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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ15
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DMMのブラウザゲーム、艦隊これくしょん〜艦これ〜のエロパロスレです。
エロ妄想なりSSなりご自由にどうぞ。
シュチュやネタ妄想雑談しつつ、ゆるーく行きましょう。
SSは形式不問、長いのも短いのもエロいのもエロくないのもご自由に。
リョナ・強姦・死姦・スカトロ・ふたなり・性転換などの特殊嗜好を含む内容は注意書き必須
百合・女性提督ネタは百合スレで、こちらに投下の場合は注意書き推奨
【艦これ】 艦隊これくしょんで百合 ←検索したら出ます
■■禁止事項
批難中傷・荒らし
SS作者以外による改変/改竄および他スレへの投下
投下のあからさまな妨害・その他スレの空気を悪くする言動
上記を行った場合は警告なしで削除とホスト規制します。
※次スレは>>980を踏んだ人が立ててください。
公式
http://www.dmm.com/netgame/feature/kancolle.html
艦これエロパロ避難所板
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16725/
保管庫
http://www55.atwiki.jp/kancolle_ero/
第二避難所
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16181/
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過去スレ
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ14
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1408408802/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ13 (避難所2)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1404804363/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ避難所1
※実質12スレ目
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/16725/1400634843/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ11
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1401464074/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ10
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1400427549/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ9
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1397482056/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ8
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1393339375/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ7
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1390624968
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ6
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1387773261/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ5
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1385645434/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ4
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1383747696/
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ3
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1382371413/
艦隊これくしょんでエロパロ2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1380741105/
艦隊これくしょんでエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1375799214/
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乙ー!&前スレ埋まりましたー
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おつ
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今更かもしれんが不知火はプライベートではいろいろと女の子らしいことをしてそうな気がする。
http://i.imgur.com/yCXi8bR.jpg
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それは悪くないけど、プライベート付き合ってくれる奴らの想像がつかないな。
仕事とプライベートのギャップについていけなさそうで。
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>>6 …陽炎(ボソッ)
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>>7
そこは黒潮なイメージ
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>>6 鈴谷不知火シリーズの影響か鈴谷もいけそうな気がする。
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投下させてくれー!
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「……!」
水平線の向こうから幾つかの影が近づいてきた。
しかし、自分の心中は平穏ではなく、
夜空のかけた満月が運命を大きく捻じ曲げたと思わせる程度には不気味で脅威な存在に見える。
「提督、艦隊が帰投しました……」
岸壁に上陸した艦隊のうちの扶桑が報告に上がる。
しかし、扶桑は旗艦ではない。
では何故随伴艦の扶桑が報告に出ているのか。
何故今にも泣き出しそうな程に顔を歪めて低い声で報告しているのか。
敵艦隊撃退に成功したにも関わらず、何故他の随伴艦も一様に目を逸らしているのか。
何故なら。
「なお、旗艦山城の行方は未だ不明です……」
自分は、鉄の味がする程乾いた唇に歯を立てる。
海戦には勝利したが、ちっとも喜べなかった。
……………………
…………
……
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陰りない程燦々と海を照らしていた夕べの陽は、自分らを騙して悪夢の海に引き込もうと企てていたのだろうか。
何の罪もない筈の遥か遠くの恒星にさえこんな疑心を向けてしまう。
人間は兎角理由をでっち上げて何かに押し付けないと気が済まない生き物だ。
今の自分は冷静さを海の底へ沈めてしまっていた。
「何処へ行きやがったんだ、山城……!」
鎮守府庁舎の屋上で、自分は目の周りに痕ができる程双眼鏡を覗き込んでいた。
庁舎より低い背丈だが沿岸に建つ灯台も、山城へ母港の位置を示そうと忙しなく光の柱を回転させる。
闇の地平線に目を凝らしても、軍艦どころか貨客船一隻見当たらない。
「提督、お体に障ります……」
背後から扶桑の声が聞こえた。
いつの間に屋上に来ていたのか。気配に気付けなかった。
しかし気に留めない。
自分は双眼鏡を通して水平線を睨み付ける。
「提督、もう寝ましょう?」
「扶桑が先に寝ろ。私もそのうち寝る」
山城を大事にしている姉の扶桑が、今は鬱陶しかった。
誰かと話す気分ではない。
追い払う目的でそんな科白を吐き捨てる。
「…………」
扶桑は諦めたのか、何も言わなくなった。
下駄が小さく床を踏み鳴らす音の後、屋上の扉を閉める音が聞こえた。
……………………
…………
……
-
次の日。
空腹感はあるのに食欲がないと言う経験を初めて味わった。
食事するのも億劫で、そんな時間も惜しい。
自分はスケジュールを乱し、真昼間にやっと起床した。
極最低限の書類執務だけ片付け、あとは手掛かりなく地平線を睨み付けるだけ。
出撃も演習も、建造も開発もさせず、遠征は前日行っていた指示を繰り返すだけ。
食事も間宮から押し付けられた握り飯を流し込むように食べただけ。
全てがどうでもよくなっていた。
陽が沈んでから海を見渡し続けても、目に映ったのは少しの艦娘の集団だけ。
あれは何処の鎮守府所属の艦だろうか。
嗚呼、数時間前に自分が送り出した遠征部隊だったか。
秘書艦扶桑に呼ばれて下に降りるまで分からなかった。
私の顔を見るなり艦らは異常なものでも見つけたようにぎょっとしていた。
よくやった。ではまた遠征に赴いてくれ。
気にせず空虚の労いの言葉を贈ったが、艦一同の表情は晴れない。
当然か。
遠征部隊の出港を見届けた後で扶桑に手鏡を見せられ、自分も驚いた。
開いていない程に細められた目の下には隈が出来ており、
その上から双眼鏡を押し付けた焼印のような痕がついていた。
おいおい、何て醜い顔を見せるんだ扶桑よ。
自分は逃げるように再び屋上に戻ったが、もう双眼鏡を手に取る気力さえ残っていない。
偶々ポケットに入っていた煙草に手を付ける。
煙草は双眼鏡と違って紙で出来ているから軽くて楽だなあ。
早速点火して煙を吸引してみると、思いのほか重かった。
肺に重くのしかかり頭がくらくらする。
でも構いやしない。
山城はもういないのだ。
あの日の夜戦で山城からの通信が途絶えた時、山城は命を散らしたに違いない。
扶桑が山城を"轟沈"ではなく"行方不明"と報告したのは、
沈んだ事も確認出来ない程文字通り木っ端微塵に散ったからだろう。
彼奴は姉と違って普段から"不幸"だの"欠陥"だのぼやいていたからなあ。
"口は災いの元"と言う諺を教えてやるべきだったか。
あの山城がいないのでは、自分も不思議と生きる気力が湧かない。
このまま呼吸不全で死んでしまってもいい。
自分はこの鎮守府の艦からは慕われている事もないから、困る奴もいない。
おや、いつの間にか携帯灰皿が臭い吸殻で満杯になっているではないか。
しかし喫煙はやめない。
今咥えている吸殻をほろりと落とし、そのまま箱に手を伸ばす。
吸う。落とす。吸う。落とすを繰り返す。
-
「提督!」
誰かが自分を呼ぶ声がした。
死神か。随分な重役出勤だな。
死神に体を揺さぶられる。
赤い目に黒髪、そこからそびえ立つ艦橋が目に映る。
……山城?
どうやら私の迎えを担当する死神は山城だったようだ。
死んだ山城が私を連れて行ってくれるのか。
「何を仰ってるんですか! お気を確かに!」
口に咥えていたものを奪われた。
何をするんだ、山、城……。
体を揺さぶられた事で限界が来たのか、遂に自分の意識は底なし沼へと堕ちてゆく。
山城、今行くからな……。
……………………
…………
……
-
視界が黒で染まっている。
自分の後頭部が柔らかいものを感じている。
自分がいるのは天国か、地獄か?
判断がつかない。
そう言えばまだ走馬燈を見ていないな。
それならこの真っ暗闇を背景にぼんやりと流れる筈だ。さあ来い。
しかし待ち伏せても何も流れず、反して自分の意識が覚醒していく。
自分の視界も開けてゆく。
闇が真ん中から上下に向かって割れていき、ぼんやりと何かを映し出す。
「あ、提督……」
「……扶桑?」
長い黒髪を垂らして扶桑の赤い目が憂げに私を見下ろしていた。
頭と反して腰から下半身にかけては硬い感触がある。
……扶桑に膝枕されているのか。
私はまだ死んでいなかったのだな。
扶桑は私の目覚めを確認してから夜空を見上げ、溜息をついた。
「月はあんなに綺麗なのに……」
それを聞いて私の鼓動は大きく跳ね上がった。
いやいや。
あれは山城とだけ決めた合言葉だ。それを知らない扶桑がそう言うつもりで言ったのではない。
それを知ってか知らずか、扶桑の口は小さく動く。
「提督。山城は沈んだと思いますか?」
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分からない。
只さっきの自分はそう思っていた。
やけに乾いた唇を無理矢理動かしてその問に応える。
血が巡っていないかのように頭は働かず、思っている事をそのまま口にしたが、扶桑は平手を張る事もなかった。
「そうですよね……。煙草もあんなに吸っていましたし」
扶桑は少し顎を下ろして前方のある一点を見詰めた。
その方向に首を回すと、そこには煙草の吸殻が幾つも転がっていた。
あれは全部、私がやったのか。煙草一箱消費したのではないか。
ヘビースモーカーでない自分は只々驚く。
次に扶桑は私を見下ろした。
その顔には、まるで手のかかる子供を見る母親のような目が貼り付いていた。
「山城がちょっといなくなっただけでこんなになるなんて、提督は余程山城にご執心なのですね」
前まではその逆だったのに、とそのままの顔で言うが、遠回しに責められているように聞こえた。
それは、悪かったと思っている。
趣味ではなく大真面目な戦争だから仕方ないとは言え、大きな戦力を揃える事が急務だったあの頃は、
正直に言ってしまうと扶桑型より元々性能の高い戦艦の育成を最優先にしなければならなかったのだ。
只勘違いしないで欲しい。
お前ら扶桑型だって充分に活躍の場はあるのだ。
庁舎の部屋も限りがある故、全く使えないと判断していたらそもそも解体している。
「ありがとうございます。でも山城に向けているのは、そういったお考えだけではないのですよね?」
何が言いたい?
