・学ぶと銘打ってますが、どちらかといえば歴史系スレになります
・作中内の年はすべて西暦で表記しています（例 ×平成２４年 ○２０１２年）
・野球のルールを細かく説明したりすることは無いと思います。ご了承お願いします
・当時と現在とで名前（登録名）が違う選手も登場しますが、呼称においては現在のものに統一しています
・>>1なりの想像、空想、妄想、仮説、考察、推論などが入り混じった内容となっています。ご容赦ください
・主人公以外の人間が主役になったりすることもあります。すいません
・明らかに間違ってるような内容があった時もどうか笑って許してください
・当スレではネタバレは禁止させていただいてます。雑談スレでお願いします
以下のまとめサイト様でまとめていただいてます
嗚呼！やる夫道 様
ttp://gokumonan.blog87.fc2.com/
泳ぐやる夫シアター 様
ttp://oyoguyaruo.blog72.fc2.com/
やる夫ＡＡ劇場 様
ttp://yaruoaagekijou.blog.fc2.com/
前スレ
やる夫と学ぶ野村克也 １６
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1398095439/l100
雑談スレ（ネタバレはこちらでお願いします）
やる夫と学ぶ野村克也 雑談所６
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1406111925/l100
過去スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/storage.cgi/otaku/12973/?q=%CC%EE%C2%BC%B9%EE%CC%E9
そしてそう来たらと思う絶望感。
確かにこれはアウトにできませんわｗｗｗｗ
ひたすら地味に強い
北の湖のような感じ
ひみつ道具やろなあ…
つどこでもドア（隣に置いて、捕球と同時に二塁に行く）
飛行機が使えないノムさんの時代じゃ無理だったかな
新幹線が出来る前の広島や西鉄は夜行列車で移動してたらしい
特に貧乏な広島は悲惨だったとか（ソースは中沢啓治のマンガｗ）
福岡のライオンズ、宮城（仙台）のオリオンズが最長距離の時代だったね
ゲンはあの当時だから仕方ないとはいえ、今考えると野球ファンとしては最悪なレベルのファンだったな
それ言うたら、今がむしろお行儀が良すぎるぐらいなんやで
今と昔を同じ尺度で測ったらアカン
あの時はアレが当たり前だったんや
広島だけじゃなく野球ファンなんてみんなあんな感じだった
入団渋ってる選手を襲撃して怪我させたファンもいたんやで…
荒川事件でしょ。
ドラフト拒否した奴を半殺しにして引退に追い込まれる怪我を負わせたんだよな。
しかも犯人は捕まっていない。
15年くらい後の凶行1件挙げてほら昔のファンはみんな相当乱暴でしょってのはちょっと違うんでないの？
同時代だと阪神ファンがバットもって相手ベンチに突撃したとか
中日ファンが球場になだれ込んだとか
西鉄ファンが相手チームの宿舎を取り囲んでどえがき出せとか色々あったよ
ちなみに前二つはそれが原因で没収試合になったりしてるｗ
外野席での乱闘も、１０年ちょっと前の珍プレー好プレーなら場外乱闘ってことで笑って済まされてたし
ただ球場にファンが数十人単位で乱入ってのは多くはないけど稀というほどでもないレベルであったと読んだことがある
それは大人しくなったとかじゃなくて、正常化したんだろうって話だ
落ち着け、だれもそんな話はしてない
「広島ファンって酷かったんだなあ」→「まあ時代が時代だから多少はね？どこも似たようなファンはいたし」ってだけよ
近鉄ファンの友達と埼玉から藤井寺徹夜行列ツアーを企画。
甘かった・・・。
だあれもいなかった・・・
当時の本拠地日生球場に行くべきやったな
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. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
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,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ 君
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ は
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ 実
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ .に
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ', 馬
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! .鹿
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i だ
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | .な
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j °
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
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ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ ← 次回このAA大活躍
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やる夫と学ぶ野村克也 第２４話「悪魔のささやき」
９月７日（日） ２１：００から投下予定
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. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: :::
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Λ＿Λ . . . .: : : ::: また有言実行（８月中投下）
/:彡ミ゛ヽ;）ー､ . . .:
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: できなかったよ
/ :::/;;: ヽ ヽ ::ｌ . :. :
￣￣￣（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ￣
プライベートに支障が出ないようにゆっくりやってください
今日のノムさんと石井一久の掛け合いはいかにもって感じだった
いやまあコイツは投手コーチの言うこともちゃんと聞いてたかは定かじゃないけどもｗ
そして石井ｗｗｗ
少なくともサッチーの忠告には従って女と別れた
登板前の日でも明け方まで連れまわしたり酷かったからね
そうなの？それはひどいなあ…
女子アナと野球選手の結婚についてはとやかく言う人もいるけど、
少なくとも大学は出て入社試験にも合格しているわけだから、
そうそう人格が破綻したような人は少ないと思うし、
しっかりした人が多い印象がある
石井のサポート徹していたから良妻かな
結婚したら夫のサポートに徹して表舞台に出なくなる人もいる反面、
読者モデルくらいの中途半端に知名度のある人だと、
野球選手の旦那の知名度を利用して、
自分も有名になろうという野心が見える人がたまにいるよね
自分の贔屓チームの元四番がモロにそれだorz
結婚後も献身的に支えている人達もいるんだけどね。
ただどうしてもサエコという地雷が目立ってなあ
石井一久が結婚当時に奥さんの得意料理を聞かれて
「サラダです」と答えてたから、料理ベタなイメージがついたのかも？
>・当スレではネタバレは禁止させていただいてます。雑談スレでお願いします。
これもまた良妻だろうなあ
マー君が離脱して某所では里田まいの評価が180度変わった
あいつらの手のひら返しはひどい
中條かな子も中嶋美智代も可愛かったなあ
○エコのことかー!!
元アイドルで超良妻とかいう
なにその理想の嫁じゃねえか
Λ＿Λ
（´∀｀ ；）-､ 今回、第９話以来の２００レス超えです
,(mｿ)ヽ i
/ / ヽ ヽ ｌ スッキリまとめられず、ごめんなさい
￣￣￣ （_,ノ￣ ヽ､_ノ￣
投下します
(ヽ三/) ））
( i)))
／￣￣＼ ＼
／ _ノ ＼ ）
| （ ＞）（＜） いよいよ今回、お待ちかねの
. | ///（__人__） ささやき戦術の紹介か
| ｀ ⌒´ﾉ
. | } 楽しみだろ！
. ヽ }
ヽ ノ
⊂ヽ γ く
i !ｌ ノ ﾉ |
⊂ｃノ´| ｜
__,,.. - ‐ - ､,,_
イ彡三ミ三ミﾐヾミヽ,,
,イ彡〃７ｲﾉﾊ! __ .{｀ﾞﾞﾞﾞヾﾒ
ｲ≦彡ﾒ /≧＝-､ ｀} ‐-‐Ⅵ
.ｲ彡´ 彡 ､ ＝= , ､‐≡ﾆ 一回でまとめて説明するために、
彡ﾉ 彡' ｀ー一 '丿ｰ ヽミﾒ､ 今までこの話は省き続けてきたからな
ｲ彡ｬ-彡{ ／ｒ ﾆ二ゝ--= ,,.)､ i
彡i r､ 彡 ! /Y‐- ．."二_ ‐ ｧl l 満を持してというところか
彡l ）彡. l:::::::::::::::::::::::::::::l l
ｲﾒ､ ｀ 彡ﾄ､ l:::::::::::::::::::::::::::::j l
川 i:iｔ‐''''''' ヽ:_:.:.:.::::::::::::::ノ .j
川 ll ゝ､ ￣￣￣ ノ
- ‐ ¨￣Т !｀ヽ ￣ ¨ T ￣| ｀ヽ-- ．_
.l ﾍ ＼ ｰ' .l〉)ヽ ﾍ
.ﾍ ﾍ .＼ ‐-- /./ ｌ ﾍ
＿＿＿_ ━┓
／ ＼ ┏┛
／ ＼ ,＿＼. ・ やらない夫は現役時代のノムさんは
／ （●）゛ （●） ＼ 詳しくないんじゃないのかお？
| U （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ どうして知ってるんだお？
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒） ノムさんがささやき戦術をやってたってのは、
| （__人__） それくらい有名なんだよ
| ｀ ⌒´ﾉ
,| } そりゃ、詳しい話はあんまり知らないけどな
／ ヽ }
く く ヽ ノ
＼ `' く
ヽ、 |
| |
,. ィ千／zyxｫｬzyxx.､､___
,イl i l i／ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ≧x,_
/ l i l i /ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐx
{ l i l ｉ ,'ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ≧
',l i l i {ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ
x≦ゝ､ l iⅦミxミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ
／ ,ｲil州シ￣ Ⅶ寺;＼ ｀ﾞ''ﾏ三三三
/例洲/ Ⅵ ヾx_＼ }三三二
! '/洲,' ,..､ ヾ／ _,.､､_ }三二二
併il,'_,....､ ｀ 'ー‐ '´ x圭圭圭≧x ｲ三二二
′/圭圭ﾐx_ { ,′_,ィ圭彡''ﾞ´ _￣ ｀i三三二 現役時代の野村の得意技でな
{~_＿｀ﾞ等:=- ｀等;ｨrt;ｧ'' "￣,ﾉ }三三三
‘, ﾍ‘'″.ノ,r ::::::_｀¨¨＿´, }三三三 代表的なエピソードの１つでもあるのだ
/ _￣, / ｀ }三三三
{ ￣,r′ ヽ､ }三三7/
‘, _λ _＿_ﾉ ｀ ‐- 〈三三{ ５
| i ゝ-‐ ´ __ ', }三三!/く
l l ,. ﾆ = -─ ¨ ´ _ヽ. ‘,ヽ ,j三三
l l }-───… ''' "´ ﾉ i ｀ﾞミ ___,／
l l _,. ''´ ! :::
',. ￣、¨¨ ￣ :::
ヽ、 ￣ :／
／,'>.､ ＿ _,. -‐ ／ ,
_／x./ハl::::::::::￣ (¨￣ ／ ／×
＿＿＿＿,.ｨ´××/ i ｌ::::::::::::::::::｀ー ／ ／××
_,.. -ｪ‐ヌ×××××××/×! l::::::::::: ／ ／×××
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 今まで散々ノムさんならではの話を
／ （●） （●） ＼ 聞いてきたつもりだけど‥‥
| u （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ まだまだあんのかお
r､ r､／ ヘ
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
＼>ヽ/ |｀ ｝ | |
ﾍ lノ `'ｿ | |
/´ / |. |
＼. ｨ | |
| | |
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ 紹介しても紹介しても、
｜:::::⌒（__人__）⌒::| エピソードが尽きないんだからな
| ｢匸匸匚| '"|ィ'
, ヘｰ‐- ､ l ｜ /＾''⌒| | 本当に、ノムさんは凄いだろ
-‐ノ .ヘー‐-ｨ ヽ !‐}_＿,..ﾉ ｜|
''"/／ヽｰ､ ﾉヽ∧ `ｰ一'´ ／ |
/／＾＼ ヾ-､ :| ﾊ ￣ ／ ﾉ |
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ﾉ:l 'ｰｰ＜. / |.
/ <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ :::ヽ ＼ ｀丶､ |
＼＿＿_,／| ! ::::::l、 ＼ ＼|
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ ま、今回もとりあえず
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| | 話を聞いていくとするお
＼ `ー'´ (⌒)
＞ ﾉ ~.ﾚ-r┐､
/ ノ__ | .| | |
| 〈￣ ｀-Lλ_ﾚﾚ
| ￣｀ー┬--‐‐´
／￣￣＼
／ ⌒ ＼
| ﾐｨ赱､i .i_r赱 正直、俺はずっと楽しみにしてただろ
. | ::::::⌒ （__人__）
. | ﾄｴｴｴｲ
. ヽ ｀""´}
ヽ ノ
/ く
, ,. .＿＿
__//〃'´::::￣::¨::''‐､
／:::;:L!{l;;;ﾊ::::､::::::::::::::::::::ヽ
〃::/_- ､ ! |ﾊ｢ヽド､::::::::::::::i
. l::∠=ヽ_{∠_,ノ;三ゝ.j三ミ､::|
l〈.､＝<, `ｰr'＝=; }三ミﾐ :| 今回は、野村が若手時代の頃から
. ｆ7ヽﾆﾟｲ ﾞヾﾟニ´ }::}ﾆヾ::|
. l｣ / '''' ､ }::7´ |::| 遡っての話となる
〃 r'＾ー‐--'^ｰ ､ ﾉ::{ r'/:::|
ﾞ{ ! 」二二二フ } ヾﾐT´::::::|
ヽ、 ｰ- ' , ｉ.|､:::::ﾘ
. _r'ｆ ｰ:----‐ ''´ ! ﾄ;ヾ'、
-‐ '7´| l | `ー' .／/.+ l ` ｰ-
+./.+ |+ヽ、 ／／+ +/+ + +
,ｘ彡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V }-､
人::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{刈::::ミ､
f::::::::::::::::::::::::::ィ了::::::ィ 爪⌒^ ヽ::::､
}::::._::::::-:::::／ /／ / , _, Ｖ
「ﾆ- ￣ ｛､ ､ ｘ｝
{ - -ﾆ} ィ≪三=- _ ｨ≦三j
,｝- -ﾆ::::::f '"r‐tｯ‐ァ`" 〔ゞ' -く 野村の立場がまだ一選手だったり
f=-::＞く:::::::{ ￣ , ヽ l 引退したOBがまだ現役だったりするので
｝::::::l ミ:::::l ￣ ヽ .{
〕::::::l ミ::} ／（＿＿___ノ l 気をつけてもらいたい
ｌ::::::::::ヽ `’ / , ---､ l
Ⅵ:::::::::::＞r--' ｀￣ - l
ヾ;,;::r／〔l ノ` 、
／^!::::::ヽ＼ `ー――――＜‘.:::、::`ー―――-- ＿＿＿
_r〜:::::::::::ヽ:::::::、 ＼ ,， ￣￣ ヽ':::::、.:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
-=ﾆ￣::::::l:::::::::::::::::::、::::::、 ＼ > ' ￣`ー-〈 ‘:::::､:::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::、:::::::、 ` ァ'" ,，＿＿ﾉ l:::::､:::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::、::::::＼／ ー=''"￣ } l:::::::､::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::、::::::/ ＿,， ⌒ヽ l::::::::､:::::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::／ 人.l::::::::::､::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::
／￣￣＼
／ _ノ ヽ .＿＿＿_
| （ ⌒）（⌒）／⌒ ⌒＼ ＜＜ はーい
. | （__人__） .（●） （ ●）＼
| ｀ ⌒ﾉ ⌒（__人__）⌒:::::＼
. ヽ } . |r┬-| . |
.ゝ＿,. ノ＿＿__`ー'´＿＿_.／
-(＿＿_.)-(＿＿)＿__.)─(＿＿＿)─
＿＿＿＿
／ ヽ::
/ |
|＿＿＿＿＿毛＿_|＿
| )＿ ＝ ー＝┐
| ヘノ i = .人.=.ﾉ
し ￣/､__> |
ヽ人 ー （ __i_ ）ﾉ
／ ＼ヽ、 ´ ノ /
／ ＼＼ー- ' `ヽ
/ ﾞヽ ､::::::/ ﾞl
l/"⌒ヽ, ＼ ヽ ＿ _l
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やる夫と学ぶ野村克也
第２４話「悪魔のささやき」
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, ─── ､
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ ‘|‘ |､ ヽ.
. / ／ ｀ー ●ｰ´ ヽ
l / 二 | 二 |
| l ─ | ─ l
l | | ） /
ヽヽ ／￣￣￣￣ /
〉━━,-､━━━━く
/ ／ ヽフ ＼. ヽ
ささやき戦術。
_
.ィ:::::::)1≧x
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト|
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
打者がバッターボックスで構えた際に、捕手が何事かをささやき、
集中力をかき乱して打てなくする戦術、いわゆる心理作戦である。
現在では野村の専売特許のように思われているささやき戦術だが、
最初にこれをやり始めたのは、実は野村ではない。
_,,,,,--―――--,,,,_
. ,r-‐'´r-―-､;;;;;;r-―-､;;;｀`ヘ
,〆;;;;;;;;;/｀`ゝ､ ∨ _,,-''´ヽ;;;;;;;;;;＼
／;;;;;;;;;;;;;;l `''-l-''´ l;;;;;;;;;;;;;;ヽ バッターの立場で考えたら
/;;;;;;;;;;;;;;;_,,,l ･ ∧ ･ |＿;;;;;;;;;;;;ヽ
/;;;;;;;;r-'´ ヽ､ ,ノ-ヽ､＿＿,ノ ｀ヽ;;;;;;;;∨ キャッチャーから話しかけられることほど
,';;;;;;;/ ｀￣´（;;;;o） ヽ;;;;;;;l 嫌なことはないんだ
l;;;;;/ ￣￣￣ /::::::::ヽ ￣￣￣ l;;;;;;|
|;;;;l ――― (:::::::::::::::) ――― |;;;;| ピッチャーの投げる球に集中できなくなるからね
l;;;;| ,,,- ｀￣￣´ ー--,,,,__ |;;;l
,r-―-､ i;;;l -‐'''´ ,r'´￣｀ゝ―'''´￣￣｀ヽ l;;;l
/ ヽ ',;;;l ／;;;;;;_,r-―――--､;;;;;;;;;;ﾍ i;;;l
l ／`ゝ､;;l {;;;;;r'´::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;| /;;/
ヽ ／:::::::::::::::ヾ ヽ;;;l::::::::::,r-――-,,,_ l;;;;;;;;ﾉ /;;/
ゝ::::::::::::::::::::::::::ヾ: ｀ー'''´ ｀ー''´ /／
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ-―――――――――――ｧ-､
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l::::＼ ,-‐'´｀ヽ､ ,〆:::l:::::ヽ
ﾍ::::::::::::::::::::::::::::ゝ--ｧ＼＜´ 〉-〈 ＼／r-､/::::::::::::ヽ
＼:::::::::::::::::i:::::::::<:::::::::`ゝ､ | | ,〆:::::::>:::::ヽ:::::::::::::}
野村が若手時代はどのチームのキャッチャーも当たり前のように
行っていたほどで、むしろ一般的なものであった。
つまり、既に球界で確立されていた戦術だったのである。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ だから勝つために、
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! 人の嫌がることは
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i 自らすすんでやらないとね
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
その流れで野村もささやき戦術をやり始めたのは、当然といえば
当然の話であった。
もちろん、野村自身も餌食になったことがある。
まだ南海ホークスのレギュラーに定着して間もない、１９５０年代後半頃のことだ。
_
.ィ:::::::)1≧x おう、新人
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト| 最近お前、調子良いようだな
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
l /
′／
／、 ＼
/．ﾉ─ ､ ヽ あ、はい
●- ´ ＼ ヽ
__| 二二 i i どうも
（__ ── | !
( _ ! /
＼ / /
_ ６━━━━━━、
（ ）`| ＼ ヽ
ある試合でバッターボックスに入ると、相手のベテランキャッチャーにいきなり話しかけられた。
他球団とはいえ先輩選手なのだから無視をするわけにもいかず、相槌を返す。
最初は適当に話を合わせていたが、いつまで経っても口を閉じない
そのベテランキャッチャーはやがて、びっくりするようなことを言ってきた。
_
.ィ:::::::)1≧x ところで、俺はお前さんのホームランの軌道が好きでな
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト| どうだ？ 打ち頃の球放らせるから見せてくれないか
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
／
／
｀ ｰ
_,.＞
r "
マジで！？ ＼ ＿
_ r-''ニl::::/,ﾆ二 ｰｰ-- __
.,／: :// o l !/ /o ｌ.}: : : : : : :｀:ヽ 、
／:,.-ｰl { ﾞ-"ﾉﾉl ｌ. ﾞ ‐ﾞﾉﾉ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
＿＿l＞ゝ､,,ヽ /;;;;;;;;;;ﾘﾞ‐'ｰ＝" ＿゛ =､: : : : : : : :ヽ、
/ ＿________｀ﾞ ｀'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
...-''"│ ∧ .ヽ. ＿_______ / ____ ---‐‐‐ｰｰ ＼: : : : :
! / .ヽ ﾞ,ゝ､ / ____＿___rｰ''"￣''ｰ､ `､: : :
.ｌ.／ V ｀'''ｰ-、__/__r-‐''"゛ ￣￣ ＼ ﾞl: : :
ｌ .,.. -､、 _ ‐''''''''-、 ｌ !: :
｜ ／ .| .! ｀'､ | l: :
ｌ | .ｌ,,ﾉ ｜ ! !: :
/ 'ﾞ‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__ｌ＿__ ｀´ ｌ / /: :
＼ ｀ﾞ^''''''―- ..___＿＿＿/_／ /: : :
`
なんとも信じがたい申し出だったが、まだ一軍での試合経験が浅く、
ささやかれることにも慣れていない野村はこの話をまんまと信じた。
＿＿＿＿
. ／´ /⌒ヽ ⌒ヽ｀＼
/ , -| ＞|＜ |−､ ヽ 粋な人だなぁ
/ ／ ｀ー ●ー ′ ヽ ヽ
ｌ / .二 | 二 ヽ ｌ ようし！ なんとしても打ってみせるぞ！
/⌒ヽ| ｌ l ─ | ─ | | |
〉､__ノl | ＼ | ﾉ ｌ
| ヽヽ ヽ､ | ／ /｀ヽ
ヽ ヽ ￣￣￣￣ ／ ｌ
ヽ ＼ ＿＿＿＿＿＿_ /⌒ヽ ﾉ
. 〉 `ー──◯──‐ヽ＿ノイ
ｌ ／ ＼ |
_
.ィ:::::::)1≧x
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト| ああ、いっちょう頼むぜ（笑）
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
むしろ自分の打球に惚れ込んでくれたという先輩のためにも、
何としても打たなければと使命感さえ溢れたほどであった。
打たせてくれるということは、打ちやすい球をピッチャーに
要求してくれるに違いない。
_ -=ニニニ= _
,.':⌒:ヽ , : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
i. ;ﾉ＼ , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
＼ｰ ＼ /: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧ さあ来い！
＼ ＼ ,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ',
＼ ＼ i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : !
＼ ＼ {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i
＼ ＼ i: -- ､ i ´ ---- : ,
＼ ＼ .',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
＼ ＼´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ // :ハ
＼ ＼＼､ ｰ -┴─ ' ´ ,.ｲ: :∠: :∧
＼ γ⌒ヽ; _ __ -ﾁ'´: : : : : : : : i
{ }V -Y==Y=,ｘく: : : : : : : : : : : : : : |_
:::､＿_ノ{:Y´ ゞ-'／: : : : : : : : : : : : :./: : :|::::Y
ヽ∨ ∨: : : : : :＞:' 、: : : : : : : : :j- '
{ ﾘ : : : :＜ V: : : : : : 7
y､＿／-=＜ j }: : : : : /
＼ ヽ-_ー '_,∠: : : : :,′
）_.ノ ト-: : イハ
i ,'
ﾍ、 冫
真ん中のストレートに的を絞り、既に気持ちはレフトスタンドに飛んでしまっていた
のだが‥‥
＞──､ r:::.:..:....､
└──‐' r──､ ﾉ::::::::::::::i
く￣￣＼ / ／ | ,ｨ≦三ﾊ:::::!
￣二二_／ r─､ ＼ | ’ ￣Ⅶ Yﾌ ￣｀ヽ
∠´＿＿＿／| く＿ ＼、_ ﾉし'/／ ／ゞ、 _/l| _/:::::.. 、
∠二_ ￣ヽ ＿＿） て ′ 弋三ｿ ／.:::::i:::::::∧
｀} /´フ_／ ――＝二 ＝―― ﾄ-=≠＜ / ..::::::∧:::::::∧
| ,/ .__,,,． ﾒ、 （_ Ⅵ:::::::::::::≧}:::::才 }≧::圦
}/ .__,,,--ｰ'''“^ﾞ´._,,,,..． Ｙ＾ ＼ ` `寺:::::::::::::.`ｰ= (::::::::::::ノ
_,,,,.... --ｰ'''“^ﾞ´._,,,. --ｰ'''''' | ＼ ￣〉ｰ=::::::::::::::::::::::::::::ト､
._,,,,.... --ｰ''''''ﾞ _,,,,.... --ｰ'''''' ! ／ ￣ﾌ三二一一”ｰ'
''^￣＿,,.. -―''''''' ~ ,ｲ,ｲ ,ｲ / ／.:::::: ￣￣￣〉ｰ= 、
ﾚﾚ // l ／｀ヾ:::::L.. . . _＿＿/_/Ⅷ:::圦
/' | { ￣￣ Ⅵ::::::|
| | `寺ﾉ
| |
│ │
ト、 |
_| ｰ=}
／.::::.｀ヾ ﾉ
{ .:::::::::才"
￣
.
そんな上手い話が、あるわけないのである。
/ﾞ＼
/ ＼
.,..-''''"´.￣ ￣￣"ﾞ''''― ..,_ く ＼
/ _,..,,,,..,,,__｀ﾞ''''ｰ ,,_ ＼ ＼
./ ,／´ . ´゛'''ｰ-..,,ﾞ'''ｰ..,, ＼ ＼
lﾞ / ｀ﾞ''ｰ ﾐヘ..、 > ／
! ! ｀''' ｀'‐､、 ／ ／
! .| ゛ ／ ,､|
.! ..ｌ, ヽ ／| | 「|
|, ヽ │ ＼ ／ .! ! 「| .|」 .／〉
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ＼━━━|━━━ ’━━━━━ ｀ | | .¨ ／ ／━━━
:::::::::::::::::::::: ____,;' ,;- i ＼、_ ﾉし'/／ l」 ／.／
:::::::::::::::::: ,;;'" i i ・i; ＿＿） て レ'
::::::::::::::: ,;'":;;,,,,,, ;!, `'''i; ――＝二 ！？ ＝――一
::::::::::: ,/'" '''',,,,''''--i ﾒ、 （_
::::::::: ;/ .,,,,,,,,,,,,,,,,, ;i'"`i; ／ Ｙ＾ ＼ `
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━／━━ | ━━＼━━━━━━━━━━━━━━━━
ヽ ＼
ヽ ｀'-、
ヽ ｀'-、
＼ ﾞ'-､
＼ ｀'-、
＼ ､＼
＼ ＼、
＼ : ＼＼
＼ .､ ＼＼＼
＼ .＼ ＼ ＼ .､ ＼ ＼＼
｀ ＼ ＼. ＼＼＼ ＼＼、
゛ .＼ .＼ .＼ ＼
実際に投げられたのは緩いカーブ。
,/ ,ｲ ,ｲ
／〈 //// , ―― ､_
/ / ／| ﾚ ﾚ '――''''''
/ / l | , ―― ､_ ., イ ,ｲ ,ｲ ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__人
/ / l | '――'''''' ／／ .//// , イ ＜ ＞
/ / l l ／／ ﾚ ﾚ ／／ ＜ ストライーク！ バッター、アウッ！！！ ＞
/／ Y ／／ ／／ ＜ ＞
/ ／'" ／'" Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒W
|:| _ -=ニニニ= _
,..::'〈､:::::::;〉::､ ,.':⌒:ヽ , : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
/''::;;__!L;;;'/_;;::ヽi. ;ﾉ＼ , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
__!_:::::::::|i:::::!!:::::::::_＼ｰ ＼ /: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
|i,:|i:;〉､='ﾞ＝",.〈.:!i:,!| ＼ ＼ ,': : : / .Y .ﾄ､: : : : : ',
,..:'"::::ヾｰiトﾞ､ ﾉ.',';;!!':::::: ＼ ＼ i: : :从 ○ j! ○ ./ ヽ : : : !
,/:::::::::::::::〉;;iﾄ､,,＝＝＝_/'/::'::::::::::ノ､＼ ＼ {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_ ／ _ ---: : i
／ﾍ;::::::::::／{´_ ＿ ｀'＜; !:::::::／" ﾍ:::､ ＼ ＼ i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ ＼ |l|w/L ,r_／. ヽ:∠-一 ､:! ＼ ＼ .',- ‐二 ! U ｀ヽ､i: /_
〉 ＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ ＼. ∨､;;ヽ. i:| ＼ ＼´:ﾍ:.i'´ r- l ´ // :ハ
! ＜''i＼´ 彡x＼ ヽ. iﾞヽヾ i !:! ＼ ＼＼､ ｰ -┴─---， ,.ｲ: :∠: :∧
∨/ 〈ヽ> ； ’ ∠─:＼ i | .:; i ﾚ:/ ＼ γ⌒ヽ; _ __ -ﾁ'´: : : : : : : : i
∧! .／ }|::::::::::::::丶ノ! !|::;:/ { }V -Y==Y=,ｘく: : : : : : : : : : : : : : |_
∨.／´ヾ, r､r‐|＾`￣￣｀''＜::;! ,ノノ :::､＿_ノ{:Y´ ゞ-'／: : : : : : : : : : : : :./: : :|::::Y
ｰ-ﾍ l/／ }´_＿-─_二,;＜､_'/" ヽ∨ ∨: : : : : :＞:' 、: : : : : : : : :j- '
＿_ /＞-..,,! };丶.〉:::￣:::::::::::::::レﾍ _＿ { ﾘ : : : :＜ V: : : : : : 7
,..:≦:≧::.､｀ﾞ'＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞ｰ,..:≦:≧:.､ y､＿／-=＜ j }: : : : : /
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:〉丶､｀､:::::::::::::::::::::::::::::／ .〈ﾍ:::;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ＼ ヽ-_ー '_,∠: : : : :,′
/:::::::::::::::::;;;;/＜:i. ＼ヽ:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:/ ,〉:::;;;;;::::::::::::::::ﾞヽ ）_.ノ ト-: : イハ
!:::::::::::::::::::::::;;;j ﾞ、. ＼ﾞ''''''''''''''"/ ／《／{:i;;:::::::::::::::::::: i ,'
ﾍ、 冫
ストレート一本に的を絞っていた野村は、バットを動かすこともできず、
あえなく見逃し三振を喫する。
_
.ィ:::::::)1≧x
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト| はい毎度あり〜（笑）
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
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_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
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／
｀ ｰ
ちょっと！！ _,.＞
r "
どういうことなんですか！？ ＼ ＿
_ r-''ニl::::/,ﾆ二 ｰｰ-- __
.,／: :// o l !/ /o ｌ.}: : : : : : :｀:ヽ 、
／:,.-ｰl { ﾞ-"ﾉﾉl ｌ. ﾞ ‐ﾞﾉﾉ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
＿＿l＞ゝ､,,ヽ /;;;;;;;;;;ﾘﾞ‐'ｰ＝" ＿゛ =､: : : : : : : :ヽ、
/ ＿________｀ﾞ ｀'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
...-''"│ ∧ .ヽ. ＿_______ / ____ ---‐‐‐ｰｰ ＼: : : : :
! / .ヽ ﾞ,ゝ､ / ____＿___rｰ''"￣''ｰ､ `､: : :
.ｌ.／ V ｀'''ｰ-、__/__r-‐''"゛ ￣￣ ＼ ﾞl: : :
ｌ .,.. -､、 _ ‐''''''''-、 ｌ !: :
｜ ／ .| .! ｀'､ | l: :
ｌ | .ｌ,,ﾉ ｜ ! !: :
/ 'ﾞ‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__ｌ＿__ ｀´ ｌ / /: :
＼ ｀ﾞ^''''''―- ..___＿＿＿/_／ /: : :
`
訳が分からず、相手が先輩選手ということも忘れて野村は思わず
食ってかかった。
しかし相手も慣れたもので、軽口を叩かれ簡単にいなされる。
_
.ィ:::::::)1≧x おいおい、俺は一言も
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト| 「ストレートを投げる」なんて言ってないぞ（笑）
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
＿＿＿＿
‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼ ぐっ‥‥！ ギギギ‥‥っ！
／:::::::::::::::/:|-'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l
:::::::::::／ し' ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::|
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:!
:::::::/ ∧ー――- .| ――∧- l|
:::::::| し' ＿ | ー- し'_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
::::::::' 、 ￣ / ,
＼::::::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／ / |
＞------------ｒ―-:、------ゝ、 し'
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼ ← 若い頃はカーブが大の苦手
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
確かに相手の言う通り、「ストレートを投げる」とは一言も言ってない。
ストレートが来ると勝手に勘違いしたのは自分なのだ。
怒りを押し殺して、すごすごとベンチへ引き下がった。
しばらくは悔しくてたまらなかった野村だったが、時間が経つと
段々と考えも変わってきた。
／::::::::::::::::;;;;l | l;;;;::::::::::::::::＼
／:::::::::::: ''" ヽ. 。 ,.-‐-､ 。 ノ "'' ::::::::::::＼ 僕もキャッチャーなんだから、
::::::::／ ｰ-､,,,_ ￣´l::::::::::::l｀￣ _,,,､-‐ ＼::::::::::ヽ
,､-‐-､. ｀'''‐- `‐-‐' -‐'''´ ,.-‐-､:::::::::i, こっちだって同じことを
──----- | -----── ヽ::::::::::i, やればいいじゃないか
-----‐‐‐‐‐ │ ‐‐‐‐‐----- }::::::::::i
., _____,,,,,,,,|,,,,,,,_____ ,ノ i:::::::::|
｀'t‐----‐''''''´ ｀''''''‐---‐t''´ |::::::i
i i i:::::i'
.. i i i::::i'
, ヽ. / /::i'
i, ヽ ／ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ"'‐--‐'"ﾞﾞﾞﾞﾞ＼ ／ /:i'
ヽ ＼ / i／ ./'´
:＼ `''‐-､,,,,,,,,,_______,,,,,,,､-‐'´ ／
＼,,,,__ __,,,,,／
｛;,,,,,,,,"""'''''''''''''ゝ‐-､''''''''''''''""",,,,}
/ """'''''''''''''{=＝=}'''''''''''''"""ヽ
/ __,,,:::::::::／ ..`ｰﾞ‐" ＼:::::::::: ＼
/ / ヽ r￣＼
,'::::| ｝ | ::( |ヽ
. ! /ヽ.＿__,.ｨ| ｝＼ ／￣￣￣
そう、野村もキャッチャーなのだ。
ならば、こちらもささやき戦術を使って、相手を翻弄すればいいのである。
最初に野村がささやいていた内容は脅し、恫喝といった類いのものだった。
＿＿＿＿
／ − ､ −､＼ あのピッチャー、コントロール悪いから
/ , -| ・|・ |- ヽ 気をつけてくださいよ
/ ／ `− ●- ′ |
| | 二二 | 二二. | 下手すりゃ頭にいくかもしれません
| | |＼ -─ | ─_＿_） その時はすいませんね
_ ! | ! ￣￣￣￣￣ / /_
( __）＼ヽ ＼（二二二）／／(__） もし当たったら、痛いだろうなぁ
＼ ━━━━６━━ ／
| ／＿＿＿ヽ |／
| | ヽ＿＿ノ ﾉ |
| ` ─── ′ |
| ＿ | ____.__
|´ ﾞ| ._..-=ｯ''´￣;;_;;: ｀´｀ﾞ''ｰ､,
|,-―-.| ／ : : : : : : : : : : : : : : : : .＼
| l / ::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : : : : ...ｌ,
l'"゛｀ﾞ''| ｀ ｌ.:::::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : : .＿___ l ､
l..--;;､| /::::::::::::::::::::::::::::::::::_,, -'''ﾞ￣゛: : : ´..＼、
.／'¨ﾞ゛ ,ﾉ,! !::.::.:::::::::::::::::::,..-'":::: : : : : : : : : : : : .__,,ﾞ'､
/ ., ‐''ﾞ´ i!'―､ !::.::.::::::::::,,／゛:::::::::::::::::::::::_,,.. ッ''ﾞ!´::::::::::,ﾉ
l ‐''''"゛ `}′ .} .ｌ::.::.::::::'ゝy....､...... --=ﾐ´: : : .‐;;.|::: / '´ ‥‥‥
../ ..-l!''ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'ト.／ .,.....!:::::::::.::.:: : :.ｌ:./ : : : : : o: : : ､: │::.!｀'i､
. ヽ __i;;;;;;ｰlﾞ/ .,..ヾ .|ヽ: ::.::.::::: :.|′ .! l / ｌ `-､、
! ゛ ._〃l._..-'´ 、 .! .`ｰ､、: _./ U ....ﾉ./ ｜ ｀'-､
.,ゞ''''''"゛ _,ﾞ./ .| .! : : .|:,! ヽ、 ._,,..､ ./ / .＼
..i′ ,..y-'" _ﾐr､ ! .l ',＼ .｀'-､、'"゛ .‐ / : : / _.. -ｰ'''' ヽ
..ヽ .''" . ／ ＼ ｌ: .',,: .＼ ＼ , ___,ﾞ,'ッ'": : : _..-" : .／゛ !
事あるごとに、死球の危険性を吹いて回ったのである。
もちろん野村にそんなつもりは毛頭なく、だからこそ口にできたことだったのだが‥‥
しかし、対戦相手にはそれが本気かどうかなど分かるはずもない。
ささやいてくるのがまだレギュラーになって間もない若手捕手となれば、
腹立たしさも倍増した。
,イ从从彡ー'"￣ ｀ヽ､ ヽ人_从人__从_从人__从人_人_
フ=/. | ﾍ │. ＜ ＞
∠<,| ヽ､ . │ :r-‐＜ 先に野村にぶつけろ！ ＞
∠´7| ＞´＼丿 ￣∨ /＜ ＞
{/ . ／／＿, 八 ∨ ＜ 奴を黙らせろ！！ ＞
辷 ＼ ／ｨTェﾃr'"ﾉ ⌒ . ', | 〉＜ ＞
ゞｱ､ r'"｀ヽ=＝イ ｀ヽ .ﾘ／ノ ./Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y
〈 / _z-‐──- ､ ｰ､ゞ .Y _／￣￣
| i __,ソ ＼ ', ',:.
{ 廴_′ ,＞ ´￣￣｀ヽ､ゝ ', ',::.:.. イ
ﾑﾍｰ-‐'" __＿＿＿＿___| ! ,〉::::＞´
| .ﾄ-‐─'" / | ／≦´
／l .廴＿>-‐────'"|. |／｀i ,ｨヽ､_
／ .:.| ゝ､＿y-‐- ､＿＿__,ノ /:::::::::| .:.:.:.:.:.:＼
r=-‐'" .:.:.,ﾉ / ノ::: ::::::| :.:.:.:.:.:
/／ヽ .:.:.:.:.ム ｿｲ:: :::| .:.:.: .::::
//::::::∧ .:.:.:乂 /_人ノ´:::::::: | ' .::::: ／
//:::::::::::∧ .:.:.:.｀ﾍ从从""´::::::::::::::::::::::: | ／
//:::::::::::::::∧ .:.:.:.:.:.:.:.:/!::::::::::::::::::::::::::::::: |
西本 幸雄
、. ,
o
）
(｀メ､
）
(｀メ､
）
_, -: :¨¨¨¨`: :-:.._
, イ＞'ヽ, ‐<ヽ: : : :_:.＞ｘ
､. ,ｲ: :{{ Xj{＋ V-､: L_; i_:ヽ あいたたた‥‥
,rﾄ-'_,.ｲ ヾ=ｲ:ﾍヽ _ ノ !ヽ' r-':∧
`´i/ ヽ 弋ソ _乂_ノ ￣` ; : : :',
rt. { ,ｨ_ ,. i ,-ａ-､,...､_ V: : :i
_フ´i `¨j' l -ａ__ ////∧ .i: : :j
r-ﾍ／ _i-､＿＿,. Ｘ/////,'i j: :/∧
`ー‐＜ i/////////-∨ i:/ /:ハ
{///,'/ ヽｲ_ イ／／: : : :',
ゝヽ-- ' ⌒` ー ' ´＞'＜iV: : : : : i
〃￣`ヽ､--y--.r==ﾍ !:V: : : : :{
i V:7 ゞ'-ｲ i: :.V:,ィ⌒ヽ
打席に立った時には、報復として逆に自分がぶつけられることもあった。
実際、若手時代の野村は死球が多い。
監督だった鶴岡が対戦相手と折り合いをつけたことでこの件は収まるが、
同時に野村は、脅しじみたささやきを禁じられてしまう。
/: : : : : : ,,: ,: :|: : ,, ,, : : : : :に ヽ, _,___: : : : : : : : : : : : : ヽ, : : : : : : : :
フ: : : : : : : : : !､＿, : : : : : : :冫 i ／ : : : : : : :' :',',': : : : : : : : : : : : :
／ ＼_λ: : : : : : : :/ : : :/￣ ´ | ＼: : : : :,,,,,' ' ': : : : : : : : : : : : : : :
. / ⊃ : :,, :: ,, :｀ﾄz､::) ヽ | 丶､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/ ／^ヽ､ノ⌒): :<.l lilヽ､ ! ! , - ‐ヽ, _,-, ''''' : : : : : : : : : : : : : : 西本を始め、相手には私から
| / (,:; ; ; >゛‐-ﾟ ヽ ､ ,=＝__ ／: ,,,: : : : : : ,, : : : : : : : 言っておいた
| | , | , _ 冫 ゛弋‐ ﾟ-='_丶＼ｿ : : : : : : : :,,, : : : : :
| | / ハ / 'ヽ､ ,ゝ､_ ､ : , : :" : : : : : : ただし、お前もあのようなささやきは
| | |/ ', / _ ｀丶、 / 'ゝ_ : : : : : : : : : : 金輪際止めるのだぞ
| l .| ', ､丶- ／ テ ,, : : : ,,"___ :
| l | ', |>￣==ｯ)) ,' /'/ ＼ : :,,,,,/ "｀、
l ヽ ト ', ｀‐-､＿-' ／ / ／￣--" ｀
_.| ヽ | ヽ､. ! '‐- ,, ／ ／ ／
./´ ', ヽ | ｀, ｀ ‐--- ' ／ ／ ／
〃ヽ>、 ヽ | / 丶 '＿_ ＿／ ／／
鶴岡 一人
_ ＿＿＿_
,,-´ ＿ _` ヽ、
／ ／ ／|＼＼ ＼
/ ,,,−|／ /|ヽ ` |- ､ ヽ. はい
/ ／ ヽ ＿ | ＿./ ＼ヽ
| / ● || すいませんでした
| | ／ | ヽ |
| | / ／ | ＼ |
| | / ／ | ＼ /
/ ＼ | / | ＼ /
/ ＼ヽ ／￣＼＿|__／ヽ ／
| ヽ━━━━━┯イ ´
. | i＼ ＼ （T） ﾉ ﾉ
| | _＼ ＼ ＿ ／ ／
| | ＼ ＼（ ）／|
ささやき戦術を続けるには、違う内容のことを口にしなくてはならなくなった。
改めて考えてみれば、要は相手の集中力を乱せばいいのだ。
相手が耳を傾けざるを得ないような内容にすればいいのである。
＿＿＿＿
,. : ´: : : ＿: : : :＿｀ : ､
／: : : : :.y'´ ヽ/´ ヽ: : ＼
, ': : : : ＞‐{ ､_, |r9 }_: : : ﾍ 野球人だからこそ気になることとか
/: : :.／_ ﾍ ノﾊ, ノ ヽ:.ハ
': : ,:' ｀ ヽ､ 弋::::ノ￣_,. --- V:.i 相手にとって耳の痛い話とかね
|: 7 ￣｀ー-､, | ´＿＿＿, Ⅵ
i: { ---- .__ | }!
.V! ￣｀ヽ､. | ￣｀`ー ,:'
ハ! ＼. | ,. -- ､ /
ヽ ー┴‐ ´ ／
弋ー---x ' ‐､-:r ⌒ヽ-::ﾆ｝
7: ￣: :{ jｨヽ j￣: :j
|: : : : : :`ー:': : ＞':.´: :.＞'!
V: 弋ーt ≦ ー ﾌ ,i : : |
γ: : : :＼ ー─' , ｨ: : : : Y
>､_: : : : : : :r-- y: : : : : : _ﾉ_
弋 ￣￣￣) (_￣￣ ）
￣￣￣ ￣￣￣￣
それを踏まえた上で、どういったことをささやけばいいのか。
野村は知恵を絞った。
この頃になると、野村は既にパ・リーグを代表するバッターへと成長を遂げていた。
. , '⌒ 、
／(;;;::... j
／ ｀:ｰ／
_ -=: : :￣: : :ト _ ／ ／
x.:´: : :／' ¬､: : : : : : ｀:.､ ／ ／
,.:´:./¬ミ{/ .ｒ , }--y- _: : ﾍ ／ ／
/: : :.{ ０i、 ゝ' ﾉ ≠ ／ ヽ: ハ ／::: ／
. 7: : ／ヽ __k::::ヽ¬ ' .／ ',: .} ／:::;;／
{: ７ ト _ ゞ=r' -=ﾆ }: : :i ／::;;／
|: {---- ', i: : ﾉ ／::;;／
',:i _ -= , _ --‐‐-- γ⌒ヽ;／
',! γ , - ' ,-' x== 、ﾉ
ﾍ.人____／ ._,-' : : { }.:.ヽ
＼ ∠ : : : : : （_`ｊ=イ: :.:ﾉ
{ ＞＿...／ : : : : : : : イ=ﾐ: /ハ´
＼ |l|w/L ,r_／ （: : : : : : :ノ '´Yﾉｲ : : :ハ
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ |: :7 ＿__7==ﾊ¬ : : : : |
＼´ 彡x r!: {ハ 弋♀ﾉ￣ ﾌ 7: :|
> ； ’ ∠─ γ7|: : ヽ ＼__ _,／／: : :!
／ }| `{ ヽ: ＿＿,.ニー: :.'´＞' ´￣ヽ
／´ヾ, r､r‐|＾` ヽ＿＿ ノ ＼／ }
/／ }´ | ﾉ
/ ヽ ＿__ イ
レギュラー２年目の５７年に早速ホームラン王に輝き、６１年に再び同タイトルを獲得すると、
翌６２年からは６年連続二冠王、６５年には戦後初の三冠王の座を手にするなど、
球界最高のバッターの栄冠を欲しいままにしていく。
対戦するバッターからすれば、当然驚異の存在だ。
しかも野村はキャッチャーなのだから、打席に入れば意識せざるを得ない。
野村より若い選手なら尚更である。
. . . - ＝＝＝ -. .
, : ´.: : : : : : : : : : : : : : : : :｀ : ､
,:': : : : : : : :x --､: : , --ﾐ: : : : : : ヽ
_ /: : : : : : : :7 .Y V: : : : : :.ﾍ タイトルが獲れたのは
７:.ト: .__: ＞ { ! .L_: : : : : ∧ たまたまだけどね
,': : : :.／｀ヽ.人 ー'.人Q ノ _≧=---:.
┼─/---- ￣(:ﾟ:::::)￣ ´ ∨: : :! でも、これを利用しない手はないな
|: :./ ＿,. i x=ﾆﾆヽ.─V‐ |
',-{=ﾆ´ l /:: :: :: :: :ﾊ､_ i : 7
',:i ｀丶 l ',:: :: :: }::_:_j_ l｀:′
',:, ＼ l ヽ::ｘ '´ ':/
ヽ, ＼_ ｜ ,. イ 〃
j＞- _ ￣￣ _,. イ=､
,':::::::::::::＜::::r====t-=ﾆﾆ斗::': : : ﾊ
i: : : : : :.ﾍ 弋_()__ﾉ￣｀ヽ:/: : : : : /
l: : : : : : :∧ γ´￣ヽ＞'
|: :｀ト:_: : ---─=＝＝{ ﾘ:|
|: : :l ', ﾌ┬:': :l
|: :.∧ ヽ、 ／/ /: : : l
今度はそんな打者心理と、バッターとしての己の実績を利用したささやきをし始める。
ある試合で、売り出し中の若手選手がバッターボックスに入ると、
野村はおもむろに話しかけた。
, ──── ､
／ / ⌒ヽ ⌒ヽ ＼ よう
/ , -| ・|・ |- ､ ヽ
/ ／ ｀ー ●ー ´ ＼ ヽ 最近お前、調子良いじゃないか
ｌ / ─ | ─ ヽ l
. | ｌ ─ | ─ ｌ |
, ─ ､ｌ ─ | ─ | !
ｌ l , ─┴─ ､ ｌ /
ヽ､__ ノヽ ／ ＼ ｌ/
ヽ ヽ━━━,−､━━━━く
＼ ／ ヽフ ＼ ヽ
_ r‐､
イi:i:i:iゞｲ≧=-､
{:i:i:i:i:i:i:i少'´ 丁¨
i:i:i:才"´ ゜ 〉 あ、どうも
∨{｀ヽ r‐{
|从¨ ＼___フ
／､ ＼≠¬￣｀ヽ
／‐-､ ＼ ＼∧ i}
/ ヽ ＼ { i{ i
{ i ヽ:{ i{ ﾄ､
i :l i{。} i ﾑ
ﾑ } {。} } ',
i i} {。}､ i_＿〉
ﾄ､_________i} ＼。} i| ',
ﾊ ＿＿＿} ＼ } i
∧ :i }丶､ i
ヽ l 儿__ﾉ､ i
＼ :i＿＿ イ ヾ ＼
まだ実績こそ乏しいものの、その選手は絶好調でチームを
牽引している立場だった。
そこをくすぐりながら、ぼそぼそと言葉を続ける。
相手が聞く耳を持っているのが分かると、一言ささやいた。
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ そういえば、打ち始めたのは
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ 構えを変えてからだよな
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ 若いのに見事なもんだよ
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
_ r‐､
イi:i:i:iゞｲ≧=-､
{:i:i:i:i:i:i:i少'´ 丁¨
i:i:i:才"´ ゜ 〉 えっ？
∨{｀ヽ u r‐{
|从¨ ＼___フ
／､ ＼≠¬￣｀ヽ
／‐-､ ＼ ＼∧ i}
/ ヽ ＼ { i{ i
{ i ヽ:{ i{ ﾄ､
i :l i{。} i ﾑ
ﾑ } {。} } ',
i i} {。}､ i_＿〉
ﾄ､_________i} ＼。} i| ',
ﾊ ＿＿＿} ＼ } i
∧ :i }丶､ i
ヽ l 儿__ﾉ､ i
＼ :i＿＿ イ ヾ ＼
しかし、その選手に構えを変えた心当たりなどなかった。
_ r‐､
イi:i:i:iゞｲ≧=-､
{:i:i:i:i:i:i:i少'´ 丁¨ おかしいな‥‥ずっと同じつもりなんだけど
i:i:i:才"´ ゜ 〉
∨{｀ヽ u r‐{ 野村さんにはそう見えてるのか？
|从¨ ＼___フ
／､ ＼≠¬￣｀ヽ
／‐-､ ＼ ＼∧ i}
/ ヽ ＼ { i{ i
{ i ヽ:{ i{ ﾄ､
i :l i{。} i ﾑ
ﾑ } {。} } ',
i i} {。}､ i_＿〉
ﾄ､_________i} ＼。} i| ',
ﾊ ＿＿＿} ＼ } i
∧ :i }丶､ i
ヽ l 儿__ﾉ､ i
＼ :i＿＿ イ ヾ ＼
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ ‥‥‥
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
思わぬ言葉に首をかしげたが、野村はそれ以降は喋らず黙々とボールを受け始める。
それまで話しかけてきていたのに、急に無視するかのように黙られたことで、
その選手の不安は余計に増した。
もちろん野村の目から見ても、どこか構えが変わっているようには見えなかった。
要するに、ブラフである。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨ 別に脅したわけじゃないからね
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V 問題はないよね
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
_ r‐､
イi:i:i:iゞｲ≧=-､
{:i:i:i:i:i:i:i少'´ 丁¨ どこが変わってるように
i:i:i:才"´ ゜ 〉 見えるんだろう
∨{｀ヽ u r‐{
|从¨ ＼___フ 気になるなぁ
／､ ＼≠¬￣｀ヽ
／‐-､ ＼ ＼∧ i}
/ ヽ ＼ { i{ i
{ i ヽ:{ i{ ﾄ､
i :l i{。} i ﾑ
ﾑ } {。} } ',
i i} {。}､ i_＿〉
ﾄ､_________i} ＼。} i| ',
ﾊ ＿＿＿} ＼ } i
∧ :i }丶､ i
ヽ l 儿__ﾉ､ i
＼ :i＿＿ イ ヾ ＼
だが、それを言ってきたのはあの野村克也なのだ。
バッターとしての実績は言うまでもないし、癖を盗む名人でもある。
ひょっとしたら、野村にしか分からない変化があったのかもしれない。
その実績とエピソードが、野村のささやきに強い説得力を生み出していた。
_ r‐､
イi:i:i:iゞｲ≧=-､
{:i:i:i:i:i:i:i少'´ 丁¨
i:i:i:才"´ ゜ 〉 ‥‥俺の構えって、どんなんだったっけ？
∨{｀ヽ u r‐{
|从¨ ＼___フ
／､ ＼≠¬￣｀ヽ
／‐-､ ＼ ＼∧ i}
/ ヽ ＼ { i{ i
{ i ヽ:{ i{ ﾄ､
i :l i{。} i ﾑ
ﾑ } {。} } ',
i i} {。}､ i_＿〉
ﾄ､_________i} ＼。} i| ',
ﾊ ＿＿＿} ＼ } i
∧ :i }丶､ i
ヽ l 儿__ﾉ､ i
＼ :i＿＿ イ ヾ ＼
疑心暗鬼にかかったその選手はやがて意識しすぎてフォームを崩し、
徐々に調子も落としていってしまう。
このやり方で、野村は何人もの若手選手の調子を崩させていった。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ 、
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ 三__|__
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ 口 |
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ', ‐┬‐
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! │田│
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i ￣￣
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | ､ マ
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j 了 用
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′ '"`ー‐
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7 ,
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : / ﾚ |
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／ ノ
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
ホークス戦になると調子を落とす若手選手が続出したことで、野村は他球団から
「若手潰し」、「新人殺し」と呼ばれるようになり、中には野村と若手選手を対決させないよう
スタメンから外すチームも現れるようになる。
また、相手に話しかけるのではなく独り言をつぶやくだけの手段も
よく多用した。
|￣|.
| |
＿___,| Lﾆ= ┐
|＿＿_ __.. | 「 / rｰ; .ｨ圭≧ｭ.
| | | | |/ |／ ／＼ |才⌒ヾ:i
| | |｜ ／.. -''" Ⅵ ｣ | ＿
Ｖ |/ ／'" ＼＿/フ/´ ハ
. ィ" ／￣〉､_}
/ ＿イ ／ｰ=１
,､ / rt=={ ﾉ才 ∧
ｷ人_,/ _,,..-=::ヾ_ ﾉ￣｀ヽ ∧
） て=:::::才" ￣`ｰ=彳 ∧
_,,..-=/´⌒Y,." | ∧
,ｨ圭::::::::::::才" ＼ | _＿,,..ｨﾃ
Ⅶ圭才" L..ｨ≦IⅣ.:::::::::!
|::::::::::Ⅳ.:::::::::::|
l::::::::::::::::::::::::::::!
|::::::::::{::::::::::::::::|
|::::::::::{:::::::::/.::ﾉ
Ⅷ::::/.::::イ:::::j
Ⅶ::|::::::::::::::/
Ⅵl:::::::::::::′
}/.:::::::::::i
|:::::::::::::/
人::::::::/
／ １
ゞ≧ｭノ´
バッターが、ストレートを打ちファウルになった。
狙い球だったのを打ち損じたのか、タイミングは合っている。
_＿
イi:i:i:i:ゝ＼＿＿
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:少'´￣ノ
{i:i:i:i:才''" =｡zﾌ7 ファールか
（,ｒi| ，〉
V|｀ヽ __{ 次は打つぞ！
ヾ ＼ 'こ}
{ﾄ‐-､＿` ―
_イ＼/////ｲ､‐‐ ､
＼ ＼///i} ﾑ ＼
个 ､≧ｲ} 〉､ /＼
⌒} ＼/ { ∨ 仆､
、 i ヽ。}､ i}r{/}'7 ヽ
＼ ＼i || |ﾉｲ厂⌒ﾍ
＼r‐−宀､¨ i}
少'´￣ヾミ.::.:.:.:i} ‐- _ﾉ
／ `¬−┬≦¨
, −─── ､
／ -ヽ
/ , ─| ・ｉ ‥‥‥
/ ／ ヽ__ ●
. ｌ / ── |
| / ── |
l / ── └､
! i ＿＿＿＿__ ﾉ
ヽ | ／ ／/⌒ヽ
|━━━━━━━━／ヽ､_丿
| /
そんな時、野村はバッターの耳元でこうささやいた。
_ -=ニニニ= _
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ',
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : ! タイミング、合ってるぞ
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
∨',/〃:::::::::::ヽ. ＼. ∨: :./: : |::::Y
''i_Li_il::::::::::::::::::::::＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
〈ヽ ｀ ､::::::::::::::::::::::＼ i |: : : :7
.∧. ､ ＼:::::::::::::::::::::丶ノ!}: : : /
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
￣
_＿
イi:i:i:i:ゝ＼＿＿
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:少'´￣ノ
{i:i:i:i:才''" =｡zﾌ7 ？
（,ｒi| ，〉
V|｀ヽ __{
ヾ ＼ 'こ}
{ﾄ‐-､＿` ―
_イ＼/////ｲ､‐‐ ､
＼ ＼///i} ﾑ ＼
个 ､≧ｲ} 〉､ /＼
⌒} ＼/ { ∨ 仆､
、 i ヽ。}､ i}r{/}'7 ヽ
＼ ＼i || |ﾉｲ厂⌒ﾍ
＼r‐−宀､¨ i}
少'´￣ヾミ.::.:.:.:i} ‐- _ﾉ
／ `¬−┬≦¨
内容はどう聞いても投手に向けてのものだったが、ぼそぼそとした声では
到底マウンドにまで聞こえるはずがない。
_＿
イi:i:i:i:ゝ＼＿＿
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:少'´￣ノ
{i:i:i:i:才''" =｡zﾌ7 ノムさん
（,ｒi| ，〉
V|｀ヽ __{ そんな小さな声じゃ
ヾ ＼ 'こ} ピッチャーにまで届きませんよ
{ﾄ‐-､＿` ―
_イ＼/////ｲ､‐‐ ､
＼ ＼///i} ﾑ ＼
个 ､≧ｲ} 〉､ /＼
⌒} ＼/ { ∨ 仆､
、 i ヽ。}､ i}r{/}'7 ヽ
＼ ＼i || |ﾉｲ厂⌒ﾍ
＼r‐−宀､¨ i}
少'´￣ヾミ.::.:.:.:i} ‐- _ﾉ
／ `¬−┬≦¨
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ いいんだよ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ ただの独り言で、これは僕の癖みたいなものだから
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ 気にしないでいいよ
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
不思議がって、わざわざ話しかけてくるバッターもいたが、
野村は意に介さない。
そして２球目、またしてもファールになる。
|￣|.
| |
＿___,| Lﾆ= ┐
|＿＿_ __.. | 「 / rｰ; .ｨ圭≧ｭ.
| | | | |/ |／ ／＼ |才⌒ヾ:i
| | |｜ ／.. -''" Ⅵ ｣ | ＿
Ｖ |/ ／'" ＼＿/フ/´ ハ
. ィ" ／￣〉､_}
/ ＿イ ／ｰ=１
,､ / rt=={ ﾉ才 ∧
ｷ人_,/ _,,..-=::ヾ_ ﾉ￣｀ヽ ∧
） て=:::::才" ￣`ｰ=彳 ∧
_,,..-=/´⌒Y,." | ∧
,ｨ圭::::::::::::才" ＼ | _＿,,..ｨﾃ
Ⅶ圭才" L..ｨ≦IⅣ.:::::::::!
|::::::::::Ⅳ.:::::::::::|
l::::::::::::::::::::::::::::!
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Ⅷ::::/.::::イ:::::j
Ⅶ::|::::::::::::::/
Ⅵl:::::::::::::′
}/.:::::::::::i
|:::::::::::::/
人::::::::/
／ １
ゞ≧ｭノ´
これで２球連続、ストレートを打ってのファールである。
そこでも野村は、構えながら小さな声で呟いた。
_ -=ニニニ= _
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ',
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : ! ツーストライクだぞ
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
∨',/〃:::::::::::ヽ. ＼. ∨: :./: : |::::Y
''i_Li_il::::::::::::::::::::::＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
〈ヽ ｀ ､::::::::::::::::::::::＼ i |: : : :7
.∧. ､ ＼:::::::::::::::::::::丶ノ!}: : : /
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
￣
_＿
イi:i:i:i:ゝ＼＿＿
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:少'´￣ノ
{i:i:i:i:才''" =｡zﾌ7 ‥‥‥
（,ｒi| ，〉
V|｀ヽ __{
ヾ ＼ 'こ}
{ﾄ‐-､＿` ―
_イ＼/////ｲ､‐‐ ､
＼ ＼///i} ﾑ ＼
个 ､≧ｲ} 〉､ /＼
⌒} ＼/ { ∨ 仆､
、 i ヽ。}､ i}r{/}'7 ヽ
＼ ＼i || |ﾉｲ厂⌒ﾍ
＼r‐−宀､¨ i}
少'´￣ヾミ.::.:.:.:i} ‐- _ﾉ
／ `¬−┬≦¨
バッターとは、無意識的に三振を嫌がるものだ。
追い込まれたことを強調されれば、それを嫌でも意識させられた。
_＿
イi:i:i:i:ゝ＼＿＿
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:少'´￣ノ
{i:i:i:i:才''" =｡zﾌ7 （ ２球連続でストレートをファールだもんな‥‥
（,ｒi| ，〉
V|｀ヽ __{ タイミングは合ってるってノムさんも言ってたし、
ヾ ＼ 'こ} 同じ球種を３つ続けるってのも考えにくい
{ﾄ‐-､＿` ―
_イ＼/////ｲ､‐‐ ､ 狙いを変化球に変えるか ）
＼ ＼///i} ﾑ ＼
个 ､≧ｲ} 〉､ /＼
⌒} ＼/ { ∨ 仆､
、 i ヽ。}､ i}r{/}'7 ヽ
＼ ＼i || |ﾉｲ厂⌒ﾍ
＼r‐−宀､¨ i}
少'´￣ヾミ.::.:.:.:i} ‐- _ﾉ
／ `¬−┬≦¨
, ─── ､
／ /⌒ ⌒ヽ ＼
/ , -| ・|・ |‐､ヽ ‥‥‥
/ / ｀ー ●ｰ ヽ
ｌ | 三 | 三 |
| ｌ ＼ | / ｌ
ヽヽ ヽ､ ____|___／ /_
>━━━,-､━━━ ( _ )
/ ／ ヽフ ヽ ／
２球連続でストレートに手を出し、タイミングも合ってたという。
まさか３球連続はないだろうと思い、狙い球も相手には明白だろうということで、
バッターは狙い球を変化球に切り替えた。
そうなれば‥‥
.ｌ, .ｌ .,! ｌ / ／
.ヽ ! | / / ／ ．． .／゛
ヽ .| ,! / ／ ／ . /.//
. ｌ .ｌ .! / / ／ . / ./././.// /
ヽ .! ﾟぐ'iﾞlﾞi / / ／ .､.// / /./ //////
.ｌ 、 _,.,､‐ﾞ'xﾞl,,|l,,| / / ,／゛ ., / //./ /./ .// //
ヽ［''〜''''"~｀ __ ‘┐ / ／ ,／ , ／ ././ / //
ヽヽ .,,.-‐''"｀.| ,i´ / / ,／ ,..-'´ .､/ .゛ //
. ｀｀’ | | |＾l .／ ,／゛ ._ ／ ./ //
ヽ .! ﾄ .| /'''',,,," 彡 / ,／゛ ,..-'´ ./ // ´
ヽ .ｌ | | ｀ﾞ＾ _,| │ ._,,,､ r‐'ｌ .r､、 ／ . ,..-'´ / ./
-、 ｌ. !〕 .｝ .,／,_ | .｝ .ﾞl.| ﾞl / lﾞ ._..-'´ / /
｀'-､ ゎ,,,,,,､-ｰ''''"′ ﾞl、 l＿,'" | .| │ ﾞl | |/ lﾞ／´ _ ./ /
., . ＼ .ﾞl, ＿＿,lﾞ {_,lﾞ . : ﾞl,,ﾉ '"│ / . _,, ‐''"゛ / /
. ｀''-..、 ｀''-、＼,､ｰ'''"｀｀: ｀｀ ´ .lﾞ lﾞ _,, -'''" / / ＿,,,,
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｀''-､, ＼ : -'´ ._,, ｰ'＼,lﾞ ＿,,,,.... / /
＾ .. -''''" ___,,,,.... --ｰ'''''''"ﾞ￣゛ / /
＿＿＿＿＿＿＿_ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_/ /＿＿＿＿＿＿
ｌヽ ﾞ''''¬―--- ........,,,,,＿__、 / /
_.. ‐.,． .ｌ ヽ.､,''ｰ .,ﾞﾞ'''ｰ-､,,,_ .￣￣../ ,/__
_..-'"ﾞ.,／゛ ,, , ヽ .＼ﾞ'-、.｀''ｰ ..、 .｀ﾞ'''ｰ ..,,、 ／ ／ ￣￣ﾞﾞﾞ''''''''¬―--
.,..-'"゛ ,／゛ / i′| .ヽ ﾞ'-、 ｀''ｰ ． ／ ／
.-'"゛ . ／ / / ｜ .ヽ `'-..,_ _..-'" ／
_／゛ / l .! .＼ .｀ﾞ"'''''"´ _／゛ : ''ｰ ..,_
.／ ./ / | .｀-､ ,..-'″ ｀ﾞ'''ｰ-..,,,_
/ / ! '､ ｀'ｰ..,,, _,, ‐'″ .｀ﾞ'ｰ .._ ｀ﾞ'''ｰ-..,,,_
. / . ! ! ヽ ｀ﾞ''''¬―''''''',ﾞ´ ｀ﾞ''- ..、
野村の要求する球は、当然ストレートであった。
_ -=ニニニ= _ ,/ ,ｲ ,ｲ
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、 ／〈 //// , ―― ､_
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶 / / ／| ﾚ ﾚ '――''''''
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧ / / l | , ―― ､_ ., イ ,ｲ ,ｲ
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ', / / l | '――'''''' ／／ .//// , イ
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : ! / / l l ／／ ﾚ ﾚ ／／
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i /／ Y ／／ ／／
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : , / ／'" ／'"
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
l、 ｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＿＿| V＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
＼ ∨',/〃:::. -‐,,. ､ ＼. ∨: :./: : |::::Y
＜ ''i_Li_il::::,ﾍ i! ＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
／ 〈ヽ ｀i.ﾉ ヾﾉ:::::::＼ i |: : : :7 l＿
. '一 7 .∧. ､ ｀ ─ ':::::::::::::丶ノ!}: : : / ／
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人_
＜ ＞
＜ ストライク、バッターアウト！！ ＞
＜ ＞
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY
_＿
イi:i:i:i:ゝ＼＿＿
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:少'´￣ノ
{i:i:i:i:才''" =｡zﾌ7 なっ！？
（,ｒi| u ，〉
V|｀ヽ __{
ヾ ＼ 'こ}
{ﾄ‐-､＿` ―
_イ＼/////ｲ､‐‐ ､
＼ ＼///i} ﾑ ＼
个 ､≧ｲ} 〉､ /＼
⌒} ＼/ { ∨ 仆､
、 i ヽ。}､ i}r{/}'7 ヽ
＼ ＼i || |ﾉｲ厂⌒ﾍ
＼r‐−宀､¨ i}
少'´￣ヾミ.::.:.:.:i} ‐- _ﾉ
／ `¬−┬≦¨
裏をかかれたバッターは、手を出すこともできず見逃し三振に終わる。
ささやくくことでタイミングが合っている、追い込まれていることを強く意識させ、
「何球も続けて同じ球種を要求するわけがない」という先入観を利用したのである。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､ ま
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼ た
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ も
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ 、
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ 三__|__
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ 口 |
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ', ‐┬‐
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! │田│
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i ￣￣
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | ､ マ
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j 了 用
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′ '"`ー‐
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7 ,
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : / ﾚ |
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／ ノ
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
単に言葉で騙すだけでは留まらない、人間の心理を突いた野村のささやきには、
徹底して無視することができない上手さと狡猾さがあった。
＿＿＿＿＿
. ／ /⌒＼/⌒ヽ
/ , −| ・|・ |､＼ 例えば、ストレートとカーブしかない投手が
/ ／ ` ー ●ｰ ′ヽヽ ２球続けてカーブを投げたとする
/ / 二二 | 二 ￣ﾉ
l / /⌒＼ ── | ─ ／ そうすると次はもう真っ直ぐしかない
| | / ￣￣￣￣/￣ バッターも当然、ストレートを狙ってくる
ｌ | | / /⌒ヽ
ｌ | ヽ /⌒ヽ⌒ヽ |／ヽ__ ノ
ヽヽ `ｰ───┴─７ /
>━━━━━Ｏ━━ /
, ─── ､
／ /⌒ ⌒ヽ＼ その時に黙って投げさせるのと、バッターに一言
/ , ┤ ・|・ |-､ヽ 「真っ直ぐ狙ってるだろ」と言うのとでは、全然意味が違ってくる
ｌ ／ ー ●ｰ ヽ
. | / 三 | 三 | _ バッターは、もしかしたら裏をかいてくるかもと考えて、
| | ／⌒＼ __|_／＾ヽ ｌ（__） 積極性が鈍ることになるからね
ヽヽ （ ＿＿＿＿＿_ / / /
>━━━━,-､━━イ /
/ / ヽﾌ ヽ ｌ/
（ _） | ＿＿＿＿ | |
ｌ ヽ ヽ _＿___ ノ ﾉ ｌ
普段口が重たいはずの選手は、マスクを被れば少しでも勝つ確率を上げるため、
調子良く口を開き続けた。
他にも、審判と雑談にしけこむこともあった。
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ やぁ、どうもどうも
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 ヽ ヽ 今日も名ジャッジ期待してますよ
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
, -┬┬- 、
／ r≡≡┐ ＼
/くx≦ｌ| ＿_ |l≧xゝ',.
.| 〃 ..::ヾ::::::〃::.. ヾ |
x=＝＝＝＝＝＝＝＝=x
|| | || :::::::::::::::::::::::::::::: || | || 調子のいいこと言ってんじゃないよw
|l ＝＝＝＝ ＝＝＝＝ ｌ|
ヾ =|l====||::::::::||===ｌ|=〃
ゞ=====:||ﾆﾆ||=====ｲ
ミ＝≧≦==彡
_／⌒V ＼/ V⌒ヽ_
／ | ／＾', ／l]＼ /^＼ | ヽ
/ ∨ ／＾ﾍｰ---‐/＾＼ V |
| ∨ /`ｰ一ﾍ V |
' l 〉--/ -――-ヽ-〈l '、
/ ー―==ｰ､イ⌒ヽ_ /⌒ヽへー- ヽ
{ 厂|_| ⌒i_)i'⌒ | }
ヽ ｛ { ⌒ﾉ八⌒ ﾉ ﾉ
普段は縦社会でも、グラウンドに出れば戦場である。
そこに上下関係はなく血の気の多い乱闘劇が繰り広げられることも多かったが、
そんな時でも野村は、年長者や審判には絶対に敬語を怠らなかった。
それ故、年配の審判は野村をよく可愛がった。
野村の方も、審判と衝突しても何一ついい事はない。
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ お身体は大丈夫ですか？
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ まだまだ、これからも一緒に
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ やりましょうよ
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
, -┬┬- 、
／ r≡≡┐ ＼
/くx≦ｌ| ＿_ |l≧xゝ',.
.| 〃 ..::ヾ::::::〃::.. ヾ |
x=＝＝＝＝＝＝＝＝=x へっ
|| | || :::::::::::::::::::::::::::::: || | ||
|l ＝＝＝＝ ＝＝＝＝ ｌ| 泣けること言ってくれやがる
ヾ =|l====||::::::::||===ｌ|=〃
ゞ=====:||ﾆﾆ||=====ｲ
ミ＝≧≦==彡
_／⌒V ＼/ V⌒ヽ_
／ | ／＾', ／l]＼ /^＼ | ヽ
/ ∨ ／＾ﾍｰ---‐/＾＼ V |
| ∨ /`ｰ一ﾍ V |
' l 〉--/ -――-ヽ-〈l '、
試合中だというのに、野村と審判の雑談ははますます盛り上がる。
そうなると、たまらないのはバッターである。
_」_
Ｘ´
./ , -┬┬- 、 _」_
┼ ／ r≡≡┐ ＼ Ｘ´ ＿＿＿＿＿
/くx≦ｌ| ＿_ |l≧xゝ',. ./ ／.− ､ −､ ＼
.| 〃 ..::ヾ::::::〃::.. ヾ | ┼ ／ | ・|・ | -、 ＼
x=＝＝＝＝＝＝＝＝=x /／ `−● − ′ ＼ ヽ
|| | || :::::::::::::::::::::::::::::: || | || | 三 | 三 ヽ ヽ
|l ＝＝＝＝ ＝＝＝＝ ｌ| | （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
ヾ =|l====||::::::::||===ｌ|=〃 | ＼. / | |
ゞ=====:||ﾆﾆ||=====ｲ ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / / ｀X
ミ＝≧≦==彡 _ ヽ `───-′ / / _ |
_／⌒V ＼/ V⌒ヽ_ ｀X （ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ） メ
／ | ／＾', ／l]＼ /^＼ | ヽ | ＼ / ＼ ／
メ
； ___＿ ＿＿___ ヽ
; ' ,.イ/////////////,＼ ゝ
ノ ／//////////////////＼ ；
; ／////////////_/////////∧ ヽ ぐっ‥‥がっ‥‥！
；,ｲ////////＞三≦-､ヽ//////_/ム ；
_.ノ//////;／ ///￣＼/} ゞミ// ∨,ﾊ ゝ ぎぎぎ‥‥っ！
＜//＞rへ.ヾ ｜{//! ,-i ｲz_.ﾉLﾊﾑ.}-､'./ﾑ ;
;￣i.//ﾊiﾐ:､}_!_|//ﾚ 〃///,7{ ﾄﾘﾊゝ: !/ﾘ ｛
；|{//} ＼/////j,ﾟ彡' イ' _//_ 彡ゞ' i/{ ； _ z ^ ｀_＿＿______
; ﾄ､_ ﾄﾟ--≧彡 =z ,.:≦＝ミ､ゝイ{三ヽ._＿___＞ ´: : :.／. _:_:_:_:_:≧､
； }-､=≧ ﾚ ;´￣ ) //￣ +}j ∨. | .|: :}-: : : 'ﾞ: : :/:_,:'´i i i i ノ r'⌒ヽ
;∧ゞ =- {ヽ:'ﾞ´ j^'´,/'´ r ゝ〃 } :, !｜::i: : : : : : :Y´ >―― r-､ ﾉノ ∨
；＼'. __ ゝ-イ､_j ＋ ＞- ′ ヾ/ |.:/ !: :|: : : : : _:ﾉ (i i i_i_i, ､//,ﾑ∨
＞'´ ｀ヽ _＿≧､｀ ヾ二±＞'´ ､ 〃ﾞ j/ /. ::|: : : : :( ／￣i,ノｒ'⌒彡∨//, i!
／ _＿j≧=ミ /.i___＿＿:､ ゞ=ﾁ＜＞､. ヾ/ﾞ ／ ,ｲ. : :ﾊ: : : : :了⌒ヽ ゞi i /,'/,',∨〃;}､
ﾐ ヾi:i:i:'ﾞ ) ,'. :{ { {: : : : ::} ´ ｀ ､ _/ ／ ／. : : {_} ∨: : :人 ノノ＼_ ゞ彡シ彡'ﾞ/!: .ヽ
ﾐ:, ー――― ､ {: : :| } } : : : : ゝ.i__彡'´￣￣ ,.イ ／. : : : : : : ::/. : : : : .＼ 彡イ／.｜: : .＼
大杉 勝男
この時、バッターボックスに立っていたのは、東映フライヤーズの
主砲である大杉勝男だった。
２人の会話に大杉は打撃に集中できず、苛立ちが募る。
耐えかねた大杉は、とうとう野村に向かって怒鳴り散らした。
,.. -::.:￣￣.::.‐ ..__
／::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:｀ヽ
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.r=＝ ､:::ゞ､_,
/::.::.::.::.:／⌒ヽ::.::./,ｨﾁ弌沁"ﾞ~
i::.::.::.::.:/ /｀i |::r‐' ` γﾍ:::ﾊ
|::.::.::.::.{ !i´( ≡ ､ ,|::i | うるさいっ！！
{::.::.::.::.ﾍ `ｰ ／,二ヽ ﾍ_jﾚﾞく
ヽ､ ＿__ゝr' / ﾍ ,ｒ ､ r' 静かにしてくれ！！
/ ￣ l! / ｉ ｀^__ｿ
, ‐f ) し ; /ーイ_, レ'
イi ヽ ⌒ { /::::::::/'"ｰｰ' つ
_ ,，ｨﾁ//入 ヘ l i_::::::/ つ
／ ⌒ ㍉'´ ﾍ ヽﾊ ﾋ_i｀Y__
／ , ｀ヽ ﾍ ｀'z-￣_ ｀}
/ 〆 ' ,ｨﾃ Y ＼￣
. /幺 _.. -‐…=‐- ､ i ﾍ／ ヽ丶{/ﾐ }
_ ＿ _ _ _ ＿＿＿_
／／ / | ￣ ヽ、
／ / ・ / ・ /ヽ､ ＼
/／ | __ ,,.-'-、 ／ ＼ ＼ ‥‥‥ﾎﾟｶｰﾝ
/ i i￣ ＼ ヽ
| ──＿ `-,−′ ＿── ヽ ヽ
| ＿ / ￣ ヽ |
| ￣ /￣￣ ￣￣── | |
| ／ ヽ＿＿ ＼ | |
| ／ | ＼ | |
| | | l
ヽ. | / /
ヽ i￣ / /
＼ ヽ / /
|───────────┴─┤
. ├──-／ ⌒ヽ───────┤
| / ｌ＝＝＝ｌ ＼ |
大杉は、野村はよりも１０歳年下である。
縦社会であるプロ野球において、世代が下の選手が上の選手を
怒鳴るということは考えられない出来事だった。
野村が立ち上がりマスクを脱いで睨みつけると、大杉もここぞとばかりに反論する。
審判の仲裁により乱闘にこそならなかったが、辺りは一触即発の事態となる。
,､＝''￣:::::::::::::::￣ﾞ'''ヽ、
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::_,_､:::::::＞‐-､:::::::::::::::::::::::::::::
/::::／~ヾ,}::::j| ｡ ｝:::::::::::::::::::::::: てめぇ‥‥！
l::::/|_ ﾟ ,.>ｰ､ゞー≠￣ヽ::::::::::::::
|::/ ヾ≦ﾍ,_ノヽ ＼::::: うるせぇだと？ 先輩に対してなんて
|Ｙ l| ヽ 口をききやがる！
|ﾉ〆 l| ｰ- |
/| ／ l| ｰ- |
l / r ｣{, ヽ |
l, ﾍ_ _,,＞ｰ＝､_ /
∧ ｀Σ,,､-‐─ﾞゝ=´ /
ﾍ ==＝一 ノ
∧
＼≧≡＝ﾆー ノ
； ___＿ ＿＿___ ヽ
; ' ,.イ/////////////,＼ ゝ
ノ ／//////////////////＼ ；
; ／////////////_/////////∧ ヽ
；,ｲ////////＞三≦-､ヽ//////_/ム ； だったら少しは静かにしてくださいよ
_.ノ//////;／ ///￣＼/} ゞミ// ∨,ﾊ ゝ
＜//＞rへ.ヾ ｜{//! ,-i ｲz_.ﾉLﾊﾑ.}-､'./ﾑ ;
;￣i.//ﾊiﾐ:､}_!_|//ﾚ 〃///,7{ ﾄﾘﾊゝ: !/ﾘ ｛
；|{//} ＼/////j,ﾟ彡' イ' _//_ 彡ゞ' i/{ ； _ z ^ ｀_＿＿______
; ﾄ､_ ﾄﾟ--≧彡 =z ,.:≦＝ミ､ゝイ{三ヽ._＿___＞ ´: : :.／. _:_:_:_:_:≧､
； }-､=≧ ﾚ ;´￣ ) //￣ +}j ∨. | .|: :}-: : : 'ﾞ: : :/:_,:'´i i i i ノ r'⌒ヽ
;∧ゞ =- {ヽ:'ﾞ´ j^'´,/'´ r ゝ〃 } :, !｜::i: : : : : : :Y´ >―― r-､ ﾉノ ∨
；＼'. __ ゝ-イ､_j ＋ ＞- ′ ヾ/ |.:/ !: :|: : : : : _:ﾉ (i i i_i_i, ､//,ﾑ∨
＞'´ ｀ヽ _＿≧､｀ ヾ二±＞'´ ､ 〃ﾞ j/ /. ::|: : : : :( ／￣i,ノｒ'⌒彡∨//, i!
／ _＿j≧=ミ /.i___＿＿:､ ゞ=ﾁ＜＞､. ヾ/ﾞ ／ ,ｲ. : :ﾊ: : : : :了⌒ヽ ゞi i /,'/,',∨〃;}､
ﾐ ヾi:i:i:'ﾞ ) ,'. :{ { {: : : : ::} ´ ｀ ､ _/ ／ ／. : : {_} ∨: : :人 ノノ＼_ ゞ彡シ彡'ﾞ/!: .ヽ
ﾐ:, ー――― ､ {: : :| } } : : : : ゝ.i__彡'´￣￣ ,.イ ／. : : : : : : ::/. : : : : .＼ 彡イ／.｜: : .＼
プレーが再開しても、大杉はなかなか冷静になれない。
ストレート一本に的を絞り、構えをとった。
／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::ー−-､
, '.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
〃.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::::ﾆ=--イ
/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_:彡＝､::::＞'´ r==ミ '.
,ﾞ.:::::::::::::::::::::::::::::::::＞ '´ ｀´ ∧:r.､:::::ヽ
!:::::::::::::::::::::::::::::::::::| ,イ≧:..., ヽ ∧:,ﾞ ＼::∧
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::| 〃.:=ミ::::::::::＞ｚﾁ:::::; ＿ ｀´ } こうなったら、次に来るボールを
i:::::::/｀ヽ:::::::::::::::::::| /.:/ ＞､' .::::::::::ﾉ'´__,ﾟ' ∨ スタンドにぶち込んでやる！
∨::{ ､ 丶:::::::彡ﾞ 〉Z ＞'´__,:° ＞ー- ､
ゞi { ヽ .∨:ﾑ ´ i. ｜ 見てろ！
∧ } ﾍハ:::::} 八 ﾉ 〉 _,'
' .＼(ﾑ ゞミ ⌒ , ､ ,ゝ-=へ_ノ '
＼｀ r'彡 ､ ｀,. −- .;' , , , ;′
／＞へ, , , Y´ ｀ー､/ '＼
＞ 'ﾞi////}. ∧ { ＋ ＋ + ノ ,ﾞ//｀ー- _
´////|///,;|､ ＼ , ｀ー―=＝≦ ､｀ ,)/////｀ヽ///｀ー - _
/////|///｜＼ ｀ ､,' ﾞ, 、､｀ﾞヽ＞´ } ＼////,∧///////////
/////|///,;| ＼ ､≧‐-‐=＝' ´ ,' .∨///,∧//////////
/////|///,;| ＼ ,.へ ,' ∨///,∧/////////
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! ‥‥‥
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . ._ヽ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ : ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ゝ : . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
一方で野村は、すっかり冷静さを取り戻し、肩に力の入った大杉の様子を
くまなく観察する。
そこで野村が要求したのは‥‥
＞──､ r:::.:..:....､
└──‐' r──､ ﾉ::::::::::::::i
く￣￣＼ / ／ | ,ｨ≦三ﾊ:::::!
￣二二_／ r─､ ＼ | ’ ￣Ⅶ Yﾌ ￣｀ヽ
∠´＿＿＿／| く＿ ＼、_ ﾉし'/／ ／ゞ、 _/l| _/:::::.. 、
∠二_ ￣ヽ ＿＿） て ′ 弋三ｿ ／.:::::i:::::::∧
｀} /´フ_／ ――＝二 ＝―― ﾄ-=≠＜ / ..::::::∧:::::::∧
| ,/ .__,,,． ﾒ、 （_ Ⅵ:::::::::::::≧}:::::才 }≧::圦
}/ .__,,,--ｰ'''“^ﾞ´._,,,,..． Ｙ＾ ＼ ` `寺:::::::::::::.`ｰ= (::::::::::::ノ
_,,,,.... --ｰ'''“^ﾞ´._,,,. --ｰ'''''' | ＼ ￣〉ｰ=::::::::::::::::::::::::::::ト､
._,,,,.... --ｰ''''''ﾞ _,,,,.... --ｰ'''''' ! ／ ￣ﾌ三二一一”ｰ'
''^￣＿,,.. -―''''''' ~ ,ｲ,ｲ ,ｲ / ／.:::::: ￣￣￣〉ｰ= 、
ﾚﾚ // l ／｀ヾ:::::L.. . . _＿＿/_/Ⅷ:::圦
/' | { ￣￣ Ⅵ::::::|
| | `寺ﾉ
| |
│ │
ト、 |
_| ｰ=}
／.::::.｀ヾ ﾉ
{ .:::::::::才"
￣
鶴岡相手にそれが出来ていれば……ｗ
___、
f. ｀;; .f⌒ヽ __
|, ./ ゝ-ィ .f__7
｀''ｰ'" ○
,,-''''''''''-､
/ . ｌ,
lﾞ !
ヽ /
ﾞ''―-''" ふ
_..-'''''''''''ｰ ､
／ ｀'､
/ ..ｌ わ
! :!
ｌ /
ヽ、 ／
｀'- ＿__ ‐"
ん
_.. -¬￣￣ ｰ ..、
,／ ｀'-,
/ ｀'､
/ ｌ
人を食ったかのような、緩い緩いスローボールだった。
. ／. : : : : : : : : : : : : : : :｀: ..
/. : : : : : : ＞ー-ミ: : : : : : : : ｀: .. _＿
. /. : : : : :.／ ＞.:ー-ミ"＜. : : : : : : : : 才
′: : : : / /.:.＞==ミ:.:ﾊ u｀ヾ＝-ミ: : :ア
′｀ヽ: : { {:.:.f /⌒ヾ:.ﾑ.ﾊし, .／.:.ヽヾ!
.′ﾊ }r≠ ≠ { ﾏ:ﾑ }/./.:.ハ:.∧'
i { r:i .ｼﾞ , , ,- ､ '.:.:}z/.:./ﾊ ﾏ:リ
| { {.j = ﾍ ＞=ミ; ;ヽ ・ﾍ≠r。" ! ≠ ぬあっ！？
乂 = ／. ∨, /⌒ ｀ヾ=ニ;,"fり
＞}云v= /{ ∨{ -､ ヾ ﾘ ⌒ }
￣￣（___)7二7i ,= .′ー-ﾍ_＿. .∨, , , ≠-ミ ,
- --- --′ﾆ :{ }= ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.└-､｀ー" }} ,
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_{∧ ≠.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣└-=./ /
ﾆﾆﾆﾆﾆ′ﾆﾆ{. ∧ﾍ ∨.:.:_.:.:／￣:r-､:.:.:.:.:.:.:／ ｲﾍ
ﾆﾆﾆﾆ7 ﾆﾆﾆ { . ∧ ヽ辷⌒ー＝ー≠云z::, /ﾆ.∨.＼
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_∧ ＼≫"ー ´￣ ｀ﾆ ﾉﾆﾆ∧ﾆﾆ＼
_ -=ニニニ= _
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ',
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : !
