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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ17

1管理人:2015/05/12(火) 21:47:06 ID:???
DMMのブラウザゲーム、艦隊これくしょん〜艦これ〜のエロパロスレです。
エロ妄想なりSSなりご自由にどうぞ。
シュチュやネタ妄想雑談しつつ、ゆるーく行きましょう。

SSは形式不問、長いのも短いのもエロいのもエロくないのもご自由に。
リョナ・強姦・死姦・スカトロ・ふたなり・性転換などの特殊嗜好を含む内容は注意書き必須

百合・女性提督ネタは百合スレで、こちらに投下の場合は注意書き推奨
【艦これ】 艦隊これくしょんで百合 ←検索したら出ます

■■禁止事項
批難中傷・荒らし
SS作者以外による改変/改竄および他スレへの投下
投下のあからさまな妨害・その他スレの空気を悪くする言動
上記を行った場合は警告なしで削除とホスト規制します。

※次スレは>>980を踏んだ人が立ててください。

公式
http://www.dmm.com/netgame/feature/kancolle.html

艦これエロパロ避難所板
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16725/

保管庫
http://www55.atwiki.jp/kancolle_ero/

第二避難所
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16181/

2管理人:2015/05/12(火) 21:47:56 ID:???
過去スレ
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ16
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1422540269/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ15
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1414233056/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ14
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1408408802/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ13 (避難所2)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1404804363/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ避難所1
※実質12スレ目
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1400634843/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ11
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1401464074/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ10
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1400427549/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ9
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1397482056/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ8
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1393339375/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ7
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1390624968
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ6
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1387773261/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ5
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1385645434/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ4
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1383747696/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ3
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1382371413/
艦隊これくしょんでエロパロ2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1380741105/
艦隊これくしょんでエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1375799214/

3名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 12:56:28 ID:lFKb5FNk
封鎖、封鎖です!

4名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 14:24:19 ID:.wYsY0o6
乙!

春雨ちゃんの春雨スープ直飲みしたい

5名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 19:09:17 ID:8mvYY2oU


トイレ封鎖でこういうことする
http://krk39.tumblr.com/image/120098755381

6名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 20:28:13 ID:jpk8H42w


7名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 20:30:00 ID:SmzWk2eg
新スレ移行乙です。
前スレ>>1000はトイレネタで何か書けということか……。

8名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 20:45:41 ID:wQPPFrhY
梅雨祥鳳さんやばくねーっすか、……ふぅ

9名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 22:01:19 ID:jSo4RR8U
なんか包丁じゃなくて刀持ってそうだよな

10名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 22:22:54 ID:HFa0p7qY
>>9 艦娘ではなく仕事人って感じもするしな。

前スレネタで恐縮だけど、霞は回復力は並みで、言うことがキツイけどわりと積極的に提督を回復してくれるイメージ。

11名無しの紳士提督:2015/05/29(金) 22:56:37 ID:TjJ1AngM
「んッ、ァぁっ、ああァっ、ふァぁんッ……」

誰で妄想した?

12名無しの紳士提督:2015/05/30(土) 00:06:52 ID:ZI0uClgc
>>8
嫁が本領発揮してきたのは嬉しいが
改二がおあずけなのがやや複雑な気分
もうケッコン間近位まで上げて待ってるのに

ともあれこれを気に祥鳳ネタ増えろください

13名無しの紳士提督:2015/05/30(土) 00:58:01 ID:VK44tRgU
>>12
叢雲改二みたいな例もあるからなあ
意外と改二実装も近いかもよw

14名無しの紳士提督:2015/05/30(土) 14:01:41 ID:Qv4ivTaQ
前スレネタだが、提督が空母や戦艦に高速修復材を吸いとられてシオシオ状態から回復するように補給を行う駆逐艦

時雨「僕に言ってくれれば補給してあげるし、提督が望むなら……」
如月「ふふ、補給出来た?続きをする?…なんてね」

な感じで補給台詞が

15名無しの紳士提督:2015/05/30(土) 15:19:11 ID:U.cd.6uI
夕立に提督さん、元気ないっぽい?っていわれたい
そんで、誤解した白露型姉妹、特に第二駆逐隊の子達に
春雨ちゃんや五月雨ちゃんには精のつくもの準備しましょうかってねぎらわれたいし
時雨に個人差なんて気にすることないさって励まされたり
村雨に元気を分けてもらったりしたい。(仮に失望されたり嘲笑されたりしても後悔は多分ないけど)

16任務「提督に精のつくものを提供しよう?」:2015/05/30(土) 15:40:43 ID:U.cd.6uI
軽巡洋艦1〜2隻、残り駆逐艦の水雷戦隊2組を基幹として
遠征担当、夜戦担当、調理担当の艦隊を集中配備。
提督及び艦娘の相互間の補給能力向上を図ろう。
「任務"提督に精のつくものを提供しよう"?……大淀さん、何ですか?これは」

前スレの皆のネタで↑みたいなのを妄想した。
今のところまだ書くことができそうにないので便乗ネタ提供のみでスマソ

17名無しの紳士提督:2015/05/30(土) 16:41:17 ID:T81bOVkU
元客船や補給艦の軽空母達は補給する側なのかされる側なのかで

18名無しの紳士提督:2015/05/30(土) 20:04:27 ID:/w01WfO2
「高速給油艦とかに戻しちゃ駄目だからね…?」

19提督×ビスマルク:2015/05/30(土) 20:30:58 ID:LetH3qsc
提督×ビスマルクの和姦です。

20提督×ビスマルク:2015/05/30(土) 20:31:55 ID:LetH3qsc
「〜♪」
入渠中のビスマルクは鼻歌交じりにシャワーを浴びていた。
戦場の汚れを洗い流し、金色の産毛が熱い湯を弾き返す。
ビスマルクは女性の身だしなみとして無駄毛の処理には気をつけており
今日もそれをするつもりであった。
顔の産毛を処理し、腋に石鹸をつけ泡立てる、剃刀を使って綺麗にそり上げて行く
両脇を処理し、浴槽に足をかけて脛を処理しようと少し前屈みになった瞬間、
後ろから誰かが浴室にの戸が開いた音がした。

「入るぞ」
そう言いながら堂々と裸で入ってきた提督はビスマルクのうなじに優しくキスをした。
「あん、ちょっと危ないじゃない」
「今日も大戦果か、褒美に俺が綺麗にしよう」
「恥ずかしいから…いいわよ…」
「そこに座れよ」
「もう…仕方ないわね」
提督はそう言いながら器用に、浴槽に腰掛けたビスマルクの足を処理して行った…
提督の目の前には優しげなビスマルクの金色の陰毛が見え隠れする。
そこにキスをして提督が太腿を押し広げる。
「ここも綺麗にするぞ」
「え、ちょ、ちょっと!」
と、ビスマルクの返事を待たず、石鹸を塗り広げショリショリと剃り上げて行く
陰唇を抓み、一本の剃り残しも無い様入念に剃って行く。
我に返ったビスマルクは抗議の言葉を提督に投げるが、その頃には少女のような丘に成った
ビスマルクのヴァギナが出来あがっていた。

「中途半端は嫌いだろ、後ろを向くんだ」
自分のヴァギナが毛一本も無いつるっとした状況となったのを見たビスマルクは、諦めた顔をして
「ええ…お願い」
と呟き、魅力的に引き締まったヒップを提督に向けた。
その秘所の後方からアナルに掛けて、ビスマルクの肉体を傷つけない様丁寧に剃り上げた提督は
仕上げにザーッと湯を掛けて、石鹸の残りを洗い流すとそのつるつるになった秘所に口付をした。
「あぅ」
いつもビスマルクをクンニする時は少し毛が邪魔であったが今日はその邪魔者が一切無い為に
アナルの皺一本一本を丁寧に舐め上げ、次いでヴァギナを丁寧に舐め上げた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…Gut、いいっ…いいわぁ、素敵ぃ、はぁん♪」
ビスマルクは提督にその尻を押し付け貪欲に快楽を得ようとする。

21提督×ビスマルク:2015/05/30(土) 20:32:58 ID:LetH3qsc
舌を硬くし、ビスマルクのヴァギナにねじ込む、、両手はビスマルクの持ち重りのする乳房を掴んでいる。
提督は、いきなり体をすっと離し、訝る視線を向けるビスマルクに向かって
リンスを体中に振り掛ける、浴室内が華やかなリンスの香りで満たされる。
「何、何するの?」提督の意図が理解できないビスマルクは目を白黒させて驚く。
提督は改めてビスマルクに抱きつき、立位のまま、ぎんぎんに怒張した巨砲を
ビスマルクのヴァギナに埋めて行く、ビスマルクは提督にしがみ付くが、リンスが塗りたくられた
ビスマルクの体はぬるぬると滑って提督のピストン運動を助けている。
どう抱き着いてもぬるぬると滑る為、ビスマルクは、提督の首筋にしがみ付き
提督の耳たぶを舐めまわしている。
感極まった提督はビスマルクの両足を抱え上げ、抱え上げたスタイルで突きに突き抜いた。