「提督は、山城に並々ならぬ好意を抱いていると思っているのですが、私の勘違い、でしょうか」
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自分は、すぐには答えられない。
走馬燈のようにこれまでの事を鑑みる。
何時も不幸だのなんだの言っている山城。
姉だけにご執心と思いきや、重巡の前に出て敵の攻撃を受け止める山城。
自身の戦果を無邪気に姉に自慢する山城。
滅多にお目にかかれないが、姉と同じ位に慈しむ目を浮かべられる山城。
幸せを追いかけようと必死になるあまり、周りが見えなくなる山城。
そして、幸せを掴むのに何故か私に頼る山城。
自分は、そんな山城に愛らしさを感じていた。
扶桑。お前の目は確かだ。
私は山城に惹かれてしまっている。
「そうですよね。なら、信じましょう? 山城は、そのうち帰ってきます」
山城が敵の攻撃を貰ったところを見た筈なのに、山城は沈んでいないと信じる。
それは現実逃避ではないか?
しかし扶桑の目に陰りや濁りは見受けられず、静かに強い意思を燃やす綺麗な紅の色をしている。
「逃避ではありません。分かりますか? ここ最近の山城ったら、楽しそうに"不幸だわ"って言うんですよ?」
分からない。
自分はそんな場面は見た事はない。
不幸を楽しむと言う感覚も理解出来ない。
そんな姿は扶桑の前でしか晒していないだけでは。
扶桑は首を振って私の言葉を否定する。
「そんな山城が呆気なく沈むとは思いません。山城は絶対に帰ってきます」
「…………」
「出撃する時、山城が約束したんですから、提督も信じて待ちましょう?
煙草の臭いが染み付いていては、山城も逃げてしまいます」
そうだった。
山城は約束したじゃないか。
必ず帰る、と。
山城は約束破りの常習者でもない。
あれだけ姉を慕っていた山城が姉を残して沈むか? いや、ない。
これらは精神論で物を言っていると言えばそれまでで、山城が生きている証拠はない。
それでも、己を見失わず妹の生還を祈る扶桑と話をして大分気分が軽くなったのは確かだ。
自分もまた、扶桑に倣ってみる事にしよう。
静かにそう心に刻み、まず散乱している煙草の吸殻を掻き集める事から行った。
……………………
…………
……
-
あれから気を持ち直し、扶桑を秘書にして私は日課を続けた。
執務を行い、演習を行い、出撃させる。
そこに山城の姿はなく、自分でも呆れる程に物足りなさ、寂しさを感じていた。
そしてその日課には、臨時として庁舎屋上からの海上偵察任務も加わっている。
それが三日は続いた。
その三日目の晩、双眼鏡にたった一つの影が映る。
薄気味悪い夜の海を一つだけの影が走っているのは何とも不気味だ。
只、それは走っていると言う表現がそぐわない動きをしていた。
あれは。もしや。
自分の胸は高鳴り、堪らず地上まで駆け降りる。
のろのろと蛇行しながらそれは、確かにこの鎮守府に向かっていた。
やがてそれは座礁した途端、力が抜けたように地面にへたり込んで呟く。
「山城、帰ってきました……」
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嗚呼、これは夢ではなかろうか。
あるいは、此奴は成仏出来ていないだけの霊だろうか。
いや、ない。
傷一つない姿形をしていたらそうかもしれないが、
ぼろぼろずたずたの艤装と装甲を纏い、全身を煤で汚し、死にそうな声だがしぶとく生気を赤い目に滾らせている。
そんな酷い有様が、現実味を見事に演出していた。
「山城おおおお!!」
脇目も振らず全速力で山城の元へ駆け寄った。
飛び付くように、もう目の届かないところへ行ってしまわぬように、ひしと抱き締める。
山城の体は、ぼろぼろになって機能を低下させている缶のように冷えてしまっていた。
「わぷっ! ……提督?」
「山城っ……山城ぉ……」
「……大の大人が、なに泣いてるのよ……」
誰の所為だと思っているのか。
他人事のように言いやがって。
どれだけ心配したと思っているんだ。私が体を壊す程だぞ。
山城に嬉し紛れの罵倒を浴びせる。
思考が上手く出来ず感情だけで物を言う余り、語彙の無さが滲み出る。
「あの日近代化改装しろって言うからしてやったのに……、馬鹿だ。馬鹿! もうドックから出るな!」
「ひどい、言い方するのね……」
月は天高く艦が寝静まった静かな鎮守府の一角で、自分は張り詰めていた気を緩め、
弱っている山城の低い体温を確かめながらみっともなく喚く私を、山城は力のない手で擦って宥めてくれた。
山城は、大破しながらも確かに帰投した。
……………………
…………
……
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山城から目を離したくないと思う余り、逸る気持ちのまま山城の入渠に同伴する等と言う戯言をのたまった。
その直後我に返って自分で呆れたが、何故か山城は拒まなかった。
そう言う経緯があり、修復ドックの入り口に満杯の看板を立ててから、山城に続いて自分も暖簾をくぐった。
広間には艤装を修復する機器、疲れを癒す様々な物が整然と並んでいる。
山城が艤装を全て下ろすのを見届けてから、脱衣所へ向かった。
当然ながら脱衣所が仕切られていたりはせず、自然と山城と共にタオル一枚だけの姿になる。
「あまり見ないでくれます?」
それは恥じらいをもっての言葉か、体に煤が付いているのを気にしての事か。
どちらにせよ自分がそれに従う理由にはならない。
山城を促して浴場のタイル床に足をつける。
共に言葉を交わさず風呂の椅子に腰掛け、体を清めていく。
自分は手早く頭と体に付けた石鹸を流したが、山城はまだだ。
山城が疲弊し切っているのに先に湯船に浸かる事を憚られた自分は、髪を気にする山城に声をかける。
「山城、背中を流そうか」
「え……、いいです。自分で できます」
山城が湯船に入るのを待つので自分はやる事がないんだ。
丁寧にやるから、山城はゆっくりしていていい。
「むぅ……、痛くしたら姉様に言い付けますから」
山城は拒まなかった。
そう言うとタオルを緩めたか、山城の背中が露わになる。
手拭いに石鹸を塗りたくり、山城の背中に押し付けた。
煤で汚れた部分を特に念入りに、しかし強い力は入れず山城の背中を擦る。
艦娘を人と同義として良いのか分からないが、
露わになった山城の背中やうなじは人の女性と同義の物を持っていた。
髪を壊れ物のように扱う山城に見習って、手拭いを上下に動かす。
少しして、山城は鏡に向かったまま私への呼び声を浴場に響かせた。
「今日察しました。帰投するまでに、練度が限界まで上がったんです」
おめでとう。
思えばもうそこまで来ていたのだな。
私も嬉しく思うよ。
「で、聞きたいんです。提督は……、どうしてここまで私を使ってくれたのかって」
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お願いしたのは私ですけど、と最後に付け加えられる。
放置したら拗ねて、使ったら使ったで疑心を持つとは面倒臭い奴だ。
ある期間放置した事はあったが、そもそも山城をもう使わないつもりでいたのではないんだよ。
山城が先に懇願してきただけで、そのうち招集するつもりはあった。
で、その理由だったか。
戦力を軒並み増強させねばならないと言うのも理由の一つだが。
「趣味だよ」
「は?」
山城は上官への言葉遣いを崩す程に唖然としていた。
顔を横にずらして鏡の中の山城を見やる。
山城は目と口を主砲口径のように丸く開けていた。
山城は私の言葉を反芻する。
「趣味……?」
「分からないか。お前ら扶桑型の高い艦橋に、妙な魅力を感じる者は多いんだよ」
扶桑型の造形について情を込めて語る者は、過去と現在、軍人と民間人、共に多く見られる。
それを記した書物も、探すのは容易い事だろう。
山城は周りが見えない質だな。
何でも不幸だと言うが、まさか人から慕われる事まで不幸だと思ってはいまいな?
