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about us 【MKAK】
1
:
ヤマダ
:2013/09/30(月) 16:59:54 ID:lvc7dln6
自前MKAKサイト「並行に逆走」にログインできない状態になってしまったため
誠に勝手ながら、こちらにお引っ越しさせていただく事を決意いたしました。
ご迷惑をおかけし大変申し訳ありません。
サイト同様、ここではAK右推奨でおもにMKAKの長編〜短編を扱わせていただきます。
よろしくお願いいたします。
490
:
ヤマダ
:2017/03/24(金) 21:22:54 ID:???
どっちが先に好意をもったかとか、いつからかとか
そういうことは全然わからないけど
気付けばお互いの気持ちを俺たちは認識しあっていた。
一つ一つの視線や仕草や態度から
言葉にしなくても伝わってしまう。
だけど俺たちは大人で、それなりに人気のあるグループの一員で
自分たちのことだけでなにがアクションを起こすには何もかもを持ち過ぎていた。
これはあくまでも俺の予想だけど
元々は普通に女と付き合っていたアキラがこうなったのは
プライベートの無い芸能界に入って、多方面からのプレッシャーやいつも誰かの目を気にして行動しなければならない環境に置かれたせいだと思う。
心を許せる相手が限られる中で
普段からいろんな相談を受けて、たまたま1番近くにいた俺が
アキラの心の拠り所だったのかもしれない
俺がアキラのことをそう思ってるみたいに。
「 それ言っちゃう…?」
今まで何度も言おうとして俺が飲み込んだ言葉。
言ったところでどうなる、困らせるだけだろ。
そう思って胸に閉じ込め続けた言葉。
.
491
:
ヤマダ
:2017/03/24(金) 21:23:49 ID:???
全然笑えないけど笑うしかない状況に俺が無理やり笑ってみても
アキラはなにを言うでも無くぎゅっと下唇を噛んでいた。
そんな顔されたら何も言えなくなって
死ぬほど重い沈黙が落ちてくる。
道の真ん中で無言のまま突っ立ってる俺たちを気にする人はいないけど
この際においてはいてくれた方がよかった様な気さえする。
そしたら人目もあるしってどうにか話を動かせたのに。
そりゃ俺も好きだけどとか、でもどうしようもないしとか
溢れ出す気持ちは空気の重さに負けて一つも言葉にできない。
そしたらそれまで黙っていたアキラが急に笑い出すから、頭がおかしくなったのかと思った。
「、すいません。変なこと言って困らせて。でも…」
笑ったと思ったら、今度は崩れ落ちるみたいにその場にしゃがみ込んで膝を抱えて蹲る。
でもの後の全然聞き取れなかった声を追って俺も同じ目線になるようにしゃがんだ。
って言ってもアキラは膝に顔を埋めていて視線は合わないんだけど
「 でも、なに?」
「 …本当に好きなんです。わかって、ましたよね、俺の気持ち 」
「 んん…」
「 マキさんは 」
「 え?」
「マキさんはどうなんすか 俺のことどう思ってますか」
ずっと暗黙の了解で守ってきた沈黙を破ったアキラは
この際はっきりさせましょうってちょっと震えてる声でこっちに手を伸ばした。
相変わらず顔は伏せているくせに、まるで俺を捕まえとくみたいにぎゅっと腕を掴まれて
わずかに崩れた体のバランスに二人の距離が近づく。
.
492
:
ヤマダ
:2017/03/24(金) 21:24:46 ID:???
「 俺は…… 」
俺も好きだよ。ずっと好きだった。
ありきたりな愛の告白の言葉が浮かんでは言えないまま消えていく。
俺は正直なにをどういえばいいのかわからなかった。
なにが正解なのか、そもそも正解ってなんなんのか
自分のこと、アキラのこと、自分の家族のこと。
グループの事、メンバーのこと、将来のこと。
アキラを好きになってから死ぬほど悩んで悩んで、何回も何回も同じことを考えてはまた苦しくて
だからもう見ないふりをしていた。
スキャンダルを起こして仲間としてさえいられなくなるなら、いっそいまのままでよかった。
それに俺には長くつきあっている恋人だっている。
どう考えたって俺と彼が踏み出してしまうにはリスクが高すぎる。
そうわかっているくせに、アキラに「ごめん」の一言が言えない。
掴まれた手を解くことができない。
アキラがこんな風に先輩である俺に迫るなんて、普段は絶対にないのに
それぐらい追い詰められていたのだと思うと、ついさっきまで一緒にふざけて呑んでた笑顔に胸が苦しくなった。
「 とりあえず、違うとこで話そっか アキラん家いける? 」
うん、と子供みたいに頷いたアキラの腕を今度は俺が掴みながら立ち上がらせて
タクシーで彼の家まで向かった。
何度かきたことのあるエントランスをぬけ、エレベーターが上昇する。
鍵を開けた背中に続いて中に入ると、後ろでガチャリとドアの閉まる音がした。
.
493
:
ヤマダ
:2017/03/24(金) 21:25:52 ID:???
靴を脱いで、リビングに行って、なんとなくソファでも座りながらゆっくり話をしたら
ちょっと暴走気味のアキラも少しは落ち着くだろう。
そんな風にこれからのことを頭に浮かべていたのは俺だけだったようで
「 マキさん、俺と付き合ってください 」
まだリビングにすらついてないのに
前を歩いてたアキラが振り返り、今度はしっかりと俺の目を見つめて言った。
それでもどこか怯えてるような、迷っているような色を添えて。
アキラの、こういうの真っ直ぐで ど直球な空気の読めない所を好きになった。
歳を重ねた俺が言えないような一言すら、人懐こい笑顔でさらっと言ってしまうところとか。
悪いことをしたら素直にごめんなさいと謝ることができて、嬉しい時は全力で喜ぶ素直さとか
あげれば、キリがないけど。
「 …シカトっすか 」
ほらまた、一人で勘違いしてむくれてる。
「 ちがうちがう なんて答えようか考えてんの。」
「 なんだ、そだったんすか シカトされたかとおもっちゃいました 」
こんなシビアな話をしてる時なのに、えへへって笑うアキラが可笑しくて
おかしくて、かわいくて
「、あきら 」
向かいの壁にもたれて俺の返事を待ってる彼を引き寄せた。
仲間としてハグをすることはあったけど
こんな風に抱きしめたことは無くて
少しぎこちない自分がバカみたいで恥ずかしい。
肩に乗っかった彼の頭の重みが、幸せだった。
「 ぅう…俺も抱きしめていいっすか…?」
「ん、」
変なうめき声の後でそんなことを聞いてくるアキラに吹き出しそうになったけど
痛いぐらいに抱きしめられて、俺は丸まった細い背中をゆっくりと撫でた。
( あぁ、アキラとならタブーの一つや二つどうってことないのかもしれない。 )
.