「ひあっ!あっ、あっ、か、感じちゃう、感じちゃうのぉ…貴方を、あ、あぁっ…!」  

仁王立ちになった提督にしがみ付き、己の甘い夢を貪るビスマルク。
シャワーが滝の様に流れ続ける浴室の中で、2つの絡まり有った体は
同時に絶頂を迎えお互いに震える体を硬く抱きしめ合った。
お互いに見詰め合ったまま体を離すと、ビスマルクのヴァギナからは提督の愛の証である白い液体が
とろとろと太腿まで流れ落ちてきた。
提督とビスマルクの体のそこかしこからリンスの香りが漂った、それをシャワーでよく洗い流し。
お互いの体を洗い合って浴室を出た二人。

「腹減ったな、間宮の所に晩飯でも食べに行こうか?」
「いいわね、もちろん提督の驕りよね?」
「任せとけ」



22名無しの紳士提督:2015/05/30(土) 21:26:00 ID:cm6pFJKY
GJです!

23名無しの紳士提督:2015/05/31(日) 01:44:31 ID:Q1JwNUH2
春雨ちゃんの「次の輸送作戦」は、
提督の夜の生活をサポートする為の物資調達のことだったか……。(何)
>>19
GJ!

24名無しの紳士提督:2015/05/31(日) 02:44:09 ID:K/b/0OUA
つまり春雨ちゃんが第五種補給・・・いや、やめようさすがにめんどくさい

25名無しの紳士提督:2015/05/31(日) 11:30:57 ID:Q1JwNUH2
>>24
まぁ想定してたのとは違うといっても
(非番の日を中心に精のつくものを準備したりとかのつもりだった)
提督の為に精一杯頑張ってくれたり仲間を募ってくれたりするのは嬉しいけどね
寧ろ春雨ちゃんをry それに、その名称が面倒に繋がり得るだけから。

26名無しの紳士提督:2015/05/31(日) 21:00:50 ID:R.1r5WY.
鳳翔が提督を気遣って、精のつくものを沢山用意するとか

27名無しの紳士提督:2015/05/31(日) 22:10:24 ID:pyK2hM3s
提督に精をつけるなら大井っちのことを忘れないで頂きたい。

28提督×ビスマルク:2015/05/31(日) 22:24:16 ID:Ka1r2nOQ
艦娘の母乳は赤ちゃんに凄く精がつくと思う

29名無しの紳士提督:2015/05/31(日) 23:56:48 ID:pyK2hM3s
>>28 艦娘の子は艦娘…みたいな感じか?

30名無しの紳士提督:2015/06/01(月) 04:59:05 ID:ElHtJsG.
つまり、こうである、と
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41178022

31名無しの紳士提督:2015/06/01(月) 11:28:27 ID:PbKbMdJc
鎮守府内でレンタルしてる映画のDVDの中にアクシデントで提督秘蔵のAVが混ざっちゃってすったもんだする…ってのを陽炎小説3巻を見て思いついた

32名無しの紳士提督:2015/06/01(月) 14:18:18 ID:ZiQXyZ2s
提督秘蔵のエロDVD(ぜかましっぽい女優)が青葉に見つかって、すったもんだで提督と青葉がやっちゃう薄い本なら知ってる

33名無しの紳士提督:2015/06/01(月) 23:57:24 ID:tBTRmMDM
提督「レ級!確かにお前は強い!砲撃も、雷撃も!大和や大鳳ですら大破させる程にな…だが、丸で!全然!この俺を倒すには程遠いんだよね!」

唐突に浮かんだエロと関係ないネタ

34名無しの紳士提督:2015/06/02(火) 08:10:46 ID:P6pmVzok
地震が来るたびにビスマルクが抱きついてくるーとか言ってるのが出てくるけど、艦娘だから人間をはるかに上回る筋力で絞めつけられて提督が大変なことになると思うんだよな。気が動転してて、向こうも手加減どころじゃないだろうし。

35名無しの紳士提督:2015/06/02(火) 11:27:23 ID:H0KQpcdg
そもそも揺れない時間がない海の上に居て、自身が怖い艦娘なんて、いるんだろうか、そもそも。

36名無しの紳士提督:2015/06/02(火) 23:02:47 ID:0PdVZYLM
赤城あたりはトラウマあるかもしれん

37名無しの紳士提督:2015/06/02(火) 23:58:15 ID:WCN4cM4I
天城のことか…

普段は気が強いのに地震の時にはへたれる印象の強い艦娘は…長門あたりか

38名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 00:07:19 ID:FOTpABso
>>37
長門は地震の時頑張ってるよ?
むしろ赤城、加賀だろう

39名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 00:52:21 ID:k93x4/gk
八八艦隊計画艦娘や金剛級代艦娘とか出てこないかなと思ってしまう

40名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 01:16:38 ID:SsuSWDmQ
あれは軍令部へ呼ばれ本土へと一時帰還していた時のこと。
ふと立ち寄った屋台で飲んでいる最中、いかにも怪しげなオッサンからいかにも怪しげな物

品を手渡された。
曰く、『経験人数が見える眼鏡』、とのこと。
馬鹿馬鹿しいと酔いかけた頭で笑い飛ばしたことまでは覚えているのだが、そこから先の記憶は空白と

なっている。
果たしてどのように帰宅したのか、目覚めた時は宿の布団の中であったのだ。
酒を飲むことは好きなのだが昔からどうも私はアルコールに弱く、一度酔ってしまうとそのまま朝まで眠ってしまい、しかも何も覚えていない。
それであの夜のことなどすっかり忘れていた私であったのだが、ふと私物を整理している最中にく

だんの怪しげな眼鏡を見つけてしまった。
あれからもう数ヶ月以上が経っている。
ここは南方、本土より遠く離れた泊地であり、深海凄艦と戦う為の前線基地である。

……うむ。
さてこの眼鏡、いったい今までどこにあったのやら。
酔っぱらいの戯言と一笑に付した私であるが、こうして見ていると気になってしまう自分はきっと

愚か者なのだろう。
そも、そのような情報を知ってどうするのか。
我が基地にいるのは女性、というか艦娘ばかりなのだ。
どう考えても基地司令官として知っておくべき情報ではない。
むしろ関係の悪化を招く可能性もある無用の長物。
……いやいや、私は何を本気で悩んでいるのだ。そもこんなもの偽物に決まっているだろう。
こんなもの……こんな…、……。

「おはようございます司令官!朝潮です!!」

41名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 01:17:11 ID:SsuSWDmQ
朝の空気に響くその声に飛び上がるほど驚いた。
はっと時計を見る。普段ならもう起きて朝食に向かう時間だった。
今日の秘書艦を命じていた朝潮がやって来たのだ。
慌てて軍服を引っ掴み、そこで顔にかかったままの眼鏡に気が付いた。
いかん。待て、これは外そう。待て、朝潮待て、そこで待機だ。

「司令官が待てと言うならこの朝潮、ここでいつまででも待つ覚悟です!!」

そんな叫びと共に朝潮が扉を蹴り破り入って来る。
そうだね。待てないね。
真面目なところは朝潮の長所だが、時に真面目すぎるというか。
変なところで天然というか、純粋すぎて思いもよらぬ暴走をしそうで怖いのだ。
いや、別に彼女を悪し様に言いたいわけではない。
つい先日も算盤を握り潰しながら真っ赤なハンコが押された書類の山を片付けている最中に、いつ

の間に眠っていたのか意識を無くしていた私をソファに寝かせ介抱してくれていたこともある。
とにかく真っ直ぐで任務に対しひたむきな朝潮に私は信頼を置いている。
いるの、だが……。

「司令官、どうされたのですか? 司令官…?」

駆逐艦 朝潮:経験人数1人

ふっと意識が遠のいた気がした。



42名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 01:18:12 ID:SsuSWDmQ
その後のことは、なんというか、その、精神的にキツい一日であった。

「んん、朝は眠いなぁ、ふぁ…ぁ…。あれ?どうしたの提督」
「おはようございます……?提督…あの、その…大丈夫でしょうか?」
「あれぇ〜?元気ないよ提督!そんな時はぁ、那珂ちゃんを見て元気になってねー!」
軽巡洋艦 川内:経験人数1人
軽巡洋艦 神通:経験人数1人
軽巡洋艦 那珂:経験人数1人