「ま、私が山城に感じる魅力はそれだけではないんだがね……」
「え……、ひゃ……!」
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手拭いでなく指で直に山城の背筋を、つつ、と撫でる。
山城は驚いたように体を震わせる。
立ち上がれないよう山城の弾薬庫の前に両手を回し、包み込むように抱き締める。
煤の混ざった石鹸が自ずと体に付着するが、どうでもよかった。
鼻先に来た山城の右の耳たぶを口に含むと、また面白いように山城は跳ねる。
「ひぅ……! て、ていとっ、くぅ……!」
あむあむと口先で山城の耳を甘噛みする。
山城は払おうと首を振るが、抵抗は無に等しいものだった。
それに合わせて耳を覆い隠そうと小さく揺れる濡れた横髪が顔に当たり、こそばゆい。
しかし邪魔しようとするそれさえも、自分は愛しく思えた。
気分が高じて自分は舌をも突き出し、山城の耳たぶを攻め立てる。
「提督っ……、なんで、こんな……っ」
この分からず屋が。
自身の価値を理解しようとしない山城なんか、こうしてやる。
山城の耳に舌を突っ込んだ。
「ふぁ、っ、……っ! うぅ……!」
山城の耳たぶを唇で挟む。
山城の耳の穴で舌を暴れさせる。
そんな事だけを繰り返していく。
それだけで体を震わせていた山城は、タオルが緩んでいる事も気付いていなかった。
その隙を見、身体の前を隠すタオルを震えに紛らわせて下ろしていった。
山城の耳を攻めながら鏡を見やる。
山城は、立派なものを持っていた。
抱き締めているうちの左手で、それを下から持ち上げるように揉みしだく。
「あっ!?」
山城の目が開かれ、私と目が合った。
自分は山城の超弩級なタンクに虜になり、耳から口を離す。
手に吸い付くような錯覚を覚える程に、柔らかくも張りがある手触りだ。
これだけのものを手入れするのだから、戦艦の入渠は長くても仕方のない事だなあ。
自分の理性はもう排水溝に流れてしまった。
邪魔物を取っ払って妙にすっきりした気持ちだ。
そうなると、自分の血液はある一点に集まってくる。
「……んっ、ちょっと、何か当たってるんですけど……」
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それを覆い隠していたタオルの存在意義は潰れている。
タオルから顔を出した自分の単装砲が、たちまち戦闘準備に入るように首をもたげたのだ。
たった数秒で起き上がったそれが、山城の背中に当たる。
それの正体が山城にも分かるようにぐいぐいと尚押し付ける。
その間も、自分は山城のタンクに夢中だ。
経験のない雑な手付きで揉まれるそのタンクを、鏡越しで眺める。
タンクの中央に備えられた突起を摘み上げるだけで山城は言葉を詰まらせる。
こんなのでよがってくれるとは、山城は何と優しいのだろう。
もっと見せてくれ。
タオルの中に右手を突っ込み、すべすべな弾薬庫を撫で回す。
「ひゃ、そっちは……! ふ、うぅ……!」
何やら危惧した様子だが、どうしたのか。
知った事ではないが。
再度耳たぶを唇に挟み、タンクと弾薬庫の修復作業は続行。
あむあむ。
「っ! ……っ!」
もにゅもにゅ。
「ふあん! もっと優しく、扱ってよ……」
すりすり。
「うんん……、んやぁ……」
山城、すまん。
久し振りだから、我慢ならないんだ。
「久し振りって、三日しか経ってないでしょ……」
山城は三日の間海でどう命を繋いだかは分からないが、山城を待っている間の三日は途方もなく長かったのだ。
終わりの見えない隧道に入ってしまったようなものだ。
不安と絶望に塗れて仕方がなかった。
山城が悪いんだ。艦隊からはぐれて、私を三日も待たせた山城が。
不満なら自身の失態を悔やんで大人しく私に弄られてくれ。
有無を言わさずそう吐き捨て、弾薬庫を撫ぜていた右手を、下へ。
「なに、言って……、ひっ」
山城は身をよじった。
しかし両腕で固定している為に逃れられない。
手で初めて触れた山城の其処は、既に濡れていた。
陰毛の奥の裂け目からとろりと垂れている、お湯とはまるで手触りが異なる粘液で。
なんだ、早いじゃないか。
山城も期待していたのか? まだ始めたばかりなのにもう準備が整っているようではないか。
耳元で囁きかけ、これなら遠慮はいらないだろうとばかりに、山城の艦内に中指の第二関節までを突っ込む。
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つぷぷ……。
「んはぁぁぁぁ……!」
山城の艦内は指を誘導するように疼いていた。
おお、と感嘆の声を漏らす。
山城の口は上と下、どちらが正直なのだろうな。
百聞は一見に如かず。
考察する前に試してみれば分かるだろうと、指を動かす。
「んあ! ちょっと、中で動かさ、なっ!」
言葉になってないぞ。
只、なっていても聞く気はない。言葉ではなく嬌声を聴く気ならある。
それしかないので指の動きは大きく無遠慮なものにしていく。
艦内の壁を撫でたり、一際柔らかそうな部分を押し込んだり、色々刺激を与えてみる。
「ていとくっ、待っ、まっ……てぇぇ……」
蚊の鳴くような声だ。
前方の鏡を覗き込む。
そこには、水も滴る良い艦がいる。
乱す黒髪に、目を強く閉じ、嬌声を作る唇。
露わにされている肩、鎖骨、胸部。
それだけでなく、それより下を隠すタオルさえも、みだりに乱れた山城の良さを引き立てていた。
それに自分が見蕩れるのは当然の道理だろう。
「ふう、ふぅっ、……?」
タンクを揉みしだく手、艦内を点検する手の動きが止まってしまう。
山城はふと目を微かに開いた。
その動きに自分も反応を示し、それを追う。
結果、当然ながら鏡越しではあるが視線が絡み合った。
「っ!」
山城は、指図されている錯覚でもしているように首を左に回転させて私から目を背けた。
……なんて可愛い奴だろう。
しかし、その所為で鼻先にあった山城の耳が遠くへ行ってしまった。
玩具を取られた気分だ。酷い事をしてくれた。お仕置きしてやらねば。
山城の艦内に差し込んだ右手を、指だけでなく手全体を動かすように動かす。
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くちっ、くちゅくちゅくちゅくちゅ……。
「んぁっ、ぁ、ぁぁああぁぁああ!」
山城の嬌声が、ドックに木霊す。
良かったな。貸切にしておいて。
山城の恥ずかしい嬌声は誰にも聴かれる事はない。
私を除いて。
「随分乱れるようになったなあ。山城?」
「あっ! んん……、んんんん……! て、提督の、せいでしょっ……!」
こら。鏡越しでいいから、目を合わせなさい。
山城からすれば、此方を責めているつもりなのかもしれないがな。
その科白は、此方の情欲を煽らせるだけなのだ。
我慢ならない。自分の単装砲は威勢よく跳ねているのだ。
山城の胸部と艦内の点検作業を中断する。
山城がこうも乱れているのは、我侭な提督の所為か。
しかし何時も私に主導権を握らせているのは山城なのだから、それは山城の自業自得と言えよう。
そんな私から逃げるように左を向く山城の左耳に小さく命令の言葉を放り込む。
立って壁に手を突け。
「〜〜っ!」
山城は背筋を痙攣させる。
耳に囁かれるのがそんなに気に入ったのだろうか。
一足先に自分は椅子から腰を上げた。
山城の両肩を持ち上げるようにして催促すると、山城は肩を痙攣させながらも何とか立ち上がる。
山城のタオルが足元に落ちた。それを私が向こうへ蹴り飛ばし、自分の腰に巻いているものも放り出す。
山城は、私の命令に逆らわない。
壁に両手を突き、腰は此方に突き出してくれる。
山城は本当に以前よりも練度が上がってきているな。
これから何をするのか、分かっているじゃないか。
「……っ」
自ずと主張される山城の尻の、なんとも男の性を刺激してくれる事か。
ふるふると誘うように震えている。
山城が海戦で中破帰投すると目にする尻を、今自分は弄ぶ権利を握っているのだ。
おくびにも出さなかったが、あの尻に己の手を沈めてやりたいと実は常々思っていた。
一先ずは山城の腰を左手でむんずと掴み、右手は自分の主砲に。
照準を定める。
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「っ……、ぁ、ぁはあっ!」
入った。
ピストン輸送を開始する。
山城の艦内は潤滑油で程よく濡れているし、艦内が引きずり込もうと疼くし、
自分の主砲も山城の艦内を拡張工事する位に膨張したおかげで隙間がない。
複数の要素が上手い具合にかみ合っているので、とても円滑に行えている。
「う、ああっ、ぁ、ぁあああ……、てい、とくのっ、いつもよりも……っ!」
それだけ待ち遠しかったんだよ。
分かるか? 三日も待った私の気持ちが!
ぱん!
「いひゃいっ!」
私は山城に、言葉をぶつけ、艦内に主砲をぶつけ、尻に手をぶつけた。
艦隊からはぐれるなんて問題外だ。
この鎮守府最古参の戦艦なんだからもっとしっかりしろっ! 後輩の戦艦が呆れるぞ!
ぱん!
「あうぅっ! し、仕方、ないでしょっ! あん! や、夜戦は、苦手なのよおっ!」
苦手?
練度が限界に達しておきながら苦手なものがあるというのか。
本当に限界まで練度を極めたのか?
このっ、このっ!
ずぶっ、ずぶっ!
「あ! ああっ! だ、だってえっ! 夜戦に、いい思い出なんかないんだからぁっ!」
自分は、ぴたと動きを止めた。
第六感がここは話を聞く場面だと興奮する私を冷静に諭したのだ。
山城は酸素を求めて必死に息を整えようとする。
暫し待つと、山城は息絶え絶えながらも私に訴え始めた。
-
「はぁ、ま、"前"の時はっ、超弩級の威厳なんかなかった」
「私は、最期の夜に敵艦に囲まれて、姉様と一緒に虐殺されたからっ、それが、今でも……」
.
-
どくん。
自分の心臓が強く脈打つ。
艦が経験してきた事は、経歴には事細かに記されていない。
だから、その事柄は初めて知った。
日本軍艦はかつての大戦の戦況悪さ故に敵国より悲話が多いから、
此方から首突っ込んで聞くのはよしたほうがいいだろうと前々から判断していたが、ここまでとは。
彼女らの精神に深刻なダメージを与えてしまわないようにとの配慮だが、
たった一隻からそれを聞くだけでも聞く者に深刻なダメージが来るものなのだな。
囲まれて虐殺される。
躊躇いなくそんな言葉で表現できる山城の奥底の闇を垣間見てしまったようだ。
そこには、どれだけの悲しみやら憎しみやら辛さやらの負の感情があったか計り知れない。
悪ふざけで山城を虐げていた先までの自分の姿がとてもみっともない。
しかし、山城の艦橋を越える程自分に呪詛の言葉を積み上げるのは後だ。
自身の恐怖の根源である夜の海を三日も彷徨って命からがら帰って来た山城を、自分は修復しなければならない。
自分は、慈しむ想いで身体を山城に重ねる。
なるべく耳に伝わるよう首を伸ばしてそこに呟く。
すまんな。
「え、提督? ……んあっ!?」
止めていた腰を再び動かす。
両手を前に持っていき二つのタンクを揉む。
「あうっ! そんな、いきなりっ!」
自分の下腹部を山城の尻にぶつける音がリズムよく木霊す。
それに合わせるように山城の艶かしい歌声が響く。
欠陥だの不幸だのそう言った口癖だけ聞いていると弱そうだが、やはりと言うか山城はそんな事はなかった。
夜の海で凄まじく不本意な最期を遂げた山城に未練があるのは当然で、
それをばねに蘇ったと言っても過言ではない今の山城が、弱々しい訳がない。
山城もまた芯のあるしぶとい強さがある。
浴場に響くこの綺麗で儚げな嬌声にも、そんなものがあるように聞こえた。
聴覚がそう錯覚してくれると自分の心は揺れ動く。
-
「はあはあっ、あっ、ああっ! て、ていとくっ!」
自分の身体も突き動かされる。
山城に対するこの大きな感情が暴れて止まらない。
嗚呼、こんな感情が生まれたのは何時からだっただろう。
いつの間にかできていた。
不幸と言いながら死にたがりにならず生きる山城が、
深海へ足から引きずり込まれそうになりながらも足掻く様に生きる山城が、愛しくてたまらない。
「……っ、……っ!」
自分は思わず歯を食い縛る。
口から出ようとする心臓を縛り付けておくために。
それでも、山城とこうしていると次第に自分の枷も小破、中破、遂には大破してしまう。
嘗ては不幸から脱却したいと言う山城の為にこう言う事をしていた筈なのに、
今こうして山城と一つになっている事を、自分の方が幸せに感じてしまっていた。
おかげで、自分はあまり長く持ちそうにない。
「……しろっ、山城っ、山城っ! す……!」
危ない。
地の声を零し掛けた。
山城は別に私にそう言った意味での好意は持ち合わせていない。
そんな山城に自分がそんな想いをぶつけたって何も実らないし、山城が迷惑がるだけだ。
「あ、あっ! ああん! んっ、てい、とく……何ですか……っ」
何でもない。気にしなくていい。
もう出るから、山城は準備する事に集中しろ……っ!!