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
l、 ｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＿＿| V＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
＼ ∨',/〃:::. -‐,,. ､ ＼. ∨: :./: : |::::Y
＜ ''i_Li_il::::,ﾍ i! ＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
／ 〈ヽ ｀i.ﾉ ヾﾉ:::::::＼ i |: : : :7 l＿
. '一 7 .∧. ､ ｀ ─ ':::::::::::::丶ノ!}: : : / ／
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
__
____,,--" ヽ､ ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人_
,,==､""________________)__ _ ＜ ＞
ヾ"""""ヽ______,_/~~~~ ヽl ヽ､ ＜ ストライク、バッターアウト！！ ＞
ヾ ／／.:.:.:{`､ { ヾ､ )) ＜ ＞
＼//.:.:.:.:.:.:.:{ } //_=) Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY
ヾ〃.:.:.:.:.:> ,--､__ ll _'' }
|;; ;; ゞヽ-､___(;;;:::::={
|::::::;;;;;;;;,,, `---`--､
|:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,--.:.:＼ ／~~`;
｝::::::::::::;;;;;;;;;;;,,,,,,//~~.:.:.:.:.:ヽ､ ___／ ____,';
l::::::::::::;;;;;;;;;;;,,,,//.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:~ll~~ ／
}::::::::;;;;;;;;;;;;,,,,,((______.:.:.:.:..::.:.:.:.:// ／
(::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,,,,/~~`ヽ_____//-""
/;//-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ
タイミングを狂わされた大杉は、バットを出すことも出来ず見逃し三振。
何のことはない。野村は最初から、大杉を怒らせるつもりで審判と
雑談していたのである。大杉の言葉に怒ったのも、半分は演技だった。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨ はい、一丁上がり
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V 毎度あり
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
-v-‐-‐- ､_ _り＿,r＜,
./ ｀´ `ァ
' ,r‐-,=＝=､ ‐--‐u ''f’
|ﾙ././⌒ヽ,ヽ, |l .／ヾ
,‐､ . |^〈.〈 ___＼ゝﾚﾞ∠,ﾞYぅ きたねー！
i^i.|.「 ｀ﾞ '´-= ﾟ｀'''^〒" |'ﾞ
いH Uヾ, に, | /
.ﾞNi, _,､_,､_ ,, ,, ,, ,,,｀’,ｲ｀ヾ
', ﾞゝ,└┴-､に_!'ｰr-n| |,) ｀ヾ
＼ ^'ぇ,,_ ￣￣| |,) ｀ヾ､
本来なら、プレー中に雑談することは野球規約で禁止されている行為だが、
現在でも対戦チーム同士の選手の雑談が見られるように、この一文は形骸化している。
そこを突いた、野村の旨さと狡さが際立つプレーだった。
野村のささやき戦術を防ぐには、とにかく無視するしかない。
ハ _
＿＿_ ‖ヾ ハ
/ ヽ ‖::::|l ‖:||.
/ 聞 え | ||:::::::|| ||:::||
| こ ？ | |{:::::‖. . .||:::||
| え | _｣ゝ/'--―- ､|{::ﾉ!
| な 何 | ／ __ `'〈
| い ？ ! /´ /´ ● __ ヽ
ヽ / / ゝ....ノ /´● i
｀ ー―＜ { ゝ- ′ |
厶-― r l＞ |
∠ヽ ゝ-― `r-ﾄ､_,) |
ﾚ^ヾ ヽ>'￣ LL/ 、 /
.l ヾ:ヽ ` ､_ ＼＼ '
l ヾ:ヽ ト`ｰ-r-;;y‐T^
| ヾ ｀ニﾆ｢〈〉ﾌ /‖. j
, ─── ､
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ ‘|‘ |､ ヽ おや
. / ／ ｀ー ●ｰ´ ヽ
l / 二 | 二 | 耳に何か詰め物してるのか
| l ─ | ─ l
l | | ） /
ヽヽ ／￣￣￣￣ /
〉━━,-､━━━━く
/ ／ ヽフ ＼. ヽ
中には耳栓をしてバッターボックスに立ち、野村にささやかれても聞こえないぞと
アピールする選手も現れた。
その選手は勝ち誇ったように笑顔を見せるのだが‥‥
それは野村も同じことだった。
／::::::::::::::::;;;;l | l;;;;::::::::::::::::＼
／:::::::::::: ''" ヽ. 。 ,.-‐-､ 。 ノ "'' ::::::::::::＼ このバッターはもう、ピッチャーよりも
::::::::／ ｰ-､,,,_ ￣´l::::::::::::l｀￣ _,,,､-‐ ＼::::::::::ヽ 僕のささやきに気持ちがいってる
,､-‐-､. ｀'''‐- `‐-‐' -‐'''´ ,.-‐-､:::::::::i,
──----- | -----── ヽ::::::::::i, そんな状態でバッティングに
-----‐‐‐‐‐ │ ‐‐‐‐‐----- }::::::::::i 集中できるわけないじゃないか
., _____,,,,,,,,|,,,,,,,_____ ,ノ i:::::::::|
｀'t‐----‐''''''´ ｀''''''‐---‐t''´ |::::::i
i i i:::::i'
.. i i i::::i'
, ヽ. / /::i'
i, ヽ ／ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ"'‐--‐'"ﾞﾞﾞﾞﾞ＼ ／ /:i'
ヽ ＼ / i／ ./'´
:＼ `''‐-､,,,,,,,,,_______,,,,,,,､-‐'´ ／
＼,,,,__ __,,,,,／
｛;,,,,,,,,"""'''''''''''''ゝ‐-､''''''''''''''""",,,,}
/ """'''''''''''''{=＝=}'''''''''''''"""ヽ
/ __,,,:::::::::／ ..`ｰﾞ‐" ＼:::::::::: ＼
/ / ヽ r￣＼
,'::::| ｝ | ::( |ヽ
. ! /ヽ.＿__,.ｨ| ｝＼ ／￣￣￣4
本来、バッティングとは目の前にいるピッチャーとの対決である。
それが背後にいるキャッチャーを意識している時点で、勝負はもう
決まっているようなものだ。
実際、耳栓をしたそのバッターは、ろくに打つことができなかった。
ハ _
＿＿_ ‖ヾ ハ
/ ヽ ‖::::|l ‖:||.
/ 打 え | ||:::::::|| ||:::||
| て ？ | |{:::::‖. . .||:::||
| な | _｣ゝ/'--―- ､|{::ﾉ!
| い 何 | ／ __ `'〈
| ？ ! /´ /´ ● __ ヽ
ヽ / / ゝ....ノ /´● i
｀ ー―＜ { U ゝ- ′ |
厶-― r l＞ |
∠ヽ ゝ-― `r-ﾄ､_,) |
ﾚ^ヾ ヽ>'￣ LL/ 、 /
.l ヾ:ヽ ` ､_ ＼＼ '
l ヾ:ヽ ト`ｰ-r-;;y‐T^
| ヾ ｀ニﾆ｢〈〉ﾌ /‖. j
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ 君
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ は
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ 実
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ .に
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ', 馬
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! .鹿
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i だ
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | .な
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
野村の術中にはまり、餌食になる選手は後を絶たない。
ささやき戦術を駆使してバッターの集中力を乱すことで、野村は陰からチームに
貢献し続けたのであった。
＿＿＿_
／ ＼ 有名だってやらない夫が言うから期待して見てたら
／ ─ ─ ＼ ただの卑怯技を紹介されました
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U | 何を言ってるか分かってもらえると思います
＼ ｀ ⌒´ ／
／￣￣＼
／ ⌒ ＼ そうでしょうか
| ﾐｨ赱､i .i_r赱
. | ::::::⌒ （__人__） 引っかかる方もマヌケだと思います
. | ﾄｴｴｴｲ
. ヽ ｀""´}
ヽ ノ
/ く
__,,.. - ‐ - ､,,_
イ彡三ミ三ミﾐヾミヽ,,
,イ彡〃７ｲﾉﾊ! __ .{｀ﾞﾞﾞﾞヾﾒ
ｲ≦彡ﾒ /≧＝-､ ｀} ‐-‐Ⅵ
.ｲ彡´ 彡 ､ ＝= , ､‐≡ﾆ 真剣勝負の中で生まれるからこそ
彡ﾉ 彡' ｀ー一 '丿ｰ ヽミﾒ､
ｲ彡ｬ-彡{ ／ｒ ﾆ二ゝ--= ,,.)､ i こういったコミカルなやりとりは余計に
彡i r､ 彡 ! /Y‐- ．."二_ ‐ ｧl l 印象に残るのかもしれんな
彡l ）彡. l:::::::::::::::::::::::::::::l l
ｲﾒ､ ｀ 彡ﾄ､ l:::::::::::::::::::::::::::::j l
川 i:iｔ‐''''''' ヽ:_:.:.:.::::::::::::::ノ .j
川 ll ゝ､ ￣￣￣ ノ
- ‐ ¨￣Т !｀ヽ ￣ ¨ T ￣| ｀ヽ-- ．_
.l ﾍ ＼ ｰ' .l〉)ヽ ﾍ
.ﾍ ﾍ .＼ ‐-- /./ ｌ ﾍ
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼ 今までは野球に真摯で一生懸命なところばかり
／（ ●） （ ●）＼ 紹介されてきたから、
／ u:::⌒（__人__）⌒::::＼
| ￣ | 急に小狡い真似始めて、ちょっとびっくりしたお
＼ ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒） そう言うなよ
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 今のノムさん思い浮かべたら、
,| } 逆にらしいエピソードじゃないか
／ ヽ }
く く ヽ ノ
＼ `' く
ヽ、 |
| |
, ,. .＿＿
__//〃'´::::￣::¨::''‐､
／:::;:L!{l;;;ﾊ::::､::::::::::::::::::::ヽ
〃::/_- ､ ! |ﾊ｢ヽド､::::::::::::::i
. l::∠=ヽ_{∠_,ノ;三ゝ.j三ミ､::|
l〈.､＝<, `ｰr'＝=; }三ミﾐ :| 確かに、野球に対するひたむきな姿勢が
. ｆ7ヽﾆﾟｲ ﾞヾﾟニ´ }::}ﾆヾ::| 今の野村を形作ったのも確かだ
. l｣ / '''' ､ }::7´ |::|
〃 r'＾ー‐--'^ｰ ､ ﾉ::{ r'/:::| だが同時に、野村は勝つことに、負けないことに
ﾞ{ ! 」二二二フ } ヾﾐT´::::::| こだわってきた男でもある
ヽ、 ｰ- ' , ｉ.|､:::::ﾘ
. _r'ｆ ｰ:----‐ ''´ ! ﾄ;ヾ'、
-‐ '7´| l | `ー' .／/.+ l ` ｰ-
+./.+ |+ヽ、 ／／+ +/+ + +
, , , -‐==- ．_
/.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ
ｲイﾌｼﾞﾞﾞ'' ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ
´ｲ// / ,イ´ヽ ｀ ヾ ､｀ヾミﾐﾐ
llﾚ__｀ { ´ _,,イ二ヽ ヾミﾐ､ ヽヾミﾐ 負けてしまえば、労いの言葉一つもらえない
{三≧ =≦竺o='' 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ
.〉ｰ ﾟ' ､ ノ 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ それがプロの世界なのだからな
.( ｀_/.. ｀¨ 三三F lミヾミミ
l ( ＿__)ヽ ､ 三-､ .ﾘヽヾヾヾ､
l/ ￣＿_ _ ｀ｰ､ .三 ' /川川ﾊﾊヾ
l ´ ＿ ｀ l ゝ-ｲ川 川川ハﾊ
ｌ ¨ ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ
ゝ．_ __ ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
Т ￣ ／／ ｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ﾉj ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ リードの研究しすぎて、
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 相手の裏をかくことに
＼ ｀⌒´ ,／ 快感覚えただけじゃないですかね
／ ー‐ ＼
／￣￣＼
_ノ ヽ、 ＼
（●）(（●）)ﾟo | 無いとは言えないな
（__人__） |
ｸｽｸｽ ／/'}n |
. ｲ / /./,n |
〈 . ' / '|// /
.ヽ ..ｲ /
＼ く/ ヽ
ヽ.ノ . | ｸｽｸｽ
| . |
, ,. .＿＿
__//〃'´::::￣::¨::''‐､
／:::;:L!{l;;;ﾊ::::､::::::::::::::::::::ヽ
〃::/_- ､ ! |ﾊ｢ヽド､::::::::::::::i
. l::∠=ヽ_{∠_,ノ;三ゝ.j三ミ､::|
l〈.､＝<, `ｰr'＝=; }三ミﾐ :| しかし時に野村は、バッティングにおいても
. ｆ7ヽﾆﾟｲ ﾞヾﾟニ´ }::}ﾆヾ::|
. l｣ / '''' ､ }::7´ |::| ささやき戦術を活用しているのだ
〃 r'＾ー‐--'^ｰ ､ ﾉ::{ r'/:::|
ﾞ{ ! 」二二二フ } ヾﾐT´::::::|
ヽ、 ｰ- ' , ｉ.|､:::::ﾘ
. _r'ｆ ｰ:----‐ ''´ ! ﾄ;ヾ'、
-‐ '7´| l | `ー' .／/.+ l ` ｰ-
+./.+ |+ヽ、 ／／+ +/+ + +
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） ってことは、バッターの時も
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ | ささやいてたのかお？
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
野村が打撃においてもささやき戦術を活用したのは、
６９年５月４日の阪急ブレーブス戦だ。
この試合、スコアは２対２と同点のまま終盤を迎える。
_,. ---- _
＞:':´: : : : : : : : : : : : : : : ｀ : .,
. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､ . ,ｲ ,ｲ ,ｲ,ｲ
／: ＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ ＿_/.ﾑ_/./ ﾚ'ﾚ'
,ｲ:／ ∨:.,＞─ ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ ヽ=, ,.--., .二7
/: / ＼ i:, ' V: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧ /″ .//
/: _{● ヽ i'__,. . -‐ ' ’´ ,: : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ //
‥‥‥ 7ｲ´ﾍ,..-- ､.ノ! ● i `ヽ､ : : : : : : : : : : : : : : : i ./´ ,ｲ,ｲ ,ｲ
7 {:::::::::::::i八 ﾉ ヽ : : : : : : : : : : : : : i ﾚﾚ //
ー‐┼‐ 乂:;::::ソ ヽ､ ＿_ イ V : : : : : : : : : : : :| /'
_j_,. | ＿＿＿ ∨ : : : : : : : : : : i
'´￣｜ | ￣｀` i: : : : : : : : : : : ,
ハ,.ｨ i ─z＿ i: : : : : : : : : : 7
／ . l ､ `ヽ 7: : : : : : : : : :/
ﾍ _>‐- ､_ ｀`ヽ､ /: : : : : : : : :, '
ヽ ` ヽ､_ ` :': : : : : : : ; イ
t:､__ ／: : :_;::＞::'７
,.ィ´ｰz_:::::::≧z:::-........................イ::≦:::::::::::＞'´ヽ
, ': : : : : : : ＞:y-z＿＿＿:::::γ' ⌒ヽ-＜ ヽ: : ﾍ
/: : : : : : : : :, ｲ {======} ∨: ﾑ
/: : : : : : : : :/ 弋__j:}_ノ ',: :ハ
そして９回裏、野村に打順が回ってくる。
実にごもっともなんだが、仮にも主人公に当てはまっていい言葉じゃないwww
相手バッテリーからすれば、ホームランを打たれた時点で
サヨナラ負けの試合終了だ。
＿＿＿＿
, -‐'"´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
／/二ヽ／⌒ヽ;:::::::::::::::::＼
/::ハP_/P￣ヽ/ー-:、::::::::::::＼ ‥‥‥
/ ヽ、（::::::）ー‐' ＼:::::::::::::::i
十―- Y -‐'"￣￣￣ !:::::::::::|
_|＿＿ .| ￣￣￣｀ |:::::::::::|
(´ .| ￣｀ヽ、_ _ |:::::::::::!
ヽ-ー‐┴―--- 、r―-:、!:::::::::/
/＼ /´ }/:::::::/
ヽ、｀丶、＿＿_{ ﾉニニ!
｀T"´ﾄｰｒ-::,-ﾄー‐'i"::::::::::::|
}--< ｀"" .|__::::::::::::::::::::::|
_
.ィ:::::::)1≧x
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト| ‥‥‥
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
バッテリーは一発の危険が高い野村との勝負を避け、外に大きく外れた
ボール球を続けカウントは３ボール。
誰が見ても、敬遠なのは明白だった。
そこで野村は残念そうに俯き舌打ちをすると、構えることを止めた。
,. -‐=＝＝=‐- ､
xく: ∠⌒ ヽγ⌒｀ヽ:::::::::::｀ヽ
／:::::::::｛ ￣`ｰ}{一'´￣ ｝:::::::::::::::::＼
〃:::::::,. -‐', ＞人＜ .从:::::::::::::::::::::＼ ちぇっ
. /::::, : ´ `ｰ㨨ヽ ＿ ノ .｀ヽ,､:::::::::::::::ヽ
/:::::,′ ｛:::::::::ﾉ 丶::::::::::::∧ なんだよなんだよ
,':::::/ ´￣￣`ｰ ￣「´ ,. -‐=＝=' ヽ::::::::::::::｝
｛:γ -‐…―-. | ＿＿ ´ .∨:::::::::|
｛/ ,. -‐ | ￣`丶 ｝:::::::::|
ｉ ,.∠⌒ヽ | `丶 | :::::::ﾉ
', ｛ | ｀丶 、 ｝::::::,′
ヽ ヽ. ,. -‐＝┴‐- ､ ｀ヽ 八::/
＼`ｰ´￣ ` "'' ‐- ,,.._ ﾉ:::/
＼ ` 八'
（三三三三三三三三三三三三三三）
√`ｰ―∠_⌒ ヽ――丶―――‐一'
｛:::::::/ 人 ♀ ヲ ｀ヽ:::::::::::::::∧
|::γ `ｰ ´ ∨::::::::::::::|
バットも肩に這わせたままで、いかにも「歩かせるならさっさとしてくれ」と
いった様子である。
これを見た相手キャッチャーは、野村をこのまま敬遠させることに
勿体なさを覚えた。
_
.ィ:::::::)1≧x （ ノムさん、完全に打つ気を失くしたみたいだ
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト| これなら、打ち取れるんじゃないか？ ）
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
そこで一転して考えを変え、外のストライクゾーンにストレートを要求する。
いかに野村とはいえ、気持ちが途切れ構えてすらいなければ打つものも打てまい。
バスケでもあるけどな
相手選手の耳元で「お前の嫁さん、美味かったわｗ」
とかのたまった奴とか
しかし、投手がボールを投じた瞬間‥‥
＞──､ r:::.:..:....､
└──‐' r──､ ﾉ::::::::::::::i
く￣￣＼ / ／ | ,ｨ≦三ﾊ:::::!
￣二二_／ r─､ ＼ | ’ ￣Ⅶ Yﾌ ￣｀ヽ
∠´＿＿＿／| く＿ ＼、_ ﾉし'/／ ／ゞ、 _/l| _/:::::.. 、
∠二_ ￣ヽ ＿＿） て ′ 弋三ｿ ／.:::::i:::::::∧
｀} /´フ_／ ――＝二 ＝―― ﾄ-=≠＜ / ..::::::∧:::::::∧
| ,/ .__,,,． ﾒ、 （_ Ⅵ:::::::::::::≧}:::::才 }≧::圦
}/ .__,,,--ｰ'''“^ﾞ´._,,,,..． Ｙ＾ ＼ ` `寺:::::::::::::.`ｰ= (::::::::::::ノ
_,,,,.... --ｰ'''“^ﾞ´._,,,. --ｰ'''''' | ＼ ￣〉ｰ=::::::::::::::::::::::::::::ト､
._,,,,.... --ｰ''''''ﾞ _,,,,.... --ｰ'''''' ! ／ ￣ﾌ三二一一”ｰ'
''^￣＿,,.. -―''''''' ~ ,ｲ,ｲ ,ｲ / ／.:::::: ￣￣￣〉ｰ= 、
ﾚﾚ // l ／｀ヾ:::::L.. . . _＿＿/_/Ⅷ:::圦
/' | { ￣￣ Ⅵ::::::|
| | `寺ﾉ
| |
│ │
ト、 |
_| ｰ=}
／.::::.｀ヾ ﾉ
{ .:::::::::才"
￣
.
野村はいつの間にかバットを構え、しっかりとテイクバックをとっていた。
_ -=ニニニ= _
,.':⌒:ヽ , : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
i. ;ﾉ＼ , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
＼ｰ ＼ /: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧ . ,ｲ ,ｲ ,ｲ,ｲ
＼ ＼ ,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ', ＿_/.ﾑ_/./ ﾚ'ﾚ'
＼ ＼ i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : ! ヽ=, ,.--., .二7
＼ ＼ {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i /″ .//
＼ ＼ i: -- ､ i ´ ---- : , //
＼ ＼ .',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_ ./´ ,ｲ,ｲ ,ｲ
＼ ＼´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ // :ハ ﾚﾚ //
＼ ＼＼､ ｰ -┴─ ' ´ ,.ｲ: :∠: :∧ /'
＼ γ⌒ヽ; _ __ -ﾁ'´: : : : : : : : i
{ }V -Y==Y=,ｘく: : : : : : : : : : : : : : |_
:::､＿_ノ{:Y´ ゞ-'／: : : : : : : : : : : : :./: : :|::::Y
ヽ∨ ∨: : : : : :＞:' 、: : : : : : : : :j- '
{ ﾘ : : : :＜ V: : : : : : 7
y､＿／-=＜ j }: : : : : /
＼ ヽ-_ー '_,∠: : : : :,′
）_.ノ ト-: : イハ
i ,'
ﾍ、 冫
ヽ人_从人_
.ィ:::::::)1≧x ＜ ＞
人:U:::::::::::::ﾌ-! ＜ ！？ ＞
| {::匸三三{::ト| ＜ ＞
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´ Y⌒YW⌒
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
/ ｀'-､, ﾞﾞ''''" ／ ./ | ﾉ
, ' / ヽ, ￣￣ .、 / ./
〆 ｌ .＼ ヽ / │ ,＿‐'ﾞﾞﾞﾞ~ｌ,
／/ ｌ ゛.-. / / !-'"゛ .i .､ ｌ.
ﾉ / ヽ ｒ'"ﾞ,ﾞ.ﾐｭ .゛ _,` .i＿,,, ヽ .ｌ, ｌ l
/ i ヽ ./ .／ .＼、,,..-'"゛ 〉‐" l l. ｌ, .ｌ ."._lﾞ |
,i |i ＼ .lﾞ ./ i″._..-.l l lﾞ .ｌ .ｌ.,,..-'''" |
,' |i ＼ .| |.、 ._,, -'''″ ._ ! / " .,.〉 ″ .ｌ
i| |i ｌ .| l入‐'″ .,..-'"ﾞ ／ .,／.、 ． .l.､
i| .|i _,,./ '″ .-ﾆ＿__,,, -'''"ﾞ⌒″ ,r′ i゛ .| ヽ
| .i、 ,,.. ..‐'' ._.../ ／ ／ ! │ ｌ.
ゝ i、 _,,.-‐'" .,..-'"゛ ﾞｰ'゛ ,./ .lﾞ : . ｌ
.i| ゝ ,,..‐‐."゛ _..-'" .| ／ " /
.i| 丶 _.. -'''" ,..-'" | ／ ／ |
.i| ＼ _,, -'"゛ _..-'″ ! ／ ／ ／
.i| 丶 _,, -'"゛ ,..-'"゛ │ _,, -''^ﾞ'''ｰ-‐||.二
.i| _..-'" l _. - .､'''|″ |_,,.. -‐''"゛ ''二
i| ,..-'" ｌ、 _.. ‐'"||._,.. -‐'''"゛ | |
i|、 ,.-'"゛ ｀７＝＝'ﾞ_,,.. ‐゛ | |
ゝ `丶`＼ゞ iﾞ 、 .〟 ／ .| | . /
＼ ,. ﾐ＼丶 ` /ﾞ / .,// ／ -..､.._ .| ! .／._.. -
`;丶＼丶 、`丶
＼ 丶
＼
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／! ,,.rｧ . __
／::::lﾞ ,,､r'´ / |:::|＿＿_
|:::::::l_,.r''´:::::::::::/ 匚二::::ｒ‐一'´
| ::::,.､r'! / ┌一':::::｀二コ ／）
,,l ,,r'’ l / ｀ー┐::| .／;:::|
.／ .lﾞ l ./ |::::| ￣ |::|
／ ./!:::: l! lﾞ／ |__,| V ,.-┐
r'´ ./ .|:::::| _,.:::'´:ｒ'´ . , '⌒ 、
| ./ |:::::| {_／l::::! ／(;;;::... j
| ./ |:::::| !:::! ／ ｀:ｰ／
レ' |::::/ _ -=: : :￣: : :ト _ ／ ／ ／〉
|./ x.:´: : :／' ¬､: : : : : : ｀:.､ ／ ／ '´::::「
,.:´:./¬ミ{/ .ｒ , }--y- _: : ﾍ ／ ／ └'´|:::|
/: : :.{ ０i、 ゝ'ﾉ ≠ ／ ヽ: ハ ／:::: ／ 凵
. 7: : ／ヽ __k::::ヽ¬ ' .／ ',: .} ／:::;;／
{: ７ ト _ ゞ=r' -=ﾆ }: : :i ／::;;／
|: {---- ', i: : ﾉ ／::;;／ ∧
',:i _ -= , _ --‐‐-- γ⌒ヽ;／ ｒ‐‐-､ /::: 〉
',! γ , - ' ,-' x== 、ﾉ ｀ｰ一'.／::／
ﾍ.人____／ ._,-' : : { }.:.ヽ ／::／
＼ ∠ : : : : : （_`ｊ=イ: :.:ﾉ ／::／
{ ＞＿...／ : : : : : : : イ=ﾐ: /ハ´ . 〈_／
＼ |l|w/L ,r_／ （: : : : : : :ノ '´Yﾉｲ : : :ハ
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ |: :7 ＿__7==ﾊ¬ : : : : |
＼´ 彡x r!: {ハ 弋♀ﾉ￣ ﾌ 7: :|
> ； ’ ∠─ γ7|: : ヽ ＼__ _,／／: : :!
／ }| `{ ヽ: ＿＿,.ニー: :.'´＞' ´￣ヽ
／´ヾ, r､r‐|＾` ヽ＿＿ ノ ＼／ }
/／ }´ | ﾉ
/ ヽ ＿__ イ
何そのいくらなんでもシャレじゃ済まない囁きwwww
ジャストミートされたボールは、瞬く間にフェンスを超えてスタンドイン。
/ ／ / ／
lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､ lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､
∠,,､ -z ,r――― ''" ∠,,､ -z ,r――― ''"
､ '"´,､ィ / ､ '"´,､ィ /
､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l ､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l
､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡 ､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡
| ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ | ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ |＾l
'´ / ／l/ .,／,_ | '´ / ／l/ .,／,_ | ;‐i /'''',,,," 彡
/／ .l＿,'" | .| lﾆ ﾆ/／ l＿,'" | .| lﾆ ﾆl ;‐i ｀ﾞ＾ _,| │
{_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl {_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl .,／,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l＿,'" | .|
{_,lﾞ
,,,,、
,! .,i´:iｰ匸ｌ
│.l＿ ﾞ‐'ﾟ″
,lﾞ /i､｀,!
/ / ｀"
lﾞ丿
｀｀
_＿___
／ ＼
ﾊ ヽ / ﾊ
{ ) ） （ ( }
ヽ// ∧∨
＼ ／
｀￣￣´ ／／／
＼｀＼｀ﾞｉ ／／／
＼＼＼｀:::::::::::,r', '
⌒ ,. ｍ ,⌒
┬-、 /｀ ,lﾞ
.|,,,ﾉ .,,,ο | ,i´
_,,-'彡'"｀ .|丿
,―''''ﾞン'"｀ _ﾚﾞ
｀'-‐" ,i´丿
｀"｀
野村のサヨナラホームランが飛び出し、この試合見事勝利を収める。
残念そうに舌打ちをするというささやき戦術を使い、打つ気を無くしている
という演技をしたのである。
そこで、あわよくば打ち取りたいという相手の思惑を逆手にとったのだ。
_
.ィ:::::::)1≧x
人::::::::::::::::::ﾌ-! 最初から
| {::匸三三{::ト| 演技だったんですね‥‥！？
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
_,....､､､､､､､...,_
,..::'"´:,:'ﾞ´｀ヽ,:'ﾞ´｀ヽ｀'::､
／:::::;:､-i ^ l ^ i‐- ;ヽ, そういうこと！
/:::::;: '´‐-､｀'ー''(´｀)ｰ" ''ﾞ´ ヽ;',
i':::::/ , -─‐- | ﾆニ￣ }.i!
{:::::i i｀''ｰ- ､..,,,,,___|＿_,,,,..､‐iﾞ i
.i::::!. ', ______ / /
,..., .ヽ::､ ヽ,´ ｀ﾞヽ, ,／.／
iﾞ iｰ"ﾞ'ゝ､.,,_`'‐､.,,___,,...ゝ'",.／
｀;ー''ゝ:::::::::::,二M=w-､‐=''"´
／ ○/:::::::::/´ ゝソ/＼...,
'､__,..!,{::::::::::{ 「｀ﾞﾞ'''ｰ-､/`'（ ）
｀ヽ::::::::`::.,''ｰ--,／ ｀"´
(`'ｰ--‐ﾞ<"´
`'‐---‐'
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ バッティングでささやくって
／（ ―） （―）＼ こういうことかお
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| | ほんと、次から次へと色々
＼ ／ よく思いつくもんだお
＿_
／ 〜＼ ま、考えることでノムさんは
／ ノ (●)＼ ここまで来たお人だからな
. ｜ (.／) ⌒）＼
. ｜ （__ノ￣ ＼ いつだって、頭働かせて知恵を絞って‥‥
＼ |
＼ / それがノムさんの野球だろ
. ＼ ⊂ヽ∩
/´ (,＿ ＼.
/ ＼. ＼
./ / |. ＼ソ
（ y' .|
○「悪」知恵
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） ところで雄山さん
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ ちょっと質問いいですか
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ｍm
/ ￣￣￣ つﾉ
| |￣￣￣
, ィ〃〃〃〃〃〃,,）））
,r≦三〃〃〃〃〃〃,）））ゝ､
/彡三〃彡彡//////-'''''' Yミ､
.{ｲﾒ彡///ノ /ｲ 〃リ.ヽ _ _ ﾐヾ
.彡三三ﾆ{ ￣｀ _ {´ ,,,,ゝ
,彡彡三ﾆ;} ∠三二ヽ｀ヽ}∠≦ﾉ
彡ﾒ彡三{ fﾆﾋﾉj''' ､fﾆﾋﾉヽ 何だ？
,彡ｿf-三ﾆ{ ‐-‐' _ ヽ､ｰ' {
彡ﾆl 三{{ _,t ＿____ )、 ｌ
/l/l,ﾊ ` 三} .／ ＿ ヽl
!l/l/l/l｀t-イ ｀￣ - ｀ j
ヾj/T(＼ ､ __ ,イ＼＿＿＿＿
__ノ:;:;:;:ヽ＼＼ ￣￣￣ﾉ i!lヽ:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:￣
／￣￣＼
／ _ノ ＼ 聞いてて思ったんですけど、
| （ ●）（●）
. | （__人__）. ｒｍ､ 事前に聞いてたささやき戦術と
| ｀ ⌒´ﾉｒ川 || 何かちょっと違う感じがするんですよ
. | },.! ノ'
. ヽ ｒ / .|
ヽ ノノ ﾉ
/ ／ .／
| ／
| i´
／￣￣＼
／ ヽ､_ ＼
（●）（● ） | 俺が知ってたのは、
（__人__） |
（｀⌒ ´ | もっと笑えるというか何というか‥‥
. { |
{ ﾉ
mｍ ヽ ノ
（⊂ ￣￣￣ ヽ
￣￣￣| |
__,,.. - ‐ - ､,,_
イ彡三ミ三ミﾐヾミヽ,,
,イ彡〃７ｲﾉﾊ! __ .{｀ﾞﾞﾞﾞヾﾒ
ｲ≦彡ﾒ /≧＝-､ ｀} ‐-‐Ⅵ
.ｲ彡´ 彡 ､ ＝= , ､‐≡ﾆ ああ、それ以上は言わなくても良い
彡ﾉ 彡' ｀ー一 '丿ｰ ヽミﾒ､
ｲ彡ｬ-彡{ ／ｒ ﾆ二ゝ--= ,,.)､ i 相手のプライベートを突っつくような
彡i r､ 彡 ! /Y‐- ．."二_ ‐ ｧl l ささやきのことだろう
彡l ）彡. l:::::::::::::::::::::::::::::l l
ｲﾒ､ ｀ 彡ﾄ､ l:::::::::::::::::::::::::::::j l
川 i:iｔ‐''''''' ヽ:_:.:.:.::::::::::::::ノ .j
川 ll ゝ､ ￣￣￣ ノ
- ‐ ¨￣Т !｀ヽ ￣ ¨ T ￣| ｀ヽ-- ．_
.l ﾍ ＼ ｰ' .l〉)ヽ ﾍ
.ﾍ ﾍ .＼ ‐-- /./ ｌ ﾍ
／￣￣＼
／ _ノ ヽ､_＼
| ( へ ) ( へ ) | そう！
. | （__人__) |
| |!il|!|!| .| そっちです！
. | |ｪｪｪ| }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)､
この敬遠のエピソードもそれだよなあ。初志貫徹して敬遠してればノムさんも困ってたのに、と。
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ 他にもまだ、違ったささやき方でも
／ （●） （●） ＼ してたのか？
| （__人__） |
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
, ィ〃〃〃〃〃〃,,）））
,r≦三〃〃〃〃〃〃,）））ゝ､
/彡三〃彡彡//////-'''''' Yミ､
.{ｲﾒ彡///ノ /ｲ 〃リ.ヽ _ _ ﾐヾ
.彡三三ﾆ{ ￣｀ _ {´ ,,,,ゝ
,彡彡三ﾆ;} ∠三二ヽ｀ヽ}∠≦ﾉ 違うといっても、内容だけだ
彡ﾒ彡三{ fﾆﾋﾉj''' ､fﾆﾋﾉヽ
,彡ｿf-三ﾆ{ ‐-‐' _ ヽ､ｰ' { 野村が主に活用していたささやきは、
彡ﾆl 三{{ _,t ＿____ )、 ｌ あくまで、今まで語ってきたようなやり方だ
/l/l,ﾊ ` 三} .／ ＿ ヽl
!l/l/l/l｀t-イ ｀￣ - ｀ j
ヾj/T(＼ ､ __ ,イ＼＿
__ノ:;:;:;:ヽ＼＼ ￣￣￣ﾉ i!lヽ:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:￣
__,,.. - ‐ - ､,,_
イ彡三ミ三ミﾐヾミヽ,,
,イ彡〃７ｲﾉﾊ! __ .{｀ﾞﾞﾞﾞヾﾒ
ｲ≦彡ﾒ /≧＝-､ ｀} ‐-‐Ⅵ
.ｲ彡´ 彡 ､ ＝= , ､‐≡ﾆ しかし、ささやき戦術が有名なのは
彡ﾉ 彡' ｀ー一 '丿ｰ ヽミﾒ､
ｲ彡ｬ-彡{ ／ｒ ﾆ二ゝ--= ,,.)､ i これから話す方のエピソードのせいだろうな
彡i r､ 彡 ! /Y‐- ．."二_ ‐ ｧl l
彡l ）彡. l:::::::::::::::::::::::::::::l l
ｲﾒ､ ｀ 彡ﾄ､ l:::::::::::::::::::::::::::::j l
川 i:iｔ‐''''''' ヽ:_:.:.:.::::::::::::::ノ .j
川 ll ゝ､ ￣￣￣ ノ
- ‐ ¨￣Т !｀ヽ ￣ ¨ T ￣| ｀ヽ-- ．_
.l ﾍ ＼ ｰ' .l〉)ヽ ﾍ
.ﾍ ﾍ .＼ ‐-- /./ ｌ ﾍ
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ いよっ！
｜:::::⌒（__人__）⌒::|
| ｢匸匸匚| '"|ィ' 今度こそ待ってました！！
, ヘｰ‐- ､ l ｜ /＾''⌒| |
-‐ノ .ヘー‐-ｨ ヽ !‐}_＿,..ﾉ ｜|
''"/／ヽｰ､ ﾉヽ∧ `ｰ一'´ ／ |
/／＾＼ ヾ-､ :| ﾊ ￣ ／ ﾉ |
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ﾉ:l 'ｰｰ＜. / |.
/ <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ :::ヽ ＼ ｀丶､ |
＼＿＿_,／| ! ::::::l、 ＼ ＼|
＿＿__
／_ノ ヽ＼ やらない夫は随分楽しみにしてるみたいだけど
／ （ ●） （●）、 そんな面白い話なのかお？
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | どうせまた卑怯だったり小狡かったり
＼ `ー'´ ／ するんじゃないのかお？
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ツ
::::::::::_,,彡三三::::}￣从从ﾉ｀ヽ
:::::彡三三三三::ヽ |
彡三三三彡三::/ 彡三ﾐ.､ |
彡三彡''"´::::::::::l ＿＿｀ヾゝl そうだな‥‥
彡":::::::::::::::::::::::::| ヽ-┴' {
::::::::::::r―.､::::::::::| ヽ-‐' ヽ この際だから、
::::::::::::l }jヽ::::|. ,. ヽ 先にはっきり言っておこう
::::::::::::ヽ ヽ |::::| ,.-‐' ゝ┬‐'
:::::::::::::::::〉--' 彡 / ,.-=ニ
:::::::::::::::::', l l |
:::::::::,､::､ヽ､ヽ. l
:::lヽ:| ヽl｀"''｀ ‐-,-..,,__ノ
:::ゝ ノ
,ｘ彡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V }-､
人::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{刈::::ミ､
f::::::::::::::::::::::::::ィ了::::::ィ 爪⌒^ ヽ::::､
}::::._::::::-:::::／ /／ / , _, Ｖ
「ﾆ- ￣ ｛､ ､ ｘ｝
{ - -ﾆ} ィ≪三=- _ ｨ≦三j これから話すささやき戦術のエピソードは
,｝- -ﾆ::::::f '"r‐tｯ‐ァ`" 〔ゞ' -く
f=-::＞く:::::::{ ￣ , ヽ l 卑怯とか狡いとか、そういった次元の話ですらないぞ
｝::::::l ミ:::::l ￣ ヽ .{
〕::::::l ミ::} ／（＿＿___ノ l
ｌ::::::::::ヽ `’ / , ---､ l
Ⅵ:::::::::::＞r--' ｀￣ - l
ヾ;,;::r／〔l ノ` 、
／^!::::::ヽ＼ `ー――――＜‘.:::、::`ー―――-- ＿＿＿
_r〜:::::::::::ヽ:::::::、 ＼ ,， ￣￣ ヽ':::::、.:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
-=ﾆ￣::::::l:::::::::::::::::::、::::::、 ＼ > ' ￣`ー-〈 ‘:::::､:::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::、:::::::、 ` ァ'" ,，＿＿ﾉ l:::::､:::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::、::::::＼／ ー=''"￣ } l:::::::､::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::、::::::/ ＿,， ⌒ヽ l::::::::､:::::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::／ 人.l::::::::::､::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::
＿＿＿_
／ ＼
／⌒ ⌒ ＼ えっ？
／（ ・ ） （ ・ ） ＼
| （__ |
＼ _ｌ ／
／ ｰ ＼
野村克也とは、非常に欲が深い人間である。
_,. ---- _
＞:':´: : : : : : : : : : : : : : : ｀ : .,
. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､
／: ＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,ｲ:／ ∨:.,＞─ ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
/: / ＼ i:, ' V: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧
/: _{● ヽ i'__,. . -‐ ' ’´ ,: : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ
7ｲ´ﾍ,..-- ､.ノ! ● i `ヽ､ : : : : : : : : : : : : : : : i
7 {:::::::::::::i八 ﾉ ヽ : : : : : : : : : : : : : i
ー‐┼‐ 乂:;::::ソ ヽ､ ＿_ イ V : : : : : : : : : : : :|
_j_,. | ＿＿＿ ∨ : : : : : : : : : : i
'´￣｜ | ￣｀` i: : : : : : : : : : : ,
ハ,.ｨ i ─z＿ i: : : : : : : : : : 7
／ . l ､ `ヽ 7: : : : : : : : : :/
ﾍ _>‐- ､_ ｀`ヽ､ /: : : : : : : : :, '
ヽ ` ヽ､_ ` :': : : : : : : ; イ
t:､__ ／: : :_;::＞::'７
,.ィ´ｰz_:::::::≧z:::-........................イ::≦:::::::::::＞'´ヽ
, ': : : : : : : ＞:y-z＿＿＿:::::γ' ⌒ヽ-＜ ヽ: : ﾍ
/: : : : : : : : :, ｲ {======} ∨: ﾑ
/: : : : : : : : :/ 弋__j:}_ノ ',: :ハ
選手として対戦相手に負けたくないという思いから頭を使った野球に開眼すれば、
私生活においては際限なく凄まじい浪費を繰り返す。
周囲の人間への「恩」と、己の内から湧き上がる「欲」が、この男の原動力だった。
頭を使う野球に目覚め始めてからは、知識欲も旺盛になった。
知らないことを知る、分からなかったことが分かる、気付かなかったことに気付く。
その瞬間、人として成長したことに自分自身で気付ける。
, -──- ､
／ __ ＼
_＿＿ / ＿＿__／ ヽ ヽ ふむふむ、なるほど
o_ ／ /／ 、（ ．／ ヽ i
/ ┃ ＼＼ヽ ● ． ﾉ |
./ /| ┃＿ ／ ` -へ ! ＿＿＿
,-/＾| | ヽ ヽ ￣ヽ ヽ＼ヽ j / ＼ ＼
! | ヽ､_／ ＼ ヽ､ _ｂ＼ | ` ／ ) /`＝＝＝!
`-` ー ´ ￣￣ ､-（ __）-` ── ､- ´￣ !＝＝＝/
＼ ＼ ＼ ＿＿_ __
￣￣￣￣￣￣ ／ |￣￣ ＼
＿＿ ,|三三三ヽ|/三三三|
.／＿／）
ΞΞ)／
学生時代の無学ぶりはどこへやら、この頃の野村はよく本や新聞に目を
通すようになっていた。
しかしそういった情報媒体に触れれば、芸能人や有名人の
ゴシップも時には目に入ってくる。
／::::::::::::::::;;;;l | l;;;;::::::::::::::::＼
／:::::::::::: ''" ヽ. 。 ,.-‐-､ 。 ノ "'' ::::::::::::＼ おっ
::::::::／ ｰ-､,,,_ ￣´l::::::::::::l｀￣ _,,,､-‐ ＼::::::::::ヽ
,､-‐-､. ｀'''‐- `‐-‐' -‐'''´ ,.-‐-､:::::::::i, 芸能人同士が結婚か
──----- | -----── ヽ::::::::::i,
-----‐‐‐‐‐ │ ‐‐‐‐‐----- }::::::::::i
., _____,,,,,,,,|,,,,,,,_____ ,ノ i:::::::::|
｀'t‐----‐''''''´ ｀''''''‐---‐t''´ |::::::i
i i i:::::i'
.. i i i::::i'
, ヽ. / /::i'
i, ヽ ／ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ"'‐--‐'"ﾞﾞﾞﾞﾞ＼ ／ /:i'
ヽ ＼ / i／ ./'´
:＼ `''‐-､,,,,,,,,,_______,,,,,,,､-‐'´ ／
＼,,,,__ __,,,,,／
｛;,,,,,,,,"""'''''''''''''ゝ‐-､''''''''''''''""",,,,}
/ """'''''''''''''{=＝=}'''''''''''''"""ヽ
/ __,,,:::::::::／ ..`ｰﾞ‐" ＼:::::::::: ＼
/ / ヽ r￣＼
,'::::| ｝ | ::( |ヽ
. ! /ヽ.＿__,.ｨ| ｝＼ ／￣￣￣
実は野村は、その手の記事がたまらなく好きだった。
レギュラーの座を掴んだばかりの若手時代、野村は同僚の杉浦や広瀬と共に、
日課のように夜の街に出かけるのが常だった。
, ──── ､
／ / ⌒ヽ ⌒ヽ ＼
/ , -| ・|・ |- ､ ヽ
/ ／ ｀ー ●ー ´ ＼ ヽ
ｌ / ─ | ─ ヽ l
. | ｌ ─ | ─ ｌ |
, ─ ､ｌ ─ | ─ | !
ｌ l , ─┴─ ､ ｌ /
ヽ､__ ノヽ ／ ＼ ｌ/
ヽ ヽ━━━,−､━━━━く
＼ ／ ヽフ ＼ ヽ
" ⌒⌒ ヽ
| / ＼ j冫｀ヽ ／ ／ :::.:::::::::::::::::...::::::ヽ、
| | ヽ / | 卜 | ／ /::.:.:::::::､.:.:::::::::.､::::::::::::ヽ
|| /＼ ヾｰ' | / ／ /.::/ | | | | | | ::::::::::::::: |
| |/´ ∨/ ´' -,,,＿ l:::l 从 ハ从Vハ |V |::::|
| ||＼ _ム,,,,,,,,､__──'''''´ l:::l ⌒ ⌒ ﾚ'ヽ.:::/
|､_| / ,, ヽ､ l::l○ ､_,､_, ○ ∂ﾉ:/
） ｀ ´ 〉 ヽ /⌒ヽ__ `ﾍ ゝ._） ﾉ/⌒i
/,, /| , /: ! ヽ､ ＼ /:::::/ヽ＞,､ __, イW/ /
｀~'''‐'､ /;; ! ＼ . /:::::/ ヾ:::|三/::{ﾍ､__/
￣
杉浦 忠 広瀬 叔功
よく練習もしたが、同時に「南海の三悪人」と呼ばれるほどよく遊び回った３人は
年齢も近く、当時はまだ仲が良かったこともあり、常に行動を共にした。
試合があった日も、次の日がデーゲームでも、夜の街へと消えていく。
元々、野村は酒が弱い。
付き合いはするものの、極めて薄く割った水割りを傾ける程度で、痛飲はしない。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ 酔っぱらった人って
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V 普段言わないようなこと喋るから
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V 面白いよね
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧ ﾒﾝﾄﾞｳﾊﾐﾀｸﾅｲｹﾄﾞ
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
ただし、酒の席の座持ちは良かった。
酔っ払いの口から、他人のゴシップが聞けるからである。
ちなみにまったくの余談だが、野村に夜の遊びを教えこんだのは、
大体が杉浦である。
/ヽ
.,r,/::::.ヽ
./::::::::::::::::＼
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|::::::::::::/ ',:::::::/ ヽ::::::::::::::::l よーし野村！
|:::::::::::| ',:::/ |::::::::::::::/
ヽ::::::::|. ∨ |:::::::::::/ 今日も行くか！
ヽ::,-､. 〈ﾆ＼. ／ﾆゝ.,-､:::/
｛ヾ´￣|￣/￣/￣｀ﾘ、ヽ {__｡>_ｨ'｡_.7 /７/ ￣/￣/￣/´￣￣｀ア
＼＼ | | | | |.ヽ7 ヽ. .r_ /_ノヽ. / / ,-､ .／／
＼＼. | | | | .＼＼.ヽヾﾆｿ ／／／＼.| ,-､l l ,'ﾍ／:|
＼＼.___|__|__|_／ ＼＼ﾆﾆﾆ／／ /ﾍ|⌒l ｌ| |.! 〉.:::|
/ ｀'-──‐'゛ `ｰ-‐─´ │ ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ゝ:::＼
/.:.:.:.:.:.:.:./| | | ＼;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ヽ＼:::::〉
. /.:.:.:.:.:.:.:./. |｀====.／ﾆ二二二ヽ=====´ /ヽ ./:::|
/.:.:.:.::.:.:.:/ ヽ ||─────|| / ＼＿＿＿／.:.:/ ← 大学時代から、この手の遊びはお手のもの
./.:.:.:.:.:.:.::/. ＼ ||―-------‐|| . / ヽ二二ﾆ／
＿＿＿
r ,ﾆ-､. ,r―-､｀ ｰ 、
r ´ / i i ヽ、 オッケー
/ ,. ! '`j､0 ﾉｰ ､ i
l r'ｰ-ﾆｰ（__.ﾉ` ﾆ-―'' ヽ .! どこに行こうか
!/ r三ニ l _三三_ i !
!l. `-r―‐ '''´￣_..........._ ! l i
,r―､ l! ヽ ,r'´ ／ l i
. ! ,ﾄヽ. ヽ ! _,／ / /
｀ヽ'´ ヽ ` ''''´ / ,r'
ヽ ⊂ニﾆrﾆヽニニニニ⊃、
ヽ / ヽ!ノ ヽ ヽ
ヽl┌――――‐┐ ! ,.ヽ._
! l ,! l. ｀Y !
lヽヽ _ _／ / `!-- '
l ヽ､ 二二 -' !｀)
j＿＿__.ヽ .l´
(´ r'￣￣￣￣￣ヽ ← 田舎育ちで金を使った遊びに免疫がない
￣￣￣ `ー-----― ''´
後年監督の座を巡って仲をこじらせた２人だが、若い頃はチーム内で誰よりも
仲が良かったのも確かであった。
さて、そんな杉浦や広瀬らと夜の街を飲み歩き、面白いゴシップを知って
好奇心を満たす毎日の中で、ある時ふと気付いた。
. . : : : : ￣￣: : : : : . _
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ :. ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
,:': : : : : : : : : , -- ､: : : , -- ､.: : : : : : : : :ﾍ
/: : : : : : : : : / ﾍ::/ ヽ: : : : : : : : :ﾍ そうだ
/: : : : : : : : : 7 ｀` ｘ.,_ | _,ｘ '´ ',: : : : : : : :.ハ
7: : : : :,＞ ' ´ i. { (:・:)}Y{(:・:) } }￣｀`ヽ,:.-.: :.', これって、もしかしたら
i: : ー:' _ ﾍ `ー' ∧`ー ' ./ ,. -'´ ヽ: :.｜ ささやきにも使えるんじゃないか？
|: :./ ｀ヽ､ ー- 7:r ):ﾊー-‐ '_,. ´ ∨:|
|:７-- ＿＿__ 乂::::ノ __,. --──:.'
V{ γ⌒ | _ j:7
ハ; ', _,. -‐ '´ | ｀ z- __ //
ヾ ‐'´ヽ ＿ | _ . -‐:':´, ' 〃
ﾍ ＼ﾏ´: ￣￣￣: : : : : : : : . ｲ ∠_
_,.Ⅹ `ヽ､: : : : : : : : : ＞'´ ,ｨ/: : :＼
＞'´: : : ＼ヽ､ ￣￣￣ _,. ィ::／:.| : : : :ﾍ
, : ´￣｀ :.､: : : : |: : :＞-::::::ー::......................:::::::::::＞'´ヽ : .!: : : : :ハ
〃 Y: : :.!: / ７´===:ｷ ´ Ⅵ, --- ､:.}
.
ささやき戦術は、相手の集中力を乱すために活用するものだ。
そしてプライベートな出来事を余人からいきなり言われようものなら、
誰もが驚くに違いない。
＿＿＿＿
,. : ´: : : ＿: : : :＿｀ : ､
／: : : : :.y'´ ヽ/´ ヽ: : ＼
, ': : : : ＞‐{ ､_, |r9 }_: : : ﾍ 実際、そういうこと言われたら
/: : :.／_ ﾍ ノﾊ, ノ ヽ:.ハ
': : ,:' ｀ ヽ､ 弋::::ノ￣_,. --- V:.i 嫌だもんね
|: 7 ￣｀ー-､, | ´＿＿＿, Ⅵ
i: { ---- .__ | }!
.V! ￣｀ヽ､. | ￣｀`ー ,:'
ハ! ＼. | ,. -- ､ /
ヽ ー┴‐ ´ ／
弋ー---x ' ‐､-:r ⌒ヽ-::ﾆ｝
7: ￣: :{ jｨヽ j￣: :j
|: : : : : :`ー:': : ＞':.´: :.＞'!
V: 弋ーt ≦ ー ﾌ ,i : : |
γ: : : :＼ ー─' , ｨ: : : : Y
>､_: : : : : : :r-- y: : : : : : _ﾉ_
弋 ￣￣￣) (_￣￣ ）
￣￣￣ ￣￣￣￣
だからこそ、無視することも難しいのではないか。
ならば、ささやきにも使えるのではと考えたのである。
その手の遊びに浸る機会には事欠かったんだろうなあ
だが、個人のゴシップネタをささやき戦術に使ったところで、果たして
本当に効果があるのかどうか。
_,,,,,--―――--,,,,_
. ,r-‐'´r-―-､;;;;;;r-―-､;;;｀`ヘ
,〆;;;;;;;;;/｀`ゝ､ ∨ _,,-''´ヽ;;;;;;;;;;＼
／;;;;;;;;;;;;;;l `''-l-''´ l;;;;;;;;;;;;;;ヽ 今まで、そういうささやきを
/;;;;;;;;;;;;;;;_,,,l ･ ∧ ･ |＿;;;;;;;;;;;;ヽ
/;;;;;;;;r-'´ ヽ､ ,ノ-ヽ､＿＿,ノ ｀ヽ;;;;;;;;∨. してた人はいなかったしね
,';;;;;;;/ ｀￣´（;;;;o） ヽ;;;;;;;l
l;;;;;/ ￣￣￣ /::::::::ヽ ￣￣￣ l;;;;;;|
|;;;;l ――― (:::::::::::::::) ――― |;;;;|
l;;;;| ,,,- ｀￣￣´ ー--,,,,__ |;;;l
,r-―-､ i;;;l -‐'''´ ,r'´￣｀ゝ―'''´￣￣｀ヽ l;;;l
/ ヽ ',;;;l ／;;;;;;_,r-―――--､;;;;;;;;;;ﾍ i;;;l
l ／`ゝ､;;l {;;;;;r'´::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;| /;;/
ヽ ／:::::::::::::::ヾ ヽ;;;l::::::::::,r-――-,,,_ l;;;;;;;;ﾉ /;;/
ゝ::::::::::::::::::::::::::ヾ: ｀ー'''´ ｀ー''´ /／
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ-―――――――――――ｧ-､
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l::::＼ ,-‐'´｀ヽ､ ,〆:::l:::::ヽ
ﾍ::::::::::::::::::::::::::::ゝ--ｧ＼＜´ 〉-〈 ＼／r-､/::::::::::::ヽ
＼:::::::::::::::::i:::::::::<:::::::::`ゝ､ | | ,〆:::::::>:::::ヽ:::::::::::::}
一抹の不安を覚えた野村は、当時南海ホークスをお得意にしていた
ある投手に対して、試しに使ってみることにした。
夜遊びも何も、ノムさんにとっては全てが勝利のため、に集約されるんだな
この男である。
ヽ､ ::.;,;;::..... ﾉ;;:; '､::.:;;::;;;,; .!/: : : : : : /､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::i: ::|;;ﾉ !
.ヽ:::.:: :;;:....:..:;;;,;r''ヽ;;ヽ、.＼;;,;;:; ".| ｌ'､ |.!. !' ｌ: ::,､: ,/|: : /|: : : :/゛`l: :!::.i .i: : !::.:i ） ﾉ
＼:::..:.:.:;;:.:;;;::.:.::|;;;;:;.;;:;.｀＼;;;｀ヽ;;r |′' l!|/i､ .ヽ,!ﾉ／.|! lﾞ .!|:;;;;/,_,,,,,|/,V,! `‐ レ'ﾌ ./
＿,,,_ , -ー-- 、,,-ー--､,, _,, -ｰ- ､.,'"-,,`‐;;:ヽ ;;; l"::://r--､,,--,';,:,:;;::;:.,i/ﾞ,!,,_/;;,
,r'",-‐､`", '''"゛`ヽ｀ﾞ,''"~´´ヽ｀ﾞ,''""ﾞﾞヽ.ﾞ ）`,｀:::::;;;::ﾞ| ::ヾ;;;:;ミヽ､,,__,,ノ" ,i;;:;;; |;;|" ;'' ;
＿/_/ -‐､/_/_,,-‐‐､/_/,,,-―､/ ./,‐ー､./ / ヽ,:;;;:;:::! :: ;' ､;;;;''" ／;''.::.:/ ,;'";;; ,,
,'＝=、 ::r'＝=､ ..::r＝=､,'ﾞ ..::,, ‐'´:. .:/ /:, ､ !:::::::::l :: ;ﾞ .;;;;'';;;;/;;;;;'' :::/ ;; ";;''"`;
lﾞ:::::.. (;:;;lﾞ:::::.. .(;;;;:;:lﾞ:::::...... (;;:;:;; r＝=､: ..::/ /::.:!:.| .|::::::::! :: ; ,;;'':::./;;;;,'' ::/ ` ,,､ -''／
.i゛'''''"゛ '"l゛'''''''""`i''i゛''''''''""i`"l::;;;;,... |l .;;;|''.!.::.:`" .|:::ヽ' ::,_` l;'' ,"` .／ イ ／,r ''了 ／ 了
|:::.::.:.: ::.:|::.:.:.::.::. ::|;|::.::.:.::. ::.:|;;;|:::.:.. :ﾞｒ'":::! ..l.:::.:.. |::::::`ｰ'" ､ ,;' ／,;"`, / /,/ /／ ,／
.|::::.:.:.: ::.|:::.:.::.:::. ::|;|::.::.::.: ..::|;;;;|::.::.: ::|::.::.:::.::.|::..::. | ^'--――=､^＞｀ .／;;" / /:/ // _/
!;;::_;;;,,.-'~!;;;::＿;;;,.!;!;;;;___;;;,,.!ヽ !;;;;＿;;!-､,::.::.:.|..::... ヽ --＝彡 | ,;''／::.:;;' ,..‐' ｲ / / __/: l／ ／ﾞ '' ､
ヽ／`￣ヽ､;;__ノ:: ヽ､,,_ノ::. ヽ､,,ノﾞ;;::...）::.::!.::.::.::.. ＼ ,;'..|,／ ::;;:;:;;;r'";;''" |. / /／＿_, ／＿ ／ ,､-'"/
／::.:.::.::.＼ ヾ- ､;;;;:__,,ノ- ､;;;;____ノ￣ "´::.:.::i::.:.::.::.::: `､〜--ｰ'' ヽr'"~￣,;'" ,' | レ '''" / ｀',,､- ''" ,,,/
／::.::.::.:.. ::.`y'::.:.::.:::.::'''ｰ -､::....::.::.::.::.::.:.:.:.:.:::.:.:.ヽ.::.::.::.:.:::: ヽ、::.:.:.:.:;;＼ ,;'' | ,､-ｰｰ' ／ ／
.!::.:::.::.. :::.／- 、 ..::＼ ::.::.::.:::.:.:.::::::.:.:.:.:..＼::.:.::.:::.::: .,､ i~l`ヽ、;;::.＼;;'' ;;,;; | r' ／ __／
lヽ:.. ::..／ ` 、 ..:..:.::::,! ::.::.::.:.:::.::.:::.:::.:.:.::.:::丶 ::..::.::::.:! |.| .!., 、＼ ＼;;'; ;;,''; | | ∠ ／
ヽ,＼;;;__;r'"::.:.:.::.:.::.::.: ﾉ::.:..:::.::::.:._/::::.:.::.:.::::.::.:.::..:.:.:.:.::;;;__::.::.＼:.:::..`" /./.! l .＼ .＼;;,.,,; | | | ／
`ヽ,_/::.:.::.:.::.::.:::r'"l_,,..-''''"`ﾝ-―――--.... --'''" .,,｀''ヽ＿ヽ;ノ /::.`":: .＼ ヽ / | | /
` --─'"｀'''―--ｰ'''"＼;;;::.:. ｀ヽ;;;___;;;::-‐'´ .ノ `ヽ::.::.::.:/_/::.:...:.::::: .＼ ＼ | ／ |/
|／
稲尾 和久
当時西鉄ライオンズのエースだった稲尾は大分県別府市出身、球界屈指の酒豪でもある。
アイスペールに並々と注いだブランデーを１人で飲み干しても平然としていたという
逸話を残すなど、稲尾もまた酒の席は嫌いではなかった。
しかも彼は、「神様、仏様」と呼ばれるなど、九州では絶大な
支持を誇った男でもある。
_____
,. -‐＜ ｀ 、
∠Oo ｀丶 ー=ミメ､
／ ﾟ Oo ヽ ヽ.丶
〃〃y' ,' ﾟ o｡ ー=ミ ヽ
. i|∽∽∽∽o｡ ﾟ8 ｀ヾ. ハ
. 八 入 人_ .°Ooミメ } ヽ、＼丶 i
`{ ｀ー-マ)ヽヾ ミ､い Ｙ | この前も、稲尾選手がこの店で
. _'. ｭ_￣ ヽ 8 }i ヽ.} l. ｜ 飲んでいってくれてな
`〉 Yiう` 8 从 ﾘ ｜ :!
ノ 8 ﾉメj i { 彼は常連で、よく私も同席するのだ
ヽ ﾟo 乂| ﾊ! !. ｉ
:､__ ﾟ o 从 | l |
ゞ ,. ﾟ o从ノﾊハ人
ゝ--‐ ＜ {､__
Ｖ艾艾艾艾艾艾艾ｱ__
〉ＯＯＯＯＯＯＯＯ〈⌒ヾヽ
/乂乂乂乂乂乂乂ﾊ_____ツ
_rf壬少＾＾＾＾＾＾＾＾＾ア壬ﾁfY
_rf壬少´ _rくア⌒`マ〉
rf壬少´,. ノ刀^ア ＼
＿＿＿＿＿
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ （|） |- ヽ へぇ
/ ／ `ー ●ｰ′ ヽ
ｉ / 二 | 二 l､ サイの顔も広いもんだね
| | ─ | ─ ＿＿）
| | ／´￣￣￣￣￣ / /
! ! i ／⌒ヽ⌒ヽ / /
ヽ ヽ/⌒ヽ＿＿＿／ ／
┝／ ＼_ノ━━６━━､
/ / ＿＿＿ ヽ ＼_
| | ヽ ﾉ | （__）
西鉄と戦うために福岡へ遠征し中洲の街に繰り出せば、
稲尾の目撃証言はザラだった、
その時に仕入れた話を、ぶつけてみることにしたのである。
迎えた西鉄との試合、まだ指名打者制度が導入される以前の時代なので、
投手である稲尾も打席に入る。
＿＿＿＿_
／／⌒ ⌒ヽ ｀＼
/ / ・/・ / ､ ヽ やあ、サイ
/／ `ｰ●ー ´ ＼ ヽ
/＾ 三 / 三 ヽ ｌ
ヽ.＿_ / ＿＿ l |
| ヽ￣￣￣￣ / | ｌ
ヽ ＼／ ￣｀ヽ／ / /
ヽ ヽ､＿＿／ / /
>━━,-､━━━━┥
/ ／ ヽﾌ /⌒ヽ￣ ｌ
,､∧ﾊノ丶人/ヽ'lﾉi_
ﾉlヽノ) /ヽ' ） ノ i フ￣i_
iV!/ｌ .| ! ／!./ !,／-‐'ﾉ￣ﾉノ;ﾉ ノ_
l,|.i_ノ /',i/ ﾉ-'"ノ' ｌ 'ノフミノ）彡 （
iv'ﾉ '､ / ',／".／ . ノ, -‐ー'ヽ`＞ﾆ >
.i､ i､| / Y./ヽ､, '", ;;彡'"二i'⌒ヽ"､二ﾆゝ おう
､| ` ､ヽ`ミノﾆヽ/" `ﾞｰ''彡三| lミ､.i_, ゝノﾉ>
_iヽ‐-ヾ､,､ (,,`ヾ ミ` ` l`''ヽ `ゝ
ヽ_`_､-,'`;;| `‐-`, '" ヽﾉ"＞ヾ!` ＼,'"
ヾ;;__/ｌ,ヾ! i. /,' .／l! ヽ ' , /:.:.:.:.:.:.
|;!'､ '､/;i ."'ﾟ./ ` ヽ |:.:.:.:.:.:.:.:
! ＼.ヽ `:::､ ,'', .', ,ノ:.:.:.:.:／
.ﾞi/ヽ,_ /::::! !:.:.:.:.:,':.:.:.:
`"'| ._) ,, ./:::::', ﾉ:.:.:.:./:.:.:.:
､ ;:_,," ／ ./:::::::: ./:.:.:.:./:.:.:.:.:
`"￣ヽ_/ / :::::::::: /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:
`''､ .,/ ,-‐､:::,.':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:
ヽ,__,,'／―ｰ''":.:.:.:ノ:.:.:.:.:.:.:.:
.／:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.,／:.,':.:.:.:.:.:.:.:.:.
そこで野村は、仕入れてきた話をささやいてみることにした。
１球目の後、ピッチャーにボールを投げ返しながら、まずは店の名前を出す。
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ 中洲のなんとかっていう店、
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ 別嬪さんが多いらしいね
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
,,
. /( ／( 从彡__
. ， ﾉ)/" ﾌ_,
、 ,从ノﾉﾉ).:,.; ,: <_,
ヽｉ;l;l;l;l;l;ﾉノﾆノﾉン ミ ん？ ああ
v;ゝ;l;l;l;{ヽヾ 彡''"三; ﾐ
.. j;l;l;l;l;j从 ;j__ `ﾐ三7 ヽ〉ﾐ;ﾐ;ﾐ そうだな
从;l八_彡rｯﾞ 7; ) /ﾐ;ﾐ;ﾐ;ﾐ
. 寸 ,´´ ,:: 厂"｀゛``､
厂 、 ;: ,:: ::ヽ
. ゝ彳__,..， ,.:: j :::＼
て ,.:: / :::::::.,
ヽ_,.:≦ ′ ,:: ::::::::.,
ヽ,:: - ‐ ￣ ‐- :.,
/ ／ :::::ヽ
/ .′ ::::::::,
稲尾にとっては通い慣れた店である。
野村がそれを知っていたことに少し驚いたが、顔に出すほどのことではない。
２球目の後には、稲尾がよく同席したというホステスの名前を出す。
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ ファルネーゼちゃんて、
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 ヽ ヽ 可愛い子じゃないか
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
,､∧ﾊノ丶人/ヽ'lﾉi_
ﾉlヽノ) /ヽ' ） ノ i フ￣i_
iV!/ｌ .| ! ／!./ !,／-‐'ﾉ￣ﾉノ;ﾉ ノ_
l,|.i_ノ /',i/ ﾉ-'"ノ' ｌ 'ノフミノ）彡 （
iv'ﾉ '､ / ',／".／ . ノ, -‐ー'ヽ`＞ﾆ >
.i､ i､| / Y./ヽ､, '", ;;彡'"二i'⌒ヽ"､二ﾆゝ ‥‥まあな
､| ` ､ヽ`ミノﾆヽ/" `ﾞｰ''彡三| lミ､.i_, ゝノﾉ>
_iヽ‐-ヾ､,､ (,,`ヾ ミ` ` l`''ヽ `ゝ
ヽ_`_､-,'`;;| `‐-`, '" ヽﾉ"＞ヾ!` ＼,'"
ヾ;;__/ｌ,ヾ! i. /,' .／l! ヽ ' , /:.:.:.:.:.:.
|;!'､ '､/;i ."'ﾟ./ ` ヽ |:.:.:.:.:.:.:.:
! ＼.ヽ `:::､ ,'', .', ,ノ:.:.:.:.:／
.ﾞi/ヽ,_ /::::! !:.:.:.:.:,':.:.:.:
`"'| ._) ,, ./:::::', ﾉ:.:.:.:./:.:.:.:
､ ;:_,," ／ ./:::::::: ./:.:.:.:./:.:.:.:.:
`"￣ヽ_/ / :::::::::: /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:
`''､ .,/ ,-‐､:::,.':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:
ヽ,__,,'／―ｰ''":.:.:.:ノ:.:.:.:.:.:.:.:
.／:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.,／:.,':.:.:.:.:.:.:.:.:.
確かに、そのホステスのことも知っている。
徐々に具体的になる野村の話に、稲尾の集中力は乱れ始める。
そして３球目、ピッチャーが投球動作に入ったその瞬間、
. ｰ-､
/.:::::::弋
( 1´`ｰ=''
_＿＿}､ ｿ
/ｰ-=圦::::::/⌒ヽ
{ｰ=≡ ハ ´ ＼
7ｰ=≠ｘ ゝ、_/ |
/ｰ=ﾃ.:::::入ﾉ.:::廴_ _｣
(:::::::/ /´ ｀ヾ:::::入
`¨ { ｰ'' く
Ⅶ 、 i
Ⅶ i:.. |
Ⅷ |:::.. _ﾉ
}::: !:::::Y´
r一= '{:::::!
￣Ⅷ≧/.::/
ｌ::::::::::::′
|::.:.:.:.::| {ー―一ヽ
|:.:....:.::| ｀ ￣ / / _
|: : : :.:| /メ ､ ゞ ヾ ）}
|: :| ／ ＼〉 ＿ ノ '
|: .::|
|:: ::::!
/⌒ヾミ:
`ｰ=≠''
野村は、とんでもないことをささやいた。
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! 子供ができたって、
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | お前のか？
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
.ミ:::三::/|::| /://:::::/|:|::| |::|}:!､:|ヽヽ:!ヽ::| ≦:三::::::::/
ヽ::ｰｲ/ｧl::「|/|:! |:::|/|:|:|! |::!ﾘ l:! ﾚ__,. -ﾍ､､ ヾミ::::::彡ｨ
>::::/::j /-- ､_l:L_!__ |:!l V|:L -‐'´ ,. -へ､> 〈ミ:::三:::彡
〉//://-- ､,,,＿__ Y川 {Lヽ--‐'´＝＝､、〉 ヾミ::::::彳 ヽ人_从人人
ﾉ:;ｨ/! ＿ 二ヾ彡l ⌒ミ!l イ__○＿__》_ 〈ミ::::::::ソ ＜ ＞
ヽ彡! ｯ==＝ミ / '⌒ ｀ヽ｀￣￣￣ ﾄ､::ミ:ｨ′ ＜ 何！？ ＞
く::::/| U //´ ｀ヽ、,、 u |ミ::;-< ＜ ＞
|/::| |//ﾞ! |ヽ y' ＼ ミ/ ﾍ ! Y⌒YW⌒Y
l ヾ! `ｰ' -‐' ヽ、 ＼ ﾐ/ ｨ_ ||
|入| / _,. r─;‐┬ T'''T￣l￣l:!l ､ ;、 !〈__j l|
{〈_」! l | l:r| L.⊥┼ ┼┼､.」__j::!|. | ヾ! _ﾉ r ﾉ
ヽ-L! | j|:YY´l l | | | | |_y'! | lヽ ﾄ-イ
ヽ__l | ヾLト-'─'一''´￣￣｀ﾞ // |:/ jヾ i|
| !.! -‐'''"´￣￣ / / /|
!ヽヽ / ／ / |
| ヽヽ /／ ,' | ＿＿
! | ヾ､ | __,r''´ ,' | ,. -'´;:;:::::::::
| ! ｀ﾞ''ー──＝ ''´ ∧ i _レ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
野村は自分が仕入れた話に尾ひれをつけてささやいてみたのだが、
その効果は絶大だった。
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ お前の奥さんも別嬪さんだけど、
/／ `−● − ′ ＼ ヽ 怒ったら怖そうだもんなぁ
| 三 | 三 ヽ ヽ
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | | 人気者は大変だよなぁ
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
._iヽ|`‐┘`"V`;-'`i'､li/i､iヽ,､
..＞;;;;;;;､ミﾐヾ`ヽ､＼ヾ川|! ﾉノ_丿
.._」;;;;;;;;;;ヾ＼ミヽ＼ヾ､ヾ〃i '~=､
.>;;;;;;;;;ミ;;;;;-;;;;;;ミ三ﾐ／::~）ｿ ,､ミﾐ､
ゞ;;;;;;;三二;;;;;￣=＝{ /" !ﾉi!）)
..~);;;;;;;:;;;;;;;:__-二三ﾌ ='`ヾ;; ( ちょ、ちょっと待ってくれノムさん！
〈;;;;;;:;;;三/ﾉ＼三' U "､__;:"〈
ﾉ;;;;;:;;彡!ヽ 〈L'ﾞ :::::.... ゛ "`-, どこからそういう話が出たんだ！？
.ﾉ;;;;;:;;/!/`ヽ-' ｒ ‐'"
.ノ /`'"' ,' | __〉
/;;: ‐- / i ヽ_ ,!
┐ _, / | ; ￣_`::.. （
' -二｛ i ; i /￣` -ー' ←ちなみに、身に覚えあり
.ﾉi＿ ヽ,ﾉ＼ | ; ;ノ/
稲尾の動揺は激しく、その打席はあっさり三振を喫する。
こうなるともう、野球どころではない。
/i /L_､､ /L_（ /|
＼ヽ 〃 ﾚ'::::::::::::i{ノ::::::::::し'::ヾ_ノ'v､ ┼─┐─┼─ ／ ,.
i /ヾ､>-::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::じ7 │ │─┼─ ／| _,.イ,,.ィ'
| ）､| V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Ｌ │ | │ | | | イン
| ヽ!`レ '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: （_
､ﾚ':::::::::::::::::::::::::::,/,;: /N､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::γ
）::::::::::::::::::::::::::ﾄ ヾ}:::::::::::::::::::::::::::::::::::,へ､:::::::::::::::::::::::::（_ ┼─┐─┼─ ／ ,.
ミ∨ :::::::::::::::::::::::::::|ヽ＼､ }::::::::::::::::::::::::::::::::/ ,ﾍヽ:::::::::::::::::::::::て │ │─┼─ ／| _,.イ,,.ィ'
＼ヾ::::::::::::::::::i::::::|::::::ﾄ |{ ~ ＝ミ彡､::::::::{/ ヾ::::::::::::::::::::ヽ_ ‥‥‥ │ | │ | | | イン
＞:::::::::::::::::{ヽﾉ / _ -¬ 三〃 }:::::::::::::::::::::::{
〃⌒>:::::ﾄ、::ヽ /::::::／ u /// 勹 /人:::::::::::::::::::::＞
/ / | ヾ ,ノ:::／ , ┐ ' " T l `ヽ,､::::::::::::::Σ
i{ i{ ル /::::r' ､ ／ ( ｿ゛ （_ ノ YY´ヽlへ
ヽ ヾ ! ミ三 )L 〃 「 ヾ ヽ＼ ┼─┐─┼─ ／ ,.
ミ､ ~ Ξ|! ヽ､ 丶 ＼ │ │─┼─ ／| _,.イ,,.ィ'
|___ 三| i _＿＿＿＞ー::::::::::::: │ | │ | | | イン
| u , -===＝ー".::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| __／:::::::_､::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;_ _:::::::::::::::::::::::::
ﾉ __, u Ｚ:::::::〃三{ i!三三三三彡 {iiミ､__::::::::::::::
ヽ_ -¬_ _ ―､ 从ii彡三三{ }三三三三ﾐ} /三三三ミ､:::::
`┐ _ -彡 三三三! 1三三三〃 /三三三三三
└ ､ 〃､ ヾ三三三ミ! |三三三/ /三三三三三
| 〃三ﾐ､ ヾ三三三{ |三三〃 /三三三三三
ヽ 〃三三ミヾ ﾐ三三ﾐ{ }三i〃 /三三三三三
／三三三三ミ､ >三三L !三/ /三三三三三彡
次の回にマウンドに上がるが、ボールは走らなくなり、制球は乱れる。
南海自慢の４００フィート打線に捕まってしまい、滅多打ちを食らいノックアウトされ、
稲尾はこの試合敗戦投手となるのであった。
聖人のごとき神様仏様も人の子であるｗ
実際、野球選手がそれぐらいおおっぴらに遊べた時代ということもあり、
その手の逸話を持つ選手も珍しくなかったからこそ尾ひれをつけたのだが、
成果は想像以上だった。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ ふふふ
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V このささやき方、使えるね
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
ﾊ ,ｨ /ヽ_,.ィ_ノi､_,.
i､_ﾄ';;;ゞiｿ;;;;;:／i;;;i,r‐'";:
.i､j;;`i ;;川;;;;i;;;／;:,.,.ｼ;;: ;;;;:;
.､ゞ‐!ﾞi; ;/;;ﾉ;;;;:;ﾉ:;r‐;;'";; ,,,,;;: ;:;:;:
__ヾ｀ヾ;:ﾞi､i;;i;;i;;;;;/;;;;:／;:;:彡;;;;:;:;彡;
｀ヾ;;ヽ､;;;;ヾゞ;,ｨ;;;;;彡 ;:;:;:;::彡;;;;;／
.,.フ;;;;ゞ;:;ﾞy';;,ｨ;!l;;iミ;;;三;:;:;:;:;:;三三
i'´i;ｨ;;イ:;;ﾄ､;i ﾞ､ヾ;iヾ;;;;:三;;;;:;;:;:;;/,､ヽ
l;;!､;;|､;l ﾞi, _,, ｀ﾞ'三三;/ん､ ﾞi あれはねぇ
ﾞi;! }､ ,,r;;-' 三ｼ /⌒'i l.|
l_,.ｨジﾞ__,,.., `‐／ / いくらなんでも、あれはねぇよ
ヾﾞ::ﾍ;!__/ ﾞ) /
.j ／ {__/ .;
/` U | ;
.( :| ;
`'''‐､ /:l ;
〉-─ ／: :l .;
.｀'i ／::: :: __,r─
j ／'⌒i ／/ ,ノ
.ヽ､,,,､-''´ V ／／//
_,､ｲフﾞ/ /:: // /
_,//:/ iﾞ./ /: //∠
稲尾の方も、よほど印象に残ったのだろう。
後年このエピソードを語る際には、流石に野村に対して刺を生やしたという。
だがこれで、この手のささやきが有用なことは分かった。
そうなると、気分転換のための夜の店は情報収集の場へと早変わりする。
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ{
| |!
＿＿＿＿|_|ﾄ､
三三三i ＝ }｜ ＿＿__
rfzrfzrく＝くj::{ }/////{
ルルル{リイ!｜ ＿／//////＼
￣￣￣￣| | {＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿}K}三三三三く
| | {三三三三三三三三三三三三三三{乂,ｲ| |! : : :.
| | {玄! }文{イ ! |! : : : :.
| | {rfi{ クラブ DOLLS }fﾏ{ ｜ |! : : : : :.
| | {セi＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__忙ﾘ ゞ＝＝＝彡 . : : : :
＝＝==＜| | {り＞≦i{ ＿＿ ノノ : : : : . . . . . : : : : : .
| | {爿辷之} .／／￣￣ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
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,. -――‐- ._
,. '´ /⌒ヽ /⌒ヽ ｀ヽ
/ ! ・ l_!・ ! ヽ よーし
.. / ,. ‐へ＿,ノ-ヽ＿_ノ‐､ ﾍ
,' / ｀`'''ｰ- ﾞ､_,ﾉ -‐''" ヽ ', 今日はこの店にしよう
! l ￣￣_ | _￣￣ l |
l l ‐弋´ ｜ ｀~ﾌｰ ! l
. ', ', ＞-､_ | _,. -'" / /
VV { ） ￣ / /
ヽ／ ｀ー'＿＿＿＿＿,/／
/ /--/⌒ヽ----┘、
l / ﾋΤﾌ ヽ ＼
当時はまだプロ野球チームがほとんど関東と関西に固まっていたこともあり、
東京の銀座、大阪の北新地に行けば、野球選手の目撃情報を集めるのは容易かった。
キャバレーに通い、彼らの情報をかき集める。
, ──── ､
／ / ⌒ヽ ⌒ヽ ＼ こんばんは
/ , -| ・|・ |- ､ ヽ
/ ／ ｀ー ●ー ´ ＼ ヽ 一人だけど、いいかな？
ｌ / ─ | ─ ヽ l
. | ｌ ─ | ─ ｌ |
, ─ ､ｌ ─ | ─ | !
