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修正SS投下スレ

188壊れゆく常識(修正版) ◆LuuKRM2PEg:2014/04/22(火) 21:50:48 ID:r9Nmo5jM0

『……俺様が助言をして、正解だったな』

 そんな中、蚊の鳴くような声でザルバはぽつりと呟いた。

「すまないな、ザルバ」
『何。ここはこの俺様が出なければ、不穏になるだろうからな……鋼牙では力不足だろう?』
「ムッ……」

 皮肉とも取れるザルバの言葉だが、否定することはできない。鋼牙では刺々しくなる可能性があるからだ。ザルバはそれを見通したからこそ、出てきたのだろう。
 しかし、鋼牙は怒るつもりはない。むしろその逆で、気配りをしてくれた相棒に感謝をしなければならなかった。

「……待たせたね、みんな」

 そして、ドアが開くのと同時に沖一也が姿を現す。隣には孤門一輝も立っていた。
 その手には『D−BOY FILE』というケースが握られている。つまり、解析が終わったのだろう。

「終わったのか?」
「ああ……この中には、相羽タカヤの戦いに関するデータが纏められていた。そして、相羽シンヤと相羽ミユキについても」
「……そうか」

 沖の言葉に鋼牙は何も返せない。
 ファイルの名前に『Dボウイ』が付けられているので、相羽タカヤと何らかの関係があるのではと推測していたら案の定だ。しかし、相羽タカヤはもうこの世にいない。
 鋼牙自身が、タカヤの遺体を埋葬したのだから。

「冴島さん、これからあなたはどうしますか?」
「俺は仲間達を捜しに行くつもりだ。彼らはまだ、森のどこかにいるのだから」
「そうですか……あなたを一人にさせたくはないですが、無理に止めることもできません」
「合流をしたら、お前達のことも話す……そうすれば、また会えるだろう」
「わかりました。どうか、気を付けてください」
「ああ」

 鋼牙は沖に頷く。
 時計を見てみると、針はもうすぐ21時になろうとしている。ここにいるメンバーを責めるつもりはないが、大分時間が経ってしまったようだ。 
 ここに来るまでにつぼみ、一条、良牙の三人を見つけられていない。入れ違いになったのか、それとも三人はまだ森の中にいるのかはわからないが、捜さなければならなかった。

「そういえば、沖の兄ちゃん。もうすぐ、あのゴハットって野郎が言っていた時間になりそうだけど……本当に何かがあるのか?」

 佐倉杏子は疑問を口にする。
 第三回放送の担当者であるゴハットが言っていたボーナスの時間まで、もうすぐだった。ゴハットが言うには三十分もの間、誰にも見られないように単独行動を続けなければいけないらしい。
 もしもそれが本当ならば、これからの戦いの役に立つかもしれないが、安易にそれを鵜呑みにするのは危険だった。

「恐らく、可能性はあるかもしれない……だが、下手に単独行動を取るのは危険だ。その間に襲われては、大変なことになる」

 沖の言葉は尤もだと、鋼牙は思う。
 この島にはまだ危険人物が残っている。血祭ドウコクや天道あかねがその代表例だ。 数人で固まっているならまだしも、一人で戦って勝つのは難しいかもしれない。

『なら、心当たりのある奴だけがどっかの部屋で待っていればいいんじゃないか? 何かがあったら急いで変身をして、助けを呼べばいい……そうすれば、簡単には殺されないはずだろ?』

 その思案を払拭するかのように、ザルバが提案をする。


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