そんな事を言いつつも山城にそんな時間なんか与えず、
頭の頂点から足先まで一つになったまま自分は達する。
唯一つだけ除いて。
どぷっ! びゅく、びゅくびゅくびゅる……っ!!
「んっ! ぁ、はああああぁぁ……!! うぅんっ……」
……………………
…………
……
-
あの後、自分は急激に萎えた。
自分の中の熱い想いは、外的攻撃によって墜落するように冷めたのだ。
自分の事だから理由くらい分かっている。
山城に対するこの想いが実らない事くらい分かっている。
言い方は悪くなってしまうが、山城は私の事を、自身が幸せになる為の踏み台としか思っていないだろう。
逆に山城にそう言った好意を抱かれる事をした覚えはない。
では出口を見つけられずに自分の中で疼くこの想いはどうすればいいのだ。
そんな葛藤が始まった自分は、早く寝床に身を沈めたい気持ちに包まれた。
山城は上手く修復できたようで、艦が大破した事で体に溜め込まれた疲労はすっかり抜けたと言っていた。
それを聞くや否や、自分は短い返事だけ返して湯船にも浸からずに出てきた。
そして今、こうして寝床の布団を頭から被っている。
山城を修復した代わりに私の調子が狂ってしまったようだ。
なあに。一晩寝れば直るさ。
「……提督? 寝てる?」
山城か。扉を叩かずにいきなり足を踏み込んでくるとは無礼者め。
提督はこうして惰眠を貪っているのだ。
お前の修復作業で疲れたのだ。眠っているのだから話し掛けないでくれ。
顔を覗きこまないでくれ。頼む。
「……馬鹿」
おいどういう意味だ。
自分の背後でそんな言葉を投げかける山城に心の中で問う。
山城は意味の分からない罵倒を静かに飛ばしてから、部屋の扉をゆっくりと閉めた。
今夜は、こうして煮え切らない想いを抱えた自分に構わず更けていった。
-
今回はここまで
山城改二はイベント終了後とかになるのかなあ
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すげー力作w
山城改二がますます楽しみですw
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スレ立ち上がってから早速投下とか胸熱だな。期待して待ってます。連投規制と猫にはくれぐれも気をつけて。
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したらばってピンク板みたいな連投規制ないんじゃないっけ
山城改二が早くこないかね〜〜 力作おつ
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鎮守府って意外と羞恥心とかが希薄なんじゃないかな…と思い始めた今日この頃。
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工廠とか入渠施設を妖精さんが全部回してる設定だと、男が提督しかいない可能性もあるからなw
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鳥海の話を終わらせたはずなのにまた書きたいことが出てきたので続きを書きました
NGは『二度と取り戻せぬもの、もう一度取り戻せるものです』
-
『これは私の計算ミス……ごめんなさい…………』
「…っ!?」
俺は飛び起きた。見たくもない悪夢を見たからだ。俺の心臓は激しく鼓動していた。
最愛の妻が海の底に沈んでしまう……そうなってしまえば俺は朝の選択を後悔するだろう。
今日11月3日は俺の誕生日。本当なら愛する妻と息子と一緒に穏やかな日を過ごすはずだった。
だが妻の非凡な力ゆえにそれは許されなかった。
俺の妻は第二次世界大戦で名を残した伝説の重巡洋艦鳥海の魂を受け継ぎ、その力を持つ艦娘である。
そんな彼女はこの鎮守府で一番指揮能力があったため、今日行われる作戦を遂行する艦隊の旗艦として推薦された。
本来なら別の鎮守府の中将の艦娘が旗艦となるはずだったが、
予期せぬ事故により不可能になった為急遽彼女に白羽の矢が立った。
俺は大佐だったが指揮艦娘の選択権は俺に委ねられた為、鳥海ではなく他の艦娘を旗艦にするということも出来たのだが、
俺の私情で最大戦力を運用しないわけにはいかない。俺は補佐に摩耶を付けると指示し、鳥海に出撃命令を出した。
珍しく鳥海は…妻は不満を口にした。
よりによってどうして今日なのですか、仕事ばかりではなくもう少し自分の事も考えたらどうですか、と。
俺の立場や気持ちも十分理解している上での事とは承知していたが、
それでも不満をあらわにしていた彼女に申し訳ない気持ちになった。
「提督…………起きてらしたのですか?仮眠の邪魔をしてしまったみたいで申し訳ありませんでした……」
鳳翔が赤ん坊を抱きながら俺に声をかけた。鳳翔には鳥海が任務中の時に俺の息子の世話を任せていた。
「ごめんなさい…この子、珍しく泣き止まないんです。
おっぱいが欲しいわけでも、おむつを変えなきゃいけないわけでもないみたいで……」
俺は鳳翔から息子を受け取った。それでもすぐには泣き止まなかったが、
父親に抱かれた安心感からかじきに泣き止んだ。
「申し訳ありません、この子を上手にあやせなくて提督の邪魔をしてしまって…」
「いや、そんなことはない。俺が起きたのは嫌な夢を見てしまったからだ。
それで考え事をしていて、鳳翔に声をかけられるまでこの子が泣いている事に気がつかなかった」
ふと時計を見たら昼の2時の少し前だった。それはちょうど俺がこの世に生まれた時間でもあった。
-
「そうですか…でもなんでいつも大人しいこの子が泣いて…………まさか!?」
「…いや、滅多な事は考えるな。彼女を信じるんだ……」
その言葉は鳳翔にではなく自分自身に言い聞かせるように言ったのかもしれなかった……
眠気が消えた俺は落ち着いた息子を再び鳳翔に預け、仕事をまた始めたが、あまり身が入らなかった。
文化の日なのに雨が降っていたことや、さっき悪夢を見たせいというのもあるが、
朝妻と喧嘩してしまったことが俺の心の中に残っていた。
俺はかつて初恋の女性に対し軽い気持ちで悪口を言ってしまった。そのため仲違いをしてしまった。
俺は本当に軽い気持ちでまたいつもみたいな関係に戻れるだろうと思って謝ることをしなかった。
それが古くから…物心付いた時から10年以上も結び続けていた絆を断ち切ることになってしまったのだ。
そして人生の岐路、卒業式くらいは仲良くと思っていたがそんなことにはならず、
喧嘩別れをし、大人になって再会してもあの頃のように戻ることはなかった。
俺が謝りたいと思ってもその子と連絡が取れず、とうとう謝ってもどうにもならないことになってしまった。
俺は後悔した。そして同じ過ちは繰り返さないと誓った。
妻と付き合う前、一度すれ違いがあったが、俺はすぐに謝り、気持ちを伝え、そして二人の想いが通じ合って結婚した。
だがまた同じ過ちを繰り返した。そして今度は謝ることさえも出来ないようなことに…
いや!そんなわけない!そんなわけあるものか!!