ｌ l , ─┴─ ､ ｌ /
ヽ､__ ノヽ ／ ＼ ｌ/
ヽ ヽ━━━,−､━━━━く
＼ ／ ヽフ ＼ ヽ
／;;;;r'￣´ ｀￣ゝ､;;;;;;;;;;ﾊヽ
／ソ´ (ﾍ;;;;;;;ﾊ）ﾊ
/／´ / (ﾍ;;;;;;;|） ﾊ
ﾚ' /| ヽヽ ヽ （ﾍ;;;;|） ﾊ
/ / /│ |＿＼|__|＿_ (ﾍ;|）） ﾊ もちろんよぉ
l / l | | r'| | ﾊ ｀ ((!!)) |
| | | 」-ﾄ､ﾄ､ | _x===| }（（ﾄ､ヽ | こちらへどうぞ
| レ|´| | | ヽ | ｒテ´ | / ハヽ__」〉|
＿| | | | |_==ヾ､ ∨ |/ / {{￣￣||
〈l￣〉ﾊﾊ ＼＼xﾞ , /／/ / llヾ〉 |||
ヾ_'-'∧. ヽ ＼＼ _ ノ jﾉ ,ｲ /| ll |ヾ_ | /
/||ゞ´∧ ＼_＼ゝ ／// | {{| | | /;;;
/／´|| 〉〉､_ ヽ￣ヽ､ ／ｲ‐,,/ ﾞ| | |∧／;;;;;;
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＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ｲ /;;;|/;;;;;;;;;;;;;;;/》／ ＼ 《 ﾚ'/;;|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／|;;;;;;;;;;;;ﾚ/;;／;;;/ ゞ===ﾞ´ 《/;;;;;ﾚ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
;;;;;;;／|／ |;;;;∧__{;;;;|;;;;;/） 《/;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
／/ ／ ヽ/く;;;;;ヽ |;;;;|》 |/ ／ 《/;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
| / / ヽ;;;;;;;;;;;;;|》ヽ | / 《/;;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈
一部の死人にリアルに鞭打つことになるからやめーや
／ イｆ它メﾐー- ＜ ＿ く￣＼
ィ⌒´／￣廴 ／ ｛い辷彡ｸ―- ､ ＼＼ ＿〕 ＼ヽ
f´l | / ／ ハ/ ／ ＞＝≠=ｰ- ＼ ＼ヽ __厂ヽ ＼
| ／/ ／ /／／ ′ ヽ ｀ 、＼ヽ （＿ ∠二ﾆ、
/⌒7⌒ー┬ｧ / ／ / l | l ＼ ｌ l ／ - ― ｒ' 初めまして、水銀燈よぉ
／| /／ ／厶 l / / ｌ l| ｌ| |l | |l ｌ ﾄ､| 〃.::.::.::.:て |
ヽ｜′ ノ ／ヽィl ′｜ l| ｌ| |l | |ﾄ､ | l | ｌ〈″ ::.::.::. 〈｜ こう見えても私、この店の
lﾉ ´￣ 川 ｌ| ||｜」| ｌ|｀T 7 ハT | l | | | ::.::.::.::.::.::| | ナンバーワンなのよぉ
⊥∠￣`ー-<⌒ 川 |l ｋﾍ 八 | |/,,斗=ミｋ ｊ | ! | ::.::.::.::.::. | |
＼::.::.:-‐''´￣ ヽノ川 |l_|孑ﾃミ＼ | l〃 弋ヅﾞ｝ ' 从 |::.::.::.::.::.::.| |＼
ヽ ::.::.::.::.::.::.::..＼ﾉ| lﾍド _ゞｿ ￣ / /｜_j::.::.::.::.::.::.| |＼ ヽー- ､
ヽ ::.::.::.::.::.::.::.: >ﾍ ｌ 八 、 / /l |´::.::.::.::ー―｛ 、 ￣ ヽヽ
＼::.::.::.:: ／..:::..＼{ ヽ _＿,、 イ ｌ| |＼::.:..＼::.「::.弋_ ＼ ＼ }ﾉ
〉､::.:〃.::.::.::.::|〔_ﾄ ト ｀￣ ／┼ﾉ |::.::.ヽ::.::.ヽ|::.::.: ﾉヽ ｌ＼ ヽ
/ ハ礀 ::.::.::.:: j | |├]＞ ＜__／l/ ; ::.::.::.::.::.::.::.: ／ '.｜ ヽ ゛、
. / / l | | ::.::.: ／／..::| |ﾉ└―イﾛト､ / ∧::.::.::.::.::.::.::.: { ｜ ｌ |、 }｜
/ / ハ｣ ::.::/／..::.::. ' 〃 〃 || || ヽV ′ヽ ::.::.::.::.::.::. 〉 ｌ ｜| ＼ ﾉノ
／ / / 弋_::.::.::.::.::.::.::l || {Ｌ ﾉ| |Ｌﾉﾉ / .:..＼::.::.::.//j:i､ ﾉ人 ヽ
´ / / / ｀７⌒ヽ/ | ﾉ|ｰ- _￣ ￣ｲ ;′.:´ ＼:.ヽ{i:i:i:i:ト--＜ﾊ }
. / ｲ ＼ー ‐＝彡i:i:i:i:iﾉ .:|｛ ｌ ｀ヽ |ｌ { ヽ::..＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ト､
/ / 乂 ＞i:i:i:i/i:i/:i:i/ .::.::い :. 八 ゝ ｌ::.::.::.:. i:i:i:i:i:i:i:ﾊi:i:ﾊ
｛ ｛ イ:i:i:i:i:i:ｉ/:i:i':i:i:/ .::.::.::|＼ ＼＿ﾉ） :. |::.::.::.::l:i:i:i:i:i:i:{:i:}i:i:i:ﾄ､
/:i:i:i:／:i/:i:i:i:i:i/.::.::.::.::.| ｀ ー '´ : j ::.::.::.:|i:i:i:fヾi:i〉ﾄi:i:i:i:ｉ〉
{i:i:ｉ/i:i:ｉ/:i:i:i|:i:i:| ::.::.::.::. l / .::.::.::.:|:i:i|i:}:i:l:i:ｉ||:i:i:|/
ヽ/i:i:ｉ/:i:|i:i:|i:ｉ:ｌ{::.::.::.::.::.:..、 ､ , .::.::.::.::.:∧i:||i:i:i|:i:ハi:ｉ|
'i:i:ｉ:ｲ:i:i:|i:i:|i:i:八::.::.::.::.::.:..＼ ＼ ／..::.::.::.::.ｲ }ハi:ｉ|/ }iﾉ
ｌi:i:ｉｌ |:i:i:|:i:ｉ||i:{ ＼::.::.::.::.::.:..丶 ＿_ノ ＞ー - ―f´ し }丿
|i:i:iハi:i:{ ﾉl:i:ｉゝ ゝ､::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ / .::.::.::.::.:: イ
人｛ ヽ′ 〔￣::.::.::二 ィ::]{≫==≪}[::.r―‐::.::.:|
ヽ::.::.::.:ニ＝::]{≫=≪}[::.::.ー‐.::.::/
＿＿＿＿
／−､ −､ ｀＼
/ | ・|・ |- ､ ヽ へぇー、そうなんだ
/／ ｀ｰ●ー ′ ＼ ヽ
ｌ 三 | 三 ヽ l ところで、このお店で野球選手と
（＿＿＿|＿＿＿ | ｌ 飲んだ子はいる？
ヽ ｌ ＿＿ ｀ヽ ! /
_ ヽ ヽ__（＿＿＿)ノ / /
（ __）ｰ━━O━━━━━く
＼ |/ ＿＿＿_ ヽ /⌒i ）
,. -ｰ' 二二二 ｰ- ､
／／:￣__::::::::::::::::￣｀:::ヽ
／〃'::::::/´ﾉ〉):_ノ_ﾉ::::::::::::::::::＼
//´::::::__,ｨ:ゝ-':__,:::-──- ､::::::::::ヽ
/ﾞ::::::::::／￣￣＼ ヽ＼ ヽ ＼::::::::ﾊ__
!:::::::／ ｉ ヽ ', ヽ ＼ ヽ>,仁》 私はないけど‥‥この前、若い子が
＿ |::::ハ ', ｉ ｝ ! ! ',<ノ||＼ 一緒に飲んだって言ってたわぁ
《ﾆﾊ_ゞ、 ＼ ＼ ! || | |__ || l | ＼>
ｿ|| ＼＼ ＼ ＼ | .从,ｨ匕Lィ|| | | 〈´ 連れてきましょうか？
| '､ ＼＼,＞≧ゝ, |/ /,ｨﾇﾆﾐ、|i | ｌ |
ハ ＼ `卞代ﾂﾐ ヾ′ ''' / // ﾄ､ , --─.::´
.｀ヽ、 〈/|:} ヽ,＼ ＼`¨´ 、 / // / ｌ ヽ ／::::／:::￣
／:::;:ｨ:::::＼ //| |＼＼, __＞ - ´ ｲ!// / ! ∨:::::::::':──-:::､
. .. ::／::::ハ::::∨ﾑ'〉 ｢｀:::ゝ,＼_ ≧ｭ,fヽ_ .ィ─ﾍ,ィ l |l /::::__::::＼:::￣｀ヽ
. .. .:. ::::／／__;／:::::| |::::::::::ﾍ !:::::::l |::::ﾊ;:::::_:::::ヽｌ ｌ| 〈::::::::::＼:::::＼::::ヽ
. ::／;::/／/::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/ ∨ ｝/::::/ / ﾊ｀ゞ ､::::＼＼:::::ヾ
∨／!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ｰく /_｣:::/ / /::::ヽ:::ヽ＼:::ヽ ＼
／／|:::::::::::::::ﾚ ::::::::::::::::::| |::_〉 } ─ｰ､ヾ才／} /:::::::::::＼:＼＼〉＼
,／／ ／ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ﾍ! ￣＼ヽ)=::､/ /::::::::::::::::::::::::::＼ `
./／ ／／ 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ ｀入_ ゝ}_ソ/｀´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
/´／／ ／ /｜::::::::::::::::::::::::::::::::::（＼__ ￣Z_r､_｢| ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
/／ ／ // ヽ;__::::::::::／:::::::::::::::〔 ゝ,＞､ _,ィ'７´}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ､
.{′ / // / | | ￣｀斗､:::::::::::::::＼r ､ Y 厶ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ ）
＿＿＿＿_
／／⌒ ⌒ヽ ｀＼
/ / ・/・ / ､ ヽ うん、よろしく
/／ `ｰ●ー ´ ＼ ヽ
/＾ 三 / 三 ヽ ｌ
ヽ.＿_ / ＿＿ l |
| ヽ￣￣￣￣ / | ｌ
ヽ ＼／ ￣｀ヽ／ / /
ヽ ヽ､＿＿／ / /
>━━,-､━━━━┥
/ ／ ヽﾌ /⌒ヽ￣ ｌ
, -=ﾆニﾆ≧ ､
／ ´+ ※ ※ +ヽ＼
// +_r冖^::丁:｢:ﾄﾐヽ､＼ヽ、
〃 ／:l:::l::j::.::l|:::|::|::.:ヽ::.＼}〈 初めまして、翠星石ですぅ！
. ﾊ/::.::.:|::.|::l::.::l|:: ﾄ:ﾚく::.::､::.:lハ
l {::.::.::.ｌ|::|::|:::/|l:::| l|ｘ=ｬ､|::.:l}::.ヽ ご指名、感謝してやるですぅ
| l::.l::､::Vｨ7厶ｌﾊ:j ﾍ:::ﾉ!|ﾊﾉ|::.::.:＼
｀T:ﾄ､:ヽヽれ:::〉 , "ﾘl ﾉ:_::_::_:::ヽ、
. ヽ:::ヽ::＼ﾐ｀ﾞ <__} ,.仏 ﾄ{ r'´: :｀丶ﾐー--冖､
｀ヽﾄ､｀丁≧┬r彡' _｣/ ヽ: : : : : : : :｀: : :八:_ヽ-ｭ /^h
j:::} }:｣ rｰ≠()く⌒ヽ ＼: : : : : : : : :／ｲ ｌ｢ ｀ ー--―rv､ ／ //
/:::| /: r1V／ﾉｌﾄ､＼_}＼ >r ￣､l ,‐┐ヽV | | { l|冫´-ｸノ
/::.:｢//: r1ｲ / |:ﾄ､＼ ｀丶、 /|ヽ }_:_:;:ィ! Y¬ｰ- ､ }||廴／
/::.:rく: : : >}｛// |::Vﾍ } r-vﾊ￣｀ヽﾉ::.::∨ﾄ､ﾊ＼ ￣
／::.::厶: ヽ:勹 ,'::| ヽ:∨乙ﾍﾉ, ｲ::.:丶､ ::.:::＼::.:|: : /〉 〉
／:::_r1{＞<＼/:7::::ﾄﾍr-ﾍ:＼r-'´≧ヽ､__::｀ヽ、::.｀ | :〃:/
／r‐'´※ ハ|: : ハ{:_:_广:;ゝ二ﾆこr'′: : : :Y＞､::｀丶､V／ﾄ､
. ／::.::;ヘ _／ ヽ/: : ∨_／: : ｀ヽ｢∨: : : : : : : : ＼}＼::.::.::丶、::ヽ
,.イ::.::／::.:rﾍ、 ／: ; :-'´／: : : : : : : : : :／: : : : : : : ヽ〉:｀ ｰ- ､:丶､＼
,.:'´::.::.／::.::.:r=ﾐ､ _／::}／ r彳 : : : : : : : : : ∠: -:'´: : : : : : : :＼: : : : : ｀丶､:_ヽ
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ 初めまして
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 ヽ ヽ 色々話聞かせてもらおうかな
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
＿r=ｧ=､ィfZｧ､,、
, ´fフ:´-=_:三ｰ_ｰ^ヘ
／ _r/／'_ｧ'='^ー'｀´｀ ^ｰ＼
/r＝､ｿィｰ'7´ ヽ
ﾊ L／ｲ| ヽヽ ', ヽ ',
, ｿ/ l ﾊﾚ´イ{ { ｛ ｜ ', ﾊ ',
//:/ ﾉj ｀´i |ムﾄ､ﾄ､ | ｝ ﾘ ｉ !
ハ:{／ｲ: { 乂ｙニﾐ、ヽ ﾉ メ ﾉ/ } !
ヽ.＿ヽｰ ､ / /／ |:. ヽ. { ´￣¨｀ ｀}ｲ,ｨﾐｘｲ / ノ/ それじゃ、乾杯ね
￣二ﾆヽヽ/ -ﾍ､:.. l:... lト＼｀' ´ ¨/／ ./
ヽ､＿ _-ｧ.:´__::.::.::.:ヽ::＼ j:〉..:.l:... l! ､_ __′"/´ | / )
_,._-ﾆ-ｧ‐´ィ二;:-- ､::.::..｀ヽ､..:∧:.. lﾄ_、 イ.: j| /{ ﾉ′
‐ ´/´ ／´￣´／::.::.::.::.::..‐.-_､::＼:.ヽ:.. l::.::::＞ｰ＜l!:.:.|:. ﾘ‐／/ﾚ
/′ ／-‐ｧ::´::, ｧ::／.::.:￣:.｀ヽﾄ､.V／::}:ﾊ:{ﾄヽ/!:. !:/‐'::/
／´ ／::.:／ノ／..::..::.::.::.::.::.:..:ヽヽヽ=l:| ト='ｲ-!: /::;∠ イ_
／´ ／イj/ｲ'／.::.::＿.::.::.::.::.::.::.::.::.｀ﾄi｀j:|__ヽ＼ﾉ人::.::.::∠´
/' イ/ // ﾉ/:.‐..´...::.......ｰ ::.::.::.::.::.::.:K/:ハ.｢jﾌス::.:.｀:くヽ
／// ／ｲ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.{_j jｧzく::.::..::..｀ヽ、
全然関心なさそう
_,,,...-――-,,.._
／::::::::::;' "Y'"ヽ_;;::＼
/::::::,. -‐i ・l・_,ﾉ _,ヽ::i あ、君はいいや
,|::::/ｰ- ` "● ＿,,_`i
|:::|-‐ |_,-､ ､_ } 別の席に行っていいよ
|:::i,,,-'" _,ノ ｀ i
i::i､ ､_,) /
ヾ >､＿＿＿＿＿,,,ｨ.
,i ::::￣￣,=（t）‐､'':::::i
_ -― ―- _
_ -‐::::::::￣::::::::¬― 、 ｀ 、
／.:::::::}>{包}く]:::::::::::::::::::::::::.＼ ＼
／.::::: -宀冖冖宀ー- :::::::::::::.＼ ＼
/.:::::／ ＼:::::::::.ヽ ヽ
. /:::／ 、 ＼::::::::' l
/／ ' / | l | ヽ::::| |l
〈/ | | ｉ ｜ | | l‖｜| | l＿|::::|＿ l｜
′| '｜ || | | l|| ! | '. l j｣Ｌ⊥!| l {{⌒氷⌒ヾ|｜
| | |ｌ l| |ｌ | | ｌ |ｌ | l| >イ | l | || | ヾ､ｲハ､_ﾉl |! えっ？
| ｜ｌ| |l |ﾍT ト ハ ヽ ﾍ´ ,,斗=ﾆ、寸| l /7⌒ｌT´l |l
| ｜|ｌ l|ヽ|,,ゝ ;=ﾐ ＼＼〃 | r、 }〝ﾘ //.:::::::| |l｜ |
、ﾄヾ ヽﾍ〈 { tﾍ ､ヽﾞノｨ //〈::::::::::ハ|｜ |l
＼l＼ヽ＼ ヾ彡 ￣ , ∧::ヽ／ｰ┴ｯ ｌ|
| ＼ ヽ ‘ _,,. u／/ / 厂::::::::fア ＞'⌒ヽ、
| ｀ ＞、 ヽニ´'´ ｲ ' /.:::::::::::fｱ /.::::::::::::::::::l
∧ 〈 |｜|＞,、 __ ＜__l l ｌ::::::::::::fｱ /.:::::::::::::::::::::|
〔￣ヽ ヽl| l:::::|{ﾑ::::::::仁ヽ_| |:l|:::::::::fｱ /.::::::::::::::::::::::::ﾄ､
＿〕ｰｔ__,、 ｲl |:::::| {ﾑ:::::::}_ ィﾄ| |:l|::::::fｱ /.::::::::::::::::::::::::::::い、
八__ﾄ､ ￣ヽ|ｌ |:::::| ｀{ﾑ::::::/::|‖ |::|:::fｱ /.::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ヽ
廴__人} ‖(|ｌ:::ﾄ、 ｀ヾｲ::::|‖ |:::fｱ r':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
＼ `¬ l 八:::::廴 ￣ l |l [ |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イlﾍ
｀ヽ、礀 | |':::::|::::L＞―＜_lハl⌒l⌒ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／l | |
ｰ┘￣Ｌ | |::::::|::::`ー'ニ/ / ｀ ＜Y⌒く￣￣`ー-､_/ | | |
}{ ｀ |:::::::|::::::::}〜ﾍ { { r ＼ ヽ::::::::::::〈 ‖ ｜ | |
`ー-､｣_ﾊ｜￣|::::::::{｀(こ｀ーﾍ、 ) ヽﾉ.:::::::::::::.ヽ| | l/
女性キャラ
なおレギュラーにはならない可能性が高い模様
＿＿＿
, ‐_二........_ヽ､ ｀丶､
／"´ .i.} ､ヽ＼ i ＞
,、 / / .//:ﾄ､／ } .ヽ V'、
ヽ＼_,.､ / . .{ ..:ノｲｲiｲ7下i : .:} { ', よーし、それじゃ
ｒく V´ ｿVヽ､ i:{ : :{弋ﾘ , ゝ'/ｲ.::/i i ', 乾杯ですぅ！
ゝマ__ﾉ〃､‐､丶､ , -`ゝ::ヽ ｒ‐ ､ ﾉｨｨ_i .i ',
⌒ヽ､: : . .｀}1水) i｀`､ ゝ._ﾉ ｒ'1 「.{::. ', この前来た野球選手の話、
｀丶､ : i:i ∨: . }＋i てiー＜ L_i , i:､::. ', しっかり話してあげるですよ
/￣i:i ヽ: : : ｊ.＋i: :〈V´ｒｯ水ヽ+ {::::､::..::',
/ : :i:i {｀ゝ} , { 人_ノi:i ﾄﾄ;ﾍ {､:::::_ｒュ、
/ : : i:L_: . V ﾉ＋ｨiT: : 〈i i::i i{ ii ﾍﾍﾍ>ヽ ∧
└ ､: : ￣}L / ｊ ＋{::',',: : 〈i !:i iﾍi:i 〈ﾍ VWV::::',
ヽ: : :ヽ::} } {::::',',: 〈L」:|_l 〉ﾘ_」i i }｀T {::::::',
ヽ: : V .:}＋ {:::::ゝ: :⌒⌒代彳}+i:} . {::､:::',
∧_/ .::::L....」::く: : : : : : : ﾚﾍi: L」:､ ﾊ:::＼'､
// .:::::::::::::::::／＿＿: : : :｀ﾞ": :ヽ i:i`": ヽ:::::`ヽ､
// .:::::::::::::／￣ /:,､: : ｒ､: :_ {､!i: : 〈:::::::::::::
, ' .::::::::::::／ /:/ ',: :{ }: { ､､ヽ: :ｊ:::::::::::::
／'´.::::::::::::／ ,/:/ L:」 L:i ､､ヽノ::::::::::::::
_..- ´ .::::::::::::／ /:/ ､､ヽ::::::::::::::
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ じゃ、早速聞いていこうかな
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 ヽ ヽ
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
＿＿＿＿
,...-‐:::::::::::::::::::::::::‐-.....、
/::::-‐ ￣￣￣ ‐- ､:::::::ヽ
/／. l l ヽ::::::`､
.//. l､ l＿_ . l＿_/l_ 〉 ト､::ｌヽ
l l二二lメヽー‐l`､ 7l / l 〇〇ヽ ちょ、ちょっと！
l l ﾄ l/l ヾヽ､. l V‐ﾚ-､l ｌ/＾` ヽ
l l. l`ヽ-‐ `､l ｒ'⌒､`l l lヽ ヽ
.l 〉`lV`ｒ'⌒､ ゝ--' l ﾉl. ｌ l ヽ
l l`ヽヽゝ.-' uﾉ/.l ﾉノ. ヽ
l l. ヽ＼ -‐―‐-､ .// ／::フ､ ヽ
ヾ l､`‐ _ `―一 ´-‐//::::ヽ `ｖ lヽ.ヽ
ヾ_l､lヽ l フ`ニ>'￣ｙ/::::::::::::ゝ ‐-l ､､`､
`､ﾆハУ::::::::::〈./::::::::::::__::::〈 >-‐ ' ヾ
l`- .>::::::::::::::::::::::::::::l ヽ:::ヽ l
､二く. /::::/l:::::::::::::::::::::::l. ヽ:::＼∠＼
.／L/::::/ l::::::::::::＿_,､::l >::::::ゝ l￣
∠:::</::::/,‐ﾚ＾ﾏ／ ）(〈＾7::::::／l ﾉ
￣〈:::〈lて π`Z 〈. /::::::< ﾉl l
ゝ:::::"ｖl＞＜l`‐'´`´:::::::::::`‐､iﾉ
一体何の前触れなのか
_,,,...-――-,,.._
／::::::::::;' "Y'"ヽ_;;::＼
/::::::,. -‐i ・l・_,ﾉ _,ヽ::i え、何？
,|::::/ｰ- ` "● ＿,,_`i
|:::|-‐ |_,-､ ､_ }
|:::i,,,-'" _,ノ ｀ i
i::i､ ､_,) /
ヾ >､＿＿＿＿＿,,,ｨ.
,i ::::￣￣,=（t）‐､'':::::i
＿＿＿＿
,...-‐:::::::::::::::::::::::::‐-.....、
/::::-‐ ￣￣￣ ‐- ､:::::::ヽ
/／. l l ヽ::::::`､
.//. l､ l＿_ . l＿_/l_ 〉 ト､::ｌヽ
l l二二lメヽー‐l`､ 7l / l 〇〇ヽ いきなりチェンジだなんて
l l ﾄ l/l ヾヽ､. l V‐ﾚ-､l ｌ/＾` ヽ
l l. l`ヽ-‐ `､l ｒ'⌒､`l l lヽ ヽ 酷いんじゃなぁい？
.l 〉`lV`ｒ'⌒､ ゝ--' l ﾉl. ｌ l ヽ
l l`ヽヽゝ.-' uﾉ/.l ﾉノ. ヽ
l l. ヽ＼ -‐―‐-､ .// ／::フ､ ヽ
ヾ l､`‐ _ `―一 ´-‐//::::ヽ `ｖ lヽ.ヽ
ヾ_l､lヽ l フ`ニ>'￣ｙ/::::::::::::ゝ ‐-l ､､`､
`､ﾆハУ::::::::::〈./::::::::::::__::::〈 >-‐ ' ヾ
l`- .>::::::::::::::::::::::::::::l ヽ:::ヽ l
､二く. /::::/l:::::::::::::::::::::::l. ヽ:::＼∠＼
.／L/::::/ l::::::::::::＿_,､::l >::::::ゝ l￣
∠:::</::::/,‐ﾚ＾ﾏ／ ）(〈＾7::::::／l ﾉ
￣〈:::〈lて π`Z 〈. /::::::< ﾉl l
ゝ:::::"ｖl＞＜l`‐'´`´:::::::::::`‐､iﾉ
, ────- ､
／ /⌒ ヽ ⌒ヽ＼
/ , -| ・|・ | ､ ヽ 僕は野球選手の話を
/ ／ ` ─ ●ｰ ′ ヽヽ 聞きに来たんだ
ｌ / ── | ─ |
| / ── | ─ | いてもいいけど、君は野球選手と
| ｌ ── | ─ ｌ 飲んだことないんでしょ？
ｌ | ／￣￣￣￣｀ヽ /
ヽ ヽ （＿＿＿＿＿ノ ／
>━━━━━ Ｏ━━─（ _ ）
/ ／ ヽ ／
! ! / / ! l l l ! ! l い
! .! /! ﾊ ! ! l ! l ! | ｌ
!l|ヽ、 !i l l l l l l .! l、 ｌ! l l l
!l ヽ ｀ﾄl､l l l i:､ l ./! /! .,ﾑ!カ l ! l l
ﾄＬ_＼{| ヾト ､ヽい l / l/-!7´_lﾑ! / /! l/ そっ、そうだけど！
ｌ. ヽ｀卞. 〒‐ｋ l/|/ ｯr‐ﾔ´!,/! ,.ｨ' / l ,!ヽ
ヽ Ｏ､ゞ-‐'′ ゞ匕o/ ／/l/ ,l/ l この店でナンバーワンの私にこの扱いは、
ヽ.〉 zz￣ /ｨ´／ｌ l いくらなんでもあんまりじゃなぁい？
＼. ヽ、 ' , -=ﾁ'´ l /| ,l/::ヽ.
l＼_..＞ ,.く二ニ＝ｱ ／ レ:::´::ﾚ:´::::::;::l
.l: :ヾ､、 （ ／,.. く:l !::-‐::´::::::／::::|/:／
l: : : : :｀､‐-＝==.´:´lYl: : l l !:::::::::::::::::::::::／|:::￣::＞
ｌ: : : : : : :,.フく_: : : ;K>!: :l l l:ヽ::::::::::＿:::::::-‐＜
.l-i､: : :///l7lヽV/'´>l: : l | ｌl l: : l:￣:::::::￣:::_:::::::::｀ヽ
l l_ｰヽ{::l:l/∧l:lヽl {r!: : l ! !l l: :.l::_:_::_;:-＜｀ヽ.ヽ:::::::::::ヽ
:ヽ ヽヽ,.＝l〈,-T「´r/V: : : : ! ! !l /:::::::/｀ヽ._ ｀ ｀ }＜￣
: : ヽ ヽﾚ=-l/@l:l7=y´: : : : :l !: ;ｲ ｀ ‐L_y l::::::ヽ
: : : :＼ ヽ:::::'::==-.:´: : : : : : :! /:´/-、 / / ￣
, ─── ､
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ ‘|‘ |､ ヽ へえ
. / ／ ｀ー ●ｰ´ ヽ
l / 二 | 二 | お店のナンバーワンでも、いきなり
| l ─ | ─ l フリーでついてくれるもんなんだね
l | | ） /
ヽヽ ／￣￣￣￣ /
〉━━,-､━━━━く
/ ／ ヽフ ＼. ヽ
,.:::''::´::￣::`:::.、
／:;: '´Ｔ 丁l `ヽ::}
/{:::/ ｌ |ｌ ﾄ､ ｌ Nﾄｌ iﾊ
lｄｂ| ｌ k_ィヽﾚ仁ﾘｌ│
| ∧l lK◯ ○ｿｲ
,ｌ （ｌ ぃ ,-┐,从|
l ヽ ﾄゝ､ニ イﾄ､ﾄ､
|/≪T ,バ､(⌒)｀Yラ､ゝ
Ｎ≠{〈:::::::V~~}::}:::〉≧
ヾ≦ﾊ＼:__;;:/:〈ｌ:::|j≧
／::::::::::::::::KＸl:_:ﾄ､
∠:::::::::::: l :::::ＫＸl,ｿ::::＞
|::::/ｌ::＋:::ＫXＸヽノ
／ Ｖ´ ＊_ｒー' ￣￣ ｉ :Ｔヽ、＊ ヽ ＼
／ ::/ ノ: ￣／: : : : : : :ｉ: : :ｉ : : :ヽ、 .} ＼
く :::レ': : : :/ : : : : : : : ::/: : ::ｉ: : ヽ: ::＼}. ＼
＼ ::/: : : : /: : : : : : :/: /: : /: ｉ: : : :.ｉ: : : ヽ ／
Ｙ: : : : :`:く;; : : : :/://: //:/＾レ:'":|: : : : :レ'´
|: : : : : :|＿_＞ｧ'-./／ /_ｪ‐ﾆＬ;_: |: : : :ｉ:| そんなことより、野球選手の話
|: : : : ｉ レｲつ＾ﾄｖ" ／ イﾌﾞい/ﾞ| : : :ｉ:ｉ していいですか？
.∧: : : い ﾋﾆソ ／ ﾋ二ｿ ./: : :./:|
,': :(Ｖ＼:＼ ､ ／: :／}: :| こっちはもうウズウズしてるですよ！
,': : :} ヽ. `ｒー -ー-ｧ "フ´ ﾉ__::|
,': : : :{ ＊ .}: ｀ｉ ､ `'' _. .イｉ ＊ /::: ヽ.
,': : : : :{. |: : ｉ: :ｉ _| ー‐ .｢: ｉ:ｒ┴┐|:::::... |
.,': : : : :.ｒ┤ レー ' ヽ. .ﾉ ｀＞く⌒ ﾏ:::ｲ__ク
: : : :.ｒ'´.ハ{ .| ｪ=＞くｪ.く ＼ ヽ Ｖ ｢ ヽ|
: : :/ /: （ ﾊ ﾌ|=＝"ﾞ /＾Ｔヽ| ヽ ` ﾉ | |ｉ
: :/ / ﾉ |ﾊ | / |（ ／＼. / | ｌ:|
＿＿＿＿_
／／⌒ ⌒ヽ ｀＼
/ / ・/・ / ､ ヽ そうだったね
/／ `ｰ●ー ´ ＼ ヽ
/＾ 三 / 三 ヽ ｌ じゃあ最初に、どのチームの選手だったか
ヽ.＿_ / ＿＿ l | 覚えてるかい？
| ヽ￣￣￣￣ / | ｌ
ヽ ＼／ ￣｀ヽ／ / /
ヽ ヽ､＿＿／ / /
>━━,-､━━━━┥
/ ／ ヽﾌ /⌒ヽ￣ ｌ
,.:::''::´::￣::`:::.、
／:;: '´Ｔ 丁l `ヽ::}
/{:::/ ｌ |ｌ ﾄ､ ｌ Nﾄｌ iﾊ
lｄｂ| ｌ k_ィヽﾚ仁ﾘｌ│
| ∧l lK◯ ○ｿｲ
,ｌ （ｌ ぃ ,-┐,从|
l ヽ ﾄゝ､ニ イﾄ､ﾄ､
|/≪T ,バ､(⌒)｀Yラ､ゝ
Ｎ≠{〈:::::::V~~}::}:::〉≧
ヾ≦ﾊ＼:__;;:/:〈ｌ:::|j≧
／::::::::::::::::KＸl:_:ﾄ､
∠:::::::::::: l :::::ＫＸl,ｿ::::＞
|::::/ｌ::＋:::ＫXＸヽノ
内角をえぐるえぐるｗ
覚えてるですよ！ 南海ホークスの選手ですぅ！ ＞
ああ、そっか‥‥ ＞
名前は覚えてる？
名前はちょっと忘れちゃったですけど、
すごい大酒飲みでびっくりしたですぅ ＞
野球選手はみんなお酒飲むからね ＞
ピッチャーだって言ってたですよ
タバコを吸うと耳から煙が出てて、面白かったですぅ ＞
‥‥‥‥‥ ＞
： ,.:::''::´::￣::`:::.、：
： ／:;: '´Ｔ 丁l `ヽ::}：
：/{:::/ ｌ |ｌ ﾄ､ ｌ Nﾄｌ iﾊ
： lｄｂ| ｌ k_ィヽﾚ仁ﾘｌ│：
： | ∧l lK◯ ○ｿｲ：
：,ｌ （ｌ ぃ || ,-┐||从|：
：l ヽ ﾄゝ､ニ イﾄ､ﾄ､：
：|/ T ,バ､:文:｀Yラ､ゝ：
：Ｎ≠{〈:::::::〉:;i:::}:::〉 ：
：ヾ ﾊＺi::ﾍ;:::〈ｌ:::|j ：
：／:::::::ﾊ:::KＸl:_:ﾄ､：
：∠::::::::::::{ﾐk::〉Xl,ｿ::::＞：
：|:::::::::::｀^^ＫＸヽノ：
こうして野村は、ささやきに使えそうな野球選手のプライベートなネタを
かき集めていったのである。
このパターンのささやきはあまり多用することはなかったが、
それでも野村のささやき戦術といえば、前述したものよりも
こちらのやり口の方が有名である。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ よう
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! お前、この前新地のどこそこって店で
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i だれそれって子と飲んでたらしいな
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j 知ってるぞ
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
「野村は下手な芸能記者よりも詳しい」と陰口を叩かれたほどで、
対戦する相手からすれば、さぞ驚異だっただろう。
スキャンダルなニュースが新聞や週刊誌にすっぱ抜かれようものなら、
当然その選手は野村の格好の餌食となった。
, {:.:.!:.:.j/. }:.:.:.:l:.:.l:./
.i;..-ｒー-..､/!:.:l:.:.:l ,j:.:.,:.':/:/
/:::i;:::! .l:/::.、:!:.:.{ ／:／':´/:j
,.ｨ＝=-ﾊ::::::i;.! /:::::::.!:l::./ィ':／:.:.／／
. 〃--､-{!:::,ｒ‐.､!, .ｲ,--､::|r//'´_:.:∠.: '
/'::::::::rヽ:l:弋__ﾉ! ｡l弋_ノ:j.:l／´,::::-..､
,ｲ::::lj::/ ヾ.-::_:j__.j_::-;ｨ/:::::／:::::-..､ ヽ.
.,ﾉ､:::::`:l. ｀ヾﾐ'ーrｱ／ー― ､::::::/::..､ l.
!:::`ー={! `l:!¨´ .!::://:::∧.'.
'l!:､::::::::::j>、 l:! .j::::/:::,'::/l j
:::::::::ｰ::,ｌ' ﾄ.、 |:! l:::'::ノ::::::::'..'.
::､:::::::{!. ,∨ ー―.l:!:.､ ,ｲ!::::::-‐::':::::ﾊ
､_::_::,.ｨ{! l-!､ー--'j:ﾄ ､` ー‐ ' _ﾉ∧:.:.:.:::::::::::ﾊl
.: : : : :/ ,ｲ.＞--_'.:.:..､二''_'二.ｲｒ.ﾆl-.::::::::::::::.l.!
|: : : : :,ｲ! .ﾄヽ ｀"''ー――---､:,r'":!`i:::､:::::_:::i.l,
:｀t-:-:.'j |::::::＼./三二ヽ ,.ｨf/::::::| l}::::::::::::::.∧
::::::｀::::::' .ﾄ:､:.＼＼ー‐‐'‐::´／::/:::j! ﾄ.、:::::::::::.,:l
::::::::::::: k::::ヾーr､::二二:'::-:::'::::/:l l: :｀:ー :': :|
｀"''''" l:::::::.:.:.:::::::::::r'!::::/.:.:.::::::,: '. i: : : : : : : |
i::::::.:.:.:::::::::::l ヽ:_:./_.ィ:::::: }: : : : : : l
i:::::.:.:.:::::::::::l ::::::::::::::::::: .l: : : : : :.j
i::::.:.:.::::::::ｲ: :::::::::::::::::: .{!: : : : : :!
:ヽ､:::_／:::: /ヾ: :_:_:ｲ}
:::::::::::::::::::: ヽi:｀:.ｰt/
:::::::::::::::::: ｀ー '
柴田 勲
この被害を受けたのが、読売ジャイアンツの１番打者である柴田である。
福本豊、広瀬叔功に続いて歴代３位の盗塁数を誇る柴田だが、「銀座の盗塁王」と
呼ばれるなど、彼もまた夜の遊びに積極的な選手だった。
ある時、柴田は当時人気女性歌手であった伊東ゆかりとの
交際が発覚する。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ へぇー
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V 柴田が女性歌手とねぇ
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ なるほどねぇ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
労せず入手できたささやきネタに、野村は思わずにんまり。
そして巨人とのOP戦を迎え、先頭バッターの柴田が打席に入ると、
野村はいきなり伊東ゆかりの代表曲である「小指の想い出」を熱唱。
_＿＿＿＿＿＿_
／／⌒ヽ／⌒ヽ ｀＼
／ , / ｖ/ｖ ﾉ ､ ＼
/／ `ｰ/⌒ヽー ´ ＼ ヽ ♪〜
/ ─ ヽ＿ノ ＿＿ ヽ ヽ
／⌒ ── / ＿＿ /ｌ ヽ 丶 ♪♪〜〜〜〜〜
ヽ ── / ＿＿ ／ / ｌ |
＼ ＿＿＿/＿＿＿＿ ／ / | | ♪♪〜〜〜〜〜〜
| ヽ / | ｌ
ｌ ＼ / ｌ !
ヽ ＼ ／⌒／⌒ヽ / / /
ヽ､ ヽ/ ／ / /
| ` ｰ── / ／
>−､ `,─────── ／⌒ ヽ─ｌ
ｌ ｌ─ｌ￣￣/⌒ヽ￣￣￣ｌ ｌ￣|
ヽ＿ ノ ｌ / ヽ_T_ﾉ . ヽ __ ノ ｌ
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__,,___ _.ヽｰｉ≡≡三/ /ミﾐ=ｿ ｡ ┛
_..--‐´/彡斗,,_1ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ
/´ ＾ｰ≧ 三 ＝=-
_.／ヽ -ｧ, ≧=- 。
.:!:;:;:;:;:;:;! ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
|:;:;:;:;:;:;/ ≦｀Vヾ ヾ ≧
ノ:;:;:;:;/ ｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡ ･
ヽ:;:;:;ｌ /.:.:.:.:.:.:.:.│!ｌ,.:.:ゝ /
:│:;! ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:丿1.:.:.::.! /:;|
|!:;＼ ヽ.:.:.:.:.:_.／.:.:.:.!.:.:.:.:!／:;:;:１
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,--ｨ''`ゝ ／´:;:;:;! ‖:;:;:;:ヽ、
,..｛.:.:.:||礀| ./／´"'ヽ| ‖＾,,,,_:;:;:;＼
/.:1冫|.|.:|.:ヽ .//.:.:.:.:.:.:./|゛ ｀/´ ヽ:;:;:| ちょっとちょっと！
ｌ.:.:.:.:'.:.:.:.:_....:.＞ 、 /:;:;'、.:.:.:ノ/ο/1.:.:.:.:.:.:.:!:;:;:;|
|.:.:.:.:.:.:./.:.:.:１.:.:丿 │:;:;,ﾌ‐＿ｹ ./´ゝ.:.:.:.::ノ:;:;:;:| ノムさん、お願いしますよ！
_..／.:.:.:.:−.:.:.:.:_ー´ .'、斗---∟∠ヽミﾐ｀〈:;:;U ;:;!
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ `│ゝ_ヽ--´￣ゝ--＿:;／
ﾞｰ ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ノ....--＝ｰ-,,....-‐ｌ釗 Υ´~￣／へ／
│.:.:.:_..-‐"´:;:;:;ﾞ‐┘:;:;:;:;∨ﾞ''‐べ-―ｰ.._／ _,,／
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ﾞ''‐ｰ 、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／ `＼/.:.:.:.:.:<⌒‐..;:｜
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冫:;:;:;:;/ ｌ!.:.:.:ヽ ､<二ヽ.:.:.:l‐-...＿
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亅:;:;:;/l l ﾞ、.:|.:.:.:/‐ｒ' ￣ ﾞー――´
/:;:;:;:;l └.._ ./ ヽ１.:/ /
|:;:;:;:;` ￣｀ ` '' / |
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ え？ 何が？
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V 僕はこの歌が好きなだけだよ？
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
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ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
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／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ まぁまぁ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ それにしても、柴田よ
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
| / ――:､
|. /／ ＼
| / / ／／ ',
V | V⌒V U ∠|| | 何ですか
V|ﾟ |ﾄ､＿}`===- 〈
ゝゝ二ﾌ/￣ ／ ￣￣ |
ＶVレ| ／ |
＼- ／ ／ ￣￣Ｖ
< / / |￣|￣＼
ノハ/ / | | ',
// / / ＼ ＼ |
// | | | | |
// .| ゝ. | | /
| | 8.| V | | /
| ﾄ､＿ノ二7 | / / 〈
| |＼ ﾟ〉 / ﾊ / / ノ
プライベート、特に女性関係の話は無視しようとしても出来ないものである。
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ', あの歌手の小指を噛んだ
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! 「あなた」ってのは、
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | お前のことだったんだな
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
__,ﾉノ'ン ..イ＿_;:;:;:;:;:;:;:;:＾ﾞ''‐.._
_／ !'｀‐ ┌／ ＾`ｰ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾞヽ ヽ人_从人__从_从人__从人
/´ 丿 /ｌ ﾞ ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾞ 、 ＜ ＞
./.:.:.:.:// σ /│.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:１;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ ＜ ほんと勘弁してください！ ＞
│.:.:.:.:〈/ ./!:;_ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ ＜ ＞
ヽ.:.:,ノ/ ./|!´ ＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ノ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;U ;:;:│ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW
7ｌ! ! /│_ ＾'''ー‐'‐''´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|!
ﾉ(rハ＝ニ釗二ｰ-....__`' ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:│
∨ ＼,,,,,,,,.／ ＾ﾞ'''ｰﾆｰ＼_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|!
1..._r 、,.ｎ＿_____ _,/-,_;:;:;:;:;:;:;:＜//フ/
│ │ ￣ ¬‐''" 1`'、;:;:;:;:;:` |､/
│ ノ.._ ／ '、）;:;:_,,..-‐^'、
l／ ゛ｰ-ﾆ_＿＿_ _..-一"´ _..-‐ﾞ''‐-､
ヽ_＿___＿_______下宀￣''彡――''";:;:;:;:;:;:;:;:∩
￣二ﾆ)..-‐'´ _ノ´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:宀-,,
.／￣.:.:.:l''´ r‐´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l! ﾞ+＼.
,ノン-'ﾆ..-┘ __」;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'、 `＼ ＼
伊東ゆかり 小指の想い出
http://www.youtube.com/watch?v=g5qJvW03fdg
このようにして野村は、あらゆる手を使ってささやくことで対戦相手の集中力を
かき乱していったのである。
.r-、 _００ /::::'┴'ｒ'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ｸ_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Lｎ:::r┘|.l _lﾆユ、 ./
.￣└r''"´］_ l| | ｒﾞ=ﾞ┐ |└ァ::/ / /
､ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / ／
. ＼＼｀´ |:::|. l| l 〈::/ ､ ! '／
＿＿＿_
／ ﾉ_ ヽ,,＼
／ ≦ﾟ≧ﾐ:≦ﾟ≧ ささやかれる選手からしたら
| （__人__）| たまったもんじゃないだろうけど
| |r┬| }
| | | | } こうして聞く分には面白くてたまんないだろ！
. |. ｀ﾆﾆ }
. ヽ }
ヽ ノ
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 汚ねー
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U | ほんとノムさん汚ねーお
＼ ｀ ⌒´ ／
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼ こんなことささやかれたらそりゃあ
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ 無視できるわけないお
| ／ .ｲ '=・= =・= u|
/,'才.ﾐ) （__人__） ／ 確かに、卑怯とか狡いとかいう次元じゃねーお
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
／￣￣＼
／ ⌒ ＼
| ﾐｨ赱､i .i_r赱 あー、面白かった
. | ::::::⌒ （__人__）
. | ﾄｴｴｴｲ 笑わせてもらっただろ
. ヽ ｀""´}
ヽ ノ
/ く
この場合は浮気じゃないぞ
ノムさんの嫁（当時）が何か言いたいようです。
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼ ところでこれ、
／（ ●）（ ●）＼ 誰に対しても通用したのかお？
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| U （ （ | 正直、やる夫がやられても
＼ `ー' ／ 無視できる自信はないお
, , , -‐==- ．_
/.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ
ｲイﾌｼﾞﾞﾞ'' ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ
´ｲ// / ,イ´ヽ ｀ ヾ ､｀ヾミﾐﾐ
llﾚ__｀ { ´ _,,イ二ヽ ヾミﾐ､ ヽヾミﾐ そんなことはないぞ
{三≧ =≦竺o='' 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ
.〉ｰ ﾟ' ､ ノ 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ 最初は通用したものの、成長するにつれて
.( ｀_/.. ｀¨ 三三F lミヾミミ 効かなくなっていった選手も大勢いる
l ( ＿__)ヽ ､ 三-､ .ﾘヽヾヾヾ､
l/ ￣＿_ _ ｀ｰ､ .三 ' /川川ﾊﾊヾ
l ´ ＿ ｀ l ゝ-ｲ川 川川ハﾊ
ｌ ¨ ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ
ゝ．_ __ ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
Т ￣ ／／ ｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ﾉj ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
一応柴田は結婚前提で付き合っていた。相手側の両親の反対で自然消滅したけど
その代表格が、この男だ。
-=､' ' '…‐-､ ﾞ:､ ﾞ:､ ﾞ:､ : : : :: :: ::: :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;;,、ﾞ｢'' ' '…─ミ､ >､ ':､ ﾞ:､ : : : : :: :: ::: :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
'';;';, ﾞ:､ ヽ. ／./.〉. ﾞ:､ ﾞ:､ : : : : : :: :: ::: :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾞ';';､ '; .ヽ. ／ /./ ∧,.､-''ニニ''ｰ- : : : :: ::: :::: :::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::
. ﾞ';;', ヽ. ヽ / /_,ﾑﾃ;;'';ﾍ~＼ ,ｨ'ﾞ',､`i--───……¬'''''''' """ ~~~
ﾞ';;', ヽ. ﾞ:, ./ ,､ｲ'ﾞ/l, .l;;;;;;!~rﾞ､ ＼〃 / .| l
':;ﾞ; ヽ ﾞ; .i ,' 〈 ﾞY;;;;;';､ﾞﾐ;;>;ｨ'＼/__.| |__,,､､､ ---──……¬''''''' ""
ﾞ:;';､ ヽ, ﾞ:､'､ ` ､＼i^ﾞ:､;;:ﾆ=/厶,,/ i ,!＿＿＿＿＿＿..,..........､､､､､､､､
´￣ . . . ／ﾞ:､ ｀' ､＼ ,/ ﾉ ￣｀7/.(_ﾉ;;ﾉ`:､::;/ ,'::::l;;;;;;=''7ヾ､:::::::::
_ . . : : : : : : : : : : :／ ／>､ ＼,' ,/ .;ﾘ｀｀ｰ´‐'':´;/ /.:::;!;;;;;;;;;;' `ヾ、
:´: : : : : : : : : : : : : :.;r'ﾞ l, ﾞi／, '｀`7"T￣ ﾄ_､ ,ｨﾞ ..:::::／ /.::::;';;;;;;;;:'
';: : : : : : : : : : : : :_;/ .／, ' ,/ :;ﾞ; ` :､, 'ﾞ ､,__;_;_;;;ｨ' ,/.:::::/,;;;;;;:'
‘; : : : : : : :,;､-''",/ ／, ' .::;ｲ ':;ﾞ:, ` :､ ｀` . : :ﾞ:､`''ｰ-:､,__／.:::::/,;;;:' _,,.､-‐''
ﾞ:､;_;.､-'"----､! ／_, ' .:;/' |ﾞ; ﾞ':ﾞ:､ :'_:､-;;''^>､ l .::::;/;;;:'_,,..､-‐'''"
_,､-''ﾞ ﾞv' ,// .:;rﾍ |. ﾞ; 〉::`;:''::"-'''" //!:､__,,､r''"! !;／ _,,.､-
_,.､-─-､ ,r'"乙X .:∧. ﾞ; | '; ./:::;rﾞ _､ｨ'ﾞ,'.:::' ;;;|_;iﾞ ﾘ fﾞ,,,;;;;;;
＿ ﾞi／ , ' , '::ﾞv'ﾞ }ｨ 〉! ﾞ; ./:::;:' _,､-'" ,'.:::' ;;;;|_.-;'.! ﾞ'ｰ'''"
-''" ﾞi, ／ , :' , '.::::;/ .,'; / ﾞ'､ `''-:'､_,､-'" _,.､-‐'',:ﾞ.::: ;;;;| ,' |
,／ , :' , '.::::／ﾞ:､ ,':ﾘ′ ,〉^ｯ ／ ,.､‐ﾆ/.:::::' ;;;;;! ,i |
,r'ﾞ , :' , '.::::／ ﾞ､/,'/ /.:::/､ ／ ／ //!.::::' ,､ﾉ,;;| ,ｨil |
王 貞治
プロ野球史上最高のバッターであり、長嶋茂雄とともに巨人の中軸を務める王は、
超一流の選手らしい、ささやき破りのエピソードを持っている。
既に読まれているんじゃないんですかね…
若手時代、一本足打法で開眼するまでの王は成績も上がらず
苦しむ時期が続いた。
_ -=ニニニ= _
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ', ようし、次は外だ
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : !
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i まっすぐ外に来い
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
∨',/〃:::::::::::ヽ. ＼. ∨: :./: : |::::Y
''i_Li_il::::::::::::::::::::::＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
〈ヽ ｀ ､::::::::::::::::::::::＼ i |: : : :7
.∧. ､ ＼:::::::::::::::::::::丶ノ!}: : : /
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
￣
/;;/./ ﾍ ヽヽ ヽ: : /: : : : : : ／: : :／: : :_:_:-‐
./;;/./ ﾍ ヽヽ ヽ:{: : : : : :/:_:_:--─ ''"
ﾞ;;/./ } >､ヽ ゝ-ﾍﾍ"¨ ,,
;ﾑ/ / ／ _,,r,==＝ヲ／ .ﾍﾍ __,, --─ ''"
. / / ,r'_, ｬ'!､iゝｿ/----.ﾍﾍﾆ二,--─ ''"¨￣ （ ノムさんが外って呟いている‥‥
_, < ,i ´_＿ﾞ､ﾆ¨7/'ﾞ=ﾆﾋｦﾞ¨}:} i i ＿
, -‐＜ /¨', ＞'´/‖ }!/ .} _, -''" / よし、じゃあ次は外角待ちだ！ ）
>'":.ヽ,ィｸヽ __ iヾ¨￣|! / ./ / ,
¨ヽ, ／: :, <´ .|ﾍ ゝ ｀ _,{ `-ｧ'" / ./ / /
-／<／ .ﾍ | ﾍ/ `- '"/ .ゝ､__＞'ﾞi__/ / /;;
'ﾞ: :／､ ﾍ .| ＞ ､___/イ／|: : | j } / /;;/
／ﾍ ﾍ ／｀`＜ ／ |: : |／｀ヾ ￣
`＜ﾍ ﾍ ／ ｀`＜__, - '.|: : | }ヽ
.ｌ, .ｌ .,! ｌ / ／
.ヽ ! | / / ／ ．． .／゛
ヽ .| ,! / ／ ／ . /.//
. ｌ .ｌ .! / / ／ . / ./././.// /
ヽ .! ﾟぐ'iﾞlﾞi / / ／ .､.// / /./ //////
.ｌ 、 _,.,､‐ﾞ'xﾞl,,|l,,| / / ,／゛ ., / //./ /./ .// //
ヽ［''〜''''"~｀ __ ‘┐ / ／ ,／ , ／ ././ / //
ヽヽ .,,.-‐''"｀.| ,i´ / / ,／ ,..-'´ .､/ .゛ //
. ｀｀’ | | |＾l .／ ,／゛ ._ ／ ./ //
ヽ .! ﾄ .| /'''',,,," 彡 / ,／゛ ,..-'´ ./ // ´
ヽ .ｌ | | ｀ﾞ＾ _,| │ ._,,,､ r‐'ｌ .r､、 ／ . ,..-'´ / ./
-、 ｌ. !〕 .｝ .,／,_ | .｝ .ﾞl.| ﾞl / lﾞ ._..-'´ / /
｀'-､ ゎ,,,,,,､-ｰ''''"′ ﾞl、 l＿,'" | .| │ ﾞl | |/ lﾞ／´ _ ./ /
., . ＼ .ﾞl, ＿＿,lﾞ {_,lﾞ . : ﾞl,,ﾉ '"│ / . _,, ‐''"゛ / /
. ｀''-..、 ｀''-、＼,､ｰ'''"｀｀: ｀｀ ´ .lﾞ lﾞ _,, -'''" / / ＿,,,,
.｀''ｰ..、｀'-､ .゛ " ′ .ヾ ;;ｼ'" ,lﾞ / ‐''"゛ / / ."ﾞ￣゛
｀''-､, ＼ : -'´ ._,, ｰ'＼,lﾞ ＿,,,,.... / /
＾ .. -''''" ___,,,,.... --ｰ'''''''"ﾞ￣゛ / /
＿＿＿＿＿＿＿_ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_/ /＿＿＿＿＿＿
ｌヽ ﾞ''''¬―--- ........,,,,,＿__、 / /
_.. ‐.,． .ｌ ヽ.､,''ｰ .,ﾞﾞ'''ｰ-､,,,_ .￣￣../ ,/__
_..-'"ﾞ.,／゛ ,, , ヽ .＼ﾞ'-、.｀''ｰ ..、 .｀ﾞ'''ｰ ..,,、 ／ ／ ￣￣ﾞﾞﾞ''''''''¬―--
.,..-'"゛ ,／゛ / i′| .ヽ ﾞ'-、 ｀''ｰ ． ／ ／
.-'"゛ . ／ / / ｜ .ヽ `'-..,_ _..-'" ／
_／゛ / l .! .＼ .｀ﾞ"'''''"´ _／゛ : ''ｰ ..,_
.／ ./ / | .｀-､ ,..-'″ ｀ﾞ'''ｰ-..,,,_
/ / ! '､ ｀'ｰ..,,, _,, ‐'″ .｀ﾞ'ｰ .._ ｀ﾞ'''ｰ-..,,,_
. / . ! ! ヽ ｀ﾞ''''¬―''''''',ﾞ´ ｀ﾞ''- ..、
＿ r⌒ヽ
,,. ‐ﾞ i 、 ┌──-/// ┌‐┐ ┌┐ / ﾉ
,..;;ｉｿ ｀ﾞ."ﾞﾞ´ ＼ ._＿＿ ／ ヽ 、 └− /￣ . └‐┘／／ / ／
i'',ﾞi-;;,ﾞ´ ヽ ._,, ‐''" ／ .ヽ .ヽ ＼ / / ┌─' ／ , ｧ"~
ﾚ゛... .., ⊥ ._r‐'ﾞ'" ／ ヽ .` ｀ _ ￣ . ￣￣ （＿ﾗ
iケ ヽ ｀'〈 ／ ./ _＿＿＿＿- ,｀ﾞ"'ｰ-..,,_
/ .i|＼ ｀'' / / ,,ﾞヽ ｀ﾞ''ｰ ..,、 ｀ﾞ''ｰ ,,,
lﾞ ,! 、 ＼ ＿＿＿＿_ ,,.iＬ ........,,,,,,.- ir‐-.＼ ｀''ｰ..,, ｀ﾞ'ｰ ,,、
`'ｰ ｌ | ゛./ ゛ ． 'i ､ .ﾞｉ, ｀''ｰ..、 .｀''-､
/ |,,, | .ﾉ " ゛ l ﾞ'''.､, ｀'-、
/ l .｀ﾞ''ｰ-∟..__, lﾞ ヽ ｀､
/ .! ￣￣ﾞﾞ'''''¬ｰ- ..,,.,, -'''"ﾞﾞ.゛￣´〜‐‐''''.'''. " / .ゝ
,! .l | ／ /
l ! ! ヽ ． _,、 -‐''''″ . ／
ｌ ! | ＼ ヽ .ヽ ____,,,,,.. r━'''"ﾞ´ ,..-'"
! ー―-------------------------ｰー―ｰ¬''''''''ﾞﾞﾞﾞ￣￣ _,, ‐'″
| .,..．..,,, .| _,,,.. -‐''"゛
! " ﾞ'‐.l . ＿,,,,.... --ｰ''''"´
ｌ.. .,," ＿____,,,,,,,,,,.......... --――'''''"ﾞ￣´
｀ｰ ‐￣￣￣￣￣￣￣￣￣´゛,.｀'-､ iﾞ''ｰ ..,,｀'- ｀'-. ､,
/ / .゛〜､,,_ ﾞ''i- ..,,,_ ｀'-､
ミスターは次元がズレてる
_ -=ニニニ= _ ,/ ,ｲ ,ｲ
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、 ／〈 //// , ―― ､_
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶 / / ／| ﾚ ﾚ '――''''''
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧ / / l | , ―― ､_ ., イ ,ｲ ,ｲ
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ', / / l | '――'''''' ／／ .////
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : ! / / l l ／／ ﾚ ﾚ ／
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i /／ Y ／／ ／／
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : , / ／'" ／'"
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
l、 ｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＿＿| V＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
＼ ∨',/〃:::. -‐,,. ､ ＼. ∨: :./: : |::::Y
＜ ''i_Li_il::::,ﾍ i! ＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
／ 〈ヽ ｀i.ﾉ ヾﾉ:::::::＼ i |: : : :7 l＿
. '一 7 .∧. ､ ｀ ─ ':::::::::::::丶ノ!}: : : / ／
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人_
＜ ＞
＜ ストライク、バッターアウト！！ ＞
＜ ＞
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY
ﾞ:､ ﾞ:､ ﾞ:､ : : : :: :: ::: :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
､ >､ ':､ ﾞ:､ : : : : :: :: ::: :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ヽ. ／./.〉. ﾞ:､ ﾞ:､ : : : : : :: :: ::: :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.ヽ. ／ /./ ∧,.､-''ニニ''ｰ- : : : :: ::: :::: :::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::
ヽ / /_,ﾑﾃ;;'';ﾍ~＼ ,ｨ'ﾞ',､`i--───……¬'''''''' """ ~~~
ﾞ:, ./ ,､ｲ'ﾞ/l, .l;;;;;;!~rﾞ､ ＼〃 / .| l
ﾞ; .i ,' 〈 ﾞY;;;;;';､ﾞﾐ;;>;ｨ'＼/__.| |__,,､､､ ---──……¬''''''' "" 外角じゃないくて内角‥‥！？
ﾞ:､'､ ` ､＼i^ﾞ:､;;:ﾆ=/厶,,/ i ,!＿＿＿＿＿＿..,..........､､､､､､､､
. . ／ﾞ:､ ｀' ､＼ ﾉ ￣｀7/.(_ﾉ;;ﾉ`:､::;/ ,'::::l;;;;;;=''7ヾ､::::::::: しかも変化球じゃないか！
: : : : : :／ ／>､ ＼ ,/ .;ﾘ｀｀ｰ´‐'':´;/ /.:::;!;;;;;;;;;;' `ヾ、
: : : :.;r'ﾞ l, ﾞi／, '｀`7"T￣ __ ﾄ_､ ,ｨﾞ ／ /.::::;';;;;;;;;:'
: :_;/ .／, ' ,/ :;ﾞ; f､` :､, 'ﾞ､,_ U;;;ｨ' ,/.:::::/,;;;;;;:'
'",/ ／, ' .::;ｲ ':;ﾞ:, ヽ｀ v冫 : :ﾞ:､`''ｰ-:､,__／.:::::/,;;;:' _,,.､-‐''
-､! ／_, ' .:;/' |ﾞ; ﾞ':ﾞ:､ ｀`:'_:､-;;''^>､ l .::::;/;;;:'_,,..､-‐'''"
ﾞv' ,// .:;rﾍ |. ﾞ; 〉::`;:''::"-'''" //!:､__,,､r''"! !;／ _,,.､-
r'"乙X .:∧. ﾞ; | '; ./:::;rﾞ _､ｨ'ﾞ,'.:::' ;;;|_;iﾞ ﾘ fﾞ,,,;;;;;;
, ' , '::ﾞv'ﾞ }ｨ 〉! ﾞ; ./:::;:' _,､-'" ,'.:::' ;;;;|_.-;'.! ﾞ'ｰ'''"
' , '.::::;/ .,'; / ﾞ'､ `''-:'､_,､-'" _,.､-‐'',:ﾞ.::: ;;;;| ,' |
'.::::／ﾞ:､ ,':ﾘ′ ,〉^ｯ ／ ,.､‐ﾆ/.:::::' ;;;;;! ,i |
::／ ﾞ､/,'/ /.:::/､ ／ ／ //!.::::' ,､ﾉ,;;| ,ｨil |
＿＿＿＿
／ − ､ −､＼
/ , -| ・|・ |- ヽ よしよし
/ ／ `− ●- ′ |
| | 二二 | 二二. | まんまと引っかかってくれたぞ
| | |＼ -─ | ─_＿_）
_ ! | ! ￣￣￣￣￣ / /_
( __）＼ヽ ＼（二二二）／／(__）
＼ ━━━━６━━ ／
| ／＿＿＿ヽ |／
| | ヽ＿＿ノ ﾉ |
| ` ─── ′ |
まだ若く、精神的にも余裕がなかった頃の王は、野村のささやき戦術にも
あっけなく引っかかった。
しかし、打撃コーチである荒川博の猛烈な打撃指導を受けた果てに、
右足を高く上げてから打ちにいく一本足打法に変更。
―＝≡|｢|
／| .／| |｣|｣
＿＿| |＿l |＿
く ＼ ―＝､＿ ＿ ＿＼
＼ 丶 | | | |
＼ ､ ―＝≡'´ | | ｢|｢|
/´＼＼ ―ニ三 ∠＿ ―＝｣|｣ ∧
く_＿, ＼/＼_ ∠／￣￣￣ ∠ノ
}j_ _,ｲゝ{ j＼
／ ＼/ / |ヾ ヽ
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐ト､ ＼／' /`ｰ= ''――― ＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣} ＼／ ト､/―― ＝＝ ￣――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐― ― | `ｰ=''{ ＝＝ ￣￣￣ ――＿――￣＿＿＿￣
/ _ ＿|
| ｀ヾ ﾊ
` _, : .
/_＿/ .
/ ∧ : : {
L ＿{ Ⅶ:.:.i
{弋 _j Ⅷ::|
ゞ=-' |:::::|
_ﾄ::::|
(:::::::/
これが王の転機となり、以降はホームランを量産（番外編２参照）。
その後の活躍は、これまでも語ってきた通りだ。
あ、さいで。
それは失礼した。
柴田さんごめんなさい。
多くのタイトルを獲得し、野村が更新したシーズンホームラン記録を更新するなど
新記録を次々に打ち立てていく中で、王の意識にも変化が起こる。
＿＿＿__
／ |＿＿＿＿ ／ヽ
. / イ ≧ｭ､ ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人从
/ ,ｨｉ｢ _ --- ≧ｭ､ ＜ ＞
/ ,ｨｉ｢ ――| ∧ゝ┐ ヽ ＜ ヘル！ アンド！ ヘヴン！！ ＞
. 〈 ／ ／//,ｨｆ厂ﾏ{ }∧ﾍ ヽ ＿＿＜ ＞
/ //／‐=≦ヽ ﾏi‐=ﾆ r { } ﾍ＿＿ ヽ＿＿＿ /,//＞ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒
/ / { ∧ ﾏ{ }‐=ヽ ヽ } ﾍ ＼},////∧ /＞´ ＞ ,ｨｉ｢ ／
. / ／ ,ｨｉ｢ ∨ ∧{ ゝ l二ﾆ=‐ {ﾍ i‐=ﾆ二 },////∧＿_/＼ ゝ‐=≦ｨｉ｢ :／
{ / { ∨ ∧ゝ‐ ∧ } ﾆ=‐ / ∨////////r ､ ＼ ／ r---≠､
i /／∨ :∨ ﾉ } ∨ ∧',ﾆ=‐ } i//ZZZ/ /､}///ヽ} ,ｨｉ｢-----､ ヽ
{ ／ ∨ ∨‐=≦ 〉 ∨ / } }ヽヽ∧////7} ＼ゝ//,'__/ ,ｨｆ厂≧ｭ､ヽ }
ﾏ∨ ∨ {乂L__/〈 ゝ‐=ﾆ二 ／ ¨ヽ }∧ :ｉZZゝ/,i_l＿ ゝ, f o /f―////,}γ￣}
',∨ ∨ﾆ=‐ r ゝﾆ=‐‐=ﾆ { ヽ ／ i:i 7ﾏ/込/二＿_／} ≧/ {ヽ/ 7z,/ ゝ‐=
∨ ∨┐ゝ‐=ヽ i ￣| イ{{ Lr､ 7___7 / ,ｨｉ｢ 7//{ 弌/ / /7／
∨ﾆ=‐ 7l ゝ‐=≦ ＼＞/,∧ } ﾆ=‐ / :! {ゝ‐=≦‐=≦ ／ /┐//ゝ‐=≦／
＼ﾆ=‐／‐=≦ZZZZ‐=≦ ゝ ¨／} ,ｨｉ｢ {__| |/､/／ /‐=
‐=≦ｨ ,ｨｉ｢､＼ i / ｉ＼＼____|} /‐=ﾆ7
￣￣￣ゝ‐=∨ ヽ.:| { /￣ｌ ゝ' ===/:/} /ﾍ
≦ニ :! ＼:{/ゝ{ } }}/ 二.′ :
／////ゝ ヽ__〃t 7､ ゝ ｲ:}二:/―‐.:≧ｭ､
／////／＼‐=≦--､ゝ≠}/77///: ∧///＼
／＞ ¨¨//////ヽ∧ ﾏ==////// ――: ∧＜//ゝ
￣ {////////{＿＿|‐〈//＞/＿＿＿__∧ヽ二__ ___
/7{ ∨//////{,'////! ゝ／∨ ―――― ´ ヽ//∧/＼
〈//,i ∨,/／ i77777| / ∨ ////∧//}
/‐=〈 ￣ ／/|,'///! {,'//∨￣| ∨,///∧/i
普段は穏やかな表情をしていても、一度バッターボックスで構えれば
王は凄まじいほどの集中力を発揮した。
, - i…､
ヽ人_从人__从_从人 ,､ _, -‐'´ _, -'=､ハ
＜ ＞ _, -‐'〈ｰﾍ _/ _, -‐ '´ _/_ /',. ',
＜ ボールよ！！ ＞ ＿＿_､_ .-‐' _, -ﾍ ﾍ/_∧:=､ -‐' ´/ ;ﾍ ', ﾍ
＜ ＞ _,. - '´､_, - イ _, - '´ ﾍ,-ゝ__/_,ﾉ ） ,' , ﾍ '., ﾍ
Y⌒YW⌒Y⌒WWY ／ /_,ｨ ‐'__.>_, - 1-‐'／ 〈 ／/ ￣ _,,.. ' , ; ﾍ ヽﾍ
// ￣´丶. ＿_ ,､ｔ_ｧzｰ祭ﾄﾊz:'´ !´- _/､-‐'='´ '., ∠‐'´_, -‐' ´ _, - ':; ￣`ﾊ ﾍ ヽﾍ,
// _＿＿｢江｣-､_,ソtｭ-!-‐'´|ｫ' ´ ＼} _, イ / _, - '´ , ; ﾍ, ﾍ, V
＼ , イj 三三｛ YV:;;;Vﾍ ｆﾖ |＿_｣l r‐_ﾍﾍ_ _. _, -‐'´ ｜l-‐ｲ‐'´ _, -'´￣ `i、 ﾍ, ﾍ;'
＿ ＼ {=ｬ､l≧=､片辷〈工 イゝｲ／! /ri'´, -, ｲ＞f´| ヽj ./ _, -'ﾆ´- '7二¬ハ ﾍ ;
_ / ＼＼ {_ ﾍ fj、 ゝj i 廴ﾊ._/{二ｷ ヽ/ ﾋj/77i-ｲ 、､ _, -‐ オ ‐_'´- ´ , ７ ﾍ. ', ;
、＼／ｉ´ |__ ' ＼j､_,八ﾍ/_!仏上/_ }ｰ〈／ { l | 〈´＼ ヽ >' ´ ／ |‐'´ _,＿ ;' ﾍ V
_／i fﾆj＼＼＿,ノ__∧/ _/ /＿__厶_, =‐'´ﾊヽ＼_､__,>' ´ ／ f _, -‐'´ / ￣l＼, ﾍ, ;
fﾆj _, -'￣ﾍキソ ,. ｲ' ´ l /_, - '´ _, ;=ﾆ´ﾍ￣ ／ f _, - '´ / ｌ ヽ V
＼／_, ‐ﾆ>､ ﾍ / _ヽ_, -' _, -‐ '7tjゝ-' ∧ ／ , =' ' / ｌ ヽ. ;
{:-' /_./__|ヽV-‐f´ 〈_, -‐i´| | ∨‐'ﾍ ／ ;'::::::/ _,. -‐ '‐- ,._. ! ヽ ;
/_, -'´i 「'‐ '´ _,. ゝ- ' /i {| l , -- ;ﾞ＿_,:ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人::
! ! ', ﾍ |_, - 7´;;;;/_〈__／＿!_| ／' r ７ : ＜ ＞
ゝ ＼__､_ソ__/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'ｰ- ､_|／l i |〈; ＜ 光になれえええええぇぇぇぇぇぇぇっ！！！ ＞
'´;;￣;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｒ '´＼;;;;;;￣ヽ! l ;'、 :::＜ ＞
ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉 ＼;; ／＼ ;' ￣:::: Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ´ r'/ :::: / ',､ 丶:::::::::＼ ､＿＼ ￣ ／ r ,.::::
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| /{｛ 丶 ._.:::: ＿_ ／ / ＼´ ＼::::::::::＼`'ー- ､＿.....::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::..........;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!::::::::::.......... / | ﾍ ::::: ／ ‐ﾇ.＿.｣...:::::::::::丶:f:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
顔つきは変わり、殺気すらこもっているような凄まじい雰囲気をも生み出し
相手ピッチャーの投げた球を打ちにかかる。
その変化は、数字にも明確に表れていた。
野村の目からも、王の変貌ぶりは明らかだった。
＿＿＿＿＿
. ／ /⌒＼/⌒ヽ
/ , −| ・|・ |､＼ やあワンちゃん
/ ／ ` ー ●ｰ ′ヽヽ
/ / 二二 | 二 ￣ﾉ 昨日、銀座のホステスで
l / /⌒＼ ── | ─ ／ 別嬪さんと飲んでたらしいね
| | / ￣￣￣￣/￣
ｌ | | / /⌒ヽ
ｌ | ヽ /⌒ヽ⌒ヽ |／ヽ__ ノ
ヽヽ `ｰ───┴─７ /
>━━━━━Ｏ━━ /
| .|.|.,,,,,____/ -‐'''"_,.．-// /;:＼;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼ / .l ..',
| |/ / /;:;:;:;:/__,.'´/＿,|;:;:／ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼ / l .
└/ / /;:;:;:;:;:／ | /／ ∧;:;:;:;:;:_,,,,,,,､-- / l
‥‥‥‥ └ヘ/＿/'''''~￣ | ｖ ／/;:＼'"ﾞﾞ＾ / .l
／ ﾍ'''''"ﾞﾞﾞ＼_./ .∧／;:;:;:＼／￣￣￣￣/ l
| ./ -‐'''"~＼／ |.|;:;:;:;:l | ./ ...l
l .| | 八 .∧＼;:;:;:.| ./ .l
.| | ｜ .| ＼ / L レ;: / l .
＼/ | /;｀゛;;::;:;:;:;:;:;:/￣~ー-＿_ / l ../
∨ /;:;:;:;:;:;:;:;:__,,,,,.／/ .| ／ / l /;
／ ＼__―''''"~"ﾞ＼;:;:;:;:;:.|V / .l /;:;
|''"~ ∧ / ./ ＼ .|;:;:;:;:/ / ｀､ .../;:;:
|､-'''''" 八＿| ∧＿ /;:;:;:;:/ / ｀､ /;:;:;:
￣￣￣ ＼;:;:;:;:;:;:;:;:ﾍﾍ .| / ｀../;:;:;:;:
ー−--... | /三.| ｀､;:;:;:
八∨三三.| ----------- .｀､;:
／ ／＼三/|. .｀､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀､
／ ／;:;:;:;:;:V .| .｀､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
Λ＼;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| . ｀､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
／ | |;:;:;:;:;:;:;:;:;:__|／＼ ..｀､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
／ | |;:;:;:;:;:／ ＼ ｀､;:;:;:;:;:;:;:;:;:/
バッターボックスに入るまでは会釈を返す王も、構えれば野村の言葉に一切反応しなくなる。
それこそ、まるで聞こえていないかのように。
それほどまでに、王は打席で集中していたのである。
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人从人';.:.;' ., '' ;.:.:.:.:.:':.;:' /,ｨ ,.r_ニ＝＝... ':'',,..:.:.:.
＜ ＞,,':;' ;:':., ' :,:.:.:.:.':,ｲ|llll!.. ' ' '´, . . - ' 'l´:.:
＜ これが‥‥Gの看板を背負う‥‥！ ＞ ;:.;...:':,., ' :,:.:.:'.,' ´ _ . - '＝ｲ＿＿＿!:;':.:;
＜ ＞ __メ:.:.:.:,':ィt':., ':,:.:.:.':,´イ l.
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒Ynイノ-''"／!,. - ' , ' :,:.:.'., , - 、 l.,:.'
':.', / じ’ ＞'''"二r＝==,ィｧ二▽Y＿「|,. ' ,. -' r:., ':,:.:.'.,｜ ! 丶 ト､
':, ':.; /＿__ /＼---==|ユ_rV/~∨lコ l＿!,.' ,:'/ひ!/､ ' , ' ,.':,:.:.'.,! ,,.ｨ! ､ Vﾕ| ヽ
':,:'.,':..; / `r-､.',--o-､,.ハｰ!｜lA,.-,Aﾄﾚ ﾉ ,:.:.;'--ｧ人lく~＼, ':,:.;.:.:.',／ ,_ 〉|--| 〉
;:.:.:.:/_ /７７７､.ヽ ヽ ヽゝ￣! ヒ二_｣∧__／;:'＼/ヽ--!ヽ＜__., ':,:.:.:.':,イ l ｌ| |. /;'
';./ ゝ/ / | |） | .| | トケ＝＝∨∨＼＿/ ヽ ＼＿__,:ｨ'., ' ,:.:.:.', 丶 | /
':, / ,4===z＝=イ.ノ / .ノ /＼/ /７−−!⌒ヽ= /:| ￣ ／:;'. ' , '.,:.:.:', ￣ |''
';.', | / ｜ 〒ーく￣ / /〈￣〈_/----ﾄ､==| /-=| ／;:.:.;' :, ',:.:.:',=、 |
. ':; | / / /! ;.:.:＼ 人/ |￣ /| |--､ ∨ ￣ |／ ,':.:.:; ;' '.,. ':,:.:.';':＼ ｜ ,
';.∨ ./ ／／ ;':,:.:.:. / / ｜ / | .／, --∨ー--'|、 ;:.:.:.;' ;., ':,:.:.',:.:.:.ヽＪ ,:.:;'
':, ' | / .／ '; ; ':.:. |∧丶|__/＼_／| |.／∧ _,|＼ﾍ:.:.:; ,:;' ' , ',:.:';:.:,:' ,:':.:;'
:..,' :, | ／; ; ＿ ; ,....z--:､ l＿ | l |￣! ﾄ、. ￣ | |l＼:.; ;:.:', ,:' , ',:.:', ,:.':.:.:;'
:.:.:, 丶イ , ヽ ﾉ'ｰ,､ｧ-/' 〉-L__厶＼ l＿| i i !_＞ー､ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人从人,:.:',
' ' ' ' ' - ;:.:;':, , ; ヽ_ノ `ﾄﾄ､二二二ヽ ＼ l | i＿!/ ＿＜ ＞:';
:.:.:.:.:.:.:.; : :; :'.; ; , ﾄ､__ノノ/７ ｜ ,'丶ﾍ.｜ , ∨ ヽ＜ 勇気あるものの‥‥絶対勝利の力だ！ ＞
:.:.:.:' ':., ':,:.:.':, ,入ーク / | , ; ヽ|/l |＿/＜ ＞':;
:.:.:.:':.: ,' ;:.:.', ∧ ＼| / | , ' ｜ l ヽ.ヽ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒Y⌒WY:.:.:;',
' ' :. - .,ヽ ＼! |' ,.;' ｜l ヽ丶＿__/| ヽ＿ ,
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':;:':丶.. ｜;:.; ｌ | ∨＿_／----､ ヽ'
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.;:. - ' ´ . . - - ＝ - - - ー 、 l | ／ ／ `ー,―ｰハ. |:
' ' ' ' ' ´ ´ , . . :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:':.:.´:.:.:.:´:.:.:.:.:':.':.:'.:.-=;',',',',', ー - -
＿＿＿_
／ ＼
/ ノ -､ -ヽ ヽ 聞こえない振りをする選手は多いけど‥‥
/ , -|／‘|＜ |-､ | 本当に聞こえてないのか
○／ ` - ●-′ |
. | | 三 | 三 / やっぱり王は凄いよ
| | ／⌒＼_|／＾／
| |━━━(ｔ)━━､
| ／＿＿ ヽ |_|
. i l ヽ＿__/ﾉ j_)
ヽ ` ── ′/
⊂二⊃⊂二⊃
以降、王にはささやき戦術は一切通用することはなく、成績だけでは測れない
王の物凄さを、野村は身を以て知ることになるのだ。
一方で、ささやき戦術を仕掛けては破られ、仕掛けては破られを
最も多く繰り返したのがこの男だ。
,ｘ彡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V }-､
人::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{刈::::ミ､
f::::::::::::::::::::::::::ィ了::::::ィ 爪⌒^ ヽ::::､
}::::._::::::-:::::／ /／ / , _, Ｖ
「ﾆ- ￣ ｛､ ､ ｘ｝
{ - -ﾆ} ィ≪三=- _ ｨ≦三j フン！
,｝- -ﾆ::::::f '"r‐tｯ‐ァ`" 〔ゞ' -く
f=-::＞く:::::::{ ￣ , ヽ l ささやき戦術など、子供騙しよ
｝::::::l ミ:::::l ￣ ヽ .{
〕::::::l ミ::} ／（＿＿___ノ l
ｌ::::::::::ヽ `’ / , ---､ l
Ⅵ:::::::::::＞r--' ｀￣ - l
ヾ;,;::r／〔l ノ` 、
／^!::::::ヽ＼ `ー――――＜‘.:::、::`ー―――-- ＿＿＿
_r〜:::::::::::ヽ:::::::、 ＼ ,， ￣￣ ヽ':::::、.:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
-=ﾆ￣::::::l:::::::::::::::::::、::::::、 ＼ > ' ￣`ー-〈 ‘:::::､:::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::、:::::::、 ` ァ'" ,，＿＿ﾉ l:::::､:::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::、::::::＼／ ー=''"￣ } l:::::::､::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::、::::::/ ＿,， ⌒ヽ l::::::::､:::::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::／ 人.l::::::::::､::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::
張本 勲
東映フライヤーズの主軸打者である張本とは、同じパ・リーグで幾度となく
勝負を繰り広げた間柄である。
「俺を人格者扱いするな」だそうな。何故か世界の王＝人格者みたいな図式が世間であった。
張本には、生半可なささやきは通用しなかった。
カマをかけるようなことを呟いても、まるで相手にされない。
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ おっ
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 ヽ ヽ もしかして構え変えたの？
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
∟_-ﾆ 二l __∠ /／ 〃 ::::::::::::Yﾊヾヽ
/＝二三l∠三三ミヽ /ﾊ ::::::::::::::|| lNﾊｊ
Ｌ ﾆ三/ ､＿_｀ヾミﾐ∨ {ヽ ｌ::::::::;;､｣ﾊj ﾘ
/ﾐミミｌ ヽ､__辷ｒヾミゝ ｀リ:ｒ彡三ﾐ//
/ﾐﾐlミミ| ＼ ￣´ﾉ::'⌒ヾ:ニｔﾃ‐y′ 何を馬鹿な！
＞ﾘミミl `ー‐'´ ﾄ､:￣〈
/（´jミミ| __ __ |::::Y´/ 調子が良いのに、打ち方を変える愚か者が
⌒ﾚ＾ヽ∧ ｀lﾐミl ,r─−く:::（ ｀ Ｙ ｌ どこにいるというのだ
〃/l/ｌ ｌ/l｢Ｔ^ー' // ,仁二¬ーﾆ‐-_イ |、
//l / l l l !::::. / ｛⌒ヽ ￣`¬─--7 ﾄﾊ
l/l/ｌ j j l/|::::::. ヽ二ﾆニ−ｰ---ﾉ 川l|
/ｊ l/l ﾊ l/l:::::::. こ二￣ ,lリﾘ
余人とは、違ったささやき方を考えなくてはならない相手だった。
ここで野村が思い出したのが、オールスターゲームで共に戦った時のことである。
） （ __ ）＿____＿＿________ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
( ) ( ）＿＿＿＿＿_____ .γ⌒ヽ＿＿＿＿〔l iil 〕＿＿＿＿＿＿＿.＼
.( ｀) ﾉ_,,r-.,,_,r--.,､,..r-/ _ |.i ）＿＿＿__ / /,_〕）＿＿＿＿＿＿＿_|
( ' ）. .::: . . . .: : : . . :(⌒)!| ゞ__ノ＿______＿ ﾛi/) ＿＿_________________|
. （ ／ ノ .: .~.: :〜 ~ : / / / .: .: : : : .. . . .(( . :: : :_,,.._. :. :.. ..... .....＼
／( ).: . . :. : .: : : : :.:/ / ./ , ｰ- 、 )) / (◎) ＼
r'´ ）ﾉ´ ~〜'' - .,'.:./ / / ( ） (( / /l i ヾ 、 .♪ ＼
________＿＿＿＿____/ / / `)ノ´ ∧＿∧( ）. i , ヽ丶 ﾉ
___＿＿＿_______＿ _/ / （ ´∀｀）ﾉ ,、 , ., `
ι ι 「 ./ と ι r' ,,,.,.,, ヽ ヽ`
Ｊ ｊ .｜ ./ / 〈 (( ﾐilﾟДﾟﾐ )) …
＿＿_______________,._.|_/ （,_,/"ﾞ'Ｊ '"''''''"
オールスターの試合前には、選手たちは球場内に設置されている浴場で
一風呂浴びるのが慣例であった。
当然、野村も張本も一緒に風呂に入ることになる。
皆プロ野球選手な上に男所帯なのだから、誰もが前を隠さず堂々としたものだ。
l /
′／
／、 ＼
/．ﾉ─ ､ ヽ
●- ´ ＼ ヽ ん？
__| 二二 i i
（__ ── | !
( _ ! /
＼ / /
_ ６━━━━━━、
（ ）`| ＼ ヽ
,.rrr;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;-、
//川::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::､
巛 川ミﾍｨ､::::::､､::::::::::;;;;::::::::::ﾐ つ
/ |ﾘヾ`ｰ 〉 ''''' ﾐ
/二ﾆヽ :、z'ﾆ二>ぐ ﾐ ,,,, ﾐl つ
代豆ｺ , ∠豆７ | | |::::'''''ﾐ|
（ ｀ ´ j ｀ ´ | lﾉ l:::::::::::ﾄ､ つ
|` / 'ｰ--ﾍ、. ミﾞｰ':::::::::::::ヽ
,;;;| ! l三三三! ! : |,ヽ:::::::::::ﾘ
l||||!、 ー ::::ﾘ
!!!!-;`iー―--― ‐' │
ところがその中で、普段は誰よりも態度の大きな張本が隅の方で
こそこそと小さくなり、タオルで前を隠しているのがどうにも気になった。
何事にも疑ってかかる、捕手ならではの職業病だろうか。
王＝人格者はたんに比較対象がミスターだからなあ
そこで野村は、他の選手と結託して、張本のタオルをさっと剥ぎ取った。
＿＿_
,. =ﾆ ⌒ヽ: : : : :｀ ＜
＿ ／´rt_{ ∩ } フ ＞､: ＼ そのタオルもらったぁ！
‐-ミ { (:::::) __ノ =ﾆニY´￣｀ヽ
γ⌒ ￣|´ _,. -=ﾆヽ{ }
. 人 _, ＜:: :: :: :: :: :: ::.i7ト= ィ:.|
γ´ ', 〈:::::::／:: :: :: :: :: :: :: :,ﾊ: : : .|: l
{ ', V/:: :: :: :: :: :: :: :: ::,!: : : : :! ,'
ゝ─<ﾍ、 ＼:: :: :: :: :: :: :: ノ| : : : :i:/
＼＼ ｀ ｰ─=≦--|: : : : lﾊ
＼ ｛γ⌒Y ￣｀丶: : : :' : ',
`i 乂{}ノ _, V: : : : :',(::) ､
, -- ､',--- ´ } !: : : : :ハ. ‘,
i ヽ:, / .ｲ: : : : : : :} i
ﾟ, ‘,＞==-≦::__ : : : : : ノ ﾉ
ヽ ‘／ ￣￣ ` ´
｀ --'
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミｘ__
,ィ≦｛ { /:::::::::::::::::::::::_::::::::::=-::::::::::::ミｘ
/:≧:::::㍉____{ィ１::ト:::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::ﾐ、
/::::::::; ' Ⅵ Ⅵト､::::::､:::::::::::::::::::、::::::::ミ ヽ人_从人
./ｨ:::; ' _ ‘l-‐‘.| ヾ{ ㍉ミｘミ､::::::::::::::::㍉ ＜ ＞
Ⅳｨ三≧ｘ ﾉ _ ＿ ミ ミ、::::::Ⅵ ＜ ！？ ＞
〈'"≧ｘ:::ミ ｘ≦三三ミ､ ､ﾐ 、 ヾﾐミ'. ＜ ＞
ｌ ｎ㍉ﾐ ミ≦≧====ミ、 ミｘ ` ` ミ. Y⌒YW⌒
ﾉ `ー_／ `ｰ- ｎ__ﾉ ミ≧=- ､ ﾐﾐ
「 ,「 -、 `ー-- U ≧三三- ミ、
｝///⌒{ __ }`ー .,/////,=三三三ﾆ- ﾐ、
.' l r- 二二=- ― 、 ヽ ≧===-==ﾐ三ミⅥ
.' ,ト----- _ ヽ l ミ-彡'" l≧ミｘ
l l ―-l l ミ≧- /:::::::ハ
: / .l ﾐ≧= ./::::::l::::川
‘. ￣￣` ., ./ ミミ ､_ イ::i::::::l:::::::|:!
> ., ー‐' Ⅷ:i:::::::::::ﾘ
{刈{≧=- ＿＿ Ⅶ:::::::Ⅳ
その下から露わになったのは、お世辞にも大きいとは言えない
張本の男性の象徴だった。
-── ── ‐-
／iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii＼
, イ⌒V ⌒ ､iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii＼
／iiil ┳ | ┳ liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii' , 小っちゃ！
/iiiiiiiii| ⌒ .八 ⌒ | ─- ､iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii',
/ii／￣ゝγ⌒ヽ＿ノ ＼iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii' まるで獅子唐じゃん！！
─,'─- {::::::::::::::. ' ,iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
, {:::::::::::::/ ─────- iiiiiiiiiiiiiiii
─┼── ゝr- ´ ',iiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
| / ＿ ─────- iiiiiiiiiiiiii
──i── / ／ |iiiiiiiiiiiiiiii
' { ￣ ｀ヽ / ─────-iiiiiiiiiiii
､ ─ - ､ { |iiiiiiiiiiiiiiii
/ ＼ ' |iiiiiiiiiiiiiii
| ＼ 'iiiiiiiiiiiiiiii
| |__ノ ＼ ＿ ,'iiiiiiiii＞-
ﾌﾟｰｸｽｸｽ ､ / ＞ ＜////////
i ､＿_ ィ＼＿_ ＞ ＜//////////＞ '￣￣
|iiiiiiiiiiiiii{＿{///// --＞ - ￣＼iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii／ /＿＿_} ヽiiiiiiiiiiiiiiiiiii
|iiiiiiiiiiiiiiiiiii| { i } 'iiiiiiiiiiiiiiiiii
,iiiiiiiiiiiiiiiiii| ゝ.┴‐′ ｜iiiiiiiiiiiiiii
｝=- f⌒＞ィ r=--≦刈ィﾍく
ﾉ-≦ - 、 .}ﾘ
「::r-ミ ミｘ ` - ⌒ {'
,f:::; ミ F―ミｘ ノ ,_x≦ミ ﾊ う‥‥！
}::l ﾐミ ー・-ﾉ .::::::::.〈h二ﾃl .!
｛::、 ﾐミ//// , {`ー//从 ぬ‥‥ぬ‥‥！
＿＿,，へﾐ ミ ／__人_ .〕、u /ﾊ、
:::::::/::::::::::Λ 、 /ｒ―-､二=-,、l .从:::::ヽ
::::::'::::::::::::;::::'. ヽ、 `ー'⌒￣二’ /:l:::::::::::l￣`'ｰ
:::::'::::::::::::;:::::::'、 ≧=- ＿ イ:::l:::::::::::l:::::::::::
::::;:::::::::::;:::::::::::'、 ､__ノ //::::::::l:::::::::::l:::::::::::
::;:::::::::::::;::::::::::::::::、 //:::::::::::l::::::::::l::::::::::::
::::::::::::::::;:::::::::::::::::::、 / /::::::::::::::l::::::::::l::::::::::
どうして張本が小さくなっていたのか、これ以上ないくらい合点がいく。
怒りと恥ずかしさのあまり、張本はその場から慌てて逃走。
＿＿ _＿＿＿_ ＿＿ _＿＿＿_ ＿＿ _＿＿＿_ ＿＿ _＿＿＿_
|￣| | | |.｜ ＿_ | |￣| | | |.｜ ＿_ | |￣| | | |.｜ ＿_ | |￣| | | |.｜ ＿_ |
| | ￣￣ | ,二, | | | ￣￣ | ,二, | | | ￣￣ | ,二, | | | ￣￣ | ,二, |
| ￣| ￣ | | | ￣| ￣ | | | ￣| ￣ | | | ￣| ￣ | |
|＿|￣ |＿| |＿|￣ |＿| |＿|￣ |＿| |＿|￣ |＿|
おのれぇええええぇぇぇ！！ ＞
,-､ ｎｎ
.r-、 _００ /::::'┴'ｒ'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ｸ_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Lｎ:::r┘|.l _lﾆユ、 ./
.￣└r''"´］_ l| | ｒﾞ=ﾞ┐ |└ァ::/ / /
､ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / ／
. ＼＼｀´ |:::|. l| l 〈::/ ､ ! '／
＼￣ l ,>ｨ''ヾト:r:‐､_
. , / ,.-､／ /::＼ `‐'^ヾ;<´
/ { ゝｲ /.:::::....｀丶､._＿戈‐
! ＿ | ::| |::::::::::::::::::::::::::::::;ｲ:l
／ ｀ヾl、 ｌ:::（＼____:::::::／ ｌ::|
. { ,ﾑ＼＼:`‐-‐':／ /:/
ヽ;:-ィ'´,.､ ｀㊦､､￣´ ／='ｨ⌒i
! {. ヾ;| l ＼ ｀ヾ＝'´;: -‐'^'''゛
', '､ ＼＼＿,,> ﾉ::／ } !
ヽ,＼ ヾ;､.＿_,／∠_ ノ/
丶丶、ヽ;:::::::;:ｨ´ ﾞ, ／
`'‐-<.___ノ
この時のことをささやけば、流石の張本も耳を傾けざるを得まい。
そして、いざ実行。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
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/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ ハリ
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! お前は態度はでかいのに、
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i ナニは小さいなぁ
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
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,////ニニニニニニニ≧ ､
{|lilili|ニニニニニニ二二二＼
. /⌒ヽ|lilili|二二ニニニニニニニﾆ∧
//ﾆニ＞一'⌒ｌi＼ニニニニニニニﾆ} ヽ人_从人
/ﾆニ/ |＼＼＼＼＼ﾆﾆﾆﾆミ} ＜ ＞
ｲニ{＿__￣＼ | _／ .／三ﾐﾉ } ＜ ！？ ＞
|ニ}三ミ＼＼ ! ／／∠....ヽ}三≧ ﾐ} ＜ ＞
|ﾘ人匸 e＼ﾌﾉ弋..イQ__ノ ∨二二人 Y⌒YW⌒
「､/ ＿_ノ_/＿ ｀¨¨¨¨´ }二二 }=∧
| 人////／{ ＿__}////}ﾆﾆ }ﾆﾆ}
＼l| / ｀¨¨´ _／⌒＼ } ｛二〉 八／＼
_ﾉ| {￣￣￣＿__,. イ} ｛ﾆ/_/|:. ∨:.:.:.
