したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

夢のあとに

4名無しさん:2016/10/08(土) 22:33:16 ID:dy22IzrU
「ねぇ、先生!どうなるの!!ねぇ!!」

おっと、気づけば目の前の知りたいお子様は大層お怒りのようだ。
あと少しで胸の高鳴りの原因を思い出せそうだったのだけれど、今はこっちが先決。
悩める、文字通りの子羊に救いの手を差し伸べてあげることだ。

「どうしてゆうくんは、気になるのかな?」
「………あのね、うちね、赤ちゃんが3人いるの。赤ちゃんいっぱいいてもだいじょうぶ?」
「どこの赤ちゃんがいるの?お母さんと、隣の赤ちゃんとかかな?」

様子はわからないけれど、ずいぶん突飛なことを言うけれど、ひとまず納得させること。それが大事。そう思ってた。

「ううん、ママのお腹の中にね、赤ちゃんが3人いてね、ママのお腹どんどん大きくなってね、それでね………もう割れちゃいそうでね…………」

あれよあれよと言う間に涙目になっていく男の子。最後の方は言うのも怖いのか、ずいぶんな小声になってしまった。
そうか、お母さんは三つ子の母で、この子は三つ子のお兄ちゃんになる。
それで日々変わっていくお母さんの体型のことを誰に相談していいかわからず、女性の私に助けを求めてきたわけだ。
三つ子ともなると滅多にないから、見たこともないくらい大きく膨らんでいくお腹にびっくりしちゃったんだな。いや、わたしももちろんびっくりしてるけど。

すーっと深呼吸をしてから、しゃがんで彼と目線を合わせた。

「ゆうくん、お母さんはね、女の人はすごいから大丈夫だよ。母は強しって言ってね、お腹が大きくなっても割れたりしないんだよ?」
「本当に?赤ちゃんいっぱいいても?」
「うん、本当に。」
「いっぱいいっぱいいても?知らないくらいいっぱいきても?」

知らないくらいいっぱい来たら流石にパンクしちゃうかなぁ……でも今は抑えろ、わたし。

「うん、知らないくらいいっぱいきても大丈夫。女の人はすごいんだから。」
「約束する?」
「うん、約束する。先生だって、いーーーっぱいいっぱいお腹が膨らんでも大丈夫!絶対にバンクしないから!」

あぁ、我ながら何を言っているんだか。
でも、目の前の子羊ちゃんは一通り納得してくれたみたいで、お礼も言わず鼻をすすりながらお友達のところへ戻っていった。
一件落着。

ただ一つ、最後のよくわからない一言でわたしの胸の鼓動がさらに早まってるのを除いては。
わたしに関して言えば、どうも難しそうな悩みが一つ増えてしまったらしい。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板