「艦隊が戻ってきました」
艦隊が帰ってきたか……妻は…鳥海達は無事だろうか……
大破したら絶対に進軍するな、必ず戻れ、といつも言い聞かせてあるから大丈夫とは思うが
今回は大事な作戦だから無茶するかもしれないという不安はある。
今まではそんなことなく大破したらすぐに帰ってきていたが……
とにかく迎えに行こう。それで全てがわかる。俺は足早に迎えに行った。
-
「ッ…………」
俺は言葉が出なかった。雨に打たれた鳥海があまりにも見るに堪えない姿だったからだ。
他の艦娘達もボロボロだったが、それは精々艦装や衣服程度であり、肉体へのダメージは一切なかった。
しかし鳥海は艦装どころか肉体もかなり傷付いていた。
大きな怪我こそなかったものの所々痣や出血があったり、口からも血が流れていた。
その姿はとても痛々しいものであり、艦娘も他の人間と何ら変わりない存在だという事実を突き付けた。
「ごめんなさい…私がちゃんと鳥海の整備をしていれば……今日は出撃しないと思って後回しにしたばかりに……ッ!」
「いや…あたしがもっと空に気をつけていたら…………」
「私のせいよ……だって私は足が遅いから…そんな私を鳥海が……ううっ………」
「やめて、みんな…これは…全て私の…ミスが原因なの……だから………」
明石が、摩耶が、飛鷹が、そして鳥海自身がこうなってしまった原因は自分にあると言う。
だが誰か一人だけが原因というわけではない。
みんなのちょっとした行動全てが悪い方向に重なり合ってこんな事になったのだ。
そして俺もその中のひとつだった。俺が鳥海を出撃させなければそもそもこうはならなかったのだから。
だから誰かを責めることなんて出来ない。本当なら自分の間違いを認めたくないがために責めたいくらいなのに。
でも…………
「帰ってきてくれてありがとう……ごめんな……」
俺は傷付いた最愛の人を優しく抱きしめ、謝った。
最悪の結果という悪夢を見てしまった俺には愛する人が無事生きて帰ってきて、
もう一度謝ることが出来るというだけで怒りも何もかもなくなっていった。
「……うぅ……私こそ…ごめんなさい…………」
彼女は堪え切れなくなったのか、とうとう泣き出してしまった。
「私……怖かったの……大好きなあなたと喧嘩して…それで謝ることも…
仲直りすることも出来ないまま死んじゃうかもしれないことが……」
いつもの丁寧な口調ではなく、まるで普通の少女のような口調だった。
俺と付き合い、結婚してから感情が高ぶると俺の前ではこんな面も見せるようになっていた。
俺と交わることによって変わったのではなく、鳥海の名を背負う艦娘として自分を抑えていたのかもしれない。
値が真面目な彼女だから鳥海であろうとして本当の自分をさらけ出すことが出来なかったのだろう。
「いいんだ…みんな生きて帰ってきてくれたんだから……だから…泣くな……」
そう言った俺も自然と涙を流していた。自分がこの世に生まれた時間に大切な人がこの世を去ることが避けられたからだ。
周りからも鼻を啜る音や仲直りできてよかったという声が聞こえた。気が付くとみんな涙を流していたのだった。
そして雨もいつの間にか止んでいた。俺達を照らす太陽の光はとても暖かかった。
このポカポカ陽気はもしかしたらあの時と同じだったのかもしれない。俺がこの世に産まれたあの日みたいに……
-
「さあ、素敵なパーティーしましょ!」
夕方5時、鎮守府屋上でパーティーが開かれた。俺の誕生日を祝うのではない。今日の作戦の成功を記念してのものだ。
ただ今回の作戦の責任者である中将が俺の誕生日を結果的に潰した上に、
俺の妻を傷付かせてしまった責任も感じたのかもしれない。
だからなのか作戦成功のパーティーにしてはいささか派手過ぎるものとなっていた。
「不幸だわ…みんなから誕生日を祝ってもらえないなんて……」
そう言ったのは山城だった。山城も俺と同じ11月3日生まれであった。
戦艦山城の進水式も11月3日であったため、彼女は戦艦山城の艦娘となる運命だったのかもしれない。
「仕方ないさ、祝日だしな。まあ文化の日が11月3日から変わることはないだろうな。
11月3日は明治天皇の誕生日で、かつては天長節、今で言う天皇誕生日で祝日だったからな。
時代が大正になり11月3日は祝日ではなくなったけど、昭和に入り明治節として再び祝日となって、
そして戦後、日本国憲法公布と同時に文化の日として定められたんだよな。
表向きの趣旨としては明治天皇とは一見無関係であるけど、明治天皇の功績を讃え、
それを思い起こせるよう11月3日に日本国憲法が公布されたというのが正しいのかもしれないな」
「え、ええ……」
若干引き気味の山城。俺はわりと自慢癖があるのが欠点かもしれない。
まあ辞世の句が『な なにをする きさまらー!』となるようなことはないだろう、きっと。
「まあ文化の日で祝日だから友達とかと会うことなんて特別に予定を入れなかったらないわけだしな。
でも俺はあまり不幸とは思わないぞ。家族と一緒にいられたわけだしな。
いつも仕事していた父親も祝日だったら休みだったし、
今にして思えば友達に祝ってもらえなかったけど遠くの街に行けたりして幸せだったのかもな」
「でも私には扶桑姉様しかいなかった……」
そう、彼女と、彼女の実姉の扶桑は親を病気で失ったのだった。彼女達の物心がつく前に。
そして彼女達は親戚のツテで鎮守府に引き取られ、検査の結果それぞれが扶桑型の戦艦になれると判明した。
艦娘となった彼女達であったが、艦娘への適性があったことがある種の不幸だったのかもしれない。
もし艦娘への適性がなければどこか平凡な家庭に引き取られて、
そこで義理とはいえ暖かい家族というものに触れ、
今とは違う生き方をして幸せになっていたかもしれない。
-
「みんなから祝ってもらったりしたいか?」
「ええ…でも祝勝会を私の誕生日を祝うことに使うなんて…」
「だったら別の形でもいいから祝ってもらえ。お前は今回の作戦で一番大活躍したのだからな」
「でも…」
「みんな、今回の作戦は山城のおかげで成功したんだ。だからみんなで山城を讃えようじゃないか」
「そうね……そういえば山城、今日はあなたの誕生日だったわね。
あなたのおかげで今回の作戦は成功したけど、もしあなたが生まれてなかったら作戦は失敗していたかもしれないわ。
だから私達みんながあなたの活躍を讃え、誕生日を祝ってあげるわね」
「賛成だね。山城だって、たまにはこんな時があってもいいさ」
後でそれとなく山城の誕生日の事を言おうと思ったが、
扶桑が気を利かせてくれたからこちらの手間が省けた。
俺の誕生日のことはスルーっぽかったが俺は別にどうでもよかった。
それよりも俺にはたった一人、祝ってほしい人がいたから。
祝勝会が終わったのは夜の10時だった。俺は、医務室で治療を受けていたため祝勝会不参加だった妻と共に家に帰った。
彼女は命には別状はなかったものの、傷や痣だらけだったから跡が残らないかと心配になったが、
鎮守府には艦娘のために様々な分野の優れた医師や薬剤師が常駐しているので、
彼女の傷や痣は治療によって完全になくなるだろう。
しばらくは通院が必要らしいから今日のところは防水用の特殊な絆創膏や湿布を貼っていた。
「こうして二人きりでお風呂に入るのも久しぶりですね」
「そうだな。こうして背中を流すのも随分久しぶりだ」
帰った俺達は早速風呂に入っていた。今までは風呂に入る時はほとんど一緒に入っていたが、
それはまだ小さい息子と一緒だったのであり、今日二人きりで入るのは本当に久しぶりだった。
息子は鳳翔が預かってくれていた。摩耶は今の精神状態を考えて不安だったからだ。
-
「……いつもごめんな。危険な場所に出撃ばかりさせて…今日だってこんなに…」
「いいのですよ、私の力がみんなの役に立っているんですから……
ねえ…満月じゃありませんでしたけど、月も綺麗でしたから久しぶりにしましょう。最近ご無沙汰でしたし」
「け、けどさ…そんな体で…」
「あなただっておちんちん、腫れているじゃない」
彼女はそう言って振り返り、大きく硬くなった俺のちんちんの皮を剥き、たわわに実った豊かなおっぱいで挟んだ。
彼女とはゴム付きでのセックスが大半とはいえ幾度もしていたものの、包茎だった俺には刺激が強かった。
包茎だったが剥くことは出来たためいつも綺麗にしていた。
彼女のおっぱいは柔らかく、かつ弾力性があった。
そんなおっぱいで挟まれたり、上下に擦られたりされるのはとても気持ちがいい。
だがされるがままというわけにはいくまい。俺は反撃に出た。
「ひゃあんっ!?」
俺は彼女の乳首をつまんで刺激した。そして彼女が怯んだ隙に彼女の下腹部にある割れ目に指を挿れた。
「ん……あ…んっ………」
感じながらも彼女は俺のちんちんをおっぱいから離そうとはしなかった。
俺はなるべくちんちんがおっぱいから抜けてしまわないよう、ゆっくりと彼女の下腹部に顔が行くように体を動かした。
そしてシックスナインの体勢のような感じになり、そこにあった花びらと豆を舐めた。
「なんだよ、そっちだってクリトリスが腫れているじゃないか」
俺はお返しといわんばかりにそう言った。
「っ……もう……負けないわよ!」
今までの落ち着いた態度から一変。胸だけでなく口や舌も使って刺激してきた。
さっきよりも強い刺激が俺を襲う。俺も負けじと愛撫をしつつ激しく舐めまわした。
互いに譲らず一進一退……とはならなかった。
-
「も…もう……」
俺は限界に達した。それに反応した彼女は俺のちんちんを口で咥えた。
その刺激が更なる引き金となり、彼女の口の中にぶちまけてしまった。
どぷんっ!どぷん!どぷっ!どくん…………
自分でも感じるくらい濃厚に粘りつくような粘度だった。
それを彼女は何も言わず受け止めていた。
「……ん…………」
長い射精が終わっても尿道に残ったものまで吸い取るような感じで咥え続けていた。
そして全て吸い取ったのか、俺のちんちんについていたものを最後にペロリと舐め取って、それから口を離した。
「ん……………………」
ゴクン……
彼女は口から離そうとはせず、口の中に吐き出されたものを味わい、飲み込んだ。
「げほっ…………もう…あんなに絡みつくような膿が溜まってたんじゃ、あんなに腫れてもおかしくはなかったわね」
大人のお医者さんごっこのつもりだったのか、彼女はそう言った。
「……さっき出し切ったと思ったのに、まだこんなに大きいなんて……
やっぱりおちんちんを小さくするには…これしかないわね……」
そう言われて気がつくと俺のちんちんはまだ硬かった。そして彼女は寝そべり、脚を開いた。
「ねえ…来て……今日は大丈夫な日だから…」