＿＿＿＿_/⌒:.:.: | |二二二二ﾆﾆﾆﾆ} |/|:.:.:.|:.:.:.:.
. ＿＿,. ＜´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:人. |,. -──-=ﾆ二.ノ / ,:.:.:.|:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:|＞ .ー＿＿＿,.. イ / /:.:.:.:|:.:.:.:.
ノ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:| |ﾆﾆﾆﾆ＼__ノ / /:.:.:.:. |:.:.:.:.
効果はてきめんだった。
張本はあの時の怒りと恥ずかしさを思い起こしてしまったのか
この打席ろくにスイングすることもできず、あえなく凡退。
l Ⅳ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿――二`
ﾊ {,､ｎ::::::::::::::::::::::::::::≦-:.:≧
ｲ:::::㍉ミ`:.:.Ⅵト＜ミ≧=-::.:.:.::.三
ｲィ:::f:.:.:.:.:.:.:.',{:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.__;:.:.:.:.:.:.−
}:刈:.:.:.､:.:.:.:.:.／:.:.:ｘ≦三=-:.:.:.-≧=-=≦
ｊ,.,,,,:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ミミ'"_ ィ::::::::三:::::-=::
ミ三≧ｘ:.(:.:ｘ斧'"ｎ ノ::::::::::≧:::::::ﾆ￣ ぐ‥‥っ！ う‥‥っ！
｛丁 ｎ_ﾂ =-:.:`:.:.:.:.:.:.:.:.／￣ ≧:::::=-
｝ー-/ ￣￣ ﾆ彡
〈 l _ -､ー---､ U -彡
ヽ .f _」 --､ ヽ =彡 ,
‘. ､__ _,，" ＋'. ｝ -=≦
｝ r‐ 二 ＿＿ ノ
八 `´
,，ヽ、 ￣ ,， /
_ノ /＞ ..＿ ＜_,， /
/ / / |＼ ／ /
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! こりゃあ良いネタを見つけた
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
一方野村は、してやったりとほくそ笑む。
しかし、それも長くは続かなかった。
打順は巡り、再び張本の打席。
／///ニニニニニヽ_
{｛{{{{{{{ニニニニニニﾆ≧ ､
乂{{{{ﾉニニニニニニニニﾆ＼
イニ/￣⌒}ハ{＼{＼{＼{＼ニミ
/ﾆ/__ ﾉ /二二＼＿＿__ ＼ミ
{/=ミ｛_ノノ__rｭﾉ }ニﾆ⌒＼ }|| くだらんことをごちゃごちゃと
〉_rﾉ ＼＿ノ 〈ニニ }ヘ八
｛／ ）ｰ─ ｝ﾆﾆ( }ﾆﾆﾆ} ほざきおって！
}ー '⌒ ／⌒＼ヽ二 ) 八ニ人
} ｛￣´＿＿＿_} ニ イニニﾆﾆ
{ }￣::::::::::::::::::::} }二二二 }
人'´￣￣＞＜´￣｀≧ノノイ}ノノﾘ
＿＿＿＿＿_,＞＜´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
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, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ いや、悪気はないんだよ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
ピッチャーがボールを投げた、その時。
_ _
ィ´.::::::ﾊ
ﾉゝ::::::≦≧ｭ |
.． ⌒ヾゞ´ 7￣ ＼ | ’
" `ｰ ' ＼、_ ﾉし'/／
_,ｨ´ ト､ヽ ＿＿） て
／ ＼ ≫､|::::::::.＼ ――＝二 ＝¬―-- . ...,,,,＿、
/ ヾー ／/.:::::l ＼:::::::.＼ ﾒ、 （_ ¬―-- ....,,,,＿、ﾞ ﾞﾞ"'''' ―-- ....,,,,＿、
| ＞−一 く:::=-' ` .:::::.ヽ Ｙ＾ ＼ ` .￣ﾞﾞﾞ"''''―-- ....,,,,＿、 ﾞ ﾞﾞ"''''―--
| ,.イ ヽ ヾノ＼ | ＼ ￣ﾞﾞﾞ"''''―-- ....,,,,
ｌ /￣￣｀ ､_, ∧ ｀ヾ_｝ !
/ .′ Ⅵi ∧
.へ. _＿ -一 i / Ⅵi ∧
／ 乂＿,ｲ Ⅵi ∧
/_/`ｰ=≠ -一 "￣ Ⅵi ∧
ﾄ-イ 弋__
ｰ───┘
＿＿＿＿＿＿__
イニニニニニニニﾆ＼ヽヽ
ニニニニニニニニニハ｝} }
ニニニニニニニニニﾆﾉﾉ/
ニニニニニﾆY７７７'⌒∨
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三｝∠二＼ヽ}
-=ﾆニﾆﾉ 亡__rﾃﾆﾉ ‥‥！
ニニニニﾆﾆ{ ､_ ／ ｝
ニﾆ{ ￣）ニﾆ __r ‘，
ﾆﾆ人 { 三 / ｰ┬┘
ニ｛⌒＼_ ニ / .⊂=-{
ﾆﾊ{ / / }
＼＼ ＿＿__ノ
＼＼＼ }
:.:.:.＼＼＼ ﾉ＼
:.:.:.:.:.:.＼＼＼ ｝＼＼
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.... ─＝二￣ ._,, ; .i
...... _..-'´ ._.. -''" ／ ｰ／
.... _..-'"._..-''"゛ ／ ／
...... _..-'ﾞ_..-'"゛ ／ ／ .,-ｲ .,,,､、 ,,,,、
,..-'',ﾞ -'″ ／ ／ ヽ人_从人从_从 .,lﾞ .ﾞ‐'｀ ﾞl |,,,|^|
._..‐',ﾞ ‐″ ／ ／ ＜ ＞ ./'ﾞ_,、.r‐',i´.lﾞ ﾞ .""
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...... ／ .l::_ -‐r='ｧ''ﾌﾌﾉ|::l "ﾞヽ:::l ＜ ＞ lﾞ ,lﾞ .lﾞ‐'"
.... ／ ／ l=三三}∠ﾆヽ'__ｌ/}´, -､|;ﾘ Y⌒YWY⌒WW .ﾚ'" _,,､,,r､,ｰjl'
...... ／ ／ ﾉ='":::::{′'ﾆﾆ6ｰ'’F'aﾃ〈 - ...,,_ {-!ﾄ''ﾞlﾞ,i´
.... ／ ／ ./:::ｌ"ﾍ::i' ｀_,. , 〔.｀ ﾊ - ..,,,｀ﾞ"'ｰ-..,,_ ,ﾚ"
. ／ ／ {::::::ヽ_{:{ / r'ニ‘ｰ--'-､.!::| ｀ﾞ''ｰ ..,、 ｀ﾞ''ｰ ,,, l"
ｬ-,､ ＿ヽ:::__/｀ﾞ | ｀￣￣´|.l:::| ｀''ｰ..,, ｀ﾞ'ｰ ,,、 {
!､. ! r─-‐'´x x x/x/l.|. ヽ`ﾆ二_ー- '_ﾉ;ﾘ ｀''ｰ..、 .｀''-､ ＼ |l|w/L ,r_／
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.... ／ /:::::::::::::::::::::::::::::::::;､;ﾘ;ﾉ‐､ ＜ 手が！ ＞ .ﾄ'",lﾞ lﾞ lﾞ │
...... ／ .l::_ -‐r='ｧ''ﾌﾌﾉ|::l "ﾞヽ:::l ＜ ＞ lﾞ ,lﾞ .lﾞ‐'"
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.... ／ ／ ./:::ｌ"ﾍ::i' ｀_,. , 〔.｀ ﾊ - ..,,,｀ﾞ"'ｰ-..,,_ ,ﾚ"
. ／ ／ {::::::ヽ_{:{ / r'ニ‘ｰ--'-､.!::| ｀ﾞ''ｰ ..,、 ｀ﾞ''ｰ ,,, l"
ｬ-,､ ＿ヽ:::__/｀ﾞ | ｀￣￣´|.l:::| ｀''ｰ..,, ｀ﾞ'ｰ ,,、 {
!､. ! r─-‐'´x x x/x/l.|. ヽ`ﾆ二_ー- '_ﾉ;ﾘ ｀''ｰ..、 .｀''-､ ＼ |l|w/L ,r_／
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￣ ¨T''┴‐- ､, -＜._,∠x_ｘ x x x x x x ､ ヽ ｀＼´ 彡x
-‐, ､ ｰ_- ⊥ x x＿ ヽ x xヽ. x x x x x x x x｀ヽ| / .ゝ> ； ’ ∠─
. /x l ` ‐x.､_ ￣ l x ‐- -_ ニ､ ‐-ゝ x ｘ x x x x xL ノ ／ ／ }|――-,,.._
. 〉 | | x x x /｀i ｰ-| ｘ x x x x￣ヽ>ニ.＿x ＿ ニ -‐x ﾉ _,、 -‐''''″ ／´ヾ, r､r‐|＾`;' "Y'"ヽ_;;::＼
/ xヾ!x x x l x| x xノl x x x x x x ｀ ｰ- x x x x ____,,,,,.. r━'''"ﾞ´ ,..-'" /／ }´-‐i_＞l＜,ﾉ_,ヽ:::i
x-------------------ｰー―ｰ¬''''''''ﾞﾞﾞﾞ￣￣ _,, ‐'″ / |:::::/ｰ- `●" ＿,,Ｕ
_,,,.. -‐''"゛ |:::|-‐. | _, ＿ }
＿,,,,.... --ｰ''''"´ .|:::i,,,-' （＿人＿） - i
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￣￣￣￣´゛ ／x./.x x x x x|x x|.x x x`ヽx x x x xイ´ ヾ > `ー'´ ,,,ｨ.
自分のバットでは届かないから、野球のバットで・・・・
.. ─＝二'''''' ,r':⌒:'.,
.... ─＝二￣ ._,, ; .i
...... _..-'´ ._.. -''" ／ ｰ／
.... _..-'"._..-''"゛ ／ ／
...... _..-'ﾞ_..-'"゛ ／ ／ .,-ｲ .,,,､、 ,,,,、
,..-'',ﾞ -'″ ／ ／ ヽ人_从人__从_从人 .,lﾞ .ﾞ‐'｀ ﾞl |,,,|^|
._..‐',ﾞ ‐″ ／ ／ ＜ ＞ ./'ﾞ_,、.r‐',i´.lﾞ ﾞ .""
.... ／ /:::::::::::::::::::::::::::::::::;､;ﾘ;ﾉ‐､ ＜ 滑ったわぁ！！ ＞ .ﾄ'",lﾞ lﾞ lﾞ │
...... ／ .l::_ -‐r='ｧ''ﾌﾌﾉ|::l "ﾞヽ:::l ＜ ＞ lﾞ ,lﾞ .lﾞ‐'"
.... ／ ／ l=三三}∠ﾆヽ'__ｌ/}´, -､|;ﾘ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒ .ﾚ'" _,,､,,r､,ｰjl'
...... ／ ／ ﾉ='":::::{′'ﾆﾆ6ｰ'’F'aﾃ〈 - ...,,_ {-!ﾄ''ﾞlﾞ,i´
.... ／ ／ ./:::ｌ"ﾍ::i' ｀_,. , 〔.｀ ﾊ - ..,,,｀ﾞ"'ｰ-..,,_ ,ﾚ"
. ／ ／ {::::::ヽ_{:{ / r'ニ‘ｰ--'-､.!::| ｀ﾞ''ｰ ..,、 ｀ﾞ''ｰ ,,, l"
ｬ-,､ ＿ヽ:::__/｀ﾞ | ｀￣￣´|.l:::| ｀''ｰ..,, ｀ﾞ'ｰ ,,、 {
!､. ! r─-‐'´x x x/x/l.|. ヽ`ﾆ二_ー- '_ﾉ;ﾘ ｀''ｰ..、 .｀''-､ ＼ |l|w/L ,r_／
`┴- x ､x_ x /ｘ/xl | ‐' ノ￣ﾉ `;ｰ- . _ ﾞ'''.､, ｀'-＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／
￣ ¨T''┴‐- ､, -＜._,∠x_ｘ x x x x x x ､ ヽ ｀＼´ 彡x
-‐, ､ ｰ_- ⊥ x x＿ ヽ x xヽ. x x x x x x x x｀ヽ| / .ゝ> ； ’ ∠─
. /x l ` ‐x.､_ ￣ l x ‐- -_ ニ､ ‐-ゝ x ｘ x x x x xL ノ ／ ／ }|――-,,.._
. 〉 | | x x x /｀i ｰ-| ｘ x x x x￣ヽ>ニ.＿x ＿ ニ -‐x ﾉ _,、 -‐''''″ ／´ヾ, r､r‐|＾`;' "Y'"ヽ_;;::＼
/ xヾ!x x x l x| x xノl x x x x x x ｀ ｰ- x x x x ____,,,,,.. r━'''"ﾞ´ ,..-'" /／ }´-‐i_＞l＜,ﾉ_,ヽ:::i
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_,,,.. -‐''"゛ |:::|-‐. | _, ＿ }
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￣￣￣￣´゛ ／x./.x x x x x|x x|.x x x`ヽx x x x xイ´ ヾ > `ー'´ ,,,ｨ.
空振りするように見せかけて、バットで殴られるという報復行為をくらってしまう。
、. ,
o
）
(｀メ､
）
(｀メ､
_,.､ ＿＿Q_ ）
. , ' γ´￣: : : : : : :｀ : 、
{ .人_: : : : : : ,.x====ミヽ
｀ー’７⌒У:'´: : : : : : : :｀ 、
{/ :' : _ヽ＿_: ,: :_: : : : ﾍ
,.〉:7ﾒ､ ヽY -‐ Y: : : : ', あいたた‥‥
γ Y´: :.}'￣７＼ ｀ ､o,.ｨ◎ ヽ: :|
人__>--‘￣(__ー ,:● ､___ﾉ: :j まさかバットで殴ってくるなんて‥‥
‘, ｀i ／ ､ - }: /
＼ ﾄ､__ ﾄ､＼ﾉ 'ヽ
＞ .Y_ ヽイ
γ´ﾄ､／
ゝ--'
∟_-ﾆ 二l __∠ /／ 〃 ::::::::::::Yﾊヾヽ
/＝二三l∠三三ミヽ /ﾊ ::::::::::::::|| lNﾊｊ
Ｌ ﾆ三/ ､＿_｀ヾミﾐ∨ {ヽ ｌ::::::::;;､｣ﾊj ﾘ
/ﾐミミｌ ヽ､__辷ｒヾミゝ ｀リ:ｒ彡三ﾐ//
/ﾐﾐlミミ| ＼ ￣´ﾉ::'⌒ヾ:ニｔﾃ‐y′ 自業自得だ！
＞ﾘミミl `ー‐'´ ﾄ､:￣〈
/（´jミミ| __ __ |::::Y´/ この馬鹿者が！
⌒ﾚ＾ヽ∧ ｀lﾐミl ,r─−く:::（ ｀ Ｙ ｌ
〃/l/ｌ ｌ/l｢Ｔ^ー' // ,仁二¬ーﾆ‐-_イ |、
//l / l l l !::::. / ｛⌒ヽ ￣`¬─--7 ﾄﾊ
l/l/ｌ j j l/|::::::. ヽ二ﾆニ−ｰ---ﾉ 川l|
/ｊ l/l ﾊ l/l:::::::. こ二￣ ,lリﾘ
さすがにこれに懲りたのか、以降野村は張本の身体的特徴を弄るささやきは
一切行わなくなった。
このエピソードは、数ある野村のささやき戦術の話の中でも、
特に有名なものである。
野村と張本のささやきエピソードコピペ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┃ 昔のパ・リーグにはいろんな個性的な選手が居ました。名前は出せないんですが、誰もが名前を知っている
┃ 大打者の話です。彼と私とではチームが違ったんですが、どっちも若い頃からオールスターの常連だったんで
┃ そういった舞台では同じチームの一員として戦ったんです。
┃ オールスターゲームが終わったあとはチームみんなで一緒に風呂に入るんですが、まあ男所帯ですから
┃ みな前など隠さず堂々としたもんです。ところがその件の大打者だけはなぜかいっつも前を隠す。
┃ これがどうも気になりましてね。ある意味捕手の職業病というやつでしょうか。
┃ そこで私はある先輩と結託して、その選手が頭を洗っている隙に股間を隠してるタオルを奪い取ったんですわ。
┃
┃ するとそこには小さな獅子唐が‥‥。その選手は顔を真っ赤にして逃げるように風呂から出て行きました。
┃ それから何年も経って、互いにベテランと呼ばれる歳になって、その大打者は球界を代表する打者になったのと
┃ 同時に非常に態度のでかい打者になったんです。私の囁き戦術なんかもまるで通じない。
┃ そこで私はその若い頃の風呂場の一件を思い出し、こう囁いたんですわ。
┃
┃ 『ハリ、お前は態度がでかいのに、ナニは小さいのう』って。
┃ そうしたら張本の顔が信号機みたいに真っ赤になって……。その打席では効果があったんですが、
┃ 次の打席では空振りの振りをして私の頭をバットで殴りおったんですわ。
┃ まあ、野球が大らかだった時代の話です」
┃ 人
┃ <｡ .>
┃ ∧∧ /Vﾐ ﾊﾞｼ!!
┗━━(´･ω･`)/ ミ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/) y )つ
|~￣]￣￣￣￣￣￣|
なんせコピペになってるくらいである。
ただし、この話には続きがある。
実は野村は、殴られても張本へのささやき戦術を止めてはいなかった。
. . : : : : ￣￣: : : : : . _
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ :. ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
,:': : : : : : : : : , -- ､: : : , -- ､.: : : : : : : : :ﾍ
/: : : : : : : : : / ﾍ::/ ヽ: : : : : : : : :ﾍ
/: : : : : : : : : 7 ｀` ｘ.,_ | _,ｘ '´ ',: : : : : : : :.ハ ハリが嫌がってるのは
7: : : : :,＞ ' ´ i. { (:・:)}Y{(:・:) } }￣｀`ヽ,:.-.: :.',
i: : ー:' _ ﾍ `ー' ∧`ー ' ./ ,. -'´ ヽ: :.｜ 確かだからね
|: :./ ｀ヽ､ ー- 7:r ):ﾊー-‐ '_,. ´ ∨:|
|:７-- ＿＿__ 乂::::ノ __,. --──:.'
V{ γ⌒ | _ j:7
ハ; ', _,. -‐ '´ | ｀ z- __ //
ヾ ‐'´ヽ ＿ | _ . -‐:':´, ' 〃
ﾍ ＼ﾏ´: ￣￣￣: : : : : : : : . ｲ ∠_
_,.Ⅹ `ヽ､: : : : : : : : : ＞'´ ,ｨ/: : :＼
＞'´: : : ＼ヽ､ ￣￣￣ _,. ィ::／:.| : : : :ﾍ
, : ´￣｀ :.､: : : : |: : :＞-::::::ー::......................:::::::::::＞'´ヽ : .!: : : : :ハ
〃 Y: : :.!: / ７´===:ｷ ´ Ⅵ, --- ､:.}
ささやく内容を変えて、張本の集中力を乱そうと再び躍起になったのである。
張本は、野村と同じく父親を知らず、片親で育った男である。
貧乏を抜け出すために野球の道を志したというのも同様で、非常に情に厚い面があった。
,. ィ千／zyxｫｬzyxx.､､___
,イl i l i／ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ≧x,_
/ l i l i /ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐx
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／ ,ｲil州シ￣ Ⅶ寺;＼ ｀ﾞ''ﾏ三三三
/例洲/ Ⅵ ヾx_＼ }三三二
! '/洲,' ,..､ ヾ／ _,.､､_ }三二二
併il,'_,....､ ｀ 'ー‐ '´ x圭圭圭≧x ｲ三二二
′/圭圭ﾐx_ { ,′_,ィ圭彡''ﾞ´ _￣ ｀i三三二 母親に、家族に楽をさせてやりたい
{~_＿｀ﾞ等:=- ｀等;ｨrt;ｧ'' "￣,ﾉ }三三三
‘, ﾍ‘'″.ノ,r ::::::_｀¨¨＿´, }三三三 それが私が野球の道を志した理由だ
/ _￣, / ｀ }三三三
{ ￣,r′ ヽ､ }三三7/
‘, _λ _＿_ﾉ ｀ ‐- 〈三三{ ５
| i ゝ-‐ ´ __ ', }三三!/く
l l ,. ﾆ = -─ ¨ ´ _ヽ. ‘,ヽ ,j三三
l l }-───… ''' "´ ﾉ i ｀ﾞミ ___,／
l l _,. ''´ ! :::
',. ￣、¨¨ ￣ :::
ヽ、 ￣ :／
／,'>.､ ＿ _,. -‐ ／ ,
_／x./ハl::::::::::￣ (¨￣ ／ ／×
＿＿＿＿,.ｨ´××/ i ｌ::::::::::::::::::｀ー ／ ／××
_,.. -ｪ‐ヌ×××××××/×! l::::::::::: ／ ／×××
＿＿＿＿__
／ /￣ヽ￣ヽ＼
／ ＿| / |ヽ |＿＼ 分かる、分かるよその気持ち
/ ／ ｀ー ● - ヽ
| / , 二 | 二、ヽ
| | | ─ | ─ ||
ヽヽ .＼ | ／/
＼ヽ `'ｰ─┴─‐''" /
（二二二（〒）二二）
/ ／ ＼|ヽ
だからこそ激情家でもあったのだが、野村は張本のその性格を突くことに
したのである。
その内容は、こういったものであった。
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ なあハリ、あのピッチャーなんだけどね
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 ヽ ヽ 今日、故郷から親御さんが見に来てるんだ
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼ 折角だし、良い思いをさせてあげたいんだ
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ 「あの張本を打ち取った！」と、自慢させてやりたいんだ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ なあハリ、何とかならないかな
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
またある日は、こういったこと内容であった。
, ────- ､
／ /⌒ ヽ ⌒ヽ＼
/ , -| ・|・ | ､ ヽ ハリ、あのピッチャーなんだけどさ
/ ／ ` ─ ●ｰ ′ ヽヽ
ｌ / ── | ─ | 二軍じゃ結果を出すんだけど、
| / ── | ─ | 一軍じゃどうも力を発揮できないんだ
| ｌ ── | ─ ｌ
ｌ | ／￣￣￣￣｀ヽ /
ヽ ヽ （＿＿＿＿＿ノ ／
>━━━━━ Ｏ━━─（ _ ）
/ ／ ヽ ／
＿＿＿＿_
／／⌒ ⌒ヽ ｀＼
/ / ・/ ・ / ､ ヽ 良い球は持ってるんだ
/／ `ｰ●ー ´ ＼ ヽ 後は自信をつけさせるだけなんだよなぁ
/＾ 三 / 三 ヽ ｌ
ヽ.＿_ / ＿＿ l | なあハリ、頼むよ
| ヽ￣￣￣￣ / | ｌ
ヽ ＼／ ￣｀ヽ／ / /
ヽ ヽ､＿＿／ / /
>━━,-､━━━━┥
/ ／ ヽﾌ /⌒ヽ￣ ｌ
要するに、情に訴えての泣き落としである。
{∨///////| |////////////////////////|
∨///////∧ ∨//////////////////////l|
'⌒>//////⌒ヾ､ ∨///////////'´ヾ｀¨ﾞﾞヾ///l|
/／//'´ / ｀ヽ､{∠'ｌ//////∧ ', ｀¨ヾ}
/ // / ￣｀ヽ､ i |∧∨{ヾ｀ヾ;､ ﾉ＿＿__ {
ｌ/| / ,､_ ｀ー+-┤ ';ｌ{ ヾ>ｨヶｭ､∨///∧ヽ_ｌ
ｌ ',／', f圭王℡､_,.ｌ | /,､_,ィｴ系㌢´~ ∨//////∧ 野村よ
∨ヾ〉､｀三＝ヾﾆ' i_, 〈ﾐ圭㌢--─ |/´ヾ////入
}/´ / ヽ.｀￣ン ,｢ ｌ ヽ｀￣￣´, |ｌ ｆ｀ ∨///∧ その手のささやきは勘弁してくれまいか
/∧.〈 ｀ｰ'´ .| | ｀ー-‐'´ .ﾘﾉ //////∧ 闘争心が湧かんのだ
///∧∧ ,ｲ' 丶 ﾄ､ U | ﾚ' ////////∧
////////l /´ ヽ､__,r‐'´ ｀ヽ、 ﾄ､ノ////////}ヾ〉
ﾚ'ｌ/////∧ ｌ | ,r========ｭ､_ | ｌ | |//////////}
{//////∧ { | ｀ー -- ─ ' ´ .｜ } /人//////////}
{///////ﾊ ｌ ‐--‐ ｌ // /ヾ////////ﾉ
＿,,,>'´￣~ﾞ７介､ ,r‐'/ / |￣￣￣￣｀ー､＿
＿ ,,, ─ ''' ￣ / | | ヽ、＿ ＿ , ' / / | ￣
/ | | ＼¨¨￣ / / |
| | | ／ ／ /
| | | ／ ／ /
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ ああ、そう
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V ふーんｗ
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
闘争心が削がれては、前のようにバットで殴る気も起きない。
張本は野村のささやきに翻弄されまくった。
最終的に張本は、野村がささやいている間はバッターボックスに入らないという
強硬手段に出ることで、ささやき戦術を打ち破った。
, ─── ､
.／ /⌒ ⌒ヽ＼
/ , ┤ ．|∠ |､ ヽ 早く打席に入りなよ
/ ／ `ー ●ｰ′ヽヽ
l / 三 | 三 ｌ 試合が進まないじゃないか
| | ／⌒＼＿|_＿＿_） !
_l ｌ l ＿＿_ ﾉ /
（ _ ）､ヽ ` <＿＿＿)__／ /
＼ ヽ━━━━,-､━━､
ｌ ／ ヽフ ヽ ｌ_ヽ
| | ┌───┐l | __）
l ヽ ヽ ＿＿.ノ ﾉ !
ヽ ｀ ー── ´ |
（ ￣￣￣ )( ￣￣￣ ）
?_-ﾆ 二l __∠ /／ 〃 ::::::::::::Yﾊヾヽ
/＝二三l∠三三ミヽ /ﾊ ::::::::::::::|| lNﾊｊ
Ｌ ﾆ三/ ､＿_｀ヾミﾐ∨ {ヽ ｌ::::::::;;､｣ﾊj ﾘ
/ﾐミミｌ ヽ､__辷ｒヾミゝ ｀リ:ｒ彡三ﾐ//
/ﾐﾐlミミ| ＼ ￣´ﾉ::'⌒ヾ:ニｔﾃ‐y′ 何を言うか！
＞ﾘミミl `ー‐'´ ﾄ､:￣〈
/（´jミミ| __ __ |::::Y´/ 貴様が口を閉じるのが先だ！
⌒ﾚ＾ヽ∧ ｀lﾐミl ,r─−く:::（ ｀ Ｙ ｌ
〃/l/ｌ ｌ/l｢Ｔ^ー' // ,仁二¬ーﾆ‐-_イ |、
//l / l l l !::::. / ｛⌒ヽ ￣`¬─--7 ﾄﾊ
l/l/ｌ j j l/|::::::. ヽ二ﾆニ−ｰ---ﾉ 川l|
/ｊ l/l ﾊ l/l:::::::. こ二￣ ,lリﾘ
ルール違反と捉えられないこともないが、そもそも野球規約に抵触している行為を
先に行っているのは野村の方である。
超一流で、態度の大きい張本だからこそ出来た破り方である。
.r-、 _００ /::::'┴'ｒ'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ｸ_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Lｎ:::r┘|.l _lﾆユ、 ./
.￣└r''"´］_ l| | ｒﾞ=ﾞ┐ |└ァ::/ / /
､ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / ／
. ＼＼｀´ |:::|. l| l 〈::/ ､ ! '／
＿＿＿_
／ ﾉ_ ヽ,,＼
／ ≦ﾟ≧ﾐ:≦ﾟ≧ こんなの笑うなっていうのが
| （__人__）| 無理な話だろ！
| |r┬| }
| | | | } 面白すぎるだろ常識的に考えて！
. |. ｀ﾆﾆ }
. ヽ }
ヽ ノ
． … ．
：＿＿＿_：
：／_ノ ー､ ＼：
：／（ ⌒） （●）｡ ＼： さすがにこれは、やる夫も笑うお
：／:::::: r（__人__） ､ :::::＼：
：| { l／⌒ヽ |：
：＼ ／ ／ ／：
__,,.. - ‐ - ､,,_
イ彡三ミ三ミﾐヾミヽ,,
,イ彡〃７ｲﾉﾊ! __ .{｀ﾞﾞﾞﾞヾﾒ
ｲ≦彡ﾒ /≧＝-､ ｀} ‐-‐Ⅵ
.ｲ彡´ 彡 ､ ＝= , ､‐≡ﾆ 真剣勝負の中で生まれた笑い話だな
彡ﾉ 彡' ｀ー一 '丿ｰ ヽミﾒ､
ｲ彡ｬ-彡{ ／ｒ ﾆ二ゝ--= ,,.)､ i たまには、こういうことも起こるのだ
彡i r､ 彡 ! /Y‐- ．."二_ ‐ ｧl l
彡l ）彡. l:::::::::::::::::::::::::::::l l
ｲﾒ､ ｀ 彡ﾄ､ l:::::::::::::::::::::::::::::j l
川 i:iｔ‐''''''' ヽ:_:.:.:.::::::::::::::ノ .j
川 ll ゝ､ ￣￣￣ ノ
- ‐ ¨￣Т !｀ヽ ￣ ¨ T ￣| ｀ヽ-- ．_
.l ﾍ ＼ ｰ' .l〉)ヽ ﾍ
.ﾍ ﾍ .＼ ‐-- /./ ｌ ﾍ
(ヽ三/) ））
＿＿ ( i)))
／⌒ ⌒＼ ＼ これはアレかお？
／（ ●） （●）＼ ）
.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼ 雄山さんのナニもししとう並の
| (⌒)|r┬-| | 大きさってことでいいのかお？
,┌､-､!.~〈`ー´/ ＿/
| | | | __ヽ、 /
ﾚレ'､ﾉ‐´ ￣〉 |
｀ｰ---‐一'￣
あー、こりゃ王さんや長嶋さんには通じなかったのも納得だわ。
{∨///////| |////////////////////////|
∨///////∧ ∨//////////////////////l|
'⌒>//////⌒ヾ､ ∨///////////'´ヾ｀¨ﾞﾞヾ///l|
/／//'´ / ｀ヽ､{∠'ｌ//////∧ ', ｀¨ヾ}
/ // / ￣｀ヽ､ i |∧∨{ヾ｀ヾ;､ ﾉ＿＿__ {
ｌ/| / ,､_ ｀ー+-┤ ';ｌ{ ヾ>ｨヶｭ､∨///∧ヽ_ｌ しかし中には、最初から野村のささやきが
ｌ ',／', f圭王℡､_,.ｌ | /,､_,ィｴ系㌢´~ ∨//////∧ 通用しなかった選手たちもいる
∨ヾ〉､｀三＝ヾﾆ' i_, 〈ﾐ圭㌢--─ |/´ヾ////入
}/´ / ヽ.｀￣ン ,｢ ｌ ヽ｀￣￣´, |ｌ ｆ｀ ∨///∧ 最後に、その選手たちとのエピソードを
/∧.〈 ｀ｰ'´ .| | ｀ー-‐'´ .ﾘﾉ //////∧ 紹介して今回を終わろうと思う
///∧∧ ,ｲ' 丶 ﾄ､ | ﾚ' ////////∧
////////l /´ ヽ､__,r‐'´ ｀ヽ、 ﾄ､ノ////////}ヾ〉
ﾚ'ｌ/////∧ ｌ | ,r========ｭ､_ | ｌ | |//////////}
{//////∧ { | ｀ー -- ─ ' ´ .｜ } /人//////////}
{///////ﾊ ｌ ‐--‐ ｌ // /ヾ////////ﾉ
＿,,,>'´￣~ﾞ７介､ ,r‐'/ / |￣￣￣￣｀ー､＿
＿ ,,, ─ ''' ￣ / | | ヽ、＿ ＿ , ' / / | ￣
/ | | ＼¨¨￣ / / |
| | | ／ ／ /
| | | ／ ／ /
, , , -‐==- ．_
/.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ
ｲイﾌｼﾞﾞﾞ'' ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ
´ｲ// / ,イ´ヽ ｀ ヾ ､｀ヾミﾐﾐ 今回は、野村がずっと痛い目に合わせる側だったが
llﾚ__｀ { ´ _,,イ二ヽ ヾミﾐ､ ヽヾミﾐ
{三≧ =≦竺o='' 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ 野村が反撃をくらった話も必要だろうからな
.〉ｰ ﾟ' ､ ノ 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ
.( ｀_/.. ｀¨ 三三F lミヾミミ
l ( ＿__)ヽ ､ 三-､ .ﾘヽヾヾヾ､
l/ ￣＿_ _ ｀ｰ､ .三 ' /川川ﾊﾊヾ
l ´ ＿ ｀ l ゝ-ｲ川 川川ハﾊ
ｌ ¨ ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ
ゝ．_ __ ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
Т ￣ ／／ ｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ﾉj ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::。::::::...... ... ﾟ .....::::::::::::: :::::::::::::::::::: ..::::: . .
:::::::::::::::::...... ....:::::::゜::::::::::.. :::::::::: ＿＿＿_ ::::。::::::::::::::::: ゜.:
:. .:::::。:::........ . .::::::::::::::::: _+ ／ ＼ ／＼ ｷﾗﾘﾝ:::::::::::::。:
:::: :::::::::.....:☆彡:::: ／/ ／ （●） （●）＼ ::::::::::゜::::::::::
:::::::::::::::::: . . . ..: :::: / ﾍ ／ ⌒（__人__）⌒ ＼ +:::::..
::::::...゜ . .::::::::: ／ヽ ﾉ | |....... .
:.... .... .. . く / ＼ ／:.... ...
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ......:.......::.
／￣￣＼.
／ ＼.........:::::::::::.... .......
|::::::: : | .... .........::::::::::...r‐ ' _ノ.
. |::::::::::::: | .... .........::::::::＿ ) (_
|::::::::::::: |.. ..... ......:::（⊂ﾆﾆ⊃)
. |::::::::::::::: } ..... ......: ::::｀二⊃ﾉ. ﾑﾁｬｼﾔｶﾞｯﾃ‥‥
. ヽ＿＿__ } ..... ......: :::: （( ￣
r'ﾆﾆヽ._＼. ﾉ.. ..... ......: :::::: ;;.
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、.
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l /￣｀Y´
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/
野村のささやきエピソードは、こと現在に至ってもとにかく有名である。
_ -=ニニニ= _
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ', 誰にでも
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : !
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i 耳の痛い話ってのはあるからね
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
∨',/〃:::::::::::ヽ. ＼. ∨: :./: : |::::Y
''i_Li_il::::::::::::::::::::::＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
〈ヽ ｀ ､::::::::::::::::::::::＼ i |: : : :7
.∧. ､ ＼:::::::::::::::::::::丶ノ!}: : : /
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
￣
それだけ野村のささやきには他の選手たちとは違った、多種多様なささやき方、
または上手さや狡猾さがあったからだ。
しかしいくら上手くても、有名になりすぎてしまえば、対戦する前段階から
対策を打ってくる選手たちも当然現れる。
､＿__t､_ﾄ､_
_,.≧ ＼
_> ﾐ＝-¬ヾ､i }
ナ ミ. :::::::',
ｲ ミ､ .: :::::::::::::!
ﾁ- _ ヾ､r-:::､:::::::{
, -ｲ// ｀Y´ 孑ｨ::::::r ' 俺は、ささやきなんてもんは
/ ∨ﾘﾍヽ ',:::::::::' _: |::j
x＜三三ミﾄ､. ﾍ :从.:::／,rﾆﾆ:{ 全然気にならねぇがな
〃 ￣ ー-ﾐヽ ＼ ＼:::ヽ:..i {r==:!
/,′ ,. =ミV ＞ _`弋 } ﾊ , -=､
,',j , ---＼ｲ/////,Xﾆ＜ ヽ二i｀ - 、
|{∨ ／<>､,. -----r≦二二二ﾑ, ∨ﾊ - ミ､
lVﾑ /<>､イ二二二二二二二ニﾆ} }ソ ＿_ ﾐiY
l ＼, ,'< //二二二二二二二二ﾆ イ }_,} }Y ⊆ 〉
}//∧ i ヾ/二二二二二二二二／.ｭゝ -,∠/ ￣
j///∧ミ人二二二二二二ニ／≧=L二ニ」i|
,'// rY∧{{::::＼二二二二＞'´7二二二| | |ニl
///_/i_{//＞-=≦77777////７<ニニ二| | |ﾆ/
////////////////////////l{ ｀ ＜二l| | |:/
∠==ミ＜///////////////////| ￣| | |＿__
廴:::::/ ｀ ＜////////////////,'l Y二二二二 }
{....{::::.. ｀ ＜/////////////|、 L二ﾆ＝┼‐'
7 /￣ィ¬＿:::｀ ＜/////////! 7ヽ= _| .::|::::｜
,' ,:} ,::::'´ _,.. --- ==｀ ＜zzz彡'ヽ、..:: | .::|::::｜
{/ |, ／ :::::::::-----:::::Vﾑ-≠<_ ー| .::|::::｜ ＜
|.:::{ , --::::::Yi} ∨//≧=| .::|::::｜、 ＼
高井 保弘
阪急ブレーブスが誇る代打の切り札、高井保弘はささやかれることを見越した上で、
野村のささやき戦術を打ち破っている。
高井といえば、チームメイトであったスペンサーの影響を受けて
相手投手の癖を盗んで打つことに開眼した選手である。
-一イテ≠ミ≧xｆく´ ゝ、
__ (_＿ 廴て" ヾぐ_ ヽ
｀ﾆ=≧一z'¨"ﾞ｀丶:､( r:､_'yｲ
ﾆイ´ ,イ" ,ィzx:.､ ヾ{"ｨ / ふうむ‥‥
ィ`ｖｧ_,> , ﾞミ辷彡'ィﾝ ,`く´
( て ﾞ ｰｧ'´,ｨｭ､ヾ､':_ ヾﾂ’ あの投手は、カーブを投げる時
≧ｭ; ;; ｬ'"vwvえｴｖY}ｲ グローブの中に視線を落としておるな
ヾ;; ﾐ、'' `´￣二二孑;{
_j;,ヾｰミ:ヽ、__ ｨ ,ゝ/＼''ｰ ､_ ,, .,､
ﾞミﾆゞ、｀1_三￣えｧ一' / ＼` ｣>:'／ /
::::ゝ才:::::ヽ`ｰ{",入 / ＼ヽ､,_ノ／ /
≧;:ﾉ:::::::::::〉:::::}.ｲ_:::ゝ / ｀`７７ /
｀ヾ:､:::::::::〃´ヾヽ､｀ / / / /
i}::::::::::{i、::::::＼ / ｆヽ、/ / , -,∧|
ヾ:､:::::::::ヽ:::::::::/ r-､ ヽ ∨,ノ /
ヾ:､:::::::::￣＼ 〈＼.＼,〉 ｀, ｆ
｀ヾ:、::::::::{:＼ (ヽ ヽ ｀ |
j}:::::::__）:::::::::::i};::::::
ダリル・スペンサー
z＝-ヾ=ーУヽｊlk,;,_ ,
rヾミーヨミ＝-ヾﾍｋlﾘKVﾑ
z彡≧ヲ;ﾞ｀ ｀ﾞヾ゛ﾐ;ﾍ∨ﾘ〃ｿk
∠三ｼﾞ｀ ゛｀ヾ,;;シ´ Y´
ﾌ｀≧ﾞ ! / i
彡±ﾐz､ / ／｀ー-､＿,-―- l
≧三弐kzゞー＝-､ ,j,
i彡z≧彡´ﾞ´,二､｀ヽ､ j=≡≦z! ほー
l≧/ヽkﾞ 辷tiﾃゝ .j /≦二〉/
K;lirソ;: ﾞ￣ソ´ i |ﾞk=ﾞ´´:i メジャーリーガーってのは
ヾ水 人 , ´ j i ｀: / そこまでやんのか
´ｿﾍ ｀i ヽ ／ ´｀ｿｲ.､｀ ﾉ
/|i ｀キ. i/ ≧彡ﾍkヾミz,/
＝´ｱ!, i ゛ ;彡´Zニﾆｴ.;ﾏ
ー-､ﾉ ::.ヽ/ ;≧;, ,;ﾝｻヾﾐﾈ､
＼＿ ＼彡ｿ//kill|||||il!ﾐヾ;ー-､
｀ー ´'ﾉ州i|||||||||ikﾐ;゛ ｀ー､
時には変装してベンチを抜け出し、試合中にベンチ裏から相手投手のフォームを
観察して癖を見抜くなど、その貪欲さは野村にも劣らないものがあった。
高井は野村がささやき始めると、その雑音をも己のリズムに取り込んだ。
話に乗りながら攻撃の組み方を考えたり、気分をリラックスさせる。
_,. -‐'｀ｰ-'ﾐ､,_
_,≧: '´￣ ｀ ｰ:く
彡::{ /≠‐ - ヽ
ｲ三≧ｧﾆ ﾆ‐､ -:ﾍ ノムさん
.!≦彡' 'ｰﾟ‐' ｉｒ｡Y′
ﾑｲ:Y :.::.::ｒ .' } ! ささやき戦術なんてやめて、
ｼﾍト､::ノ.彡'三ﾐ;′ 俺とヤマの張り合いで勝負をしましょうや
}小 .::{ ｊ:Ｙ´こ.ｊ:}
'! ｀'冬彡彳ﾐi:!
.ィ六ｰ ､::ヾﾐミ洲i{ ,-. ｒｔ.､
／ ． ｀::守≦-ｆﾞ / ｝ ./ ｊ: ｉ
.′； ..:.:.:.:... ヾ::「 ト､.／ / ／::/ }
{ :.:.::.:...∨ヨY 辷'´ ／ ,ｲ
i ； ;. -‐- .､ﾍﾖ.′ .::.:. /:,′
ﾔ ＜ . -‐::::::ｊ ..: .:.:.::.:::.. /
i ＞::´::::::::::::::/ ...:..::.:.::.:::.::.:ノ
ﾔ ,´:::::::::::::::::::::::{ . .: .:.::.::::::才´
i ,/:::::::::::::::::::::::::｀:: .､__,.ィ::!´
ﾔヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｒ‐ｆ′
i ヽ::::::::::::::::::::::::::::::才´i :.{
ﾔ ヾ::::::::::::::::::才´: :. }:∧
i ｀ ｰ=- ''´ :.::ﾉk!:ｉ __
ﾍ :. :.::::. ::. { X!{ ./:::::ﾊ
ヾ:::.:.:.::.:.. :.:.:.... }ェ!Ｋ;:__::::}!
＼ ＿＿＿＿
,.＞‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼ 随分な口を叩くじゃないか
／:::::::::::::::/:|-'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l
:::::::::::／ し' ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::| いいだろう、乗ってやるよ
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:!
:::::::/ ∧ー――- .| ――∧- l|
:::::::| し' ＿ | ー- し'_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
::::::::' 、 ￣ /
＼::::::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
＞------------ｒ―-:、------ゝ、
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
時には、配球の読みあいで勝負をしようと持ち掛けるなど、高井が野村に
ささやき戦術を仕掛けることもあった。
高井の不敵な言葉にカチンと来た野村は話に乗り、純粋に配球で
仕留めてやろうと意地になった。
_ -=ニニニ= _
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ', 僕はキャッチャーなんだ
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : !
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i 配球の読みあいで、負けてたまるか
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
∨',/〃:::::::::::ヽ. ＼. ∨: :./: : |::::Y
''i_Li_il::::::::::::::::::::::＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
〈ヽ ｀ ､::::::::::::::::::::::＼ i |: : : :7
.∧. ､ ＼:::::::::::::::::::::丶ノ!}: : : /
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
￣
追い込んでから、高井を仕留める決め球としてピッチャーにフォークボールを要求する。
そして、投手がモーションに入った瞬間、
. ｰ-､
/.:::::::弋
( 1´`ｰ=''
_＿＿}､ ｿ
/ｰ-=圦::::::/⌒ヽ
{ｰ=≡ ハ ´ ＼
7ｰ=≠ｘ ゝ、_/ |
/ｰ=ﾃ.:::::入ﾉ.:::廴_ _｣
(:::::::/ /´ ｀ヾ:::::入
`¨ { ｰ'' く
Ⅶ 、 i
Ⅶ i:.. |
Ⅷ |:::.. _ﾉ
}::: !:::::Y´
r一= '{:::::!
￣Ⅷ≧/.::/
ｌ::::::::::::′
|::.:.:.:.::| {ー―一ヽ
|:.:....:.::| ｀ ￣ / / _
|: : : :.:| /メ ､ ゞ ヾ ）}
|: :| ／ ＼〉 ＿ ノ '
|: .::|
|:: ::::!
/⌒ヾミ:
`ｰ=≠''
＿､_＿ ＿ﾉ}､_
,ｲ＝ミ ーｚ ､ﾐrﾘヾ斗
ゝ彡 ｀Y!j |/ﾊ
／z＝=ﾐ､ ｀ ､ヽﾉ ﾘｲﾉﾊ
ﾉ ／ ￣ヾﾐ､＼｀ヾ,ﾘ彡ﾞ ヾi|
ｲ彡ノ ﾐゝ-｀ﾞ´￣｀' ',
Z,ｲ '´三ｼ ,;＝ﾐ ,
ヾ彡ｲ／ j .:; ,.z=ﾐ ｲ ＞- { ‥‥‥
ゞ=彡'´ ﾊ ／, - ､ヽ !,' 彡ﾁ '
＼.彡ｲ;ｿ ＿彡-､ﾍ ﾊﾐ=｀ﾞ i__
／ ゞr ､{ ゝ-ゞ´ノ ﾏ ,'////｀:.､＿
ﾉ///,:| {ﾍ:､ j ヽ ,://////////へ
./////,八.ゞへ ､ _/zﾐ､{//////////////｀
////////へ ハ ,,彡' ,.＿i||{//////////////
//////////ﾍー ､ {i|| ／r-=zﾘﾊ/////////////
///////////＞､ .＼}iﾊ._ノﾊﾑﾐヾり/////////////
//////////////＞､ヾﾐ从从从从//////////////
高井が一言、鋭くささやいた。
/, =y _ ￣ ニ＝＝-- -=ミ､ヽ } / ,≠=f}
. j/／'´ _ 三ニ＝─=＝＝¬---丶i/ '´ {
. ﾄ= ﾉ _ -─＝ﾆ¬ ',
. 〃'´/y'´─＝ニ三 ,:: :::-::._ /_,ヽ',
｜ /, =≦ニニﾆチ ,:::: ＿_ ＼ // /
{i/〃 , -= チニ彡 _,.z'´---=ﾆﾆト.._ ‘, /'⌒i/
} ィ, へニ＝彡' ＿__ヾ::::::｀/ 〃 0 /| フォークだろ！
ﾉ} i/〃ﾍ Ⅵﾆ´ r ´ 0 〉 ‘,ト- ' !
j-y{ {Y::::::､}7 ` ー 彡' i: 从
. / V , L⌒yﾍ::.. | / _
/ |,ハヽ ｰ､ ヾ::: /´ ﾊ, /＼ ｀ ､
', ＼ ', ::::: ,. ⌒ー-ト- _ノ >､::::ﾍ ＼
', :.＞-､ ／,r＜＿￣´ -ク:::::::ﾍ::::∧ ヽ
. ‘ , ＼ { {ヾ｀ ー--‐ ´/.i:::::::∧::::∧ ‘,
. ‘ , ＼ } ,ﾊ ---y=ﾁ {｜:::厶ｲヽ:ハ ,
,､＝''￣:::::::::::::::￣ﾞ'''ヽ、 ノし
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ て
/:::::_,_､:::::::＞‐-､::::::::::::::::::::::::::::: (
/::::／~ヾ,}::::j| ｡ ｝::::::::::::::::::::::::
l::::/|_ ﾟ ,.>ｰ､ゞー≠￣ヽ:::::::::::::: ヽ人_从人
|::/ ヾ≦ﾍ,_ノヽ ＼::::: ＜ ＞
|Ｙ l| U ヽ ＜ ！？ ＞
|ﾉ〆 l| ｰ- | ＜ ＞
/| ／ l| ｰ- | Y⌒YW⌒
l / r ｣{, ヽ |
l, ﾍ_ _,,＞ｰ＝､_ /
∧ ｀Σ,,､-‐─ﾞゝ=´ /
ﾍ ==＝一 ノ
∧
＼≧≡＝ﾆー ノ
＿,,,,,,.... --ｰ¬'''"ﾞﾞ´ _,,,,.... --ｰ''''''ﾞﾞﾞ´_,,,,.. -ｰ''''"゛
''''''^ﾞ￣´ _,,,,.... --ｰ'''''"ﾞ´ __,,,, -ｰ'''''"ﾞ´ _,,,.. -‐''"´
_,,,,.... --ｰ'''''"ﾞ´ _,,,,.. -ｰ'''''"´ ,,/l _,,.. -‐'''"゛ ._..-'
ー''''"ﾞ´ _,,,.... -ｰ''''''"´ ,l / .│ _,,, -‐''"´ _..-'"´
._,,,,.. -ｰ'''''ﾞﾞﾞ´ /.! / ! .、 _,,, -‐''"゛ _,, ‐'"
/ .! / .!,,-/ ._,,,.. -‐''"´ _.. ‐'"
/ .!ｰ'''"´ _..-'"´
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l _..-'"´
! ! ._..-'"゛
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! ! ／ ,
l丶 l ／ .／
/ | ／ ／
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! ,! ／ ／ .／ . /
! ! ／ ／ ／ . /
ｌ l ／ .／ ,./ /
ｌ | ／ .／ .／ .／ . /
i′ ! ／ ／ ／ / /
! | ／ .／ ／ .／ .／
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/ ! ／ ,／ .／ .／ . / . /
/ ! ,／ .／ ／ ／ . / /
/ l . ／ .／ .／ ／ .／ /
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.
/´ ム -イ;‐ｧ
,! 〃 /
／ ｨ! |
／ ;'´ i ｌ
l ／| !: ! |
|.／ l |! l |
| l! | | ,､
! |l' | | ,l |
| |! .|／ ,! L.-ヾi=,
|／ _,.-'´ _, - '_´
|_,.- '´| L-'´_|
,.-'´ ,.-'"
|,.- '´| | ／|
|,i ／／ ＿＿ _ x＜;;;/＞ﾊ}
／ ｨ' ／＿＿ノ ／丿 _,､√' ;;;;;;;;;i＞:/777ト､
く／レ , -=＝≧__,／ヽヽ {i ,,;;;;; |＞'//////i
,____,.}Y, ==z_-‐ ハ ト､: :ヽヽ, i. |〉７//////l
/＿＿{ / ,斗=ﾐ ﾑ ∨ >y＼:::V///////
{ {::::./ ∠zﾐi´ヽZ i .}丶': : :ヽ//////,/ ＿＿_ ＿＿,.... ､
＼ |l|w/L ,r_／ ',_､Y.ｔ'ﾌ ,: >j ! i: : : : : : {＝ミ///￣￣ ＿＿ ≧ｘ -==＝ニニ二二二二二}
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ ﾐ｀ﾍ ｀ 〉∠ /!: : :,＞'´:::: y'´ハ<>i´V二二二二二二二二二ﾆ＝─ ￣￣
＼´ 彡x ﾐ ヽ´万ヽ,/二イ<: :/,.ｨ //,:7 ｲ: : : :.i ヾi}二二ﾆ＝─ ヽ￣
> ； ’ ∠─ ﾐ ＼ﾘ_ﾙ': : : : : ＼: ゝ:.L{∠: : : : : :|-≠:::::::::::::::::::::::::::::::: : : :ハ
／ }| ミ 丶:::｀ ＜: : __彡':／:Y__／ヽ: : : : i ;# ,,,,, - ',
／´ヾ, r､r‐|＾` ミｘ､､､､､ ／i;y<:::::: ／:＼: : : : :.7 .::: ;;;;､ ''' i
. ＼ /／ }´ ,ﾊ: : :＞'´Y／/＞ ､: : : : : : :__r'/::::::: ヾ' ,,,, #. |
＼＼/ ∨___彡'///////,＞､ __/_／ヽ、: : : ;;;; ヾ; ;;;;;; ,,′
＼＼＼ il|/ :::/ ｀ ＜///////＞x{｀ヽ、_ - - == _ '''' ,,,,/
. ＼＼＼ il|| ,i 'く//////// ﾄ､:::::￣:::::=-:...__ ≧ｘ ,;;∧
. ＼＼＼ ill|| ,':| ' #; ;;; ｀ ＜/////人::´￣￣ ／ヽ/,x ＜ -l//∧
. ＼＼＼＼ il| {:::i, ;, / /ゞ=＜ Yﾊ,.ｘ＜ヽi.／/////,'＞'///∧ヽ
＼＼＼＼＼ ∨ ヾ丶 ___∠ -==ヽ::::＼ク{ﾊY＞'´＜/////////////} Y
＼＼＼＼＼.... --- =＝ﾆ二￣ _,. -=<}_ﾘ- ≦ ｀ ＜/////,／ }ヽ .／{
＼＼＼＼＼＼ _ -=ﾆ二/// /////// ｀ <￣ ,人/{／ ,
＼＼＼＼＼＼-=＝二￣＼／ ∠...彡' _／,'///// ,. ≪￣ て_そ ,'
丶丶丶丶丶丶. ＼/ ￣ //// ＞'´ (
野村がしまったと思った時には、既にボールはバックスクリーンに叩き込まれた後だった。
/ ／ / ／
lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､ lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､
∠,,､ -z ,r――― ''" ∠,,､ -z ,r――― ''"
､ '"´,､ィ / ､ '"´,､ィ /
､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l ､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l
､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡 ､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡
| ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ | ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ |＾l
'´ / ／l/ .,／,_ | '´ / ／l/ .,／,_ | ;‐i /'''',,,," 彡
/／ .l＿,'" | .| lﾆ ﾆ/／ l＿,'" | .| lﾆ ﾆl ;‐i ｀ﾞ＾ _,| │
{_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl {_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl .,／,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l＿,'" | .|
{_,lﾞ
,,,,、
,! .,i´:iｰ匸ｌ
│.l＿ ﾞ‐'ﾟ″
,lﾞ /i､｀,!
/ / ｀"
lﾞ丿
｀｀
_＿___
／ ＼
ﾊ ヽ / ﾊ
{ ) ） （ ( }
ヽ// ∧∨
＼ ／
｀￣￣´ ／／／
＼｀＼｀ﾞｉ ／／／
＼＼＼｀:::::::::::,r', '
⌒ ,. ｍ ,⌒
┬-、 /｀ ,lﾞ
.|,,,ﾉ .,,,ο | ,i´
_,,-'彡'"｀ .|丿
,―''''ﾞン'"｀ _ﾚﾞ
｀'-‐" ,i´丿
｀"｀
ー…―― 、
／ /＜ハ/⌒＞ ｀＞、
／ 斗 ＞ l ＜ l ヽ ‥‥‥
, ／ ゝγ⌒ヽ＿ノ ヽﾊ `
, , ー― 、ゝr イ ＿＿.U ヽ ヽ
, , ー―- ! ＿＿_ ', ,
lY ／ ! 、 ｀ヽ , .|
', /⌒ ! ＞ 、 l ,:
ヽ乂＿＿ ー┴一 、_ ヽ , /
＼ ＞ 、 ﾙ
にニニニニニニニニニう
/ γ∠ﾆﾑ――＜――{
, / ゝΩノ V ヽ
挑発されて挑み返した読みあいの勝負だったが、結果は高井の完全勝利に終わる。
＼ ＿＿＿＿
,.＞‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼ どうして分かったの！？
／:::::::::::::::/:|-'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l
:::::::::::／ し' ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::|
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:!
:::::::/ ∧ー――- .| ――∧- l|
:::::::| し' ＿ | ー- し'_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
::::::::' 、 ￣ / ,
＼::::::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／ / |
＞------------ｒ―-:、------ゝ、 し'
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
ノ- '''´￣￣｀`ーz_
／ ヽ
, ' :::::'_,..￣ ::', ,.---'
／r--＜-'´￣`ヾ z＜ ー-
r'::､ヾ=::::::/´＿ `ヽ､ヽ
∧::::f ::::::〃￣｀` ,､ﾆ-- iミ 言うわけねぇだろ
7/ .::::', ヾ:::::.... ' Ⅵ'
ｒ' -z:: ｀` __ j 大事な飯の種なんだぜ
ト､｀` ム--_,..￣ i ,:::::::::7
〉7 __,.. -----ｙ | ! ::::'
∧ｒV- ＿,..ﾆﾆｲ .| | ,:::'
ii '´＿__ | ｜
{ヽ' ∧::::ヽ j |
j ﾍ j ｜ ,' ハ
ﾉ ヽ､ / L＿, イ ∨
彡 ／ー─::::::::::
/ , j , _ /
ささやかれることを見越した、高井の鮮やかなささやき破りであった。
その高井とは対照的に、ユニークな破り方をしたのが近鉄バファローズの
伊勢孝夫である。
＿＿> |＼.＿＿＿__／| く '
＼ / ┌┴o _ヽ 1 o ┴､ ヽ ＜＿ ＿
＜ ./ | ｡ / 〔王〕 ｡ | ＼ ＜ ＿| ﾞv―､ 野球選手の人生とは
ノ l |＿＿＿＿＿＿＿＿| .| ＜ | | | |＿ どうやって生きてきたかではなく、
／ l ド' ゝ-､，ヽ,__, -‐'￣| | ＼ .| ,| | | |
７ｫ | | `t=‐', ） んｰ==r' | | |＼「 .| | .| | | 引退するまでに何をしたかで
/ j | // ,j ｡ || | / | ＼ | | | | | その価値が決まる
./ | | .|| ﾐ._.,..､ || |/ ヽ | ﾄト ､.＼ | |＿__| .| .|
/／| ,l .ﾄ || /＿＿ || | ﾄﾄ.|ﾉ ￣ rト.､ ｛―‐.{ | |
/／|/| !Vj,〈[r―--｀ー､ヽ|| ｜ | , へ.＿＿|｣ | ｢|
/｜ ＼ '~￣￣ |／| |/ ﾉ ,l | |
./／| ト､＿＿＿／ | | / ｲー―- ー――--|｜
|/| | ＼ ヾ. | | l .j-､＿ .| ト-､_
ﾚi |ﾄ／ ト､ / |/ i/ | ヽ | ＼ ＼
| |' / 入 / ／| /| ﾄ .|ﾄﾀ､ヽ ヽ
__｣ | ./ /l | l ／.| | |/￣ヽ /＼_ /ﾉﾒﾄﾞi| ﾄ､
＿／ ﾚ1 |//./ ﾝ.j / / | ./ .| /／ |＼__ｨ彡ｲ＿＿／ノXX'i ! |
| | |l/./≧ー'^7 ,l .|｜ ｜ / | l L＿＿＿_／XXXﾒ! l |
｜ ∧|./ー―'／ | |/ ／ | 〃 | ＼ヽXXXXXXXメ/ / /|
｜ /| ./ |||XXXy' / ヽ／ | ／ ヽ ＼｀＜XXXXY／ /
｜ | | | | |XXV il.| |/ ＼＿ ￣`ー==‐' /
.〉 | | / ||父/ /l | / | ヽ /
ﾊ .V il i||X/ / / | ー―ヽ､ ／
j | il| |k/ / | ト､ ＞､＿ ／
| | l| |y’ / ｜ | ＼ ／ / Yヽ.＿＿.／
伊勢 孝夫
チャンスに滅法強く、監督である三原脩から「大明神」のあだ名をつけられる
チームきってのクラッチヒッターは、野村のいる南海ホークスとも相性が良く、
お得意様にしていた。
１試合で３本のホームランを打たれたことがあるなど、野村からすれば逆に
苦手意識を持った相手である。
, ─── ､
／ /⌒ ⌒ヽ ＼ よう、伊勢
/ , -| ・|・ |‐､ヽ
/ / ｀ー ●ｰ ヽ お前、この前新地の店で
ｌ | 三 | 三 | お姉ちゃんはべらかしてたんだってな
| ｌ ＼ | / ｌ
ヽヽ ヽ､ ____|___／ /_
>━━━,-､━━━ ( _ )
/ ／ ヽフ ヽ ／
＿＿＿ノ ￣ ヽ ＿_>
/ / | /―― ―ヽ. |｜ ＼
./ / i| ￣￣V | /￣| | | ! ト､＞
| | ||＿＿＿/ ＼ ├‐┤.／ /｜ |l
/ |べー-､ヽ＿＿＿_ ノノ! | |
| ＿≧_､ ー――,ﾃr三'7'´ | |
| `ゝ､･_＞ーｹ彡ﾉ l,｡ｸ/! ハ| むっ？
｜ // ≠三ｼ ｢~|| | | |
!| .| | .// | |リ |
| | | | l! ﾚ ∧ |
ト｣ // -､＿ノ/ .| .|.|.
| | | / ＿与/ .| ||
ﾄ､ | | /r=＝-‐‐r’/ | ,! ＜
| | | ＼| ￣￣￣∧ i i |＿＿.
| |! |＼ ヽ ､＿＿＿./ | | ｜| ￣ｰ
| | | ＼ ｜＼ | | ｜|
その伊勢を封じようと、野村は恒例のようにささやき戦術を講じるのだが‥‥
＿＿＿ノ ￣ ヽ ＿_>
/ / | /―― ―ヽ. |｜ ＼
./ / i| ￣￣V | /￣| | | ! ト､＞
| | ||＿＿＿/ ＼ ├‐┤.／ /｜ |l
/ |べー-､ヽ＿＿＿_ ノノ! | |
| ＿≧_､ ー――,ﾃr三'7'´ | |
| `ゝ､･_＞ーｹ彡ﾉ l,｡ｸ/! ハ| あいや、しばらく！
｜ // ≠三ｼ ｢~|| | | |
!| .| | .// | |リ | しばらくの間待たれい！
| | | | l! ﾚ ∧ |
ト｣ // -､＿ノ/ .| .|.|.
| | | / ＿与/ .| ||
ﾄ､ | | /r=＝-‐‐r’/ | ,!
| | | ＼| ￣￣￣∧ i i |＿＿.
| |! |＼ ヽ ､＿＿＿./ | | ｜| ￣ｰ
| | | ＼ ｜＼ | | ｜|
＿＿＿＿
／ - ､‐ ､ ＼
/ -| (・|・) |- ､ U えっ？
/ `-●‐ ′ ＼ ヽ
i 二 __| 二 U i i
_| ─ （__ ─ | !
（__） (_ | /
| ヽ / /
.ヽ ` ━━６━━━━┥
＿＿＿ノ ￣ ヽ ＿_>
/ / | /―― ―ヽ. |｜ ＼
./ / i| ￣￣V | /￣| | | ! ト､＞
| | ||＿＿＿/ ＼ ├‐┤.／ /｜ |l
/ |べー-､ヽ＿＿＿_ ノノ! | |
| ＿≧_､ ー――,ﾃr三'7'´ | |
| `ゝ､･_＞ーｹ彡ﾉ l,｡ｸ/! ハ|
｜ // ≠三ｼ ｢~|| | | | ‥‥‥
!| .| | .// | |リ |
| | | | l! ﾚ ∧ |
ト｣ // -､＿ノ/ .| .|.|.
| | | / ＿与/ .| ||
ﾄ､ | | /r=＝-‐‐r’/ | ,!
| | | ＼| ￣￣￣∧ i i |＿＿.
| |! |＼ ヽ ､＿＿＿./ | | ｜| ￣ｰ
| | | ＼ ｜＼ | | ｜|
＿＿＿＿
／ - ､‐ ､ ＼
/ -| (・|・) |- ､ U ‥‥‥
/ `-●‐ ′ ＼ ヽ
i 二 __| 二 U i i
_| ─ （__ ─ | !
（__） (_ | /
| ヽ / /
.ヽ ` ━━６━━━━┥
(￣￣￣〔}{〕
￣￣i | ＿
/ / | ＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼
.／／ ￣＼／＼／＼／＼.／＼／＼／＼.／＼／＼／＼.| 〔〕〔〕ｎ
(.／ r―' l
｀¨¨´
＿＿＿ノ ￣ ヽ ＿_>
/ / | /―― ―ヽ. |｜ ＼
./ / i| ￣￣V | /￣| | | ! ト､＞
| | ||＿＿＿/ ＼ ├‐┤.／ /｜ |l
/ |べー-､ヽ＿＿＿_ ノノ! | |
| ＿≧_､ ー――,ﾃr三'7'´ | |
| `ゝ､･_＞ーｹ彡ﾉ l,｡ｸ/! ハ|
｜ // ≠三ｼ ｢~|| | | |
!| .| | .// | |リ |
| | | | l! ﾚ ∧ |
ト｣ // -､＿ノ/ .| .|.|.
| | | / ＿与/ .| ||
ﾄ､ | | /r=＝-‐‐r’/ | ,!
| | | ＼| ￣￣￣∧ i i |＿＿.
| |! |＼ ヽ ､＿＿＿./ | | ｜| ￣ｰ
| | | ＼ ｜＼ | | ｜|
＿＿＿＿
／ - ､‐ ､ ＼
/ -| (・|・) |- ､
/ `-●‐ ′ ＼ ヽ
i 二 __| 二 i i
_| ─ （__ ─ | !
（__） (_ | /
| ヽ / /
.ヽ ` ━━６━━━━┥
＿＿＿ノ ￣ ヽ ＿_>
/ / | /―― ―ヽ. |｜ ＼
./ / i| ￣￣V | /￣| | | ! ト､＞
| | ||＿＿＿/ ＼ ├‐┤.／ /｜ |l
/ |べー-､ヽ＿＿＿_ ノノ! | |
| ＿≧_､ ー――,ﾃr三'7'´ | |
| `ゝ､･_＞ーｹ彡ﾉ l,｡ｸ/! ハ|
｜ // ≠三ｼ ｢~|| | | | ‥‥‥
!| .| | .// | |リ |
| | | | l! ﾚ ∧ |
ト｣ // -､＿ノ/ .| .|.|.
| | | / ＿与/ .| ||
ﾄ､ | | /r=＝-‐‐r’/ | ,!
| | | ＼| ￣￣￣∧ i i |＿＿.
| |! |＼ ヽ ､＿＿＿./ | | ｜| ￣ｰ
| | | ＼ ｜＼ | | ｜|
＿＿＿＿
／ - ､‐ ､ ＼
/ -| (・|・) |- ､ ‥‥‥
/ `-●‐ ′ ＼ ヽ
i 二 __| 二 i i
_| ─ （__ ─ | !
（__） (_ | /
| ヽ / /
.ヽ ` ━━６━━━━┥
おならである。
／
／
｀ ｰ
_,.＞
r "
くっせぇな！！ ＼ ＿
_ r-''ニl::::/,ﾆ二 ｰｰ-- __
.,／: :// o l !/ /o ｌ.}: : : : : : :｀:ヽ 、 ﾌﾟｩｰﾝ
／:,.-ｰl { ﾞ-"ﾉﾉl ｌ. ﾞ ‐ﾞﾉﾉ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
＿＿l＞ゝ､,,ヽ /;;;;;;;;;;ﾘﾞ‐'ｰ＝" ＿゛ =､: : : : : : : :ヽ、
/ ＿________｀ﾞ ｀'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
...-''"│ ∧ .ヽ. ＿_______ / ____ ---‐‐‐ｰｰ ＼: : : : :
! / .ヽ ﾞ,ゝ､ / ____＿___rｰ''"￣''ｰ､ `､: : :
.ｌ.／ V ｀'''ｰ-、__/__r-‐''"゛ ￣￣ ＼ ﾞl: : :
ｌ .,.. -､、 _ ‐''''''''-、 ｌ !: :
｜ ／ .| .! ｀'､ | l: :
ｌ | .ｌ,,ﾉ ｜ ! !: :
/ 'ﾞ‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__ｌ＿__ ｀´ ｌ / /: :
＼ ｀ﾞ^''''''―- ..___＿＿＿/_／ /: : :
`
ささやくことも忘れて野村は、ミットをばたばたと動かして
漂う悪臭を必死に振り払う。
ささやく度におならをされては、さすがの野村もたまらない。
-ﾆ ＜ _,,
／ __／ｊ-ｪ､ ヽ丶 ,r''"/ おならとは失礼な
'''-- ___,ｒ'" i ﾟ ', ' ` `丶 =''"
/_, 〉 ﾟ｡ｼ屁 ﾟ ｽﾆ~~`､ ﾊ : ､ ,,r---- ..__ 放屁沈黙の術という
／/ /| ｒ=､,=､7ｪ'ﾟべ､ ',ﾉ : : ,r',,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,丶 立派な忍法じゃ
,ｲ | |Ｖ ﾃﾟ-i ~｡ _ヾ| ,r',,;;;;;;;;r-''''''⌒''''''-::;,,` ､
/イ リ ﾊi! ゞ-'_,, -''1` !r',;;;;;;r'' ':;;,`i, ､
|/|ﾊｲ ::'!i<-;'"-'~"~,' /,;;;r' ';;;;ﾘ;;
. ! .’ ::;'`ヽ!∠ﾆﾆ/,'／ : ';;;;;;
,'; ,ｒ'ヽい､_~___,'r ヽ _,,,,,--,,_ : ';;;;;
ノ .' .i __ '.ヽﾊﾙ/.'_ .'",,,,,_ '' !;;;;
,'/ .'.'/'!￣ ', ／''.' ~ ,' ~'' .';;;;;
i~ ヽ: / '. __ Y ,' _ izｭ､ ／⌒) .',;;;;;
,'ヽ= ヽ ',~ ',xXi ~ ,'XxXy'丶／ / _, : ,',;;;;;;
. i : 〉, _,＼-ﾉ=='＾'ﾌ− ﾄヽ／ヽ,ィ //-=ﾆ __／ : /,;;;;;;'
',: ﾊ! ヽ ノ ヽ ／Xｌ !'''--...,,,,,. --'/,;;;;;;;;'
!.' ﾊ _,,,,−- ､__ l爻l /--..,,,__ /,;;;;;;;;;'
. ' .,r' } ニ _ ●Ｓ ￣ lＸｌ ,;';;;;;;;;;;;;;;;, ''-'",;;;;;;;;;;'
/,ｒ''ﾌ ヽ ﾉY ,,r'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'
,ｒ-'" ヽ _,,, _______,,ノ-''"
. r'" ﾉ;,;,r'''''''''"
`'''''"
. . --- . . ＼
. . ´ : : : : : /＼∨/ヽ ､
／:. : : : : : :.＿| 才ﾍ |_:ヽ バカ言ってんじゃないよ！
/: : : : : : :／とこ.、弋ﾟ}ﾟ∠ﾉ 二
|: : : : : ／ 二ﾆ/ / ｰ '{;;;;;;;ﾉ´, ― 臭すぎて涙まで出てきちゃったじゃないか！
|: : : : / ＿ｰ 二二 丁 ニ |
|: : : / ／ ｀＞ ＿|＿＿ ﾉ
∨: :| |／⌒ヽ／⌒ヽ / /
ヽ:∧ ヽ ＿＿＿＿_} ／ ／
7 三二 ー_-＿_＿＿__／
/: : : : : : : : : : : : : : / ヽ
/: : : : : :＿＿＿＿ 人 ＿ ノ
|: : : : : : / |￣￣￣ ７/
この手段をとったのは伊勢だけに限らず、他には西鉄ライオンズの竹之内雅史も
同様のやり口で野村のささやきを破っている。
しかし中には対策すらせず、文字通り通用しない男もいた。
ト 、
V::::＼
V::::::::＼
_ -- Ⅵ:::::::::ﾊ
＜::::::::::::::::::::::｀ ､|:::::::::::::::i
＼:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::|
ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕iﾄ､
∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ__ - ﾌ
,. -─‐::::::::::;::::::/::::::::::;:::::::::::::::::::::∠_＿
. ／:::::::::::::::::::::::::/:::ｲ:::::: ／V:::::::::::::::::::::::＞'´
｀ ー- _::::ﾊ:::|:K |::／ ,. /:::_::::::::::::::ー-z オッス！ オラ長嶋！
／::::::',ヽ {` tｯ､ij,:tｯ_厶イ::::＜ト､, - 、
￣/7: ｀,ﾊ ￣ ,i ¬´ ,' ´Yヽ }::ﾚi´{￣｀ 、
{/ ,//:ﾄ､ ﾋﾆﾌ ｲ ///⌒ ー ﾍ }
〈 /i::{ _ i＞- く / _／〈 ｀ヽ ｀Y ﾄ､
∨ /∧- ｀ヽr ' ´二.イ:::{ i ﾍ ヽ ', |ヽ!
Vﾑ::::≧=---=≦::::::::::ﾊ { i ヽﾟ, j::{_ﾟ,
} ∨:::::::::::::::::::::::::::／ |ﾄ､ヽ ノ::::::}_ﾟ,
,...rﾍ､,.ィ=､', ‘ ,:::::::::::::::::::／zzz､ ､{:::{V ＝彡:::::::/ ＼
/ ,. -､ｨ､i::::ハﾄ､ ＼::::::::／ {｛ 田 ｝}.＼弋:::::::::_彡' ﾟ,
. ｀i ／ 〉､}::::_/=廴_ ｀¨´ ,.. 乂.甲_,ﾉ _,. r ' ﾟ, ',: ﾍ、 !
｀ゝ{_.／´ _,.//y::く.ィ､＿二ニ=:斗 ハ. ﾟ, ゛ ｀ /
_,./ ／:::/ {} |:::T Tヽ´ | ヽ '. ト . ヽ ＼_/
, ---=≦ :/ /::::::/ /:| |::::i | } ｜ , へ ｀ｰ一′
, ' ／ ､ ,::::: / {:::| |:::::l | ／, -∧
. ,.xく/, ' ∨::::::ﾄ､ ';:!,:::::: l ／／／ ∧
. ／ :/ { /:::::::::| ＼i:!::::::::| '／／ ‘ ,
. / / ￣て |＼ヽ.|::::::: l.／ - ＿_‘,_
/ ' ＿＿＿＿＿_|::::::: | ¬=- _ Y
. { --= ￣ ＞'´ L_彡' ｀ _ ｀ {
. ∨ -=ニニニ二弋 ∨ﾄ､ ｀ヽ ∧
. ト､_ // / 〉 ‘ , ＼ ∧
長嶋 茂雄
言わずと知れたミスターベースボールこと、巨人の４番打者である長嶋茂雄である。
長嶋も稲尾同様に、余人が放っておかない人気者である。
夜の街に呼ばれる機会は多く、しかも話題になりやすい人物なのだから当然目撃情報も
頻繁にあった。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ よーし
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! 長嶋にささやき戦術が
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i 通用するか試してやるぞ
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
かき集めた目撃情報を元に、長嶋にそれをささやこうと身構える。
＿＿＿＿＿
. ／ /⌒＼/⌒ヽ
/ , −| ・|・ |､＼ やあ、チョーさん
/ ／ ` ー ●ｰ ′ヽヽ
/ / 二二 | 二 ￣ﾉ しばらくだね
l / /⌒＼ ── | ─ ／
| | / ￣￣￣￣/￣
ｌ | | / /⌒ヽ
ｌ | ヽ /⌒ヽ⌒ヽ |／ヽ__ ノ
ヽヽ `ｰ───┴─７ /
>━━━━━Ｏ━━ /
''"~::::::::::::::::::::::::::::::::::／__/:::／ / ﾔ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ≦二.___
:::::::::::::::::::::::::::::::::::,:ｨ ｨﾀ/:メﾐ､ ./ ﾔ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣::フ
'"^ヽ、:::::::::::::::::::::{ ,':ﾑ、 ﾔ l |:::::::/ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::;＞‐''"
_＞:::::::::::::::::ヽ、f ﾞ l. ｛::::/ .ﾔ:::::::::::::::::::::::::＜___
_,.ィ´:::::::::::::::::;rｰ-ミ | ,、 ,｛:/＝=ﾐ.Y´｀Y::::::::::::::::::::::::::｀＞ おっ、ノムさん
-ｭ=ニェ::::::::;ﾊ/ヾ.', ﾔ ｌtｌ ﾞ≦=＝= ｊ ｵ |:::::::::::::;＞‐'"´
,.イ:::::::::ﾍ. ｛,.ぇ',. ﾍ.____｀_ 、 -‐'' j ｌﾉ,ｲ::::::ｪ≦＿, 久しぶり
ムｭ､_:::::::::::ヘ.___ﾔ '"´ 〉 .j¨´::::::::;＞'"´
｀ﾞ ＜::::::::::::ヽ、 ﾞー-一 ,.ｲ::＞'"´
ﾞＺ_::::::::::|＞.､_ ¨¨ ／ .|"
,.天弓| ﾍ、ヘ. _＿ ／ ./ ﾔ＞=ﾐ､、
/了´ .水＝､ヽ､ ./ ,. _,Kニミぇﾏ、
{.∧／.ｵ ／ '"〉'"Yヽｒ'"^ ¨Fミ､ ＼ ﾞYﾍﾏ,
_,.-|.| ∨ .| ﾔ .| ﾄ､ | ﾉ .| | |,L.__
,.ィ",.-人l 〈 |.个 ./ │〉 .i 小. |_ﾉｰ--ミァ===
‐/¨¨{''" _,.,ｭ=弋卞ミ火 ', ヾ.| ､ ﾚ |. / ,に二二二ｱ三三
ﾍ彡" ,ﾏ ヽ.｀¨ﾍﾄ､ﾍ ﾔ /,.仏孑',.ｨ二二≧ぇ ﾔぇ､
ﾍ.,.-''"~ ヽ、 ＼. ｀¨ﾞテ〒"~ / / /三三三三ﾔ ﾔミ
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ そういえばチョーさん
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ 最近銀座によく行ってるみたいだね
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
| ﾞヽ、 ﾞl ヽ .| .| ﾞl .r
.|.,〆"ﾞﾞヽ lﾞ l lﾞ ,! ﾞl ,lﾞ
.ﾞlﾞ‐'"ﾞl~ﾞ''ﾞl |ヽ .| ,/ .lﾞ ! ,/
|‐,,＼ | .ﾞl|`'ﾞl、 | .,/｀.,lヽrﾞ,,ｨ"
ﾞl, ﾞﾞ'''｀| ｀ /ﾞ'|l、 .lﾞ ,／,r从ﾚ''lﾚﾞ _,,,,,,,,! このピッチャー、どういう球
`" ヽ,,,、 .ﾞ‐'"ﾞﾞl lﾞ.,／,ｔ'ﾘ｀｀,lﾞ ./｀ ."'~~ｰ-、 投げるんだろうな
`ﾞﾞﾞﾞ'''＝二'ｰ .'"｀ .ﾞ'ﾞ ,/｀,/ _、
ﾞﾞ'ｰ .､,,ﾆﾆ" /､,,,―‐''''"ﾞ＾ なあノムさん、どうなんだ？
、 lﾞ ﾞ,/'ﾞ｀
ヽ 、'=v,> ./｀
.ﾞl＼、 ﾞ二" .／
|、`‐、 ｀ _／｀
ﾞl、 ｀ヽ、 _,‐lﾞ｀
` `'ー-ｰ'ﾞ,i´.lﾞ
｀
／、 ＼
/．ﾉ─ ､ ヽ え？
●- ´ ＼ ヽ
__| 二二 i i
（__ ── | !
( _ ! /
＼ / /
_ ６━━━━━━、
（ ）`| ＼ ヽ
／
／ 、 、 ／
/ ト､ ﾄ､ ∠ -‐‐‐--
/ |,.‐ヽ. | ヽ
＿__｣. ﾄ､ |'⌒' ＼ | '＾|/l
´ | ＼! /⌒ヽヽ/ ,-､ ! ,.. -‐ '''
＞ ﾄ､! |. ０ 0 | | ＜ ん？
/＾ヽ|. L.... ､.__| | ＿ ＞
|.(＾! '""ﾞﾞ ->ﾞﾞ | ／
' ｰ‐-- ...__ ヽ.ヾ-､ ,.-┐ |/
_,. -‐'´ ゝ--､ ｀ﾆ´ /
￣￣￣￣`‐-､/` ‐､_ /
| ` .. ＿／ ＼
やっぱり偉大だ
／、 ＼
/．ﾉ─ ､ ヽ ‥‥‥
●- ´ ＼ ヽ
__| 二二 i i
（__ ── | !
( _ ! /
＼ / /
_ ６━━━━━━、
（ ）`| ＼ ヽ
／
／ 、 、 ／
/ ト､ ﾄ､ ∠ -‐‐‐--
/ |,.‐ヽ. | ヽ
＿__｣. ﾄ､ |'⌒' ＼ | '＾|/l
´ | ＼! /⌒ヽヽ/ ,-､ ! ,.. -‐ '''
＞ ﾄ､! |. ０ 0 | | ＜ どうした？ ノムさん
/＾ヽ|. L.... ､.__| | ＿ ＞
|.(＾! '""ﾞﾞ ->ﾞﾞ | ／
' ｰ‐-- ...__ ヽ.ヾ-､ ,.-┐ |/
_,. -‐'´ ゝ--､ ｀ﾆ´ /
￣￣￣￣`‐-､/` ‐､_ /
| ` .. ＿／ ＼
ほんとこれｗ
今回マジでこれだから困るwww
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ U -{ / ﾊヽ } ､ ヽ い、いや
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ なんでもないよ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ ところで、その銀座で可愛い娘と一緒に
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! 歩いてたって聞いたんだけど、どうなの？
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
／/ ／| ,个､
／, -| 〈 /| ／―ト､
〈.″√| /＼ｿ |/／￣ﾉＹ ま、初めて対戦するピッチャーから
＼ゝ| |/ O O ｜ 打てたら気持ちいいからな！
＼|. ∟＿ ._＿｣
λ| /〃 ｜ 〃 頑張っぞ！
６丶 ﾚ ﾉ /
`´|/⌒i 二二´ ／ﾚ
,!ﾄ _=|､ ＝ ∠ |
／|| |_＼＿＿／= |`
て=￣ ‖`｣､三 / |
/)- '￣￣〕 ＼ /
{〃 ´￣￣ｱ`ヾ√￣￣￣
ｰ`￣7`ー――――-/
ヽ √￣::::::::::::::::::::::::::::::／
／、 ＼
/．ﾉ─ ､ ヽ はい？
●- ´ ＼ ヽ
__| 二二 i U i
（__ ── | !
( _ ! /
＼ / /
_ ６━━━━━━、
（ ）`| ＼ ヽ
／
／ 、 、 ／
/ ト､ ﾄ､ ∠ -‐‐‐--
/ |,.‐ヽ. | ヽ
＿__｣. ﾄ､ |'⌒' ＼ | '＾|/l
´ | ＼! /⌒ヽヽ/ ,-､ ! ,.. -‐ '''
＞ ﾄ､! |. ０ 0 | | ＜ んん？
/＾ヽ|. L.... ､.__| | ＿ ＞
|.(＾! '""ﾞﾞ ->ﾞﾞ | ／
' ｰ‐-- ...__ ヽ.ヾ-､ ,.-┐ |/
_,. -‐'´ ゝ--､ ｀ﾆ´ /
￣￣￣￣`‐-､/` ‐､_ /
| ` .. ＿／ ＼
／、 ＼
/．ﾉ─ ､ ヽ ‥‥‥
●- ´ ＼ ヽ
__| 二二 i U i
（__ ── | !
( _ ! /
＼ / /
_ ６━━━━━━、
（ ）`| ＼ ヽ
／
／ 、 、 ／
/ ト､ ﾄ､ ∠ -‐‐‐--
/ |,.‐ヽ. | ヽ
＿__｣. ﾄ､ |'⌒' ＼ | '＾|/l
´ | ＼! /⌒ヽヽ/ ,-､ ! ,.. -‐ '''
＞ ﾄ､! |. ０ 0 | | ＜ なんだよノムさん
/＾ヽ|. L.... ､.__| | ＿ ＞
|.(＾! '""ﾞﾞ ->ﾞﾞ | ／ オラの顔に、何かついてるか？
' ｰ‐-- ...__ ヽ.ヾ-､ ,.-┐ |/
_,. -‐'´ ゝ--､ ｀ﾆ´ /
￣￣￣￣`‐-､/` ‐､_ /
| ` .. ＿／ ＼
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ ご、ごめん
/／ `−● − ′ ＼ ヽ 気のせいだった
| 三 | 三 U ヽ ヽ
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | | ところでその娘、他の男とも
| ＼. / | | 一緒に連れ添って歩いてたらしいね
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _ どう？ 心配じゃない？
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
ト 、
V::::＼
V::::::::＼
_ -- Ⅵ:::::::::ﾊ
＜::::::::::::::::::::::｀ ､|:::::::::::::::i
＼:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::|
ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕iﾄ､
∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ__ - ﾌ
,. -─‐::::::::::;::::::/::::::::::;:::::::::::::::::::::∠_＿
／:::::::::::::::::::::::::/:::ｲ:::::: ／V:::::::::::::::::::::::＞'´ よーし
｀ ー- _::::ﾊ:::|:K |::／ ,. /:::_::::::::::::::ー-z
／::::::',ヽ {` tｯ､ij,:tｯ_厶イ::::＜ト､, - 、 ここは一発、ホームランでも
￣/7: ｀,ﾊ ￣ ,i ¬´ ,' ´Yヽ }::ﾚi´{￣｀ 、 狙ってみっか！
{/ ,//:ﾄ､ ﾋﾆﾌ ｲ ///⌒ ー ﾍ }
〈 /i::{ _ i＞- く / _／〈 ｀ヽ ｀Y ﾄ､
∨ /∧- ｀ヽr ' ´二.イ:::{ i ﾍ ヽ ', |ヽ!