「なんだ?体調不良か?…また倒れられちゃ困る。お前もちゃんと休めよ」
重雷装巡洋艦 木曾:経験人数1人

「あ〜お〜ば〜!…ぁ、提督。ごめんなさい、青葉…見てませんか?」
重巡洋艦 古鷹:経験人数1人

「ほぉーっ、提督じゃん、チーッス」
「今頃ご出勤?のろまなのね?」
航空巡洋艦 鈴谷:経験人数1人
航空巡洋艦 熊野:経験人数1人

「おっと。二日酔いかい提督?だーめだなあ、そういう時はもっと飲まなきゃ。ひゃっはーしようぜ〜!まーた酔い潰してやるって、くっははははは!!」
「提督、お疲れならお酒でも飲んで…という様子ではありませんね。提督、今日はゆっくりお部屋で休んではどうでしょう?」
軽空母 隼鷹:経験人数1人
軽空母 千歳:経験人数1人

「HEY!提督ぅー。あんまり無理しちゃノー!なんだからネ!」
「提督、いつもお疲れ様だな。……今日くらいは休んだらどうだ?」
戦艦 金剛:経験人数1人
戦艦 長門:経験人数1人

43名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 01:19:49 ID:SsuSWDmQ
とまあ彼女ら以外にもかなりの数の会った艦娘全員に声をかけられているのだが、その優しさ?に浸っている余裕はあいにくとない。
この基地には100人の艦娘が配属されているのだが、今のところ出会った艦娘に対しこの眼鏡が告げた数に0が出たことはない。ないのだ。
思いの他、自分がショックを受けていることを自覚する。
馬鹿な男の勝手な妄想だ。艦娘たちは全員が清らかな乙女であり、皆が自分に好意を向けてくれていると無意識にでも思い上がっていたのだ、私は。
……いいじゃないか、むしろ。
彼女たちにはふさわしい男性がいて、きっとこの戦いが終われば平和な日常で当たり前の幸せを掴むことができるのだ。
ならば軍人として、指揮官として私がすべきことは決まっている。
1日でも早く静かな海を取り戻し、平和を勝ち取るのだ。
これまでのように一人も欠けることなく、これから先も誰一人沈ませることなく勝利を刻む。
……嫁さんを探すのは、その後でもいいだろう。
軍人の家系に生まれ、今まで女に縁のない生活を送っていた私は所謂童貞というわけだが……もう少し女性のことを理解できるよう努力するべきなのだろう。
気合を入れ直す為、今日起きてから初めて私は鏡を覗き込んだ。

…………な、

「なんだこれはぁっ!!!!!??」

鏡に映っている男の顔。そこにははっきりと、こう表示されていた
提督:経験人数100人

44名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 05:24:26 ID:to.O64P.
乙です
元ネタは知ってますが荒れそうなネタが一転してホラー気味なネタに…
一体いつナニがあったのか気になりすぎそうで……

45名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 07:21:22 ID:VeBd1.O.
艦娘が増えるたびにいつの間にか経験人数が増えていく
勿論記憶がない

46名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 07:25:00 ID:oYJv5K4c
GJ! こういうルートがあっても良いじゃないかと密かに思ってただけに嬉しさもひとしおだよ。

47名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 07:48:53 ID:pv7fMlBw
乙です
お酒って怖いですね(棒

48名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 11:30:26 ID:bvzLfi1.
乙です。これぞイナバ提督(経験人数的な意味で)

周知の事実だろうけど、赤城と加賀さんはすごく対照的なんだよな。前者は表情豊かだけど、実際の感情はうかがい知れない。一方後者は表情こそ乏しいけれど、実はすごく感情豊か。まるでウサギみたい。

49名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 12:22:32 ID:XdQMZgrw
果たして何の経験人数なんだろうか。という謎。

まあ某ピクシブにあった同じネタのアレは、ヒドイ結果(褒め言葉)に終わってしまったが。

まあそれは関係ない

50名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 12:55:49 ID:VeBd1.O.
酒に酔った勢いで提督が艦娘とチョメチョメなのか
艦娘が提督を酒に酔わせて夜戦に持ち込んでたのか
提督はお酒飲んで寝ると起きないの…睡眠姦っていいよにぇ…なのか
どれにせよ記憶がないのは恐怖

51名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 16:55:38 ID:UyVwO3ZQ
艦載機に小型の麻酔銃みたいの搭載して、それで提督を眠らせて…ってのを考えたことがある。

52名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 16:57:41 ID:igF.YLXA
古鷹の左目をずっと見続けると意識が薄くなって…

53名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 20:00:06 ID:oYJv5K4c
ぽいぽいとか龍田さんも眼力で提督を洗脳とかできそう。

54名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 20:37:52 ID:SsuSWDmQ
>>48
あくまで仮定の話
加賀さん沈んだら悲しむけど新しい相方と一航戦やってそうなのが赤城
赤城が沈んだらそのままずっと一人で一航戦続けてそうなのが加賀さん

55名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 21:22:10 ID:igF.YLXA
一度提督に心を開いたら絶対に離れようとしない加賀さん

56名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 22:59:49 ID:oYJv5K4c
心を開いていない加賀さんにむやみに近づくとめっちゃ発熱されそうな気がするなぁ

57名無しの紳士提督:2015/06/03(水) 23:08:10 ID:pv7fMlBw
サトシのリザードンかな?

58名無しの紳士提督:2015/06/04(木) 07:27:16 ID:jYapIWp.
>>53 龍田さんの眼帯は相手を魅了する魔眼を隠すためのものである…おそらく(?)誰もが一度は考えるであろうネタ

59名無しの紳士提督:2015/06/04(木) 20:32:55 ID:urf2IlHU
古鷹は行動を操るよりは相手の心の怒りや憎しみを抑える感じの催眠っぽい

60名無しの紳士提督:2015/06/04(木) 22:16:48 ID:jYapIWp.
どっかの潜水艦娘に悪用されないか心配だ。

61名無しの紳士提督:2015/06/04(木) 22:16:53 ID:59QqsuU6
加古がいつも眠そうにしてるのは
毎晩提督と夜戦しまくって寝る暇がないからなのだ

62名無しの紳士提督:2015/06/04(木) 22:47:22 ID:Sd0BbjZg
ローマが眼鏡外すと周りのモノが螺子凶って逝くんです(型月感)

63名無しの紳士提督:2015/06/04(木) 23:04:32 ID:hS2sa78U
やきもちを焼く艦娘って可愛くない?

提督が他の艦娘と仲良く話をしている所を見て顔を膨らませる赤城とか

64名無しの紳士提督:2015/06/04(木) 23:05:36 ID:jYapIWp.
ボクっ娘が頬を膨らませる姿の破壊力は46センチ砲並みだと思うな。

65名無しの紳士提督:2015/06/05(金) 02:54:31 ID:yXliKsFo
百回も睡眠艦されてて気付かない提督だなんて…

66名無しの紳士提督:2015/06/05(金) 08:02:38 ID:kFGqOi2s
>>65 あるいは気づかせずに夜戦する艦娘達の女子力(?)が凄いのか。

>>63 一航戦はやきもちやくと可愛らしいのは同感。>>63みたく頬を膨らませる赤城とか、態度も表情も変わらないけど、周辺が焦げ臭くなる加賀さんとか。

67名無しの紳士提督:2015/06/05(金) 13:23:44 ID:mcdUxiDU
>>66 性的な行為に本当に無知な艦娘が睡眠姦しようとして提督起こしちゃって…っていう展開の続編が投下されたりしないかな。

68名無しの紳士提督:2015/06/05(金) 13:46:02 ID:1Boap59I
>>67
それ睡眠姦じゃなくて添い寝にしかならない様な気がする。

69名無しの紳士提督:2015/06/05(金) 18:37:57 ID:sKSUDQCw
「弥生…怒ってなんかないですよ…」なんていいながらヤキモチやいて激おこの弥生とか
内心ブチ切れ寸前の加賀さんとかいいよね

70名無しの紳士提督:2015/06/06(土) 01:32:44 ID:FkEs2TEU
前回のイベントでE5突破時に磯風が来てくれたから何か書きたいけど難しい
浦風も浜風もそうだけど、いい身体しすぎてて書けることはありそうなんだけどね

71名無しの紳士提督:2015/06/06(土) 09:58:31 ID:Lv4SF/4c
シチュだけでも文にしてみたら何か発展するかもよ。

72名無しの紳士提督:2015/06/06(土) 20:33:55 ID:fYBz7WSk
その子特有のネタが難しい時は誰にでもあてはまるテンプレネタを使うのも一手

73幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:37:52 ID:XYEFCeDA
今日は大鯨/龍鳳の実装一周年なので非エロですが一本書きました
とは言っても艦娘全体に対する独自設定
(駆逐艦如月の進水日(6月5日)に絡めてのもあり)や
強引な理屈、一部艦娘のキャラ崩壊にローカルネタや時事ネタ、
個人的な趣味が含まれたネタ等が含まれていますのでご注意ください
あと今回タイトルが壊滅的にセンスありません……

74に・ね・ん・め 幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:38:27 ID:XYEFCeDA
『不束者ですが、よろしくお願いします』

「明日で一年……か…」
「提督ー、今日は何の日ー?」
「今日か……ああ、そうだ、そろそろだな」

俺は一年前の事を思い出しながらも子日に急かされながら
これから行われる如月の誕生日のパーティーへと向かった。
 
 
「如月ちゃん、14歳のお誕生日おめでとうございます」
「大鯨ちゃんったら…ありがとう…」
「ひっどーい!私たちも忘れないでよ!」
「みんな…ありがとう…好きよ……」

如月が照れながらも俺達みんなに感謝した。

「そういえば睦月型駆逐艦二番艦如月の進水日は90年前の今日だったな」
「あと10年で百周年なのです」
「10年後の私は24歳。大鯨ちゃんが結婚した年齢になるわね。私は結婚できるかしら……」
「如月ちゃんほどの子だったら引く手数多だよ!」
「ううん、そうじゃないの。結婚する前に戦いで沈んじゃうんじゃないかって思ってね」
「あ……」

間違った発言をしたと思ったのか睦月の顔が暗くなる。すかさず

「大丈夫…司令官を信じて…」
「そうだ。それに私たちもいる……」
「そ、そう、私たちで助け合うのです!」
「ふふっ、ありがとう」

他の睦月型達のフォローが入った。
彼女達には不思議な絆がある。それは彼女達がそれぞれ艦の力を宿していて
(もしくは前世がその艦だった可能性もあるが
そこはわからないので今はあまり考えないでおく)
彼女達の絆はそこから来るものが大きいだろう。
しかし、戦いの中で彼女達に宿る艦の関係だけではなく、
彼女達自身の間でも絆を深めていたのだった。

75に・ね・ん・め 幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:39:00 ID:XYEFCeDA
「ところでこのケーキ、ロウソクの並びが独特ですわね」
「蠍座の形にしました。如月ちゃんは14歳ですから蝋燭は14本。
 そしてアンタレスの位置にあたる部分に苺を置きました。
 確か如月ちゃんは月の星座が蠍座でしたし」
「もう…司令官じゃあるまいし……」
「今までずっと提督と一緒にいましたから影響されちゃったんでしょうね」
「俺が色々と影響を与えたってねえ……
 いいことばかりじゃなくて悪い事もたくさんありそうだな」
「だったら悪いことはいいことにしてしまえばいいのデース。
 Positive Thinkingのココロネー」

金剛は相変わらず明るい。彼女の前向きさには俺だけじゃなく他の子達も救われているだろう。

「ところで提督、さっき明日で一年って言っていたけど明日は何の日ー?」
「UFOがあっち行ってこっち行って落っこちた日だったわね」
「かわいいコックさんの日よ」

ビスマルクとローマが割り込みながら自信満々に答える。
間違っちゃあいないが少々マニアックだ。
二人とも元々サブカルチャーの方面には興味があったみたいだが
日本へ来てからますますその思いが強くなったらしい。
いいことか悪いことかはわからないか、
ビスマルクとローマが旧世紀の戦いからくる因縁、
特にドイツによって沈められた艦の艦娘のローマのドイツ艦娘への無意識での苦手意識は
ビスマルクと隠れた趣味が共通したからか蟠りがなくなっていたようだ。

「明日は司令官と大鯨ちゃんが出会って一年ですわ」
「やっぱりかわいいコックさんの日だったわね」
「リューホー(になれる艦娘)がアトミラールの所に落っこちてきたからね」

彼女達もある意味前向きといえば前向きである。

76に・ね・ん・め 幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:39:42 ID:XYEFCeDA
「でも、出会ってから半年も経たずに結婚って早かったですよね」
「組織が再編されてから提督の所に来た鳥海は知らないかもしれないけど、
 提督は出会ってすぐに恋に落っこちたんだよ」
「でもでも、司令官さんはともかくとしても、
 大鯨さんもすぐに司令官さんを好きになっちゃったんでしょう」
「提督みたいに出会ってすぐに、ってわけじゃありませんでしたけど、
 提督と一緒に暮らしているうちに…」
「ねえ……如月のこと…忘れないでね……」
「あ…ごめんなさい…」

しまった。今日の主役の如月をほったらかしにして話に華を咲かせてしまった。

「まああの時の大鯨ちゃんは穢れを知らない天使だったからね。
 話に華が咲いても仕方ありませんわ」
「もう!」
「ああわかったわかった、その話はまた今度にするから」
「そうですわ…あんまり長話していたら野球観戦の時間になっちゃいますわ」
「そうですね。確か今日は来場者全員にレプリカユニフォームが配られる試合でしたね」
「ああ……誘っておいてあれだけど、なんだかそれ目当てに野球観戦するみたいで…」
「気にしないでいいですわ。鳥海さんの誕生日の時もそうでしたけど、
 誕生日の日にたまたまそういうイベントがあったって考えるべきですわ」
「そうそう、Leisureも大事デース」
「どうせ見に行くなら何か特別なことがある日の方がお得ですしね。
 お買い物だって同じ物を買うのなら安いほうがいいですし」
「大鯨ちゃん……なんか……」

如月は途中で言葉を濁したが、主婦じみている、って言いたそうな眼だった。

「ま、話はこれくらいにしてお料理食べましょ。
 私のために作ったお料理が冷めちゃったらいけないしね」

如月の言葉と共にみんな料理を食べ始めたのだった。

77に・ね・ん・め 幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:40:29 ID:XYEFCeDA
6月6日、午前0時30分過ぎ…………

「魚座……何回も死んでいたとはいえあれで死亡だなんて……」
「でもとっておきの姿は見せてないじゃないですか。だからまだ活躍の機会はあるはずです。
 それと比べて蠍座はとっておきの姿を見せちゃったからもう活躍が望めません……」
「まあ必殺技の性質的に活躍させにくいからなあ。原作からそうだったしな」
「そうですね……それにしてもあなた…元気ですね……」
「いやあ、先が気になってめっちゃ楽しみで仕方ないよ」

みんなで見ていたアニメの感想を言い合っていた。
星座とギリシア神話を中心に様々な神話もモチーフになっているアニメだ。
こう聞くと一見女の子向けそうだが男の子向けの作品だ。
まあ一部の女の人向けの感じはしなくもないが……ちなみに秋雲も普通に好きらしい。

「でもふと思うけどこうしてのんきにアニメなんて見ていていいのかなって思うときがあるわ。
 深夜にアニメばかり見ている私が言っても説得力はないけど……」
「個人としての気持ちと艦娘としての気持ちがせめぎ合っているみたいですね」
「大鯨さんは戦闘艦じゃないからそういう気持ちにはなりにくいでしょうけど……
 私なんかは結構そんな気持ちになるのよ。
 提督は立場的な理由で似たような気持ちになるでしょうけど…」
「まあそうだが、そういう時は『今は業務外だから気にする必要はない』って思うことにしているさ。
 それに緊急の時に備えて準備はしてあるからな。
 …しかしさ、今この世界は深海棲艦の脅威にさらされているわけだけど、
 それでもまだ平和といえば平和って言えるよな。
 平和だからこそこうして呑気にアニメが流れていて、それを俺達も見られるからさ」
「確かにそうね。少なくとも私達が住んでいる所には
 去年の夏以来深海棲艦の攻撃を受けていないからね」
「俺達が頑張って守っているって証さ」
「ちょっと強引ですけど…でもそう思うと私達が頑張っているんだって気持ちになれて更に頑張れますね」
「ところでさっきからあえて触れないようにしていたんだけどさ……」
「うん……」

俺はディスプレイの近くで座りながら眠っている少女を見た。
可愛らしい寝顔を見せている少女は暁。こう見えても駆逐艦の艦娘である。

「暁ちゃんったら『一人前のレディーなんだから夜も平気』って言っていたのに……」
「夜戦の時はちゃんと起きているのに……どんな艦娘も戦いの場で眠るなんてことをした子は一人もいないわよ」
「どんな艦娘でもねえ……戦いの場では決して眠ることはないというのは艦娘の性質なのかもしれないな」
「そうかもしれないわね。で、暁ちゃんはどうするの?」
「部屋に連れていくしかないだろう」

