い返そうとした。
 しかし悲劇はそこで起きた。原作のオルタ5発動後に起こった悲劇が、月で形を変えて起こったのだ。
  
「ユーラシアが水没する代わりに、月の一部が砕け、軌道から逸れた。そしてその破片が地表に降り注いだと
 いうわけか」

 月の破砕と軌道の変化だけでも地球環境に甚大な影響がでた。そこにさらに少なからざる数の隕石が降り
注いだのだ。人類は溜まったものではなかった。
 もはや地球は人間が生存可能な環境ではなくなりつつあった。
 人類はBETAではなく、激変した地球環境によって滅びようとしていた。




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