Vﾑ::::≧=---=≦::::::::::ﾊ { i ヽﾟ, j::{_ﾟ,
} ∨:::::::::::::::::::::::::::／ |ﾄ､ヽ ノ::::::}_ﾟ,
=､', ‘ ,:::::::::::::::::::／zzz､ ､{:::{V ＝彡:::::::/ ＼
受け手がいない
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ ‥‥‥
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 U ヽ ヽ
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::;::::::::::::::::､:::::::::::::＼:::::::::::::::::::::}／:::::::::: /
｀ ＜::::::::::::::::::::::::::/::::::/::::::::::::::_ -V::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
＼:::::::::::::::::/:::::::,i::::::::::／ , ' Ⅵ::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::／
＼:::::::::/{:::::/.|::::／ / .!:::::／:::::::::}:::::__::::::＞'´ さあ！
,.x＜:::::r{::::::::::ﾏ}'<:..､ / ,.ｨ:}∠ミﾚ::::::/:::::::::::::::::::≧=-z
／:::::::::::::::| {ト弋 { ＯﾄWiﾁ'Ｏ } 厶イ .}:::::::::::::::::＞ '´ いつでも来い！
／:::::::::::::::: 从 {:', _,.ﾆ== i:. --==' /_/ /:::::::::::＜_
´￣￣￣フ=- :＼_', 〈:::〉 ,'_彡':::::::::::_::::＝¬
,.ｲ冫／z===ﾍ {_ 」 / ',=、:::＼
,./::, ' / ／ｨ:ﾄ､ ¬ イ ::::i: ＼⌒
/ {::7 / /, ':/'´ |:＞ _,. ィ ::|::::. ﾟ ,--､
〃／Ⅵ :/ /:::::i ＼ ! } ／／ : ::::::::. V:::}┐
,. -= ' }! ′./::::::::|ヽ ヽl .／／:: :::::::,.ｨ:::::|ム
／ ﾉ ∨ .i::::::::::ﾑ ｀ ∠ __ ,.xく:::::／ ‘,┐
／ , ⌒ ー_} |:::::::::::::::＼ ｀丶 ｀ヽ_ イ::::＞'´ ／,.:',
長嶋の場合、ささやく以前の問題だった。
／
／
｀ ｰ
_,.＞
r "
会話にならねぇよ！！ ＼ ＿
_ r-''ニl::::/,ﾆ二 ｰｰ-- __
.,／: :// o l !/ /o ｌ.}: : : : : : :｀:ヽ 、
／:,.-ｰl { ﾞ-"ﾉﾉl ｌ. ﾞ ‐ﾞﾉﾉ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
＿＿l＞ゝ､,,ヽ /;;;;;;;;;;ﾘﾞ‐'ｰ＝" ＿゛ =､: : : : : : : :ヽ、
/ ＿________｀ﾞ ｀'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
...-''"│ ∧ .ヽ. ＿_______ / ____ ---‐‐‐ｰｰ ＼: : : : :
! / .ヽ ﾞ,ゝ､ / ____＿___rｰ''"￣''ｰ､ `､: : :
.ｌ.／ V ｀'''ｰ-、__/__r-‐''"゛ ￣￣ ＼ ﾞl: : :
ｌ .,.. -､、 _ ‐''''''''-、 ｌ !: :
｜ ／ .| .! ｀'､ | l: :
ｌ | .ｌ,,ﾉ ｜ ! !: :
/ 'ﾞ‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__ｌ＿__ ｀´ ｌ / /: :
＼ ｀ﾞ^''''''―- ..___＿＿＿/_／ /: : :
`
話を全然聞いていないのか、まるで会話が成り立たないのである。
長嶋を揺さぶろうとかき集めたプライベート情報は、全くの無駄に終わった。
しかし、一度上手くいかなかったくらいで諦めたくない。
そこでプライベート作戦はやめ、普段よくささやいてる揺さぶり作戦に出る。
＿＿＿＿
／ − ､ −､＼
/ , -| ・|・ |- ヽ おっ、チョーさん
/ ／ `− ●- ′ |
| | 二二 | 二二. | 見ないうちに構え変わったね
| | |＼ -─ | ─_＿_）
_ ! | ! ￣￣￣￣￣ / /_ もう少し、バットの角度変えたほうが
( __）＼ヽ ＼（二二二）／／(__） いいんじゃない？
＼ ━━━━６━━ ／
| ／＿＿＿ヽ |／
| | ヽ＿＿ノ ﾉ |
| ` ─── ′ |
| ﾞヽ、 ﾞl ヽ .| .| ﾞl .r
.|.,〆"ﾞﾞヽ lﾞ l lﾞ ,! ﾞl ,lﾞ
.ﾞlﾞ‐'"ﾞl~ﾞ''ﾞl |ヽ .| ,/ .lﾞ ! ,/
|‐,,＼ | .ﾞl|`'ﾞl、 | .,/｀.,lヽrﾞ,,ｨ"
ﾞl, ﾞﾞ'''｀| ｀ /ﾞ'|l、 .lﾞ ,／,r从ﾚ''lﾚﾞ _,,,,,,,,!
`" ヽ,,,、 .ﾞ‐'"ﾞﾞl lﾞ.,／,ｔ'ﾘ｀｀,lﾞ ./｀ ."'~~ｰ-、 えっ、ほんとか？
`ﾞﾞﾞﾞ'''＝二'ｰ .'"｀ .ﾞ'ﾞ ,/｀,/ _、
ﾞﾞ'ｰ .､,,ﾆﾆ" /､,,,―‐''''"ﾞ＾
、 lﾞ ﾞ,/'ﾞ｀
ヽ 、'=v,> ./｀
.ﾞl＼、 ﾞ二" .／
|、`‐、 ｀ _／｀
ﾞl、 ｀ヽ、 _,‐lﾞ｀
` `'ー-ｰ'ﾞ,i´.lﾞ
｀
さすがに、野球に関することなら長嶋も耳を傾けるだろうと踏んでのことだったが、
具体的な野球の話を振ったことで、ようやく長嶋も食いつく。
野村のアドバイス（？）を聞くと、長嶋は一度打席を外し、構えを変え２、３回素振りを
してから再びバッターボックスで構え直す。
ｘ'
イ′ ｘ＜'/
／// ／////
////! .／/////
/! ////∧///////!
i∧ !////////////,i
i/∧ !////////////└‐- . / イ'
i//∧i///////////////////ヽ ／.,x＜//,′
i///////////////////////////////// .ｘ/
∨/////////////////////////////ｘ＜//
∨///// ゝ/////////////////////////
ヽ､∨//// !//,へ､/////////////////// よーし！
∨/// ｒ::x i'// i// }///////////＞_´
＼//∧{ヾ!/ ｘ}/x:;ﾉγ^Y/////フ＿::＼ ノムさんが教えてくれた構えで
｀ {て，‘'' r ㌣__ノ {^i i!//＞､´‐-､＼:ﾑ 打ってみるか
ｒ､-─‐丶ｊ /__ -､ r‐＞"¨ヽ__::::ヽ｀ヽ ＞x',
ｰr' } i_＼ `tﾅ ﾌ! ﾉ , 八 ノ::::::/ i ＞ｘ
r'‐､r{__.}｀_ﾉ, >､‐ イ ﾉ ノ_ ....:::::::::::ノ ,ゝ" !＞ｘ ∧
｀ｰx'_7_ﾉ ¨-=二 -‐ ´ / i ＼
／￣二二 ￣￣ ｉ i ヽ
ｒｒ"￣￣ヽ r'´￣:::::::::::::::::::｀ヽ i i ∧
ｘ＜⌒¨¨¨｀┬ｔ…-.ノ ∨:::::::::::::::::::::::::::::∧ i ∨ ,
{＿__ﾉ-､〃 ! ｀ {´ ﾘ:::> ´￣￣｀ ヽ:::::∧ ! ヽ /
/ r==‐ ´⌒｀! y´ ヽ ∨ ∧ ! ノヽ
{ ノゞ=..__ イ´-^ヽ-‐ ¨¨ ‐-､ } ∨::ﾘノ ＼
i 㨨￣｀∨!::::::::i:::i ___ノ }ノ ＿ ｰ‐…"
ｒｘ‐‐……ナﾉ::::::::::i:::i‐- ＿_ 八 ﾉ￣￣ ＿＿ ／
ｰ-t‐…::::":::::::::::::ﾉ:ﾉ } r彡､"-‐ ￣￣ ／イ::
¨ﾞ＜:::::::::::::::／ __ イノ-‐´ ＼ ＿ /ｘ＜:::::::::::
ｰ‐＜ ＿＿＿_ ＞" ｰ ¨¨ヽ＿_.ノ:::::_ -‐
, ─── ､
／ /⌒ ⌒ヽ ＼
/ , -| ・|・ |‐､ヽ ふふふ
/ / ｀ー ●ｰ ヽ
ｌ | 三 | 三 | そうだね
| ｌ ＼ | / ｌ
ヽヽ ヽ､ ____|___／ /_
>━━━,-､━━━ ( _ )
/ ／ ヽフ ヽ ／
バッターにとって構え、バッティングフォームは命である。
構えが定まらなければ打てるものも打てないし、逆にはまればそれだけで成績が伸びる。
一本足打法に挑戦して殻を破った王などはその典型だ。
しかしそれを急に、しかも試合の最中に変えたところで、好結果が生まれるはずがない。
まず、失敗する。
.ｌ, .ｌ .,! ｌ / ／
.ヽ ! | / / ／ ．． .／゛
ヽ .| ,! / ／ ／ . /.//
. ｌ .ｌ .! / / ／ . / ./././.// /
ヽ .! | / / ／ .､.// / /./ //////
.ｌ ｌ .,! / / ,／゛ ., / //./ /./ .// //
ヽ ! ! / ／ ,／ , ／ ././ / //
ヽ .ｌ | / / ,／ ,..-'´ .､/ .゛ //
.ヽ ｌ .! ./ .／ ,／゛ ._ ／ ./ //
ヽ .! | / / ,／゛ ,..-'´ ./ // ´
ヽ .ｌ .,! / / ／ . ,..-'´ / ./
-、 ｌ. ! ! ./ .／ ／ ._..-'´ / /
｀'-､ ヽ l | ./ ./ ,／ﾞ_／´ _ ./ /
., . ＼ ヽ |. | / ／ ,／ ／ . _,, ‐''"゛ / /
. ｀''-..、 ｀''-、 ..ｌ. .! .! i′ ／ ., '彡'" _,, -'''" / / ＿,,,,
.｀''ｰ..、｀'-､ .゛ " ′ .ヾ ;;ｼ'" _,, ‐''"゛ / / ."ﾞ￣゛
｀''-､, ＼ : -'´ ._,, ｰ''"゛ ＿,,,,.... / /
＾ .. -''''" ___,,,,.... --ｰ'''''''"ﾞ￣゛ / /
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ｌヽ ﾞ''''¬―--- ........,,,,,＿__、 / /
_.. ‐.,． .ｌ ヽ.､,''ｰ .,ﾞﾞ'''ｰ-､,,,_ .￣￣../ ,/__
_..-'"ﾞ.,／゛ ,, , ヽ .＼ﾞ'-、.｀''ｰ ..、 .｀ﾞ'''ｰ ..,,、 ／ ／ ￣￣ﾞﾞﾞ''''''''¬―--
.,..-'"゛ ,／゛ / i′| .ヽ ﾞ'-、 ｀''ｰ ． ／ ／
.-'"゛ . ／ / / ｜ .ヽ `'-..,_ _..-'" ／
_／゛ / l .! .＼ .｀ﾞ"'''''"´ _／゛ : ''ｰ ..,_
.／ ./ / | .｀-､ ,..-'″ ｀ﾞ'''ｰ-..,,,_
/ / ! '､ ｀'ｰ..,,, _,, ‐'″ .｀ﾞ'ｰ .._ ｀ﾞ'''ｰ-..,,,_
. / . ! ! ヽ ｀ﾞ''''¬―''''''',ﾞ´ ｀ﾞ''- ..、
‥‥‥普通は。
,,
/ | /| ／|
/:::::i /::i |:::::i ,. イ:::/
./::::::::i |::::! .i::::::i ／ ／::::::::::,'
i::::::::::i i::::i i:::::::i ／:,' ／:::::::::::::::i
i:::::::::i. i::::i,/i:::::/ ／:::::::{, ':::::::::::::::::::::|_,.ｲ::::ﾍ
i:::::::::i. i:::/::::i:::/ ｲ ./:::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
i:::::::::i i/:::::::i/:| /::| .i:::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|_,. イ
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__ ‘ ,:,' 丶. ,.ﾑ- '∨:::}￣ i、{￣::７ ｲ 〃´￣ヽ / ,' ／
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{ ', {! {(:r Y ｀¨ ー' , ',:＝ﾁ, -‐┐ :,' , }
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{ i | ､ ヽ , ィ′ ミ、 彡' ／ー--- く ,' , ’ ./'''"´:::::/ .／:::::::|
∨ , ﾍ ､_ Y ^ヽ_ﾉ ≧ ≦i´- ミ ,::'〃 /::::::::::,,./／:::::::／
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｀ くヽ :＼_ --z _ 彡, ､气 ､ ム_, ｨ / '"´ .／:::::::／
. ｀ y＝＝≦::::::::/｀ ー- __彡' i | | i ヾ ヽ γ´￣::::::} / ／:::::::／
＜::__:::::::::::＞'´. / , -- - _ i::ﾉ:::::::::７∠ﾊ ／::::::::／
,'＿ _ ‘ ,_彡' 'r､ |:::::::／
}.. ｀ ー ´ / ,.ヽ_ ｀ ー─ ｝ i::／
, ﾍ'⌒ __ , '⌒.{´＼{ ,＼ヽ 〉 i/
{ } ／｀Y rﾍ ,.-',､ .＼ } L
｀ｰ' r==､.{.ﾄ､', , -ﾟ.＼_ ー' _彡 /
ﾟ,___,ﾉ |. { } ＼￣ __ {_
八 ゝ. '’ ＼ ＼ 〉
普通の人間ならね…
なんと長嶋は、直後にレフトスタンドへ叩き込むホームランを放って見せたのである。
_ ＿ _ _ _ ＿＿＿_
／／ / | ￣ ヽ、
／ / ・ / ・ /ヽ､ ＼
/／ | __ ,,.-'-、 ／ ＼ ＼
/ i i￣ ＼ ヽ
| ──＿ `-,−′ ＿── ヽ ヽ
| ＿ / ￣ ヽ |
| ￣ /￣￣ ￣￣── | |
| ／ ヽ＿＿ ＼ | |
| ／ | ＼ | |
| | | l
ヽ. | / /
ヽ i￣ / /
＼ ヽ / /
|───────────┴─┤
. ├──-／ ⌒ヽ───────┤
| / ｌ＝＝＝ｌ ＼ |
／/ ／| ,个､
／, -| 〈 /| ／―ト､
〈.″√| /＼ｿ |/／￣ﾉＹ ノムさん、オラが言うのもなんだけど
＼ゝ| |/ O O ｜
＼|. ∟＿ ._＿｣ 敵にアドバイスするのは程々にしといた方がいいと思うぞ
λ| /〃 ｜ 〃
６丶 ﾚ ﾉ /
`´|/⌒i 二二´ ／ﾚ
,!ﾄ _=|､ ＝ ∠ |
／|| |_＼＿＿／= |`
て=￣ ‖`｣､三 / |
/)- '￣￣〕 ＼ /
{〃 ´￣￣ｱ`ヾ√￣￣￣
ｰ`￣7`ー――――-/
ヽ √￣::::::::::::::::::::::::::::::／
しかも長嶋は、野村が本気で親身になってアドバイスをしてくれたのだと
勘違いしたままであった。
こうまでやりこめられては、もうなんていうか、いろんな意味で
野村のプライドはズタズタだった。
_ r-''ニl::::/,ﾆ二 ｰｰ-- __
.,／: :// o l !/ /o ｌ.}: : : : : : :｀:ヽ 、 ヽ人_从人__从_从人从
／:,.-ｰl { ﾞ-"ﾉﾉl ｌ. ﾞ ‐ﾞ つ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、＜ ＞
＿＿l＞ゝ､,,ヽ ｉｊ/;;;;;;;;;;ﾘﾞ‐'ｰU" ＿゛ =､: : : : : : : :＜ もう嫌こんなの！ ＞
/ ＿________｀ﾞ ｀'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : ＜ ＞
.ヽ. ＿_______ / ____ ---‐‐‐ｰｰ ＼: : : : : Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒
ゝ､ / ____＿___rｰ''"￣''ｰ､ `､: : :
｀'''ｰ-、__/__r-‐''"゛ ￣￣ ＼ ﾞl: : :
ｌ .,.. -､、 _ ‐''''''''-、 ｌ !: :
｜ ／ .| .! ｀'､ | l: :
ｌ | .ｌ,,ﾉ ｜ ! !: :
/ 'ﾞ‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__ｌ＿__ ｀´ ｌ / /: :
＼ ｀ﾞ^''''''―- ..___＿＿＿/_／ /: : :
`
'､三三三三三三三ゝ-､
_ ,,, __, -'"￣｀~""'’三三三三三三三三三ヽ
_,,-_´,三三三三三三_三三_三三三三三三i
｀"' ､三三_三／/三ハ三三三i三三三i＿＿_
.i;;;｀;;､三i0'i i,､ /´ }三／_i/⌒i三三, -'" ？
‐--――､-――i く i'-,｀==- -==ﾆi''´ i ９/三／
‐-､_,‐-,,-,,_｀ｰ三ゝ､i､ i' -i i- i /-'"三〈,,__ 急にどうしたんだ？
ヽ;;;;i ｀ｰ ､ ｀ ｰi ￣ y ｀￣ ノイ￣"''￣｀
i;;;;;i ｀--.ノi ヽ -― , '" i
i;;;;;;;', i´ ゝ-- " i｀ｰ､-､
/;;;;;;;;;i iヽ / ヽ-―､
‐-,,_/;;;;;;;;;;;;;i i;;;;ゝ,,__＿＿＿＿＿, -'/
"'- ､ / i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
i ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
ゝi 丶;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／ /;;;;
i ゝ;;;;;;;;;;;;;;;／ /;;;;;
長嶋に対するささやき戦術は、まったくの徒労に終わるのであった。
しかしささやき破りにおいてはその長嶋をも上回る、野村がささやくことにすら
恐れを抱いた相手がいる。
/::::::::／ ／ ／ ‐ ‐ ‐----゛,,‐-､ヽl::::::::｀丶､:::::::::::::::::l
|:::::::/ / ／;:;:;:;:;:/゛゛ ノ ,---‐-､ ＼＼＿:::::::::｀丶､／
＼:::|. / ／;:;:;:;:;:;:;:/ ヽ 〈 0 ハ ￣＼ ＼::::::::::::::＼
/ー <;:;:;:;:;:;:;:;／ ｀ ＼＿__ノ ﾉ |>‐‐､ヽ:::::::::::＼
/ ヘ ヽ'''三彡 ＿ ´ ￣ < 0 i |───'
l ｌ 丶ﾉヽ_ﾉ彡 ､ - ＼¨´､.| ヒットって言うのは結果じゃない
| ｌ乂 / | ヽ、 リ;:;:;:;:!、
| ヽ ヽ | |｀、 ＼ イ＿/､ | 〉 自分が満足できる打球のことを言うと思うんだ
,,,,,,,,,,i!i!i!i!i!i!i!i!i》㍉ｌMMヽ |:::::{_ ｀iヽ､ ｀ ー'' //
ﾞﾞ!i!i!i!i!i!i!＿;;;､;;ﾞﾞ!ヽ゛ﾞWWﾍ. |､´｀!;;;__,､___｀ ｰ _ /´
;｀ヽ｀;;;;;;;;;;;;;＼ノ;;;;;;＼ ;;; ｀ﾍ | ｀Y、 :::｀ｰ'､i＿｀ア /､
''''''゛゛゛ヽ;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;ﾍ ＼ ﾉ＼ ￣ |::::::／. /!i!i!ヽ
＿ ;;ヽll ;;;;;;;;ヽヽ;;;;;;;;ヽ::::::::ﾍ ＼ ｀ー‐': ／ /i!i!i!i!i!i!＼
＼ ￣＼:::::::ﾞlllll､ :::ヽ:::ヽ:::::ヽ::::::::ﾉ､ ｀ ー―‐' ヽフTTTTi!i!i!i!i!''''''＼
:::::ヽ::::::::::｀::::::ﾞﾞlllll､:::::ヽ:::ヽ:::::ヽ:::::::::ヽ＿＿＿＿ ｿｌ ｌ ｌ ｌ i!i!i!/ヽ:::::::::::＼
:::::::::ヽ:::::::::::::::::::ﾞllllll､:::::ヽ:::ヽ:::::ヽ::::::::ヽｌ ｌ ｌ ｌ ｌ ｌ ｌ, |/.! ! ! ! i!i!´|､__|::::::::::::::ヽ
::::::::::::ヽ::::::::::::::::::lllllll､::::::ｌ:::::::ヽ:::::::::::::::::ヽ..ｌ ｌ ｌ ｌ ｌ/|./_///／ |ﾞﾞヽ-'､:::::::::::::::::|
:::::::::::::::ヽ::::::::::::::::ﾞlllllll､:::::!:::::::::ヽ:::::::::::::::::ﾞ《《}ヽトアメ ／ ／|､:::::ヽ.｀ヽ:::::::::::|
榎本 喜八
ロッテオリオンズに所属する、元祖・安打製造機こと榎本喜八である。
作者ももうちょっと言葉選べｗｗｗ
球界きっての変人とも言われる榎本は、野球に取り組む姿勢が
常人とは明らかに異なり、常軌を逸した練習を繰り返すことでも有名だった。
＿＿,-'"￣￣｀'-､,_-二ﾞ.,ﾞ"'..'―- .....,,,_
ﾔ , , ヽ "''''― ..,,,,ﾞﾞﾞ''''―- ...,,_
臍下丹田に気持ちを鎮め 〃. / ,-､__ ヽ ｀ﾞ''''ｰ- ..,,,｀ﾞ"'ｰ-..,,_
/ /,-' / i ヽ､ | ｀ﾞ''ｰ ..,、
五体を結ぶ / /￣＼／二二'-､,_＿i ヽﾔ
i'"ﾍ.,,,ﾍ, ./三三三三三三=∨ヽ- ､ {
,-'"===､ﾍ /:iヽ=．三三．=ノ)/ i i- ､ ＼ |l|w/L ,r_／
, ------､-----''"~/-'"二二二ヽ,::| ｀￣ i ￣´7::/ / /ヽ､ ヽ ＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／
/ ヽ y',-'" ＿＿ .ヽ,ヽ-___ ＿, __-''/ ,-' / ヽ, ヽ ＼´ 彡x
/￣￣｀ﾞ'ｰ-､y'_＿,---､＿ ／ ,--'":::::::::::;;;'-､_-､ヽ,i.i.i.|-/i.i.i,-' ﾔ y' / ﾍ ﾍ > ； ’ ∠─
./ ｀'-､_ , -'":::::::::::::::;;-'" ,,,,-ヽ--ヽ/ ﾔ i i 7 ､ .| ／ }|
. / ／::::::::::::::::::;-' ,,-'',＿＿ ヽ,ヽ i .i＿i-- ､7 | ／´ヾ, r､r‐|＾`
..i ,-'":::::::::::::::::;;-' 冫 // ｀~~~~'ｰ--､,_ヽ ヽ::ヽ, ﾍ, i ﾊ /／ }´
..i ,-'": : ヽ:::::::::::::j 〃 77 ∧------- ､__ ￣7 i::::::ヽ ＼. y' ____,/,..
..i , -'": : : : : : : :.｀'-,::::f <:ﾔi i ﾍ 三二≡=──────¬''''''''ﾞﾞﾞﾞ￣￣
.ﾍ _,,.-‐''": :｀'-､,_: : : ,: -'".: :. ￣ヽ,, ﾔ ====ﾍ
ﾊ, -'": : : : : : : : : : : : : ヽ,: : : : : : : , -'" ''''''-,ﾍ ﾍ. ﾍ ＼
＼,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／ '-'"￣ ＼ ＿,,,,.... --ｰ''''"´
ﾍ: : : : : : : : : : : : : ,,:---'" ＼ 三二≡=───'''''"ﾞ￣´
野球選手でありながら、合気道の呼吸法を取り入れ、バッティングに応用。
その感覚をマスターするためにベンチで座禅を組んだり、バットを振ることのない
打撃練習を敢行するなど、まるで剣豪のような殺気を常にまとわせる男だった。
それ以上にこれを的確に表す言葉があるかいなwww
しかし極限まで自分を追い込む男だからこそ、榎本は稀に、後に自ら
「神の域」と名付けた不思議な感覚に包まれることがあった。
,
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::::::..-‐ '' 〇 "'' ‐､:::::::::::::::::!
{:::::::::::,=‐ , ;;ィ;i/ /ニニ≧ｉ;;､ ヾ::::::::::::::}
|:::::::::::::, ＜ミ三/ /三三三三ﾆ＞､...:i::::::::::::|
ゝ､＜ﾐﾆ二三 三三三三三二ニ彡'i;ヽ:::/
i|;ゞ‐-== ,-‐' 弋¬,=ﾐγ-‐ ''ﾞヾ,::::::::::|i この感覚は‥‥何だ？
l::::ｲ::::::::{, ｡ /ゝ':::.ヾ廴・__／::ﾄ::::::l
ｒ"ﾍ| ﾞゝ-‐゛ ..:iゝ ｀￣ l,' ﾊ'
', ｌ ｀ u |' i
＿＿__ゞ__i､＿ ＿〃二二ﾆ､｀ヽ i'- ' __
l i i i ｉ ｌ l| ７l､.{,:::::::::::::::.'‐} ' 〃 i~"ｌi‐-､
, ≦ミ三ヽ､ ! l ｌ:|,､::::::::::::::::::::::l , ′ / / |
ヽ／ 丶 ､ ヽ､ ｌ li ,'丶二ニニﾆﾞ ／ ／ / /
', ヽ、ｬ-‐ﾄ ､ ~ ＼ ﾞ＼| ,' ヽ、 _ イ ／ / ／ ／
..ヽ. ヾ‐- ､ ＼ ＼ ｀ヽ､:::::::￣ ノ~／ /／ ／
〃ヽ ＼:.:ヽ ヾ､ ＼ ＼ ／/ |i /
ｉ:.:.:.:.＼ ヽ:.:＼ ヽ, ＼, ヾ､ , -‐'' |
＼:.:.:.:.:.:＼ ヽ:.:.ヽ ＼ ゛'' ii!､::...../ , -‐''
＼:.:.:.:.:.:.＼ ヽ,:.∨ ＼ ＼ ゞ!ヽ､ ≧､´
ヽ、 ゝ､_:.:.:.:.:＼.:/ ﾐ､ ヾ、 ＼ ＼ "''‐-
∨ ∠/////// ＼ ＼ ヽ "''‐､ ゝ､
ハ//////////////｀ ＼ ＼ ゝ"''‐､
:.:.::∨////////////∧ ＼ ＼ ＼
:.:.:.:.:∨//////////////∧ ヽ＼ ヽ, ＿＿＿ _, -‐
.:.:.:.:.∨////:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨/∧ ヽ,｀ ‐- ‐‐''"￣ ￣￣￣
:.:.:.:.＼//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽﾐヽ ヽ
:.:.:. :.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ-､ "''‐-
＼:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:... ＼_
相手投手の手からボールが離れたと同時に、そのボールがどのような軌道を描き、
どのコースを通過するのか、それが何故かはっきりと分かる。
今でいうところの「ゾーン」の感覚の持ち主だったのである。
他に言い方ないだろｗｗｗ
榎本が「神の域」に達していた頃に対決する機会のあった野村は、
恐るべき経験をしている。
_ -=ニニニ= _
, : ´: : : : : : : : : : : : : : :ト 、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
/: : :.冫 ￣ヽ: : ／￣｀ヽ: : : : : ∧
,': : : /＼ .Y ／ .ﾄ､: : : : : ', よーし、ここはカーブだ
i: : :从 ｀ﾞ o-j! -o'´ ./ ヽ : : : !
_,. {: : / ヽ ＿_, (:::::) ＿_／ _ ---: : i ボール球でも良いぞ、しっかり投げ込んでこい
γ⌒ヽ; i: -- ､ i ´ ---- : ,
{ }:.',- ‐二 ! ｀ヽ､i: /_
:､＿_ノ´:ﾍ:.i'´ r- l ,.ｨ´ //:ハ
＼､ ｰ - ;;i､,, ._＿､__ ,.ｲ:∠: :∧
｀ r ／´_ ＿ ｀'＜ﾁ'´: : : : : : : i
＞/ ' 〉､＿_ ｀ 丶. ヽ:∠-: : : ; : |_
∨',/〃:::::::::::ヽ. ＼. ∨: :./: : |::::Y
''i_Li_il::::::::::::::::::::::＼ ヽ. iﾞ´: : : j- '
〈ヽ ｀ ､::::::::::::::::::::::＼ i |: : : :7
.∧. ､ ＼:::::::::::::::::::::丶ノ!}: : : /
＼＼ ￣￣￣｀''＜::;! : :,′
＞,二_＿-─_二,;＜: イハ
￣ i ,'
ﾍ、 冫
￣
この時も、野村はぶつぶつとささやいて榎本の集中力を乱そうと躍起になった。
途中から隠す気なくてワラタw
榎本は、野村や高井のように相手投手の癖を見抜いて打つようなタイプではない。
むしろ、己の反応だけで打てるバッターである。
だからこそ野村は、ささやき戦術が通用すると疑ってなかった。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨ （ ふふふ、榎本は相手の心理を読んだりする男じゃない
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V 惑わせて見逃してもらってストライク一つ稼げば儲けものだよ ）
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
_, -‐‐';;´;;;;;; _ ...'''' -‐===‐- ､ヽ
,, ( )￣;; .. -‐ ' ´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''';;;ヽ.
,,, -''' _,,, '"ヾヽ､ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''' '';;;;ヽ
'''' _,, -''':::::::::::::::,ヽ､ ヽ､ _ ;;;;;; ＿ ..... ---―‐--―‐‐ヽ
, ´ _ ｀:::::::::::::,,::'''' ''ﾞ｀ヽ､ ＿＿＿ , .,,,､ｧｰ,--,-‐―_-_ゝ
/ / ｀;;:::::,,'' '´ ----―･ﾅ´,ﾞ〃ｼ l
i i. < ;;::::; ｀￣￣-‐´-___ｭz. `､ ‥‥‥
! ﾄ 〈 ''::; ´ /
､ヽ`ｰ ､.l ! __/
:ヽ､ｰﾞ'´ ,､ ｨ, ´, ´ ,,
"'',, ￣ ､､ヽ ,У､ ",,
､ ,,""ｯ, ヾ.､ /／￣,￣二ニニﾆﾆﾁ./ ,:.:.:.,i '',,
"'' ,, '',,:.:｀〒＝=ﾐ､ ヾｰ´￣ .＿ l' /:.:.:.l| ,,''
"'' ,, '',,:.:.:.:`:.､ `〒＝=＝〒￣ヾ / /:.:.::.:.i| ,,''
この時野村は、小さな声で「ボールでもいい」「カーブ」と呟いていたが、実際には
ストライクゾーンにストレートを要求していた。
しかし‥‥
＞──､ r:::.:..:....､
└──‐' r──､ ﾉ::::::::::::::i
く￣￣＼ / ／ | ,ｨ≦三ﾊ:::::!
￣二二_／ r─､ ＼ | ’ ￣Ⅶ Yﾌ ￣｀ヽ
∠´＿＿＿／| く＿ ＼、_ ﾉし'/／ ／ゞ、 _/l| _/:::::.. 、
∠二_ ￣ヽ ＿＿） て ′ 弋三ｿ ／.:::::i:::::::∧
｀} /´フ_／ ――＝二 ＝―― ﾄ-=≠＜ / ..::::::∧:::::::∧
| ,/ .__,,,． ﾒ、 （_ Ⅵ:::::::::::::≧}:::::才 }≧::圦
}/ .__,,,--ｰ'''“^ﾞ´._,,,,..． Ｙ＾ ＼ ` `寺:::::::::::::.`ｰ= (::::::::::::ノ
_,,,,.... --ｰ'''“^ﾞ´._,,,. --ｰ'''''' | ＼ ￣〉ｰ=::::::::::::::::::::::::::::ト､
._,,,,.... --ｰ''''''ﾞ _,,,,.... --ｰ'''''' ! ／ ￣ﾌ三二一一”ｰ'
''^￣＿,,.. -―''''''' ~ ,ｲ,ｲ ,ｲ / ／.:::::: ￣￣￣〉ｰ= 、
ﾚﾚ // l ／｀ヾ:::::L.. . . _＿＿/_/Ⅷ:::圦
/' | { ￣￣ Ⅵ::::::|
| | `寺ﾉ
| |
| |
ト、 |
_| ｰ=}
／.::::.｀ヾ ﾉ
{ .:::::::::才"
￣
――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣― ―――― ＝＝ ￣――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐― ―――― ＝＝ ￣￣￣ ――＿――￣＿＿＿
ヽ､三三三三三三三彡´ ／三三ﾐ、ミ三ミゝ . : : :::::::;;
i { " ‐ t ﾆ二三 叱 厶ﾆ三三ﾐ,,彡＜､ ､__ . : ::::::
＿＿＿＿＿＿＿＿ i ﾐ о 〉 ,〃"≧ = ‐弋､￣¨ヽ、 ﾐ:::￣"￣｀二￣＿＿＿＿∧,､＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣ ／i ゞ≡;' i ﾐ ヾ､ ヾ; ﾐ::::::: / ヽ￣￣￣V｀´￣￣￣￣￣
. ／:::::::lｉ / ｀､ о ,ｲ ﾐ:::::::::/ ∂ i
, ′.:::::::::: , ′ ミ≡'彡´ ﾐ::::/ , イ /
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐―― ＿＿＿￣￣――― ＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣― ―――― ＝＝ ￣――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━
.l;| ﾄ,.i´＼ ミ'' / ./ / `':::ヽ l〃ｯ,,
（｀ヾ| ",, .l l. ﾍ,,> ｌ 〕つ:::ﾉ./ 彡ｯ
iヽ,| 丶l／ ,,.,ﾉiッ,Y.ノ ,;ミ
ヽ .| /iz,, /彡ノ' ' 彡 ,,ミﾞへ
ストレート ヽl. ,ｨ''"￣｀ 二ニニﾆ= i '´ ,,='' ＼
丶 !>.-''''' ￣ ,,,ｯ" _,,,='''
ﾎﾞｿｯ ヽ ,, ﾂﾐｯ'' _,,,-‐'''
,ｲヽ ,,へ､__/ " _,,,-‐'''
〈 l;;:::ヽ. // / /ﾐ _,,,-‐'''
〉､`ｰ=ヽ､_Y/ / /ソ _,,,-‐'''
/ ＼ヽヽヾ/ /,,ｼ´ ,,-‐'''
l. .`iー'''''ｼ" ／
. . --- . . ヽ人_从人
. . ´ : : : : : /＼∨/ヽ ､ ＜ ＞
／:. : : :U : :.＿| 才ﾍ |_:ヽ ＜ ！？ ＞
/: : : : : : :／ .、弋ﾟ}ﾟ∠ﾉ 二 ＜ ＞
|: : : : : ／ 二ﾆ/ / ｰ '{;;;;;;;ﾉ´, ― Y⌒YWY
|: : : : / ＿ｰ 二二 丁 ニ |
|: : : / ／ ｀＞ ＿|＿＿ ﾉ
∨: :| |／⌒ヽ／⌒ヽ / /
ヽ:∧ ヽ ＿＿＿＿_} ／ ／
7 三二 ー_-＿_＿＿__／
/: : : : : : : : : : : : : : / ヽ
/: : : : : :＿＿＿＿ 人 ＿ ノ
|: : : : : : / |￣￣￣ ７/
,, ,,. ,.
. / | /| ／| _,,.ｒ':/ ／::|
. /:::::i /::i |:::::i ./'''"´:::::/ .／:::::::|
_ -‐'￣￣ ｰ-､ /::::::::i |::::! .i::::::i /::::::::::,,./／:::::::／
＿＝──'´ ﾍ ∩| ヽ ::::: 二ヽi::::::::::i i::::i i:::::::i/:::;.r''" ／:::::::／
／二ヾ;;:::::::::::::::::::ヽ-､|.} 〈:::i:::::彡ｰtﾐﾊ::::::i. i::::i,/i:::::/'"´ .／:::::::／
,r──-‐^ｰ->´:´:::::::＞,,,,＝≡＝:::::::::::ヽ ）::/´ V::、::::i. i:::/::::i:::/ ／:::::::／
／:::::::::::::::::::::／´::::::::l彡三三三＿三三::::::::〉、i´ ヽ ﾊ/:::::::i i/:::::::i/:| ／::::::::／
i´:::::::::::::::::::::::;〈 ヾ:::::::::|彡 -二-─○‐-ミ::::::〈-'¨ _,='〉 ﾞ| |i:::::::::"::::::::::／ |:::::::／
|::::::::::::::::r-イヾiﾄ､ヽ:::::: F‐'二─￣￣─ミﾐ:::::〉二 弋」 | i:::::::::::::::／ i::／
|::::::::::_イ/ >ヽ、:: ヽ::::〉‐了ミ-＿::::::::＿>ノ::::l ｀l- ､ヾｲ i:::::::::／ i/
_」;ィi'7´!;| 〉-:八::::ヾ::: ヽヽ_l} . r ｡ヾ::三r ｡ヾ:} 〉::〉≡i≡| i::::::::i
(ヾ》ゞ'ﾞ´::::｀¨´| ::::::::::::::::::::::::::ﾄ､__ｰ ' (:::::ｰ:':i_/::/≡i≡.ﾄ、 i:::::::i
／::´::::::::::r ﾍ >| : :::::::::〈￣＼-､::::｀ヽ__≦'__ /人＿/ |::ヽ i:::::::i
／::::::::::::::::::::::|_ノ::Ｘ:::::::::::::::::| ＼ ＼: ::::::::ヽ-- ´／／＼.─ v':::::::ヽ i:::::::i {
／::::::::::::::::::::::::::::!λ:::::::::::::ア:::├-､＼ _>'⌒ヾ､三<ヽ°､/ 〉ｰ'::::::::::::::ヽi::::/ ＼ |l|w/L ,r_／
|:::::::::::::::::::::::::::::::::|＼:::::ノ::::::' ´ :::::::/￣ ....=､ヾ、 ＼〉、Ｘ::::::::::::::::::::::::::i/ ＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／
{::::::::::::::::::::::::::::::::::〉＿ノ＼￣￣:::::ト､: : Ｙﾄｒ‐￣＼_!ノ､＼::::::::::::::::::::::::::i ＼´ 彡x
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿／:::｀ー-＿::::＼: 、 i〈_ 〉＼:::::| ＼＼:::::::::::::::::::::} > ； ’ ∠─
ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::／|:::::::::::::::::::::::::::|￣ ヽ＝ﾆ>x...＼ ＼ ＼＼ｰ､::::::::::i ／ }|
i:::::::::::::::::::::::::::::／ {::::::::::::::::::::::::ﾉ彡￣ ﾊ V_:::::::＼ ＼ ＼ ＼＼,｀ｰ/ ／´ヾ, r､r‐|＾`
i:::::::::::::::::::::／ ,ﾉ:::::::::::::::::::::::〉 ﾍ .V:::::::::/＼＼ ＼ ＼)) /／ }´
i:::::::::::::／ !:::::::::::::::::::::::ｨ:: :: :: ハ＼::::' ＼＼ ＼ /
｀ｰ-' 〉-､::::::::::::ノ):: :: :::::::::::::::ゝ＼ ＼:＼ ＼
〈 (二二=ﾆ/ ト＿:: :: :: :: ::: ::〉＼＼＿＿＿＼＼ ＼
ヾ＼_ ィ/ ﾄ、三-ア-‐ ’ ￣｀ー--ミ､ ＼＼ ＼
球種を言い当てられクリーンヒットを打たれると、野村の顔はみるみる青くなった。
先にも言ったように、榎本は相手投手の癖を見抜いて打つタイプではない。
それだけに、なぜ全て看過されたのかわけが分からなかった。
/::::::::_..‐´::::::::::::::::::::::::..-‐ ′ `' ､::::::ヽ
/_..‐´::::::::::::::::::::::::::::::_..-'" _,,l「 ｌ１‐−――‐‐-...｀l、
／_..‐´::::::::::::::::::::::::_..‐´ ,,..-‐''´ ゝ-'′_ ,,...............,,, ヽ/..
＼::::::::::::::::::::::_..‐´ _.._..-‐'' __....-‐'''::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
＼::::::::::::::_..‐´′ ,- ′ _..-‐''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_.,,,,,,._.._,,,, ﾉ、
＼::::::ｨ''´ ／ ...‐" ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,, .ﾆ／--、ﾉﾞｉ うーん、ライト前ヒットか
＼ ／ ｨ''´::::::::::::::::::::::::_..-‐'' / /ハノ ﾟ,‐´ , ﾞｉ′
＼ j丿 'ぃ―f ......--''¨___ 'く 〈' ⌒ﾞﾞﾞﾞﾞ ''´ ｉ丶 ツーベースは打てると思ったんだが‥‥
l''、,,-':;:;:;:; !'''′ エ￣ ﾟ ,/ / ﾞｉ ｉ〉 .
./ ､:;:;:;:;:;〔 ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＿＿ィ ﾞｉ ｌｿ 僕もまだまだだな
ﾉ( ｀ゝ:;:;:;:;卜 ‐ / ﾞｉヽ ｌ ＼、
/ ( ヽ ` 巛 、 ..‐-､ ゞ‐ﾞ'ﾉ ..,, ｌi!i!i!i!i!ｌ｀＼
,ノ" ﾍ ゝ 、 ｀ ／ 〕ゝ - ' ..-‐'' ｀ "'‐-､ ｌi!i!i!i!i!ｌ '、＼
/ ､´ r广´` ､ ‐ ､、 ／ / │‐..'′ ,,.. _''__.....-..〉 ﾉi!i!i!i!i!ｌ '、
/..''j ''´､ 厂 ''ｰ ､ .._ '、! .. ´′ ,,< ｒ'-―ﾞ´""ﾞﾞﾞﾞ〕|i!i!i!i!i!ｌ '、
..／ ノ'( r' i!/:;TTTヽ ’ ;''゛ 、 ..-"´ _,,....ｒi!i!i!i!i!i!i!ｌ ´
'' 丿 ﾍ "ヽ.. ''i!i!i!i!i!| | | | '、 ' ／ '" ゝ '/....:-−´ﾞﾞ｀ﾉi!i!r-−i!""
i |, '' ゝ ﾞ!i!i!i!i!i!i!i!i!i!l '´ ./ ..-'ﾞ^‐ゝ､ /´i!i!!'′、 ´
.. ⊥ ミ . ''ﾞくi!i!i!i!i!l ｉ ./ 、 (-!′ '´ ''−´ ..ｨ ｯ
:::::::::::::::::::::: ____,;' ,;- i
:::::::::::::::::: ,;;'" i i ・i;
::::::::::::::: ,;'":;;,,,,,, ;!, `'''i; どういうことなの‥‥
::::::::::: ,/'" '''',,,,''''--i
::::::::: ;/ .,,,,,,,,,,,,,,,,, ;i'"`i;
::::::: i;" ___,,,,,,, `i"
::::::: i; ,,;'""" `';,,, "`i
::::::: | ''''''i ,,,,,,,,,, `'--''''"
::::::: |. i'" ";|
::::::: |; `-、.,;''" |
:::::::: i; `'-----j
しかも榎本が「神の域」にいる間は、この経験を幾度となく味わった。
これに恐れをなした野村は、以降榎本相手には一切ささやくことができなくなる。
榎本＝人外
二人とも人間じゃないけど違う種類という
通用せずにささやくことを止めた選手は数あれど、野村の方から恐れを成して
ささやきを止めた選手は、後にも先にも榎本ただ1人である。
/;:;:;:;' ;:;:;:;:;:;:;;:;:r‐' _,-v､ ヽ;:;:;:;/
/;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:r'´ ゝﾟ､z' _ ,,,, -- ,,, _ﾍ;:/
. /:;:;: :;:;:;:;:r'´ _ ,,, --‐';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;○} 理想を追い求めたい
./;:;:;:; :;:;:;:/´ _,r‐'´;:;:;:;''r‐'´ | };´',´!,
;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ ,,r´;:;:;:r'´ ﾉ ,| ﾉ ﾍ;:;:;:;:;:;:;:; あの感覚をものにできれば、
;:;:;:;:;:;:;:;:;| ／:;:;:r´ , , - ' ' ´,､／:; /| ヘ;:;:;:;:;:; ４割打つことだって夢じゃないんだ
ヽ;:;:;:;:;:;ﾍ ／;:;:r,' , , ' ' _,,,-7'´・´~ } |／/ ヽ;;:;:;:;:
｀'''ヽ;:ﾍ /ヽ○/｀ 丶 _ , , ; ' _／;:; /｀ ー ´ | /ﾍヽ "z;:;:;:;:;
ヽ_/: : : :":;:;ヽ､ _,,,r´;:;:;:; ｀ | 入 z "=;:;:;:
／r' ｀ヽ: :; ; ; ;:;｀;:ｰ;:´;:;:;:;:;:' ヽ .|; ヽ ＼ 三 {;:;:;:;:;:
"z ﾍ ´ヽ : ; ; ; ' ' ' ' ' r ｌ | ﾍ ヽ " }:;:;:;:;:;
´7 ﾍヽr ヽ ; ; ; ; ; ; ; ; ; -=ヽ, /; ｌ. | | ゞ ;:;:;:;:;:;
/,､ ｀＼_ヽ ' ; ; ; ; ; ; _ - / | | ゝ }:;:;:;
´,ﾄ " | ｀;:;｀､ヽ ; ; ; , r‐'´ / ﾉ | /;:;:
/:;:| 〆 | ヽ| ﾍ |｀ ､ ; ; ´ ／ヽ / ／|
_,,ノ;:;:;:´| |ﾍ ヽ ﾍ | ｀ = ､ _ _ ／ ヽ ヽ } / ´ /
;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;7 ﾍ＼ ﾍ ﾍ | ｀ ヽ ｀ ´
,､＝''￣:::::::::::::::￣ﾞ'''ヽ、
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::_,_､:::::::＞‐-､:::::::::::::::::::::::::::::
/::::／~ヾ,}::::j| ｡ ｝:::::::::::::U:::: 何なのこの人
l::::/|_ ﾟ ,.>ｰ､ゞー≠￣ヽ::::::::::::::
|::/ ヾ≦ﾍ,_ノヽ ＼::::: 超怖い
|Ｙ l| ヽ
|ﾉ〆 l| ｰ- |
/| ／ l| ｰ- |
l / r ｣{, ヽ |
l, ﾍ_ _,,＞ｰ＝､_ /
∧ ｀Σ,,､-‐─ﾞゝ=´ /
ﾍ ==＝一 ノ
∧
＼≧≡＝ﾆー ノ
後年野村は、自身がこれまで対決してきた強打者の中で、王や張本と共に
榎本の名を挙げている。
それほどまでに、この時の経験は印象に残ったのである。
ささやき戦術。
_
.ィ:::::::)1≧x
人::::::::::::::::::ﾌ-!
| {::匸三三{::ト|
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i /
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r'
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -='
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::)
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠=''
相手の集中力をかき乱して打てなくする心理作戦。
これを駆使したキャッチャーは数あれど、最も活用したのは
やはり野村であろう。
使用者としては後発ながら、ささやきといえば野村、野村といえばささやきを
思い浮かべるファンは今なお多い。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
時には逆手にとりし、時には逆手にとられ、ささやくことを通して浮かび上がる、
数多のプロ野球選手たちの真剣勝負。
それは時に、面白おかしいエピソードを生み出すこともある。
ラストは涙が流れそうになったよ。
しかし本来無口なはずの男はそれにもめげず、勝利のために呟き続ける。
,.イ_;: : _: : : :.／ ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
／:／ `ヽ:7 ',￣￣ ｀`丶､: : : : : : : : ヽ
,ｲ. :7 'i Y芯 i ヽ､: : : : : : :.ﾍ
/: : : | zz､ ! 弋り .'_,.- ヽ : : : : : ハ
./: : : 八 〃,==x､ __,.イ ,.ィ ,..､ ヽ : : : : : :,
': : : :,ｲ ヽ {::::::::::)￣ ／ _,..-''´ _, イ///ヽ ∨: : : : :',
,: : : / `ー ´.ゞt彳 ／ ＿,.-,.イ///////∧ ', : : : : i
.i: : :7 ￣￣｀` ', '´ , イ///////////∧ｚ=== : ._: : |
|: : :i／ __,.- ', , イ//////////＞ ' ´ ｀`ヽ､
l: : i' - '´ ,.- ',.イ////////////ｨ´ : . :.ヽ
i: :i ／ ,.イ//////////＞::'/ : . : .∨
ハ:ﾍ ´ ,. ＜//////////.イ: : : :.7 : . : . ∨
ﾍ:∧ー--z＜////////////ｲ : : : : : :7 : . : . : ',
ヽ:ﾍ ヽ//////////ｲ : : : : : : : :{ : . : . : ..i
ヽ:ヽ ヽ//////i/: : : : : : : : : : :i .: . : . : .:j
＼＼ ＼///j{ : : : : : : : :_ ＞_, .: . : . : . 7
`ヽヽ ` ー── ¨x＜::::∧ . : . : . : . :/
`ヽﾄ.､_ _,. ＜::::::::::::＞ '´ﾍ: . . : . : . : . : . :.ｲ
T:::´,ｲ￣ `ヽ' ∧.､. : . : . : . : . : . : . : . : .イ:7i
ヽ/_＞ ' ´ ≦ハ ヽ＞t_ _,. イ: : :./:ハ
{ ＜,..::ｧ 7 `ヽ : ￣￣: : : : : : : : : : : :∧
選手兼任監督となってからもそのささやきは衰えることなく、更に磨きを
かけていくのである――――
第２４話「悪魔のささやき」 終
第２５話「純粋戦士」に続く
次回予告のサブタイが早くも気になるｗ
＞しかし本来無口なはずの男はそれにもめげず、勝利のために呟き続ける。
お、おう
今回も楽しく読ませていただきました！
沢木耕太郎の本でも触れられているけど、千葉茂いわく長島は「サーカスのライオン」、榎本は「神主」だそうだ
今回も楽しませていただきました
予測可能回避不可能なネタってあるんやな・・・
知ってる話ばかりのはずなのに笑い止まらなかったわ
あれ？最後なんかイイハナシダナーで終わったぞｗ
ささやき回はいつ挟み込もうかずっと迷っていたんですが、
正直このタイミングしかなかったので、今回お披露目となりました
選手時代のノムさんのエピソードの中でトップクラスに有名なお話で
しっかりと描けたか不安ですが、楽しんでいただけたならありがたく思います
今回も、お付き合いいただきありがとうございました
いい話だったなー やらない夫と雄山先生のコンビも絶妙だったしよかった
なんか忘れた気するけどまあどうでもいいかｗ
なんか最後はイイハナシダナー的にまとめたｗｗ
目がいいんだよなあ
シュトヘル終わったら続き描いて欲しい
腹が痛いｗ
楽しかったｗ
ところでこの人外榎本喜八さんのAAキャラが分からないのだが誰か教えてくれ
相手もノムさんにささやけばいいじゃんと思うけど人間心理を読むのに優れたこの人にしかできない戦法だったんだろうね
しっかり描けたか不安ですって？
これまでの回の中でも屈指のレベルでしたよ
新城直衛（皇国の守護者）
監督時代とこのささやきのせいで無口キャラってイメージ皆無やでw
〈おまけ〉
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::
. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: :::
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: :
Λ＿Λ . . . .: : : ::: 可愛い女の子のキャラって
/:彡ミ゛ヽ;）ー､ . . .:
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: 喋らせるの滅茶苦茶難しいんですね‥‥
/ :::/;;: ヽ ヽ ::ｌ . :. :
￣￣￣（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ￣
次は呂布か
というかおまけで言われるまで存在忘れてた、後半が濃すぎるｗ
ｻﾝｸｽ
そんなことしたら倍返しでやり返されるやろなぁ・・・
>>484
ｗｗｗ
ハルヒ、バラライカ、かーちゃんなんかの
いままでの可愛い女の子のキャラでも苦労したんだろうか
榎本喜八って名前しか知らなかったけど
ググったらすごい打者だったんだな
高卒新人としては清原に次ぐ成績を残し
イチローや前田智徳が理想とした求道者のような選手
同作者さんの榎本喜八伝まじオヌヌメ
おっと、こんな時間に来客が
つまり今まで出てきた女性キャラは……
おっと、こんな時間に誰が？
面白かったわ
これからサッチー無双するのにどうするつもりなんだ？>>１
可愛い女の子と言ってるから・・・
苦手なのは「可愛い」「女の子」
問題ない
今回も面白かったですわ
榎本が相手の時だけは普段使わないフォークを使わざるを得なかったとか
笑った笑ったｗ
話の内容は、熟知していたのにやっぱり笑ってしまった。
話自体が面白いのもあるが、それ以上に演出が上手いからだな
このエピソードは長いこと楽しみにしてました！
オンナ関係のエピソードはもう本当に大好きｗ
タイトルからAAが想像出来てしまうが配役がわからねぇ
まさかこのスレで薔薇乙女が出てくるとは思わなかったｗ
次スレの「純粋戦士」ってマジで誰のことだかわからないので、
今から楽しみ
やはりミスターとのやり取りはいつも笑ってしまうなぁｗｗ
もうかなわん！って思ってしまう。
実際、
ささやき戦術＞ID野球＞＞＞戦後初の三冠王
ってくらい知名度が違う気がする
ヤクルト監督時代ならID野球のが有名だったけど、三冠王だったことを知ったのは俺も割と最近だなあ
それにしても野村ってなんだかんだ言って王、長嶋のことけっこう好きだろｗ
ここに書き込むような人で
新城さんを知らないって、なんか新鮮ｗ
三白眼＆チビ＆狂気の笑顔という今まで見たことない主人公にわくわくしながら読み始めて、たった5巻で終わりと知った時の失望感といったら・・・・・・
しかも原作の方も事実上のエター状態と聞いたときのさらなる絶望
漫画は、ってちゃんとつけとけ。
原作のほうでは文庫化されて
３〜4巻ではちゃんと番外編やってるから。
５巻のは時間軸かなり前だったけど
やる夫でよく使われてるけど原作は知らないという人は結構いるものよね
個人的にノムさんは世界一の長嶋ファンだと思う
>>513
俺もそっちのイメージが強いわ。むしろ雑談に自ら乗ってきて、って感じだと。
まあ、結局打つんだけど。
あと、バッティングフォームの指摘の話は、長嶋じゃなくて王さんだと思ってた。
ホームラン打った後滅茶苦茶丁寧にお礼していったと聞いたような。
エピソードが有ると、何でも長嶋＆王が絡んで、って言うのが
流れと言うか風潮だったらしいよ。
まぁそれくらい二人の人気=巨人の人気が凄かった訳で……
読売ファンで無い私でも、要所要所でONのエピソードは目にすることになりました。
特に長嶋さんはワイルドカードというかジョーカーのような扱いでした。
ボールが止まって見えたってのが本来は小鶴誠のエピソードなのに川上哲治のエピソードのように捏造したり
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1406111925/l100
このスレは、やる夫板Ⅱにて投下中の「やる夫と学ぶ野村克也」の雑談スレとなります
※雑談はこちらのスレでお願いします
※ネタバレなどもこちらではＯＫです
これ雑談スレのテンプレね
まあ、本来「雑談スレ」という文字を見れば常識的な知能の持ち主が常識的に考えれば分かる範疇の話なんだけども
今回みたいに時代を遡る事もある訳だしさ。「ネタバレじゃないよね」って軽い気持ちで作者のネタ潰しして
エタらせたくなけりゃ、雑談スレ行こうぜ。
間違いなくささやき戦術はあるとして
基礎ステがＤＡＥＤＢ（弾道は忘れた）で
パワーヒッター キャッチャー◎ サヨナラ男があった気がする
いくららウエストで刺すのが上手かったって言っても、40歳過ぎて4割超えは凄まじいだろ。
パワーヒッターやチャンス5だけでなくて逆境やら威圧感やら持ってた
もちろん囁きやキャッチャー◎も持ってた
このお話における捕手能力のようなものをゲームで表現するのは人類の技術がどこまで行っても不可能だろうなあ
もたもた１５０キロ投げる投手と捕手より素早く１２０キロ投げる投手と捕手の方が阻止しやすい
ノムさんは弱肩なんだろうけど、盗塁阻止に必要な技能は持ってたってことだろう
昔はランナーもバッテリーも研究して盗塁する、防ぐって事が無い時代だから、
ノムさんのようにバッテリーで対策立てて刺しに行くと、
肩が多少弱くてもかなりの確率で防げたんだよ。
今でも、バッテリーがランナー走ってくると先読みして、
弱肩ベテランキャッチャーでも二塁でしっかり刺すようなシーンあるでしょ。
ああいうのを量産してた、と思えばわかり易いかもね
確かにそうなんだけど驚いたわ
普通 座ったまま捕球→立ち上がる→送球
ウェスト 立ち上がって捕球→送球
で動作を省略できる
強肩な上に、座ったまま投げて刺す捕手もいたけど、
あれは例外中の例外だしな
よくわかった。
ありがとう
|ﾊ,|////////////////////! , Г::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
|//////////////////////:イ . |::::::::::::::::::::::::::::::::::......---r‐'''｀
|/////へ///////／ .Y///// . |::::::「￣／⌒丶. /⌒ヽ |
＼V/// ヽ//／ |〃/// . l:::::::l l ｜l
ヽ| ,Y,へ. ｀´ x;;､yf //ｬ . r┴ ､:! ゝ. ・｜|・ j !
ヽ<ﾊ弋爻ﾐ.ﾙｫ爻ｦ !ノ . l δ ｀ ` ‐- ''υｰ ‐' ＼
ヽ', ﾄ. .,ｲ´ ゝ ＼ >
|> 、 一 ' .／ ﾄ `¬ `ー―――― ﾗ
,ｯｪ／| ＞-＜ l＼ｯ.､_ ゝ. _ ′
_,.．-‐7/八=----= v =-- フ /////777ｫ __ュ=＝､ﾆ二l￣
l/////////＞ー ,,,,,,,,,,, -＜///////////ヽ ／ ＼／ヽ/￣ヽ
／V///////////////////////////// ﾄ . / ｜
. /. V///////////////////////////,. ; ヽ l ' l |
／ _ , -=ニ二ニー
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∨//////////////////ヽ
∠二//////////////////////＼
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_,ゝ/////////////////ノ⌒
⌒ゞ////////////////ﾍ
r‐|///////////////ｭ
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やる夫と学ぶ野村克也 第２５話「純粋戦士」
１１月２日（日） ２１：００から投下予定
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. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: :::
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: :
Λ＿Λ . . . .: : : :::
/:彡ミ゛ヽ;）ー､ . . .: やってしまった
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:
/ :::/;;: ヽ ヽ ::ｌ . :. : 買ってしまった
￣￣￣（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ￣
ttp://kyukyoku.gakken.jp/
新キャラ登場か
たけーけどスゲー！！！
まってたで！
まあ長島王と並べられるのは必然かもしれんが・・・
>>551
買わなくて後悔するより、買ってから後悔するほうがいいっていうよね?
大体こんな感じでした
＿＿＿＿ SBが日本一か、阪神が追いつくか
／ ＼ ／＼
／ し （＞） （＜）＼ ここが正念場だお！
| ∪ （__人__） J | ＿＿＿＿＿＿＿_
. ＼ u ｀⌒´ ／ | | |
ノ ＼ | | |
＿＿＿＿ チラッ
／ ＼ ─＼
／ し （＞） （●）＼ さあどうなる！？
| ∪ （__人__） J | ＿＿＿＿＿＿＿_
. ＼ u ｀⌒´ ／ | | |
ノ ＼ | | |
＿＿＿_
／ ＼ 。 。 。
／ ＿ w ＿＼＿＿＿＿＿＿＿＿_ 。 。 。
／ ＿＿＿＿＿| | ﾍ＿＿＿＿ﾍ＿|＿＿＿_ ＿＿＿
／⌒| (（＿＿＿＿＿| | Σ ＿＿＿＿＿＿＿＿（○）＿＿（○） バキッ！！
／ |. ι （___人__） | | '' , ' ' , | 。
| ｌ＼ | | | | | 。
ヽ -一ー_~､⌒) |r┬-| | | | 。 。 。
ヽ ＿＿＿＿,ノ `ー'´ 。 。 。
＿＿＿_
／ ＼
／ ＿ w ＿＼＿＿＿＿＿＿＿＿_ ‥‥‥
／ ＿＿＿＿＿| | ﾍ＿＿＿＿ﾍ＿|＿＿＿_ ＿＿＿
／⌒| (（＿＿＿＿＿| | Σ ＿＿＿＿＿＿＿＿（○）＿＿（○）
／ |. （___人__） | | '' , ' ' , |
| ｌ＼ | | | | |
ヽ -一ー_~､⌒) |r┬-| | | |
ヽ ＿＿＿＿,ノ `ー'´
＿＿＿_
／ ＼ まあ代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームランがあるなら
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ こういう結末もあるよね
| （__人__） | ＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
＼ ｀ ⌒´ ,／ .| | |
ノ ＼ .| | |
. ／´ | | |
| ｌ ｶﾁｶﾁ | | |
ヽ -一ー_~､⌒)^),-､ .|_|_＿＿＿＿_＿＿＿＿_|
ヽ ＿＿＿＿,ノγ⌒ヽ)ニニニニ ＿|_|＿_|＿ ｻｰｺﾉｽﾚﾉﾂﾂﾞｷﾂｸﾛｰ
当スレ作者は西岡剛選手を熱烈応援しております
肩の強さによる時間短縮＜投球動作を少なくすることによる時間短縮、だからなあ
まぁ西岡は、球史に名前を残せたから良いじゃないか……
阪神ファンとしてはせっかくの優勝の場面を汚してしまって申し訳ないと思った日本Sでした
西岡は実績的に球史に残る名選手だろｊｋ
汚点でしかないよ、ああいうのは
まぁ背中に投げつけられた時点で守備妨害だけど
フェイスブックで本人が狙いに行ったとぶっちゃけた
ただ、それを公表するのはあの状況で抗議し続けてくれた和田監督に可哀そうとも思った
故意にルール破るとか最悪だし……
私も欲しくなってきました…
ルール破りというかギリギリのライン狙ってプレーするのはむしろ当然じゃね？
今回のは完全にやらかしちゃったけど
まあこれ以上は雑談のほうでやったほうがｗｗｗ
同意、ってかルールを破りには行ってない
完璧にライン上を走れていれば守備妨害にはならない
まあまだもつれて７戦目の最後じゃなくて良かったとしか
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼ しっかし、飯田監督の頃は
／（ ●） （ ●）＼ どの選手も結果出せなかったのに
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
| ￣ | ノムさんになった途端結果出す選手が増えて、
＼ ／ そういうところは運に恵まれてると思うお
／￣￣＼
／ _ノ ＼ おいおい
| （ ●）（●）
. | （__人__） 佐藤選手にしろ高畠選手にしろ、
| ｀ ⌒´ﾉ ノムさんが力出せるようにした面はあるだろ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ｍm
/ ￣￣￣ つﾉ
| |￣￣￣
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼ でも、ノムさんは抜擢しただけで
／（ ●）（ ●）＼ 実際に結果出したのは選手だお
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| （ （ | ノムさん自身じゃどうにもならないことだから、
＼ `ー' ／ やっぱり運がいいんじゃないかお？
／￣￣＼
／ _ノ .ヽ、＼ 佐藤選手が結果出しやすいよう
| （●）（●） | リリーフに置いたのはノムさんだし
. | （__人__） .|
| . '´ｎ｀' .ﾉ 二軍でチャンス与えられなかった高畠選手に
.ヽ . | | } 自信つけて起用したのはノムさんだろ
ヽ.. ﾉ .ュノ
/ { ..ﾆj､
|. | "ﾂ ＼
|. | .l |ヽ、二⌒)
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（● 抜擢って言ってしまえば、その選手を
| （__人__） 試合で使ってるだけってイメージになるけどな
. | ﾉ
| ∩ ノ ⊃ その選手が、力を発揮しやすいように
／ .／ ＿ノ ノムさんが図った面はあるだろ
(. ＼ ／ .／_ノ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） うーん
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ | 選手の起用法や、かける言葉一つ一つも
. ＼ ／ 大事になるってことかお
. ノ ＼
／´ ヽ
, ィ〃〃〃〃〃〃,,）））
,r≦三〃〃〃〃〃〃,）））ゝ､
/彡三〃彡彡//////-'''''' Yミ､
.{ｲﾒ彡///ノ /ｲ 〃リ.ヽ _ _ ﾐヾ
.彡三三ﾆ{ ￣｀ _ {´ ,,,,ゝ
,彡彡三ﾆ;} ∠三二ヽ｀ヽ}∠≦ﾉ 選手の育成の話となると、
彡ﾒ彡三{ fﾆﾋﾉj''' ､fﾆﾋﾉヽ
,彡ｿf-三ﾆ{ ‐-‐' _ ヽ､ｰ' { どうしても、技術的な指導が
彡ﾆl 三{{ _,t ＿____ )、 ｌ イメージとして浮かびやすいがな
/l/l,ﾊ ` 三} .／ ＿ ヽl
!l/l/l/l｀t-イ ｀￣ - ｀ j
ヾj/T(＼ ､ __ ,イ＼＿＿＿＿
__ノ:;:;:;:ヽ＼＼ ￣￣￣ﾉ i!lヽ:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:￣
, -‐……‐―- . .、
. ｒ'ｒ'ｒ' ｀ヽ
__}川 ｀ヽ
//,r‐'' ヘ＼＼＼￣￣ミ=-､ ヽ だが、選手が結果を出せるような
. l'i ! | ＼＼ ヽ ミ=-､ ヽ 環境を整えること
从 ﾄｰ‐ｘ | r―‐‐ ､ ミ=-､ ヽ
ハ〈 竺｡ｧゝ Y竺｡テ } ﾐ 自信を持てるような言葉をかけること
〈､ ,ｨ ､ ＿ ｊ ﾐ
l j ミ'⌒Y ｀ヽ こういったことも非常に大事なことだ
| {､＿_,..へ、 ミ ﾉ ノ ハ
,'| /,こ二、 ヽ Y ',
从 ー‐ 厶イﾉ八八八{｀ヽ
（ ｊ` ｒ‐----一' ／/ ｀ヾー‐-- ､
＿／}/ｊ ゝ ／ / /
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ でもそれって、
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | その選手が結果を出して
./ ∩ノ ⊃ ／ 初めて言えることなのじゃないかお？
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
, ,. .＿＿
__//〃'´::::￣::¨::''‐､
／:::;:L!{l;;;ﾊ::::､::::::::::::::::::::ヽ
〃::/_- ､ ! |ﾊ｢ヽド､::::::::::::::i
. l::∠=ヽ_{∠_,ノ;三ゝ.j三ミ､::|
l〈.､＝<, `ｰr'＝=; }三ミﾐ :| その通りだ
. ｆ7ヽﾆﾟｲ ﾞヾﾟニ´ }::}ﾆヾ::|
. l｣ / '''' ､ }::7´ |::|
〃 r'＾ー‐--'^ｰ ､ ﾉ::{ r'/:::|
ﾞ{ ! 」二二二フ } ヾﾐT´::::::|
ヽ、 ｰ- ' , ｉ.|､:::::ﾘ
. _r'ｆ ｰ:----‐ ''´ ! ﾄ;ヾ'、
-‐ '7´| l | `ー' .／/.+ l ` ｰ-
+./.+ |+ヽ、 ／／+ +/+ + +
, , , -‐==- ．_
/.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ
ｲイﾌｼﾞﾞﾞ'' ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ
´ｲ// / ,イ´ヽ ｀ ヾ ､｀ヾミﾐﾐ
llﾚ__｀ { ´ _,,イ二ヽ ヾミﾐ､ ヽヾミﾐ そして、いくらコーチが選手に対して熱心に
{三≧ =≦竺o='' 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ 指導しようとも、結果が出なければ同じことだ
.〉ｰ ﾟ' ､ ノ 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ
.( ｀_/.. ｀¨ 三三F lミヾミミ プロ野球は基本、実力世界なのだからな
l ( ＿__)ヽ ､ 三-､ .ﾘヽヾヾヾ､
l/ ￣＿_ _ ｀ｰ､ .三 ' /川川ﾊﾊヾ
l ´ ＿ ｀ l ゝ-ｲ川 川川ハﾊ
ｌ ¨ ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ
ゝ．_ __ ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
Т ￣ ／／ ｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ﾉj ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼ 何となく分かってはいたけど、
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '（ー） （ー） | やっぱり結果が全てってわけかお
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
∟_-ﾆ 二l __∠ /／ 〃 ::::::::::::Yﾊヾヽ
/＝二三l∠三三ミヽ /ﾊ ::::::::::::::|| lNﾊｊ
Ｌ ﾆ三/ ､＿_｀ヾミﾐ∨ {ヽ ｌ::::::::;;､｣ﾊj ﾘ
/ﾐミミｌ ヽ､__辷ｒヾミゝ ｀リ:ｒ彡三ﾐ// そう
/ﾐﾐlミミ| ＼ ￣´ﾉ::'⌒ヾ:ニｔﾃ‐y′
＞ﾘミミl `ー‐'´ ﾄ､:￣〈 過去の実績がいくら凄かろうと、
/（´jミミ| __ __ |::::Y´/ 今の力、残した結果が一番ものをいう
⌒ﾚ＾ヽ∧ ｀lﾐミl ,r─−く:::（ ｀ Ｙ ｌ
〃/l/ｌ ｌ/l｢Ｔ^ー' // ,仁二¬ーﾆ‐-_イ |、 それが実力世界の実態だ
//l / l l l !::::. / ｛⌒ヽ ￣`¬─--7 ﾄﾊ
l/l/ｌ j j l/|::::::. ヽ二ﾆニ−ｰ---ﾉ 川l|
/ｊ l/l ﾊ l/l:::::::. こ二￣ ,lリﾘ
／￣￣＼
／ ノ ＼ ＼
| （●）（●） | なんか含みのある言い方ですね
. | u.（__人__） .|
r､ | ｀ ⌒´ .|
,.く＼＼r､ ヽ ﾉ
＼＼＼ヽ} ヽ /
rヽ ` ヽ / ｧ'´ヽ
└'｀{ . ＼.| / i
ヽ､._ ヽ､_,r' .|
｀ヽ､ ／' |
｀'ｰ'´
{∨///////| |////////////////////////|
∨///////∧ ∨//////////////////////l|
'⌒>//////⌒ヾ､ ∨///////////'´ヾ｀¨ﾞﾞヾ///l|
/／//'´ / ｀ヽ､{∠'ｌ//////∧ ', ｀¨ヾ}
/ // / ￣｀ヽ､ i |∧∨{ヾ｀ヾ;､ ﾉ＿＿__ {
ｌ/| / ,､_ ｀ー+-┤ ';ｌ{ ヾ>ｨヶｭ､∨///∧ヽ_ｌ ‥‥‥
ｌ ',／', f圭王℡､_,.ｌ | /,､_,ィｴ系㌢´~ ∨//////∧
∨ヾ〉､｀三＝ヾﾆ' i_, 〈ﾐ圭㌢--─ |/´ヾ////入 若く、強く芽吹いていく
}/´ / ヽ.｀￣ン ,｢ ｌ ヽ｀￣￣´, |ｌ ｆ｀ ∨///∧ 新しい力があれば
/∧.〈 ｀ｰ'´ .| | ｀ー-‐'´ .ﾘﾉ //////∧
///∧∧ ,ｲ' 丶 ﾄ､ | ﾚ' ////////∧
////////l /´ ヽ､__,r‐'´ ｀ヽ、 ﾄ､ノ////////}ヾ〉
ﾚ'ｌ/////∧ ｌ | ,r========ｭ､_ | ｌ | |//////////}
{//////∧ { | ｀ー -- ─ ' ´ .｜ } /人//////////}
{///////ﾊ ｌ ‐--‐ ｌ // /ヾ////////ﾉ
＿,,,>'´￣~ﾞ７介､ ,r‐'/ / |￣￣￣￣｀ー､＿
＿ ,,, ─ ''' ￣ / | | ヽ、＿ ＿ , ' / / | ￣
/ | | ＼¨¨￣ / / |
| | | ／ ／ /
| | | ／ ／ /
単純な戦力として考えたら、この図式は絶対に崩せないもんな
ベテランにはベテランなりのメリットもあるんだが…
/ / ／::::::::_::::::::::::-::::::::::::_:::::::ﾐｘ
l l / /::::::::::::::::-:::::::::::::::_::::::::::::::::::::ミｘ
_Ⅵ /:::::::::_:::::::::::::::::::::=-:::::::::::::::::::::::::::㍉
ィﾆミｘ {:彡､::::::::::三-::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ:::::`
/イ ;::/^㍉/ ‘.::::::::::ミ≧=---=-＝＿:::::::::::::::::
{:::.Ⅳ ‘.lヾ:::} =- ―＿
',.:Ⅳ '.} =-
` ﾘ ` 、 , ´ _=-
/,ミｘ ｘ≦ｘ ≧=-＿
‘."'＜ミｘ｛ / ｘ≦三≧=ミ、 }:::::::::::二-＿ 衰え続けた果てに、
〉‐ｔr‐-` ≦=-ｔﾃ―― =:::::::::::::::::::::::ﾐ 枯れてしまう力もある
,' ー / ､ ー――' ミ::≧''"￣ヽ::::
‘､ ー / ＼ ,， ミミ l::`: ということだ
｝ / ￣ =- / l:::､
| r' 、 ￣ / } ./::::::
.| ､＿＿ )` .._ ､＿ イ｝::::::
| r―- 二＿ ヽ l::::､:
| ￣`ー┴┴' } /::/::::
/l /イ::::l::
.{人 /::::}::
｝:::＞ ..＿＿＿＿ /::::::/:
―――- ＿r―='"{/ / /ﾊ ､_ , ㍉_ｘ≦／;::
／ / / l l .} , ／ /⌒ｱ
￣ / .' l ! , ／ /
/ , l l , ／ /
/ , l l , ／ /
１９７１年３月２５日、大阪球場。
＿＿＿┌──┐＿＿ ＿_
| SEIKO ｜ └ ｜.SEIKO |
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| EEEEEEEE EEEEEEEEEEEEEEEEEE EEEEEEEE |
| EEEEEEEE EEEEEEEEEEEEEEEEEE EEEEEEEE |
| |￣￣￣￣￣￣￣￣| |
| EEEEEEEEE |＿＿＿＿＿＿＿＿| EEEEEEEEE |
└―|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| ―┘
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三三三三三三三|―――――――――――――|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三| |三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三| |三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三l三三三三三三
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＿ ＿＿＿_ ,,..､ - ‐ '''' "´
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／ ／
_,／￣￣￣
この日、１人の野球人が現役生活から別れを告げようとしていた。
野球人の名は、杉浦忠。
/ヽ
／//ハ
, ｲ x:＜//////ﾊ
/'/ﾚ///////////| .／|
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ﾄ ////////////////////,|
|ﾊ,|////////////////////! ,
|//////////////////////:イ
|/////へ///////／ .Y/////
＼V/// ヽ//／ |〃///
ヽ| ,Y,へ. ｀´ x;;､yf //ｬ
ヽ<ﾊ弋爻ﾐ.ﾙｫ爻ｦ !ノ
ヽ', ﾄ. .,ｲ´
|> 、 一 ' .／ ﾄ
,ｯｪ／| ＞-＜ l＼ｯ.､_
_,.．-‐7/八=----= v =-- フ /////777ｫ
l/////////＞ー ,,,,,,,,,,, -＜///////////ヽ
／V///////////////////////////// ﾄ
. /. V///////////////////////////,. ; ヽ
l V///////////////////////////ﾞ丶、. '､＼
｀ ､ / .V///////////////////////// ﾞ丶
| ; V//////////////////////// ＞ 、 ', ｀
.. ﾄ ; V////////////////////// ￣〃
| ; .>､/////////////////// ／ ヽ '
. ﾊ ', | .V/////////////////‐ - v=' ヽ
{ ｀ ィ’ |//////////////＞ ´
, Y !///////////／., ． _ ,,.. ＜
r' - ‐ = 7 .///////////,( ／, イ ,. ＜
! i ////////////>＜/,ヽ_ ／
| | '///////////////////ハ
| ,,ノ '////////////////////ハ
. } 孑弋 i//////////////////////,l
ﾊ ヽ lｫ|//////////////////////,!
杉浦 忠
かつて、南海ホークスに大きな栄光をもたらした大エース。
プロ野球史上最も鮮烈にして、最も野村を驚嘆させた男である。
ルーキーイヤーの１９５８年に２７勝、そして２年目には３８勝を挙げ、
鶴岡一人率いる南海ホークス悲願の日本一に貢献。
＼ /
＼ 、＼､ //
’ ＿＿入￣≧=/)_ // ＿＿
￣＞ 彡´ 〈ﾞ⌒Y / ＼ 〔＿＿]
__＿,.. ー= { r {;;;i;;i;{ ! / / ・’ ＼ く￣￣`ヽ
￣ …‐-=ｧ 人＿ﾉ ’ｰ' } / ＼ ） ￣￣) }
＼ _,.厶ィ/厂．ヽ -‐ ﾉ , / ＼) に二二ノ
）ヽ＜く/ ！ ≧=≦ヽ / ／ ＿冂___
＼ 〃 -‐===‐- V, ‐z__／, ／／ |＿ ＿kヘ
＼ ′/ ）ﾚ////)y ,rｸ ′ ／ ＼ 〃 ￣｀ヽ′
ゝJ ‐-く//////∧ ,x'' -‐=v/ ／ ） { (! [つ }
〃 '" ＼ '/////X／ ハ .． ・ ＼ﾉ ヽ＿人＿ノ
/ / ≧=‐--- , ///７フ / ｙ′／ ’ ＼ ＿冂___
＼ ′{ ／ つ¨≧,,::: {//// '" 彳´ '. |＿ ＿kヘ
ゝ′ ｀丶.／ ￣￣¨つ // ヽ ！ } 〃 ￣｀ヽ′
＼ ゝ´ / ノ ノ( ￣`ヽ ,,.. 冫／ _,ﾉ { (! [つ }
＼ 、 ／ ｀ヽ、 xく ´ . ´ // , /// . 〔 〕 ヽ＿人＿ノ
＼／ ／/// ///////// / , ＼ ＿＿〕 ＿冂___
く冫 、＼ ／ ／ , /////////// / 厂Ⅴ/ ＼ |＿ ＿kヘ
(⌒ ｙ ｀ ／ / ////////// / '._ノ、 ＼ 〃 ￣｀ヽ′
(_ノ∩ヘﾉ ヽ /////// / ． ） } { (! [つ }
`¨￣ 人 〉 ゝ-‐ //// Ⅴ ヽ＿人＿ノ
/ ///// / //// . ｎ
_ `/ ﾚ// 〈 ///// Fて | |
二 =‐-ｧ′ 八 _/ ． // |'⌒ | |
Ⅴ ／ ; } ///// | | |
爿 し .′ ’. // '． ．
’ ノ ﾍ、 // ∧ , /
． ノ' くク ; X //, ∨ /
冫 ´ { 鄯 ///, ∨
ー─-= ´ 》 ． { ///// ／
. 人ｙ､＿ ′ ’ 廴,,,...... ：´
/ /厂 ． { /// ∨/
/ ／
３年目には３１勝を挙げ、実質３年で通算１００勝を挙げるなど、かつては
西鉄ライオンズのエースだった稲尾和久にも劣らない、球史に残る大エースだった。
しかしその代償は大きく、杉浦のエースとしての活躍は４年で終わった。
チームのために投げ続けた結果動脈閉塞にかかり、６２年以降は血行障害を発症。
//////////////////V
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////////////////;;///V
//////////////´ ヽ./V
////////,,_ /// '/V
/////＞.´ミ Y/ヽ 刈ﾄ. ﾐ
////| ,,,_ヲ レ' 下圦 ﾐ
///∧ ! | ミ，
＝＝ﾊ ゝ. ﾊ .ｔﾐ，.!
ゝ ´ ｀´¨斗
〃. V
; >、 、 ＿.ゝ
; ;;>、 ｰ
; ;;;;;>、. ／
ヽ ; 〃｀ヽ ＿／
ﾄ ヽ /
/∧ ヽ
///>、 ヽ
V///＞- 、
Y//////ハ
}///////ハ
'/////////ﾊ
////////////!
////////////| ７０年成績
////////////| １６試合 １勝１敗 防御率２．７５ 投球回 ３５回２/３
挽回を期してのシンカーの習得にも失敗。一度は現役引退を決意し、監督に就任した
野村の説得もあり１年現役を延長し取り組んだものの、成績は全盛期に程遠いものに終わった。
怪我に苦しむ時間を１年延ばしただけに終わり、かつてのエースは引退を決意したのである。
OP戦で開催された杉浦の引退試合、そして引退登板。
杉浦が登板する予定となっていた６回に、最後に相対したのはこの男。
｀ ､:::::::｀丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾘ _, -y
-- _ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＜::::::::／
｀ ､::::::＞x'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
_ -`::::::::::':::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／
-=≦::::::::::::::::::::::::::{:/::::::::::_;:::::::::::／:::::::::::/:::::;::::::∠_
￣｀ ＜:::::::::::::::::/:::::／´/:::::／ｲ::::::: ／::／::::::;: '´
｀ヽ:::::::}:／{ ／::r彡':::::_;:／}:ィi},'::::∠_
__ -=ﾁ:::::::ﾍ、', {-tｯ､> ´ｨtｯ__ﾉ ,レ' ﾊ ‥‥‥
｀ ー─‐z=‐:::::: ﾊ ｀￣ i -¬ /ﾄ､｀ヽ |
, '{ ﾄ､ _ゝ'_ ｲ ﾊ:ヽ ヽlヽ
,.ｨ/ j ＞ __ イ:|:{./ }:::ﾑ i }
√ i::/ ,:' ＼ ｛ ,' }' 从:::ﾑ ∨
/ ー- _::. :ヽ＼__i__|_ ｲ:::::::::::} !|
{￣ - _ ｀ ､ , '´ ／::::::::::::::::l i!
／ ｀丶 丶 ﾍ===≦::::::::::::::::::::: l |
, ' ＼ ∨::::::::::::::::::::::::::::/ ,.｜
〈 __,. -─ ﾐ ＼ ト .::::::::::::::::::: / /〃
ヽ{:::::::::::::::::::::::::ヽ ﾍ ｀ ､:::::::/ /{:/
〈:::::::::::::::::::::::::::::∧ ｜ ＼i / /
∨＼::::::::::::::::::::: } / / /
長嶋 茂雄
読売ジャイアンツの４番打者にして、誰もが認めるミスター・ベースボール。
そして立教大学時代、杉浦と同級生でもあった長嶋茂雄である。
共にリーグを代表する選手になろうと誓い合い、彼らは共に僅か２年でその誓いを果たした。
::::::::::::::::::/ ﾞl、;;,/｀ ﾞl:::::::::::::::;::::: //
::::::::::::::::,lﾞ │/ : |:::::::::::::;:::::::: //
::::::::::::::::| .,,_ .}" ,!::::::::::::::::::::.. //
::::.,-‐､,:ヽ,-r ,/｀:~ヽ、 ,- ,／'i､ .'!ｒ'";;,,-'ｰi､:::::. //
::│ ,,,_.＼/｀ilﾞ''i"'i､::ﾞ'i､ ヽ ／ ,/｀::,,,r:ﾄ ｀i,/,-.i､ lﾞ::::::: .//
:::lﾞ ."../i､ﾞl, │ ＼:ヽ、 .ﾞﾄ | ,/ .,i´:.／ ﾞl jﾚﾞi､: ".|::::／ //
| .| !',,ﾞl ﾞl ｀'､ヽ | .,/_／ .. ,lﾞ ,l|│lﾞ レﾞ // | ﾞ､| | //|//／ /// /／ /
､_ﾞl ﾞl .lﾞ.`l, │ ｀' |i､ , 、,,彡" ,lﾞ ,lﾞ.,-│ .jﾞ| //|| .ｌ| ヽ| //|/／ // / //／ / ,.-
|ヽ、ヽ,ヽi,| ヽ、 ｀ﾞll|,l,ﾚ'lﾞ ＿lﾞ ,lﾞ'ﾞ／｀_／:,! .//＼ || | | / //／ / / / //,.,.イ"‐'
│:`-,,, ｀'''ﾐ .二"'''''''-､ ﾞl'"‐ﾆﾆﾆ￣、 │ ,,r/ﾞ:::::,/. // ＼ ヽ ｌ| / / / ／ / /イ ／ ／
.ヽ、::ﾞ'ﾐ'ｰ-|、 .,､,_ r| _,,,,,、 .,―'ﾞ／:::::,/ .// ＼ ＼ ＼ ｌ|/ // ／ /／ ／ /／
、 ｀'i､::::ﾞ'-,.│ ./'二二,,,"'',,,,,／,| /.,,r'":::::／ //ﾞ､ ､ ＼ ＼ヽ ヽｌ/ / ／/ // ／ /／イ
`'i､ ＼,、|ﾞ''ﾄ、 .ﾞl,,,,-‐'ヽ,/―,,-,i´ ,/'',/::_,,／ // ､､＼ ＼ ＼ヽｌ ｌ ｌ/ ／/ // ／／／‐ ／‐
｀ヽ、 ｀ﾞ'ﾍ,,_｀'-、 'l,|、 ｀ .,,lﾞ/ .,,‐┌─┐ ┌─┐ ＼＼､ヽ､＼ヽ ヽ/／／ / ／
｀''ｰ､_ ｀ﾞﾞ''''ﾍ,,ヽヽ-,,--‐_/.,,-'"ﾞ｀.1 .「 .,7 ,f´ ＼ ＼＼ ヽ'' ヽ､ | ／ ／／／／
: `''ｰ-､,,,_ : ｀'-"''''''''"ﾞ／: _,,,,ｰ | | ,/ /'＼､､ヽ, ﾞﾞﾞ ﾞ ヽゝ､ / ／ヽ|／／/
｀ﾞﾞﾆ―i､ﾞ"''''''"..,ﾆ,,ir | l､,,/ /',. ‐ '二一勹 / ﾉ/~' ヾ"' '|､ヽｌ |／／-
-'"`ﾆ｀.ヽ "''"'"｀ ..| ,/' / /´ ／__ ヽ // ／ ゞ / ﾉ / -‐
ｌ､__/ l .` ｰ ､ ヽ ＼ ヽｌ // ／,.. イ ┌ノ /／
``ｰ-､ /ハ ヽ＼ ｌ ／､ノ ／ -‐ / ／ /
／/ _,,ノ,ノ | `､､ヽゝヽヾ､‐''ヽ-''"-‐'" /''" | ／
∠-- 二 - ''´ |ミ| ＼､￣‐ヽ/ '''" ,.-､ ,.' | | ,.‐"
// |::::､､ | |│ ヽ |_,.- ／ ,-| ／ | |/ ／ /
// ヽミ::::::: ヽ ｌ| ゝ､ ￣､"-‐'",,ﾉ ／:::: ｌ| |‐" /::::
// /＼ ::::: ＼| | | ヽ､ヽ''"-‐ ／:::: ､ |,.'' /::::／
// | ＼ :::::::::::::| || ｌ| ヽ､＿,.,.／二二ヽ / ／:／
５８年にプロ入りし、杉浦は２年でリーグを代表するエースに、長島はリーグを代表するスラッガーに変貌。
そして無あけた５９年の日本シリーズで日本一の称号を賭けて争い、熾烈な戦いを繰り広げた２人の戦いは
間違いなく球史に残る名勝負だった。
その親友が、志半ばにしてグローブを置く。
本人はもとより、長嶋の心中は如何ばかりだっただろうか。
＼:::::::::::::::::::ヽ、 ｜:::::::＼
ﾍ::::::::::::::::::::::ヽ |:::::::::::::::!