そう言って俺は暁を起こさないように背負った。

78に・ね・ん・め 幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:41:00 ID:XYEFCeDA
「中々手がかかるな」
「でもだからこそ愛おしいって気持ちになるのかもしれませんね。
 まだ子供を持った事がない私達にはわかりかねる事ですけど…」
「そういえばさ、あなた達三人を見ていると何だか親子みたいに見えるわね」
「夕張もそう言うか」
「私と暁ちゃんはどことなく似ているって結構みんな言いますよね」
「大鯨ちゃんならどんな子にだって優しく平等に愛情を注げるわ」
「そうだよな…さて、夜も遅いしそろそろお開きにするか」

俺はこれ以上起きていると今後の活動に影響が出ると思い、眠ることにした。
 
 
「暁ちゃんもですけど響ちゃんも雷ちゃんも電ちゃんも、みんなよく寝てますね」

俺達は寝ている暁を第六駆逐隊の部屋に連れていった。
先に寝ていた三人を起こさないように静かに部屋に入り、
暁を静かにベッドに寝かせて布団をかけた。
少しだけ不安だったが何とか誰も起こさずに済んだみたいだ。

「だけどみんな戦いとなると幼さを感じさせない顔になりますよ」
「それが彼女達にとっていいことなのか悪いことなのか、俺にはわからない。
 だけど、俺達が頑張らなきゃ沢山の子供達から無邪気な顔が消えてしまう。
 その為には何としても…」
「う…ん……」
「しまった!?」

つい熱くなって声を大きくしてしまい起こしそうになった。
俺達は起こさぬようそそくさと部屋から出ていった。

79に・ね・ん・め 幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:41:37 ID:XYEFCeDA
「危なかったですね」
「あの子達の部屋で喋る必要なかったな」
「でもあの子達の安らかな寝顔がとってもかわいくて……
 それを見ていたら…子供がほしくなっちゃいました……
 でも今は子供なんて作っていられない……
 あ、いえ、別に作ってもいいんでしょうけど、
 でも艦隊司令官であるあなたの重荷になりそうな気がしてしまって……」
「子供の存在が足枷となるか、それとも未来を守る為の活力となるか……
 子供を欲しいという気持ちが司令官としての生き方を惑わせるか、
 あるいは未来を切り開こうとする意思となるのか……俺にはわからない。
 なら!そうやって迷わないようにすればいい。
 安心して子供を産める世界、それを作る為に頑張るんだ」
「頑張ってくださいね。私も全力で支えます。
 そう、一年前のあの時思ったように…いえ、それ以上に!」

一年前のこの日、俺と彼女は提督と大鯨として出会ったのだ。

「……あの時はまさかこうなるなんて全く思わなかったよ」
「それが出会って半年も経たずに結婚したなんて……
 でも私は少しも後悔していませんよ。
 あなたがいたから楽しかった……あなたがいたからこそ頑張れたんですから」
「俺も同じ気持ちだ。これからもよろしくな」
「ええ、これからも…」

これからも幸せな日々は続くだろう。互いが互いを想い合うから。

「不束者ですが、よろしくお願いします」

―終―

80幼妻大鯨ちゃん:2015/06/06(土) 22:46:02 ID:XYEFCeDA
以上です
彼女は見てすぐに心に物凄く響いたくらいの存在でした
それはもうしばらくの間仕事中でも忘れることができないくらいでした
それでは

81名無しの紳士提督:2015/06/06(土) 22:58:46 ID:.muRKnUc
>>80
・・・ふぅ GJ!

82名無しの紳士提督:2015/06/06(土) 23:41:31 ID:FkEs2TEU
>>80これはイイ大鯨、次回もお待ちしてますよ

う〜ん、テンプレネタか……
第17駆逐隊として鎮守府に来たものの、他の艦娘に比べて着任が最近過ぎた磯風はいまいち鎮守府にも提督にも慣れずにいた
しかし任務をこなしていくうち、徐々に提督に寄せていた“提督”としての信頼は男性としての信頼へと大きく形を変えていた
ところが磯風は悩んでいた
自分は料理ができるわけではないため、惚れた男の胃袋を掴む作戦はできない
スタイルが悪いわけではないが、浜風や浦風と比べるとどうしても劣る
かといって谷風のようなかわいらしさという点では及びようもない
こと包容力という点では空母辺りにはかないそうもない
そんなところにやってきたのは諸悪の根源、古鷹型重巡洋艦青葉
青葉「磯風さん、いい情報有りますよ?」
磯風「ほう? ……なに!? 司令はそんなものが好きなのか!?」
青葉「もちろん、この青葉の情報網に間違いはございません♪」
磯風「そんなことが無礼にならないのか、司令も変わり者だ」
青葉「そりゃあもう! 磯風さんのおみ足にかかれば司令はイチコロです!」
磯風「なるほど、良い事を聞いた。恩に着るぞ、青葉」
その夜、磯風は一番綺麗な黒いニーソを穿いて執務室に向かうのだった

初めて磯風を見て惹かれたのが脚だったのでつい……
テンプレ、うん、多分青葉が騒ぎの元凶って言うところだけ見ればテンプレ

83名無しの紳士提督:2015/06/07(日) 02:29:48 ID:QMQelBxM
提督「ふぅ、こうして赤城と寝たのも久しぶりだな」
赤城「ええ、提督…最近はご多忙でしたから」
提督「まあね、遠征や次の作戦や第5遊撃部隊とか…書類が片付かないのなんの」
赤城「本来ならこのまま同じ布団で提督のぬくもりを感じたまま寝たいですが…」
提督「一応風紀は風紀だから、他の艦娘達の示しがつかないからしかたないんだなこれが」
赤城「古参の方々は周知ですが」
提督「あははは、そうだね…さて第5遊撃隊は吹雪は上手くやれるかな?」
赤城「…提督、最近は吹雪吹雪って、そんなに若い子がいいのですか?」
提督「あだだだだ、抓るな!抓るな!」
赤城「この場で他の女の人のことを話すのが…(プイ」
提督「悪かった!いや吹雪はそういう意味ではなく彼女の可能性にかけていて、俺は赤城一筋だ」
赤城「ええ、では提督…いい夢を」
提督「ああ、赤城もな」

赤城「ふう…」
吹雪「あ、あの赤城さん、こんな夜中に提督の部屋で何を…」
赤城「え!あ、あの今度の作戦会議が長引いて…吹雪さん達は?」
吹雪「さ、さっきまで怖い話で盛り上がっちゃいまして怖くなってみんなでトイレに」
夕立「クンクン、赤城さんから提督の匂いがするっぽい!」
睦月・吹雪「あわわわわわ(ボン)」

ヤキモチ焼ってあったからふと思った、アニメネタだけど…
え?提督は吹雪LOVEぽい?知らん!そんなの俺の管轄外だ

84名無しの紳士提督:2015/06/07(日) 22:39:06 ID:VL0Ng6vA
アニメ以降吹雪・睦月・夕立がトリオで行動するのを見ることが多くなったよな。

>>82 ちなみに同人誌の方に目を向けてみると第17駆逐隊総出(浜風・浦風・磯風)で提督を責めるシチュも時々見かけるな。

85名無しの紳士提督:2015/06/08(月) 00:42:00 ID:cxHna30U
谷風「」

86名無しの紳士提督:2015/06/08(月) 06:57:43 ID:51.q96ic
>>82 あるいは提督側に先入観があって…てのはどうかな?難攻不落とも言われる海域から発見された駆逐艦娘、だからきっと一筋縄ではいかない性格に違いない!…だが実際は戦闘以外の事柄には不器用な可愛らしい駆逐艦娘でした。みたいな感じで。

87名無しの紳士提督:2015/06/08(月) 11:14:26 ID:umyUAiDg
加賀さんは絶対にダウナーな性格だと思って疑っていなかったのは今となってはいい思い出。

88名無しの紳士提督:2015/06/08(月) 13:13:56 ID:IQaewUSs
磯波や初雪、まるゆを凄い活躍をした艦と思っていた人はどれくらいいるだろうか

89名無しの紳士提督:2015/06/08(月) 17:36:55 ID:ysMvmAVg
加古の改二が来るから一つ書いてみようと頭捻ってるが行為の前後は思い浮かべられるのに最中が浮かばない

90名無しの紳士提督:2015/06/08(月) 21:58:54 ID:51.q96ic
>>87 ダウナーな加賀さんって興味あるな。出撃命令とかがないとめったに動こうとしなかったりしそう。でも赤城さんや瑞鶴絡みでは驚くほど俊敏に動き回りそう。