Dearest なれそめ編 END
494
:
ヤマダ
:2017/03/24(金) 21:32:34 ID:InLqeAPc
■ Dearest ■なれそめ編
>>488-493
コメントお返事
>>487
ディアレストのこの二人で〇〇編〜とかって書いて行ければなぁと思います。
ちょいちょい設定違う短編のお話も挟むと思いますが〜。
せかんどのライブ
みんな男らしさむんむんえろいけど
絡みのダンスなんでakだけちょっとオカマみたいなの?指先常に反っててかわいいね
と思いました。(悪口ではありませんよ)
495
:
名無しさん
:2017/03/26(日) 13:24:12 ID:???
スゴーく久しぶりにここに来たのですが
なんて素敵なお話が!
MKAKも過疎ってしまったなぁと思っていましたが
これからも足を運ぶことにします
○○編楽しみにしています
496
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:19:49 ID:???
>>495
さん
私もmkak自給自足なので寂しいですが
ここに帰ってくると同志さんがいらっしゃるので元気出ます!
またmkakもりあがったらいいな〜と思いながら
更新頑張ります!
コメントありがとうございました。
また是非いらしてくださいっ
497
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:21:30 ID:???
■ Dearest ■ はじまり。の巻
終わるとおもった恋が繋がった。
百戦錬磨のマキさんらしからぬ、ちょっとぎこちない動きで抱きしめられて
彼も俺と同じように動揺し葛藤し迷い、想ってくれてるんだと感じた。
「 あー、これキスとかしちゃう流れ?」
抱き合って、肺いっぱいに吸い込んだ大好きな香水を感じていたら
耳元でマキさんが呑気な声でそんな事をいう。
今起こってる事を処理するのにすら精一杯で
その先のこととかこれっぽっちも考えられてなかった俺の脳みそは軽く沸いた。
「 あ…、えっ! 展開 はっ早、早くないすか、!」
きききき、キス?!
ちょっと待ってくださいと、密着していた体を離して彼を見れば
みた事ないくらいの近さで距離を詰められて
薄い唇はすでに目と鼻の先に。
多分俺が5mmでも動いたらキスしちゃう。
そんな状況に一気に顔に血が上って、バクバク暴れ出した心臓の音はマキさんにも伝わっているような気がした。
「 ……、ちょ、マキ さ… 」
恥ずかしい。恥ずかしがってる自分も恥ずかしいし、恥ずかしいのスパイラルだ。
.
498
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:22:14 ID:???
話せば息がかかる距離。
暗めの照明だけしかない廊下で
永遠に時間が止まったような感覚さえ覚える。
「 っ、」
だけど、流れるような仕草で俺の耳の後ろを撫でた彼の指の動きに
そうじゃないんだと現実へ引き戻された。
「 そういう反応、結構好きだわ 」
「 、すっ 」
好き、とか
ニヤニヤしてるマキさんにいきなり言われてびっくりしてたら
そしたら唇に柔らかい感触が当たって
ん?
「 ン…?、ん、んーーーっ 」
やばい やばい 待って マキさんとキスしてる?いまおれ、キス、してる!マキさんと俺が、いま、キス、キス
.
マキさんにキスされてんだって分かった所で動けない状況にかわりはない。
ちゅーって少し長いキスの後角度を変えてから、軽く俺の下唇を食べるように啄んで離れて行った唇がなんともいやらしくて
マキさんは普段から俺キスうまいよって言ってたし
おそらく上手いんだろうなってことは常日頃感じざるを得なかったけど
今の軽いやつだけで、あぁ絶対この人キスめっちゃ上手いんだって分かっちゃった。
「 なんて顔してんだよ 」
「 っだ ! だって…急展開すぎるんすもんっ… い、いきなり、いきなりキスとか…ッ 」
手で口元を押さえながら絶句するしかない俺をマキさんがおかしそうに喉を鳴らしながら低く笑った。
いつもの「ハハッ」っていうカラッとした笑い方じゃなくて
それにすらなんだかドキドキして仕方ない
また距離が詰められて、口元の手をゆっくりと剥がされた。
そのまま指が絡んで 体の横で繋ぐ形になった手がもう自分でもわかるぐらい汗ばんでる。
( またキス、される… )
一周回って熱でぼーっとし出した頭でなんとなくそう感じながら
近付いてくる唇を一旦凝視していた。
今度こそ自分からもちょっと動いたりとかしてみよう、そう思って浅く息を吐いた時
ヴーーッ ヴーーッ ヴーーッ
無音だった空間に似つかわしくない機械音。
.
499
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:23:23 ID:???
「 …携帯…、、、なってません…? 」
「 なってない 」
「 いやいやいや鳴ってます鳴ってます。俺のは電源切れてるからマキさんのすよ 」
まるで、現実から日常に引き戻されたみたいな気持ちになった。
残念だったような、でもホッとしたような。
「 あー アキラ、ちょっとごめん 」
「 あ、はい 全然 」
震える携帯をズボンのポケットから取り出して
名前を見るまで繋いだままだった右手は
マキさんが通話ボタンを押すと同時に離されて
俺の指先は虚しく冷たい空気を掴んだ。
ごめんといいながらこっちに背を向けて誰かと話し始めたマキさんに
俺もリビングの中に入って、そこのドアを閉めた。
ガチャン、
一枚隔てた向こう側の話し声に聞こえないふりをして
なんとも思っていないふりをして
キッチンで水なんて飲んじゃって、喉を潤わせちゃったりなんかして…
「 あー…最悪だな 」
飲みかけの水のボトルをそこに置きっ放しのまま、ソファまで歩きながら
やたらむしゃくしゃする頭をかきむしった。
.
500
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:24:13 ID:???
本当は誰と電話してるのか 画面が見えちゃったせいで分かってる。
マキさんの帰りが遅いから電話してきたとか多分そういう事だろう。
最悪っていうのは全然、マキさんとかマキさんの彼女に対してとかじゃない。
自分に対してだ。
彼女がいることは知ってたし、半同棲してることも知ってた。
俺のこと好きなんだったら別れてよ、とか言うつもりもないし
男の俺がそんなこと言えたもんじゃないし
だからそれとこれとは別っていうか
マキさんから普通の恋愛を奪う事は俺にはできない。
そう整理をつけてたはずなのに
いざマキさんの事を手に入れた途端、自分だけのものじゃなきゃ嫌だなんて欲深くなって
こういう女々しい自分は大嫌いだ。
玄関の方にマキさんの気配を感じながら、本当は気になって仕方ないけど
そっちに意識を向けないように
用もないテレビを付けて、飲み会の時から電源が切れてた携帯を充電器に繋ぐ。
再起動画面からパスワード入力に変わった時、電話を終えたマキさんが「あ、この番組まだやってんだー」なんつって俺の横に座ってきた。
.