∨:::::::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::: | ＿__
∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::{_ ｘ＜ ::::／
x≦￣￣￣≧=-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::／
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ-=ﾆﾆ二二才
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠＿
'────- _:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_＞'´
-=====＜::::::::::::::::::::::::::z=V:::::',:::::::Y´ﾊ:::::::::::z=- スギの最後の晴れ舞台だ
. ／::::::::/:::::::::::::／ ∨:::}､::::7-i. }-'´ ｀Yﾍ-､_
/::::::::::::::{::::7::::/ _,z::/=}:/ r ,ﾉ ヽ }: :.',: : ＞ｘ 思い切って三振するさ
7:::::::::＞' ',:7|:ﾄ{ ｔｯ -'L ゞ' .}' }' , # ';.7: :.} : : : : : :＼
{＞'´ }'´Vﾊ ７ '´￣;;'',,, ,' ';;, 7: :.,': : : : : : : : :＼
r≦: : : : : :ト.ゝ' ｰ= ' ,ｲ _} -=== ７: :/: : : : ／:: : : : : : ｰ
> : : : : : :|: {: :|＞.､___／:／ /: :/: : : : /: ; : : : :r===ミ
/ ,.!: : :ﾍ: :.|: :i:∧ 〃 _,. ｲ: :/: : : : /: : : ／ ヾ.
i,'/｜:.|:.:{: : ',: :',: :＞z＿＿,. -‐: : : : :./: : : : /: : :./ }
|!{ V: ヽ!: : :.',: :ﾄ､_: : : : : : : : : : : :／: : : : : {: : :.7......_ i
／ ､ _,.ヽ､:i: : : :',: : : : : ー-: : _,. イ: :: : : : : : :.i: : :,'::. ヽ
Y ,. 〃 ∨: : :ﾍ: : : : : :￣: : : : : : : : : : : : : ヽ: i::_彡 } -'
／}.' / ;;' ∨: : : :＼: : : : : : : : : : : : ／: : : : : : :| ''' ,,::. ｜
/ ./ ./ /弋: : : : : : : :ー--: : :__／: : : : : : : : :.! ,;;; | i
. / , L _ / ヽ、: : : : : : : : : : :＞:_´-‐: : : : ／:',__ / .}
r' { ヽ_, :' ヽ: :.ー--＜_,. ': : : : : : :.＞' ´ ￣ヽ '
{ i: ', ﾍ /:.ﾍ: : : : : :ー-_,. -‐ ´ ,:
∧､', ヽ､ x≦ﾆﾄ､ 〈_: : : : : ＞':7´ ＿＿__ ／ ,'
＿＿r=ﾄ､ /: : : : : : :.＼ <｀ヽ/´: : {:.{ _,. -‐ ／}
＼＼- _{:|: : : :r'￣￣ヽ {／.∧{: : :ヽヽ r ¨¨¨¨ `ヽ__ '_,／
i ＼＼ ゝt|: } ト-个v'/ V: : :＞'′ ',ヽ＼-≦zzV
| ７ i i｜ ./ >' .{ ,:' ∨ヽ }
∨ | i | |｜ / _,. / ', 〃 } |i .|
. ∨ 汀ｊ .〉' } i } ｝ 〈L___/ {_,...､ ', / _,.=-､７ i| .|
∨ ゝ _,/ / .// ヽr { >､.', ／ ＿_/ /.| .|
試合前にマイクを向けられた長嶋は、杉浦の有終の美を飾らせてやろうと
苦笑交じりにそう答えた。
日本シリーズとかもう漫画でもドラマチックにしすぎなレベルだったしw
山本昌「そうかな?俺の後輩、次々引退してるけど」
そして、いよいよ２人はマウンドとバッターボックスで相対する。
＼＼ ./////////////////////ﾊ'/へ // | ＼| / ノ/ ／ - ―/=､ヽ // 〃/
＼ _ﾊ､|'/// l////////////////∧///ﾊ ヽ ＼/ }､ , ／ } ! l ／７
＼'〈. ヽ.l// |//////＞‐＜//////ﾊ///ハ . _＼､ -ミ､ / Y／ _」 ／ / ／
T ''>,_.} l' |///／ |//////／///// / ┌─┐ ┌─┐ ＼ ヽ|ﾊ ∨ｨY〈 ／ｨイﾉ} ／|∠- /
ﾐ,_ ノ ミｘ!;／ |/／Y/> ''''''''' ＜// .1 .「 .,7 ,f´ ＼ ! 〉 i ! 弋}ト ｲ り 」 ７ ｦｲ, ／
ゝﾞ ﾊﾐ:、 , , { 彡〃//, ノ ,,ヽ | | ,/ /' ＼ ヽﾏ} ＝ ﾆ ,.i ~ ニ - /ﾆノ-∠
ゝ爻i_ 厶爻ラ｀ 彡// | / | l､,,/ /',. ‐ '二一勹 ＼ ＿∧ r.=ァ ﾌ /:├ ´
ﾊ / ノ='//、' ﾉ , - 、ミxl// .| ,/' / /´ ／ / :＼ ∨三ﾉ ／ ト
｀ヽ¨｀,, ＜////// ,:' _ ( l- /// ｌ､__/ l .` ｰ ､ | : : ヽ .- .イ ! ＼へ_
＼＼ ＿ヽ/////// Y /乂__ﾉ ,,,,,_ヽ `ｰ-､ / ＿ ／{ | ヾ: : :／∠ - ‐ ／ ／￣ ｰ
＼ ＼x ＜/////＞ x//八_ノ ヽ' 、 ノ' ´ ｀ヽ _,,ノ,ノ ／ ! ＿, ! , - ‐ ´ ＿__／ / / _ノ ヾ
＼＼ ////////////ハ// } -' '-+' ミ、_∠-- 二 - ''´ ｨく /:ヽ＿__ヽ∠ - ´:::／ , イ ＼
＼ ///////////////,}/! ﾉ ＿＿ { ＼. ／ ^ ´ |｜ !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ｿ＾ i ヽ
V///////////////ノ＞ ｀丶 ノミx、／／ ! ＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ /／ ノl !
片や、誰もが認め、誰もが知るミスター・ベースボール。
片や、チームの悲願をその右腕一本で果たした色褪せぬ活躍を見せた大エース。
ましてや当時は連投当たり前だもの
投手の寿命が短いのはしゃーない
なお金田
これが、学生時代から盟友と言われた２人の、正真正銘最後の対決。
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,,;;;;;;;;;'" | .| `'"
.. ,;;;;;;;;;;'" | |
あの時と比べると躍動感がなくなってしまったようなフォームで、
杉浦は渾身のストレートを投げた。
それを長島は‥‥
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人ﾉ
＜ ＞
＼ / ／ ヽ | ＜ うおおおりゃああーーーーーーーーーっ！！ ＞
＼ / ／ ＼ | ／ | ＜ ＞
＼/ ／ | ＼＼ | | ／ | ／Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
/ ／ ＼ | ＼＼| | |/ ,,,-/ ／ ,,,,,,,,,,,,,ヽ ／
| ／ | | ＼/ヽヽ＿-‐'" / ,.-‐'''''"￣ / ／ ／ ,,-‐-
| /､ | | |ヽ＿ヽ,.､‐''／ ,.-‐'" / ／ ,.-‐'" ／
| / ＼ |ヽ-,,,○」二 ヽ‐''" .／ ／-──‐イ ／ ／､
.| / ヽ──＼ | ‐-,,,,,ﾉ-‐' ／ ＼＿ ◯ ／ ヽ､ .／ ／
| / ＼ ＼ | /／二 /＿＿,,,二二二ニ,,,, ／ヽ,,,
ヽ| ＼ | ／‐'" ￣ """""'''‐-,,,,, /
＼_ |／_,,,,,--‐, ヽ‐''''ヽ､
ﾞﾞ''''| ￣ヽ ､‐'" ,,,,,-‐‐-､ 二 ﾉ
| ＼‐'''"￣ ＼ ｌ" /
ヽ ヽ──二ニ￣" | ,,,,,,, |￣,‐､,,／
.＼ ､ ヽ┌二ヽﾉ,,,,,,,_,,‐､| |ｌ / ﾞ'''
＼ヽ |/二／ -''" | ｌ /‐､ ,,,-‐'"
ヽ |二/ ヽ＼＿,,,|,,,,,,」＼,,,,,,＿＿／ ﾞﾞ''''"
ﾞ| |ヽ＿ |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;￣ﾞヽ､,,,,,,,,,,,,,,--─-
ﾞ| ヽ ￣／;;;;---─''''''''──---,,,,,,,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヽ,ヽ-'''"￣ ／ ﾉ‐､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ ／ ,,-- ヽ-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ ／ ,-‐'''" ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;
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i:::::::::／ i/ ＼ |l|w/L ,r_／ ＼//∧{ヾ!/ ｘ}/x:;ﾉγ^Y/////フ＿::＼
i::::::::i ＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ ｀ {て，‘'' r ㌣__ノ {^i i!//＞､´‐-､＼:ﾑ
. i:::::::i ＼´ 彡x ｒ､-─‐丶ｊ /__ -､ r‐＞"¨ヽ__::::ヽ｀ヽ ＞x',
. i:::::::i > ； ’ ∠─ ｰr' } i_＼ `tﾅ ﾌ! ﾉ , 八 ノ::::::/ i ＞ｘ
i:::::::i ／ }| r'‐､r{__.}｀_ﾉ, >､‐ イ ﾉ ノ_ ....:::::::::::ノ ,ゝ" !＞ｘ ∧
. i::::/ ／´ヾ, r､r‐|＾` ｀ｰx'_7_ﾉ ¨-=二 -‐ ´ / i ＼
. i/ /／ }´ ／￣二二 ￣￣ ｉ i ヽ
/ ｒｒ"￣￣ヽ r'´￣:::::::::::::::::::｀ヽ i i ∧
ｘ＜⌒¨¨¨｀┬ｔ…-.ノ ∨:::::::::::::::::::::::::::::∧ i ∨ ,
{＿__ﾉ-､〃 ! ｀ {´ ﾘ:::> ´￣￣｀ ヽ:::::∧ ! ヽ /
/ r==‐ ´⌒｀! y´ ヽ ∨ ∧ ! ノヽ
{ ノゞ=..__ イ´-^ヽ-‐ ¨¨ ‐-､ } ∨::ﾘノ ＼
i 㨨￣｀∨!::::::::i:::i ___ノ }ノ ＿ ｰ‐…"
ｒｘ‐‐……ナﾉ::::::::::i:::i‐- ＿_ 八 ﾉ￣￣ ＿＿ ／
ｰ-t‐…::::":::::::::::::ﾉ:ﾉ } r彡､"-‐ ￣￣ ／イ::
¨ﾞ＜:::::::::::::::／ __ イノ-‐´ ＼ ＿ /ｘ＜:::::::::::
ｰ‐＜ ＿＿＿_ ＞" ｰ ¨¨ヽ＿_.ノ:::::_ -‐
アンタと同類の投手もいないんだから参考にならんｗｗ
試合前の発言とは打って変わって、杉浦の投じたボールを
センター前に打ち返した。
/ ／ / ／
lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､ lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､
∠,,､ -z ,r――― ''" ∠,,､ -z ,r――― ''"
､ '"´,､ィ / ､ '"´,､ィ /
､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l ､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l
､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡 ､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡
| ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ | ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ |＾l
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/／ .l＿,'" | .| lﾆ ﾆ/／ l＿,'" | .| lﾆ ﾆl ;‐i ｀ﾞ＾ _,| │
{_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl {_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl .,／,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l＿,'" | .|
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ﾊ ヽ / ﾊ
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ヽ// ∧∨
＼ ／
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⌒ ,. ｍ ,⌒
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lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､ lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､
∠,,､ -z ,r――― ''" ∠,,､ -z ,r――― ''"
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､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l ､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l
､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡 ､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡
| ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ | ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ |＾l
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/／ .l＿,'" | .| lﾆ ﾆ/／ l＿,'" | .| lﾆ ﾆl ;‐i ｀ﾞ＾ _,| │
{_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl {_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl .,／,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l＿,'" | .|
{_,lﾞ
/ //／/／／ //l
/ｨ／ .// / ///
l j //／i ,,.-'"/
', }）､.／// ／／
l ヽ-‐＜／
ヽ-| l
＿__,,..∠_ ＞-.,,_
r'--､:::::::::::::`ー―‐'::::::::::::|ヽ
l ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ﾉ
. | ∨:::::::::::::::::::::::::::::/ l
| r':ﾉ:::::::::::::::::::::::::/ |
l l::::::::::::::::::::::::::／ | .l
', ;: /:::::::::::::::::::::::/| ｲ
} ､ ; {:::::::::::ニ=-‐{ .| |
l l l::::::::::::::::::::::::ヽ|､__i__ノ|
|`ー―'|::::::::::::::::::::::::::', .|
| |:::::::::::::::::::::::::::i |
南海ホークスの背番号２１を背負ったマウンド上の投手は、
黙ってその打球の行方を見守ると‥‥
駆け寄ってきた長嶋と握手をして、笑顔を浮かべてマウンドを降りた。
/ ,､ / ／ ＼ ∠ ／￣￣ヽ
l .,' l / ／. .,-┬ ￣｀ヽ/ ／⌒ヽ l
l / l//l / ／ l -",r、 |
l / . / / ／ ／ l l
| ／ / ／ く-- l |
l -=,,,／. ) ／ "”"］ .ﾉ
l ＿ヽ_ ￣ j" ﾉ ／
', <＿,-‐彡 -'⌒ヽ "-''￣／
ヽ＼)／_,,-‐ ノl ,,,,,,／ ＼
＼ ヽ - ／／ | ＼
', ∠／ l
', ／ /
ヽ ／ /l
＼ ／:: | | ﾐ
ヽ、 ／:::: | .l
＼ ／::::: | |
` -- ,,＿＿, -" | |／
,-ｌ l /
/ ', ﾚ
''"~::::::::::::::::::::::::::::::::::／__/:::／ / ﾔ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ≦二.___
:::::::::::::::::::::::::::::::::::,:ｨ ｨﾀ/:メﾐ､ ./ ﾔ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣::フ
'"^ヽ、:::::::::::::::::::::{ ,':ﾑ、 ﾔ l |:::::::/ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::;＞‐''"
_＞:::::::::::::::::ヽ、f ﾞ l. ｛::::/ .ﾔ:::::::::::::::::::::::::＜___
_,.ィ´:::::::::::::::::;rｰ-ミ | ,、 ,｛:/＝=ﾐ.Y´｀Y::::::::::::::::::::::::::｀＞
-ｭ=ニェ::::::::;ﾊ/ヾ.', ﾔ ｌtｌ ﾞ≦=＝= ｊ ｵ |:::::::::::::;＞‐'"´
,.イ:::::::::ﾍ. ｛,.ぇ',. ﾍ.____｀_ 、 -‐'' j ｌﾉ,ｲ::::::ｪ≦＿,
ムｭ､_:::::::::::ヘ.___ﾔ '"´ 〉 .j¨´::::::::;＞'"´
｀ﾞ ＜::::::::::::ヽ、 ﾞー-一 ,.ｲ::＞'"´
ﾞＺ_::::::::::|＞.､_ ¨¨ ／ .|"
,.天弓| ﾍ、ヘ. _＿ ／ ./ ﾔ＞=ﾐ､、
/了´ .水＝､ヽ､ ./ ,. _,Kニミぇﾏ、
{.∧／.ｵ ／ '"〉'"Yヽｒ'"^ ¨Fミ､ ＼ ﾞYﾍﾏ,
_,.-|.| ∨ .| ﾔ .| ﾄ､ | ﾉ .| | |,L.__
,.ィ",.-人l 〈 |.个 ./ │〉 .i 小. |_ﾉｰ--ミァ===
‐/¨¨{''" _,.,ｭ=弋卞ミ火 ', ヾ.| ､ ﾚ |. / ,に二二二ｱ三三
ﾍ彡" ,ﾏ ヽ.｀¨ﾍﾄ､ﾍ ﾔ /,.仏孑',.ｨ二二≧ぇ ﾔぇ､
ﾍ.,.-''"~ ヽ、 ＼. ｀¨ﾞテ〒"~ / / /三三三三ﾔ ﾔ
このシーンは、議論を呼んだ。
_,r〜〜〜〜.､
r' _,r〜〜〜〜､ヽ ＿--､, -ｚ._
｛ ﾉ u ｀ﾆﾆ´ ヽ.) _,-ｰvｰｚ_ ＞::::::::::::::::::＜
｛ Ｌ_ r=＝= u.==､l′ ｲ ,､,､,､,､,､ ヽ /::::::::;:::ﾊ:::､:::::ヾ ＜ いくら長嶋でも、これはない
{r=ｉ| r ｡＝ ｡=､ | | l--､ v,.-ヽ| ｲ:::ｨ/K u >ﾍﾄ:::|
{|L||ij ｀ニ7 lﾆ´v| 1|⊂･ ･⊃|,l .ｈ:｢こ･j=｢･う]:ｎ ＜ 杉浦は大学時代からの友人じゃないか
{`ｧ| r─' L＿｣ ｰ､| ｛ｆ|L ∪ v」|ｆ） |f||:￣,」 L￣:||ｊ. せめて有終の美を飾らせてあげるべきだ
_／{/ :| |（二二ニ二）|. ｀|.⊂ニつ l´ ヽl ‘‐ｕ‐’v:ﾚ'
::|:::::ﾄ､ ヽ_ , , , ,一, , _人 ,ゝ､.二. ｲヽ_ _/l.ヾ二二ﾌ∧
::|::::::| ＼ ￣｀¨ﾌ丁 |:::: ＼-‐''"´|: :|､.＿_,.|: :|: ｀＞ｰ''"´|: :|＼.二.／|: :「｀'''ｰ- .、
|:::::│ ＼__／ |:::::|::::::::::: ＼ : |,.へ. /へ|:/| : : : : :│: |.＼ ／| :│: : : : : l:ヽ.
:|::::::::| ,.ｲ:ヽ. ,|::::::|::::::::::::::::::〉、 : : ヽ/: : : /: :|: : : : : :|: : l Ｘ. |: : |: : : : : :|: ハ
|::::::: |ヽ／ 〉:〈.∨|:::::::|:::::::::::::::/::::| : : : :|ﾟ: : :;ﾊ : :|: : : : : ;＞:|／〉〈＼|:＜; : : : : :|/: : l
／.:::::::::::::::::::::::::::::::､::::､::､.´／／´ ヾﾐ､＿: : : : : : : :｀:ヽ
／....../.........,............,'......ヽ...ヽ:.ﾞ､,".:´ ／l!i:., ,ィ |: : : : : : : : : i:}
/....../..........,'.........,ｲ...........ヾ.....､.∨,/_､'´ﾞ"}:.:.:! l:＿_,厶二二ﾆー､-―-､-､
::::::/:::::::::::;:::::::::/:::::::::::::i::::}:::::i'ヽ!/ /7=,-ﾞ，:l lゞ:.,'ﾊﾄ「_`ｲ;ｨ:i:i二＞三ﾐｨﾄ､>､ ＜ 試合前のコメントは何だったんだ
:::::;:::::::::::i:;::､i:://i:'|:;､::::j::::i::､:l/{i'￣´_ 〉y′ｉ.|`r'´/ﾆ┐ﾞ'〉r'ﾊﾆ=-ﾐﾞ,.-､_､j,ｿ;
::::{::::::::::::l::...i:`≧ﾐ斗::ｨ〉::ﾉ::ﾊ:! l!'/=y,/:.:.:.;ﾘﾊ, `/〈/ﾊ==，!,'",ﾆﾒ ＞｡ｧ'{f ＜ 奴には、こういう人の機微ってもんが
::i::ヽ::::::i::Vj:〃 (),`｀ｿ<ｿ:::/､j' /`l!/ｲ:.:.ノﾘヽ! ' "'/ﾉ_// ﾞ､,{ﾍﾐヽ ﾞ´ <, ｿ 分からないのか！
:::､:::ﾄ､:::､::＼ ｰ" '´ｲ::{／i>ﾐ彡ﾍｲ'´|､ .! | ,ｲ`ｰ ′ﾉｲ`iﾍ ､/{=ﾃﾌ}
ヽ:::人ﾞ)`｀ﾞ‐ ` /=＝ｨ ﾉヽﾉ} ＼ } j;;;;;ヽヽﾉ- _ノ;;`i´￣｀ヽ＾ ｰ､ﾞ_`三'ﾉ
／ｿ､::}ﾞﾍ / ヾ;//イ¨〉ﾍ ヽ!､ﾉ;;;;;;／ イノ;;;;;} `ｰ`-―-'､＞―‐--
{ ヾ､ ｀＞ ゞﾆ彡'｀ヽ:.:i;;;;| ＜i_ `／ /;;;;;;;;;;;;;ｉ ／ヽ /´
l ＼ ／´ヽ. ﾞ.:|;;;| 「....」'´ /;／７┐;}_,ゝ､ ´ ,. -
＞ｲ＾ヽ.__ ヽｲ ／ヽ. ノﾍ;;| /) ／rヘi´/ ７､'´￣`llーr―r┬rt‐‐ ´
":. ' .／ "L/`|） 〈__⌒` 〃`ヽ },ﾊ. ／;;;;〈｀ｰ`ゝ'ノﾉ;';';'Y;';||;';'j:.:.:.|;';ヾiく;';';＼
." ／´_ ） ７' ／ ／´ ｀ヽ.〉／;;;;;;;／`7､＿/;';';';';';'};'||/;{:.:.:ﾉ;';';';ｉ|;'};';'イ
´ /ｰ' r'／ ／ ∠｀ヽ_ ／ . ' ／;';';';'／ |;';'||;';'f＝ﾞi;';';'||;'}′|＿
ノ |' ／､ / ヽ／ ／ﾍ;';';／ };';'||;';'|:.:.:.:|;';';||;'} ´
特に、杉浦に特別な思い入れがある往年の南海ホークスファンの怒りは激しかった。
引退試合ならば主役の座を他人に譲り、花を持たせるべきだという批判が集まる。
しかしその論調を押しとどめたのは、他ならぬ杉浦だった。
/ヽ
／//ハ
, ｲ x:＜//////ﾊ
/'/ﾚ///////////| .／|
///////////////////,|
ﾄ ////////////////////,|
|ﾊ,|////////////////////! ,
|//////////////////////:イ
|/////へ///////／ .Y/////
＼V/// ヽ//／ |〃///
ヽ| ,Y,へ. ｀´ x;;､yf //ｬ 違う
ヽ<ﾊ弋爻ﾐ.ﾙｫ爻ｦ !ノ
ヽ', ﾄ. .,ｲ´ 奴はそんなつもりで
|> 、 一 ' .／ ﾄ 俺の球を打ったんじゃない
,ｯｪ／| ＞-＜ l＼ｯ.､_
_,.．-‐7/八=----= v =-- フ /////777ｫ
l/////////＞ー ,,,,,,,,,,, -＜///////////ヽ
／V///////////////////////////// ﾄ
. /. V///////////////////////////,. ; ヽ
l V///////////////////////////ﾞ丶、. '､＼
｀ ､ / .V///////////////////////// ﾞ丶
| ; V//////////////////////// ＞ 、 ', ｀
.. ﾄ ; V////////////////////// ￣〃
| ; .>､/////////////////// ／ ヽ '
. ﾊ ', | .V/////////////////‐ - v=' ヽ
{ ｀ ィ’ |//////////////＞ ´
, Y !///////////／., ． _ ,,.. ＜
r' - ‐ = 7 .///////////,( ／, イ ,. ＜
! i ////////////>＜/,ヽ_ ／
| | '///////////////////ハ
| ,,ノ '////////////////////ハ
. } 孑弋 i//////////////////////,l
ﾊ ヽ lｫ|//////////////////////,!
大学時代からの旧知の間柄だったからこそ、杉浦は長嶋茂雄という人間の
本質を知り抜いていた。
//////////////´ ヽ./V
////////,,_ /// '/V
/////＞.´ミ Y/ヽ 刈ﾄ. ﾐ
////| ,,,_ヲ レ' 下圦 ﾐ
///∧ ! | ミ，
＝＝ﾊ ゝ. ﾊ .ｔﾐ，.! 奴は、本能で打つタイプのバッターだ
ゝ ´ ｀´¨斗
〃. V 自分を抑えにかかろうとする球が投げられれば、
; >、 、 ＿.ゝ どんな時も、どんな状況でも必ず打ってかかる
; ;;>、 ｰ
; ;;;;;>、. ／
ヽ ; 〃｀ヽ ＿／
ﾄ ヽ /
/∧ ヽ
///>、 ヽ
V///＞- 、
Y//////ハ
}///////ハ
'/////////ﾊ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
, l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
iヽ､l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ,', それはプロになってからも変わってない
i:::::::::::::,⌒丶:::::::／⌒i:::::' ´/
ゝ:::::::i ヽ/ ｝:::::::ﾉ だから、あの時長嶋が俺の球を打ったのは、
＼i`i≧､ , ≦i´i::::/ 長嶋が自分の本能に従った結果に過ぎない
ゝi '- ・` '・-' ,iノ ´
｛ヾニ￣￣"'''‐-- ,_ ゝ ,,_ ノ _,, -― ''――==ァ
ゝ l `ヽ､_ l l l`iｰ''i´ `ヽ､ニ／ ヽi`i ''´l l l , - ''"´/
ヽ l / ､l l li、 ゝ､ _,,ノ / l l ／､ l ／
`ｰ-i:::::::丶､l l ` ､,, ` ｰ ´ ノ l l／:::::::::i l／
i:::::::::::::,_ﾆﾆ､ l l` ｰ-‐ ´ l l ／:::::::::::::/´
i:::::::::::'ﾆﾆﾆヾ-――''' ´ヽ` ｰ-､ /:::::::::::::::::::｝
ヽ:::::::::`ァ '" `i ／:::::::::::::::::::/
i::::::::::::::::::::::::::i _,,, ‐ i´::::::::::::::::::::::/
i::::::::::::::::::::::::::i _,. -''' i::::::::::::::::::::::::/
ゝ､_＿,,, - ￣ "'''- ．._i_::::::::::::::::::/
そしてそれを疑うことなく、頭から信じた。
その意味で杉浦忠という人間は、長島にも負けず劣らず純粋な男であった。
杉浦忠。
通算成績、５７７試合登板、１８７勝１０６敗、防御率２．３９。
最高勝率１回、最優秀防御率１回、最多勝１回、ベストナイン１回、MVP１回。
/ヽ
.,r,/::::.ヽ
./::::::::::::::::＼
/::::::::::::::::::::::::ﾚ＼
/ヽ/:::::::::::::::::::::::::::::::::│/ヽ
. /∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚ:::::| ‥‥俺は、投手としてとっくに死んだと思っていた
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::,---,:::::::::::,--､:::::::::::::::ﾚヽ でも、そうじゃなかった！
|::::::::::::/ ',:::::::/ ヽ::::::::::::::::l
|:::::::::::| ',:::/ |::::::::::::::/ 最後の最後でも、長嶋が本能的に
ヽ::::::::|. ∨ |:::::::::::/ 打ちにかかるような球を投げることができたんだ！
ヽ::,-､. 〈ﾆ＼. ／ﾆゝ.,-､:::/
｛ヾ´￣|￣/￣/￣｀ﾘ、ヽ {__｡>_ｨ'｡_.7 /７/ ￣/￣/￣/´￣￣｀ア
＼＼ | | | | |.ヽ7 ヽ. .r_ /_ノヽ. / / ,-､ .／／
＼＼. | | | | .＼＼.ヽヾﾆｿ ／／／＼.| ,-､l l ,'ﾍ／:|
＼＼.___|__|__|_／ ＼＼ﾆﾆﾆ／／ /ﾍ|⌒l ｌ| |.! 〉.:::|
/ ｀'-──‐'゛ `ｰ-‐─´ │ ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ゝ:::＼
/.:.:.:.:.:.:.:./| | | ＼;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ヽ＼:::::〉
. /.:.:.:.:.:.:.:./. |｀====.／ﾆ二二二ヽ=====´ /ヽ ./:::|
/.:.:.:.::.:.:.:/ ヽ ||─────|| / ＼＿＿＿／.:.:/
./.:.:.:.:.:.:.::/. ＼ ||―-------‐|| . / ヽ二二ﾆ／
名球会の入会条件である２００勝を満たせなかったことから、彼の名は
名球会にも列挙されず、特別表彰という形でその名を記載されるに留まっている。
しかし杉浦忠という投手が、稲尾和久や金田正一といった大投手たちにも
勝るとも劣らないことを、否定するような往年の野球ファンは１人もいない。
{{ | | || / /
／⌒＼ lｌ | | l i /＿ /
' ＼| l ｌ l l ／´ ∨ '
ヽ ! ｌ j／ ∨ ／
', l ｌ/ }／
', ｌ / /__ _
､ ', ｌ / l /￣ __／ あの時長嶋が、シゲが本気で
/ヽ | ヽ、 ', l/ | _/ ／_ |＿ 打ちにきてくれたことは俺の生涯の誇りだ
/ ∨ ' ,.へ、 ヾ ∨ ,. ／＼ ',｀y'／ j｜=-‐_,
Λ､Λ く＿ ＼ ﾞ ｜ ／,／ _ ___〉 /､ソ ／ __ ￣ 俺は、最後の瞬間まで野球選手だったんだ！
Λ ーﾍ ＼｀`o､＼. } !{'´／,.o'´ ／´/‐' ／ ＿二
＼＞,--ﾍ ー｀ニ=≧ｦj_l_ﾋ≦=ﾆニ´ /-＜二￣ これ以上の喜びはない！
フ´..:Λ ', ﾄ､ _ / /:::::::::｀ヽ、
／ .:l :ヽ ヽ. r‐､､_j/,.ィ ｝ ／ /:::::::::: ＼ ＿＿_
______ ／ ..::::::::| .:::::::＼ ＼ ｀ ヽ二ン ／/ ／::::::::::::::... ／＿_￣｀＼
__ ／´￣￣_＞､ :::::::::::!.:::::::::::. ｀:‐ ,,_＼ ´￣´ ／.:.:/ ／:::::::::::::::::::::::::∠ ＿＿ ￣＼/¨
｀ヽ／￣ ＿＿＼:＿＿ __::::::::＼:::ヽ｀:｀:ー‐'´::￣￣:::::_,,. -‐¬''"´/＿＿＿ ￣∨::::
. : :::∨￣ ＿＿_ヽ :.:.:.:.:...￣ﾌ⌒V__＼.:::::::::::ノ,. ‐''"´ ......:.:.:::::::/＿＿ ￣∨:::::::
: .:.::::∨￣ ＿＿＿',:::::::::::::/ !:.:.:｀＼::／´ ......:.:.::::::::::::::::/＿＿ ￣￣∨:::::::::
: :.:.::::::∨￣ }::::::::::/ |::::::::::::::l ..:.:::::::::::::::::::::::::: { ￣￣∨:/:.:.
.:.:.::::::/￣￣￣￣￣＼／ 丿::::::::::: | ..:.::::::::::::::::::::::::::: ／￣￣￣￣￣∨:.:
. .:.:.::::::::| l￣￣￣,二У＿,＞ｰく::::::::::::::::::| .:::::::::::::::::::::::::::／ ／ ￣￣￣ｌ |:::.:
..:.:.:::::::: | | ,／ _ ｀ ハー―‐┴―――ー'''"´ ／ | |::::.:.
: . .::::| l ／ ,.ｰ‐- ｀丶､ ' l＿____ ＿＿＿___,,. ‐''´.:.:.:.:.:.:.... | |::::::::.:.
:.:.:. ::::::::| ／ / ､ ｀丶. | | | :.:.:.:.:.... | |::::::::::::
:::::::__,.-'ｧ′ '／ ＼ |.ノ. | | | |::::::::::::
ｰ/ / ,' ／ 、 ＼ ノ | .: | | | |::::::::::::
,ｲ 〈 { ¬ ＼ ＼,ノ : | | ／,.ヘ｀|:::::::::
ハ ', ヽ. ＼ ＼ 丿＿＿＿＿| |＿＿＿＿＿ _ ....:.: .:.:.:.:／／ :.:.:.:.:|::::::::::
打倒・巨人を果たし、日本シリーズでは４連投４連勝。
監督であった鶴岡一人の本懐を遂げさせ、御堂筋にとめどない涙の雨を降らせた偉大な大投手。
/ ,､ / ／ ＼ ∠ ／￣￣ヽ
l .,' l / ／. .,-┬ ￣｀ヽ/ ／⌒ヽ l
l / l//l / ／ l -",r、 | これで、心置きなく引退することができる
l / . / / ／ ／ l l
| ／ / ／ く-- l | 未練はないさ‥‥
l -=,,,／. ) ／ "”"］ .ﾉ
l ＿ヽ_ ￣ j" ﾉ ／
', <＿,-‐彡 -'⌒ヽ "-''￣／
ヽ＼)／_,,-‐ ノl ,,,,,,／ ＼
＼ ヽ - ／／ | ＼
', ∠／ l
', ／ /
ヽ ／ /l
＼ ／:: | | ﾐ
ヽ、 ／:::: | .l
＼ ／::::: | |
` -- ,,＿＿, -" | |／
,-ｌ l /
/ ', ﾚ
その足跡は、半世紀以上たった今でも決して色褪せることなく、
強く残り続けているのである――――
＿＿＿＿
／ ヽ::
/ |
|＿＿＿＿＿毛＿_|＿
| )＿ ＝ ー＝┐
| ヘノ i = .人.=.ﾉ
し ￣/､__> |
ヽ人 ー （ __i_ ）ﾉ
／ ＼ヽ、 ´ ノ /
／ ＼＼ー- ' `ヽ
/ ﾞヽ ､::::::/ ﾞl
l/"⌒ヽ, ＼ ヽ ＿ _l
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やる夫と学ぶ野村克也
第２５話「純粋戦士」
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, ─── ､
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ ‘|‘ |､ ヽ.
. / ／ ｀ー ●ｰ´ ヽ
l / 二 | 二 |
| l ─ | ─ l
l | | ） /
ヽヽ ／￣￣￣￣ /
〉━━,-､━━━━く
/ ／ ヽフ ＼. ヽ
それに届く届かないで天地の差がついちゃうから
必ずしも数字にとらわれない野球殿堂のステータスがもっと上がって欲しいなあ
かつての大エース・杉浦忠の引退は、ホークスナインに
少なからず衝撃を与えた。
,. -‐=＝＝=‐- ､
xく: ∠⌒ ヽγ⌒｀ヽ:::::::::::｀ヽ
／:::::::::｛ ￣`ｰ}{一'´￣ ｝:::::::::::::::::＼ ‥‥杉浦も引退か
〃:::::::,. -‐', ＞人＜ .从:::::::::::::::::::::＼
. /::::, : ´ `ｰ㨨ヽ ＿ ノ .｀ヽ,､:::::::::::::::ヽ 監督としてはまだやってもらいたかったけど、
/:::::,′ ｛:::::::::ﾉ 丶::::::::::::∧ 仕方のないことだね
,':::::/ ´￣￣`ｰ ￣「´ ,. -‐=＝=' ヽ::::::::::::::｝
｛:γ -‐…―-. | ＿＿ .∨:::::::::|
｛/ ,. -‐ | ￣`丶 ｝:::::::::|
ｉ ,.∠⌒ヽ | `丶 | :::::::ﾉ
', ｛ | ｀丶 、 ｝::::::,′
ヽ ヽ. ,. -‐＝┴‐- ､ ｀ヽ 八::/
＼`ｰ´￣ ` "'' ‐- ,,.._ ﾉ:::/
＼ ` 八'
（三三三三三三三三三三三三三三）
√`ｰ―∠_⌒ ヽ――丶―――‐一'
｛:::::::/ 人 ♀ ヲ ｀ヽ:::::::::::::::∧
|::γ `ｰ ´ ∨::::::::::::::|
選手兼任監督としてチームを率いる立場である野村にとっても、
それは例外ではなかった。
f三=､ﾐヾi{ﾉjﾘﾊ|l | l|l|! |ｌ| ｌ ｌi ｉliヽ
,仁ﾆ≧ー''゛''"'ﾍ|l i i|l| |ｉ| | li ll ﾄl
/彡ィ',ｒ=-_､､、 ,,ｊNHﾄl､_lﾄl､l |l |ｌ|ｌ|
k彡ｲｒ;≦ﾆ_ﾐk==衫ﾆ仕ﾐNﾄl､| |l |ｌ l
/´-ﾄ《 '┴ﾟ'ヾｿl;=t{く(_句ヾYｌ}ﾄ|l | l|l l 君と杉浦は、
{ rj ｀ ｰ＝彳{ ｀ヽ二≧'人lﾊlリﾊﾘ
ヽ!| ヽ) ゝ ｀￣ lKｲﾅ" 仲が良くなかったと聞いているが
ﾄ､l ＾ー‐--､､_＿__,う ﾌ ﾑ'/
ヽl. ￣｀ー- jノ
｣l ､ /
_ノ＞'´小、ヽ、 ,. /＼＿
＿,.二ﾆ-‐フ´ ／ ／!| ＼ ｀ ｰ --‐ '´ , ｲl､ 丶、ト､__
,ｒ‐＜´ ／ ' /´ |ｊ ヽ、 __／ ' ﾊl、 ヽ ｀丶、 ／⌒〉
ノﾊ ＼ ／ ／ jl| ,' ｊゝｨ厂 ′/ｌ∧ ＼ ＼/ /
∧丶ヽ V / /ﾘ ; /⌒ｌ| ; / / ﾍ ヽ / /、
l l､ 、 } ヽ / ﾊﾉノ ／ ∧ ,' / / ﾊ ＼丿 厂＼
、_}／ﾉレｰ‐-､＼ / 、 |/'´ ／ ﾝ=c'､{ヽl ' / / }、 レ- '⌒ヽ__ ヽ
´ ／´{ ｀ヽV___､＞−-､ く /７个i/ ﾍ.0/ / ハ ／ _,. イへ＼ ＼
∧0 ﾉヽr─-､___）一´- ､／ ） ∨ / / jｌ ∨/=-、 (⌒＞‐イ _∠´ /ｌ /! ＼ ＼
{. ﾊ | {、_ ＿_＿_) ／ ／ / | / ＼ (⌒( __｀二´-‐┬' ７/ｌ | ハ ヽ
ヽ､ハ ＼￣￣ - '´ ／ｉ / ' / 'ｌ / ヽ＼ ￣ヽ、 _, ／ /∧リ-− 〉 〉
、 〈 ｀＞‐-｀ニ＞─＜ !/ / | / ＼＼,＿ ￣ 丿_∠´ 厂丶 / /
ドン・ブレイザー
, ─── ､
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ ‘|‘ |､ ヽ まあね
. / ／ ｀ー ●ｰ´ ヽ
l / 二 | 二 | 色々あったから
| l ─ | ─ l
l | | ） /
ヽヽ ／￣￣￣￣ /
〉━━,-､━━━━く
/ ／ ヽフ ＼. ヽ
杉浦の存在は、野村の野球観にも大きな影響を与えた。
_,,,,,--―――--,,,,_
. ,r-‐'´r-―-､;;;;;;r-―-､;;;｀`ヘ
,〆;;;;;;;;;/｀`ゝ､ ∨ _,,-''´ヽ;;;;;;;;;;＼
／;;;;;;;;;;;;;;l `''-l-''´ l;;;;;;;;;;;;;;ヽ でも、杉浦が超一流の投手だったことは
/;;;;;;;;;;;;;;;_,,,l ･ ∧ ･ |＿;;;;;;;;;;;;ヽ 厳然たる事実だ
/;;;;;;;;r-'´ ヽ､ ,ノ-ヽ､＿＿,ノ ｀ヽ;;;;;;;;∨
,';;;;;;;/ ｀￣´（;;;;o） ヽ;;;;;;;l それは杉浦の球を一番受けてきた僕が、
l;;;;;/ ￣￣￣ /::::::::ヽ ￣￣￣ l;;;;;;| 一番分かっていることさ
|;;;;l ――― (:::::::::::::::) ――― |;;;;|
l;;;;| ,,,- ｀￣￣´ ー--,,,,__ |;;;l
,r-―-､ i;;;l -‐'''´ ,r'´￣｀ゝ―'''´￣￣｀ヽ l;;;l
/ ヽ ',;;;l ／;;;;;;_,r-―――--､;;;;;;;;;;ﾍ i;;;l
l ／`ゝ､;;l {;;;;;r'´::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;| /;;/
ヽ ／:::::::::::::::ヾ ヽ;;;l::::::::::,r-――-,,,_ l;;;;;;;;ﾉ /;;/
ゝ::::::::::::::::::::::::::ヾ: ｀ー'''´ ｀ー''´ /／
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ-―――――――――――ｧ-､
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l::::＼ ,-‐'´｀ヽ､ ,〆:::l:::::ヽ
ﾍ::::::::::::::::::::::::::::ゝ--ｧ＼＜´ 〉-〈 ＼／r-､/::::::::::::ヽ
＼:::::::::::::::::i:::::::::<:::::::::`ゝ､ | | ,〆:::::::>:::::ヽ:::::::::::::}
１つは、野村の求めるエース像である。
チームのために身を粉にして投げること、チームの鑑となれるような選手であること。
つくづく投手は消耗品だな
杉浦忠という投手は、まさにそういう投手だった。
野村とライバル関係でもあった稲尾和久と共に、杉浦の存在はエースという称号を持つ
野球人の生き様を、野村の頭の中に徹底的に叩き込んだ。
. 鄽从く)ヽ从_,)ヽ/厶彡, ,
ミト}:::::::::/(:::::::::::::::/(::::::::::仏ｲ / ,
/ ,､ / ／ ＼ ∠ ／￣￣ヽ ゞ:::::::::::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/(::::::仏ｲ
l .,' l / ／. .,-┬ ￣｀ヽ/ ／⌒ヽ l ミト:::〉 ::::::: }i::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::::/(辷彡
l / l//l / ／ l -",r、 | ,ゝ::::/(::::::::ミト :::/:::::〉::::::::: ヾ:::::::::/彡仁}}く
l / . / / ／ ／ l l ≫::::､::::::鄱::::}::: ﾊ:::/(:::::::::::::::}ｉ::::仏彡仁}}≦
| ／ / ／ く-- l | ｰ＝ミ::＼从:::j::::{:::{ :::::}:::::::ノ厶イ〃彡仁}}ニ》
l -=,,,／. ) ／ "”"］ .ﾉ ,ゝミ冫:::〉::}ハ::冫ゞ :|:::::xぐくi}{ ミ辷彡'ﾗ
l ＿ヽ_ ￣ j" ﾉ ／ ≦ミ} i{/´ l| |:i{::| }|::ハ::l} }j ミ辷彡ﾗ
', <＿,-‐彡 -'⌒ヽ "-''￣／ ﾐ了 { i{ }八{ ﾙ′jﾉ ﾉ 勹ミ7＾ヽ
ヽ＼)／_,,-‐ ノl ,,,,,,／ ＼ ﾐ伝云八 Y 〃 7j｣怯竓 ﾗん 〉
＼ ヽ - ／／ | ＼ . }} 气≧x 》 《 厶杉tッ^ノﾞ }〉 ,
', ∠／ l N{_∧ ｀￣¨ゞ}=彡^ 三¨´ __／ ＿
', ／ / rヘ{::::::.. }廴, ／ 厂∨ :::::}}ヘ、
ヽ ／ /l ::::ﾌ::::::{{::ノ八 √ ／ , i:::::::::}}:::::::＼
＼ ／:: | | ﾐ :/ :::::: {{:::{{:::∧ } 冫 / 八:;:::∧ ::::::::::
ヽ、 ／:::: | .l {::::::::::::Vﾊ::/ ::: . `ｰ__＾ _,ｯミ ,/ ／:::::}}:::}::::::
＼ ／::::: | | {::::::::::::: V/:::::: ハ ニニ＾ ....:::´:::::::::仏ｲ:::::::::
` -- ,,＿＿, -" | |／ ゞ-:::::::::: 〉:::::::ﾑ仏 ／ ／::::::::::::::::／::::::::::::::::
,-ｌ l / :::::::::::::::/:::::ミ辷=‐ゝ....＿＿,...:::::::::／::::::::::::::::／:::::::::::;:::::::::
/ ', ﾚ :::::::::::::::::::::::::::≫::::::::::::::::::::::::::辷彡:::::::::::::::／ ::::::::::: /:::::::::::
稲尾 和久
以降生涯、野村の求めるチームのエース像は、この２人の大投手を
基盤としたものとなる。
悲しいなぁ・・・
日本シリーズ連敗記録 巨人 9連敗（vs稲尾、vs稲尾、vs稲尾、vs稲尾、vs杉浦、vs杉浦、vs杉浦、vs杉浦、vsスタンカ）
＿＿＿＿
, -‐'"´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
／/二ヽ／⌒ヽ;:::::::::::::::::＼
/::ハP_/P￣ヽ/ー-:、::::::::::::＼ ただ‥‥
/ ヽ、（::::::）ー‐' ＼:::::::::::::::i
十―- Y -‐'"￣￣￣ !:::::::::::|
_|＿＿ .| ￣￣￣｀ |:::::::::::|
(´ .| ￣｀ヽ、_ _ |:::::::::::!
ヽ-ー‐┴―--- 、r―-:、!:::::::::/
/＼ /´ }/:::::::/
ヽ、｀丶、＿＿_{ ﾉニニ!
｀T"´ﾄｰｒ-::,-ﾄー‐'i"::::::::::::|
}--< ｀"" .|__::::::::::::::::::::::|
ｌ´::::::::|￣｀フ´::::￣「´:::::::::/
_|::_:::_::ﾄー;'"::::::::::::::｀:::::::::/ヽ、
（＿＿_.」｀ゞー-:、_:::::::::::;/ ●
｀‐ 、＿ノ￣￣
,.z=='三ミﾐ=-,.､、
. __」fr三ミヾヾミミミﾐヽ、
r行ミヾ'f示ヾヾヾヾミミﾐﾐヽ
l彡三ミヾ川ヾヾヾヾヾヾミﾐl
尨ｨ三ミﾐヾ川ヾヾヾヾヾヾﾐi、
Y彡三ミﾐヾ'ﾞﾞﾞヾヾ､,斗､ヾﾘ ？
ヾ彡ﾃ'´ ヾ/ヾヾ州l
klV' ／＾`ヾ' ' ,r' ⌒刈
ヾ,ﾍ. -ｚt;ﾃ=y彡'＾ ¨´ | iー - −､_
`Tヾ(____ノ __V ,ｲ / ! ,ﾊ
／ . ヽ、''ｰ-=≠'"ノ /l 〈 /
, 〈l ｔ― ー_´ r' i ｖ / ｛
. / , 、 ＼ 丶￣ ! ﾚﾞ i
そして、それとは別にもう１つ、杉浦が野村の野球観に与えた影響があった。
現役生活への執着心、野球への情熱といったものの重要性を、
改めて認識させられたのである。
_,. ---- _
＞:':´: : : : : : : : : : : : : : : ｀ : .,
. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､
／: ＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,ｲ:／ ∨:.,＞─ ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
/: / ＼ i:, ' V: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧
/: _{● ヽ i'__,. . -‐ ' ’´ ,: : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ あれほどのピッチャーだった杉浦でも、
7ｲ´ﾍ,..-- ､.ノ! ● i `ヽ､ : : : : : : : : : : : : : : : i
7 {:::::::::::::i八 ﾉ ヽ : : : : : : : : : : : : : i 野球に対する執着心が薄れてしまえば
ー‐┼‐ 乂:;::::ソ ヽ､ ＿_ イ V : : : : : : : : : : : :| 並の選手と変わらなくなってしまう
_j_,. | ＿＿＿ ∨ : : : : : : : : : : i
'´￣｜ | ￣｀` i: : : : : : : : : : : , 哀しいことだね
ハ,.ｨ i ─z＿ i: : : : : : : : : : 7
／ . l ､ `ヽ 7: : : : : : : : : :/
ﾍ _>‐- ､_ ｀`ヽ､ /: : : : : : : : :, '
ヽ ` ヽ､_ ` :': : : : : : : ; イ
t:､__ ／: : :_;::＞::'７
,.ィ´ｰz_:::::::≧z:::-........................イ::≦:::::::::::＞'´ヽ
, ': : : : : : : ＞:y-z＿＿＿:::::γ' ⌒ヽ-＜ ヽ: : ﾍ
/: : : : : : : : :, ｲ {======} ∨: ﾑ
/: : : : : : : : :/ 弋__j:}_ノ ',: :ハ
この時野村は、去ろうとしている選手を無理に押し留めても、
お互いにとって何一つ良いことはないのだと思い知ったのだった。
しかし考えを変えてみれば、杉浦のようなベテランの引退は、選手の循環が
上手くいっている証拠でもある。
,.． .::::ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ`ヽ､
. ＼ ＼_ _＿＿__/_＿＿｣＿__ ,'. ''"´.:.:::::::::::::::､:::::::､:.:.`ヽ
. ＼ ⌒＞―- . 一=ｧ'´.:.:.:.:.:::::::::＜ ,.ィ´.:.:.:::::::::.:.｀`ヽ:::::. ........: : :ヽ
＼ / ／.:.:.:.:.:.:::::::::＼/.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::... 〃.::::::l:l:||:i:::::::､:::::::.｀ヽ.::::::::::::::::::::.:.｀ヽ
＼｛{／.:.:.:.:.:::::::::::::::::::i::::::::::.:.:::::::::::＼:::::::::::＼ ﾚ'.::::l::l:l:||:|､;;;;:､::､::::.:.ミﾐヽ::::ｨｲ::::::::::::.:.ヽ
∠.:.:.:.:／ :::::::::/::::/|::::::::::.:.i::::::::::::::::ヽ ::::::::::＼ l:!.:.l.l.:川1ﾄﾐﾐゞﾐﾐミヽ.;ﾆﾆ三彡::::::::::::::::::｝
／:／/::::::::::::::/::::/ .|::::::::::.:.|:::::::::::::::::::::.. :::::::::::::ヽ ﾘ.:;l.l.:ﾄﾄ､ミﾐヽ＞=＝'''''' `ヾミミﾐヽ:::::::::::}
. ー=彡イ / :::::::::::::::::::/ l:| :::::::∧ｉ::::::::::::::::.:.:.i＼::::::i＼ ､ _ノ,;ﾉﾉﾉ,. 'ﾆヽ｀ﾞ`'‐t〒ﾃ :: ﾐﾐﾚ' ヽ::::､::::ﾞi
∨.:.:::::::::::/|::/ミ从!|::::::厶斗ﾍ:::｝:::::.:.:.:| ＼| ） 彳i.:lj小 ,ｨtﾃ;冫 ｀￣ :: ﾉﾉ い´',::i:!:::ﾘ
ｉ..:.:.::::::::〃 {_,ハ |:::/｛,ハ ヽV::::::::::::, ﾉ V,;i.:l.', ´~ﾉ ′)_ノ/:!N::(
| .:.:.:::::/ヽ Ｖソ |/｀¨7ソ ノ:|＼:::::/ ｀`ﾊ く .:.;;;. ,..ｲl.:l.:.:.VV
. | .:.:: ∧ / |） ｝:/ ヾ', - ,. /ハi.:l.:l.::.:ﾉｿ
. | .:.:∧__, ,-―- 、 {イ|/ ﾞ､ ´ﾆ二´ / ﾉﾊl.:ﾘﾘﾉ
|.:./ｰ=:込、 ｀ー‐‐′ ／＼j .ﾞ､ ／ _ノﾉ:＼
/｣/ {__∨|＼ イ__） ＼ ﾞ､ ／,. '´.:.:::.::::::::::::.ヽ
. / 〈‐-=ﾆＬ__ -＜|:ﾉ┐ ＼ `ーｪ‐'彡'´ ／ヽ.::::::::,. .:::‐‐＼
/_＿_,/∧ ‐-=ﾆ⊥ |ー-----一 ,r'7⌒i`ヽ.::::く_／.:rｪｭｲ─- ､:.:.:.＼
_＿__／ .:.::/∧｣＞-‐ く|ヽ＼ｰ-､_＿＿__ _ / ′/:l::::::.',.:::::::,..ム______ フ´¨¨¨¨｀`ヽ､
...:..:.:.:.::.::.::.::::/〈/^i＼ 〈/∧. ＼::::::::::::.::.:.:.:.:..:.. {ぃ. /.:.:l.:::::::レ'´. : : :,r'"´. : : : : : : : : : : :.`ヽ
..:..:..:.:.:.::.::.::.::: { ｛ | ＼__＿＿＿＿__／| | } |::::::::::::::.:.:.:.:..:..:..:.. い / _／:/.: : : ｀¨`7.;;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..',
佐藤 道郎 高畠 導宏
入団してすぐに抑え投手として活躍し新人王を獲得した佐藤や、代打屋として存在感を
発揮した高畠など、野村が兼任監督に就任したと同時に新鋭選手が続々と現れたことは、
本人たち以上に野村が胸をなでおろした。
監督だからということを聞いてくれる時代ではない。
ましてや、内部に反監督勢力が内在している野村南海なら尚更だ。
r､ヽヽ ,..
l.i^iヽヽ! ｌ
`、ヽ `! ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从
`、 ` { ＜ ＞
ヽ , ﾍヘ ＜ ｼﾝｷﾝｸﾞﾍﾞｰｽﾎﾞｰﾙ ＞
ヽ' ／ ＼ ＜ 大 野 球 を！！ ＞
く ｡. ＼ ,.-､、ﾍ ＜ ＞
＼ﾟ ｡ ＼ ,.._彡ミ',ハ、 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒
＼ `ゝ､._ ,イヽ (_ノ彡, ヽ
＼ __ヽ.l. ヽi、 `i彡ﾉ// `;-
＿ ヽ-─ ￣__,..-l、 L./// ,F`
ヽ´ _. -‐'ﾆィ○l ｀` ‐_,ーｲ//,ﾄ ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人
/ヽ`=i ,.-'´, - '´,. ﾍ. _,!‐.ニ∠._,.-｀ !、 ＜ ＞
/ ／/_..i' ／'"l∠ _,.-─‐,.､ ｀_ヽ､ ヽ ＜ ｼﾝｷﾝｸﾞﾍﾞｰｽﾎﾞｰﾙ ＞
/ /‐-´-〈 イ ....＿i'_ i' r（ヽ! l'´ .i ＜ 一心不乱の 大 野 球 を！！ ＞
,' / ｉ ヽ l、`ヽ-､/{ヽヽヽ!ミミ､`、 ＜ ＞
,' i' i. ヽ l、 ￣li. i ` lﾄl `ﾞ ヽ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
i /l ヽ,.-'′ l、 lヽ ﾉ ,! `、
,l. /.{ _ l、 ! `l,.'- ´ /
./l/ ! ｌ _.- '´ ヽ. i、 l.＼-- ..._ ／
/ l l l ヽ ,.- ´ i、 l ＼
,' l ｌ l.i ´ i、l. ＼
,' l l. l. l、 _. - ´ i､l. ヽ
,' l. ヽ､_j l、 __.. - ´ l l、 ヽ
i l. `、 `､ ´ l. l、 ／ヽ,
`ヽ、l `、 ヽ l l、 ヽ. ／ ヽ
` / l `、 ヽ l l、 `
そのためにメジャーリーガーだったブレイザーをヘッドコーチとして招聘し、
シンキング・ベースボールを標榜とする野球を目指した。
このスタンカって投手たいしたことないな(錯乱)
シンキング・ベースボールを推し進める際、前提として必要となってくるのが
対戦相手の詳細な情報である。
＿＿＿＿＿
／ ＼／ ヽ ｀＼
/ | ．|． |− ､ ヽ 尾張さん、お願いします
/／`ｰ ●ー ′ ＼ ヽ
__l 三 | 三 ヽ ｌ
.＼_＿_＿__|＿_／￣｀ヽ ｌ |
. l | | /⌒ヽ
| / ⌒ヽ⌒ヽ | |ヽ＿ノ
. ､ｰ┴─────┘ / / ﾉﾉ
＞━━O━━━━/ /
/⌒ヽ ／ ＼ |
,----,
.!三三 ',
,.|三三三iー‐‐, チームのために
, イ;;| 三三三i_;;_;;_;ﾞ'
,イ;;;;;;;,'|圭圭 圭i 三 i;;;;ﾞ, 協力させてもらいますよ
i;;;;;;;;;;;;;/;;i .,.--､-.!三_i;;;;;;;'､
,,ｲ;;;;;;;;;;;;'-,;!,,_ゝ-ｲ__!-,';;;;i;;;;;;;;ヽ
i;;;;;;;;;;;;i;;;;;;/;;;', /Y,ﾞ,/;;;/;;;;;i;;;;;;;;;;i
l;;;;;;;;;;;;i;;;;;;ﾞヽ､',/,-, 彡;;;;;;,';;;;;／
l;;,, --!,,!＿, -‐i ,ｲ;;;;;/;;;,ｲ
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;,,, ｲi";;;;;;;;,', ｲ
ﾞヽ;;, --‐''";;;;;;;;;i!ﾟ;;;;;;;;;,i!ﾞ',
,ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!。;;;;;;;';;;;;i
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; イヽ､;;;;;;;;;;/i
尾張 久次
相手がどのような能力を持っているか、それを参考に誰を攻め
どこを攻めるか算段するのだ。
野村はスコアラーの尾張を各チームに派遣し、情報収集に躍起になった。
しかし南海ホークスは、１２球団屈指の貧乏球団でもあった。
スコアラーの人数も限られ、あらゆる情報を即座にかき集めるには絶対的に
人手が足りない。
/::::;;;:::::::::::::::;;:;_;;ｨ''´ ヾ::::ヽ
{::::::::::::::::::::::::;/ ‐-‐ ｀､:::}
.{:::::::::::::::::::::::',; ,.=＝=, ,.= ｙ'
',::::::::::::::::::::::ゝ =ｔﾃ （=ｔﾃ すいません
'r⌒t、::::::/ =-‐ ヽｰ､
. { ∂; ｀ ､」 u , ）} 予算の都合で、これ以上の
ヽ ヽ ﾞ ..,,,.. ゛^ ‐´/ スコアラーの増員は出来ないのです
｀ｔｲ、 ｰ=＝‐ｌ
／ｌ "'‐ ,, ⌒ /
/::::/ヽ、 ...,,,＿/- ..,_
ｲ::::::::ヽ 丶 ／ｌ::::::::::::::::::"' ‐-
_ ＿＿＿_
,,-´ ＿ _` ヽ、
／ ／ ／|＼＼ ＼
/ ,,,−|／ /|ヽ ` |- ､ ヽ. しょうがないなぁ
/ ／ ヽ ＿ | ＿./ ＼ヽ
| / ● || こっちでも情報集めるか
| | ／ | ヽ |
| | / ／ | ＼ |
| | / ／ | ＼ /
/ ＼ | / | ＼ /
/ ＼ヽ ／￣＼＿|__／ヽ ／
| ヽ━━━━━┯イ ´
. | i＼ ＼ （T） ﾉ ﾉ
| | _＼ ＼ ＿ ／ ／
| | ＼ ＼（ ）／|
そこで野村自身も、スコアラーという形とは全く別の角度から
自らの手で情報収集を図るのである。
野村が活用したのは、ちょうどこの年、７０年オフに実施された選抜会議こと、
プロ野球・トレード会議だ。
. . . - ＝＝＝ -. .
, : ´.: : : : : : : : : : : : : : : : :｀ : ､
,:': : : : : : : :x --､: : , --ﾐ: : : : : : ヽ
_ /: : : : : : : :7 .Y V: : : : : :.ﾍ 新しい試みのようだね
７:.ト: .__: ＞ { ! .L_: : : : : ∧
,': : : :.／｀ヽ.人 ー'.人Q ノ _≧=---:. これを利用してやろう
┼─/---- ￣(:ﾟ:::::)￣ ´ ∨: : :!
|: :./ ＿,. i x=ﾆﾆヽ.─V‐ |
',-{=ﾆ´ l /:: :: :: :: :ﾊ､_ i : 7
',:i ｀丶 l ',:: :: :: }::_:_j_ l｀:′
',:, ＼ l ヽ::ｘ '´ ':/
ヽ, ＼_ ｜ ,. イ 〃
j＞- _ ￣￣ _,. イ=､
,':::::::::::::＜::::r====t-=ﾆﾆ斗::': : : ﾊ
i: : : : : :.ﾍ 弋_()__ﾉ￣｀ヽ:/: : : : : /
l: : : : : : :∧ γ´￣ヽ＞'
|: :｀ト:_: : ---─=＝＝{ ﾘ:|
|: : :l ', ﾌ┬:': :l
|: :.∧ ヽ、 ／/ /: : : l
１１月１９日に日生会館で行われたトレード会議は「１２球団の戦力の均衡をはかる」
という名目で、この年初めて実施されることが決まっていた。
野村はこれに目をつけたのである。
トレード会議は、各球団が保有選手の２割にあたる選手をリストアップして会議に提出、
そのリストからドラフト同様にウエーバー順で指名していくというものだった。
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| |
| 交 |
| |
| 渉 |
| |
| 権 |
| |
| 獲 |
| . - 、 .|＼
| 得 f{ j. .| ＼
| l ｰ= '’! | ＼
| l ｌ |. . : ヽ
| :! .; |/: . }、
| : :. /: . 人ヽ
| ‘ V : . l
ー―――――――‐} ', . |
| {､＿ イ/! |
人ヽ :}:ｲ |
＼ﾉ: :{ l
{: : :. .:
人 : ゝ .:、
＼: :＼ .
＼ : : . ＼
１巡目で指名された選手は参稼報酬プラス２００万円、２巡目は指名選手の参稼報酬プラス１００万円、
３巡目以降は指名選手の参稼報酬のみというもので、現在でいえばドラフト会議とトライアウトを
融合させたものに近いかもしれない。
裏方さんも地味に金かかるからねえ・・・
しかし、どのチームも自軍の有力選手を他球団に提供するという愚かな真似はしない。
_........._
ｒ'ﾆ´ ｀ヽ
ｊ7⌒ーー-、.〈 「戦力均衡」なんて言えば聞こえはいいけど、
〈{へ, {-一〈 _〉 敵に塩を送れと言ってるようなもんだ
ｒ{´７ ￣ 「 }
, -‐ﾍ-, `} 'ｒ‐ﾍ ｒｲ そんなことはできないよ
} ﾆV __{ヽ. '‐ '_／_l'_
,ｒl ｒ､} __.. -‐ ７ ヽ. ￣>＜ | ヽ-､
|`ー '-１ ／ └-;;へ／Vｲ V}＼_> ＼
| ： { / ヽ､ ｒ ´ ＼ }:{ / ＼ ＼
'l ： ! > ヽ ヽ､ ヽ:∨ , ' , } ｒ‐.､
｜ .{┴---ヽ } _ 丶､ ﾞ,-､／＝＝ / / , ､`ﾞヽ丶､
| { _ﾉ/ // l７ `‐ ｊ::::ｊ .〈 L_＼ﾍ ｀「Vﾄ.
ヽ _..-＜ __//＿_」L＿＿_ﾞ{~}__.ｒｒ─‐┴‐┴―ﾍ | ﾄ|「_
ヽ_ - ´ _＞'_」＿＿＿＿＿＿＿ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ }
_ ´_ ´| ,二二二二二､￣￣￣￣￣￣.}
_ ´_ ´ ｜ ｊ , -‐- 、 l .|
_. ´_ ´ | l / ', | |
実際に提出されたリストに記載された選手の大多数が、戦力外や自由契約の候補ばかり。
中には打撃投手やブルペン捕手を一時的に選手登録し、数合わせとして記入した球団も多かった。
しかしそれこそが野村の狙いであり、待ってましたと言わんばかりの展開であった。
_ . . : -------- : . . _
. ｬ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ｘ
, ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾍ
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ 打撃投手やブルペン捕手
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ', のような裏方はね
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i 彼らは彼らで、とても重要な
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | “情報”を持っているんだよ
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :j
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,′
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 7
/ ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
{ .ﾍ ＼_: . : . : . . . _ヽｨ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : : : : :.／
.i ＼: ヽ ＞----ｪ彳: ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : : :.／
＼ ＞ｘ ー '´: . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
i: ＞-＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／: :ヽ
.|: : : :7テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : : :.∧
.八: : :.{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : : : : :∧
ヽ__:i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ハ
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
キャッチャーが「女房」と呼ばれるのと同様に、球界には「恋人」と呼ばれる存在がいる。
それが投手にとってのブルペン捕手であり、打者にとっての打撃投手だ。
r:::.:..:....､
ﾉ::::::::::::::i
,ｨ≦三ﾊ:::::!
_ ￣Ⅶ Yﾌ ￣｀ヽ
.ィ:::::::)1≧x ／ゞ、 _/l| _/:::::.. 、
人::::::::::::::::::ﾌ-! ′ 弋三ｿ ／.:::::i:::::::∧
| {::匸三三{::ト| ﾄ-=≠＜ / ..::::::∧:::::::∧
_, -=Ⅷ≧ｭL｣Ⅳ´ Ⅵ:::::::::::::≧}:::::才 }≧::圦
/´ /⌒`ｰ=≠=彳.ｨ´￣｀ヽ `寺:::::::::::::.`ｰ= (::::::::::::ノ
／ }`圦_＿Ⅵ/" . : : : : : ｉ |｀ヽ ￣〉ｰ=::::::::::::::::::::::::::::ト､
.ｨ`ｰ=≠.ｨ≦:::r= 7. : : r一 . : 人＿＼ ／ ￣ﾌ=- 一”ｰ'
/ ⌒ ￣Ⅶ::::才ｰ=xｲ: : ⌒. : 才"_＿):::Lﾉ / ／.:::::: ￣￣￣〉ｰ= 、
} _,ｨ≦圦::::::::::::::::::::〉"￣/.:::才 ヽ l ／｀ヾ:::::L.. . . _＿＿/_/Ⅷ:::圦
`ｰ１才⌒ヾ::::):::::::::::::／/ 》::::i / | { ￣￣ Ⅵ::::::|
｢廴_ -=１ヾ￣￣} / .ｲ { 弋 テ | | `寺ﾉ
ゞ=- ,ｲ ,ｲ廴} r' | |
ﾄ､_＿/`ｰ=''⌒ｰ=≠''/ヾ( -=' | |
| _＿}{ｪｪ r=1 / _/ ト、 |
_人_＿/} .ｲｰ= く_＿ _| ｰ=}
ｨ≦::::::::::::Ⅳ ゞ::::::::::::::::::::::) ／.::::.｀ヾ ﾉ
`ｰ=≠≡ｲ `ｰ=≠='' { .:::::::::才"
￣
彼らの中にはチームの選手たちの得意や苦手なコース、また投げる時や打つ時の癖を
知り抜いている者もおり、主力選手たちは必ず自分とウマの合う打撃投手やブルペン捕手を指名した。
巨人の中心に据わる長嶋茂雄や王貞治には、それぞれ専属の打撃投手がいたほどだ。
野村は、前年リーグ優勝を果たしたロッテオリオンズで打撃投手とブルペン捕手を
兼務する選手をこのトレード会議で獲得。
______,,,,,,,,,,,,,,,,______
,,,,:::::::ﾞﾞﾞﾞ､-‐‐-､:::::: -‐‐-､ﾞﾞﾞﾞ:::::::,,,,
,,::"::::::::::::::/ ヽ/ ヽ:::::::::::::"::,,
／::::::::::::::::;;;;l ●|＜ l;;;;::::::::::::::::＼ つまり、彼らを獲得することが
／:::::::::::: ''" ヽ. ,.-‐-､ ノ "'' ::::::::::::＼
/::::::::::／ ｰ-､,,,_ ￣´l::::::::::::l｀￣ _,,,､-‐ ＼:::::::::ヽ 情報収集にも繋がるのさ
i':::::,､-‐-､. ｀'''‐- `‐-‐' -‐'''´ ,.-‐-､::::::::i,
i'::::/ ──----- | -----── ヽ:::::::i,
i':::::{. -----‐‐‐‐‐ │ ‐‐‐‐‐----- }::::::::i
.|:::::i ヽ., _____,,,,,,,,|,,,,,,,_____ ,ノ i:::::::|
.|::::| ｀'t‐----‐''''''´ ｀''''''‐---‐t''´ |::::::i
i::::i i i i:::::i'
.'i:::i i i i::::i'
, -‐‐- ､::i, ヽ. / /::i'
/ ヽi, ヽ ／ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ"'‐--‐'"ﾞﾞﾞﾞﾞ＼ ／ /:i'
{ } ヽ ＼ / i／ ./'´
ヽ ノ:::::::＼ `''‐-､,,,,,,,,,_______,,,,,,,､-‐'´ ／
｀'''''''''t":::::::::::::::::＼,,,,__ __,,,,,／
＼::::::::::::::/;,,,,,,,,"""'''''''''''''ゝ‐-､''''''''''''''""",,,,,,,}
＼::::::/:::::::::::"""'''''''''''''{=＝=}'''''''''''''""":::::::ヽ
＼:::::::::::::::::::／ `ｰﾞ‐" ＼:::::::::::::::＼
翌年には同様に、阪急ブレーブスからもブルペン捕手を獲得することで
多角的な情報収集に成功するのである。
行きついた先がスコアラーもろくに獲れない貧乏球団の選手兼監督とか皮肉が効きすぎてるんだよなぁ…
ちなみにこのトレード会議、肝心の成果の方は芳しくなく、参稼報酬が発生する１、２巡目は
各球団とも余計な支出を嫌がってか全体で指名されたのは僅か１名。
３巡目に入り、ようやく１３名の選手が指名されるに留まった。
_........._
ｒ'ﾆ´ ｀ヽ
ｊ7⌒ーー-、.〈 そりゃそうでしょ
〈{へ, {-一〈 _〉
ｒ{´７ ￣ u「 } 首一歩手前の選手獲る
, -‐ﾍ-, `} 'ｒ‐ﾍ ｒｲ ようなものなのに
} ﾆV __{ヽ. '‐ '_／_l'_
,ｒl ｒ､} __.. -‐ ７ ヽ. ￣>＜ | ヽ-､
|`ー '-１ ／ └-;;へ／Vｲ V}＼_> ＼
| ： { / ヽ､ ｒ ´ ＼ }:{ / ＼ ＼
'l ： ! > ヽ ヽ､ ヽ:∨ , ' , } ｒ‐.､
｜ .{┴---ヽ } _ 丶､ ﾞ,-､／＝＝ / / , ､`ﾞヽ丶､
| { _ﾉ/ // l７ `‐ ｊ::::ｊ .〈 L_＼ﾍ ｀「Vﾄ.
ヽ _..-＜ __//＿_」L＿＿_ﾞ{~}__.ｒｒ─‐┴‐┴―ﾍ | ﾄ|「_
ヽ_ - ´ _＞'_」＿＿＿＿＿＿＿ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ }
_ ´_ ´| ,二二二二二､￣￣￣￣￣￣.}
_ ´_ ´ ｜ ｊ , -‐- 、 l .|
_. ´_ ´ | l / ', | |
翌年も実施されたが更に移籍事情は冷え込み、移籍選手の中で特に活躍した選手も現れず、
結局トレード会議は僅か３年で打ち切りという憂き目に合う。
いやまぁ野球で培った目敏さだけどw
その後１９９０年になって、セレクション会議と名称を変えて同様の企画が
再び行われたものの、この時も同様の理由で低調に終わり結局実施はこの年限り。
＿＿＿＿＿＿＿
_ ´::::::::::::::::::::二二ヽ:::::＼__
,. ´::::::::::::::::::::二二ニ丶::::::::::::::::＼
／::ﾆ:::::::::::::::二二ニニ丶:::::::::::::::::::::::::ヽ
/／／::::::::::一＝ニニ:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::ﾊ.
/::／:::::::::―一＝ﾆニ::::::::::::::::::::､::::ヽ::::::::!::::::|
_,/::::::ﾆ二:::::::::::::::::::二二ニ＝::::::::::|:::::::|:::::::|::::八
/{:;:イ:Ｘ⌒ヾﾆ::::::::::＝ニ二二::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::::::ﾊ
/ｨ/ /´ ＼、 ー====ﾆニ彡ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::}
{ 厶-――-､}} ,r=＼::::::::＼:::＼:::::::!:::{
,．-〃/ ＼、--､ ヽ ／ ヾミ､:::＼:::ヽ::|::::} おっ！ 広島の○×と△□が
＿＿,．-‐ｧ′/.l{∧ ヾ弐ぅ } ,r==＝'′_,. -―― ヾ:::::::::::::::/ トレードされるみたいだな！
／ ,.ｲ ｀トヽ._ ￣｀人､〃 ／´￣￣ ＼ Y::::::::ハ、
.／ /.:.| .ﾊ }}￣￣,rテ^ヾﾆﾆ{ _,. -――'， }:::::ｲﾆYﾊ--､
-‐'′ ./.:.:.:| / |__ルx=f´/ ﾉ '､ ｀ヾ弐ぅｰ;}r===＝ァ'´} {ﾘ| '. ｀ ｰ-
./.:.:.:.:.! :{/´|￣｀}{ Y´ Y⌒ヽ ＼ ￣￣ﾉ / ノ／.:l '.
＿__ ｆ:.:.:.:.:.:.＼∨ ;;''´｀;廴__ノ-一′ ｀￣￣ _,ｘ≠ｘ;ｧ'´／ l:.:.:.! ヽ
/／⌒＞ー､_:.:.:.ヽ;'';''´ ｀ヾﾆﾆヽ,;:'';, ､_,x=彳ィﾘ /‐'´ /.:.:.:! ＼
（＿,／ },;:'';; ;; `ー‐;;' ';, ,;'';, _ノ´ イ ｀Y/ .／.:.:.:.:.|
／） ;,, ｀ﾞ;￣};' ｀''´ ｀'; ／―一'´ ／.:.:.:.:.:.:/j
⌒ ｰ‐;‐ ''´／,, ;;''"´ ,,{;,, ,;''イ ／.:.:.:.:.:.:.:./:/
／^ｉ／⌒ヾ. ｀':;ｰ;;'' ｀ '; / ,．-一 '´.:.:.:.:.:.:.:.／:/ ← その際、セレクション会議の内容を
.／ ／ } ,;;'´ ';, ';; ;/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:/ マスコミにばらして怒られたお人
田淵 幸一
１２球団の善意を当てにした形で戦力均衡を目指すのは、やはり無理があるようである。
さて、そうして野村や尾張がかき集めていった情報は、シンキング・ベースボールの
真価を発揮するのに大いに役立った。
/ // ///:| | / | / / / // ! |/ ／/ / ／ ／ ／
/ // /'|/|/! / / / /ィ/ /¨//｀ヽj/／/ ／ / ／ ／
/|// / | /| / /─| |/ |/ // |/／|// / ／
∧| /^ヽ/|/_｜ /´￣! / ー-=ｚｘ､!/ ＼ ／ ／
Ν/ ,; ヽィ'７'/ |{! ゞミ､弋えﾗﾐ､厶イ;; ,; ;
∧{ 〃 {ﾉ/,/ l|八 ⌒ヽ ｝} }lト;; ;' シンキング・ベースボールとは
{ V //ヽ｜ ＼ ￣￣＞’ √＼＼三≧
Ⅵ {::.. |/ /｀ヽ ＼ ィ仁二＼＼/ 相手の情報を元に確率の高い
|ﾊ ∨ ｛ {r‐､ `ー一r≦シ⌒￣ ｀ヽ/ プレーをするというものだからねぇ
Ⅵ} / ＼ ￣ ヽ
r=/ ;ﾟ ト=- r─ ─一〉
ノーﾉ;ﾊ { ヽ‐=ﾆ=‐ ヽ フ::::／
イ′ | ﾍ '; ＼‐=ﾆ三ニ=‐ ､ ＼ .:::::::;/ヽ
一 7厂´ | 八ﾊ ＼‐=ﾆ三ニ=‐- ､ヽ ￣
/ ｜ ＼ ＼ ｀ ‐=ﾆ三ニ=‐ヽ＼ |
/ | ＼ ヽ ｀ ‐=ﾆ三ニ 〉 ﾉ
そして最近恒例になりつつあるブレイザーのシンキング・ベースボール講座、
今回はバッティング編である。
バッティング面において、まずブレイザーが重要視したのは打線の組み方だ。
_ ＿__ _
, '´ミ:.､ ､ :.､｀ :. ､
／´三｀ヽヾ ＼ヾ:. ヽ
,'三ニ ヾ､ :.ﾐ､＼＼_ヾ:､ } 打線‥‥線という言葉が使われているからには
／￣ ｀ヽ /≦三:.､ ミ:.､＼ ヾ:､ ｀ヽ.:｝､ バッター全員が繋がっていなければならない
ﾉ ー‐､'´￣ ) ヾ.＞ー- ミ:.､ ミミミ､ヾﾍj |::Y}､
. ｲ .::::彡'／￣ ∨! ｀ヽ＞≦＞/ Y:::' :::::.､ そのために、彼らにはそれぞれの役割を
} i＞＝ミ､_ノ´｀Y ＿{ii:､ r彳´,.:ゞ:仁=､ !,' : : '. i＼ 果たしてもらう必要がある
{￣ ー-､_Y:／. ム/＞､r- <ゝ,､____.ﾉ ノ!' ,::'. |}､ ＼
| ｀i ::::::::::::::/. ,'/////,ﾍ.__八__,.: ,.:±'ﾞ ﾉ〃. !、＼:.＼
| ! .::::::::::ﾉ {/////＞:::｀::.､:::._ ﾞ´ .,ｲ::,' | ＼o＼ ＼
| ! :::::::〃 //＞ ' : : :::::::／/ /⌒ヽ.〃 ! ＼_ﾉ '
.. }､ ._jｿオ´{ ＞ ' ＞{´ ﾚ;ノﾍ 〉 ﾊ'´￣
|ﾐ＝彡'´ ﾑ}'´ ,.: '´>ﾑ＞ ´〃 ,:ゞ=/ .' {.,
. 〉＞'´￣z彡､ ／／／:´,.ｲ彡' ,ｲ 〃 '／´
／´ ,ｲ￣￣ヽﾐ}､＞ﾍ∧ } ゝ . _／--,_' ,'
. ∧ / .::::::::/ハ ＞ ' ﾞ ´ ,ｲ ＼ ,＿＿__
∧/ .::::::::::/＞ '゛ ., ' ＼ 人 ｀ヽ
. ,' ...:::::::::::::::::/ー―――――／ ＞ ﾐ.､//＞.､ ∨
/ .::::::::::::::::::::::/´ ／ ,. - ､ i ∨////} }
} .:::::::::::::::::::::/ ,'- ､: , } ﾑ ∨/// /
| :::::::::::::::::: ,' ,:ﾊ ヽ/ j. ﾑ .∨/ /ヽ
| :::::::::::::::::.ﾉ ,ｲ }. ,ﾍ｀ー ﾍ ﾑ ,ﾍ:.. / /
| ::::::::::::／ ､ ／ ／∧´ .∨ :. ｀ー--ﾐ＝彳::::ﾍ ,ｲ . /
| ::::::::::{{::::::.､＼ / ／ .ハ :､ ｀ ￣::::.ﾍ:::::::::::::::/: : :/
r､ヽヽ ,..
l.i^iヽヽ! ｌ
`、ヽ `!
`、 ` {
ヽ , ﾍヘ
ヽ' ／ ＼
く ｡. ＼ ,.-､、ﾍ
＼ﾟ ｡ ＼ ,.._彡ミ',ハ、
＼ `ゝ､._ ,イヽ (_ノ彡, ヽ 私が理想とする
＼ __ヽ.l. ヽi、 `i彡ﾉ// `;- 打順ごとの役割は以下の通りだ
＿ ヽ-─ ￣__,..-l、 L./// ,F`
ヽ´ _. -‐'ﾆィ○l ｀` ‐_,ーｲ//,ﾄ ９番は投手となるので除外した
/ヽ`=i ,.-'´, - '´,. ﾍ. _,!‐.ニ∠._,.-｀ !、
/ ／/_..i' ／'"l∠ _,.-─‐,.､ ｀_ヽ､ ヽ
/ /‐-´-〈 イ ....＿i'_ i' r（ヽ! l'´ .i
,' / ｉ ヽ l、`ヽ-､/{ヽヽヽ!ミミ､`、
,' i' i. ヽ l、 ￣li. i ` lﾄl `ﾞ ヽ
i /l ヽ,.-'′ l、 lヽ ﾉ ,! `、
,l. /.{ _ l、 ! `l,.'- ´ /
./l/ ! ｌ _.- '´ ヽ. i、 l.＼-- ..._ ／
/ l l l ヽ ,.- ´ i、 l ＼ ※この頃はまだ指名打者制度導入前
,' l ｌ l.i ´ i、l. ＼
ブレイザーが求める打順ごとの役割
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┃ １番 チャンスメーカー、リードオフマン
┃ 足が速く選球眼が良い選手
┃
┃ ２番 出塁した１番を進塁させる役割
┃ バントはもちろんバットコントロールが上手い巧打の選手
┃
┃ ３番 クリーンナップは当然、ランナーを返す役割
┃ 時にチャンスメイクしてもらう３番は３、４、５番の中で
┃ 最も足が速い選手を置く
┃
┃ ４番 言うまでもなく、チームの大黒柱
┃ 最も信頼が高く、長打力のある選手を
┃
┃ ５番 ６番 ７番は信頼度の高い順に
┃ 選手の調子や対戦投手との相性で入れ替える
┃ 打てる選手はなるべく固めるのが良い
┃
┃ ８番 足が速く、積極性のある打者
┃
┃ 人
┃ <｡ .>
┃ ∧∧ /Vﾐ ﾊﾞｼ!!
┗━━(´･ω･`)/ ミ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/) y )つ
|~￣]￣￣￣￣￣￣|
_ /＾￣￣¨¨¨ーrm,,
i ^^´ ＼ ＼ ＼￣＼
_人ヾ＼ ＼ ＼ ＼ ｀i
ﾍ i ＼ ＼ ｀i ヾ i
|三ミ ||||＼ i | | |
レ ミ／:::::::::i | ｜ | | | | ８番打者においては補足をしよう
〈 ;^::::::::::::::::::|| | || ||｜|| | | | |
.レ／i::::__ｘ≠x v | レ＾,-三=テヽ//,/ 次を打つ９番は、ランナーがいる時のサインは
l（＼ r´r´＿土ヾ示~^|≦ﾐゞ" || ノ ほとんどの場合がバントだ
ヾヽ＼ｒﾍﾆゞﾟ"｀ }t‐ｰ´＼;;＿_／ |/
＼::|::＼_:::::::_,／^|::: ::::::::: _ﾍ .| ＼,,,...,, バントの成功率を上げるためには、
ゝ.|:::::::::二:::::::;;;;;___;/_,,,ェｦ .|＼ ＼::::: ランナーが俊足の方が良い
/.∧:::::｀ヾ-=;;;ー二二ノ´ /||＼＼＼
_┌ー¨¨/ ;;｀＼;;::::::::-￣:::::" ／´;;;;;;| .;i:::::::::
ーー¨¨¨/;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;||||｀"ー;;;;;;;_;;;;;;-"´::: || ＼
＿＿,,,../;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::|:::::::::ﾍ||||::::::::::::::,ﾍ ＼:::::: :|;;;;;;::::::
,. ＝i/∨i i iへ.,
ハ丶丶//∨i i i i i i へ
ハ丶ヾ ' ' ∨i i i i i i i i i i ,
ﾊ ,.=ー=., ,.=-^ﾚi i i i i i i i i i 積極性が必要なのは、チャンスで回ってきた際に
├( ノ二( 'iｼi i i/i i i i 次の投手に代打を出せない試合展開の場合、
( } ￣ く _ 丶＿ へﾚ/ﾊi i i |
. v ,',.＿ 丶 !.i'’ソ / たとえ３ボールのカウントとなっても、甘い球が来たら
i i 彑彑彑彑彑 ) , ノノ,/ 打ちにかかる気概を持っていてほしいからだ
人 ,、册册册册’, /ﾃテ
. ／'-,ヾ二 二￣ ノ彡’ヾ.,_
／ ヽ::......￣........-=三’ / ト,_ _
,:’ 〃^i;::::_;: - '’ / ｜ .{ {ヽ
,.・∨ /i .i’ヽ、 ／/. | /”
’ ∨ /ﾉ ル ,ゝ ／.∨ |/
∨ /レ'=o＝> 丶, 0/ ,/ |
’ / ハ ノ /i ヽ’／/ .i,.・’
ﾊ,:' / i . / / |
=.,＿ ﾚ .ﾉ i ノ ./ | ,'
／／'＝く く ,.- ’ ./ .| ir’
∨/ V .／ /- 、 .| |
∨/ V／ / ヽ、 | ヽ
ホークスの監督タブチくんは別人ですから…
___
,ﾍ´} r―‐=≦＼＼ｰ‐- 、
ィ ,ﾉ｛ /ヽ∨∨∨∨∨∨ ‘:,
｛ {-｛. ／） . | / ∨∨∨∨∨∨V }
_｝｝ ‘,_/ ,′ l/ゝ､}ハ∧ハ∧ハ∨{ 無論、２死ランナーなしで回ってきた時は、
ﾉ { . r=ミ,__r―＜zzﾊ{-<∨} 次の回の攻撃で１番から攻撃を始められるよう
__／ / . 人_ ﾉ=乂___,ﾉ ん'|∧!
_／l{ ／ l （_ ﾉ＿___ ィ 厂Ⅵー‐ 出塁することも心がけてもらいたい
¨¨「／／{ ,′,∧ 〕:.:.:.:.:.ア ,ﾉ--/
=≦:./ ｛ 厂 / /丶｀¨こ´ ｡o彡 ,.′
―＜ ‘:, ／ ＿/ ≧=≦ /
‘:, ‐=彡 | / ｝ ‘:、 /
:, `:, ＿＿l ,′/⌒7´＼,′
‘:, / ,′,' ｛ ,′ 厂￣
_,,,,,､__
___{r､ ',¨ヽ､
, '´ Ⅷ'， '，i ヽ
r'’ ｀ヽ､ Ⅵ:'， i l Y そういう意味では、私は１〜７番と８〜９番で
{⌒ヽr'ﾞﾞﾞﾞ`ﾞﾞﾞ} ll ll ! } 打順を区切るべきという考え方を持っている
{ ,ｲ" } l ｌ| l| l }
Ⅵ ,ｨ⌒ヽ 刈'⌒ｌ|､| j 最もチームバッティングの勉強ができ、
／{ ﾄ､r━━ﾐｰr━━ﾐﾘ'}､ 打順的にも失敗が許されるのが８番打者なのだ
／ 八{`廴＿ノ¨¨廴＿ノ'}ﾉヽ丶
／ / { .,､ ､j:,. ,､ 八 ﾟ， ＼
／ .{ 込 ^ー=ﾆﾆ=‐'^ ノ ｉ ＼
／ :{ ｀ー､ ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ ノ´} .} ＼
/ | ∨｀¨¨¨´∨ l ／＼
また、チームバッティングの代名詞である進塁打においても、ブレイザーは
従来の日本球界の常識とは異なった考えをチームに広めていった。
,斗'¨¨¨¨¨¨¨¨¨｀ヽ､_
r‐'”ヽf^Y⌒^^⌒ｰ^ｰ^Y､廴
r'＼＼ {ト､丶 丶 丶丶 ﾞ込
,ｲヽ､ ヽ八Ⅷ､ ＼ ＼ ＼ヽ ､ ﾞY
/-‐ ､､州拆 Ⅶ､ ヽ ヽ､ } 日本の選手は、進塁打と聞くと誰でも
} ／￣シ´ Ⅵ＼＼Ⅶ､ﾄ､i､ｉﾊ 「セカンド方向に転がす」と考えるようだ
{ ／ ノ l|ｌﾊiﾄ､i､ヽi|i|ｉ|ｌ|ｌ|_}
Ⅶ,ｲ ﾘ|| ｌ|ヽﾄ､ｌ||ｌ|ｌ|ｌ|ﾉﾘ しかし、それでは考えが足りない
fヽ{,,ｨ竺ミｰ-､__j ﾞﾘ､l|_l|斗l|刈ﾘr |
{ ﾄヽf´￣￣￣ヽ___f´,ｨﾓﾁｱ }}l) }(￣ ー──‐- ､＿___
八.ヾﾄ{ }ﾆﾆ{ ゛｀ﾞﾞﾞ´ ﾉ |‐':: ＼ー──‐-ミ ＼＼__
,斗'”ヽ/ﾞヽ{ 乂＿＿_ノ￣i⌒ー─‐'┐}:i:i: ＼ :i:i:i: :iﾞー‐┴┘}⌒ｰ-､
,斗'”(:::::)ノ/:i:i:i八 ､＿__ ‐､j_r‐' ___ノ ﾉ/l:i: :i ＼ :i:i: :i:i: :i:i } :i:i:i }
_,斗'” .＞'” ./:i:i:i:/:i会｡ ｀ｰ-ミー─彡'´ ,ｲ :}､:i: i. ∨ :i: :i: :i:l :i: j､
r─＜￣ ＞'”:i:i:i: /:i:i:i:/:i:i∧:::≧s｡ ｀¨¨¨´ .,イ . :.|::}:i: i: ∨i:. :i: |i:i: /i: ＼
,イ⌒ヽ､ ＼＞'”i:i: :i:i: /:i:i:i:/ :/:::ﾄ､::::::::..｀ ー─=≦ . : :.} Ⅵi: i. ∨i:. |i:i: /ｉ: ＼
/ :i:i:i:i:i:i:i:ﾞ寸’ i: .:ｉ:ノ:i:i:i:i{ {:::::{::Ⅵ:ﾞ": : : /Y⌒Y､. : : : :/ :Ⅵi. :i. ∨i:. 丶 :}i:i:ﾉ/i:. ＼
. / :i:i:i:i:i:i: 丶 i: ／:i:i:i: / |::: :ﾄ､}}:.0: :／ 〈::::::::〉 ＼:0/{ :. Ⅵi:. :i: ∨i:i:. ＼ ﾉi:i:i/:i:. __ ＼
/ :i:i:i:i:i: ヽ ／:i:i:i:i: /: ﾊ::. {::::＼／::::: 〉::〈 :: ﾞ´,ｲ :::. Ⅵi:i. :i:i. ＼:i:i:i:i:i.ヽj:/:i: .:i:'´ ／
./.:i:i:i:i:i: ∨:i:i:i:i /:i. j::}::.ム::::ヽ: ﾞrｲ(0)ﾄ､ :/ j ::::: Ⅵi:i:i i:i:i:i. ＼:i:i:i:i:}':i:i:i:i:i:iﾚ'”
もしかしたら逆にこれが広まって日本的となったのか
__＿＿＿_
. ／￣￣ ／￣｀ー─ヘ ノ7
/ ／ ／ ／ /{
. / ／ ／ ／ ／ //,L.
