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アニメキャラバトル・ロワイアル 2017

41 ◆EPyDv9DKJs:2018/02/02(金) 11:23:10 ID:gavtVJKU0
 彼女の行動は迅速だった。
 周囲に人がいないことを確認して、一つの病室へ鍵をかけて入る。
 明らかに一般人とは思えないが、当然ながら彼女は一般人ではない。
 彼女―――アンジェはスパイだ。それも、スパイ養成所では成績はトップの。
 アルビオン共和国の情報組織『コントロール』に属したスパイのエースなのだから、
 これぐらいの動きはできたとして、彼女の素性を知る者には驚かれることはない。

 複数のベッドが並ぶ、複数人を管理する病室。
 カーテンは閉じられており、外からは人の姿は確認しづらいのは、彼女にとって好都合だ。
 調べる以上、時間をかけるのだから出来るだけ無防備な姿は晒したくなかった。
 最初に目を通すのは地図。場所が、と言うより自分が何処に拉致されたかと言う意味で。

(どういうこと?)

 地図を広げて、アンジェは疑問に思った。
 彼女が通う、ロンドンの王国領域にある名門校、
 『クイーンズ・メイフェア校』がなぜか此処に存在するのだから当然だ。
 無論、ロンドンがこんな地図の首都ではないし、アラハビカなどの地域に至っては聞いたこともない。
 病院の周辺はルーマニアに類似した場所ではあるが、名前はトゥファリス。此方も聞いたことがなく。
 老人が参加者をからかうための悪戯とも思えたが、病院を移動する際に一瞥した窓には火山が見えた。
 地図上にも、病院の向かいに火山が存在していたことから、これが嘘とも思えない。
 それらを用意する手段などは抜きに、一先ずこの地図は本物だと仮定しておく。
 移動する場合に地図と照らし合わせて、本物かどうか見極めておけばいい。

(こっちは予想通りだけど・・・・・・全員いるようね。)

 次に目を通したのは名簿。
 自分だけがこの殺し合い来るとは思ってはいなかった。
 組織には『プリンシパル』、学校では『博物倶楽部』、
 そしてプリンセスの命名は『白鳩』と呼ばれたメンバーがいることぐらい。
 もっとも、全員揃って参加してるとは、流石に思わなかったが。

(いや、寧ろ全員ならこの状況はおかしいとも思えないかもしれない。)

 誰か一人でも欠けていれば疑問に思うものもあるが、
 五人全員で殺し合いに招かれていれば余り不思議には思わない。
 メンバー全員で、上司や他のコントロールの関係者がいないのであれば、
 コントロールが敵対する、ノルマンディー公の関係者が関わっているのかもしれない。
 自分達の正体が露呈し、任務に失敗して捕まったと言う、一つの可能性が生まれてくる。

(極限の状況下の中で判断力を失わせて、情報を聞き出す算段?
 と言うのは余りに飛躍しすぎている気がするけれど・・・・・・越したことはないわね。)

 今置かれた状況は、言うなれば情報を吐かせるための『拷問』の可能性があるが、
 実際のところ、手間が余りにもかかりすぎているので、実際のところ可能性は低い。
 最初から拷問なり何なりする方がコストが軽いし、他の参加者の存在も気になる。
 とは言え、いると想定して警戒するに越したことはないだろう。

(盗聴器も、自然な形であるでしょうし。)

 そう思いつつ、アンジェは近くの洗面所の鏡で首元を見た。
 十代中頃の女子らしからぬ、精悍な顔つきが写し出される。
 そして、自分含め参加者全員が身につけているであろう生死を握る首輪。
 老人は不利益をもたらす行動を取ろうとする参加者を爆破すると言った。
 つまり盗聴器などの、参加者の行動を把握できる機能を内包しているはずで、
 首では全ての発言を拾われるだろうから、発言も出来るだけ選びたいところだ。
 とは言え、余計な発言と言うのも、この場合どういうのが余計なのか判断しがたい。
 少なくとも、仕事の内容を無闇に話すことぐらいか。

(名簿に気になるのはあるけど、気にしないでおきましょう。
 少なくとも、方針は決まったから今のうちに行動をしないと......)

 名簿には名前と言うよりあだ名と言うべきものや、
 動物の名前から逸話と同名の名前など奇妙なものはあるが、
 出会ってない以上気にしたところで仕方のないもので、問題は方針。


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