501
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:25:53 ID:???
「 マキさん そう言えば時間大丈夫っすか? 」
「 あー、うん、まあそろぼち帰るけど、 」
帰る、って言う単語が何故か死ぬほど寂しい。
帰っちゃうのか、彼女が電話してきたから、彼女の待つ家に。
「 じゃあタクシー呼びますね 」
「 いいよ〜 自分で呼ぶし 」
「 あは、もう発信しちゃいました」
「 ごめん ありがと 」
それからタクシー会社に電話をかけて、10分後につくと言うから
その時間に合わせてマキさんを見送ることにした。
数十分前のキスとかもしかして夢だったのかと思うほど日常的な、後輩が先輩を送るっていうシチュエーション。
明日になって、気が変わったマキさんに
今日の事を無かったことにされたらどうしようとか
前を歩く背中を見ながら思っちゃって、
「 マ、マキさんっ 」
「 ぅお 、ははッ なにアキラ 甘えんぼスタイル?」
やっぱり、やっぱり、帰ってほしくはなくて
玄関先で、後ろからマキさんをぎゅうぎゅう抱きしめた。
「 ……気をつけてくださいね、暗いから」
「 あは 大丈夫だよ ありがと 、もう、ここまででいいよ 外寒いし」
腕を解くと、じゃあねって靴を履きながらマキさんが右手を上げてみせる。
同じく、それじゃあと上げた右手は無意識に彼の手を掴んで引き寄せていた。
「 っ、あき 」
.
502
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:26:45 ID:???
名前を呼び終わる前にキスして、「ら」の文字は俺が飲み込んだ。
ぶつけるみたいな下手くそなキスだって自覚はあるけど
このままバイバイしたら本当に無かったことになりそうで怖かった。
「 好きです マキさん 」
やばい、なんか 泣きそうだ。
「 うん…アキラ、あのさ」
帰らないでって言えば、泊まってってくれんのかな
「 ねぇ、アキラ 」
でもそんなこと言って困らせたくないし
「 …おい、アキラ!ってば 」
「っは、はい なんすか?! 」
強く呼ばれてハッとして、また自分の思考回路にハマってしまってたんだと気付いた。
「 あのさ、」
「…はい」
「 俺はアキラのこといい加減にするつもりとかないからね 」
別に何も言ってないのに
俺の不安とか考えてること全部わかってるみたいに頭を優しく撫でられて、なにもいえなくなる。
その顔と、その仕草
俺がマキさんに恋をしたのは、その優しさのせいだった。
.
503
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:27:30 ID:???
仕事でいわゆるスランプに陥って、演技もダンスも何もかもが行き詰まっていた。
悪いことは重なるとは良くいったもので
プライベートでは、2年間付き合った相手が週刊誌に俺の情報を漏らしていたと発覚して破局した。
メンバーやよく知ったスタッフ以外はあまり信じられなくなって
自分に近づいてくる女性には何か裏があるんじゃないかとか被害妄想も甚だしいレベルの人間不信に陥ったその頃の俺を
いつも一番近くで支えてくれていたのがマキさんだった。
いくら朝が早くてもそれを隠して遅くまで俺に付き合ってくれて、夜中に電話をかければ心配して駆けつけてくれた。
弱っている時に優しくされたから好きになったなんてありきたりだけど
もともとマキさんに傾倒していた俺が彼を好きになってしまったのは当然のような気がする。
『 俺の前でまで 我慢しなくていいよ 』
あの時そう言って優しく頭を撫でてくれたマキさんに、俺は恋をしたんだ。
.
504
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:30:26 ID:???
「 つか、また自分の世界入ってるし…」
「っあ!すいません!」
それから、ゲラゲラ笑いながらキスをして
「 あっ タクシー 忘れてたわ !じゃね!また明日」
「 はいっ 気をつけて 」
「 あーい おやすみね 」
「おやすみなさい!」
マスクをしながらドタバタ慌てて家を出たマキさんの背中を見送って、パタン、と閉じた玄関の鍵をかけたら
さっきまでとはうって変わって
いきなり一人になった玄関は静まり返る。
リビングの方でさっきマキさんが懐かしがってたテレビの音だけがこっちまで漏れていた。
.
Dearest はじまり。の巻 end
505
:
ヤマダ
:2017/03/28(火) 17:40:35 ID:tOHcC.MQ
■ Dearest ■
なれそめ編
>>488-493
はじまり。の巻
>>497-504
コメントお返事
>>496
akさん手怪我してましたね。
一生懸命隠してるのに全然隠せてない感じが
なんともらしくて可愛くてかわいそうだ〜。お大事に。
そして昨日の映画のエリート官僚なAkになんだか妄想膨らんでます。
機械みたいな表情の向こう側にはぼんやりとした寂しさみたいなのが感じとれて
まだ若いのになぜあそこまで冷酷人間になってしまったのか、本編よりそこの方が激しく気になってしまったー!
506
:
名無しさん
:2017/03/28(火) 17:48:54 ID:???
更新お疲れさまでございます!
再開されてから最初から読ませて頂いて、今リアタイで追い付いて感無量です
叶わないだろう想いに背を向けて他の人と付き合っているMKさんと、想いが溢れて止まらなくなっても色々我慢しちゃうAKくんに胸が痛い…
でもMKさんがいい加減なことはしないって言ってくれたから、優しいMKさんを困らせたんじゃないかと心配しちゃうAKくんの代りにガッツポーズです(笑)
AKくんに対して少し臆病だけど決してそれを見せないカッコヨスなMKさんと、不安になるとすぐトリップしちゃったりションボリしちゃうAKくんのこれからが楽しみです
○○編、これからも楽しみにしています!
507
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 10:28:47 ID:???
>>506
さん
コメントありがとうございます!
再開してから読んでいただいてるなんて
最&高に嬉しいです
これから彼女持ちMKさん(笑)とAKがどうなっていくのか…
更新頑張りますので
また良ければ読んでください
508
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:14:37 ID:???