′ / /- }
i /ｲ.//.i ! / ／ ./ '/ }
| ﾉ / !.! .|:i. /_,,／ /／/_ '/ 誰でも考えるということは、
| ｲ|:|:i:|:l /／ __ヾ__,/Ⅶノrヘ! 当然相手もセカンド方向に打たせたくないと考える
ｌ :i| 从|从|／=Y斗t_ｯ-ヽ乢rｯミﾄ､
} :lト. 〈 | | 人 ミ 彡 }ー{ミ彡 ﾉ ピッチャーは流しにくい内角にボールを投じる上に
ノｲ|:|:i:|＼ ｣ ＿_ ー‐ 、 {ー‐〔 _ シフトも敷かれるだろう
从|从川l| }r‐ (.__ ） , : : ヽ
/∧乂从! 从 `ー===‐--‐7 .′: : ∧ それでも頑なにセカンド方向を狙うのは間違っている
∧:. 人. ヾr､::::____ ｿ{ / . : : :∧__
. ∧ ＞ . こ二ﾆ ｒ丶 . : : :i:川:i了
∧ 乂 心、 _＿＿ ノ ＼: : 从|:ｉ:i:ト..., _
〉 ∧,＿_ ＞-≠-＜!ｉ:. 丶乢Ｉ:i:i:i|:i:７ ト .. __
∧ .:i:i:i/￣ヽ |:i:i:. ＞--＜.ノ .＼
.′ ∧:. ＿/､ :Ⅳノ:i:i:. // 'ー
∧.／ ＼r‐､ ∨ 丶 //{............ノ.::::／
＿＿＿ .∧丶 .:} ＼. ∨ ､ ＼ '/＿＿__.::::／.:::
￣￣／ ∧ ＼:::} ヽ.∨ ＼ ∨.:::::/
∠｀ヽ ＼＼＼ ＼
∠ミﾐｖWﾍ ヽ ヽヽヽ ヽ ∧
ﾑﾆミ``｀｀｀ﾊ l l l } } } } l| l|ﾊ
{///' , -‐=- }ﾊﾊﾊﾊ二ヽﾊﾊl| ｌ| | 内角を投げられると分かっているなら、
V//〃'´￣ ｀Ｙ二 く(祆Ｙﾘﾘﾘﾘﾘﾘ 思い切って引っ張ればいい
ｊﾆ}'＾i{{ ﾉY⌒ヽ｀ﾆ彡''ﾙﾑｲ
〃う} ｀ ニﾆ彡ｒゝ‐ ＿ｰ- 、 「ﾘ ショートもセカンドベース寄りに
{ ( ﾊ ｒ､_,.ｔｔ=ﾆニﾆ=ｧx_ﾌ丿 ﾙ′ 守っているだろうからねぇ
＼从 ﾏ､ｪｪｪｪｪｪｪｪｧ' /´
｀込 ｀ﾆﾆニニﾆ´ ｲ__
＿/ {＼>､ ､ ＿＿＿ . '／ﾉ }ﾄ､
/ /{ { ＼≧=‐--‐=≦ ´ /| }ト ._
＿＿＿__ ｡≠/ / ﾘ 八 ｀７/{//{ / l| {{ {{ﾆ=‐- . _
__〃〃二ﾆﾆ≠^7 / / / ∧ 〈 {⌒} 〉. / ｜ {i ヽﾆ=‐-=ﾆｺi¬、
//７ ´ // /i ｛ ∧_/∧,.=､/∧ / l ', ＼ } } }}
/ { ／ / i { く {{合}}/∧' l ＼リ ﾘ
! ', ／ / /{ i八 ＼ヽ/77７ /｀ヽ l ＼〃
ヽ ヽ／ / ', ヽ ヽ＼/ //厶ｨ ヽ l ∨/
＼／ ／ ／ ヽ／ ／´ {＼ﾄ､ ∨
ヽ／ ／ ／ }i／ }}＼/＼
f三=､ﾐヾi{ﾉjﾘﾊ|l | l|l|! |ｌ| ｌ ｌi ｉliヽ
,仁ﾆ≧ー''゛''"'ﾍ|l i i|l| |ｉ| | li ll ﾄl
/彡ィ',ｒ=-_､､、 ,,ｊNHﾄl､_lﾄl､l |l |ｌ|ｌ|
k彡ｲｒ;≦ﾆ_ﾐk==衫ﾆ仕ﾐNﾄl､| |l |ｌ l 本当にランナーを進塁させるだけなら、
/´-ﾄ《 '┴ﾟ'ヾｿl;=t{く(_句ヾYｌ}ﾄ|l | l|l l バントのサインを出せば済むことだ
{ rj ｀ ｰ＝彳{ ｀ヽ二≧'人lﾊlリﾊﾘ
ヽ!| ヽ) ゝ ｀￣ lKｲﾅ" なのに何故、あえて進塁打をさせるのか
ﾄ､l ＾ー‐--､､_＿__,う ﾌ ﾑ'/
ヽl. ￣｀ー- jノ その意味をしっかりと考えたまえ
｣l ､ /
_ノ＞'´小、ヽ、 ,. /＼＿
＿,.二ﾆ-‐フ´ ／ ／!| ＼ ｀ ｰ --‐ '´ , ｲl､ 丶、ト､__
,ｒ‐＜´ ／ ' /´ |ｊ ヽ、 __／ ' ﾊl、 ヽ ｀丶、 ／⌒〉
ノﾊ ＼ ／ ／ jl| ,' ｊゝｨ厂 ′/ｌ∧ ＼ ＼/ /
∧丶ヽ V / /ﾘ ; /⌒ｌ| ; / / ﾍ ヽ / /、
l l､ 、 } ヽ / ﾊﾉノ ／ ∧ ,' / / ﾊ ＼丿 厂＼
、_}／ﾉレｰ‐-､＼ / 、 |/'´ ／ ﾝ=c'､{ヽl ' / / }、 レ- '⌒ヽ__ ヽ
´ ／´{ ｀ヽV___､＞−-､ く /７个i/ ﾍ.0/ / ハ ／ _,. イへ＼ ＼
∧0 ﾉヽr─-､___）一´- ､／ ） ∨ / / jｌ ∨/=-、 (⌒＞‐イ _∠´ /ｌ /! ＼ ＼
{. ﾊ | {、_ ＿_＿_) ／ ／ / | / ＼ (⌒( __｀二´-‐┬' ７/ｌ | ハ ヽ
ヽ､ハ ＼￣￣ - '´ ／ｉ / ' / 'ｌ / ヽ＼ ￣ヽ、 _, ／ /∧リ-− 〉 〉
、 〈 ｀＞‐-｀ニ＞─＜ !/ / | / ＼＼,＿ ￣ 丿_∠´ 厂丶 / /
いかに頭を使うか。いかに頭を使って、相手の隙を突くか。
ブレイザーの野球観は、徹頭徹尾その言葉に集約されていた。
一方で、純粋なバッティング技術においてもブレイザーは、誰もが理解できる
“言葉”で説いて回った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
. ＿| ＼＼＼＼ヽ ヽ＼ヽ、＼ヽ､ヽ､_
. ,-‐ヽ、|l＼ ＼丶＼＼ヽヽ＼ヽ､＼ヽ＼ヽ､
./ ／ --|l ||ｌ＼ ＼ヽ＼＼ヽヽ＼ヽ,＼ヽ､ヽ､ヽ､
/／￣‐---|l |ｌ＼＼ ＼ヽ＼＼ヽヽ＼ヽ､ヽ､ヽ､ ､|、
|/ /／|/￣l |ｌ |ｌ＼＼ ヽ､＼＼ヽヽ＼ヽ 、ヽ､ヽ､ヽ|､
| / /. // ＼ ＼ヽ ＼＼ヽヽ＼ヽ、ヽ､ヽ､ｌ|ｌ
ヽ/ / /| ＼ ＼＼＼ヽヽ＼ヽ､ヽ､ヽ､ヽ|
丶|. / /| ＼ ＼l ＼＼ヽヽ＼,ヽ,ヽ､||
ヽ＿l,―― ､l_ | ＿＼|ヽヽ | |l_| l l ヽ､|.| バッティングには２つの重要な要素がある
| |, -‐‐‐-、ヽ | --― ＿-|| | | l| | | i |.|
〃l ヽ====,-‐~（’） ／ | | |/| l//|ﾉ| | いかにボールを強く叩けるかということと、
| |lﾉ＝|l ￣￣~~ |-|/‐|/‐||,| ||/ いかにバットを自在に動かせるかということだ
＼＿＿／/' ' ＼＿＿＿／ i/ |
| ＼ _ | /
| `-―￣` __ |ﾚ;
|、 'ー============ー-' l /l
| ）==========／ ／ |￣'￣＼
ヽ､ ー――一, ／ / /￣￣￣￣
――／￣￣/|`ヽ､. ._,. ' ,' / /
／ / | ` ‐――― ' _ / /_
＿ _ __ ＿ r-､
{.ｒ､＼＼`㍉､｀＼i＼¨ミ､
／Ⅵi＼＼＼ ＼ .＼.Ⅵ `㍉
,ｲ彡iiⅥﾑ ヽ ヽ ＼ .＼}＼∧
}彡ﾆﾊⅦiﾑ ＼ ＼ .ヽ .∨ Ⅵ
{／,ｲ `¨¨∧ .i i .∨i}i “パワー”と“敏捷性”
Y// .∨| | | |i i } l!Ⅵ}
{i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il } i乂､ 相反するこの２つの要素を、
{｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ いかに上手く融合させるか
人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ }／}
`Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ iﾉノ それが出来る者ほど、強打者となるのだ
､＿,ィ . ,ｲ /ミ､
人 `‐-= zzz-≠彡′/{㍉ ヽ＿
/ .＼ `ｰ‐‐‐ ／ﾉiﾄ､i} }i:i: Yヽ､
＿＿＿_,.．-'／ ／i} ＞‐- --,.．イ.／ / ./ ./i:i: i ` ＼
}＿＿＿__／ ／.／} /ゝﾍ .／ ./ ./ i{i:i: i}乂 `ｰミ､____
⌒/ i／ ／.／i∨ j /}´⌒i} ./ ./ ヽ＿__///i`㍉____ 〉､
/ , -'" ／.／ i/__.／i迄亥ｲ＼ .／ ./ i}/ i:i:／ ヽ／⌒＼
／} {ii: i／⌒㍉}彡' Уi:i:i:/ i}i:i:i:i:/ ／ ∧
＞´￣ ー ＜/// ﾍ | ヽ＼
/ ヾ ﾉ l i i |
／ ∨ / ﾉ| l |ﾊ
／＼ / ─ ー=ﾆ=‐ｘ ∨ / j //! |
/ /ヽヽ/ー ＿ /￣￣＼ヽ Ⅵ /// |｜
/ //^ｌ | ￣ ─ y; -‐=ミ､_Ⅵ;ﾉ|//// / ,′ ２つの要素を上手く融合させるには、
. | |;'r‐{ |{ ＼{{ｉ;jﾒ}zt|/// /|/ バットの握り方から重要だ
.. 八 ヽ! / ＿ {l ⌒`ﾐ1厶7i^V|/
〉､ Y { r‐､ ヽ ＿_ ノ¨⌒｛_ﾉ 手の平で握る選手が多いが、それは間違いだ
.. 彡 }_j ＼ ヽ
￣ ‐ｔ=‐- ー─一〉 しっかり握って力が伝わるように思えるが、
─､ i ＼ ｀ ‐=ﾆ‐ r ´ 力が伝わりすぎてバットコントロールが上手くいかない
＞ｘ､八 ＼ ｀‐=ﾆｿ__｣
＼ ｀＞､ `ー‐ {´
＼ ｀ ､ √
＼ ｀ ､ /
＼ ｀ ､ ィ´
,.z=='三ミﾐ=-,.､、
. __」fr三ミヾヾミミミﾐヽ、
r行ミヾ'f示ヾヾヾヾミミﾐﾐヽ
l彡三ミヾ川ヾヾヾヾヾヾミﾐl バットは指の付け根で握りたまえ
尨ｨ三ミﾐヾ川ヾヾヾヾヾヾﾐi、
Y彡三ミﾐヾ'ﾞﾞﾞヾヾ､,斗､ヾﾘ 人間の手の平で、最も力と敏捷性を
ヾ彡ﾃ'´ ヾ/ヾヾ州l 兼ね備えている部位はここだ
klV' ／＾`ヾ' ' ,r' ⌒刈
ヾ,ﾍ. -ｚt;ﾃ=y彡'＾ ¨´ | iー - −､_
`Tヾ(____ノ __V ,ｲ / ! ,ﾊ
／ . ヽ、''ｰ-=≠'"ノ /l 〈 /
, 〈l ｔ― ー_´ r' i ｖ / ｛
. / , 、 ＼ 丶￣ ! ﾚﾞ i
{ 〈｀ヽ ｊ__ ＼ ヽ / 〉 { ヽ
. 〉 ヽ ∨ ) } >=､,｀=ｖ / ′ ﾞ,
/ 丶} ;' 厶_/ // /! / ! { !
| ∨ / / // , ! / }！ ?@
{ ′/、 / 〃丶′! .ﾞ ヽｊ ｛
ヽ 〈 ﾞ ｙ / /､丿ｲ 〉 ム
丿 ＿_>、 ′ ′／／ 丿 ∠ }
〈＿／┌／ `ーー-ｒ匕 ｒ''⌒ヽ ｚ―‐ｔ ／ヽ ／〈
く / 八 ∧/ ヘ､ く ＼ ｀く ｜/ ｀､
. ﾘ `, / 〉 ∧ ぃ ￣ｿ ヽ
＼ ！ /、 / / ｊ ｜ ＼ ｲ
それでも愚直に右狙うバッターもいるけどね
嶋とか
ただ嶋の場合、時折裏かいて思い切り引っ張りにかかるから侮れないんだが
f >'" Ⅵ|l |l|､:心
「厶 ＜ィ.ゞ' ﾉ㍉ﾊ スイングの始動の段階から力を込めて振るのも、
Ⅵ 版 ,.二, ､ ､」. -――-､ 敏捷性が損なわれる一因だ
ヾｰ ' r'´ _,ﾉ . ' ／⌒>'
ﾍ ヽ'´_,，. / ／ / 理想論になってしまうが、
丶､_,r'´-ｲ / スイングの間は力を抜き、インパクトの時だけ力を入れる
_. イr7/ .八 l ′
. -ﾆ ／ノ::l l＿＿ Ⅵ : これで、力と敏捷性がより共有できる
／xく>´| ￣￣ ７ ‘. i
. イ／:::厶 .| ′＼ Ⅵ
./ f/::／ _」 .′ ㍉‘．
'／>' . -≦Λ ′ -=ﾆ-＿
'.イ /, l ＼ ＼
/ｲ / 、 l、 ` .._＼
' ＼ ＼ ⌒ヾ ､
-‐ ＼ ＼ ＼ ‘. ＼
＞ .,＼ ＼ ‘.
_ =- ` ＼ ＼.
イ _,， _ ﾆ-＿ ＼
ゝ'" ／ ﾆ-_ ､ ヽ
,.z=='三ミﾐ=-,.､、
__」fr三ミヾヾミミミﾐヽ、
r行ミヾ'f示ヾヾヾヾミミﾐﾐヽ バットを支える両腕の力の込め方にも工夫がいる
l彡三ミヾ川ヾヾヾヾヾヾミﾐl
尨ｨ三ミﾐヾ川ヾヾヾヾヾヾﾐi、 右打者ならば、左手は水平性を、右手で垂直性を保ち
,Y彡三ミﾐヾ'ﾞﾞﾞヾヾ､,斗､ヾﾘ `ー- ､ バットとボールをアジャストしていく
,. -‐'" ヾ彡ﾃ'´ ヾ/ヾヾ州l ヽ
／ klV' ／＾`ヾ' ' ,r' ⌒刈､ ﾄ､ インパクトの瞬間は、左手は引っ張り、右手は押し込む
/､ , ｌヾ,ﾍ. -ｚt;ﾃ=y彡'＾ ¨´ |'＾ﾍ l ﾄ､
ヽ / |. `Tヾ(____ノ __V ,ｲ / ハ ! ｲ
ヽ | |. ヽ、''ｰ-=≠'"ノl V , ﾚ' ,ハ
! V | ! l ｀＞rー;＜_｜ Ｖ,ｲ l
! V ! l l／ ｿ叭 ｀| ∨ -‐' !
､ ﾍ | ヽ、 〈/^ﾊ〉 ト-､＿____〉. l
｀ヽﾍ ! ﾊ. ﾙ' |l / ＼ | ,
>ｲ└─ｰ-/ ヽ, ,! ｜Ｖ ＼ ノ
／ }ヽｰ / ∨ ﾚ' ／ ,.ィ
／ ヽ / ヽ／ ／ | '´ /
l ヽ､_＿ ／,. -''"´￣丁｀ヽ､トv' / l'
〈ヽ､ ／／ / ! Ｖ { '
昔の野球って意外に強打の二番打者とか多かった気がする
田宮（大毎）とか、広瀬も結構二番打ってたし
バッティングには、力だけではなく技術がいる。
その技術を会得するには、闇雲な反復練習だけでは身につかない。
しかもバッティングとは感覚的なものであり、言葉で説明するのは大変難しい。
f三=､ﾐヾi{ﾉjﾘﾊ|l | l|l|! |ｌ| ｌ ｌi ｉliヽ
,仁ﾆ≧ー''゛''"'ﾍ|l i i|l| |ｉ| | li ll ﾄl
/彡ィ',ｒ=-_､､、 ,,ｊNHﾄl､_lﾄl､l |l |ｌ|ｌ|
k彡ｲｒ;≦ﾆ_ﾐk==衫ﾆ仕ﾐNﾄl､| |l |ｌ l
/´-ﾄ《 '┴ﾟ'ヾｿl;=t{く(_句ヾYｌ}ﾄ|l | l|l l スムーズなスイングは
{ rj ｀ ｰ＝彳{ ｀ヽ二≧'人lﾊlリﾊﾘ 身体全体のバランスによって高められる
ヽ!| ヽ) ゝ ｀￣ lKｲﾅ"
ﾄ､l ＾ー‐--､､_＿__,う ﾌ ﾑ'/ 身体を鍛えるなら、あらゆる箇所を
ヽl. ￣｀ー- jノ トレーニングしなければいけないのだよ
｣l ､ /
_ノ＞'´小、ヽ、 ,. /＼＿
＿,.二ﾆ-‐フ´ ／ ／!| ＼ ｀ ｰ --‐ '´ , ｲl､ 丶、ト､__
,ｒ‐＜´ ／ ' /´ |ｊ ヽ、 __／ ' ﾊl、 ヽ ｀丶、 ／⌒〉
ノﾊ ＼ ／ ／ jl| ,' ｊゝｨ厂 ′/ｌ∧ ＼ ＼/ /
∧丶ヽ V / /ﾘ ; /⌒ｌ| ; / / ﾍ ヽ / /、
l l､ 、 } ヽ / ﾊﾉノ ／ ∧ ,' / / ﾊ ＼丿 厂＼
、_}／ﾉレｰ‐-､＼ / 、 |/'´ ／ ﾝ=c'､{ヽl ' / / }、 レ- '⌒ヽ__ ヽ
´ ／´{ ｀ヽV___､＞−-､ く /７个i/ ﾍ.0/ / ハ ／ _,. イへ＼ ＼
∧0 ﾉヽr─-､___）一´- ､／ ） ∨ / / jｌ ∨/=-、 (⌒＞‐イ _∠´ /ｌ /! ＼ ＼
{. ﾊ | {、_ ＿_＿_) ／ ／ / | / ＼ (⌒( __｀二´-‐┬' ７/ｌ | ハ ヽ
ヽ､ハ ＼￣￣ - '´ ／ｉ / ' / 'ｌ / ヽ＼ ￣ヽ、 _, ／ /∧リ-− 〉 〉
、 〈 ｀＞‐-｀ニ＞─＜ !/ / | / ＼＼,＿ ￣ 丿_∠´ 厂丶 / /
しかしブレイザーは、既にその言語化に成功していたのである。
これらの指導内容や、元メジャーリーガーという実績は、ブレイザーの評価を
どんどん高めていった。
_,,. -‐‐‐‐‐‐‐- 、
lヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ
l } | | | | |
l } | | | | |
|ﾆﾆ''"￣￣￣￣｀ﾞ|
/〃'"￣￣￣￣￣｀ｰ､
/ {.l く゛ｰ-- ､_ _,.ﾍ ヽ
{ | | / ｀"''ﾞ゛ ヽ }
〉| ﾚ／｀ヽ､,,_ _,.='ﾍ 〉j ブレイザーは一体、どのような
{ヽ|j '￣('7｀ { ｴ'ｱ } l 指導をしているのだろうか
l 9lj ￣ i ￣ !'
ヽjl U ,,.j i 気になって仕方がない
_ll 〃_____'"_, 》 !
／ﾛ{ﾄ､ '' ,,. ' /
／ﾛ回| ＼ ／ﾄ、
__／ヽ回ﾛl ＞---i||i'"ﾆﾝjﾛ＼
__,. -‐''" ＼回＼ | {二ﾝ ﾊ 厂/ﾛﾛ.|｀ｰ､
ヽ回ﾛ＼ ￣| l l | /ﾛ回/ ｀ｰ- ､_
ヽ回ﾛ＼ | | | ﾚﾛ回/ ＼
ヽ回回.| ﾄ､,.j |回,/ ＼
ヽ回ﾛ| |回| |ﾛ/ ヽ
ヽﾛ| |回ﾛ |/ }
ヽ| |回]| | |/ }
| L|[回Ll / l
l /回回/ / l
広岡 達朗
それは球団内部に留まらず球界全体に波及し、後に名監督として名を馳せる
広岡達朗なども、ブレイザーのシンキング・ベースボールに強い興味を示したという。
しかし何度も言うように、この時代はまだまだ肩書きだけで選手の統率を取ることは
難しい時代である。
,/ ,
/,|,./,/,ノゝへ/`ｰ-ーヽ
////// // /// // / ＼
,:-ｰ////// /////// // ////
／/////////,////////、////
// ////,-ヾゞﾞﾞ｀! !i,/i/iヽ、ヾ////
. i//////i,,,__丶ヽ V ∨,,,-==彡、//
i///////^ﾞ三ﾐ=-;,,//'"ｿ戊ト, ｀ﾞ.|/ 僕も巨人監督時代、
`i//=、/i '"茫`ﾞ i ` ::::...屮" |/
,! i ﾞ￣'".::::::... ::::: ヽ 、 | クーデターを起こされたからね
i h,i `ヾ,'" , u !
＼_i u /==ヽ、u .|
!、 .ゞｰ-ソ ,;'
＼ ﾞ:::::::: u .／/,.
__,!＼ .:: ,／,／ ,!
!、ｰ-｀ゝ--=´／ ／/
__ ___,,.. =//ー 、`i/i'" ／"/ :,.
,../// `'´//////fi`ﾞ｀＞ 、//／" ／,//
／./=//////////.|=i ／///、 ＼ /=///
／ ./=/////// /// !=i ／::::,i::/ i:::i、 ミ////
./=////// /// //>" ::::／.|::| |::|ﾐ＼ ＼//
../三//// /// // ＼_／＼_!::|_／i:::!" ヽ／/
/三/// /// // /////＼ .￣ ／/////////
三原 脩
,イ从从彡ー'"￣ ｀ヽ､
フ=/. | ﾍ │.
∠<,| ヽ､ . │ :r-‐- ､
∠´7| ＞´＼丿 ￣∨ /~ﾍ だからワシも選手たちが
{/ . ／／＿, ,}ｰ'"∨ | .{｀ｰ' | 付いてくるかどうか
辷 ＼ ／ｨTェﾃr'"ﾉ／== . ', | 〉`〉 |
ゞｱ､ r'"｀ヽ=＝イ ｀ヽ .ﾘ／ノ ./ 全員に信任投票させたんじゃ
〈 / _z-‐──- ､ ｰ､ゞ .Y _／￣￣
| i __,ソ ＼ ', ',:.
{ 廴_′ ,＞ ´￣￣｀ヽ､ゝ ', ',::.:.. イ
ﾑﾍｰ-‐'" __＿＿＿＿___| ! ,〉::::＞´
| .ﾄ-‐─'" / | ／≦´
／l .廴＿>-‐────'"|. |／｀i ,ｨヽ､_
／ .:.| ゝ､＿y-‐- ､＿＿__,ノ /:::::::::| .:.:.:.:.:.:＼
r=-‐'" .:.:.,ﾉ / ノ::: ::::::| :.:.:.:.:.:
/／ヽ .:.:.:.:.ム ｿｲ:: :::| .:.:.: .::::
//::::::∧ .:.:.:乂 /_人ノ´:::::::: | ' .::::: ／
//:::::::::::∧ .:.:.:.｀ﾍ从从""´::::::::::::::::::::::: | ／
//:::::::::::::::∧ .:.:.:.:.:.:.:.:/!::::::::::::::::::::::::::::::: |
西本 幸雄
選手たちの不興を買えば、例えチームが躍進していてもチームを追われる。
そこにチームの成績は関係なく、時にはお互いの野球観にズレが生じていただけで
反発する選手の存在も珍しくはなかった。
そしてもちろん南海ホークスにも、他者のアドバイスを一切受け付けない、
頑固の塊のような選手はいたのである。
＼ .＼ .＼.＼ .＼ .＼ ＼
＼ ＼. ＼..＼ ＼ ＼.＼.
＼ .＼ .＼.＼ .＼ .＼ ＼
＼ ＼. ＼..＼ ＼ ＼.＼
＼. ..＼ .＼.＼. ＼ .＼
＼ ＼. ＼..＼ ＼.
＼. ..＼ .＼.＼. ＼
＼ .＼ .＼.＼ ＼
＼. ..＼ .＼.＼.
-、 ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人 ＼ .＼ .＼.＼
､..＼ ＜ ＞ ＼ .＼ .＼
＼.＼ ＜ 我が名は門田、門田博光！！ ＞ ＼. ..＼
＼..＼ ＜ ＞ ＼ ＼
'､, ＼ ＼ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY ＼
.＼ ＼..＼
＼ ＼ ＼
､ ＼ ＼ ＼
､.＼ .＼. ..＼ ＼
. ＼.＼ ＼ ＼ ＼
.＼.＼ ＼ ＼..＼
＼ ＼.＼ ＼ ＼..＼
.＼ ＼.＼ ＼ ＼ ＼
.＼ ＼. .＼.＼ ＼ ＼..＼
＼ ＼ ＼.＼ .＼. ..＼ ＼
、 ＼. .＼. ＼.＼ .＼. ..＼ ＼
. ＼ ＼. .＼. ＼.＼ .＼. ..＼ ＼
､ ＼＼ .＼ ＼. ＼.＼ .＼. .＼ ＼
. ＼ ＼＼ ＼. .＼. ＼.＼ .＼. ..＼ ＼
.＼.＼＼ .＼ ＼. ＼.＼ .＼. ..＼ ＼
ここまで具体的に言葉に出来るってすごい
男の名は、門田博光。
__＿＿ __＿＿
／／／:／≦￣ 二 __
「/ /／:／´￣￣_＿＿ ￣｀＼
ｒ―＜⌒ヾ V / ／￣ ｀ヽ:.. .:＼
r―ゝ ＼ ノ ⌒ <´￣｀＼.:. ＼:.. .:＼
∨ :.､ ＼ ＼ ＼ヽ :＼:.. .:＼
〉 :.､ ＼ ＼ ＼＼ :＼:.. .:ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从
/∧ :.､ .:.、＼＼ ＼、 ＼＼ヽ :ヾ＜ ＞
i/:/:〉 ヽ:ﾍ＼ .:ヽ :＼＼ィへ＼＼ ＼ヾ｀ : ､ ＜ 南海ホークスの剣なり！！ ＞
|/ / ﾍ Vへ＼＼ ､__∠ヾイ__｀ヽ＼＼ヽヾ＼ :＼ : ＜ ＞
′|: .:|!＼ 代ﾒヾ7 ＼ ﾍ之 イ ＼!:Y⌒ヾ＼ヽ :＼ ﾍY⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒
＼!ヾiヽ＼／＼ ｀ヽ＼ 〈 :ｌと、Yヾ､、 :.ヽヽﾍ
从, く ｊ ,いｿ八: : :＼＼＼ヽ ,,､ -''／
', ヾ " ,ﾍ_ノ ノ: : : . . . :ヾ!｀ヽヽ イ ／,r ''了 ／ 了
ﾐ、 ､____,,,,,､ Ⅵ/´ |: :. 彡⌒ミヾ＼ / /,/ /／ ,／
ヾ ∨´￣｀ﾍ ｲ/: |: : : ＞―＜⌒ヽ / /:/ // _/
', ∨＿_ 丿 ／ // | ／ ヽ ｲ / / __/: l／
_', ー _ .イ / |′ |. / /／＿_, ／ﾞ '' ､
r‐―――‐≧＝≦才、＿＿＿__,,r┴───‐ｭ . | レ '''" / ／＿ ／ ,､-'"/
Ｖ＿＿＿「￣￣￣￣:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:::::::::::::::::」￣〔 . | ,､-ｰｰ' ｀',,､- ''" ,,,/
}、ｒ:､_＿:j_ :::::| [￣￣|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|￣￣]::|:FニﾆY | r' ／ ／
,.ｲ:::::|:.:|:.:.:. |!| ::::| :.:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:. | 〕 ::::: j | | ／ __／
_ . .イi:〈ﾍｰ!:_|ー‐Ｕ、::| [￣￣|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|￣￣] 〔::ｲ￣}丁:＞ｰ ...| | ∠ ／
＜´:i:i:i:i:i:i:i:i:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:::| ___ |､:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:| j::: ! Ⅵ/i:i:i:i:ヽ/ | | ／
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼:.:.:.:.:.:.:.:..V／ > !i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｝ ﾍ⌒ ＜:. ／:/i:i:i:i:i:i| ／ | /
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｀:＜:.: ／ . ＜: : :＼::::::::::::::,' ／:.ゝ.､ ｡):,／i:i:i:i:i:i:i:i:|／ |/
ｌ l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i｀:ﾟ＜:＞ ． ｀ ＜ヽ:::::::::i/::::／.: : :.／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:＼
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門田 博光
プロ野球史上最も偏屈にして、最も野村を悩ませた男である。
社会人野球チーム・クラレ岡山の主軸打者として活躍していたが、
６９年ドラフト会議にて南海ホークスから２位指名を受けプロ入り。
／ _ , -=ニ二ニー
i // /／ ／∠二二ニ＝ｰ
∨:｛/ __...............__ ￣｀ヽ
∠二ヾ :. 二ニ ＼
/／ :ハ、 :.. ＼ ＼ :｀ヽ＼
／ ／ｲ:ハ ヽ ヽ ＼ ＼ ヾ＼
/:／ /: 小ヽ:.ヽ＼ ＼ ＼ ＼ ヽヾ＼
′ //: /ハ∧ヽ:.＼＼ ＼_＼ ヽヽヽ＼
/// /ﾊ |二ゝ_ヽ:.＼＼_＼_＼ ＼ヾ 社会人卒といっても、
//ｲＮ∨ﾍ ｰﾟ‐′|＼＼ﾟ‐へ/ Υミヾ
_,ゝ:ﾍ !: ｀＼ ﾑ,ノ⌒ 大学には進学していないがな
⌒ゞ小 ＾'＾ /ミﾍ
r‐| ヽ ´ ￣ ｀ ｲ |-ｭ
|=iト､ ＼ ｀´ ／_,,イ=|
/ヽ=「三ミ_ー‐_ｲ三 i:|=ﾍ、
_／/ヽノi:| 三ﾐ!:::::::::ｲ三 :|:iく.:.ﾍゝ、_
___ ,,, .:-.:.:.´:.:ヽ/ : :_ノ:.ｰｭ |:::::: : j r‐:.ヽ､: : /.:.:.:.｀:.:.:.:-:. ,,, ___
:.:.:.l l .:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜´⌒＼＼:::／／⌒｀＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. l l.:.:.:.:.
.:.:.:.l ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜:.:.:｀Y´:.:.:＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l.:.:.:.:.
:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:., ´___｀ヽ|/´___｀ 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l l.:.:.:.:.
.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／:..:..: : | | |:..:..:..:. ＼＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l.:.:.:.:.
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.:.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:／／:..:..:..:..:..:..: : | | |:..:..:..:..:..:..:..:. ＼＼:.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.
＿＿
|＼/| 厂￣ ／
ヽ `ー--､＿＿＿／二￣／
く＼ ＼三／フ―＜ニ＼
|`ー――----メ V ∠-―-､＿＿＼
＼ _ﾆ=､
`ヽ､＿＿ -､ ,,,-''~ｌ | |
ー＝二フ ＼ ＜_ヽ__／l ゝ
／ ヽ､ ∧ ＼ ＿ニ=‐ 勹 7 つまり、大卒のワシよりも
／ ／ 卜､|l∠_＼ ヽ､≧r‐-､| / |､
／ / lﾊl／ｲ巾 > `ｰ-､|V「ﾆヽﾄ､〈 | 年下というわけじゃ
∠＿,イ/ | /i,） V_ノ )_ソl |＜ 〈
|/| /|/／ 乂ヒ／＿＿＿＿
| ／ `iヽ `y￣ト､ヽ＼::::......
V ヽ⊂フ / L 7ヽ ヽ:::::::
＼ ＿ / / | | ヽ::::::::
`ー'フ~ /＼ / / .|| l:::::::::
／|`―< 〈＼ ／ /L/ | |:::::::::
／| |!､ ￣~￣ ／| |. |:::::::::
／:::::| ||. ヽ＿＿＿＿＿／ / ＿ |. |:::::::::: ← この時のドラフト１位
:::::::::| ヽ ＼＿ > ＼ 〃 ヽ| |:::::::::
１年前の６８年のドラフトにおいても阪急に指名されていたが、この時は
指名順位が１２番目と低かったこと、クラレ岡山が選手不足に苛まれ
試合が組めなくなるという事情があったため入団を拒否している。
プロ入りした当時の門田の最大の武器は、バットスイングの速さだ。
ﾟぐ'iﾞlﾞi
、 _,.,､‐ﾞ'xﾞl,,|l,,|
［''〜''''"~｀ __ ‘┐
ヽ .,,.-‐''"｀.| ,i´
｀｀’ | | |＾l
,,. ‐ﾞ i 、 ﾄ .| /'''',,,," 彡
,..;;ｉｿ ｀ﾞ."ﾞﾞ´ ＼ ._＿＿ ／ ヽ 、 | | ｀ﾞ＾ _,| │ ._,,,､ r‐'ｌ .r､、
i'',ﾞi-;;,ﾞ´ ヽ ._,, ‐''" ／ .ヽ .ヽ 〕 .｝ .,／,_ | .｝ .ﾞl.| ﾞl / lﾞ
ﾚ゛... .., ⊥ ._r‐'ﾞ'" ／ ゎ,,,,,,､-ｰ''''"′ ﾞl、 l＿,'" | .| │ ﾞl | |/ lﾞ
iケ ヽ ｀'〈 ／ ./ .ﾞl, ＿＿,lﾞ {_,lﾞ . : ﾞl,,ﾉ '"│ /
/ .i|＼ ｀'' / / ,,ﾞヽ ＼,､ｰ'''"｀｀: ｀｀ ´ .lﾞ lﾞ
lﾞ ,! 、 ＼ ＿＿＿＿_ ,,.iＬ ........,,,,,,.- ir‐-.＼ ｀''ｰ..,, ,lﾞ / ,,、
`'ｰ ｌ | ゛./ ゛ ． 'i ､ .ﾞｉ, ｀''＼,lﾞ .｀''-､
/ |,,, | .ﾉ " ゛ l ﾞ'''.､, ｀'-、
/ l .｀ﾞ''ｰ-∟..__, lﾞ ヽ ｀､
/ .! ￣￣ﾞﾞ'''''¬ｰ- ..,,.,, -'''"ﾞﾞ.゛￣´〜‐‐''''.'''. " / .ゝ
,! .l | ／ /
l ! ! ヽ ． _,、 -‐''''″ . ／
ｌ ! | ＼ ヽ .ヽ ____,,,,,.. r━'''"ﾞ´ ,..-'"
! ー―-------------------------ｰー―ｰ¬''''''''ﾞﾞﾞﾞ￣￣ _,, ‐'″
| .,..．..,,, .| _,,,.. -‐''"゛
! " ﾞ'‐.l . ＿,,,,.... --ｰ''''"´
ｌ.. .,," ＿____,,,,,,,,,,.......... --――'''''"ﾞ￣´
｀ｰ ‐￣￣￣￣￣￣￣￣￣´゛,.｀'-､ iﾞ''ｰ ..,,｀'- ｀'-. ､,
/ / .゛〜､,,_ ﾞ''i- ..,,,_ ｀'-､
腰も柔らかく軸回転移動も上手かったため、多少タイミングを狂わされたくらいでは
空振りせずミートすることができるのが打者・門田の大きな特徴だった。
更に、門田が左バッターだったことも首脳陣の目に留まった一因である。
, ──── ､
／ / ⌒ヽ ⌒ヽ ＼
/ , -| ・|・ |- ､ ヽ
/ ／ ｀ー ●ー ´ ＼ ヽ
ｌ / ─ | ─ ヽ l
. | ｌ ─ | ─ ｌ |
, ─ ､ｌ ─ | ─ | !
ｌ l , ─┴─ ､ ｌ /
ヽ､__ ノヽ ／ ＼ ｌ/
ヽ ヽ━━━,−､━━━━く
＼ ／ ヽフ ＼ ヽ
,. -―--――- ､
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ／ ヽ.
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ / ヽ
l/:::::::::::::::ｲ::〃::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ / ﾉ / : ゝ.
ﾞ､l::::l:::::::/l:;;ｌ|:::ｌ::l:::ｌ::l::ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ﾉ ﾉ ﾙl｜ __,:'.......; ､ ヽ.
ﾞ、ヽ:::ｌ'"ｆﾊ:::|l:::|､|:ｌ,=;ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::ｌ::i ﾙ' |￣￣ﾚiﾙi´ :: | .l i`
＼l::::| `‐iヽヾ ヽ ﾋ::;ゞヽ::::::,.、:::::::::::::|/ ﾚ'l ﾄ､._ | | _;: ｲ ノ r'
ヽ､ ノ `ｰ ／:::/ ﾉ::l::::l::::N `^'r| ￣ﾉ ￣ 彳 ,.r'^
'､ ヽ_ 'ｰ='"ｨ'::::/::::ｌl::;' λ `_'___ ｲ,.ﾙ''´
ヽ ￣ l:::::/:::ノﾉ' ＿ヽ､ ‐ ,∠-|ｰ-､
ヽ , ' ノﾉｲ'" _...............__ ﾉ`ｰ┴ﾄ--‐'r┴‐'''´ {.__,.. -―-- ､
ヽ -‐ Ｔ´ ___」..-;;'' /::::::::::::::::::::7:::::::;;;;;;:::| ﾉ;;;;;;:::::::／／:::::::::::::::::::::::ヽ.
fヽ __｣.. -::=-―----ヽx ﾉ:::::::::::::::::::;ﾉ:::::::;;;;〕|::::| /::ﾉ/;;;;／／l::::::::::::::::::::::::::::::::::}
L|;;| | ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::`ﾂ }:::::::::::::::::::;i|:::::::::( (l |:::ﾚ://) Ｘ ／:::::ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::〉
広瀬 叔功 富田 勝
長年チームを支えてきた野村に広瀬、前年頭角を現した富田などは全員右打者だ。
左右のバランスを考えて、左打ちの選手にもレギュラーを獲ってもらいたいという
思惑があったのだ。
門田もその期待に応え、ルーキーイヤーから１軍に定着。
. 、 ,､ ／ /
ﾞ丶.｀丶 、 ヽ＼ ／ /
.... ｀丶.｀丶 、 〉 .＼.／ ./
. ｀丶.｀丶 、 ヽ人_从人__从_从 | ／ ｌ
｀丶.｀丶 、 ＜ ＞ｌ .ｌ ●-‐'''"ヘ
｀丶.｀丶 、 ＜ 斬球刀！ ＞ ￣］／ |
｀丶.｀丶 、 ＜ ＞ ＼／ ＞￣＞
｀丶.｀ﾞ┌Y⌒YW⌒Y⌒WW .从〈 ●_,.．-‐'''"~ .〉
ｌ 厂夕ヽ〆匕´彡≪≪ 从） ｌ ､
凵匕＼‖∠ 〉≪≪≪入.｀ヽ ,i〆 ＼｀丶 へ
凵卞二|i| （ ヽ￣￣￣￣￣ヽ ｀ｌ ,. ''"／ ,､ ＼ ｀丶. ／ ＼
｀.⌒弋 ‖广） ＼ ＼.,／:.:.＼／ ／ ./
┌----ｰ'''''''"ﾞﾞﾞﾞヽ⌒´‖ / ／ ＼ （）M:.:ｌ:.:M（） ／ ≦≧/
￣~゛゛ '''ー--..../ || ｌ ｌ／三 .＼∩ ∨ ∩／.三 三 / ／
＼ 》Υ三三三三/│｀≧i≦´│ﾍ三三 / ／＞＜
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从 ＼≫三三／ / .|》人廿人《| ﾍ三三＼/／/
＜ ＞ ＼三／. /ΞΞΞΥΞΞへ三三三| .│
＜ 一文字斬りィィィィィィィ！！ ＞ | ∩＼／´｀丶､三三| ~゛''‐-/ .ｌ
＜ ＞ ｌ ∪／ / .｀ヽ／ ∩ || |
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒ ∧ （ / ／ ） .∪ ＼ ヽ
∧ ヽ.ｌ ／ / ｌ ＼
∧ ＼ ／ / ＼ =≡三〉＜
＼ ＼_,.．-‐'＼ミ.＼/=三/ /￣ ＞
_,.．-‐'''"~／＼:.:.:.:.:.:.＞´ ＼/ /
/ ／ ／Υ ＼＜ ≫-/
主に６、７番の下位打線を打ち、７９試合に出場。
打率．２５０ 本塁打８ 打点３１と、新人としてはまずまずの成績を残し、
見事レギュラーへの足がかりを作ることに成功するのである。
俺の中では「ペンギンヘルメットのおっさん」だｗ
斬るなｗｗｗ
そして２年目のキャンプを迎えた、ある日のこと。
f三=､ﾐヾi{ﾉjﾘﾊ|l | l|l|! |ｌ| ｌ ｌi ｉliヽ
,仁ﾆ≧ー''゛''"'ﾍ|l i i|l| |ｉ| | li ll ﾄl
/彡ィ',ｒ=-_､､、 ,,ｊNHﾄl､_lﾄl､l |l |ｌ|ｌ|
k彡ｲｒ;≦ﾆ_ﾐk==衫ﾆ仕ﾐNﾄl､| |l |ｌ l
/´-ﾄ《 '┴ﾟ'ヾｿl;=t{く(_句ヾYｌ}ﾄ|l | l|l l 門田よ
{ rj ｀ ｰ＝彳{ ｀ヽ二≧'人lﾊlリﾊﾘ
ヽ!| ヽ) ゝ ｀￣ lKｲﾅ" 我々は、君に２番を打たせたいと思っている
ﾄ､l ＾ー‐--､､_＿__,う ﾌ ﾑ'/
ヽl. ￣｀ー- jノ そのために、バントの練習をしてもらいたい
｣l ､ /
_ノ＞'´小、ヽ、 ,. /＼＿
＿,.二ﾆ-‐フ´ ／ ／!| ＼ ｀ ｰ --‐ '´ , ｲl､ 丶、ト､__
,ｒ‐＜´ ／ ' /´ |ｊ ヽ、 __／ ' ﾊl、 ヽ ｀丶、 ／⌒〉
ノﾊ ＼ ／ ／ jl| ,' ｊゝｨ厂 ′/ｌ∧ ＼ ＼/ /
∧丶ヽ V / /ﾘ ; /⌒ｌ| ; / / ﾍ ヽ / /、
l l､ 、 } ヽ / ﾊﾉノ ／ ∧ ,' / / ﾊ ＼丿 厂＼
、_}／ﾉレｰ‐-､＼ / 、 |/'´ ／ ﾝ=c'､{ヽl ' / / }、 レ- '⌒ヽ__ ヽ
´ ／´{ ｀ヽV___､＞−-､ く /７个i/ ﾍ.0/ / ハ ／ _,. イへ＼ ＼
∧0 ﾉヽr─-､___）一´- ､／ ） ∨ / / jｌ ∨/=-、 (⌒＞‐イ _∠´ /ｌ /! ＼ ＼
{. ﾊ | {、_ ＿_＿_) ／ ／ / | / ＼ (⌒( __｀二´-‐┬' ７/ｌ | ハ ヽ
ヽ､ハ ＼￣￣ - '´ ／ｉ / ' / 'ｌ / ヽ＼ ￣ヽ、 _, ／ /∧リ-− 〉 〉
、 〈 ｀＞‐-｀ニ＞─＜ !/ / | / ＼＼,＿ ￣ 丿_∠´ 厂丶 / /
ｨ ,ィ,ｨ_ ｪ-‐ﾆニ ,,,__
/| //´ ／´ ィ´-=＝ﾆ｀ミ`ヽ ､ l /
.| | |ｉ /／ -‐─- _‐- ､ ｀`ヽ､＼ ′／
,ィﾆﾆゝl | / r-──- ､ ｀`ヽ､`ヽ､ ｀ヽ＼
,ｨィ´ニ=|⌒`ヽ ｀`ヽ､ `ヽ､ `ヽ､｀ヽ､ ﾍ,
/ｨ/／ / ,代 l ＼:＼::. ｀ヽ､ ＼ ヽミ＼:l
/ ィ/／l | ﾄ l＼ ＼ ＼::..､ ＼::. ＼＼ ｀ヽミﾐ､
ｉ / ﾙ' .::| :|::|ﾍﾍ::＼ ＼ ＼＼ ＼`ヽ＼＼ ヽﾐﾍ
|:l |!| ::| :ﾚﾐﾄ､､＼ ＼ _ﾍXィへ､ ﾍﾐ､_ヽﾄ｀ヽ､:|ヽ|
!| ', ::|l ::ﾄ､ｬtｯ-､ Ｘ弋ｨ‐ｬｯｧ､ヾ:メ､ﾍ`}_,,〉‐-ミ､ むっ
',:| ﾐ､ﾄ ', ´ l ＼ヽ､ ＼::l ヽ}:::}lン/-=ミﾐ､
'| l::ﾄ､ ﾉ ヽ ＼ ミ -r'ミ､ミﾐヽ､
ヽﾍ ｀`_''＿_ ヽ ﾉ |／＼`ヽ
＼. ´ ─ ` ,ｨ |＿
_ｪ-ヽ ／_,-─‐'::::::￣７
f r─ｭ::＼＿,.／ |´-‐─ｉ::厂￣::|
_ﾄ:|===|::|ヽ-‐‐'''├‐‐‐' .ﾄ=r‐'|´|:ﾄ-､
_,, -‐´ r| ===ﾚ;;;;:::::::::::├‐‐‐' ﾄ==‐''ﾞ 弋､|;;;｀`ヽ､
キャンプが始まると同時にブレイザーは、門田を２番打者に育てようと
バント練習の指示を出した。
ブレイザーも現役時代は主に２番を打ち、繋ぎに徹してきた選手だ。
先頭打者の広瀬を生かし、自分のように左打ちで３割を打てるような選手を２番に
据えたいという思いがあった。
__＿＿＿_
. ／￣￣ ／￣｀ー─ヘ ノ7
/ ／ ／ ／ /{
. / ／ ／ ／ ／ //,L.
′ / /- }
i /ｲ.//.i ! / ／ ./ '/ }
| ﾉ / !.! .|:i. /_,,／ /／/_ '/ 君のバットスイングの速さは大きな武器だ
| ｲ|:|:i:|:l /／ __ヾ__,/Ⅶノrヘ!
ｌ :i| 从|从|／=Y斗t_ｯ-ヽ乢rｯミﾄ､ そこに柔軟なバットコントロールがあれば、左右のどこにでも
} :lト. 〈 | | 人 ミ 彡 }ー{ミ彡 ﾉ 打ち分けられる巧打力を兼ね備えることが出来る
ノｲ|:|:i:|＼ ｣ ＿_ ー‐ 、 {ー‐〔 _
从|从川l| }r‐ (.__ ） , : : ヽ チームバッティングを身につけて欲しい
/∧乂从! 从 `ー===‐--‐7 .′: : ∧
∧:. 人. ヾr､::::____ ｿ{ / . : : :∧__
. ∧ ＞ . こ二ﾆ ｒ丶 . : : :i:川:i了
∧ 乂 心、 _＿＿ ノ ＼: : 从|:ｉ:i:ト..., _
〉 ∧,＿_ ＞-≠-＜!ｉ:. 丶乢Ｉ:i:i:i|:i:７ ト .. __
∧ .:i:i:i/￣ヽ |:i:i:. ＞--＜.ノ .
.′ ∧:. ＿/､ :Ⅳノ:i:i:. // '
∧.／ ＼r‐､ ∨ 丶 //{............ノ.:
＿＿＿ .∧丶 .:} ＼. ∨ ､ ＼ '/＿＿__.::::
￣￣／ ∧ ＼:::} ヽ.∨ ＼ ∨.:
／ _ , -=ニ二ニー
i // /／ ／∠二二ニ＝ｰ
∨:｛/ __...............__ ￣｀ヽ
∠二ヾ :. 二ニ ＼
/／ :ハ、 :.. ＼ ＼ :｀ヽ＼
／ ／ｲ:ハ ヽ ヽ ＼ ＼ ヾ＼
/:／ /: 小ヽ:.ヽ＼ ＼ ＼ ＼ ヽヾ＼
′ //: /ハ∧ヽ:.＼＼ ＼_＼ ヽヽヽ＼
/// /ﾊ |￣ゝ_ヽ:.＼＼_＼_＼ ＼ヾ ‥‥‥
//ｲＮ∨ﾍ ｰ＝'' |＼＼=ｰﾍ/ Υミヾ
_,ゝ:ﾍ !: ｀＼ ﾑ,ノ⌒
⌒ゞ小 ＾'＾ /ミﾍ
r‐| ヽ ´ ￣ ｀ ｲ |-ｭ
|=iト､ ＼ ｀´ ／_,,イ=|
/ヽ=「三ミ_ー‐_ｲ三 i:|=ﾍ、
_／/ヽノi:| 三ﾐ!:::::::::ｲ三 :|:iく.:.ﾍゝ、_
___ ,,, .:-.:.:.´:.:ヽ/ : :_ノ:.ｰｭ |:::::: : j r‐:.ヽ､: : /.:.:.:.｀:.:.:.:-:. ,,, ___
:.:.:.l l .:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜´⌒＼＼:::／／⌒｀＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. l l.:.:
.:.:.:.l ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜:.:.:｀Y´:.:.:＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l.:.:.
:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:., ´___｀ヽ|/´___｀ 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l l.:.:.:.:
そこで白羽の矢が立ったのが門田だった。門田の背丈が１７０cmと小柄であり、
体格に恵まれない小兵選手としての生きる術を伝えたいという思惑もあったのだが‥‥
|￣|.
__＿＿ __＿＿＿____ | |
／i／. :∠´_:＿＿＿_:_＜￣ ＿___,| Lﾆ= ┐
/ // /. :∠＿＿＿____.: : :｀ヽ |＿＿_ __.. | 「 / rｰ;
/!// / :／: : : : :ー＝ニ＝ｰ: :＼ | | | | |/ |／ ／＼
〈: i: ﾚ′:￣￣｀:ー─ 、 ー＝ニ＝ｰ ＼ | | |｜ ／.. -''"
_＿∨i:´￣｀:＼ :＼ .:＼ :＼ :＼ ＼ Ｖ |/ ／'"
／ ／ノ∧ :＼ :＼ .:＼ :＼ :ヽ＼
/ /／/! :ﾍ ＼:＼ .:＼ :＼＼ :＼ :＼ :＼ヽ
/ // :/ :|∨:＼ ＼:＼ .:ノ＞ヾ:＼＼ :＼ :＼ .:ヽ＼ヽ人从人_从从
{/ :/ !ﾍへヾ､ ＼_メへミ､ ﾍヾ＼＼:｀＼:へ ヽ｀＼＜ ＞
! /:| |ﾍ∨oゞ亥≦＼oゞヽ :|ﾍ、:＼!´ヽ、_＿:＼＜ 断る！！ ＞
!ﾊﾘ! :ﾄ jハ } ヽﾍ ヽ ヽj｛ ∨｝ヽ:ノ´:￣:｀ヾヽ＜ ＞
! ｜ﾍ |ヽ!｀＼/_ ｀＼ 釗ﾐ ｊこﾉ＞ー―-＜ Y⌒YW⌒YWW
釗釗 ﾘ ﾍ ､____,,,,,､ ミ i 二ニ＞ヽ＼
釗 ﾐﾍ ∨´￣｀ﾍ ゞ ﾚ⌒ヽ｀＼
ヽ `ﾍ ∨＿_ 丿 ／ ! ｝
___', ー ┌─‐─┬┴──┐
／／::::ﾄ、___ __／!ニニ }::::|.:.:.ｊ.:.:.:.:.:.:.:i
} }ニコ i:.:.:.:.:.:.:lニコ /::::jに〕二二ﾆl
} }ニコ j:.:.:.:.:.:.lニコ/:::::/:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l
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,ｨ'三三ﾐ.llililil,ﾍﾊﾊ ﾄ,liﾍﾊ‐､_
,ｆ三三三ミllilililil l l l l l l l l ﾊ ヽ、
,ｆ三彡´ ∨ﾊﾊ.iﾊ l l l l ﾊﾊ
l彡ｨ=-― ､ｖ--､,,,ｨ-l从l从lﾊ l ｌi .l ﾊlﾊ
,l-ｲl、 ,ﾉ--､ll｡ ヾl l l l.l,ﾘ.l 洲
l lイ'`ー=彳ﾉ ヾ,､_ __ノﾙlﾘlﾙｲlﾙ州l えっ
l､リ. , `‐'ミ､ ￣ ´ `ヽﾘ_ﾉﾘ州ﾘ
`l l ﾄ--､-, ,､_ ` 、､、 ´ l,ミlﾉｲﾘ'
l l Yﾆ'二ニ='‐｀｀ﾗ .!' l ﾉｲｲﾘ/
.l､ ,. ､ゞｪｪｪｪｪｪｨリ' ./`-ｲ,'´
>、ヽ、ー----‐イ ,/彡ｲ〈、
,.ｲイﾊ‐､ ` ､ ＿___,, ィ _,,イ彡イィﾄ ﾄ､
,ｲｲ ﾍ ` ‐----‐_彡'´ / ,' .l`i､__
_,ｲ-‐-､ _,.イﾍ、 _,, ＜ / ｲ// .l ﾄ､@ヽ、
,.イ// )'´ l i'ミ､r,ミ､ ,ﾉ ,/ｲ././ l l 〉､__
.,ィl ,/,.' ,' ,! ｌ ,i!l´ `ヾ,il .,,ｨ'´,ｲ . ./ / . l.l ,' .l
.l l /,.' ,' ,' l!,ﾘ..ﾉr‐,ヽ,ｲﾍ、 ,ｲ 〃,ｲ / / .l.ﾘ .ﾘ.,ｲ
ﾊｲ, ' l /.ﾚl'l彡◎ミl} ﾍ, @,ｲ . ｲ / / .ｌl! /／
ｲ.' l.,'. .Yl iノ.ﾉ.l､ ,ヽ' ,.' .,' , ｌｌ/ｲ l
なんと門田はその場で、ブレイザーの指示を真っ向から即座に拒否。
しかも、その理由がまた理由であった。
|￣|.
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／i／. :∠´_:＿＿＿_:_＜￣ ＿___,| Lﾆ= ┐
/ // /. :∠＿＿＿____.: : :｀ヽ |＿＿_ __.. | 「 / rｰ;
/!// / :／: : : : :ー＝ニ＝ｰ: :＼ | | | | |/ |／ ／＼
〈: i: ﾚ′:￣￣｀:ー─ 、 ー＝ニ＝ｰ ＼ | | |｜ ／.. -''"
_＿∨i:´￣｀:＼ :＼ .:＼ :＼ :＼ ＼ Ｖ |/ ／'"
／ ／ノ∧ :＼ :＼ .:＼ :＼ :ヽ＼
/ /／/! :ﾍ ＼:＼ .:＼ :＼＼ :＼ :＼ :＼ヽ
/ // :/ :|∨:＼ ＼:＼ .:ノ＞ヾ:＼＼ :＼ :＼ .:ヽ＼ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人
{/ :/ !ﾍへヾ､ ＼_メへミ､ ﾍヾ＼＼:｀＼:へ ヽ｀＼＜ ＞
! /:| |ﾍ∨oゞ亥≦＼oゞヽ :|ﾍ、:＼!´ヽ、_＿:＼＜ 俺は今まで、一度もバントをしたことがない！ ＞
!ﾊﾘ! :ﾄ jハ } ヽﾍ ヽ ヽj｛ ∨｝ヽ:ノ´:￣:｀ヾヽ＜ ＞
! ｜ﾍ |ヽ!｀＼/_ ｀＼ 釗ﾐ ｊこﾉ＞ー―-＜ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
釗釗 ﾘ ﾍ ､____,,,,,､ ミ i 二ニ＞ヽ＼
釗 ﾐﾍ ∨´￣｀ﾍ ゞ ﾚ⌒ヽ｀＼
ヽ `ﾍ ∨＿_ 丿 ／ ! ｝ ヽ人_从人__从_从人从
___', ー ┌─‐─┬┴──┐ ＜ ＞
／／::::ﾄ、___ __／!ニニ }::::|.:.:.ｊ.:.:.:.:.:.:.:i ＜ 故に拒否する！ ＞
} }ニコ i:.:.:.:.:.:.:lニコ /::::jに〕二二ﾆl ＜ ＞
} }ニコ j:.:.:.:.:.:.lニコ/:::::/:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒Y
__＿ノ! |:::::::::!〃:.:.:.:.:.:.l _ ′:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:l、＿__
￣￣:.:.:.:.:.:.:.Ｌ ヽ:::::::l:.:.:.:.:.:.:.ノ ,:::::::／:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:￣￣
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ＼ﾍ:.:.:.:／ ::::::／.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ヽ∨ ::::::／.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.
, ==､lr､ヽﾊﾊﾊ‐-､､
,ｨ'三三ﾐ.llililil,ﾍﾊﾊ ﾄ,liﾍﾊ‐､_
,ｆ三三三ミllilililil l l l l l l l l ﾊ ヽ、
,ｆ三彡´ ∨ﾊﾊ.iﾊ l l l l ﾊﾊ
l彡ｨ=-― ､ｖ--､,,,ｨ-l从l从lﾊ l ｌi .l ﾊlﾊ
,l-ｲl、 ,ﾉ--､ll｡ ヾl l l l.l,ﾘ.l 洲
l lイ'`ー=彳ﾉ ヾ,､_ __ノﾙlﾘlﾙｲlﾙ州l ‥‥‥
l､リ. , `‐'ミ､ ￣ ´ `ヽﾘ_ﾉﾘ州ﾘ
`l l ﾄ--､-, ,､_ ` 、､、 ´ l,ミlﾉｲﾘ'
l l Yﾆ'二ニ='‐｀｀ﾗ .!' U l ﾉｲｲﾘ/
.l､ ,. ､ゞｪｪｪｪｪｪｨリ' ./`-ｲ,'´
>、ヽ、ー----‐イ ,/彡ｲ〈、
,.ｲイﾊ‐､ ` ､ ＿___,, ィ _,,イ彡イィﾄ ﾄ､
,ｲｲ ﾍ ` ‐----‐_彡'´ / ,' .l`i､__
_,ｲ-‐-､ _,.イﾍ、 _,, ＜ / ｲ// .l ﾄ､@ヽ、
,.イ// )'´ l i'ミ､r,ミ､ ,ﾉ ,/ｲ././ l l 〉､__
.,ィl ,/,.' ,' ,! ｌ ,i!l´ `ヾ,il .,,ｨ'´,ｲ . ./ / . l.l ,' .l
.l l /,.' ,' ,' l!,ﾘ..ﾉr‐,ヽ,ｲﾍ、 ,ｲ 〃,ｲ / / .l.ﾘ .ﾘ.,ｲ
ﾊｲ, ' l /.ﾚl'l彡◎ミl} ﾍ, @,ｲ . ｲ / / .ｌl! /／ ﾅﾆｲｯﾃﾝﾀﾞｺｲﾂ
ｲ.' l.,'. .Yl iノ.ﾉ.l､ ,ヽ' ,.' .,' , ｌｌ/ｲ l
あまりにも単純すぎる理由に、これにはブレイザーも思わず苦笑い。
しかしブレイザーも、元メジャーリーガーの肩書きを持つ男だ。
野村を傾倒させたシンキング・ベースボールの概念を選手達にも広めていけば、
チームのプラスになると信じて疑わない。
＞´￣ ー ＜/// ﾍ | ヽ＼
/ ヾ ﾉ l i i |
／ ∨ / ﾉ| l |ﾊ
／＼ / ─ ー=ﾆ=‐ｘ ∨ / j //! |
/ /ヽヽ/ー ＿ /￣￣＼ヽ Ⅵ /// |｜
/ //^ｌ | ￣ ─ y; -‐=ミ､_Ⅵ;ﾉ|//// / ,′
. | |;'r‐{ |{ ＼{{ｉ;jﾒ}zt|/// /|/ 君のスイングスピードがあれば、
.. 八 ヽ! / ＿ {l ⌒`ﾐ1厶7i^V|/ 将来的にクリーンナップを打つ可能性も十分ある
〉､ Y { r‐､ ヽ ＿_ ノ¨⌒｛_ﾉ
.. 彡 }_j ＼ ヽ そのために今は、２番という打順であらゆる状況に
￣ ‐ｔ=‐- ー─一〉 対応できる力を身につけるべきだ
─､ i ＼ ｀ ‐=ﾆ‐ r ´
＞ｘ､八 ＼ ｀‐=ﾆｿ__｣
＼ ｀＞､ `ー‐ {´
＼ ｀ ､ √
＼ ｀ ､ /
＼ ｀ ､ ィ´
／ _ , -=ニ二ニー
i // /／ ／∠二二ニ＝ｰ
∨:｛/ __...............__ ￣｀ヽ
∠二ヾ :. 二ニ ＼
/／ :ハ、 :.. ＼ ＼ :｀ヽ＼
／ ／ｲ:ハ ヽ ヽ ＼ ＼ ヾ＼
/:／ /: 小ヽ:.ヽ＼ ＼ ＼ ＼ ヽヾ＼
′ //: /ハ∧ヽ:.＼＼ ＼_＼ ヽヽヽ＼
/// /ﾊ |￣ゝ_ヽ:.＼＼_＼_＼ ＼ヾ
//ｲＮ∨ﾍ ｰ＝'' |＼＼=ｰﾍ/ Υミヾ ‥‥‥
_,ゝ:ﾍ !: ｀＼ ﾑ,ノ⌒
⌒ゞ小 ＾'＾ /ミﾍ
r‐| ヽ ´ ￣ ｀ ｲ |-ｭ
|=iト､ ＼ ｀´ ／_,,イ=|
/ヽ=「三ミ_ー‐_ｲ三 i:|=ﾍ、
_／/ヽノi:| 三ﾐ!:::::::::ｲ三 :|:iく.:.ﾍゝ、_
___ ,,, .:-.:.:.´:.:ヽ/ : :_ノ:.ｰｭ |:::::: : j r‐:.ヽ､: : /.:.:.:.｀:.:.:.:-:. ,,, ___
:.:.:.l l .:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜´⌒＼＼:::／／⌒｀＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. l l.:.:.:.:.
.:.:.:.l ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜:.:.:｀Y´:.:.:＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l.:.:.:.:.
:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:., ´___｀ヽ|/´___｀ 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l l.:.:.:.:.
.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／:..:..: : | | |:..:..:..:. ＼＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:.:.:.:.／／:..:..:..:..: : | | |:..:..:..:..:..:. ＼＼.:.:.:.:.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.
.:.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:／／:..:..:..:..:..:..: : | | |:..:..:..:..:..:..:..:. ＼＼:.:.:.:.:.l l.:.:.:.:.
その後も、門田に懇々と自説を説くのだが‥‥
,／ , - , -―─ --- ､ ヽ人_从人从
/l //／ ／´ -―---―-､―｀ ＜ ＞
l l .| / /' -'―───--- ､ -｀ヽ､__ ＜ 黙れ！ ＞
ヾ, l ',!／´ ＿＿＿ ￣｀ ｰ- ´ ､ ＜ ＞
＼ l -┴'"´ ｀ ｰ -- ､ _ _ 二ヽ｀ Y⌒YW⌒Y
,.--/ ー---==､-―---- t- _＿＿￣￣｀ゝ､
/,-／ ､ー- ､ --,xt‐,--_､_ l l ゞ }￣￣｀ヽ､
/ / ,ゝ､_ _､ _＿ ｀-,ｰ¨´ l l } /-― 二ゝ ヽ人_从人__从_从人
l / { li |､ ヽ tｪｨ} l ｀ ｌ l_ ｿ- 二ﾆ=､ ＜ ＞
l' | | ､ヽ ', ¨/ ' _ _ '､ l ｀ヽ ＜ そして聞け！！ ＞
｀ ゝ＼,八 ｀ ､´ ´_｀ヽ l | ヽ ＜ ＞
ヽ ヽ!:.:.:.:.:.l / l ', Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒
＼ ',:_,.. ' /_,-l-‐､＿__､__
ヽ ／:::::∨:::::::ヽ:::::::∨｀ヽ
ヽ -‐ '´:::::::::::::∨::::::∧:::::::∨:::::ヽー---t-
_, - " ´､￣￣￣￣￣｀ ｰ--､:::::::∨:::::∧::::::::∨::::::::::::::::::::ヽヽ
, - ‐ "´:::::::::::::::::::::::＼ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､::::::::∧::::::::∨:::::::::::::::::::::| |
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:::ヽ､:::,--,:::::::::::::::::::::| |
＞´￣ ー ＜/// ﾍ | ヽ＼
/ ヾ ﾉ l i i |
／ ∨ / ﾉ| l |ﾊ
／＼ / ─ ー=ﾆ=‐ｘ ∨ / j //! |
/ /ヽヽ/ー ＿ /￣￣＼ヽ Ⅵ /// |｜
/ //^ｌ | ￣ ─ y; -‐=ミ､_Ⅵ;ﾉ|//// / ,′
. | |;'r‐{ |{ ＼{{ｉ;jﾒ}zt|/// /|/
.. 八 ヽ! / ＿ {l ⌒`ﾐ1厶7i^V|/ ！！
〉､ Y { r‐､ ヽ ＿_ ノ¨⌒｛_ﾉ
.. 彡 }_j ＼ ヽ
￣ ‐ｔ=‐- ー─一〉
─､ i ＼ ｀ ‐=ﾆ‐ r ´
＞ｘ､八 ＼ ｀‐=ﾆｿ__｣
＼ ｀＞､ `ー‐ {´
＼ ｀ ､ √
＼ ｀ ､ /
＼ ｀ ､ ィ´
ヽ人_从人__从_人从人
＜ ＞ ! i| l! :! ヽ .:＼ヽ ＼ ＼ ヽ
＜ 我が名は門田！ ＞｜ |i lﾄ、 :|. ＼ .:＼＼ ヽ .:＼.:＼
＜ ＞ ｌ |i lヽ＼ ', ヽ ＼、 .:＼＼ ＼ .:＼.:ヽ
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒W l l :|i lノ＼ヽ :ヽ ＼ヽ ＼ゝ､ ..:＼＼ ヽ ヽ ｀＼
|/ l l |!! l⌒ヽ＼＼. :＼ ＼＼＼ ＼メ ∨:＼ ∨＞
′ l l :|ﾊ l｀￣{心､ｰ＼ :＼ ＼＼ｨｭ、ヾ ＼ ヽヾ/＼:j
／ゞ ! |八 ヽ `ｰ─へ＞ヽ :＼ ＼ゞｰヽ ヽ 乂. ∨⌒ヽ＼
／_＿ヽﾘj|ﾊ ヽ:＼ ＼ ヽ､:＼ ＼ ＼∨ ヽj⌒ヽ
／ﾍリﾊ ｀＼ :| ｀＼ ﾊﾉノ⌒ヽ
／´⌒＞lﾍ :| ヽ /ノ
￣￣｀ヽ､,､-''"´:::::::ﾚﾍ ＾−ｰ＾ /:::::｀゛''-､,､,r'´￣￣
:::::∠´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ∧二ニ二∧ /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ {ﾚ/´ ￣ ｀ヽj} ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ ∨i ｌ∨ ∧:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ人_从人__从_从人
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ヽニニニ/ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::＜ ＞
⌒ヽ::::::::::::::::／´￣￣￣「二二ゝ_＼__ ｰ __／_<二二」￣￣::::::::＜ 門田博光！！ ＞
::::::::::ヽ:::::::ノ:::::::::::::::::::::::::| | に二ヽ､_＿＿_ノ二ニ) | |::::::::::::::::::::::＜ ＞
Y⌒YW⌒Y⌒WW
.
門田はまるで耳を貸さなかった。
／l / / ／..／ ／''""" """"'''-,__
./ .l / /／∠＿∠_______;;;;;;---'''''"""''---'''''
l ﾚ ／__________,,,,,,,,,,,,,,,,,--二ﾆ=--,, ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从
l レ "" ""'''--,,,,__ ＜ ＞
/"'''''''''''ー−---、,,,,,,___ " ＜ 南海ホークスの剣なり！！ ＞
,,-ゝー-、,,,,__ ""'''-- ,,,,,,__ ＜ ＞
∠,-'" -,,_ "'--,,,___ /'''';;;;;ゝ "-,"'-,,,,__Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒
/ヽ,,,, ""'-,,, / /__,,,. '--,,,,, '-,, ,--、 ""''-,,
./ /l ""'-,, "−,,/__/;;） /｀''-,,"-,l l lヽ ヽ ___,,,,,,,,,,,">
l / l /l l"''-,,,__ ’-''"" "-- ﾆ=l ｌ ６ l _,-''"'''−-,,,､ -''／
ﾚ l l l .l .|.i,;;;ｿ "''''--,,,,,'=- l .レノ.lノ ,--''"イ ／,r ''了 ／ 了
ヽl ヽ.l .| '-/ l l lヽ_/_／""'''/ /,/ /／ ,／
i! ヽl | く,,,...- l l l ヽ／""/ /:/ // _/
ヽ ヽ _,,, ===,,,, l l / __,,,,!--ｲ / / __/: l／
.ヽ ! ,,, " "',,,-','"" ,,|. / /／＿_, ／ﾞ '' ､
ヽ ,-''"" ,-'''、-'"ヽ| レ '''" / ／＿ ／ ,､-'"/
ヽ ,..-'ヽ,,-''"l ',""ヽ,.-'"| ,､-ｰｰ' ｀',,､- ''" ,,,/
ヽ ,.-'" ヽ,.-'" ヽ,-" | r' ／ ／
ﾞ-''''"--..,, _,.-ヽ-'""l ヽ / | | ／ __／
| | ∠ ／
/ | | ／
| ／ | /
|／ |/
r､ ,ｨx
(＼＼(＾} /)///7
{＾ヽ＾ヽ { / 'ヽ /
＼ ｀Y ﾉ}_ {. 〈 /
〉,r彡ﾊ 人＿ノ〉
V ∨ / 7 /
'v V / /
'v V . 〈 /
V V rfﾃ弐ミk / }'
'v ',仔r＝r弌ﾘ' / はい
'v '({ ヾ二ﾌ,j' /
} j个ー‐个ﾄ, / もうギブアーップ
}> ／ /＞ｭ<ﾄ､＼ノ{
＿j／ / | / :| | ＼＼
_,＞､__, イ＞＼／ _｣/＼￣{_
/ /:::::| ＼／＿_,＞|:::::∧ {
/| ./:::::/ 厂 |::::::::∧ |＼
/ :| /:::::/ |o 〔::::::::::::∧.| ＼
/ / /:::::/ :|o 丿:|:::::::::::::∧ ＼
その頑固さに、さすがのブレイザーもとうとう匙を投げるのであった。
ブレイザーをもってしても説き伏せられないのだ。
他の首脳陣も門田を説得することは早々に諦め、指示に逆らったことへの
ペナルティ含めて、その扱いをどうするかは監督である野村に一任されることになった。
＿
／、 ＼
/ ＼ V⌒l ＿_
（ ＼_）｀¨.ﾉ / ﾍ ￣ 丶
＼_） ＼ ,┘-―-∨Lノ＿ ヽ
＼ ∧ │l｛ ・│． ｀l 三l 監督、門田をどうしますか
｀V: :＼ Y 二、(⌒)＿ ノ┬三、
／: : : : :.l （ ミ三―-、 !@ ｌ バントをやりたくないとかワガママ放題ですよ
／.: : : : : :. :.＼＼／⌒ヽ、 ） ├‐´
│: : : : : : : : : : : ｀ｌ＝ニニニ´ _ノ‐-、
│.: : : :. :. :./.: : : :.ｌー‐---／.: : : : : :.＼
ｌ: : : : : : :./: : : : : :＞--‐´: : : │.: : : : :ｌ
＼.: : : :./.: : : : : : : : : : : : : : :.│: : : : :.│
｀ー┤.: : : : : : : : : : : : : : :.│.: : : :. :.│
!: : : : : : : : : : : : : : : :.│.: : : : : :│
＿＿＿_
／ ＼
/ ノ -､ -ヽ ヽ うーん
/ , -|／‘|＜ |-､ |
○／ ` - ●-′ | 変な奴だとは思ってたけど
. | | 三 | 三 / ここまでとはね
| | ／⌒＼_|／＾／
| |━━━(ｔ)━━､
| ／＿＿ ヽ |_|
. i l ヽ＿__/ﾉ j_)
ヽ ` ── ′/
⊂二⊃⊂二⊃
＿＿＿＿_
／／⌒ ⌒ヽ ｀＼
/ / ・/・ / ､ ヽ まあいいや
/／ `ｰ●ー ´ ＼ ヽ
/＾ 三 / 三 ヽ ｌ 僕は将来的には、カドには
ヽ.＿_ / ＿＿ l | クリーンナップを任せようと思ってたんだよ
| ヽ￣￣￣￣ / | ｌ
ヽ ＼／ ￣｀ヽ／ / /
ヽ ヽ､＿＿／ / /
>━━,-､━━━━┥
/ ／ ヽﾌ /⌒ヽ￣ ｌ
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ あいつはヒットならよく打つ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ バントをしたくないなら、僕の前を打たせよう
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! ３番で使うよ
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
その門田の処遇を、野村はあっさりと決める。
自分の展望と門田の希望をすり合わせる形で、４番を打つ自分の前に
門田を置くことにしたのである。
ところが近年はそうでもなかったりする
＿
／、 ＼
/ ＼ V⌒l ＿_
（ ＼_）｀¨.ﾉ / ﾍ ￣ 丶
＼_） ＼ ,┘-―-∨Lノ＿ ヽ
＼ ∧ │l｛ ・│． ｀l 三l では、３番を打っていた
｀V: :＼ Y 二、(⌒)＿ ノ┬三、
／: : : : :.l （ ミ三―-、 !@ ｌ 富田はどうします？
／.: : : : : :. :.＼＼／⌒ヽ、 ） ├‐´
│: : : : : : : : : : : ｀ｌ＝ニニニ´ _ノ‐-、
│.: : : :. :. :./.: : : :.ｌー‐---／.: : : : : :.＼
ｌ: : : : : : :./: : : : : :＞--‐´: : : │.: : : : :ｌ
＼.: : : :./.: : : : : : : : : : : : : : :.│: : : : :.│
｀ー┤.: : : : : : : : : : : : : : :.│.: : : :. :.│
!: : : : : : : : : : : : : : : :.│.: : : : : :│
, -──- ､
／ , -‐､ , ‐ ､ ヽ
/ / ∨ ヽ ヽ 広瀬と一緒に上位を任せるよ
/ _,.l ・ ,! ・ /‐､ ヽ
l / ニ､｀ｰ‐‐'◯ｰ‐' 二ヽ | 打てる選手は固めた方がいいだろうからね
l l-─ l ‐､-l!
l l ヾ''ｰ‐ ､__ |＿ _,,...ｨ'´ l
ヽヽ ヽ ）／ /
ヽヽ ｀''ｰ── ' /
ヽ＿＿＿＿＿＿, -‐''''⌒ヽ
／ ￣､ﾌｰ─‐＠─‐ヽ（ ）ノ
| ヽヽ~￣￣￣|￣￣ヽ
ヽ （ ） | ヽ
|｀ｰ┬'l￣ヽ＿＿＿|＿＿＿ヽ
| ヽ､｀ｰ---- '´／ |
更に門田の頑固さによって、玉突きで他の選手たちの打順まで
入れ替わることになるのであった。
しかしこれは決して、門田に対して温情を見せたわけでも、命令違反のペナルティを
免除したわけでもなかった。
./: : : : : : ,.--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/: : : :___:/: : : : V: ,--､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
,': :, ｲ. : .j＼:＿:.〃 ∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : カド
.i: :/. : . : :i ∪7 }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
{:.,'--､: ヾ! ,/: ０j ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : お前、この世界でペーペーが自分を貫くってことが
|:.i --､: . :>‐‐ヽi / ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : どういうことか分かってるのか？
∧i {, ィ´: 乂::::::ﾉヽ､＿,ノ V: : : : : : : : : : : : : : : : :
.ハ ﾍ: . : . /￣ ─-- ､ V: : : : : : : : : : : : : : : :
ﾑ ﾊ: . :,': . : . ﾆ､─-､ ｀`ヽ､.V: : : : : : : : : : : : : : :
ﾍi ヽﾉ: . : : . : . `ヽ､ ｀`ヽ､. i: : : : : : : : : : : : : : :
.ﾍ ＼_: . : . : . . ._ヽ ＼ .|: : : : : : : : : : : : : : :
＼: ヽ : ＼ 7: : : : : : : : : : : : : : :
＞ｘ ゝ : . : . : . . . . . ./: : : : : : : : : : : : : ＞ｲ
＜:/ヽ:≧x､_: . : . : . : . : イ: : : : : : : : : : :, ィ:::／:
テ=xヽ＞ｘ:::::≧--≦--------::::::≦彡:': : : : : :
{.P i !: . : . : ＞--------: : : : ￣: : : : : : : : : :
i＞-＜. : . : . : . : . :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
{: . : . : . : . : . : . : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/ / ／ィ"´, - =-- ､
l i ｲ/ /_／__ -―――｀-､
| ゝl"-´―- ､ _｀ ヽ､ ―-､`_
／ヽ､､´ ‐ -- _ ` ｰ _`二ﾆ ヽ､
/／'´', ｀ヽ､ ｀ ヽ､-､_｀ヽ､ｰ-､=-
' / '! lヽ､ ､ ｀ヽ､ ヽ､｀ヾ､`- ､ﾆ-
{' l | ',ヽ､＼ ､. ,＼=- ゝ_ 二ﾆ=-､ むっ？
ヽ!､ ヽ`tｫ､,ヽ´ｨｫｧ､ヽヽヾ､}ﾆ=-
ﾚ'ヽゝ¨/ヾ､. ¨ ヾ､ ヾ,_/´Tヽ｀_
ゝ ｀ ＿ ﾐﾉ |､/:/:::}､ ｀ ｰ-
_, - '"´||:ヽ ´ - ｀ ／ ／_/:/:::::::::l;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
_, -‐'´;;;;;;;;;;;;;;;l｀ｰ,ヽ_ __ イ ／-‐l／:::::::::::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ:::E=',ｰ-‐'|==, l::l:::::::::::／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼=:ヽ:::::/==, l::l::::::／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼::',/ﾆ='-':::::／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
プロの世界は実力世界である。
キャッチャーとして生き抜くことを決意していた野村も、プロの世界にしがみつくため、
二軍時代にはファーストへのコンバートをやむなく受け入れたことがあった（第３話参照）。
＿＿＿＿
／−､ −､ ｀＼
/ | ・|・ |- ､ ヽ プロの発言には、常に責任が伴う
/／ ｀ｰ●ー ′ ＼ ヽ
ｌ 三 | 三 ヽ l バントはしたくありません、結果は出せませんじゃ
.（＿＿＿|＿＿＿ | ｌ 話にならない
ヽ ｌ ＿＿ ｀ヽ ! /
_ ヽ ヽ__（＿＿＿)ノ / /
（ __）ｰ━━O━━━━━く
＼ |/ ＿＿＿_ ヽ /⌒i ）
/⌒ゝ─- ､ ノ ﾉ｀ｰィ´
. ｌ | `ー ´ ﾉ､
｀ー`┬- ､＿＿＿_ ／ l
〉ｰ（＿＿＿＿.l／
ヽ＿ ﾉ | |
. . --- . . ＼
. . ´ : : : : : /＼∨/ヽ ､
／:. : : : : : :.＿| 才ﾍ |_:ヽ バントをしたくないなら、僕の前の３番を任せてやる
/: : : : : : :／ .、弋ﾟ}ﾟ ﾉ 二
|: : : : : ／ 二ﾆ/ / ｰ '{;;;;;;;ﾉ´, ― 僕の前に、ランナーとして出たらそれでいい
|: : : : / ＿ｰ 二二 丁 ニ | くれぐれも勘違いはするなよ
|: : : / ／ ｀＞ ＿|＿＿ ﾉ
∨: :| |／⌒ヽ／⌒ヽ / /
ヽ:∧ ヽ ＿＿＿＿_} ／ ／
7 三二 ー_-＿_＿＿__／
/: : : : : : : : : : : : : : / ヽ
/: : : : : :＿＿＿＿ 人 ＿ ノ
|: : : : : : / |￣￣￣ ７/
それは当時、野村がまだ何の実績もない未熟な選手に過ぎなかったからだ。
あれー俺の知ってる門田じゃないおかしいなー(棒)
１年目はそれなりの成績を残したとはいえ、門田もまだ一端の選手とは言えない。
己を貫くには未熟な部分もあるのだ。
＿＿＿＿
,. ‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼ あれだけの大口を叩いたんだ
／::::::::::::::: -'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l
:::::::::::／ ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::| 僕が監督の時の、お前の最後のチャンスだ
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:!
:::::::/ ー――- .| ――─- l| これでダメなら、社会人時代のチームに帰れ
:::::::| ＿ | ー--- '_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
::::::::' 、 ￣ /
＼::::::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
＞------------ｒ―-:、------ゝ、
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
／ _ , -=ニ二ニー
i // /／ ／∠二二ニ＝ｰ
∨:｛/ __...............__ ￣｀ヽ
∠二ヾ :. 二ニ ＼
/／ :ハ、 :.. ＼ ＼ :｀ヽ＼
／ ／ｲ:ハ ヽ ヽ ＼ ＼ ヾ＼
/:／ /: 小ヽ:.ヽ＼ ＼ ＼ ＼ ヽヾ＼
′ //: /ハ∧ヽ:.＼＼ ＼_＼ ヽヽヽ＼
/// /ﾊ |二ゝ_ヽ:.＼＼_＼_＼ ＼ヾ ‥‥！
//ｲＮ∨ﾍ ｰﾟ‐′|＼＼ﾟ‐へ/ Υミヾ
_,ゝ:ﾍ !: ｀＼ ﾑ,ノ⌒ ‥‥承知した
⌒ゞ小 u ＾'＾ /ミﾍ
r‐| ヽ ´ ￣ ｀ ｲ |-ｭ
|=iト､ ＼ ｀´ ／_,,イ=|
/ヽ=「三ミ_ー‐_ｲ三 i:|=ﾍ、
_／/ヽノi:| 三ﾐ!:::::::::ｲ三 :|:iく.:.ﾍゝ、_
___ ,,, .:-.:.:.´:.:ヽ/ : :_ノ:.ｰｭ |:::::: : j r‐:.ヽ､: : /.:.:.:.｀:.:.:.:-:. ,,, ___
:.:.:.l l .:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜´⌒＼＼:::／／⌒｀＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. l l.:.:.:.:.
.:.:.:.l ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:. ＜:.:.:｀Y´:.:.:＞.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l.:.:.:.:.
:.:.:.:.l l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:., ´___｀ヽ|/´___｀ 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l l.:.:.:.:.
