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クエスト修練場
1
:
名も無き客人
:2016/03/30(水) 19:32:26
場内での模擬試験から実際の運用受付まで、
クエスト関係について自由にお使い下さい。
・期間、人数ともに自由に設定して頂いて構いません。
但しローカルルール4及び5については遵守をお願いいたします。
・クエスト運用が重複しそうな場合(特に長期クエスト中の場合)、
新たに第二、第三の修練場を利用されることを推奨します。
では、相互に良き修練でありますよう。
10
:
GM
◆xNINjA/Ii6
:2017/08/10(木) 19:14:15
>>8-9
【Ⅰ-Ⅲ さよなら黄金またきて飽食】
歴戦の戦士二人は、されど乙女二人の眼鏡には適わず。
直感と理性の両方が、対峙する敵とはまた異質の危険を告げていた。
という事で、陽気な狩人連中と気さくな聖職者一行に賑やかな女子が加わった、
なんとも和気藹々としたパーティーが結成されたのであった。
そして延々続いた夜宴もいつしか終わり、各々自室へと帰るその道中。
「――死んだな、お前達」
まるで臓腑に氷の杭を穿つような、そんな低く冷たい声が二人へ突き刺さる。
…いつから、いつの間にそこへ居たのか。
向かう廊下の壁際に、件の戦士達が立っていた。
「ままごと遊びなら、街の周りで済ませていれば良いものを」
「あんな雑魚共、例え千人群れようと数に入らんと言うのにな」
その声にも眼にも、怒りの色は僅かほどもない。
にも関わらず、一語を発するその都度――全身が押し潰されそうな重圧が襲いかかる。
「特に、そっちの白いの。お前は気付いていたのだろう?自分達の価値に」
「用具、眼、盾、女。見立て通りだ。分かっていながら、何故それを使わん」
味方でなければ、即ち敵だと言うのか。
語気は一切変わらぬままに、纏う空気はさらに重さを増してゆく。
「最後の機会だ。今すぐに変心すれば聞いてやろう」
「膝を折り、泣いて祈り縋れ。慈悲をくれてやるぞ」
が。
そんなものに易々と屈するほどには、彼女らも脆弱ではない。
大胆に、不敵に、明朗に、快活に。
迫る重圧を弾き飛ばすがごとく、再度の拒絶をビシッと突きつけてみせたのである。
「断るか」
「拒むか」
変わらぬ声音に、僅かに混じった苛立ち。
やや遅れ、異変を察した執事がおずおずと近寄ってきたのを合図に、戦士達はその場を離れた。
「――死んだぞ、お前達」
…最後にもう一度、氷の声を臓腑に残して。
―― ―― ――
そして、翌朝。
柔らかすぎるベッドの感触も、朝から重厚に過ぎる饗応も、
これにて別れとなれば少々名残惜しいものである。
だが道中の食事にと恭しく手渡された脂身たっぷりのミートパイ(金箔マシマシ)を
もって、ようやく一同は未練を綺麗さっぱり忘れて出立するのであった。
11
:
GM
◆xNINjA/Ii6
:2017/08/10(木) 19:18:48
「…旨いは旨いから、またイヤになるよな」
「味はいいんだよ、味自体は」
出立より数刻、だいぶ遅めの昼食時。
道中の馬車内で、肉汁…というより、脂汁したたる芳醇なパイを頬張ってぼやく狩人達。
「それな」
「わかる」
同じくモソモソとパイを齧りながら、口々に同意する聖職者達。
性質が似ているのか、パーティー結成ごく僅かだというのに十年来の友人のように打ち解けている。
「俺チェリーパイが良かったなあ」
「でもそれ絶対砂糖バカみたいに入れたヤツだぜ」
「な。バカがバカみたいに」
「…じゃあ生チェリーでいい」
「いっそ採ってこいよ」
…打ち解けすぎて、どうにも緊張感に欠けるきらいはあるが。
それでもまあ、空気が和やかというのは良いことの筈だ。
少なくとも、氷の牢獄めいたヴァンパイアハンター達の纏うそれに比べれば天地雲泥の差である。
そういえば、出立直前に見かけたその隣には、いつの間に引き込んだのか…自分達と同じ年頃の娘が二人、怯えた顔で佇んでいた。
…首筋や胸元にいくつも見えた赤紫色の痕については、気に掛けても詮無い事だろう。
せめて、彼女達の無事を…安寧とはいかずとも、無事の存命を祈るばかりだ。
「お。アレがそうか?」
物思いに耽る頭を振って、歓談に興じる事暫し。
誰とも無く問いかける声に行く先を見れば――そこには、今朝方出てきた黄金のキラキラ城とは正反対の姿。
なるほど古城、所々罅割れて苔や蔦に覆われてはいるが…その佇まいがむしろ、周囲に広がる草原や森と見事に調和した、ある種荘厳なまでの静寂な美しさを映し出していた。
「なんか…」
「…うん。こっちのがいいわな」
「むしろ雇い主の城の方が忌わしかったしな」
異口同音の感想。
目の前のそれは討伐対象の居城に違いないのだが…それにしても、である。
ともあれ、城門付近で馬車を降りる一行。
同じく微妙な顔をした他のパーティーとともに周辺を探ってみたところ、城への入口は四つに分かれているようだ。
このまま真っ直ぐ城門を進むか、裏の門へ回るか。
または右側の小さな通用門から入るか、あるいは左側にある枯れた地下水路から侵入するか。
…傾く陽を背に受け考えた、君達の結論は。
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