■ Dearest ■ 僕だけのキミならば。の巻
マキさんと連絡を取ってても
ある瞬間からいつも既読すらつかなる。
それは多分、側に彼女がいるから。
( まぁ、いつものことだし )
例外なく今日もやっぱりその瞬間はやってきて
俺が仕事をおわってからずっとテンポよく続いてたやり取りはパタリと音をなくした。
すっかり静かになった携帯を枕元に置いて
考えても仕方のない事に悩まないで済むように目を瞑れば
疲れた体は案外簡単に微睡み出してくれる。
ブブッ… ブブッ
「 、!」
沈みかけていた意識の中で、いきなり震えた携帯の音に心臓が跳ねた。
マキさんだ!そう思って携帯を見たのに
画面はいつも通りのホーム画面。
「 またこれかよ…」
うんざりだ。
マキさんとこういうことになってからずっと
眠れば 届いてもないラインの音がして
飛び起きて画面を確認しては 夢かと落胆する。
既読無視だろうが、未読無視だろうがなんだっていい。
俺たちは大人なんだし、マキさんにはマキさんのタイミングがあるし
たかが連絡の一つや二つ気にすることじゃない。
そうわかってるのに
俺とマキさんの離れてる夜を繋いでくれるのはこの携帯でしかなくて
どんなに言い訳して正論を並べて、気にしてないふりをしても
ラインがきた錯覚をする程、毎日こんな事に振り回されていた。
俺がこうして、携帯を握りしめてる間も
マキさんはあの人と一緒にいてテレビなんてみて、飯を食って笑いあってる。
攻める気なんてない。
マキさんをひどいやつだとも思わない。
だけど、好きな人が他の人と過ごしている事を
なんとも思わないわけがなかった。
「 早く、明日になんねーかな 」
1人の夜は嫌いだ。
どうしても余計な事を考えて沈んでしまうから。
.
509
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:16:04 ID:???
それから、朝になって
眠い目を擦りながらぼやける視界でみた携帯にはマキさんからの着信が一件。
俺が眠ったあとぐらいの時間帯で残念ながら出られなかったけど
( 多分、1人になれた隙にかけてくれたんだ。)
俺ばかりが想ってるわけじゃない。
マキさんだって、俺のことを想ってくれてるんだ。
そう思うと夜はあんなに沈んでいた気持ちが、たったこれだけのことで朝日のごとく明るくなる。
速攻でテンションの上がった俺は
おはようございますとラインをマキさんに送りつけて
元気よくベッドを飛び出した。
.
510
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:18:21 ID:???
MK
朝飯を食って、さぁ仕事に出ようって時
いつもの絵文字多用しすぎなハイテンションラインを受信した。
“ マキさんが夢に出てきました!”
“ 早く会いたいです ”
ど直近で、カワイスギ。な内容ににやけそうになる口元を
あたかも髭の調子でもみるように撫でた手でごまかしながら
携帯をパーカーのポケットに突っ込んだ。
「 じゃ、行ってくるー 」
( 後でもう一回ゆっくり読み返そ。)
心の中ではそんなことを思いながら
玄関まで送ってくれた彼女にはなんてことはない顔をして、急ぎ気味に家を出た。
.
511
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:19:33 ID:???
地下駐車場で待ってた乗用車に乗り込んで走り出した車の中
アキラへどう返信しようかなーなんて考えながら
いい事を思いついた。
「タッキーくん 今日のピックアップさ、俺のとこからアキラの家行った方が効率良くない?」
なんちゃって、ただ早く会いたいだけだけど。
最もらしい事を提案した俺にマネージャーのタッキーくんはそれもそうっすね!そうしましょう!と
アキラのマネージャーにその旨の連絡をし出した。
タッキーくんはいいヤツだ。
「 アキラには俺から連絡しとくから 」
正確には、もうしちゃったけど。
.
512
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:21:27 ID:???
AK
シャワーしてる間にマネージャーとマキさんから連絡があって何かと思ったら
今日のピックアップ変更のお知らせだった。
いつもは1人ずつ迎えがくるけど、今日はなぜか俺とマキさんが同じ車になったらしい。
もう着くよってラインを見てから、ノーセットの髪の毛を誤魔化すためにキャップを被って駐車場に向かった。
「 おはようございまぁす 」
「 はよっ アキラ 」
車に乗り込むと、中には死ぬほど会いたかったニット帽姿のマキさんがいて
んんんもうなんか好きです!って声が出そうになったけど
マネージャーがいる手前、涼しい顔して仲間的なハイタッチ。
の、つもりだったのに
手が離れる寸前マキさんに指先を絡めるみたいにギュって握られて
どくん、と心臓が跳ねた。
「 アキラ今日何時終わりなの〜?」
「 き、今日っすか 今日は えっと、あ、え」
すぐ離れると思った手は、2人の間で繋がれたまま。
バックミラーに写ってるマネージャーを思わずチラ見すると
前を向いたまま何も気付いてないみたいでよかった。
.
513
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:22:55 ID:???
「 ねぇ何時 ?」
角度的にも見えないとは思うけど、バレやしないかとヒヤヒヤドキドキして
答えられない俺を、面白がるみたいにマキさんが聞いてくる。
「 わ、わかんないです、何時だったっけ 」
さっきまで頭の中にあったはずの時間すら本当に忘れてしまって、思い出せない。
ていうか今はそれどころじゃなくて
変に思われないように取り繕うので精一杯だ。
けど全然手を離そうとしてないあたり、俺もこういう2人の秘密的なそれは嫌いじゃなかったりする。
むしろ好きだ。
しばらくしてから、事務所の近くのものに移り変わってきた窓の外の街並みに
もうすぐ手を離さなきゃいけないと思うと妙に体温が名残惜しい。
片手では携帯をいじったまま、繋がれたままの手をそっと握った俺に
マキさんが一瞬こっちを見たけど、恥ずかしいから気付いてないフリをした。
「 あ、マキさん 俺 今日は、22時終わりの予定っす。撮影押さなかったら。」
「 俺もそれぐらいだからよかったら呑み行こうよ」
「 はいっ ぜひ!」
事務所に着いて、どっからどう聞いても仲のいい先輩と後輩同士の会話を繰り広げる。
って言っても本当に呑みに行くわけじゃない。
こういう時のマキさんの呑みに行こう、は
家に行ってもいい?ってそういう意味が隠されているのだ。
.
514
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:24:50 ID:???