そう言われるや否や俺はちんちんを突っ込んだ。先程から充分濡れていたからか抵抗らしい抵抗もなくすんなり入った。
「あぐっ…」
「ん…」
さっき出していなければ久しぶりの生での感触であっさりと果てていただろう。
俺はなんとか耐えながら、腰を激しく動かした。そして彼女に口づけをし、激しく舌を絡め合った。
互いに全てを感じながら獣のように激しく貪り尽くし合う内に互いに限界が訪れた。
「んっ…!」
「んーーーーーっ!!」
ビュルルルルッ!ビュルルルッ!ビュルルッ……
俺は我慢なんてしなかった。一番大事なところで俺の想いを受け止めてほしかったから…………
-
「私で感じてくれてありがとう……私も気持ち良かったです……」
穏やかな顔だった。本当にそうなんだなと感じられるくらいに。
「今日の出来事を官能小説にしたらどれくらい売れるかしら…」
「おい!?」
「冗談よ。でもね…私、本当は小説家になりたかったの。それも夢のあるような内容の…
小さい頃から色んな空想をしたりしていたの」
俺も知らなかった彼女の夢である。でも彼女は俺と出会う前から日記を毎日書き続けていたみたいだから、
今にして思えば物書きとしての片鱗を感じさせていたのだろう。
「夢を叶えるためには、世界を平和にしなくちゃ」
「そういや鳥海の艦装はどうしたんだ?」
「修理に凄い時間がかかるみたい。高速修復剤も効果がないし…」
「まあ無理はしない方がいい」
「そうよね。だから今は感じていたいの。ずっと触れ合えなかったあなたの暖かさを……」
二人で達した後も繋がったまま風呂に入っていた。互いの温もりを感じ合うためにだ。
ただ繋がっているだけのに、それは互いに快楽を求め合う行為以上に心の中が幸せだった。
互いを隔てるものもなく、一番大切なところで触れ合う。
たったそれだけのことがいかに尊く、愛と幸せを実感できる素晴らしいものか……
「……最高の誕生日プレゼント、ありがとう……」
俺は感謝した。彼女によって快楽を得たということよりも、
ただ彼女と繋がり、互いの温もりを感じながら同じ時間を一緒にいられる幸せに…………
-
それから約二ヶ月が経った。妻の傷も何もなかったかのように完全に回復した。
年が明けた1月1日、俺は家族三人で俺の故郷に帰省した。
子供を俺の両親に会わせたかったからだ。
夏は大きな作戦があったため帰るに帰れず、今になってやっと帰る暇ができたからである。
「やっとお義父様とお義母様にこの子を会わせられましたね」
「ああ」
「そして、あなたの御祖母様にも……」
俺にとって祖父や祖母の記憶があるのは父方の祖母だけである。母方の祖父は小さい頃に亡くなったからあまり記憶がない。
祖母の墓参りのために線香と花を買いに行ったとき昔の知り合いと出会ったが、俺の妻を見て驚いていた。
お前は未だにあの子のことを引きずっているのか、って感じの目で。
だが俺が彼女を愛した理由にかつて好きだった女の子が関わっているのも事実だし、
その子を好きになったのも俺の母と似ていた(といっても眼鏡をかけていたくらいか)からだろう。
だから俺が妻を好きになった理由に俺にとって大事な女性達が関わっていることは否定しない。
それに俺は単に外見だけで選んだのではなく、彼女の奥ゆかしい内面にも惹かれていたのだった。
それと最近知ったことだが重巡洋艦鳥海は進水日4月5日であり、その艦娘である彼女も同じ誕生日であった。
奇しくもそれは俺の父がこの世に生まれた日でもある。
そして重巡洋艦鳥海が沈んだ10月25日は俺の祖母が亡くなった日でもあった。
『鳥海』は俺の大切な人達の何かと間接的にせよ何かしら関わっている存在であるといえよう。
今の幸せな俺が存在するのは彼らのおかげであり、
そんな彼らの要素がこじつけとはいえ少しでもあった彼女と俺が結ばれたのはもしかしたら運命だったのかもしれない。
「でももうそろそろ帰らないと…」
「そうだな。俺達はこの国を…いや、この世界を守らなきゃならないからな」
「ええ……また三人でここに戻って来たいです。その時は……」
「よし、一日でも早くこの世界を安寧させなきゃな!」
「私は今はまだ戦えませんけど、摩耶達に『鳥海』の優れた点を教え込まないといけませんからね。さあ、やるわよ!」
だが『三人でここに戻って来る』。この願いが叶うことはなかった…………
-
それから更に一ヶ月、あの時から調度三ヶ月後の2月3日、節分の日のことだった。
「恵方巻って太いわよねえ……さあ、いくわよ!」
もはやつっこむのも面倒な如月の言葉と共に俺達の艦隊は恵方巻を恵方に向かいながら無言で食べた。
みんな思い思いに願い事をしながら食べていた。
そしてみんな食べ終わってほんの少し後、異変は起きた。
「うう………ゔゔっ!!」
「!?おい鳥海、しっかりしろ!」
真っ先に摩耶が声をかけた。当然周りはざわめいた。
提督夫人であり、それ以前に大切な仲間である彼女に何かあったら……
それを一番心配したのは飛鷹だった。彼女が恵方巻を作ったからだ。
「今医務室に連絡しましたわ。早く!」
吐瀉物を如月が回収しつつ叫んだ。俺達は全速力で医務室に向かった。
「鳥海は妊娠していたのね。しかも双子……何とも言えないわ…」
「でもよかった…鳥海に何も悪いことはなくて…」
貴重な戦力でもある存在が子を身篭るということにどう反応したらいいのかわからない山城、
自分が作った恵方巻が原因ではなく、ただの悪阻だったことに心から安心した飛鷹。
「でも私の計算では…こんな事…」
彼女は妊娠三ヶ月だった。彼女の計算ではあの日は安全日であり、
しかも毎月の日記から乱れは少しもなかった。
強いて言うならばあの日以来生理の日はなかったものの、あの日の出来事が原因な一時的なものだと決め付けていた。
-
「でも…なんとなくわからないでもない…あの日激しく傷付き、命の危険すら感じただろう。
その時、種の保存本能が働いて排卵が起こったのかもしれないな。
だが何故起こったのかを今言ってても仕方ないだろう。
授かってしまった以上これからどうするかを考えるしかない。
『鳥海』の艦装の修復は思ったよりもかかっているから、出撃とかはまったく考えなくてもいいだろう」
「あたし、もっと頑張るよ。今まで以上に、鳥海みたいに頭良くなるよ!」
「頑張ってね摩耶……私も頑張るから」
「二人とも、あまり根を詰めすぎちゃダメよ」
「そうなのです!私達もいるのです!」
「だからもーっと私達に頼ってもいいのよ」
摩耶も飛鷹も三ヶ月前と比べて完全に元気になった。
幼かった雷と電も随分頼れるようになった。
他のみんなも大切な仲間のためにやる気満々みたいだ。
「ありがとうみんな。でも時々思うの。私がこのまま艦娘として戦いに出ない日々が続いたら、
私の力が衰えて、いざという時に足手まといになるんじゃないかって……
そう思うとみんなに頼りきりというのも怖いの」
最近妻は普通の女の子みたいな喋り方をするようになった気がする。
鳥海の艦装を着なくなってからこうなった気がする。
初めて妊娠したときは戦場に出ずとも艦装を一日一回は着ていた。
もしかしたら俺達が今まで見てきた彼女の性格には、
鳥海の艦装の影響も少しあったのではないか、と。
あるいは責任感から己を抑えていたのか……
「心配するなって。鳥海の強さは頭にあるんだ。みんなに鳥海の頭脳が加われば最強さ!」
摩耶は自信満々に言う。俺もそう思うと同意した。
「本当にありがとう……」
妻は涙を流しながら喜んでいた。
-
「……あの時の願いは叶わなくなっちゃったわね……」
あの時の願い、それは『俺の故郷に三人で戻って来る』ということだった。
でも妻が双子を妊娠したことにより五人でということになってしまった。
「どんな願いだって、願った以上のことになるんだったらそれでいいじゃないか」
「これから大変なことになりそうだけどね。でもあなたがいるから私は頑張れるわ。
だから、これからも一緒に居ましょうね。もし私に困ったことがあったら、
そしてあなたに困ったことがあったら、いつでも二人きりで将来のことについて語り合いましょう」
「ああ!」
俺は力強くうなづいた。二人なら越えられないものはないって俺は心から信じているから。
信じている限り決して何も失うこともないと。
そして俺はどこまでも頑張れる。そう、君がいるから――――
―完―
-
そんなわけで鳥海SSの続きを投稿しました
個人的なポリシーとして人名や苗字っぽい艦娘しか、
艦娘ではない個人としての名前として使わないというために文章の書き方には微妙に苦労しました
如月とか弥生とかだったらものすごくストレートな人名だから書きやすいんですよね
あと土壇場でいろいろと詰め込んじゃうのも悪い癖かも……
では今日はこれで
-
>>50 乙! 続き期待してます。
-
戦艦系の艦娘にはポケ◯ンでいう進化前みたいなロリ形態があってもいいんじゃないかと思うな。特にながもんを見てるとそう思う
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ロリよりも、10代後半→大人あたりの変化のほうが実物の変化を踏まえるとしっくりくる気がする。
-
戦艦組の高校卒業とか成人式とかあるわけか
ということは技術があれば提督が晴着の着付けとか手伝ってやることもできるわけだな。
…普段の和服っぽいしたぶん不要だろうけど
-
>>53 それがレベルに比例して起きると考えるとなかなか胸熱だな。
-
>>55
つまり150レベルだと年齢がひゃ、……おや?こんな夜更けに誰か来たようだ
-
暁Lv20「長門は今日で成人(Lv20)なのにどうして私の身体は一向に成長しないの?」
提督「く、駆逐艦だからじゃないかな?」
龍驤Lv20「ほな成人すればボンキュッボンになれるのは嘘やったんか?」
提督「いや、それは…その…」ダラダラ
戦艦娘意外は成長しないのかな…? という疑問が浮かんだので書いてみた。口調とか変だったらスマソ。
-
こんな時間に初投稿。幾つか表現がエグめなので注意。
あと足柄さん好きな人注意で。
-
生き物は、血を流す。
動くもの、動物は血を流す。
血管は毛細化し全身に張り巡らされ、全身に血を、命の水を運ぶ。
うごめくものは、皆一様に血を流す。
赤い、赤い血を。
「ガァアアアア!!」
火砲の掃射の後魚雷投射。一斉に破裂した火線と轟音と爆煙に目もくれず餓狼と評された一匹の獣は徒手空拳で深海よりの敵を屠ることを決定した。
本当に、獣のような叫びを上げて、人の形をした敵を、絞め、殴り、蹴り、艤装も使わずに貫手で敵の姿を人で無くした。