91名無しの紳士提督:2015/06/08(月) 22:38:31 ID:a/85uwHg
冬場の加賀さんってコタツに陣取ってめったに動かなさそうなイメージはある
夏は扇風機の前

92クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:30:47 ID:QjAZivQs
以前あきつ丸が加賀さんから提督を寝取る話を書いた者です
吹雪が初恋する話を書いたので投下します

・長い(三万字弱)
・エロシーン少ない
・艦娘同士がギスギスする
要素を含むので苦手な方は注意をお願いします

93クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:32:20 ID:QjAZivQs
 1

『八月二十日 早朝より家中取片付け塵を払ふ。驟雨の涼味喜ぶべし。午を待ちて妻と散歩す。上野に赴き精養軒に至り昼食を喫す。
海老フライ二尾、スープ。今生最後の機会やもしれぬと思ふに甚だ悲し。明日ラバウルへ発つにつき荷造りせんが故早々に帰りたり。
炊事の中途に妻泣き頽れるもかけるべき言葉思い至らずただ黙して肩抱くのみ。泣き声一層烈しくなるに後ろめたき気持ち湧き出ず。
詮方なきことと割り切るには悲愁余りに大きくただ酸鼻だ酸鼻だと胸の内に言ちたり』


 夜虫の鳴き声が耳にされる、真夏の彼誰時である。その男はむくりと持ち上げた上体を障子越しの月光に晒しながら、毛布を手繰り
まどろみに眼を細めていた。端整と形容するに足る顔は、だがどこかくたびれた印象を感じさせ、実齢三十前半とも思えぬ薄幸と気苦
労の雰囲気を放っている。それは生来の顔つきのみを要因とするのではなく、心の憔悴していることが表情にまで顕れた結果なのであ
った。
 ラバウルへの転属を命じられてからというもの、今日までの暮らしは思いのほか静謐になされた。彼も彼の妻も、足元に流れる悲し
みには意識して目を向けないようにして、ただ来ては過ぎ行く一日一日を大切に営むだけであった。なるたけいつも通りの、幸せの光
景を作る事に躍起になり、そしてそれはつい昨日の日暮れまで保たれ続けていたことなのでもある。
 東京で過ごす最後の日に思い出を反芻する外出をしてしまったがため、増幅した水が盆の縁を登攀するように妻から悲哀の情が溢れ
出た。気丈に振舞い続けた彼女の、心の底に燻っていた想いが、滂沱とする涙や嗚咽に吐露されて、また当然ながら男の方も平常心で
はいられなかった。無力感と自責の念に苛まれ、食事中も風呂の最中も、果ては最後の夜伽の際にあってももう温かみを得られる心地
ではなかったのだ。笑顔だけを心に留めてもらいたいという妻の願いは、このたった一度だけの失敗によりついに達成されることはな
かった。
 寝息をたてる妻を起こさぬよう、彼はじれったい速さにようやく蒲団から這い出した。扉の前に畳まれている軍服をそのまま崩さず
両手に抱え、居間に移動してから着替えを済ませる。洗面も音を立てぬよう気を使い、まとめておいた背嚢を背負ってしまえばとうと
う外に出る準備は完了した。
 見送る余地も残さず姿を消そうとしているのは、海軍の出征習慣に則ったこともあるが、以上に起きてよりの妻の有様へ恐怖を覚えて
いたためでもある。足元に縋られ懇願でもされたら、ただでさえ重苦しい足。もう職務を放棄するのに躊躇もなくなってしまうだろう。
個人の幸福と世界の海の平和とを天秤にかけ、後者を逡巡なしに選び取れるほど人間のできている彼ではなかった。玄関扉に手をかけて
から、せめて最後に顔だけでも見に戻るかと葛藤し始める惰弱さである。結局五分も佇立した後にようやく、ゆっくりと差し出された
右足が敷居を跨ぐに至ったのだった。
 空は紺色に薄明るくなっている。
 まったく酷い朝だと、彼は思った。昨日の雨と夜露の湿り気が、地表の汚さを混ぜ合わせながら空気に戻り、肺を冒してくるようだ
った。呼吸は苦しく、目眩も酷い。その作用によるものか、一瞬妻の目覚めた後の姿が脳内に虚像として想像され、もう振り返ること
もできず足を速める。
 戦争の終わるまで、帰ってはこれない。それが何時になるのかも分からない。一年か、五年か、十年か……。


 飛行機の中にあって、彼はとうとう自身の抱く寂寞と郷愁が、そのうちに自身そのものを壊すであろうことを悟ったのであった。何
時開放されるとも知れぬ境遇に、毎夜毎夜云千キロの向こうを思い続けるのは酷だった。だから妻の顔も忘れ、上野の街も忘れ、端か
ら現地の人間であったかのように振舞おうと腹を据えたのである。妻の寝顔を見に戻らなかったことは、覚悟を決めてしまうには都合
が良かった。
 無論湧きだそうとする思い出をすぐに押さえ込むことはできないが、意識して心に検閲をかけ続ければ虚像は幽く薄らいでゆく。楽
になる決意を固めてしまうと、幾らか気も和らいだらしい。迫る胸の痛みから懸命に逃避しているうち、いつの間にか彼はリクライニ
ングに身を預けすっかり眠りに落ちていた。
 気丈に振舞っていた日々の中では、今日という日が来る事をずっと考えないようにしていたわけだ。それを逆転させるだけなのだか
ら、何も難しいことはない。忘れることは得意な男なのである。

94クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:33:56 ID:QjAZivQs
 乗り継ぎのため、一旦ポートモレスビーに降り立ったのは、東京を発ってより六時間の後。存外気候にそれほどの変化は感じられな
かった。ただ窓越しに見える椰子の木の列や英語を基準にした案内看板からは、十二分に異国の情緒が放たれていたし、何より雑踏す
るロビーにたった独りでいるという孤独は胸に堪えるものがあった。
 この空港でラバウル行きの飛行機に乗り換える手筈であったが、その便は本国が彼だけの為に特別に手配してくれたものであった。
受付へパスポートを手渡すと、裏から仰々しくスーツの大男が顕れた。何か空恐ろしくなる“over here”の声音と共に、ゲートの脇、
観葉植物に挟まれたドアの方へと案内される。
 専用の裏口を使うのは初めての経験であった。滑走路を車に乗って走るのも、搭乗橋を使わずに昇降タラップで乗るのも、そもそも
小型のビジネスジェットに乗るのも全部初めてのことである。自分ひとりだけの為に一体何人が動いていたのかと、機内のソファに座
ってから後ろめたさに頭を抱えたくなった。
 離陸の動きは機敏だった。いち早くその空港から離れられるのは、気持ちの上では楽だった。大型機よりも揺れは大きく、地に足の
着いているうちは電車の中にいるようで、空に浮かんでからは洋上のフェリーの甲板に座ったみたいな感覚がある。およそ二時間のフ
ライトは、すなわち酔いとの闘いであった。夕日の射し込む小窓を割り砕き、荒ぶる風に身を晒したい衝動に駆られもした。着陸体勢
に入る頃には、身を上げておくこともできずソファに寝そべり、呻き声を漏らし続けている始末である。吐き気はまだしも脳の蕩ける
ような目眩は、朝の空気を思い出させるから本当に勘弁ならないものがあった。
 ようやく地に降り立つことができたのは、夕日の輪郭が天穹へ滲み出し、地平線が一層朱く光っている頃合だった。機外に出て待望
の新鮮な空気を肺一杯に吸い込むと、異郷の香りが仄かに物悲しい。湿気って熱い夏の空気は東京のそれと似ているはずなのに、きっ
と都会の穢れが無いからなのであろう。慣れない清らかさが鼻につく。
 顔を上げ辺りを見渡してみると、また何ともその印象に劣らぬ殺風景な景観があるのだった。ただ真っ直ぐに整備された滑走路がど
こまでも一本伸びているだけ。一切人工の建築物はなく、林が壁のように四方を取り囲んでいた。
 昇降タラップの一段目に足をかけると、佇立し敬礼する少女の姿が視界の隅に入ってきた。髪は黒、玲瓏たる肌は夕日を写し橙色に
淡く染まっている。強風に煽られたスカートが掲揚された旗のように揺れ、プリーツ同士が叩きあってバタバタと大仰な音を発してい
た。
 田舎の小奇麗な女学生としか思えないその立ち居姿には、烈々とした場違いの感がある。眼窩に収まる大きな瞳は、期待と緊張にきら
きら輝いている風だった。