でも、いいのかな
「 あーでも、その、大丈夫っすか 時間とか 遅いし」
「 んー?」
受け付けを通って、マネージャーとは別に2人きりで乗り込んだエレベーターの中で聞いたのは彼女さんのこと。
口には出さなかったけど、そんな俺の様子にピントが合ったらしいマキさんは
「 あぁ、…」
大丈夫だよ。と多くは語らずに言った。
もともと遅くなるとか、予定が入ってるって伝えてるから大丈夫なのか
ほっといて大丈夫だよって方なのかわからないけど
そこは俺が首を突っ込むとこじゃないし、マキさんがいいっていうならいっか。
「 気使わせてごめんね 」
別に謝ることなんてないのに、エレベーターから出る直前、申し訳なさそうなマキさんがそんなことを言う。
「 全然気使ってないっすよ。ただ喧嘩とかなったらヤな思いするのマキさんだし 」
俺のせいで、できるだけそんな想いはして欲しくないし。
前を歩く背中を追いかけて横に並びながらそう言ったらマキさんはこっちを見ずに
短く ありがとね、と微笑んだ。
.
515
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:27:22 ID:???
1時間ほどメンバー数人での取材を受け終えたあと、俺もマキさんも個人活動のためにそれぞれ仕事に向かい
結局22時に終えるはずだった撮影から解放されて帰路に着いたのは22時半頃だった。
明日絶対肌荒れるだろうなって勢いで撮影用のメイクを落として私服に着替えてスタジオの控え室を出た。
後ろで、アキラさん!待ってください!と帰り支度をしてたマネージャーが呼んでたけど止まってる余裕もなく
「 ごめん!時間ないんだ!タクシーで帰るよ!お疲れ様でした! 」
走りながら叫んで、エレベーターに乗り込んだ。
大通りに出てすぐ運良く捕まえられたタクシーの中で一息ついたとき
手に持ったままだった携帯が振動した。
“ アキラんちの前のコンビニで飯買ってるなう。 ”
「 なう、って笑」
言い方がマキさんらしくて、思わず心の声が漏れてしまった。
あ、と思った後ちらりと運転手を見やれば、案の定不思議そうな視線をこっちに向けていて
気まずさと恥ずかしさに鼻の下で止まってたマスクを
ひっそりずり上げた。
( あ。メガネ曇る…)
.
516
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:31:10 ID:???
それからすぐマンション前についたタクシーを降りて
横断歩道を渡って向かったコンビニの中
店の端にある酒コーナーを物色してるマキさんを見つけた。
「 おつかれーっす 遅くなってすいません 」
1人でいても身長のせいで目立っちゃうから、小さめに声をかける。
ニット帽とマスクで顔はあんまり見えないけど
「 おつかれ、全然大丈夫だょ 」
唯一見えてる彼の目尻は垂れ下がっていた。
「 つまみばっかじゃないスか メシ買いましょうメシ 」
マキさんが片手に持ってたカゴの中は酒の缶と水と砂肝とビーフジャーキーとスルメ。
これがお互い彼女とだったら甘いお酒とか買ってんだろけど
色気なんかなくなって、全然いい。
「 アキラが何食いたいかわかんないからさぁ 」
「俺っすか?俺は〜」
俺のがわかんなくても、マキさん自分の選べばいいのに。とイマイチ言葉の意味がわからないまま
とりあえず、目についたハンバーグ弁当とざるそばを手に取ったその後で
「 同じの選んだら交換っこできないじゃん?」
「 」
交換っこ、とか言われて商品に手を伸ばして選んでるマキさんの腕がスローモーションに見えた。
.
517
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:33:42 ID:???
つまり、マキさんは俺を待ってるあいだ
この後の飯のシーンを想像して
違うメニューを2人で食べて感想なんて言い合ったりして?
もしかしてよもやの あーん とかまで考えたりしちゃってたってこと?
全然いい。全然すき。
「 なぁ、アキラ 」
じゃあマキさんハンバーグより生姜焼きの方がよかったかな?
「 アキラ、 」
つか俺、蕎麦選んじゃったけどマキさんも蕎麦すきだしここは俺がうどんとかにして…
マキさんに蕎麦譲った方がいいか。
あ、でもどうせ交換するんだしどっちでもいいのかな
「 っおーーーーーーーい 帰ってきて 」
「 はっ すいません、やっぱマキさんがそばで…」
「 そば?いや俺ラーメンだし。それよりさ、」
「 あ そっすか、はい?」
「 今日泊まってっていい?」
「 あーはい。ぜんぜ…ん、? 」
晩御飯の話かと思ったからそのノリでいいっすよって言いかけたところで
やっと言われた言葉を理解して喉が詰まった。
.
518
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:35:05 ID:???
「 だめ?」
「だめじゃないっす だめじゃ、ないですけど 、俺は。」
「明日 火曜日だからさ 家帰る時間もったいないし」
「 あっ、そっか! そーっすね 火曜日だ… 」
「じゃそゆーことでさっさとかえろーぜ」
「 うぃーっす 」
レジでお会計してくれてる横顔を見ながら
こんなことなら部屋を片付けておくんだったと思ったけど
相手は女の子じゃない。他でもないマキさんだ。
俺の部屋がどんな状態であれきっと気にしない。
むしろ俺たちが酔っ払ったら元の状態より絶対に散らかすし。
でも一応。
「 俺の家 いま汚いっすよ」
「 あー?まじ?すげぇどうでもいいなぁ〜 」
「 ですよね〜」
.
519
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:39:06 ID:???
予想通りの反応をするマキさんと笑いながら2人肩を並べて
さっきは1人で渡った横断歩道を一緒に歩く。
幸せだ。すげー幸せだけど
いつでも背中にべったり貼りついて離れないのは
俺がこうしてマキさんを独占できてる間も
彼女から彼を奪ってしまってるって罪悪感。
「 マキさぁん 手つなぎたいなぁ 」
それから逃げたくて、わざと甘えた事をいってすり寄った。
「 いいけど、明日ヒロさんに呼び出しくらうね」
「 ははっ…やめときましょうか…」
手を繋ぐ代わりに、がっつり肩を組んできたマキさんに足元がふらつく。
青色の信号も、停車してる車のライトも、ビル群の明かりでさえ
彼が隣にいる今は何もかもがいつもよりキラキラ輝きを増したように感じた。
.
次回 お泊まり編。
520
:
ヤマダ
:2017/04/04(火) 11:53:36 ID:vA4cAUZo
■ Dearest ■
なれそめ編
>>488-493
はじまり。の巻
>>497-504
僕だけのキミならば。の巻
>>508-519
コメントお返事
>>507
先日 anフェアーのDVD購入しました。
ドギュメント内のクランクアップシーンで「プレッシャーとかもあったんですけど」って一生懸命喋りながら泣いてるAK可愛すぎた(白目
521
:
名無しさん
:2017/04/08(土) 23:37:57 ID:???