共に連れ立った姉妹たちは、突出する獣と化した姉妹の一人に動きを止めること無く、無理やり歩幅を合わせて進む。
まるで狂気に落ちた獣がまたいつかあの日のような姿で共に立てることを夢見ているかのように。
だが、だれも、声は掛けない。
だれも、獣に目配せひとつしない。
うごくものは、血を流す。
無論戦に酔う一匹の獣は赤く濡れていた。
僕は、其の姿を美しいと思った。
もう、僕も、獣も、とうの昔に壊れていた。
-
今思えばこの人類と人類の天敵との大戦という構図自体が狂っていたんだ。
なんたって人類の矛は人と同じ姿をした女の子ばかりなんだから。
それに、彼女たちは建造されてくる。
そう。生まれてくるわけじゃなく、建造されるんだ。
一人目の彼女が僕の些細なミスで轟沈して、二十七人目の獣が建造された時、獣は一人目の記憶を持っていた。
僕が大好きだった足柄。妙高型三番艦。血気盛んで、でも優しい人・・・
でも二十七人目の獣のこころは、壊れていたんだ。
技術部の報告によれば一人目のデータフィードバックが中途半端になされたために基礎人格が汚染されたとかなんとか言ってたが、もうその時から獣はおかしかったんだ。
常に口角は歪んでいた。何が楽しいわけでもないのに。
受け答えは普通に思えて何処か歪。二口目には「戦場」
なにより戦場や演習に出せば其の異常性はより顕著になった。
止まらない。
既に継戦能力を失った相手に対して自慢の艤装による攻撃ではなく、自らの掌で相手を破壊・・・否、屠る。
結果は当然孤立。駆逐艦は恐れ、巡洋艦は避け、戦艦は諭そうとした。
しかし、聞く耳は持ち得ない。
当たり前だ、彼女は足柄ではなく、一匹の獣なのだから。
運用中止処分もやむなしと考えていたある夜のことだった。
私室の扉を開けた時、震える影を見た。
見れば鍵は壊され、自分のベッドは荒らされていた。
そして、荒れたベッドの上で獣は泣きながら震えていた。
口元はいつもの通り引きつって歪んでいたが、身体を抱えて震えていた。
-
「提督・・・わたし、おかしいの・・・こわれ、ちゃってるのかな・・・」
「足柄・・・」
名前を呼んだ瞬間に獣は自らの全身を壊れそうなほどぎゅっと抱きしめた。
「ちがう、ちがうの・・・私、足柄なのに・・・ちがう私が居て、ずっと、ずっと違う私は泣き叫んでて、もう一人違う私が私の中にいて、延々と血を求めてるの・・・」
「・・・誰の」
「え・・・?」
「誰が、誰の血を、求めてるんだ」
獣は少し考えて口を開いた。
「深海棲艦の血を」
「誰が求めてる」
「・・・ひとりめの、わたし・・・?」
「それは、今のお前が望んでいることなのか・・・?」
尋ねた時とほぼ同時に獣は髪を振り乱しながら頭をぶんぶんと横に振った。
「ちがう、ちがうちがうちがうちがう!私じゃない!もう赤色に染まるのはいやあ・・・!」
震える獣を抱きしめる。
昔、一人目の足柄に抱きしめられた時と、同じ香りがした。
髪に顔を埋める。
「・・・すまない。僕が、一人目の君をそんな風にさせてしまった」
苦悩に苛まれ、眠れぬ日々を過ごしたことを、僕は忘れようとしていた。
今も一人目の足柄は、僕や、深海に対する怨嗟を叫んでいるのだろうか。
僕は、彼女を、忘れようとしていたんだ。
思えば僕は一人目の足柄が轟沈してからひどく無感動になっていた。
軍司令部の「よくあるミスだ」の一言も余計に拍車を掛けたのかもしれないが。
誰も彼もの優しい言葉も、叱咤激励も、響かない。
響く場所に穴が開いていた。
なのにどうしてだろう。
この二十七人目の獣だけは、この人が血に染まる姿だけは、絶対に見たくないのに、否応なしに美しく感じて、涙を流してしまうほどに感動してしまうのは・・・
「ねぇ、提督」
「なんだ・・・足柄・・・」
「私を、白くして」
「えっ」
-
虚を突かれた僕は、足柄に押し倒された。
「知ってる?人の体液って殆ど血液からできてるのよ・・・」
「なにを言って・・・」
衣服を引きちぎり、グロテスクになる前の局部にすぐさまむしゃぶりつかれる。
「な、なにを」
じゅる、じゅるり
息を荒げ、躍動する肢体が、月光に照らしだされる。
ワンテンポ遅れて僕の局部は其の本来の機能を果たすべくその肉に血液を送り込み、鎌首をもたげる。
ぺちゃ、ぺちゃ、ちゅる、ぺちゃ
獣は本能のままだらしなく舌を伸ばし、唾液すらこぼれ続ける口をひたすら肉茎に向ける。
「はぁ・・・はっ・・・はぁぅ・・・れろ・・・」
獣の吐き出す吐息は、白く蒸気のようにその凶暴性を現す。
ひたすらに僕を求める一人の獣
為す術無く、ただひたすらにその情欲に押し流される一人の壊れた人間。
「う、うあ」
「あ・・・」
肉茎は奔流をどくどくと暴発させ、白い白濁で獣の顔を白く染める。
獣はそれをひとすくい指にとって舐めると、普段とは違うとても嬉しそうな笑みを浮かべてこういった。
「ほら、こうすれば提督のお陰で私はどれだけ赤い血で汚されても提督の白い血できれいになれる」
子供が絵の具をキャンパスに重ねて塗りたくる時に白を使えば元通りになると言う思考に近い暴論。
勿論白をどれだけ塗り重ねても赤い下地はなくなるわけじゃない。
でも、其の瞳に子どもじみた冗談の色は一切混じらず、信仰に似た何かと情欲に染まる炎しか映し出されていなかった。
-
「足、柄・・・」
「さぁ、もっと、中まで・・・きれいに、染めて」
獣は獲物に飛びかかる時と同じように僕に覆いかぶさり、ぐしょぐしょに濡れた局部を一気に僕の肉茎に押し当てた。
ぶつり。という何かを貫く感触。すぐさま襲い来る快感。
「うぐっ・・・」
「ああぁあぁあ!」
痛みに悶えながらも、満足そうな矯正を上げる獣。
局部からは赤い血が少し漏れだして、それ以上に溢れた愛液に混じっててらてらと光っていた。
「あぁ!こんな、私の中まで赤いのが、はやく、はやく提督!中に、白いの!頂戴!!」
腰が当たる。いや、砕けそうな勢いでぶつけられる。
ばちゅん、にちゃ・・・ばちゅん
獣のストロークは引き抜く時は名残惜しげに汁を垂らし、求める時は弾けるように一気にもとめる。
「あしがらぁ・・・!」
情けない声を上げる僕の手を、獣はぎゅっと握り返す。
瞬間、僕は弾けた。
「うぁっ・・・」
「あ、あはっ・・・ていとく白いの、出たのね?じゃあ、私、いっぱい貯めこまなきゃ」
そう言うと獣は自らの身体を一気に沈み込ませ、精液をその子宮で飲み込んだ。
「ううっふぅぅぅううぅ・・・・あはぁあ・・・もっと・・・もっとぉ・・・」
びくびくと獣の足が痙攣を起こし、女陰は肉茎をねじ切らんばかりに絞めつけ、僕の上に獣の重みが、熱が、狂気がのしかかる。
嬉しそうな笑みで歪んだ獣の顔とは裏腹に言葉では、まだまだ獣は物足りていない。
-
「あ、あぁあああああ!」
「あ、ゃあ・・・」
もう、なんでもいい。
獣が、ほしい。
こんなんじゃ、物足りない。もっと、もっと、白く、白く染め上げてやる。
一人目の足柄、その殺意や恨みつらみの為にこの獣は居るんじゃない。
こいつは、僕のものだ。
だから、たたきつけて、刻みこんで、消えないようにする。
さっきのストロークよりももっと激しく腰を杭のように打ち込む。
「あっ!やっ・・・!あうっ・・・ひぃん!」
「僕の、僕のものだ・・足柄は、ぼくの」
陰部が赤くなっても構うことはない。どうせ僕が白く染めるんだから。
乳房にかじりつき、歯をあてて跡を刻む。
「てい、とくぅ・・・!」
獣が、僕の背中に回した手で思いっきり爪痕をつける。
多分肉まで食い込んで血が流れてるだろう。
でも、構うものか。構うことなど、何処にあるのか。
甘い声で僕を呼ぶ口に僕の口を押し当てる。
「んっ・・・んちゅっ・・・はぷっ・・・!」
唾液も、押し当てた時に少し切った口の血も、全て獣の口腔に流し込む。
ストロークはこの間も続けていた。
正直お互いにこの間に何回果てていたか分からない。
既に幾数回の痙攣を獣は起こしているし、僕ももう三回はその子宮に白濁をぶちまけている。
でも気にするものか。気になんてするものか。
だって、まだ足りないじゃないか。
全身を白く染めるまで、全然足りてない。
僕を侵食した餓狼の狂気は、僕までも獣へと変貌させた。
でも、いいじゃないか。
壊れた二人を気に留める輩なんてもう何処にも居ないんだから。
「もっとぉ・・・しろいの・・・ちょうだぁい」
「・・・あぁ・・・もっと、もっと!」
二匹になった獣は、お互いが気絶するまで其の身にお互いを刻み込み続けた。
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「ただいま、提督」
獣が敵の血を浴びて帰ってきた。
「おかえり、足柄」
僕は其の帰還を本当に嬉しく思う。
「また、赤くなっちゃったから、また、白くしてね?」
「あぁ。勿論だ」
たった二人だけの獣たち。
たった二人だけでいい。
姉妹や仲間に理解なんてされなくていい。
この獣は僕のもので、僕は此の獣のものなんだから。
「そのまえに、取り敢えず血を落とそうな」
「・・・うん」
そうやって僕が手を伸ばした獣の血まみれの左手には、銀色に輝くリングがはめられていた。
了
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ありがとうございました。
初めてのエロだったので至らない点も数多くありながら
「こういう足柄さんとの狂った愛もいいよね!」
というリビドーだけで書き上げてしまいました。
それでは、お目汚し失礼いたしました。
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>>66
おつー!狂気的な雰囲気いいね
足柄さんの話は久しぶりだなー
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乙です、足柄さんワイルドだけどとてもスタイリッシュ
次も期待してます
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GJ!
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おつです
この足柄さんもアリでイイと思います!
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最近なぜか不知火は芯の強いドジっ娘みたいなイメージが強くなっちゃってる。
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>>71 着床と着席を間違えるあのイラストの影響かねえ?