 「はじめまして、吹雪です! よろしくお願いいたします」

 声は顔つき以上に凛とし高く、まるで童女のようである。
 男がタラップを降りきると、彼女は一層背筋を伸ばし大きなその瞳に彼を見据えた。吹雪という名を耳朶にしてようやく、男は眼前
のこの少女が、上層部から聞いていた“意思を持つ新兵器”であるという事に気がついた。
 深海棲艦という超常生物が世界の海洋に出現して以来、早いものでもう四ヶ月になる。海面に浮かぶ人工物を無作為に破壊しつくす
その亡霊共は、通常兵器の一切を無効化する特殊な剛性を兼ね備えていた。出現から一週間も経たずして人類は海洋を簒奪されるに至
り、そしてその状況は好転もせず依然世界に安全な海路は絶無である。
 深海棲艦へ対抗するには、また深海棲艦と同種の力が必要であることに海軍はようやく気がついたのだ。二ヶ月前に行われた大規模
作戦。多大な物的人的資源を引き換えに捕縛した、たった一匹のイ級駆逐。その徹底的な解析によって、人類は新たな兵器を得るきっ
かけを掴んだのだった。

 「……艦娘?」

 上官より伝えられたその力の名が、独りでに口に上っていた。

 「はい! 駆逐艦、吹雪です!」

 口元に笑みを浮かべた彼女は、今一度胸を張り、誇らしげに名を宣言する。
 それは少女の形をしている。
 それは人と同じように意思を持ち口を聞く。
 それは前大戦の艦の記憶を引き継ぐ。
 詳細に聞き及んでいた事ではあったが、実際にその姿を目の前にすると、この痩躯にあの脅威へ対抗する力があるのか疑念を抱かず
にはいられなかった。
 外見の仔細を眺めていると、彼女は気まずげに視線を逸らして、眉を困らせた。

95クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:36:05 ID:QjAZivQs
 「あ、あの……司令官」

 「……すまない。これからよろしく、お願いする」

 答礼しつつの言葉が幾らか吃りぎみだったのは、果たしてどのような言葉遣いが適正なのか判断しかねていたからだった。上官の立
場になったとて威張り散らす真似はしたくない。ましてや彼女は、話が本当ならば人類の救世主といっても過言ではない存在なのであ
る。なるたけ丁寧に受け答えしようと考えるのだが、しかし眼前にあるのは野暮ったく垢抜けない少女。膝を折って目線を合わせて頭
でも撫でてあげたいような雰囲気を放っているから、また当惑してしまうのだった。男は、遠い昔に病気で死んだ、自分の従姉妹のこと
を思い出していた。
 まさかこの齢に年頃の娘へどう接すべきか悩むような羽目になるとは、しかもそれが国の安保に関わる重要な仕事の上に起こってい
る問題なのである。彼は短く嘆息をつき、どうせその内に丁度良く収まってくれるだろうと楽観して、喫緊の話題を口にした。

 「この飛行場ってトイレはあるかな」

 「はい!? いえ、ありませんが……。ここからだと鎮守府のトイレが一番近くて、歩いて十五分ほどです」

 「……間に合わない。ごめん、ちょっとそこで吐いてくる」

 男は小走りに、林の茂みへ急いだ。


 外見から、この吹雪という娘は何にでも生真面目なタイプなのであろうと予想した彼であったが、果たしてそれはまったく正解であ
った。穴を掘り、胃液を吐けるだけ吐いてからそれを埋め、背嚢から水筒を取り出して口を濯ぐ。その一連の行為の最中、彼女はずっ
と彼に寄り添い背を擦っていた。無論男としてこれほど無様なこともないので、離れて待機しているよう初めての命令を下しもしたの
だが、彼女は頑として首を縦に振らなかった。曰く、司令を支えるのが秘書艦の役目。即ち看護も立派な勤め。司令は艦娘を使役する全
権を担うが、同時に艦娘の仕事を不自由なく行わせる義務も背負っている。その義務に背く命令は承服しかねるし、また客観的な見地
に立ってもこの判断は妥当である、とのこと。気が弱いかと思いきや、存外強情の娘でもあるらしい。
 胃の中を空にすると、砂地へ水が立ち消えになるようにすっかり気持ち悪さが無くなった。ケロリとした顔に茂みを出る彼は、無論
気恥ずかしさや情けなさに苛まれ何でもないような顔を演出していたのでもあるが、兎角吹雪に先立ち颯爽と歩を進めた。
 鎮守府への道は滑走路の南東の端、取って付けたように伸びている細道の先にあるとのこと。

 「大丈夫ですか?」

 と繰り返し問いかけてくる彼女に適当な笑顔を返信しながら、辺りの情景を眺めていると、郷愁の憂いに胸が痛む。上野を思い出そ
うとする思惟の奔流を慌ててせき止めようとした彼は、また知らずのうちに苦々しい顔となっていたらしい。吹雪の気遣う声が止むこ
とはないのであった。
 彼女の先の言葉どおり、十五分も歩くと突然視界が開けた。鉄柵の門戸が迎える先、ラバウル基地はまるで、南国リゾート地のペン
ションが連なっているかのような佇まいに敷設されてあった。どの建屋も玄関扉が大きいか、そもそも簾が掛かっているだけで間仕切
りの無い構造になっているのは、この地域の気候に合わせた様式なのであろう。またよく見れば一等大きな工廠らしき建物以外、どれ
も高床構造に作られており、何とも異国情緒に溢れた景観だった。

 「執務室と司令官の部屋があるのはあっちです」

 圧倒され立ち尽くしていた彼の前へひょっこりと身を滑らせた吹雪は、一番手前に佇立する平屋を指し示した。

96クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:38:10 ID:QjAZivQs
 「随分、イメージと違う」

 「お気に召されませんか?」

 「いや……ただなんだか、旅行に来たような気分になる」

 「私も最初はそんな風に思ってました」

 後ろ首に手を当てながら可愛らしくはにかんだ吹雪に、彼もまた表情をほころばせた。
 その建物に近づく道すがらに、嘔吐の途中に浮かび出ていた疑問を口にする。

 「吹雪君はいつ来たの」

 「三日前です」

 「三日。……こんな広いところに三日も独りでいたの。寂しくなかった?」

 「妖精さんがたくさんいたので大丈夫でした。施設の勝手を調べるのにも忙しかったですし……。って、子供扱いしないでください!」

 「失礼。どうにも小さい娘の扱いには慣れてなくてね……」

 「……そ、それはわざとおっしゃっているのですか」

 口角のにわかに上がっていることから真剣に怒っているわけではないらしいことを察し、しかし「子供扱いをされたくない」という言
葉は本心であろうから、接し方の指針にもなる。冗談を交えつつも、彼は彼女との距離を真剣に探していて、またそれは彼女も同じな
のだろう。

 「独身でいらっしゃるのですか?」

 話の流れからして湧いて当然の疑問だった。とっさに否定の言葉を吐こうと口を開きかけた彼は、だが飛行機の中での決意に思い当た
り、逡巡した。決意に則せば首肯すべきであるが、今更の名残惜しさが急に増大し、顎を引くちょっとの動作さえをも引き留めるのだ
った。
 言葉に詰まった彼を見るや、吹雪はさぁっと顔を青くした。

 「す、すみません! あの、深入りするつもりはなかったんです!」

 「いや、いいよ。……一応、独身、かな」

 訥弁にそう言い終えてしまうと、途端悔悟の念が湧き出してくる。
 婚約者がいたがこのラバウルへの転属をきっかけに別れたというような、でまかせの創作話が口から漏れ出た。それは逡巡に言い詰
まったことへの羞恥をかき消すためだけのものであったが、彼女の関心と気まずさの混じった表情を見るとまたそれも居心地悪く、話
に区切りをつけたいのにそのタイミングが分からないといった、泥沼の焦燥に駆られる。結局建屋の中に入り、執務室の場所を吹雪に
教えられるまで、その話題は継続したのだった。
 ダンボールの乱雑に重ねられたその部屋には、まだ新居特有のニスっぽい香りが残っていた。熱も篭っていたので窓を開けると、岸
壁に波の打ち付ける音と一緒に、清涼とまでは言えないにしろそれなりには心地よい風が、さらさらと吹き込んでくる。右手手前には工
廠の大きな建屋が聳え、クレーンがゆったりと身を振っていた。航空障害灯の赤色がもう随分目立っている。左手の護岸された海辺も
すっかり暗く、白波が異様に映えていた。

97クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:38:44 ID:QjAZivQs
 「こっちが私の部屋かな」

