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TSFのSS「魔封の小太刀」

24luci★:2009/11/19(木) 22:22:48 ID:???0

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 山城の中はいつもと変わらぬ。変っているというなら、それは私の方。
 先日来、あの方に逢うことまかりならんと父上に言われ、仕方なく日々を過ごしてしまった。しかし今日は約束の日。是が非でも行かなくてはならぬ。
 すでに刻限は近づいてしまっている。もし、道中迷いでもしてあの方と遭えなかったら……いや、そんなことになろう筈がない! 誰に止められようと必ずあの方の元へ行く。
 日頃の行いが良いからか、神の導きか、侍たちに会わずに城を抜け出せたぞ。
 ……城からの山道は足下が悪くてたまらぬ。月明かりだけでは心許ない……しかし、ここを駆け下りなくては……。
 愛しいあの方。今日、やっと念願が叶う。なんと待ち遠しいことだろう。
 約束の刻限は過ぎているが、なに気にすることはない。あの方が私を置いていく筈がない。そら、もうそこの木陰から顔を覗かせる筈……。
 ……多分、誰にも見とがめられぬよう、注意して来ているのだろう。だから遅いのだ。そう、待っていれば、必ず……。
 来た!
 いや、待て、人数が……。
 あ! お前は! 何故ここにおるのだ! 私は、私は!
 それはなんだ?! 何を持っているのだ? 太刀ではない! それは……首、か!?


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