>>5 プライベートぬいぬいと鉢合わせしちゃう提督ってのを思いついたな。エロへの繋ぎもやりやすそう。
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>>51
鳥海の話はどちらも後に続けようとは考えずに書いたからなあ
今回の話も自分の誕生日が文化の日という祝日だから
昔好きだった女の子と誕生日の日に会える機会がなくて、
一度もおめでとうって言われた事がなかったから
好きだった女の子を再び鳥海に重ね合わせて自分の事とかも話に入れて書いたもので
前回のも書いた時点ではその一話で完結していたものだったりした
でも色々と考えているうちに今回の話の続きみたいなものが浮かんできたから
なんとか形に出来るように頑張るよ
誕生日は艦娘が祝ってくれるボイスとか実装されないかなあ
実装されても俺が祝われるのは一年後だけど
>>66
GJです
もう一人の自分が血で赤く染まることに飢えている故に
提督の愛によって白く染められることに飢えているっていう感じですかね
自分は本能に忠実で欲望に塗れたものをストレートに書くのがなんだか恥ずかしくて書けるのはゆるめなものばかりだから
あなたの文章みたいにエロスに塗れた文章が恥ずかしがらずに書けるようになりたいものです
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>>36 それなんて女子校?
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夏イベ後に大型B勝利したんでSSでブルネイのスク水紳士達を煽ってたら煽られました(半ギレ)
今日は朝からお味噌汁の具を多くしてもらえて気分が良かった。
ほかほかと湯気の立つ真ッ白いご飯と、潮味のきいた焼きあじ。これに茄子と胡瓜のお漬け物がつ
いて、日によってまちまちだがおかずがふたっつもらえる。今日は胡麻とあえたほうれん草のおひた
しに、さんまの煮付けが一皿だ。昨日、いいさんまが安く入ったとか聞いていたから、きっとそのせ
いだろう。
朝食にしてはやや多いと言われるかもしれないが(何度か言われた)、
当然わたしは体調管理を怠った事などないので、いつも全品美味しくいただいている。
やはり、一日というものは朝食から始まる。そして食事というのは白米が肝心なのだ。白米、お米
は、いい。大切だ。かつての帝国海軍における一航戦のようだ、とさえ言えるかもしれない。
「加賀さん、加賀さん。難しい顔してますよ」
「……そうですか?」
「ええ」
生返事をしながら、手を合わせた。ここの箸は四角くて、けれど角は緩く丸められているために、全体的な印象は円に近い。手に持つと、ころころと転がしたくなる具合だ。
まずはお吸い物に箸をつけるのがわたしは好きだ。少しだけ中をかき混ぜ、音を立てぬよう啜る。昨日はしじみだったが、今日は芋と椎茸。上には刻んだねぎが浮いている。くっと喉で飲み込むお味噌汁は熱く、胃袋がそれにつられてじりじりとした空腹を思い出す。箸でさわれば崩れる芋は煮え過ぎていたが、これもまたいい。
「……美味しい」
「ですねえ」
あじの身を弄うわたしの右で、いそいそとご飯を頬張る航空母艦が見える。輸送艦もかくやたるさまだ。
あじは口の中で遊ぶ小骨もまた味わいだと思う。
「む。少し、しょっぱい」
「そうですか?」
「でも、その分、ご飯が進みます」
「相変わらずね」
かつての精鋭、一航戦赤城は白米主義の徒である。おかずはいうにおよばず、白いご飯だけでも美味しくご飯をいただけるという筋金入りの輩である。わたしだってお米は好きだが、ご飯にはやっぱりおかずが欲しい。
そうやって、ゆっくりと、時折彼女と他愛ない会話をしながら、朝食をとっていた。その時までは。常時戦場とはいうものの、わたしはできれば食事ぐらい静かにとりたいと思う。凪いだ海のように平穏な心。それはわたしの好むところだから。
-
「おはようございます! 赤城さん……か、加賀さん」
「あら、瑞鶴さん。おはよう」
そうやって名を呼ばれたそいつは“五航戦”、翔鶴型航空母艦二番艦だ。姉妹の下の、くそったれな方である。
言葉に語弊があるかもしれないが、これは別段瑞鶴をやりこめているわけではない。いくら温厚なわたしであっても、時には隣の赤城をもくそったれめと罵りながら殴り倒してしまいたくなる場合があり、何が悪いのかといえば戦争が悪いのだとする他ない。
くそったれ瑞鶴は二言三言赤城と言葉を交わして、わたしの左側に腰掛けた。座るよう勧めたからだ(嫌々だが)。くそったれめ。
――もっともそれは、わたしが瑞鶴に、そんなあからさまに顔をしかめられる理由には、ならないだろう。
「なにか?」
「いや……」
「嫌なの?」
「い、いやいや光栄ですっ」
気に入らないのは、いま話している瑞鶴にだろうか。それとも、箸まで止めて忍び笑いをしている赤城にだろうか。
「翔鶴はどうしたの」
そいつは随分憮然とした表情を作った。雨上がりに蝸牛でも踏みつけてしまった奴のようだ。
「姉ぇはその、いま出撃中ですが」
「ああ」
そうだったわね、と呟いた。しかしこれは反射的に同意しただけで、どちらかというと、そうだったかしら、という感じだ。どうだったか……そうかもしれない。
「……加賀さん」
確かに、五航戦の失敗を一番あげつらうのはわたしだろう。けれど、そうした些細な前例でもって、わたしが単なる悪意をぶつけたなどと思われては、これは心底心外だ。そも、どうしてわたしが翔鶴なんかの事まで気にしてなければならないというのか。
「加賀さんは意地悪ですね」
右のくそったれがそういうのが聞こえた。
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でももう漣の時報も追加ボイスも二度とこないんだよなって事思い出したら死にたくなった
エロまで書く気だったのできっとそのうち書きます。陽炎が遠征帰ってきたら
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半年くらい山籠りでもしてたのか知らんが声優同じ潮の改2は告知済みだぞ?
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艦娘の耐久力=野戦での耐久力ってのはやっぱり単純すぎるかな?人間(提督)が勝てるレベルを通り越しちゃいそうだし。
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>>79 野戦→夜戦だった。スマソ
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>>80
艦娘全体で耐久力の多寡で順位付けできるだと単純すぎるけど、
同一艦種内での夜戦の耐久力の多寡が、普通の耐久力の多寡に比例するなら使えるかも
たとえば、戦艦なら僅差で大和改がトップで、潜水艦ならシオイがトップ、みたいな
これなら艦種ごとにリセットされるから、重巡あたりからマジカルチンポ必須みたいなことにならないしw
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ちなみに耐久・装甲・索敵は武蔵が上、回避・対空・運は大和が上。
夜の耐久・装甲は分かりやすいな。索敵はさしづめこっちの感じるところを見つけるのが上手いのか。
夜の対空って何だ。夜の運はカットイン攻撃発動率、つまり…こう、一気に押し倒す的な。夜の回避はもうこりゃにんs(略)
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火力・雷装→提督に与える快感の大きさ
耐久→何度イけるか
装甲→イかせるまでにどれくらい快感を与える必要があるか
回避、運は>>82で良いとして、夜の対空・対潜って本当になんだw
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>>82 夜の対空はエクスタシー(天にも昇る心地)という説を俺は提唱する。
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>>83
夜の対潜は寝ている提督のベッドにこっそり潜り込むスキルの高さとか容易さとかどうだろう
比較的身体の小さい軽巡や駆逐はスルッと潜り込めるけど(対潜高い)、なまじ身体の大きい重巡や戦艦とかはすぐ気付かれちゃうとか
提督の53cm魚雷をどこまで身体の奥に潜り込ませられるか(上下前後問わず)というのも考えたが、正直逆だなと思った
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提督の素質の一つに、艦娘から敬愛され艦娘を屈服させる力があるかどうか、というものがある。
強いものは、命令だけで艦娘の股を濡らせ開かせ、おねだりしてしまうと言い、
その精液は艦娘にとって違法ドラックも真っ青な媚薬と化すそうだ。
もちろんなければ提督になれないわけではないし、いろいろとセイシをかけた修羅場が発生するので注意だ。
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>>85 通常の夜戦ではいかに魚雷を避けるかが問われ、夜戦(in鎮守府)では逆に魚雷をいかに体内に受け入れるかが問われる。そう考えると対潜ってのはつくづく奥が深いもんなんだなあ。
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対潜……字義から考えると、夜這いで潜り込んできた提督相手に先手を取る能力の高低ではないだろうか?(真顔
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つまりここまでを総合すると
・通常戦艦ほどではないものの高い耐久→何回戦でもいける
・高い運と回避→積極的に押し倒しに来つつも危険日はことごとく回避
・ハリネズミな対空→エクスタシーを感じやすい敏感ボデー
・対潜攻撃可能→夜這いするのもされるのもOK
伊勢型航空戦艦の時代だな
伊勢さんちょっと相撲(意味深)しようか
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>>89 つまり艦娘の耐久力>提督の耐久力となった場合は…
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つまり扶桑姉妹は敏感なうえに危険日に当たりやすいから子宝に恵まれると…
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戦艦系列だけで考えると長門型大和型以外は回避レベル似たり寄ったりだから>>82の運と回避はセットで考えた方がいいのかもしれん
夜の回避→受精率、もしくは提督に誘われたときに上手くいなせるかどうか
夜の運→着床率(受精卵が確実に着床する訳ではない、人間だと四割程度らしいけど)
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>>92 個人的な考えだけど、それらの確率に関しては艦娘の感情の影響も出ると思うんだよな。提督の子供が欲しいと思えば受精しやすくなったり、その逆もありみたいな。
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>>93
つまり夜のキラ付けという事か
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>>91
扶桑「あの…その突撃一番、破れていないか確認した方が良いのでは?」
提督「これを買ったのが一週間近く前だからな、一応確認してみるか」
その後、突撃一番に水を注いでみたところ、本来なら水筒代わりになるほど水が溜められるゴムから幾つもの弧を描いて水が噴出しました。
扶桑姉妹の場合は避妊しても情事の最中に突撃一番が大破とかありそう。
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>>91
幸せだなぁw
不幸じゃないじゃん
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個人的な意見だけれども子供が産まれたら山城伯母さんの方が母親より先に母性に目覚めちゃいそうな気がする。
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見てない間にスレが延びてた・・・
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提督「お前は、異能受精体だということだ。」
扶桑「・・・?
異能・・・?」
提督「生命体には他に比べ群を抜いて、妊娠率の高い個体が存在する。
私はそれを仮に異能受精体と名づけた。
遺伝確率250億分の1、それがお前だ。」
提督「そのようなものだけのハーレム集団を想像してみろ。
遺伝的に受精を保証された艦娘たちの組織こそ、真の艦隊これくしょんと言える」
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(精液で)むせる
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