楽しみに待っていました♪
時々トリップしちゃうAKさんが可愛くて素敵
次回のお泊り編もワクワクしてます
522
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:31:46 ID:???
>>521
さん
嬉しいコメントありがとうございます!
本日も良ければお付き合いおねがいします〜
523
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:32:50 ID:???
■ Dearest ■ 火曜日ですよ!の巻
「 あきらー 部屋着かして〜 」
「 あ、はい、つか先に風呂入ります?飯食ったあとうごくの面倒じゃないですか?」
じゃあそうするって、リビングのテーブルの上に弁当の入った袋を置いたマキさんは
被ってたニット帽と上着をソファに放り出した。
ピッ。
新しい湯を張るためにキッチンから風呂のスイッチを押したら
「 俺はシャワーでいいからぁ 」
ひらひら手を振りながら早々に風呂場へ消えて入ってしまった背中がなんともオフモードで超絶にゆるい。
こんなオフなマキさんがっつり見るのツアーのホテル以来だな〜ってニヤニヤしながら酒を袋ごと冷蔵庫に突っ込んだ。
.
524
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:34:24 ID:???
クローゼットから適当な服を取り出して
「 マキさーん 着替え、ラックの上置いときます 」
磨りガラスの向こうに声をかけると返ってきたのは
こもったシャワーの水音と、ぼやけたような声のありがとう。
どういたしまして。と心の中で返してリビングに戻ってテレビをつけると
カラスの行水かのごとく、もうシャワータイムを終えたらしいマキさんが
俺の服を着て、俺のボディシャンプーの香りをまとって戻ってきた。
「 アキラも浴びてきたら?待ってるし」
「 ほんとっすか ありがたいっす 」
飯が冷めちゃうし、俺は別に後でもよかったけど
マキさんが入っておいでよっていうから予定変更。
それから多分生きてきた中で初めてぐらいのスピードでシャワーを浴びた。
やっぱり、すっかり冷めてしまった飯は再度あたためなおして
2人でテレビを見ながらのクソ遅い晩御飯タイムスタートだ。
ラーメンをすすって、1本目を飲み終わったらしいマキさんが
「ビールとってー」とこっちに手を伸ばす。
言われた通りに袋の中から渡したビールが
彼の手の先でぷしゅ、と小気味いい音を立てた。
.
525
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:36:08 ID:???
「これもう開けていー?」
「? いっすよぉ」
これっていうのはさっきかったパック入りの砂肝。
そんなの別に聞かなくても勝手に開けてくれていいのに
わざわざ断りを入れてくるマキさんがなんかおかしくて
オカシイマキさんが隣で飯を食ってて、俺はご機嫌で。
袋からテキトーに取ってのんだ酒が甘ったるいマンゴーチュウハイだったのも気にしな……
……いやちょっとする
「 マキさんこれ買いました?」
「 あーたぶんそう 」
「 すいません一口飲んじゃいました!」
「 別にいいよ、うまかった?」
俺たちでは飲まないような甘いお酒。
もしかしていつも彼女が同じやつ飲んでるから癖で間違えました的な?
だとしても仕方ない。癖だもん。
仕方ないけど…ちょっと胸がいてーかも。
「 ジュースみたいで、」
甘いですって答えたら
一口ちょーだい!と箸を持ったままの手が俺の手首を掴んだ。
マキさんも俺も普段から距離感近いし
普通にこーゆーことは日常茶飯事だったけど
なんか今日は掴まれた手首が熱くて
俺がさっきまで飲んでた場所に口をつけてる顔が近くて
伏せられたまつ毛がエロい
「 めちゃめちゃあま…、、ッ 」
缶から離れた濡れた唇をみたらキスしたくなって、
ああそういや今日は一回もしてねぇな、なんて
頭で考える前にマキさんに唇をぶつけていた。
ビールを飲んでた俺と違って、薄い唇はマンゴーの味がする。
.
526
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:37:03 ID:???
キスした瞬間だけは驚いたように見えたマキさんは
すぐに状況を理解したらしく口をあけろと
俺の唇を舐めた。
「 …、ぅ 」
自分から仕掛けたくせに
あんまりこういうキスをマキさんとしたことがないから
かっこ悪いけどどうしていいかわかんなくて躊躇してしまう
「 ははっ 顔真っ赤 」
そんな俺の頬に、チュって可愛い音のキスをして
何事もなかったかのように
マキさんはテレビの方へ向き直った。
けど
俺は バクつきが止まらない心臓が 苦しかった。
.
527
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:39:07 ID:???
MK
いきなりキスしてきて、積極的だと思えば
どうしようって顔で戸惑ってる。
無理もない。
酔っ払った時にふざけてキスすることはあっても
舌突っ込んだやつなんてしたことないんだし
ましてや、つい最近まで先輩後輩同士だったんだから。
それに加えてアキラは意外にも超ピュアだったりするわけで
妄想癖があろうが、ミスターペイだろうが
薄々わかってたけど実践はたぶん弱い。
( めっちゃ顔 赤かったな。)
ちらりと横を見れば
たぶんさっきとほぼ同じ体勢のまま
俺が興味本位で買った新作の酎ハイを
右手で握って
どこか明後日の方向を向いている。
俯いた角度に、耳へかけてる濡れた髪の毛がパラリと垂れて
落ちていく雫が ぱたぱたとアキラの素足を濡らしていた。
指の骨の溝に溜まり、やがて溢れると
ラグの上に染み込んで、わずかな水分は見えなくなる。
「 あきら、髪 」
自分のタオルで軽く彼の足を拭いてやりながら
アキラの首にかけられたままだったそれで髪をぬぐえば
「 ……ぁ、」
さっきから自分の世界に飛んで行ってたアキラは
声をかけて触れた途端、ハッとしたように小さく声を漏らした。
「 すぐどっか行っちゃう〜 」
「 ははっ ごめんなさい 癖で。」
「 早く食わないと冷めるよ 」
はぁーい って間延びした返事をしてすぐ
もぐもぐしだした姿が子どもみたいで頬が緩んでしまう。
.
528
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:40:37 ID:???
ハンバーグ半分あげますね、とそれをくれたアキラに
自分もラーメンの煮卵をプレゼントして
お腹も心もいっぱいにした後は
2人で歯磨きをしてから
「 どうする?」
寝る?まだ起きとく?
特に見たいテレビはないけど。ってチャンネルをピッピやりながら聞けば、アキラはなぜか「えっ」て顔をしていた。
「 え?なに?」
「 え?い、ぃいんすか?」
もう寝ても?もしくは
まだ起きててもいいの?ってことか?