 廊下に続く扉とは別、彼が半間の押し戸を指し示して聞くと、吹雪はおずおず首肯した。その仕草が露骨に物憂げであったから、

 「どうかしたかい」

 となるべく優しく聞こえるよう努力した声をかけると、何か心の中にせめぎ合っているのか、十秒も沈黙してから

 「いえ、なんでもありません」

 そう、微笑を作った。

 「そう? ……吹雪君とは、多分これから長い付き合いになると思うけど」

 「は、はい!」

 「えっとつまり、何かお互いに気を使い続けるような関係ではいたくないと……少なくとも私はそう思っているんだけど、君はどう?」

 「あ……。わ、私も、司令官と同じ思いです」

 「そうか、よかった。……無理強いしないけど、もし聞きたいことがあるなら遠慮しないでくれていいよ」

 なんと堅苦しい諭し方だと心の中に自嘲した彼は、だが彼女がスカートの裾を握って必死に言葉を選び取っている様子を見て、一先
ず胸を撫で下ろした。

98クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:39:48 ID:QjAZivQs
 過剰な遠慮や気遣いへ釘を刺す必要があろうことを彼は察していたのだった。頑張りすぎる傾向を持つ年端もいかぬ少女となれば、
そういったケアも大切だと思われた。果たして幾分かの緊張を顔に顕しながらも、吹雪はそれを口にする。

 「司令官は、後悔していませんか。こんな所に、来てしまって」

 胸を抉る質問だった。しかし彼女の抜け目ない視線が表情の仔細を伺っている故、しかめ面になるわけにはいかなかった。
 遠慮しないよう強いた手前、また自分も彼女に対しては素直でなければ誠実とは言えない。既に重大な嘘を一つついたが、だからこ
そこれ以上は誤魔化したくなかった。

 「……無いと言えば、嘘になる。でもたとえ命令されていたのだとしても、ここに来たのは自分の意思だよ。だから大丈夫」

 自分に言い聞かせるように提督としての決意を口にすると、吹雪も一つ、頷くのだった。


『八月二十一日 ラバウルが夕陽、朱く近し。国の暮らし忘却せんと思い定めたりしもこの日記焼捨つるに忍びず。帰還すべき場所まで
も忘るるは本末転倒ゆえ日々拙文記す習慣継続せんと思い定めたり。駆逐艦吹雪清廉な娘なり。秘書艦に任命す』

99クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:42:38 ID:QjAZivQs
 2

『九月二十四日 秋暑熾なり。気付けばラバウル赴任より一月過ぐ。辣腕無き故戦力増強遅遅なれど今ラバウルが艦保有数二十を越し
たり。今朝雷巡の建造開始せむ』

 午後のラバウルは蒸し暑い。もうずっと水風呂の中に入っていたいと思わせるほど、その気候は苛烈で過酷だった。
 執務室は空調設備によって全体快適な温度と湿度を保っていたが、生憎この提督は窓も戸も閉め切られた環境にあると、どうしても
じっとしていられなくなる性分なのであった。窓を開けては熱風の吹き込むのに耐えられず、閉める。席につくと落ち着かなくなり、また
窓を開けに腰を上げる。そんなことを十回も繰り返していたのだから、もしかしたら軽度の閉所恐怖症なのやもしれない。今まで精神
科に掛かったことはない為詳しいことは知れないが、兎角この提督には、窓の閉ざすことを条件とした涼味の享楽を受け入れることは
できないのである。
 深海棲艦の出現する前、日本本土にあった頃は、机の前にふんぞり返っていられるような立場にはなかった。寧ろ泥臭い外仕事が多
かったから、別段この性質が何か仕事に支障をきたすようなこともなかった。
 たった数ヶ月の戦争が多くの将官を非業の死に追いやった。本来この任に就くべきであったのは、適性があり才気にも富んだ、智勇
兼備の人であった。この提督も無能とまでは言えないにしろ、本国からの臥竜鳳雛であるべしという期待を背負うには余りに乏しい両
の肩。その日も吹雪を旗艦とする第一艦隊、その任務成功の知らせを聞くや、彼は書類仕事を放り出して颯爽と外に繰り出してた。お
目付け役のいない今、何をしたところでそれを引き止める者はない。流石に戦闘指揮はさぼれないにしろ彼女らも帰還くらいは通信無
しにできるわけで、ともなればこの提督、心の中の天使と悪魔の対決は既に終えているのだった。
 大方そういった事情で鎮守府の敷地内を散策する彼は、だが照りつける太陽から逃避したいのでもあった。既に常習化していると言
ってもいいほどにサボりの回数を重ねていた為、それを都合よく解決できる場所も熟知していて、足の向かう先に一切迷いはない。
 執務棟から二、三十メートル。景観にそぐわない無機質の壁を持った建屋は、この基地内に最大の大きさを誇る一施設でもある。中
では小型のクレーンが右往左往し、素材の箱を持つ妖精があちらこちらを駆けてゆく。ラバウルの工廠は今日も変わらず、各々が任を
果たさんと騒然たる様子だった。
 中は吹き抜けの広い一間だが、脇の階段を昇った先には吊り廊下とそれぞれ四隅に小部屋があって、まるでひさしのように内側へは
み出ている。提督は慣れた様子に、北側の部屋の前にまでするする進んでゆくと、元より開かれている扉を二回ノックした。
 特徴的なおさげを揺らし、中の彼女は振り返った。本部よりの資材提供のうち、特殊な支給の管理を担当するその娘は、提督の姿を
見るなり大仰な嘆息をつく。

 「また、サボりですか?」

 呆れた声音の明石は、それでも薄らと口元に笑みを浮かべていた。

 「人聞き悪い。視察視察。邪魔だった?」

 「まぁ、私はいいんですけど……。この間吹雪ちゃんが愚痴っていました」

 「へぇ。なんて?」

 「うちの提督は良い人だけど、私がいないと仕事をしないって」

100クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23:44:21 ID:QjAZivQs
 したり顔の明石から思わず視線を逸らした彼は、つまりそれだけ胸に痛みを覚えていたわけでもある。あの吹雪であるから、尋常な
ストレスでは上官への愚痴など吐かないであろう。或いはそれくらいの悪態をつけるほどに距離が縮まったとも解釈できるが、兎角影
で自身の仕事ぶりを批判され、それに何も感じないほど真摯さを欠く彼ではなかった。

 「真面目になろうとは努力しているんだよ。ただ上の要求が過大だと……ほら、萎えるじゃない?」

 思わず惨めに言い訳をしてから、こういうところが駄目なのだと気付き自嘲する。目を伏せた彼を見、想像以上に深手を与えすぎた
らしいことを察した明石は、

 「そこの椅子、どうぞ」

 そう言って場を取り持つのだった。
 何時ものキャスター付きの安物椅子に腰掛けると、吹き抜けに面した窓から一階の作業の様子が見て取れた。建造機からの物静かな
脈動が、遠くからでも感じられる風である。
 何度眺めても、ぞっとしない光景だった。一個の知的生命体が、数多のホースに繋がれたあの得体の知れない装置からむくむくと生
まれてくる。しかも年端もいかぬ少女の形に、闘争を目的としてである。人類にとって必要だからと倫理に背くことを是するのは、この
提督には辛い事だった。
 装置を眺める彼の横顔を暫時観察した明石は、また吹雪の話題から逃避もしたくて視線の先の物について口に出した。

 「明日の朝までには建造完了するらしいですよ。例の軽巡の娘」

 「軽巡? 雷巡って話ではなかったか? たしか名前は……北上」

 「知らないんですか? 最初は軽巡、練度をある程度上げると雷巡として改造できるようになるんです」

 「初耳」

 やれやれと頭を振る明石をよそに、提督は実際かなり大きなショックを受けていた。まだ軽空母も配備されていないこの艦隊におい
ては、先制雷撃ができる雷巡は貴重な戦力として勘定できるはずだったのだ。難度の高い海域の攻略に、丁度乗りだそうとしていた手
前、この見落としは大きな痛手だった。

 「……今日帰還したら、吹雪君は一段階目の改造が可能になる、はずなんだ」

 「はい」

 「一ヶ月だな。秘書艦に任命すると大体一ヶ月で改造可能になる。建造終了次第北上君を秘書にしつつ、いつもの第一艦隊メンバー
も出撃させて、一ヶ月計画で全体に練度を上げていこうと思うんだけど、どうかな」

 「私に聞かないでください。そういうことを判断するのが、提督のお仕事です」

 ぐうの音もでない正論に提督は後ろ首を掻いた。
 少々時間をかけすぎるプランニングとも思えるが、かと言って現状のまま吶喊するのもリスクが大きいわけである。どうせいつかは
無能と謗られる身、今更性急に功を収めようとしたところでぼろもでるだろう。なれば犠牲の無いまま任を終えるのが、得策かと思わ
れた。
 兎に角練度を上げることに集中しようと今一度腹を据えたタイミングに、明石がつと容喙してきた。




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