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オールジャンルバトルロワイアル6

132 ◆.pKwLKR4oQ:2014/12/31(水) 23:53:21 ID:RV.0REzc0
四方を青々と広がる海と空に囲まれた絶海の孤島。
世が世なら推理小説の舞台になりそうな島では現在推理小説も真っ青な殺し合いが行われている。
そしてこの島には人口密度の割に多種多様な建物が存在していて、中にはこの島には似つかわしくないものもある。

その一つが島の北西部のB-2にあるレンタルビデオ店。
絶海の孤島という最悪な立地条件にもかかわらず、有名洋画からB級ホラーまで幅広いジャンルの品揃えを誇っている。
ただし残念ながら所々レンタル中なのか空っぽのケースも見受けられる。
特にアニメコーナーでそれが顕著に見て取れて、いくつもの作品がシリーズ丸ごと空っぽという状態だ。
さらに残念な事にそんな意外と穴場なレンタルビデオ店のカウンターは現在無人なのでレンタルする事が出来ない。
とは言うものの、カウンターにはいないだけで奥のスタッフルームには一人の女性がいる。
しかも悠々とパイプ椅子に座りながらテレビで店の商品を流していた。
だが決して店番をサボっているわけではない。

レンタルビデオ店員にあるまじき派手な七色スーツを羽織った黒髪の少女――高嶺響は殺し合いに参加している一人なのだから。

響がこの場所に辿り着いたのは今から約1時間前の事。
裏切り者のカン=ユーを始末した後、響はどこかで休もうと思い立って一番近場だったレンタルビデオ店に来たのだった。
12時の定時放送が流れたのは店内の捜索が粗方終了した頃だった。
そこで昼食にしようとスタッフルームで見つけたカップ焼きそばを準備しながらDVDを再生していたのだ。
最初からデイパックにあったコッペパンだけでは少々味気ないと思っていたので僥倖だった。
ちなみに今再生しているのは『バトルロワイヤル』というタイトルの映画で、ちょっと気になったので流している。
あと元々誰かが見ていたのかDVDがセットしたままだったのも理由の一つではある。

「あ、もうそろそろかしらね」

ちょうど画面は説明ビデオを見せられている最中に生徒が一人殺されるシーンだった。
そこで無造作にリモコンの一時停止ボタンを押して、カップ焼きそばの湯切りのために席を立った。
人によってはこれから食事と言う時に見たくない映像だが、響には関係なかった。
響の最終目的はこのロワの主催を殺して新たな主催と成り代わる事だ。
そのためなら何人犠牲を払おうが構わない。
寧ろ主催になれば自ら参加者全員を死に追いやる事に相違ないから一々気にするはずがない。

(でも今はその前にレナ、カムパネルラ、kskロワ住人、この3人だけは絶対に私の手で血祭りに上げてやる!!!)

手早く湯切りを終えた麺に濃厚なソースを絡めてあらかじめ切れ目を入れておいたパンに挟めば、即席焼きそばパンの完成だ。
この焼きそばはボリュームが結構ある上にソースが2種類あって両方の味が楽しめるものらしい。
だがあまり悠長に味を楽しむつもりはないので、適当に混ぜて美味しく頂く事にした。
そんな濃厚なソースな匂いを嗅ぎつつ、響はこれからの事に考えを巡らせていた。
幸いな事に12時の放送の段階で3人の生存は確認できた。
もう既に韓国料理店で3人と別れてから4時間以上が経過しているから口封じの意味はもうない。
だが自分をここまで振り回した奴らを生かしたままにするのは気に食わない。
新たな主催に成り代わる前に必ずや相応の報いを受けさせなくてはならない。

「でも闇雲に探しても見つかる可能性は低いわよね。
 どうにか方法を考えないと――って、よく見たらあの時計12時31分で止まったままじゃない!」

DVDデッキのデジタル表示は12分31秒再生したところで止まっている。
スタッフルームで一番目に付く場所にある時計は再生し始めた時と変わらず12時31分のままだった。
どうも在庫といい時計といい施設の手入れがいまいちな気がする。
そんな些細な疑問を頭の隅に追いやりつつ即席焼きそばパンにかぶりつきながら響はどうすれば効率良く3人を探しだせるか考えた。
そしてふと思い出した。
自分のデイパックの中に一度確認したまま使わずに放置していた支給品の存在を。

「最初は使う時なんてあるのかと思っていたけど、案外早く使う事になったわね」

響がほくそ笑みながらデイパックから取り出したのは誰もが一度は目にした事のある数字が並んだ冊子――つまり電話帳だ。


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