「 いいよ?」
「じゃ、じゃあ、 」
俺が明日朝早いから気を使ってくれてんのかなと思いながら返事をすると
やたら瞬きの多いアキラに手を差し伸べられて、意味もわからないまま反射的に手を伸ばした。
ぎゅ、と俺の指先を握る手に力がこもって
王子様にエスコートされるお姫様みたいになってる絵面に
なんだこれと思ったけど
雰囲気的にもう寝るんだろうなと悟ってテレビのスイッチを切って立ち上がる。
前を歩くアキラと家の中なのに手を繋ぎながら移動して行き着いたのは普通に寝室で
あぁアラームかけなきゃと頭の中でおもった時
「 マキさん、」
「ん〜?、」
急にぎこちなくに抱きしめられて、さっきまでの違和感がなんだったのかわかった。
.
529
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:42:06 ID:???
明日朝早いし、なにより俺はまだアキラと関係を持つにあたっての身辺整理ができてないし…
どうする?って全然そんなつもりじゃなかったけど
アキラがいいなら俺だってそりゃ…
「 優しく、するんで…」
「 …あーー。まじ? ありがと 」
あーうん、これは、あれだな、
イロイロと軌道修正が必要だな。
「 キスしていっすか 」
「 だめー」
「 えっ だっだ だだめ?!なんでっすか?!」
「 バカ、うそだよ 」
さっきはできなかった やらしいキスしながらベッドにもつれ込んで
こうなったら邪魔でしか無い服はそこらへんに放り投げた。
「 ん、…はぁ、」
俺の首筋に舌を這わせてるアキラの背中に手を回して、綺麗に浮き上がった背骨をひとつ、ふたつ 辿る。
わざと膝を立ててスウェットの上からアキラのそこをぐいぐい押し上げたら
「 っ、、ぁ、」
首元で切なげな声が漏れた。
彼の伸びた髪が揺れるたびに
俺の頭の中でアキラの匂いとしてインプットされてるシャンプーの香りがする。
こんな事になるなんて予想もしていなかったほんの少し前
この香りに胸を締め付けられてた頃が
フラッシュバックしたみたいに心臓がチクチクと痛み出した。
.
530
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:43:05 ID:???
「 ま、きさん?」
俺が微妙そうな顔でもしていたのか、汗ばみ始めた肌から顔をあげたアキラが
少しだけ不安そうにこっちを見た。
「 ん ? なぁに 」
濡れた唇に貼りついた髪をよけてやりながら
子どもをあやすように下からキスをすると
それまでどっちかって言うと遠慮気味だったのに
何かのスイッチが入ったらしく
キツく抱きしめられて背中をベッドに沈めた。
「 っすき す、好きです、好き 」
譫言みたいに繰り返して、下の方に下がってく頭。
借りたスウェットの上から反応してるそこを触ってきたアキラが数秒間止まったあと
「 、俺ガ先ニシマス…マキさん先輩ダシ 」
一点凝視のどこ見てんのかわからない目線でそう言ってくるから
こっちがスゲー不安になんだけど。
「 っえ あ、あぁ………うれしいけど、、できる?」
「 口に入れば。」
いくら俺がデカイって有名だからって
口に入らないサイズなんてことあるわけないだろ?
「 がんばります 」
言葉は健気で可愛いけど
真顔で俺の下半身を見つめて荒くなった呼吸を整えてるアキラの
赤くなった目元と唇が少し怖かった。
.
531
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:45:21 ID:???
AK
学生の頃の初体験より一億倍緊張してる。
今までされる側であってした事なんて当たり前だけど一回もないから
マキさんには言えないけど
マキさんのソレを舐めながら、俺は歴代の彼女がしてくれた時の記憶を辿っていた。
「 ん、 、ぅぐ 」
あー、いける いける。
マキさんのだから全然いけちゃう。
に、してもだ
質量がバカでかくて、まだ根元まで咥えてないのに
すでに先端が喉の奥に当たってオエオエしてしまう。
「 無理しなくていいよ 、」
ベッドヘッドへ凭れて俺の髪を緩くなでながら
見下ろしてくるセクシーな顔にそんなことを言われて
どきりと大きく心臓が鳴った。
苦しいけど、マキさんが気持ち良くなってくれるなら俺は全然へーきだもんね。
「 ン、ん …ぅ 、っ 」
「 あきら…、上手だね 」
くびれにたまった唾液を舌先で舐めとるように這わせて、ゆっくり奥まで咥えこんで上下する。
それを繰り返してると、俺の髪の毛を絡めたマキさんの指先にだんだん力が入ってくるのがわかって
「 はぁ…ッ ハ 」
吐息を漏らしてる彼は今どんな顔してんだろうと視線をあげた瞬間
「 っ 、、へ??」
息苦しさでぼやけたピントが定まる前に、口からそれがぽんと抜かれて
よく知った白いヤツが顔に飛びちった。
.
532
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:45:54 ID:???
「 ごめん、かかっちゃった 」
ふと、顔射なんていう卑猥なワードが頭に浮かぶ。
今回は した側じゃなくて、された側だけど。
頬を伝い唇に流れてきたマキさんの精液を舐めて
へぇこんな味なんだとか、意外にも自分がこういうの大丈夫なことにびっくりというか
地味に驚きつつ
まあそれもマキさんのだからなんだろうなとおもうと
愛の力ってやっぱすげーな。なんて。
ベッドの下に手を伸ばして、適当に掴んだ服で顔をぬぐいながら
いつものごとくどっかに思考を飛ばしかけた時
とん、と押された肩にハッとした。
「 …今度は 俺がしてあげるから」
「、っあ 、」
覆い被さってきたマキさんの手が下着の中に突っ込まれて
与えられる刺激に体が震える。
「 ぅ、あ、ッ ゃば… 」
そっと包むように撫で上げられたかと思えば、骨っぽい指のわっかにぎゅっと下から上へ激しく動かされて
やっぱりマキさんはこういう感覚も鋭くて器用なんだと思い知らされた。
「 マキさ、っ 」
( やばいイッちゃう。)
.
533
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:46:48 ID:???
早すぎる限界に焦ってちょっと待ってくださいと手を伸ばしたけど
その手ごと腰を掴まれて、次の瞬間には下半身に熱くてヌルヌルしたあの感触に襲われた。
「 は、…、っぅ…マキさん、 」
ザラザラした舌の感覚をダイレクトに感じて
女の子にされるのとは全然違う、強めなフェラに
気を抜けばほんとにイッてしまいそうだった。
先輩の口に出すなんて絶対できねぇ!
そう思って確実に湧き上がってくる熱を身体を捩って逃がせてる俺の気も知らず
「 …ちょっ、と まっ 、ァ 」
動くなと言わんばかりに腰をぐっと押さえ込んでくる手は本気を出せば払いのけれると思ってたのに
実際はビクともしない。
じゅぽじゅぽエロい音をたてながら俺のをしゃぶってるマキさんの元々薄い頬はさらに窪んで
時々口の中にあるそれの形が頬の肉を押し上げていた。
「 マキさん…、っ も、出る…ッ 」
だから離して!
イクのを我慢しすぎて逆流してきた精液が下っ腹のあたりでぐるぐる鳴ってる気がする。
それでも全然手加減してもらえなくて、こっちをガン見しながら先走りが溢れてる先端をじゅっと強く吸われて
「 … ッア、ッ !」
我慢してた分だけ強く身体を襲う絶頂に背中はしなり、ただどくどく脈打って射精してる感覚に流された。
( やべぇ マキさんの、口の中に 出しちゃった )
全部出し終わった後、ぼんやりそんなことを思って
「 ごごめっ すいませんマキさん !」
もう自由に動かせる手でマキさんの両頬を思わず掴んんだら
あろうことかマキさんは
「 ごっくんしちゃった 」
「 ごっ…ッ?!!」
とか言ってて
俺は気絶するかもと思った。
.
534
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:49:20 ID:???
「 イク時 可愛かったよ 」
恥ずかしい事を言いながら
フェラした後だから俺が嫌がるとおもったのか
口を避けて頬にキスしてきたマキさんに自分から口付けた。
「 やば、もうこんな時間かよ…」
俺の上に覆いかぶさりながら、ふとベッドサイドの時計が目に入ったのか
そう呟いた声につられてそっちを見ると
時刻は2時35分。
「 何時入りですか?ちょっとでも寝ないと…」
火曜日の朝は早起きだから月曜日の夜は早く寝なきゃいけなかったのに
行為に夢中で全然何も考えてあげられてなかった。
これから気をつけないと…
「 3時半。 いいや、まだちょっと時間あるし 」
「 っえ、早! ぁ、っ 」
「 まだイケるっしょ?」
俺の顔の横に肘をついてやらしいキスをしてくるマキさんの左手が下に伸びて
一回出したけどまだ全然萎えてないソレをじわじわ追い詰めるように扱いてくる。
「 今日は最後までしないから 」
.
535
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:51:24 ID:???
上半身を起こして俺の膝に片手をかけたマキさんの言った意味が
熱でぼやけた頭ではよく分かんなかったけど
自分のと俺のをまとめて持った彼が息を荒くして腰を揺らし始めるから
もう何も考えられなくなった。
「 あ、っ ぁ …、ふ 」
「 っはぁ これ…やばぃね 」
モノ同士がぐりぐり擦れて、やばいぐらい気持ち良くて俺も自分から腰を振る。
下からマキさんの筋肉で盛り上がった胸を揉んだら
知ってるおっぱいの感触より硬くて弾力があって
ほんとに、何から何まで全然違うと超今更思った。
「 んん…ッ は、 ァぁ も、でる 」
ぐちゃぐちゃと粘っこい音とベッドの軋む音が激しく鳴って
こんなの一人でやってんのとしてる事らあんまり変わんねぇのに
比べ物にならないぐらい気持ちいい。
「 …アキラ、 イかせて って言ってみて 」
「 っえ、ゃ ぁ マジッ、っすか…?ま、きさん… 」
「 男のロマンなのになぁ… 」
どエロい声でお願い、って耳元で甘く囁かれて
「 ぃ、イかせて…っくださ い 」
即効で口にしちゃう自分の先が思いやられた。
「 はは…超エロいわ…、ッ」
自分が恥ずかしいセリフを言ってんのは重々承知だったけど、体勢的にももうなんか十分恥ずかしいし。
言った瞬間、ニヤリと肩頬を釣り上げて笑った彼が腰と手の動きを早くして
最後は
「 んーっ 、ゥく…ぁア 」
「 ン、ぁ …っはぁ 」
2人分の精液が飛び散って交わり、俺の腹を汚した。
.
536
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:52:40 ID:???
------------
午前3時15分
「 じゃ!行くわ! アキラっ いってきます!」
「 いってらっしゃいです!頑張ってください!見てます」
「 はは、寝てないんだから寝てていいよぉ〜 」
行ってらっしゃいのチューをして俺の服をきて出て行く背中を見送った。
アキラ、いってきますって
良いなぁ。初めて言われたわ…
「 俺も風呂入ろ〜 」
新婚の朝的なシチュエーションにニヤニヤしながらシャワーを浴びて
それからマキさんの番組が始まる時間までテレビの前で待機することにした
「 ん〜 寝みぃ……」
もう春だけど、朝はまだちと寒くて
膝を抱えた先の素足をすりすり擦り合わせてみる。
何度目かの睡魔に襲われては
仕事中のマキさんのことを思い出して頭を振って
それを繰り返してた時
聞き覚えのある音楽が流れて
テレビにはきっちりスーツをきたテレビ用のマキさんが笑っていた。
.
537
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 00:53:57 ID:???
『 おはようございます!本日火曜日は僕マキダイが 』
ついさっきまで俺と人には言えないようなヤラシイことをしてた人が
全日本国民に向けて爽やかな笑顔で挨拶をしていて
なんだか笑ってしまう。
今はまだ無理だけど
いつか、いってらっしゃいもただいまも
お互い一番に言い合える関係になれたらいいなぁなんて
仕事を頑張ってるテレビの向こうのマキさんをみて思った。
Dearest 火曜日ですよ! end
538
:
ヤマダ
:2017/04/11(火) 01:00:58 ID:kknK9Li6
■ Dearest ■
なれそめ編
>>488-493
はじまり。の巻
>>497-504
僕だけのキミならば。の巻
>>508-519
火曜日ですよ!の巻
>>523-537
コメントお返事
>>522
最近、高低ドラマ、映画のせいで
こはくさんがかわいい
うっかり九琥とか書いてしまいそうなぐらい可愛い。
Akインスタのカラコンきりのロン毛…あれで高低映画か写真集撮影だったらやばい…最高……最高に萌える…
フルゴッツゴリラがセクシーボーイになるわけだからきりの。
って気持ちと.こはくさんは角刈りだろ!ってファンぽい気持ちもあったりなかったり。
(本日もありがとうございました!)
539
:
名無しさん
:2017/07/03(月) 13:57:56 ID:R3GLQPBk
ヤマダさま素敵でした(^ ^)
また楽しみにまってます!
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