気概は買うが、チームの指揮官としてはその全てを許容するわけにはいかない。
門田の希望を叶え釘を指すと同時に、最後通告も行うという強烈な厳しさを
野村は見せるのであった。
監督１年目は上手くいった。しかし、２年目を迎え相手も対策を練ってくる。
このまますんなりといくとは思えない。
＿___
. . :,ｘ≦ ､: : :,,イ／ヾ:｀ :..
／: : / ＼｀,ili!,'／ !: : : : :｀ヽ ようし！
. ／: , =1 三ヾi!i!・) ,_: : : : : : : : ＼
￣: ` :〆､ ゝ-, ;;;;;;;;;;;)ヽ ＿/ ヾ.: : : : : : : :＼ 今年こそ優勝を目指すぞ！！
, ´￣｀ ゝ ヽ ヾ;;;;;彡' ─‐‐ =' 丶.: : : : : : : ヽ
ゝ─‐─‐‐--- |l ￣￣￣ 丶 : : : : : ::...
＞ _ =＝─ | _..,,ｘ＝＝ x､ 丶 : : : : : :.!
. { ｀ |｀＞=‐----─-‐ 彡 , =..､ ヾ i : : : : :::
li ｘ≦三} {三三ヽ ､ 釗 : : : : i!
, -x,;ﾆ三ヾ='彡三ﾆ! } } : : : : ::,
＼ ＼ ( ｀ ‐-‐ ' ) , ,: : : : : ｿ
＼ ＼ ヽ ,, = ､ / ,' /: : : : :/
. _ _ ,ゝ ヾ=＝彡' ｀ ＝====彡' , : :_:_:_/_
, =ｘ≦: : : : : ｀》三三三三＝三三三三三三三二ｘ≦: : : : :｀/￣ ､
, ヾ: : : : : :/ : : ｘ≦ {=＝= } ≧ｘ : : : : : : : : : : : : : { / )
l , : : : : /: : :/ ヾ┴ ' ヽ : : : : : : : : : : : :ヾ __,彡'
,i-､、 ,! ﾞl
＼ ＼＼ | ,}-,,、 │ ./ ／
＼＼ ＼ : ,,,,―'''''″ .,,,,,,,,ﾐ丶 ,,,、 .,,,,、 .| 丿 ∠−ニ
＼＼＼ _>. ﾞ'―',!'~,、. | .,,,,,,,,,--―'''''"ﾞﾞ^''i､ .〔''' |,｀,! ,lﾞ .〉 .| / 二＿＼
＼-=ニ ／,,/ﾞ| | ‘ｰ---ｰ'''''''''''''''"゛ ｀'┘`ﾞ丿,/′ lﾞ/ _−
＼＼＼ . .,,彡'" | | ,/／ ,ﾚ ￣二＝
＼ -=ﾆ ぐ .lﾞ ｨｿ'′ . .″ ＜
＼＼ ／ ′ |ﾞ,) .,r-'"￣丶､
＼／ ｨ ,.−−−− ,､ｒ-- ､ ／￣＼ ／￣￣ ､ﾐヾﾐ三ヽ_ /／ﾞ丶､ ＼ ＼
＼／'''" / ／ ＼＼＼ ／ﾊ!､ ＼ ＼＼ ` ＼＼ yﾟj､ﾟ Ｖ､ i ＼＼ V'｡ﾞ"｡ ＼ r.､ |
＼＼ /／ ｒ--- ､ //｡ﾞ´｡ﾞ､ ヽ _____ 〈r---ヾ/ trｊ ､､､ / い ﾘfZｊ/
＼＼＼ ,.-tﾆ=-､ ＼ｲ|〈__ ＼ i ﾍ￣くヽ ,..r---!￣￣| i f_ /｡v｡ﾞﾐ化ﾆﾆﾆヾ H
____ `ｰｊﾟ〈､ﾟ ﾞｖﾍ| !ﾍﾄ-ﾞヽ | i| |ﾟLﾟ ／j､ ヽﾌ_ﾉ/ !､| .ふ.u!fｊヾＶ |! ﾉ ﾞヽ,､
／ｊﾍ､ ヽ kii==ヾ | f!. ヾ==''／!ﾊ!''ｰ .,|!ﾃヾ / ﾅ ﾞ ⌒､ ﾞ､/ /`''￣-−-ﾐ==/／ ／ ￣''ヽ､
〔ﾟ}{ﾟ〕 Ｖｉ| ､-!i__,,,!ｊﾉ !ﾞ フｨ､ / | | ''-" V ﾟ〈､ ﾟ `!i .rﾐ, .|`-"/ ／匸ヽ ／ /
ヾﾃヾ､〈| 〈ﾟi_ﾟﾋ,,／ / ﾌ￣//|ﾍY､ | .| ／ ヽr (ｒ ､ ﾙ!ソ人 / / ￣ |
Y=ﾉ//ヽ-!-〉''不−" /〈 | : ﾄ ､／ / | i､ ﾆﾞ ク"/ﾞ''-,,_ | i
チームを支え続けたベテランの引退。新たにチームを支えゆく若手達。
選手の入れ替えを進めながら、野村率いる南海ホークスは７１年シーズンペナントレースへと
身を投じていくのである――――
＿＿
／ノ ヽ＼
／.（●）（●）＼ 門田選手か
|. u. （__人__） |
. | | また随分と癖の強い人が出てきたな
| |
. ヽ ﾉ
ヽ /
/ ヽ
| |
| . |
＿＿＿_
／ ＼ まだプロ入りして間もないのに
／ ─ ─ ＼ 元メジャーリーガーのコーチに反発とか
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U | やってることがいきなり濃すぎるお
＼ ｀ ⌒´ ／
, ,. .＿＿
__//〃'´::::￣::¨::''‐､
／:::;:L!{l;;;ﾊ::::､::::::::::::::::::::ヽ
〃::/_- ､ ! |ﾊ｢ヽド､::::::::::::::i
. l::∠=ヽ_{∠_,ノ;三ゝ.j三ミ､::|
l〈.､＝<, `ｰr'＝=; }三ミﾐ :| 門田ほど頑固で偏屈な人間は、
. ｆ7ヽﾆﾟｲ ﾞヾﾟニ´ }::}ﾆヾ::|
. l｣ / '''' ､ }::7´ |::| 球界全体を見渡してもそうはおらんだろうな
〃 r'＾ー‐--'^ｰ ､ ﾉ::{ r'/:::|
ﾞ{ ! 」二二二フ } ヾﾐT´::::::|
ヽ、 ｰ- ' , ｉ.|､:::::ﾘ
. _r'ｆ ｰ:----‐ ''´ ! ﾄ;ヾ'、
-‐ '7´| l | `ー' .／/.+ l ` ｰ-
+./.+ |+ヽ、 ／／+ +/+ + +
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒) それを聞いて少し安心しただろ
. | u （__人__)
| |r┬|} 門田選手のような人が何人もいると、
| | | |} 流石のノムさんの身がもたないだろ
. ヽ ｀ﾆ}
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ｹﾝﾆﾝｶﾝﾄｸﾀｲﾍﾝﾃﾞｽｼ
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ ま、やる夫的には
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 首脳陣に逆らってる選手にやらない夫が
＼ ｀ ⌒´ ,／ 何とも思ってなさそうのが不思議ですけどね
r､ r､／ ヘ
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
＼>ヽ/ |｀ ｝ | |
ﾍ lノ `'ｿ | |
/´ / |. |
＼. ｨ | |
| | |
＿_ ━┓
／ 〜＼ ┏┛
／ ノ (●)＼ ・ 俺が？
. ｜ (.／) ⌒）＼
. ｜ （__ノ￣ ＼
＼ |
＼ /
. ＼ ⊂ヽ∩
/´ (,＿ ＼.
/ ＼. ＼
./ / |. ＼ソ
（ y' .|
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） だって今までのやらない夫は、
／ （__人__） ＼ ノムさんに反発する人達に腹立ててたお？
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／ だから、門田選手にも
. ノ ＼ 怒るんじゃないかなと思った次第でして
／´ ヽ
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） ああ、そういうことか
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 言いたいことは分かった
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ｍm
/ ￣￣￣ つﾉ
| |￣￣￣
／￣￣＼
／ _ノ ＼ まあ確かに、怒りはないだろ
| （ ●）（●
| （__人__） 反野村一派の人達は、あくまでノムさんが気に入らないから
. | ﾉ ってことで反発してるからついつい感情的になるけど‥‥
| ∩ ノ ⊃
／ .／ ＿ノ
(. ＼ ／ .／_ノ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 門田選手とは、単なる野球観の違いっぽいからな
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 今後はどうなるか分かんないけど
. | } まだ登場したばかりだし、そんなに気にならないだろ
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
| |
待ってました！！！
ノムさんも仰木さんも言ってることは結局同じという
／￣￣＼
／ _ノ ＼ それよりお前も、
| （ ●）（●） 杉浦選手の引退はショックじゃないのか？
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ お前が野球に目覚めたのは、杉浦選手の
. | } 日本シリーズ４連投４連勝があったからだろ？
. ヽ }
ヽ ノ ｍm
/ ￣￣￣ つﾉ ※第９話参照
| |￣￣￣
_-─―─- ､._
,-"´ ＼
/ ヽ
/ ＿／::::::＼_ヽ そりゃ、もちろんショックだお
| :::::::::::::: ヽ
l u （ ●)::::::::::( ●) 親分が勇退した時もそうだけど、
` ､ （__人_） / 好きな選手がいなくなるのは辛いお
`ｰ,､_ ／
／ `''ｰ─‐─''"´＼
／ ￣￣ ＼
／ノ ヽ__ ＼ でも、好きな選手が怪我に苦しむ様子を
／（―） （― ） ＼ 見続けるのも辛いお
|. （_人＿） u |
＼ ｀⌒ ´ ,／ いつかは復活して欲しいと思ってたんだけど、
/ ヽ 残念だお
./ l ,/ / i
(＿) (__ ノ l
／ ／ ___ ,ノ
!､＿__!､＿_＿＿_つ
, ィ〃〃〃〃〃〃,,）））
,r≦三〃〃〃〃〃〃,）））ゝ､
/彡三〃彡彡//////-'''''' Yミ､
.{ｲﾒ彡///ノ /ｲ 〃リ.ヽ _ _ ﾐヾ
.彡三三ﾆ{ ￣｀ _ {´ ,,,,ゝ 杉浦がエースの活躍を見せたのは４年に満たないが、
,彡彡三ﾆ;} ∠三二ヽ｀ヽ}∠≦ﾉ 一方で怪我との戦いは９年にも及ぶ
彡ﾒ彡三{ fﾆﾋﾉj''' ､fﾆﾋﾉヽ
,彡ｿf-三ﾆ{ ‐-‐' _ ヽ､ｰ' { 実働年数は稲尾より短く、故障との戦いは稲尾よりも長い
彡ﾆl 三{{ _,t ＿____ )、 ｌ
/l/l,ﾊ ` 三} .／ ＿ ヽl それが杉浦の現役生活だったのだ
!l/l/l/l｀t-イ ｀￣ - ｀ j
ヾj/T(＼ ､ __ ,イ＼＿＿＿＿
__ノ:;:;:;:ヽ＼＼ ￣￣￣ﾉ i!lヽ:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:￣
, , , -‐==- ．_
/.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ
ｲイﾌｼﾞﾞﾞ'' ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ
´ｲ// / ,イ´ヽ ｀ ヾ ､｀ヾミﾐﾐ
llﾚ__｀ { ´ _,,イ二ヽ ヾミﾐ､ ヽヾミﾐ そして鶴岡がまだチームを率いていた頃の、
{三≧ =≦竺o='' 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ
.〉ｰ ﾟ' ､ ノ 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ 名門時代を知らない選手も徐々に増えつつある
.( ｀_/.. ｀¨ 三三F lミヾミミ
l ( ＿__)ヽ ､ 三-､ .ﾘヽヾヾヾ､
l/ ￣＿_ _ ｀ｰ､ .三 ' /川川ﾊﾊヾ
l ´ ＿ ｀ l ゝ-ｲ川 川川ハﾊ
ｌ ¨ ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ
ゝ．_ __ ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
Т ￣ ／／ ｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ﾉj ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼ あの頃の南海ホークスは、親分を中心に
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ 一つになれてたのに
| ／ .ｲ '（ー） （ー） |
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／ 昔の結束の固さが嘘みたいだお
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） 色々あったとはいえ
. | （__人__）
| u ｀ ⌒´ﾉ ノムさんが兼任監督になってからは
. | ｎｌ^l^l 内紛劇が板についてきてるもんな
. ヽ | ﾉ
ヽ ヽ く
/ ヽ ＼
{∨///////| |////////////////////////|
∨///////∧ ∨//////////////////////l|
'⌒>//////⌒ヾ､ ∨///////////'´ヾ｀¨ﾞﾞヾ///l|
/／//'´ / ｀ヽ､{∠'ｌ//////∧ ', ｀¨ヾ}
/ // / ￣｀ヽ､ i |∧∨{ヾ｀ヾ;､ ﾉ＿＿__ {
ｌ/| / ,､_ ｀ー+-┤ ';ｌ{ ヾ>ｨヶｭ､∨///∧ヽ_ｌ
ｌ ',／', f圭王℡､_,.ｌ | /,､_,ィｴ系㌢´~ ∨//////∧ それでは
∨ヾ〉､｀三＝ヾﾆ' i_, 〈ﾐ圭㌢--─ |/´ヾ////入
}/´ / ヽ.｀￣ン ,｢ ｌ ヽ｀￣￣´, |ｌ ｆ｀ ∨///∧ ７１年ペナントレースの様子を
/∧.〈 ｀ｰ'´ .| | ｀ー-‐'´ .ﾘﾉ //////∧ 語っていくとしよう
///∧∧ ,ｲ' 丶 ﾄ､ | ﾚ' ////////∧
////////l /´ ヽ､__,r‐'´ ｀ヽ、 ﾄ､ノ////////}ヾ〉
ﾚ'ｌ/////∧ ｌ | ,r========ｭ､_ | ｌ | |//////////}
{//////∧ { | ｀ー -- ─ ' ´ .｜ } /人//////////}
{///////ﾊ ｌ ‐--‐ ｌ // /ヾ////////ﾉ
＿,,,>'´￣~ﾞ７介､ ,r‐'/ / |￣￣￣￣｀ー､＿
＿ ,,, ─ ''' ￣ / | | ヽ、＿ ＿ , ' / / | ￣
/ | | ＼¨¨￣ / / |
| | | ／ ／ /
| | | ／ ／ /
７１年パ・リーグペナントレース、南海ホークスの開幕戦は阪急ブレーブスを迎えて
本拠地・大阪球場で行われた。
/ ／ / ／
lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､ lｰ ''''"￣￣" ￣￣｀'､
∠,,､ -z ,r――― ''" ∠,,､ -z ,r――― ''"
､ '"´,､ィ / ､ '"´,､ィ /
､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l ､ '" ,､ '":ﾂ / |＾l
､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡 ､-' ,､ '´ / / /'''',,,," 彡
| ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ | ,､ '´ / / ｀ﾞ＾ _,| │ |＾l
'´ / ／l/ .,／,_ | '´ / ／l/ .,／,_ | ;‐i /'''',,,," 彡
/／ .l＿,'" | .| lﾆ ﾆ/／ l＿,'" | .| lﾆ ﾆl ;‐i ｀ﾞ＾ _,| │
{_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl {_,lﾞ .〈/!_| lﾆ ﾆl .,／,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l＿,'" | .|
{_,lﾞ
＿＿＿┌──┐＿＿ ＿_
| SEIKO ｜ └ ｜.SEIKO |
＿＿＿＿＿＿＿――‐. └――┘ ――‐＿＿＿＿＿＿
| EEEEEEEE EEEEEEEEEEEEEEEEEE EEEEEEEE
| EEEEEEEE EEEEEEEEEEEEEEEEEE EEEEEEEE
| |￣￣￣￣￣￣￣￣|
| EEEEEEEEE |＿＿＿＿＿＿＿＿| EEEEEEEEE
└―|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| ―
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|
三三三三三三三|―――――――――――――|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三| |三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三| |三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三l三三三三三三
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿,,,,,,,,,,,,,,,,,................... ＿..........................,,,,,,,,,,,,,,,,,＿＿
￣ ￣ ￣￣ """""
_,,. -＝- .,,_
_,,..､ -
_,,..､ - ‐ '''' "´
_,,..､ - ‐ '''' "´
＿ ＿＿＿_ ,,..､ - ‐ '''' "´
.／ ＝ ／ ／
／ ／
_,／￣￣￣
今年の行く末の鍵を握る大事な開幕戦だ。是が非でも取りに行きたい試合である。
まだかなー
あぶさんでおもしろかったｗ
知らんうちに消えてたけど
この試合、新たなオーダーとなった南海打線は初回から火を噴いた。
/´ ム -イ
,! 〃
,／ ._..イﾆ'" ／/ ‖ ／/／ ｨ! |
. ,／ -" ,..ィ/ｒ'". ﾍ / ｌ ‖／ ／ ;'´ i ｌ
.,..-″ .,./ ._..;;彡'´ ｌ∧ / / ‖ l ／| !: ! |
'" .,,-/,, ＜‐´ ∧∧ｌ ＼ ／ ./ |.／ l |! l |
. ,／ . ／ ﾍ ＞-┘─--┐/￣７ﾐ／∠￣ （ ／ | l! | | ,､
" ,／゛ ∧＼ ＞ ､ / 7 /./i 《 / ／ ! |l' | | ,l |
'" / .ｌ:.:.:.:.(i 勹 /／/´´/ Υイ /.／＿＿_ | |! .|／ ,! L.-ヾ
/ ∧ ､ ゝノ >.／ .（ .ｌ |,ﾞl=≦´三三｀ |／ _,.-'´ _, - '_´
＞ - ,,｀＞ｌ､イ勹､ト､ ゝ---......]iⅩ', ∨/.＼[i{ |_,.- '´| L-'´_|
￣｀|│弋夕＞ ｀─＜.´＞└ ‐t',. ∨//!＼ ,.-'´ ,.-'"
└＼レ（ ＜´ _> ゝ､__, ｀..ﾞ', ∨/// ＼ |,.- '´| | ／|_..-'"
＞ ＼ ゝ＜=フ く_フﾞ"''‐- .,_...',. ∨.//.//＼. |,i ／／ ＿＿ _
,,.. ''":.:.:.:.:./ ゝ､>Y┘＼‖‖（ ） ﾞ.ﾞ',.. ∨/////.!＼ ,,, -／ ｨ' ／＿＿ノ ／丿
{ ´￣/／〉〈＼ ｌ ∧/＼ 〉┌----....',... ∨///////....._.. -'"゛ く／レ ／ ／
＼ |l|w/L ,r_／ /:.:.＼ ７∨ ∨ ＞（ ',.... ∨//._.. -'"´ ,____,. - '´ ／
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ ｀──┐...',....._,, -'''"゛ /＿＿__,／
＼´ 彡x _,, ｰ''"
> ； ’ ∠─ _,,, ｰ'''"゛...
／ }| _,,,.. -‐'''"゛
／´ヾ, r､r‐|＾` ＿,,,,.. -ｰ'''''"´
. /／ }´'''''''''''''''''ﾞﾞﾞ￣´ ,,, -''
/ _,, -‐j ／ ″
_. .._,.. ‐'″ .,／ﾞ´
_,,,....、 ,..-'"二-'"゛ , ‐,ﾞ ／
.. ､＿,,........-- i_、 ._,,.. -''''"゛ _..;;彡-‐'''フ~_,,,.. -ｰ'''"￣￣´ﾞゝ _..-'" ´ ┴´
. ´ ＝‐''"´ . _ .'~´ ''',ﾞ,ﾞ ､,,,ii― ...／_,, -'"
ﾞ_,コ＝!七ﾂ'' _,, -'''ジ'´ ._ｙ/ﾞ,ﾞ,ﾞ -='´ ,r!ﾞ‐'´
,..-'',ﾞ.. -'''" '"゛.″
. ,iiｉｿ‐'"
.
／! ,,.rｧ . __
／::::lﾞ ,,､r'´ / |:::|＿＿_
|:::::::l_,.r''´:::::::::::/ 匚二::::ｒ‐一'´
| ::::,.､r'! / ┌一':::::｀二コ ／）
,,l ,,r'’ l / ｀ー┐::| .／;:::|
.／ .lﾞ l ./ |::::| ￣ |::|
／ ./!:::: l! lﾞ／ |__,| V ,.-┐
r'´ ./ .|:::::| _,.:::'´:ｒ'´ . , '⌒ 、
| ./ |:::::| {_／l::::! ／(;;;::... j
| ./ |:::::| !:::! ／ ｀:ｰ／
レ' |::::/ _ -=: : :￣: : :ト _ ／ ／ ／〉
|./ x.:´: : :／' ¬､: : : : : : ｀:.､ ／ ／ '´::::「
,.:´:./¬ミ{/ .ｒ , }--y- _: : ﾍ ／ ／ └'´|:::|
/: : :.{ ０i、 ゝ'ﾉ ≠ ／ ヽ: ハ ／:::: ／ 凵
. 7: : ／ヽ __k::::ヽ¬ ' .／ ',: .} ／:::;;／
{: ７ ト _ ゞ=r' -=ﾆ }: : :i ／::;;／
|: {---- ', i: : ﾉ ／::;;／ ∧
',:i _ -= , _ --‐‐-- γ⌒ヽ;／ ｒ‐‐-､ /::: 〉
',! γ , - ' ,-' x== 、ﾉ ｀ｰ一'.／::／
ﾍ.人____／ ._,-' : : { }.:.ヽ ／::／
＼ ∠ : : : : : （_`ｊ=イ: :.:ﾉ ／::／
{ ＞＿...／ : : : : : : : イ=ﾐ: /ハ´ . 〈_／
＼ |l|w/L ,r_／ （: : : : : : :ノ '´Yﾉｲ : : :ハ
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ |: :7 ＿__7==ﾊ¬ : : : : |
＼´ 彡x r!: {ハ 弋♀ﾉ￣ ﾌ 7: :|
> ； ’ ∠─ γ7|: : ヽ ＼__ _,／／: : :!
／ }| `{ ヽ: ＿＿,.ニー: :.'´＞' ´￣ヽ
／´ヾ, r､r‐|＾` ヽ＿＿ ノ ＼／ }
/／ }´ | ﾉ
/ ヽ ＿__ イ
開幕戦でいきなり３番門田と４番野村のアベックホームランが飛び出すなど
打線が奮起し、８対４で勝利。
. // / :/! ! i| l! :! ヽ .:＼ヽ ＼ ＼ ヽ
// / :/｜｜ |i lﾄ、 :|. ＼ .:＼＼ ヽ .:＼.:＼
. /'′ ! :/ l ｌ |i lヽ＼ ', ヽ ＼、 .:＼＼ ＼ .:＼.:ヽ
| :/ l l :|i lノ＼ヽ :ヽ ＼ヽ ＼ゝ､ ..:＼＼ ヽ ヽ ｀＼
|/ l l |!! l⌒ヽ＼＼. :＼ ＼＼＼ ＼メ ∨:＼ ∨ ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从
′ l l :|ﾊ l｀￣{心､ｰ＼ :＼ ＼＼ｨｭ、ヾ ＼ ヽヾ/＼:j＜ ＞
／ゞ ! |八 ヽ `ｰ─へ＞ヽ :＼ ＼ゞｰヽ ヽ 乂. ∨⌒ ＜ 我に！ 打てぬ球なし！！ ＞
／_＿ヽﾘj|ﾊ ヽ:＼ ＼ ヽ､:＼ ＼ ＼∨ ヽj⌒ヽ ＜ ＞
／ﾍリﾊ ｀＼ :| ｀＼ ﾊﾉノ⌒ヽ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒
／´⌒＞lﾍ :| ヽ /ノ
￣￣｀ヽ､,､-''"´:::::::ﾚﾍ ＾−ｰ＾ /:::::｀゛''-､,､,r'´￣￣
:::::∠´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ∧二ニ二∧ /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ {ﾚ/´ ￣ ｀ヽj} ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ ∨i ｌ∨ ∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ヽニニニ/ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
⌒ヽ::::::::::::::::／´￣￣￣「二二ゝ_＼__ ｰ __／_<二二」￣￣￣｀＼:::::::::::::::, '⌒
::::::::::ヽ:::::::ノ:::::::::::::::::::::::::| | に二ヽ､_＿＿_ノ二ニ) | |::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ノ
＿＿＿＿
,. ‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼ ホームラン打てたからって
／::::::::::::::: -'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l スイングを大きくするなよ
:::::::::::／ ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::|
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:! 勘違いしちゃいけないぞ
:::::::/ ー――- .| ――─- l|
:::::::| ＿ | ー--- '_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
::::::::' 、 ￣ /
＼::::::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
＞------------ｒ―-:、------ゝ、
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
以降、野村南海のスターティングメンバーにはほとんどの試合でこの２人が
クリーンナップに名を連ねることとなる。
それにしても、門田の打棒ぶりには目を見張るものがあった。
＿＿ }＼}､
_ ィﾆ¨￣ ⌒＼}八
／ { { 丶 ＼ ､
イ/ /{ { 从＼＼ ヾ
_从 _彡从 { { ＼ ＼＼ ハ 当然だ
/{_ ( {＼{＼{尤 ＼ ＼＼ j|
从二 ＼ 八 }_ 〉}/}/}/} 今年結果を出せねば
/乂厂 ￣￣≧=､ -‐ / 俺はユニフォームを脱がねばならんのだ
.／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=＼`/
=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧=──────── - _
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆイ ￣ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆハ
￣￣＞ﾆﾆﾆﾆﾆイﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆノ⌒＞ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_∧
／.-=≠¨￣ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ⌒二ﾆﾆﾆj厂＼二二ﾆ∧
∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ⌒¨¨ﾆﾆﾆﾆ=∧
|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=_ イﾆﾆﾆﾆ_-=≦￣￣∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=∧
∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_ -=≦￣ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆV∧ Vﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆl∧
＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_V∧ Vﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!
ﾄ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆV∧ Vニニニニ_八
|ﾆ∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ} } }￣￣￣￣ }
|二∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_} } }＿＿＿＿_.ノ＜´:i:i:i:i:i:i｀
|二=∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ~} } _厂 / ＿＿ノ__ﾉi:i:i:i:i:i:＞ ´
|ﾆﾆﾆ∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ} }⌒)i:i:i:i{ ( ＿i:i:i:＞ ´
|二ﾆﾆ∨ﾆ／ )￣ ＼ ￣￣￣￣[￣[ }＜´i:i:八_ )＿)_)_ﾉ
|二二ﾆ}／ﾆﾆ¨¨＞⌒≠======[ニ[ }//}_i:i:i:i:i:i:}／
乂ﾆﾆﾆﾆﾆ＞ﾆ´ﾆﾆ二二／⌒¨¨¨ﾌ ]//⌒)⌒}＿}
￣＞ ´ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ∠＿＿＿ノ] }ﾆ＞´
＿＿＿＿＿ ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ} }ﾆ:!
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_} /ニ|
野村を上回るペースでホームランを量産し、５月には前年のホームラン数を早くも更新。
チャンスの場面でも勝負強さを発揮し打点を稼ぐなど、立派に３番打者としての役目を
務めあげていく。
門田を３番に据える方針を打ち出した際、実は多くのコーチ達は
これを反対していた。
＿
／、 ＼
/ ＼ V⌒l ＿_
（ ＼_）｀¨.ﾉ / ﾍ ￣ 丶
＼_） ＼ ,┘-―-∨Lノ＿ ヽ
＼ ∧ │l｛ ・│． ｀l 三l 門田は、プロ入り前から評判の高かった
｀V: :＼ Y 二、(⌒)＿ ノ┬三、 富田とは違います
／: : : : :.l （ ミ三―-、 !@ ｌ
／.: : : : : :. :.＼＼／⌒ヽ、 ） ├‐´ すぐに結果を出すのは難しいのでは？
│: : : : : : : : : : : ｀ｌ＝ニニニ´ _ノ‐-、
│.: : : :. :. :./.: : : :.ｌー‐---／.: : : : : :.＼
ｌ: : : : : : :./: : : : : :＞--‐´: : : │.: : : : :ｌ
＼.: : : :./.: : : : : : : : : : : : : : :.│: : : : :.│
｀ー┤.: : : : : : : : : : : : : : :.│.: : : :. :.│
!: : : : : : : : : : : : : : : :.│.: : : : : :│
＿＿＿＿
／−､ −､ ｀＼
/ | ・|・ |- ､ ヽ 経歴で言えばそうかもしれない
/／ ｀ｰ●ー ′ ＼ ヽ
ｌ 三 | 三 ヽ l でも門田の重心の安定度、下半身の強さは
（＿＿＿|＿＿＿ | ｌ 富田以上だと僕は見ている
ヽ ｌ ＿＿ ｀ヽ ! /
_ ヽ ヽ__（＿＿＿)ノ / / 身体の使い方が分かっている選手は強いんだ
（ __）ｰ━━O━━━━━く
＼ |/ ＿＿＿_ ヽ /⌒i ）
しかし、野村はその意見を退けた。
６度の打点王、９度の本塁打王、そして戦後初の三冠王。
数々のタイトルを獲得した大打者の目には、門田の打ち方は理に適っていたからだ。
他人の意見は取り入れない頑固さを持つ門田だが、同時に人から恩義をかけられると
それに強く報いたいという律儀な気質も持ち合わせていた。
/| ＿
/ / ／ ィ≦二 ミ=…ｰ -= ¨
/ | 〈y{::/／ -‐=＜ミ¨¨‐=ミ -= ¨
/ | ＿ ≦ Ⅳ/ ⌒ ￣¨¨≧ ー=≧ ＜////
／/ 八 ⌒/,,イ rf:¨¨ ミ -=＜ ー=≧ｰ////////
{＼∠ 〉 ／ｨ Ⅵ ﾄ iトミ､ ＼ ミ ｰ=ミ∨///////// 監督の恩に報いるには
Y/￣¨¨ヽ》 ／ -=Ⅵ :}!:}へ`ﾄ {トヽ＜ﾏ ≧ﾐ ゝ///////＞
{＼{ ＿＿イ Y( / -= ¨ }ﾊⅥrfｔ刈ぇィf仗､V ｒﾍ iﾄ 仄//＞ 俺が打つしかないのだ
Y/￣¨¨ヽ》夂ン )¨ ＜//////Ⅵﾄ. '~] :＾ヽ )!}ij 人{Ⅳ＾ =‐
{ //, ∧／＜/////////////,小 `__ , ｊ:ﾊ V＾ =‐
r ㍉ __,,rfﾆ[ ],//////////////////∧ ￣` / Vﾊ
r 「 「 { fi:i:i:i:i:i:i:[ i辷7////////////＞ _ゝ__ イ＿ ―ﾆ二寸＿
__,rfししゝと⌒ヽji斗[ { {///////＞ ＜[F[ﾉ::f丘ﾆ二二二＞=:::::::::::::＞=―
rfi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ji斗 '7¨ ノ tﾆⅣ/＞ ＜「::::::::::[圦V 仏ﾍ―..￣:::::::::::::::::::／ :.:.:.:.:.:.:.ミ
i:i:i:ji斗 '' 斤 ｲ》 〃Y t圦 ＜[:／::::::::::::::::≧ ≦:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:. ＞=ﾆ 〉
'' ’ /人 /ﾊ{{ { Ⅷﾑヽ -=f夭:.:.:.:./::::::::::::＜ 个 ¨ '＜:::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.＞'', イ＜ﾏ
〈f ト ／::::∧､ ､Ⅶ j } ﾊ 》.:.:./::イ:::「 {{ ¨ ＜::::::::::/ｒ ):.:.:.／／ ｰ=ﾆ_
Ⅶ＞=ｰ彡::::::::::::∧ ｙ大ン r《 》 イ |::::i! {{ /::::抖匕亥 〈 ｰ=ﾆ_
Ⅶ::::::::::::::::::::::::::::r ∨勹／ { |:::i {{ /:::::/ Ⅳ ∧
Ⅶ::::::::::::::::::::::::::廴二7/ ／ j{ |:::| {{ ,':::::/ jⅣ／
`ミ ﾆﾆﾆ≦彡| / 二=∧ |:::i {{ ;:::::∧ 小Ⅵ
＼ | / ﾆ=ｰ } |:::i! {{ .:::::' `V
＼ . /ﾆ=ｰ } |:::i! {{ ':::::i ／ 〉 }
|/ [ |:::i {{ i::::::i
[ |:::i {{ i::::::i / { / /
理由や経緯はどうであれ、３番に抜擢してくれた監督を失望させてはいけない、
３番に据えてくれた監督の目は確かだったというところを見せてあげたいという思いも
非常に強かった。
何としても、何が何でも野村の期待に応えたい。
そのために門田は、自分の中で高い目標を掲げていた。
,／ , - , -―─ --- ､
/l //／ ／´ -―---―-､―｀
l l .| / /' -'―───--- ､ -｀ヽ､__
ヾ, l ',!／´ ＿＿＿ ￣｀ ｰ- ´ ､
＼ l -┴'"´ ｀ ｰ -- ､ _ _ 二ヽ｀ 認めてもらうためには結果を出すしかない
,.--/ ー---==､-―---- t- _＿＿￣￣｀ゝ､
/,-／ ､ー- ､ --,xt‐,--_､_ l l ゞ }￣￣｀ヽ､ 富田さんの成績を、俺は抜いてみせる！
/ / ,ゝ､_ _､ _＿ ｀-,ｰ¨´ l l } /-― 二ゝ
l / { li |､ ヽ tｪｨ} l ｀ ｌ l_ ｿ- 二ﾆ=､
l' | | ､ヽ ', ¨/ ' _ _ '､ l ｀ヽ
｀ ゝ＼,八 ｀ ､´ ´_｀ヽ l | ヽ
ヽ ヽ!:.:.:.:.:.l / l ',
＼ ',:_,.. ' /_,-l-‐､＿__､__
ヽ ／:::::∨:::::::ヽ:::::::∨｀ヽ
ヽ -‐ '´:::::::::::::∨::::::∧:::::::∨:::::ヽー---t-
_, - " ´､￣￣￣￣￣｀ ｰ--､:::::::∨:::::∧::::::::∨::::::::::::::::::::ヽヽ
, - ‐ "´:::::::::::::::::::::::＼ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､::::::::∧::::::::∨:::::::::::::::::::::| |
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:::ヽ､:::,--,:::::::::::::::::::::| |
／ ｀ゝ
／ 、 、 ヽ
/ 「￣￣|￣￣ヽ λﾉ ,ゝ
/ |、 | Vﾚレ'￣｜人ﾉ
ノ ﾉ ＿ζ＿|＿＿___| / / ゝ 面白い
７ λ ＿ゝ￣ ＼―/ ミ
ﾉ ﾚ从人√ / ｜ lヽ） やってみせてもらおう
λ ＼＿ ^ ´ λ从ﾉ
ﾉ ( | ／￣￣７ /
"ヽ λ｜ /￣ヽ￣７ /
"ヽﾉﾚ λ l＿__|__/ /
/ ヽ ｀----' /
/ ヽ --- /
/￣￣￣￣７――‐---＼＿______/ 富田勝 ７０年成績
/ / .-/---、 １３０試合 打率．２８７ 本塁打２３ ８１打点
前年３番を打っていた富田を強くライバル視し、富田が残した数字を全て越えようと
決意していたのである。
それも、ただ数字を掲げているだけでは飽き足らない。
門田は大きな模造紙にヒット数、打点、本塁打数の３つの項目を作り、
ヒット数の項目には１５０個の白い丸、打点には９０、本塁打には３０の白い丸を書き込んだ。
/::::／::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::＼::::::＼:::::＼:::: ＼
. /／:::::::／::::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::: ＼:::::ヽ::::::::::::＼::::::＼:::::＼:::: ＼
. /::::::::／|:::/:::::::/ ! ∨::::::::::::::::::::::::::: ＼::::＼:::::::::: ＼::::::＼:::::＼::: |
/::::／:|:: |:/:::::::/:: |. ∨:::::＼:::::::::::::::::::: ＼::::＼:::::::::: ＼::::::＼::::`寸､
. /:／イ:::!:::|{:::::::∠二ミｭ_∨:＼ ＼::::::::::::::::::::::ヽィﾆ二＞x :＼::::::＼::::ヾ､
. // ´ /:: |::/:!::::::::|:::: | `寸≧z_＼ ＼::::::::::::::_ノ彡´ ＼::::::|＼:＼::::::＼ソ レギュラー選手ならば、
{/ ′ i/:人::::: |＜二てうTtz_＼＼ ＼z＜てアｿ二＞::::|八＼:＼::::::＼ 年間で大体５００回は打席に入る
. |: /::|::|/}|::::::|:::: |￣￣｀_-ｰ＼＼＼ ＼ ￣￣￣:i´ |::::|/ |:::::＼:＼:::: !
. |/:::::!::{ 八::::|:::: | ／ ./＼＼＼ ヾ::::::::::::::| {::: |7ｿ::::::::::::::::|::/ １５０本ヒットを打てば、
}イ￣ﾑ j|ﾍ}:::: | ／ / | ＼＼＼::::::: ! |::: !/::;ィ⌒ヾ:::|′ まず３割を超えることはできるだろう
. / } ∧ |/｀∨| .| | ＼| ＼:::| |:::∧/ ∨
|:: ヾ:::| ∨ .| i ﾍ ∨ !:/八
|: /!: /ミｭ ｀ｰ─一' _z彡}::| ﾊ
|/ .}/∧ミj _ ‐--‐ _ .|::/ ∧人
|/ ∧＼ ／ -─- ＼ ／|/!/ ｀ ｀
{/ィﾍ!. ＼ ／ |＼
. ／三ﾆ|. ＼ .／ |三＼
そして、ヒットを１本、打点を１つ、ホームランを１本稼ぐたびに、その白い丸を
黒く塗りつぶしていく。
こうすることで、自分が後どれだけの数字を残さねばならないのか
常に強く意識し続け、集中し続けた。
ただひたすら、純粋な思いでバットを振り続けたのである。
. // / :/! ! i| l! :! ヽ .:＼ヽ ＼ ＼ ヽ
// / :/｜｜ |i lﾄ、 :|. ＼ .:＼＼ ヽ .:＼.:＼
. /'′ ! :/ l ｌ |i lヽ＼ ', ヽ ＼、 .:＼＼ ＼ .:＼.:ヽ
| :/ l l :|i lノ＼ヽ :ヽ ＼ヽ ＼ゝ､ ..:＼＼ ヽ ヽ ｀＼
|/ l l |!! l⌒ヽ＼＼. :＼ ＼＼＼ ＼メ ∨:＼ ∨＞ プロとして生きるために、
′ l l :|ﾊ l｀￣{心､ｰ＼ :＼ ＼＼ｨｭ、ヾ ＼ ヽヾ/＼:j 俺は戦う！
／ゞ ! |八 ヽ `ｰ─へ＞ヽ :＼ ＼ゞｰヽ ヽ 乂. ∨⌒ヽ＼
／_＿ヽﾘj|ﾊ ヽ:＼ ＼ ヽ､:＼ ＼ ＼∨ ヽj⌒ヽ 敵ではなく、己とだ！！
／ﾍリﾊ ｀＼ :| ｀＼ ﾊﾉノ⌒ヽ
／´⌒＞lﾍ :| ヽ /ノ
￣￣｀ヽ､,､-''"´:::::::ﾚﾍ ＾−ｰ＾ /:::::｀゛''-､,､,r'´￣￣
:::::∠´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ∧二ニ二∧ /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ {ﾚ/´ ￣ ｀ヽj} ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ ∨i ｌ∨ ∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ヽニニニ/ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
⌒ヽ::::::::::::::::／´￣￣￣「二二ゝ_＼__ ｰ __／_<二二」￣￣￣｀＼:::::::::::::::, '⌒
::::::::::ヽ:::::::ノ:::::::::::::::::::::::::| | に二ヽ､_＿＿_ノ二ニ) | |::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ノ
常人ならば途中で気持ちが途切れてもおかしくないことが、門田には持ち前の頑固さがある。
残りの白い丸を数え続けることで、常に自分を奮い立たせた。
門田の活躍もあり、南海は４月は連勝と連敗を繰り返しつつも８勝７敗で貯金１。
首位とは１．５ゲーム差とまずまずの位置につける。
（ ⌒ ⌒ ）
| | |
ヽ ＿＿＿＿＿
＼ ／ ＼／ ヽ ｀＼
＿ / | ．|． |− ､ ヽ だからお前の役割は、僕の前に
/／`ｰ ●ー ′ ＼ ヽ ランナーとして出ることだ
__l 三 | 三 ヽ ｌ
.＼_＿_＿__|＿_／￣｀ヽ ｌ | それ以上のことはしなくていい！
. l | | /⌒ヽ
| / ⌒ヽ⌒ヽ | |ヽ＿ノ
. ､ｰ┴─────┘ / / ﾉﾉ
＞━━O━━━━/ /
/⌒ヽ ／ ＼ |
ｨ ,ィ,ｨ_ ｪ-‐ﾆニ ,,,__
/| //´ ／´ ィ´-=＝ﾆ｀ミ`ヽ ､
.| | |ｉ /／ -‐─- _‐- ､ ｀`ヽ､＼
,ィﾆﾆゝl | / r-──- ､ ｀`ヽ､`ヽ､ ｀ヽ＼
,ｨィ´ニ=|⌒`ヽ ｀`ヽ､ `ヽ､ `ヽ､｀ヽ､ ﾍ,
/ｨ/／ / ,代 l ＼:＼::. ｀ヽ､ ＼ ヽミ＼:l
/ ィ/／l | ﾄ l＼ ＼ ＼::..､ ＼::. ＼＼ ｀ヽミﾐ､
ｉ / ﾙ' .::| :|::|ﾍﾍ::＼ ＼ ＼＼ ＼`ヽ＼＼ ヽﾐﾍ 野村監督のために、俺は打つ
|:l |!| ::| :ﾚﾐﾄ､､＼ ＼ _ﾍXィへ､ ﾍﾐ､_ヽﾄ｀ヽ､:|ヽ|
!| ', ::|l ::ﾄ､ｬtｯ-､ Ｘ弋ｨ‐ｬｯｧ､ヾ:メ､ﾍ`}_,,〉‐-ミ､ そのためには、何人たりとも
',:| ﾐ､ﾄ ', ´ l ＼ヽ､ ＼::l ヽ}:::}lン/-=ミﾐ､ 俺の邪魔はさせん！
'| l::ﾄ､ ﾉ ヽ ＼ ミ -r'ミ､ミﾐヽ､
ヽﾍ ｀`_''＿_ ヽ ﾉ |／＼`ヽ
＼. ´ ─ ` ,ｨ |＿
_ｪ-ヽ ／_,-─‐'::::::￣７
f r─ｭ::＼＿,.／ |´-‐─ｉ::厂￣::|
_ﾄ:|===|::|ヽ-‐‐'''├‐‐‐' .ﾄ=r‐'|´|:ﾄ-､
_,, -‐´ r| ===ﾚ;;;;:::::::::::├‐‐‐' ﾄ==‐''ﾞ 弋､|;;;｀`ヽ､
しかし続いて迎えた５月。
南海ホークスはこの男が率いるチームの手によって、悪夢を見せられることとなる。
,. -――-､＿_,...._
,. - '´,. ‐'"´￣￣ ｀`ヽ、
,.r'´ ,／ ,..._ __ｕ＿ _,r― 、 ヽ
-､ /´ −/ ｒ'´ ,>‐Ｔ ￣|￣｀)`丶､ } '､
7-'､_,.r' / Lｒ'´ `ﾏ__|_,ｱ'′ ヾ! l! '、
| l { ,' l ,' ． ． | ． ． ． '、 |! ﾞ､
｣ ! ) ,' | l ． {::} (:) ｜ {::} (:) ｌ l '、',
. ! l _／_/ ,il { {:} {:} {::} (:)｜{::} {:::} {::)| !:', ヽ
! ',_／ / ,'::| l!ｆ::} ｒ'::} /::}_,人;ｉ ｛:::l {::::!,!:::| l:::', '､
ﾞ､ '、 ,' ,ﾞ::| |:::::l｣:::::L!:::'_;r‐､｀ﾆ:_'_‐';:: ｧ:::| |::::'､ ',-､
'､__ﾌ ;:::| |:::::k-‐x_ﾆﾉ`ｰ'`‐'＾ｰ'＾ｰ'´::::| |ヽ:::'、 ', 愛ある拳は防ぐ術なし！
/ ･;:::;| l::ﾄ､`´:::::::::::::__::::::::::::::::::::/l:::| ･ !ヽ＼:｀´）
_,.､イ∟ ノ:::/ | ． l::! ｀ー一' ´ | ｀` ー‐' ´､|:::! ･ |:Nヽ ￣
'＾ヽ,〉､___／ |l ･ !:ｒ',r'´￣`丶レ'´￣￣ヽ｜|∵,'::! '､`､
/ ,ﾊ! ： l:l//｣_ｌ__ｔ._,__,__,__,_ｔ_｣_）iﾞ|::| ･,':::l ', ヽ
. / ,' |:',･ l|`1`┴┴┴┴┴┴':::ld::ｌ /::::l ﾞ, '､
/ ; !::',：∨Vﾆ{ ノy' ﾉ;'/::::::! ﾞ, '、
,.r−､ ,′ l::::ヽ Y}Ｘ´_Ｔ┬┬ T´ﾚｲﾌ:;'/:::::::! ', '、
） ,' l:::::::ヾ､ヽY｀マ^マ´ヾノ´ノ/::::::::;′ ', ',
人 ﾉ _,' !:::::::::ヾヽ:｀┴-┴‐' ／ /:::::::::;' ;
（ ｢,.イ !::::::::::::ヽ､｀￣￣´＿／::::::::::;' l
-‐'´ / ';:::::::::::::::::｀{个ｆ爪{ｿ::::::::::::::;' |
,′ ';:::::::::::::::::::｀j㏍k'´:::::::::::::;ヘ、 |
∟._ , ﾍ;::::::::::::::::::/ ハ::::::::::::::/ ヽ |
｀`丶、／ ';::::::::::::::;' 礀 ';::::::::::/ ヽ-−'''"~
西本率いる阪急ブレーブスは６７年から３連覇を果たすなど、一気にパ・リーグの
強豪球団にのし上がっていた。
開幕直後こそもたついた阪急だったが、ここに来て調子を上げてきたのである。
どことなく榎本さんと共通する部分があるなぁ
南海は５月頭の阪急との３連戦で３タテを喰らいBクラスに転落すると、
勢いを完全に止められてしまう。
,イ从从彡ー'"￣ ｀ヽ､
フ=/. | ﾍ │.
∠<,| ヽ､ . │ :r-‐- ､
∠´7| ＞´＼丿 ￣∨ /~ﾍ これも勝負の結果じゃ
{/ . ／／＿, ,}ｰ'"∨ | .{｀ｰ' |
辷 ＼ ／ｨTェﾃr'"ﾉ／== . ', | 〉`〉 | 野村よ、悪く思うな
ゞｱ､ r'"｀ヽ=＝イ ｀ヽ .ﾘ／ノ ./
〈 / _z-‐──- ､ ｰ､ゞ .Y _／￣￣
| i __,ソ ＼ ', ',:.
{ 廴_′ ,＞ ´￣￣｀ヽ､ゝ ', ',::.:.. イ
ﾑﾍｰ-‐'" __＿＿＿＿___| ! ,〉::::＞´
| .ﾄ-‐─'" / | ／≦´
／l .廴＿>-‐────'"|. |／｀i ,ｨヽ､_
／ .:.| ゝ､＿y-‐- ､＿＿__,ノ /:::::::::| .:.:.:.:.:.:＼
r=-‐'" .:.:.,ﾉ / ノ::: ::::::| :.:.:.:.:.:
/／ヽ .:.:.:.:.ム ｿｲ:: :::| .:.:.: .::::
//::::::∧ .:.:.:乂 /_人ノ´:::::::: | ' .::::: ／
//:::::::::::∧ .:.:.:.｀ﾍ从从""´::::::::::::::::::::::: | ／
//:::::::::::::::∧ .:.:.:.:.:.:.:.:/!::::::::::::::::::::::::::::::: |
_ ＿ __
,. ´ , - ､, -､ ｀丶、
／ , -{ ll }‐- ､ ヽ ━━┓┃┃
/ ／ `ー/⌒V ヽ. } ┃ ━━━━━━━━
,′/ ─‐ ｀Ｔ ´ 二 ∨ ┃ ┃┃┃
! l 二二 | ─ ′ ┛
ｌ | ,. ‘-,,' ≦ 三/
. l l ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ
ヽ ＞─≧ 三 ＝=-
/￣￣-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧
ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡ ･
下旬に再び迎えた阪急との３連戦では、３試合連続で二桁失点を喫するなど惨敗。
この月、野村南海と西本阪急は合計７度の対戦機会があったのだが、
なんと全敗してしまい、この月６勝１５敗と大きく負け越し早々に首位戦線から脱落してしまう。
阪急との圧倒的な実力差をまざまざと見せつけられた結果となったが、
その原因となったのがこの男の存在であった。
ヽ人_从人__从_从人__从
,,_, ＜ ＞ ｀''!=;; ,,_ :! ｀'ｰ..、 .ゝ､ ヽ .ｌ .| . / ／
⌒＜ また奴が走った！ ＞ ｀''-ﾐ¬- │ ［ﾞ'ｰ .._ﾞﾞ'ｰ..,,ﾞ'-､ .＼ ﾞl、 .! / ,／
.,,,＿__ ＜ ＞..,,,,_ ｀''-..! l ,,,｀''ｰ ,,,ﾞ'-ﾐヽ､ ＼ ...ｌ ′ / ,／ ._.. ‐'
￣ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒ Y,,,,,,,＿__ .￣ﾞ'''''―- ＿,,__ | ._、 ｀'''ｰ .ﾐ〜ミ;;-､, .゛ ″ '" .,／ : '"゛
|￣|. _二｀-ﾞ‐'"´ .ヽ ￣二..,,,,,,ﾞ,ﾞ;;;;― ． ｀'''マ'
_,| |ｰ''''"゛ ._ ヽ ＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣二ﾆ―'＿___,| Lﾆ= ┐. _,, -'''″ .＼ .ﾞ￣´゛ _,, -彡 ｰ ,,,_
._,,.. -‐'''"´ |＿＿_ __.. | 「 / rｰ; .＼ .ヽ. -ｰ''''"ﾞ,ﾞ.. ．._,, -''彡'"゛ /.!.i.、 -, .｀ﾞ'''ｰ-...
｀゛ _.. | | | | |/ |／ ／＼゛＼ .ヽー''"´,,, -''ﾞﾞ,..-'" ,． / | .!.! ｀'-、
_.. -'''″ _,,,| | |｜ ／..／''""゛.＼ .ゝ‐'". _..-'' ／ _／ / .lﾞ .! ! .、.＼.
_.. -''ﾆ--ｰ'''"ﾞ´ Ｖ |/ ／ ' _.. ｰ ＼..-'".,..-'´ ／ ， ｌ ! │l '､ヽ ヽ. ＼
._.. -'''" _,,,.. -‐''"´ . _,, -''″._..-'" ,..ｒ'" . ／ / .lﾞ | .| !│ .ヽヽ ヽ .｀'-,
."゛ _,,,.. -‐''^´ ＿＿＿＿＿＿∠二＿∠二,,,i;;＿___i;;＿___ ﾉ ｌ l ! l ! ヽ ﾞ‐_,,ﾆ-ｰ''''"
._,,,.. -‐''"´ _,, -'"゛ ￣￣￣￣ﾞﾞ＿__,| ,! l .ゝｰ'''"´ . ＿＿
''''"´ _,, -'"゛ ,,.... ----――ｰ¬'''''''''''''ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ￣￣´゛ ｌ │.し-ｰ'''''ﾞﾞ″'､ ./
. _.. -''″ / ／ ／ ／ / ./ ｌ .| ! . ! ..ｌ ｀ /
._.. -''″ / .／゛ ／ ／ ./ ./ .l゛ .l .l | .ヽ /
｀ / ／ ／ ヽ人_从人__从_从从 ! ! .| .ｌ ﾞ/
/／ ／ ＜ ＞ .| | l l
/ . ／ / ＜ 止めろー！！ ＞ | .| .! ｌ
/ .／ .／ ＜ ＞ │ ! .ｌ /
/ . ／ ／ / Y⌒YW⌒Y⌒WWY! .l .| .! ./
/／ .／ / / .lﾞ ,! .｝ :! .| /
/ ／ / ./ / ! | .! . ｌ
/ .／ / ./ ｌ ｌ ! .| .lﾞ
/ ,./ / ./ / ｌ │ l ./
/ .／ / / / . l .lﾞ │ . ｌ
/ ／ . / / / ! .,! .| . ｌ
/.／ / ./ / ｌ ,! | /
これもうわかんねぇな
ヽ人_从人__从_从
＜ ＞
＜ セーフ！！ ＞
＜ ＞
Y⌒YW⌒Y⌒WW
,:'ﾆﾆ:、 オーゥ
d-o,ol
ﾊﾟｯ .l`ｰ-l､今';7')--､ 間に合ったねぇー
_j_,vr:ﾚ:K" l l,l.;...-
/' ィ''〈H/ヾｰ-.. ＿_ jl‐ｰ},l'
｛/ﾊb'ｖ',／:Pl:ll:ll:ﾊ:､'l{> ィl|
(:.//}:'イ:ll:llｄl:ll:ll:ll/〈ll:|ll:lq' !
〉/X9ll:ll:ll:ll:ll:ll:llｲ:.:.:.ヾ_ji{;、
.//:/:.bl:ll:ll:P:ll:ll:/:.:.:.:.:.:.:.:l:.ヽ
.{ヾ:ヽi:ll:ll:ll:ll:ll:ll:ll:|:.:.:.:.:.:.:.:.:l:...l
ヾヾ/ll:ll:」!:''-''-'{:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:. l
.ﾊ（{:|||:.ゞ,ヾil｀ｌ|:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:ll: l
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./:.:.:.:.:.:.:.:.:......|||:l||:.:.:.;.」:||.|-- -;..:.:.:.:.:.:... | l
' -─ ' ´￣.7j:}|.l''' ´ }:.l|.|, ｀￣`ｰ^''l j
./j;.:lK .∫:l.l_l ´
-- ． .,､_ノヾ,.-l" ｀｛ｒ"＾ヽ、
.,.ィ'ﾞ 'ー''''"" ´ '^ｰ=='
l..,,_ ／
￣””¨¨“ ´
阪急ブレーブスの１番打者を務める、福本豊である。
＿＿
／;;;;;;;;;;;;;;ヽ わっしの仕事は、
∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;∧
l;;;;r‐´三 ｀ヽ;;;;l 塁に出て走ってホームに帰ることだからねぇー
/l;;l, ≦ ≧.､l;ﾄ
r‐' l〈::::::〉-〈::::::〉l `-､ , - ‐ ヽヽ≧=‐- ､
＿_, - ── - 、 / ﾄ ∧_∧ ,ｨ ', / //三三三ﾐ､
／, -‐＼＼ ＿＿_ ,' |ヽ ヾ.ﾆﾁ / .l､ Y //≡≡≡≡ﾐ
／／／~／＼` ゝ---- ` ─ ‐ - `_､__／|二二二二二二二二二二二二二ヽ
./＼／ ／ ///` ゝ<ﾆ二 , ､ ￣ l |─────────────/
/ ,＼' //// / ,' l | | | / 「` ‐ ､＿ | |三三三三三三三三三三三三ノ
. / .／ ／ ` ､ / / ,' | | | | |＼ゝ- / /￣￣`-t───────────´ .|
> ´ .／__／ ／` -' - ┴┴┴‐ヽ -‐ ´ / ヽ /::::::::ヽ_ヽ_,-´ミﾐ彡'' |
// ` - 三三三三三三三三三三7-, ＿. -- ───-- ､ , -‐ ´ |
l ` ───────────./ / ￣ ニニニﾆ_` y｀/ |
` ､二二二二二二二二二二/ / , - ‐-r‐r-､ヽ´ | |
l`.───────┬ /_/-`──‐＜ ヽ＿/ / |;;;;;| | |
| .| .|;;;;;;;|＼ ＼;;＼ ` ─‐ ´ |;;;;;| | .|
| | .|;;;;;;;| |＼ ＼;;＼/;;;/ .|;;;;;| | ｜
福本 豊
福本は前年の７０年に持ち前の俊足ぶりを発揮し、レギュラーに定着。
この年、打率．２７４ 本塁打８ 打点４１ そして７５もの盗塁数を稼ぎ出し
盗塁王を獲得していた。
／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
／ ＼
／ ＿ノ＼ノ＼ ＼
/ /⌒ ￣＼ヽ
/ ／ ＿ ＼│/ ＿ヽ）
/ _） 彡 ＼ / ミﾘ
〈 （ 彡＿＿＿＼ /＿＿ﾐ）
ヽ 〉 ／／／フ ヽ二I へ、 lﾘ がむしゃらに走ってただけで、
（ /￣ヽ〒＝┤、∠／/／││＼l,/ｌｌ
ヽ │ │＼ ＼＿_／ ヘ/ ＼ノ ﾘ タイトルまで獲れるとは
∫ ヽ ヽ く＼ ／へ ∧ ,ﾘ 思ってなかったねぇ〜
人 ＼__│∫ 、／＿＿_＼/＿〉/ﾉ
─￣ ＼ 〔 ミﾐ ﾐ＼＼───ｲ/ﾐ
￣￣ ─┐ミ ﾐ 丶｀ー─ｲ/ﾐｌ
Л卅卅＼ ミ ＼￣/ ﾐｌ￣￣￣￣｀）
/ │卅卅卅丶ﾐミミミミミ/ /
││卅卅卅卅卅＞─イ │
││卅卅 卅 /卅卅 │
. ! l _／_/ ,il { {:} {:} {::} (:)｜{::} {:::} {::)| !:', ヽ
! ',_／ / ,'::| l!ｆ::} ｒ'::} /::}_,人;ｉ ｛:::l {::::!,!:::| l:::', '､
ﾞ､ '、 ,' ,ﾞ::| |:::::l｣:::::L!:::'_;r‐､｀ﾆ:_'_‐';:: ｧ:::| |::::'､ ',-､
'､__ﾌ ;:::| |:::::k-‐x_ﾆﾉ`ｰ'`‐'＾ｰ'＾ｰ'´::::| |ヽ:::'、 ', 去年は優勝を逃したが、
/ ･;:::;| l::ﾄ､`´:::::::::::::__::::::::::::::::::::/l:::| ･ !ヽ＼:｀´）
_,.､イ∟ ノ:::/ | ． l::! ｀ー一' ´ | ｀` ー‐' ´､|:::! ･ |:Nヽ ￣ 福本の成長が最大の収穫じゃった
'＾ヽ,〉､___／ |l ･ !:ｒ',r'´￣`丶レ'´￣￣ヽ｜|∵,'::! '､`､
/ ,ﾊ! ： l:l//｣_ｌ__ｔ._,__,__,__,_ｔ_｣_）iﾞ|::| ･,':::l ', ヽ
. / ,' |:',･ l|`1`┴┴┴┴┴┴':::ld::ｌ /::::l ﾞ, '､
/ ; !::',：∨Vﾆ{ ノy' ﾉ;'/::::::! ﾞ, '、
,.r−､ ,′ l::::ヽ Y}Ｘ´_Ｔ┬┬ T´ﾚｲﾌ:;'/:::::::! ', '、
） ,' l:::::::ヾ､ヽY｀マ^マ´ヾノ´ノ/::::::::;′ ', ',
人 ﾉ _,' !:::::::::ヾヽ:｀┴-┴‐' ／ /:::::::::;' ;
（ ｢,.イ !::::::::::::ヽ､｀￣￣´＿／::::::::::;' l
-‐'´ / ';:::::::::::::::::｀{个ｆ爪{ｿ::::::::::::::;' |
その福本が不動の１番打者となったことで、阪急の強さは更に完成度を増していたのである。
その福本の足に南海は、そして野村は散々に引っ掻き回された。
ﾟぐ'iﾞlﾞi
、 _,.,､‐ﾞ'xﾞl,,|l,,| ＿, - ､._ -- ､
［''〜''''"~｀ __ ‘┐ :.;;;;;;;;;;..;..___________,,,;;,_,,,,,,,....J-.._...;;;:､,;;.;;.. .＞‐ ´ ＼ ´￣＼＼
ヽ .,,.-‐''"｀.| ,i´ ;;;:;::::._,,,....... ﾆ‐ ｀'-､.＼;／ ＼´￣ ヽ
｀｀’ | | |＾l゛ ; ;r-‐＜ , - ──‐ ヽ｀＿＿｜
ﾄ .| /'''',,,," 彡 ._,, -'''''"ﾞ￣￣￣￣/ , -‐ ´ :
_| | ｀ﾞ＾ _,| │ ._,,,､ r‐'ｌ .r､、 : :::;./ _ ／
.,／〕 .｝ .,／,_ | .｝ .ﾞl.| ﾞl / lﾞ : :;:;;/ , ‐ ´
ゎ,,,,,,､-ｰ''''"′ ﾞl、 l＿,'" | .| │ ﾞl | |/ lﾞ /,-‐,_ / ＿_ , ＞ ´;,
.ﾞl, ＿＿,lﾞ {_,lﾞ . : ﾞl,,ﾉ '"│ / /|///_／＞､￣ - ､＿ - ‐
: ::;:;..,;／＼,､ｰ'''"｀｀: ｀｀ ´ .lﾞ lﾞ/ l/,＝､､//￣}
,i′ ／／, - ､ ,lﾞ / 〉､!l＿///__／
., / 〈 〈 ' ＞＜ ; ; ' ＼,lﾞ / || || ヽ
ﾞ‐,〃 / V V ＞＜ ＞＜. | ||＿||_ ‐- V
/: ､ ./ /＼ ＞＜ ＞＜ ｀≧ 、 .／￣/;;;;;;;;;;;;;ヽ ヽ
ｌ,l゛ ﾞ/ : lﾞ ` ＜ ＜ ＜ ＞´ ／{_,ﾍ' ,;;;;;;;;;;;}ヽ. ',
ｌ/ ./ l ` ＜ `＜ ＜´_ -<. 〈ヽ､, ',;;;;;,' .| ∧
/ﾞ ./ | `＜ ＜ / ＼ }∟〈ヽ/,;';'／ l ',
/ .lﾞ,i． │ `＜ {＜￣∫､=‐;;／.／ l_ 丶
〃,! ,! `＜ ∨ />_ ~~~V { ＞､＿__／
″ | ! `､` / | |´.〈∧` 、 .| ./, - ､ヽ≧ヾ ＞＜ :l
l ! Y ヽ |/ _r‐＼` -､!.‐〈 '、 ﾉ l≧≠= ,_ ＞-‐‐
|． ! | ﾟ/ ／ { ､` 三 ´彡彡＜´ ｌ
、 ‘.! ｌ / ﾟ/./ ﾟ ` ‐ - - _ ヾミ ﾐ､彡 ＼ /
! ｌ, ｌ ／ ＿_ ィ -､ ﾟ .＞ ヽ ﾌ｀ - - ‐`,
||, ｌ ヽ ￣ ', l ﾟ ／ ／,＼ _／ ／／ ／ l
!.ｌ .ｌ ヽ V ', / ./ Y ／／ ／. ﾉ
ｌ..ｌ ヽ ヽ、 | V / 〈 ＼/ /.＞´ /
. ｌ .ｌ;i, ヽ ｀'､, .| ヽ . / ＼__＞´ /
ｌ ﾞﾔ､ ヽ ＼, /＼ | ＼／ l´ ／
/ ＼ | | ／
/ ＼ | ﾘ , ＜
| ＞ 、 | | ＞´
| ` - - _ |. , ＜´
` ､ ￣￣￣
75盗塁かぁ
これは間違いなくキャリアハイやろなぁ
なお
５月初旬の３連戦では、合計で５盗塁。
５月２０日の試合では野村から１試合で３盗塁を成功してみせるなど、福本は
塁上を縦横無尽に駆け回った。
＿＿＿＿
‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼ ぐっ‥‥！
／:::::::::::::::/:|-'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l
:::::::::::／ し' ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::| ギギギ‥‥っ！！
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:!
:::::::/ ∧ー――- .| ――∧- l|
:::::::| し' ＿ | ー- し'_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
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＞------------ｒ―-:、------ゝ、 し'
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
､ .イ::;;
(::「￣厂＞――‐┬――――y――ｧァえ⌒Ｖ.:::;;
{∧ //⌒ソﾉ ヽ |::::/＞. :⌒ヽﾍ〈 ノﾉﾊ∨ /.::;;;;; 遅いねぇ〜
Yﾊ | ／｀丶、 ﾉｘく: :ｘ＝=‐-: :||=彡 {;;∨´´ /
{::∧ {: : ＞＝ミY⌒ﾏ¬:‐-:-: : jj ）;;;〉 /
乂∧>く:.{.:〃.:.｢i ヽ:_:_:_:_:_彡 三 /
乂{:.:_;_}:.{{.:/ｊ | Ｖﾍ、￣ /
／ (＼.:.ﾌ｣_彡ﾍ r ゝー,,x､ | 〈 〈＼
／ ヽ{`マ ｢ ､ ｊ,, '"´ ﾉ ',｜ ∧ V/,
／ ゝﾐヘ、},,,,,＞'' ｒ‐-イ i ',l //∧ ∨/,
／ . . . : . : :.:.:.:.`しx（､_,ｒｰ'こノ ﾉ 爪i ト､ ////∧ ∨
∧｀ヽ . . . : . : . :.:.:.:.:.:.:::::::::::＼ Y＾ｰ=彡// ﾉ |i',//////∧
３６歳を迎え衰えが著しい野村の肩では、２４歳と若い福本の足を
止めることは全く出来ず、好き放題走られ続けた。
キャッチャーの立場からすると、福本の存在はまったくもって腹立たしかった。
__,冖__ ,､ __冖__ / ／/
`,-. -､'ヽ' └ｧ --'､ 〔／ /
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ `r＝_ﾉ /
__,冖__ ,､ ,へ / ,ｨ
`,-. -､'ヽ' く <´ 7_／/
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ ＼> / ＿
n 「 | /. _ r-''ニl::::/,ﾆ二 ｰｰ-- __
ｌｌ |｜ .,ﾍ / .,／: :// o l !/ /o ｌ.}: : : : : : :｀:ヽ 、
ｌl ヽ二ノ__ ｛ ／:,.-ｰl { ﾞ-"ﾉﾉl ｌ. ﾞ ‐ﾞﾉﾉ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
ｌ| _| ﾞっ ￣フ. ＿＿l＞ゝ､,,ヽ /;;;;;;;;;;ﾘﾞ‐'ｰ＝" ＿゛ =､: : : : : : : :ヽ、
|l (,･_,ﾞ> ／ / ＿________｀ﾞ ｀'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
ｌl __,冖__ ,､ > .ヽ. ＿_______ / ____ ---‐‐‐ｰｰ ＼: : : : :
ｌ| `,-. -､'ヽ' ＼ ゝ､ / ____＿___rｰ''"￣''ｰ､ `､: : :
|ｌ ヽ_'_ﾉ)_ﾉ ﾄー-. ｀'''ｰ-、__/__r-‐''"゛ ￣￣ ＼ ﾞl: : :
ｌl __,冖__ ,､ | ｌ .,.. -､、 _ ‐''''''''-、 ｌ !: :
ｌｌ `,-. -､'ヽ' iヾ ｜ ／ .| .! ｀'､ | l: :
|ｌ ヽ_'_ﾉ)_ﾉ { ｌ | .ｌ,,ﾉ ｜ ! !: :
. ｎ. ｎ. ｎ l / 'ﾞ‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
|! |! |! l r―- ..__ｌ＿__ ｀´ ｌ / /: :
o o o ,へ l ＼ ｀ﾞ^''''''―- ..___＿＿＿/_／ /: : :
／ ヽ `
何せただのヒットがツーベースに、ツーベースがスリーベースに化けるのだ。
そしてその福本の足を封じる立場にある選手は、キャッチャーである自分だけ。
福本に盗塁を許すたびに、野村は恥をかかされる思いだった。
75盗塁程度で驚いてちゃいけない()
更に阪急はこの年、懸念であった若手の育成にも完全に成功する。
;. ,ｨ Ti¨Tiヽ､
::,. ,' .i |:| .|:| i´ﾞi
. ﾞ:. . ＿＿＿.i r＝＝＝-ｨ }＿＿＿ ワシが打つ言うたら、
;:.，ﾞ:;. ／ .::,､!､j_,ゝ―ヽ､_lﾚｨ､::. ＼
ﾞ’::. ;::. ／ .:::::,ﾍ6ﾐl!､＿,,,＿_/ﾐ9ﾉ､:::::.. ＼ 抑えることをあきらめんかい
:; ::.:' ／ .::::::／ ｉ/!ﾞi｀,..ｨ､i,ゝ､ﾞ/i/i ｨ＼:::. ＼ バカタレが
'::，:;､ ／ .:::::ノｲ' '∨ﾄ､ﾞ､-=‐=-｀/ｲ:! ‘:;ﾊ,ゞ.､:::. ＼
:､:. :;. i ﾊ .::::／,/ ∨//ー―‐'//∨ ,_,`ﾞ､::）､ヽ::: ﾊﾞi
`;: ﾞ:. , ＿ノ|:::::i :::/.,ｨ;{ ､＼///////／! {:（,.メ.ﾉｲﾊl!:: /.:::ｉﾄ､
:; ::,＜´ /__|::::::l ::,'.:ゞ;∧ ヽ ＼//／ ﾉ, .ﾉ;(_ｿ;ﾞ/.:.:.ﾊ!:: /.::::::ｌ| ｀ﾄ､
,,_..;，､／:.::. ／＞' ﾉ::::::l ::∧;､:.:.:ヽ＿ ヽ､ ｀´ ／,（V.｀ヽｨ/.:.:廴;|:: {､:::::::ｌ|ヾ､ﾄ､＞
;;;；,,;;(,,．ｨ:;::.;,'/ /.:::／∨ﾒﾊ,）ﾊ:.ヽ ￣｀ヽ､.. . /,（{ｨ{:.メﾞ.／;､;,ﾊ:.:.|:: {:.＼::: !ヾ｀ヾ.､.:'ﾞ:ヽ::>::､，
，.｡.`;;;；;;,:;::､::--､!／_／i:.`:.-ﾆメ:.;.:.ヽ ヾ:::ノ´ ﾞ)(; {,:／.:.:｀ヽ;く:.:.i､.ヽ`ﾞ ヽ! ゛ ＼:.i:..::､::ノ;;;;;
;;,,. ‘，;;;:；;;::’:::'ー――/.:_.:;ｨ≦フ.:o.:.:＼ i `}{／.:o.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:.＼､ー――‐‐;;ｨ::=:;: ::;;'，；;
;;（:.｡ ;;;‘::.;,,･:::: :://///イ/////__o＿＿_＼ ! ／.:.:＿o_∨/￣￣｀`｀￣￣.::'`.:;;ﾟ.::;‘:: ;::;;ﾉ::.`
;;;(,,,,,,,,,ノｲ::.｡::; :':.////////////////＼:.:.ヽ:::}{:::/イ:.:///////////////////７;｡:. .:;;ﾉ.::ﾉ‘.`.:｡
⌒};;‘::.､;;（:.:: : .:':;//////////////////＼:.ヾ､/.:.:／////;ゝｰ'ヽ._,/////////ﾉ.:..;;:,'::;;；,;;‘イ;;，
:::.‘ `ヾ;;;;;;{:: ;:;':､////////////////////＼/／////ﾒ",ノ^〉ｰく:.{､///////,':，;::..::；⌒ .:::::::::::
;;;;;;;;;人.:｡..`';:: :: ::.}////////////////////////////〈:イﾉ{´厄ﾒ'Y`}//////,:: .:::;ノ,, .::.‘､;;;;;;ﾉ
;;;;;ｨ;;;;;;;;;,,,,,,,,;;:: ::｡::）////////////////////////////}:jヾ､ｰｧ;､ノイ/////,:.ﾟ;;.: ::`‘’.:::::::...｀´.
::;‘::.::ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;::: :::ヽ.////////////////////////////｀ヽイ_メ-'//////（::；;::..::.} ,,;;;;;;ゝ::::::::;
加藤 秀司
この年、阪急のクリーンナップを打つ３番に定着したのが、ドラフトでも社会人時代からも
福本と同期だった加藤秀司である。
西本が手を焼くほどの硬骨漢だった加藤だが、バッティングにおいてはその性格とは裏腹に
チーム内では誰よりも器用さを見せた選手である。
，,.;:".__,_.;ゞ;'.:｡’:....,...::::::;::'"./' //|／/ ／/ /＼＼ ,.ｨ'／ ｀ヽ::::::.＼
.:.;::／, ､‘;;;;;:.; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/,.ノー-.､ ／ヽ/ / ､_丿 ,＼'´ ヽ::ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人
;{./,:，；;.）ゞ'.:ﾟ､;;;＿__,.ゝ'´ .::::::::::｀ヽ､' / |! / ,ｨ ＼ ＜ ＞
，ヾ､;,j;､;ｨ'’‘.;':.＞,‘＿．--､::::::::::::::::::::::::::.＼ | / /ｲ!〃,ヽ ＜ おんどれぇぇぇぇぇぇぇぇ！！ ＞
､ﾞ`.::;，‘’´` {_／ ,'､iﾞゝ､､:::::::::::::::::::::::::.＼ ' / |/',∧ ∨ ＜ ＞
,' , .{ o｀ﾞ､ヽ:::::::::::::::::::::::. ヽ /,/ヾ' } /.Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY
,'､ ! `,ｰ,ｲ'.:.､＼:::::::::::::::::::::.ヽ ＼ ／ /i:::::!:::::::::::::::::::::::i::::
, i /.::::ﾊ:.＼＼:::::::::::::::::. ヽ. ／ ＿,/ ﾉ.:::l:::::::::::::::::::::::::!:::
, / '´/.:::/ ｀ヽ:.＼＼＿＿__.ﾍ／＿,ゝ-､イ ,'.::::/.:::::::::::::::::::::::::!:::
,' _...>_....--｀ヽ､`ーゝ=＝―'''´ﾞﾐ''´,ｨ‐, ﾉ' /.::::/.::::::::::::::::::::::::::::!:::
,' /;;;＼￣｀`ヽ､ ヽ､ ＿,／`' ノｨ'／ /.:::/.:::::::::::::::::::::::::::::::!:::
,' {´／.::｀ヽ､._ ｀`ﾞ､ / ' ／.:ｲ／.:／.:::::::::::::::::::::::::::::::::!:::
' ヽ､＼:: :: :::::::`ー-,} /, /ｰｲ´ ／ .／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::
＼ ､. ＼｀ヽ､::＿__,ｨ' '/ . ＜ / ／ .／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!::::
＼゛丶｀ヽ､＿_/,ｨ ＜´ / ／ .／.:: :::::::::::::::::::l!:::::
＞--‐ ‐ 'ヽ､ ／ ／ :::::::::::::::l!::::::
膝を深く曲げ、折り畳むように構える独特の打法で、早いカウントではクリーンナップらしい
フルスイングで対戦相手を威嚇し‥‥
一度ツーストライクと追い込まれればバットを短く持ち直し、ミートに徹して時には
カットを繰り返して投手に球数を多く放らせる粘りも見せる。
／ ,ｨ' _ rv')ヽ､_＿,.-‐ｨ､
／ 〈 ﾄ､|V'ヽ／ 〃::i|
／ ∨ ／ ,_,.=≠'.::ノ′
／ ∨_,ｨﾒ'ヘ､_,ﾉ〉'´ フン
i ／´､､_" -=ォﾞ､ヽ､
l ,.､／彡 ,〃/ ｀ｰ' :;j:::.ヽ ワシ一人が打ったところで
ヽ ／ ,イ ヘ＼;ﾐ ヽ i:::.. ,ゝ‐ノ チームが勝たんと、意味なかろうが
ヽ ／;;;;ヽ ［｀) ヽ. ヽ::: ' ,_>
ヽ‐';;;;;;;;;;;;;;ヽ-＿＿ ヽ､､ヽ ,／,= 〉
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｉ::.＼ ヽ､. ＼―――､
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::. |::.. ゝ､__ ＿丿 |!ｉ
|:::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::. |':::::｀ー'´／ :: |::l
|:::::::::::::::::::::: |::::::: |:::::::::::::/:. :: | :|
|::::::::::::::::::: |::. ヽ::::::' ｉ::::.. : ! .＼
|:::::::::::::::: |:::::::.. ＼＿|:::::::.. :::.. ヽ::.. ＼
,､＝''￣:::::::::::::::￣ﾞ'''ヽ、
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::_,_､:::::::＞‐-､::::::::::::::::U:::::::
/::::／~ヾ,}::::j| ｡ ｝:::::::::::::::::::::::: こいつらこれで、
l::::/|_ ﾟ ,.>ｰ､ゞー≠￣ヽ::::::::::::::
|::/ ヾ≦ﾍ,_ノヽ ＼::::: 本当にプロ２、３年目の若手なの？
|Ｙ l| ヽ
|ﾉ〆 l| ｰ- |
/| ／ l| ｰ- |
l / r ｣{, ヽ |
l, ﾍ_ _,,＞ｰ＝､_ /
∧ ｀Σ,,､-‐─ﾞゝ=´ /
ﾍ ==＝一 ノ
∧
＼≧≡＝ﾆー ノ
早いカウントと、追い込まれた後で対照的なバッティングを見せる加藤には、野村も散々手を焼いた。
何せバッターとしてのタイプが、カウント次第でガラッと変わってくるのだ。１人で２人分の対処法を
練らなくてはならない厄介な相手だった。
そして加藤の後を打ち、４番に座るのが“ミスターブレーブス”こと長池徳士である。
_,. -＝＝＝＝==- ､
_／壬三三三三三三三≧ｰ､_
rﾐ/ﾞヾ,,三三三三三三三三三ミ.ヽ、
/_/ ',ヾ三三三三三三三三三ミ.ヽ､
/´ ',__∨/////三三三三三三ミﾐﾊ
r'´ _／ ',／¨ﾐｽ=､＝ニニ二二三三三ﾊ
| ｀ヽ、 / ／',, ﾘﾞﾊ ', ﾞ7三三三}
ﾉ_ ,､ .＼ / ｀ｰ',,-__}_ }_}_-､ ＿ , . {ニニニミ}
/-ﾆ,ヽﾞtｯ∨ '',, | ｀ | | r'〈___ﾞr'ﾆV//ニニﾘ ここで成績を落とせば、
,' ﾆ=ｨ r=7三三ミヽ{ .ﾊゝ-V/ニﾆﾀ 去年結婚した家内が責められる
i ／/ / i {三三三ニﾊ '´∨ ∨/タﾞ
|',〃 .i ./ V三三三三〉 ＼ _,.ﾞX_ それは避けねばならん
| ' l/ ,;; ＼三三少ﾞ ﾞﾊ '´ ∨ ﾊ
| ,.心〈 ノ _,.={ ｀ニ￣＼ ﾉﾊ V ﾊ⌒i
─────|／'弋川川く,, , ', ､ _,.-'＼∧ V ﾊ.{ |
└┘..(￣)／| ｀¨弋川ﾐﾊ / r-､}ﾐ∧ V V!
三三三r' l ='´¨＝､ ｀弋ﾊ ､ ! / ,' ｀¬─-､ ,｀i ', |
￣￣| .| ヾｯ,, ヾ}. 〉 _|＿､_ _ -､ ', , { .ﾊ_
/ /| ＞､ ''' ／ _{ ﾐ ￣ ヽ ', ', ',ﾊ＼
./ / ｲ ,. >､＞ ､ _ _ - ' ´ { - ､_ ｀ヽ , ', V/＼
/ //| ＼ i f⌒ﾘ ,>三≠､￣ k イﾊ ' V/ ＼
./ !l! j! | ! ! ///77｀} | ヽ_ﾉハ ∨=､
{ l!ﾊヽ=' .i i |f ﾄy' / .ﾘ ／／八 /
ﾊ ヽヽ-' lヽ ヽl!′/ / ／／ ＼ /
長池 徳士
野村が８年間守り続けてきたホームラン王のタイトルを奪い取った新世代の大砲は、
この年も強力阪急打線の中心に据わり、この年も野村を上回るペースで
ホームランを量産し続けていた。
妻に迷惑はかけられない。
愛妻家であった長池のバットは、この年絶好調だった。
/三三三三三三三三,'ﾞ `ソヾ､ミﾐｿi/ |:;;;;;|: |
./三三v'｀ヽ三三三三' ／´／ `yil|ｉ/, |:;;;;;|: |
/三三/'´`､ i三三≡"ﾞ ／ / ､/' ﾞ〉（´ |:;;;;;|: |
ﾘ三三（ :;:;:;;i. ill/ ヽ ー=x､ /､ｰﾊｉハ .|:;;;;;|: | 決意を込めた思いは
/三三 ﾉ.;:;／ ﾞ' , -ミ ﾄ､､ﾞi!/ ､/! i! ﾍ |:;;;;;|: |
./三三ilゝ,｀ﾞヽ ﾍ ￣ﾞ､ゞ｀;;ﾞ'､__冫/' ） |:;;;;;|: | 人を成長させるものだ
/´"`"'´ ,' ｀ｰ 〉 '' " ｀´/｀､ｷ ノ' 匕.⌒ﾞﾒ
∨ ﾞ i i i i ." / i 「二二二二二二二二二匁
｀ヽ､ ,' ! , ﾉ , 〆" ﾊ ノ｀メゝ'´￣￣ ￣｀i卞!
｀ヽ､i !. ,'/ /_.ノｉ|ｉ|ｉ|ｉlｉl､＿__,! ノ´ " ゛;' _,/＿ノ/./
､ ､ ｀ヽヽ､ i ｉ 〈厶'""`ゞﾉﾘi| / ﾞ ／´ ' ! il |
｀ヽ､ ＼､ ｀ヽﾄ､ = r'´｀ / , "＿ﾉ il |
ヾヽ､ ｀､ ヾｉ､ / ｉ ､／´, ﾞ! il |
ヽ､ ﾊ X ヾ〉=―' ,ﾉ〟 "_,.＝,./ il |
. ＼ !､ ﾞ ／/.:´ﾊ ! ｀´ ´ _,! il |
､ ﾊ ､ヽ .／.イ;:../､ ! / ヽ､ ‐=‐' il |
ﾊ. ､ ﾍ ｉ ＼／､ ｨY.:i' `〉 / .ヽ､＿_／i| il |
ﾄ 〃 酛 ヽヽ｀＼ﾞ､ｉ| / ﾞ`Yil:::::.:.;i| il |
ﾄ､ /,|
|ハ ハ|
|/∧＿_∧/|
/ ヽ
. / ､ ',
| ⊆⊇ ⊆⊇ | なんという男じゃ
| i i ｉ |
| ｕ ┌ ァ | 手がつけられん
＼ ／
. /￣￣￣ ヽ
/ i ＿_ ｉ ',
| |｛ 太 ｝| |
＿＿＿_
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣￣ | / ＼ | |
| /⌒ヽ ／⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | | 僕ももう、限界かなぁ
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ .ﾚ⌒ヽ
ノ o U ６ |
／＿＿ ＼ ＿ノ
＞ ﾉ
＜、＿＿＿ イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
皆川 睦雄
５月２８日の南海戦で、前年新人王に輝いた佐藤から第９号ホームランを放つと、
続く打席で今度はベテラン皆川から第１０号を連発。
ここから長池は、３０試合連続で安打を量産し続けた。
門田に見習わせたいくらいだｗｗ
当時の連続試合安打日本記録は、野口二郎が記録した３１試合。
同じチームの先輩が残していた日本記録に長池は２５年ぶりに並ぶと、新記録がかかった
７月６日の西鉄ライオンズ戦。
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:て
ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ . ,ｲ ,ｲ ,ｲ,ｲ
Y.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丿／j!.:.:<´｀ ＿_/.ﾑ_/./ ﾚ'ﾚ'
ヾ.:.:.:ゞ,ヽ{×ｆメ,._´ ヾ,´.:{ ヽ=, ,.--., .二7
／.:.:/ {-‐=|,;,ｲﾞ, ji´ jfl´', /″ .//
/ ゝ:,'｀ヽ,,..'. ヾ､ｊｆ.,;心≦{ｊ.! j //
l {_ヽ:.<戈ｯメ; {｀¨｀ゞﾒ,ー､ﾉｊｲノｆノ三;､ ./´ ,ｲ,ｲ ,ｲ
ゝ. ゝヽ_´¨´ : i, ,: ﾞ{:i ヽ .;.;.;.;.;:,. j| ヽ ﾚﾚ //
ノ´"}廾;:::. _ﾐ!_;7´ヽﾒ{ ゝ､.;.;, j| ゝ /'
＿、ｰ｀.;.;.;/ 丶メ ;jz≠'¨´ﾞj;.f ﾞ ¨ ＞ j| ｊヽ__
ﾍ´.;.;.;.;.;.;.;.;.;./ ﾞゝ;､｀ﾍ{二ﾞ´ノ j ｊ ｊi ／´ j|ｿ / ! メ
/ i j.;.;.;.;.;.;.;} i ﾍ:.:.:.....､ノ / {,._ﾉ.iｒ ´ j| ／ ´ゝ
/ Y / _,,.メ､_{_,.入 ｆ ／./ { ,j|ｿ_／__,,＞ ´ ﾉ丶ｰﾅ
{ /.／ ∨ ゞ ゝ,.__ﾉ´／＜ jfー＜ー――― _ｊ´
ﾉ ゝ ´i .∨ ∧ ヽj ヽ／ ｲへ.:.:.:.:...:........,,,,, t
＿,ﾅ ,,..入 i .∨ ∧ {｀Y / j｀ー― '''''''''ﾞ＼ ﾞゝヤ
ｆ´f j＿ｲ´フ ｲ X i .∨ ゝ ﾒ ./ ∧ ゝ _＜___ j jつ,
.） У ／ ／ ゞ,＼ | ／ ｆ ヽ ＜,,.. } !/ ｆ ヽ
( ／ ／ ノ.:.:.:.＼ | _<;::_ノ ノ{ ゝ,,...__＿jメ ／
.) ／ ,_／ メ__{´ ＼.:.:.:.＼ ﾄ- ー―ﾞ ／∧}､ ﾉ＿;;;::..,,..＿ j|fヾ;.
/／／ ＿／ ,f ゝ.;.;.;.;.;.;.;. ／| ヽ / j ! ゝ:::...＿___,,.ノ ヾﾍ
f__／／ ｆ ヽ.;.;.;.; ／ |´￣｀ヽ ヽ !ｊ ゝ ｀Y
f｀irｲ ,イ く ゝ.;.;.;.;.;.;/ ／ヽ ＼ ,'.:. ヽ, ｀ 、 ﾒ≧i_
i ｛ ｲ >ヽ }.;.;.;.;.;.;.;:../ ヽ j.:.:j ヽ ヽ, ∨三ﾞヽ,
｝ゞ ＿,,;.ｿ´チ ｆ }:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.. 、 ／ {.::ﾉ ／ };;, ,lﾍ ﾒﾍ ｝
≧ ｀ー´ ,,;,..ゝ /:;:: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:. ,,;f ／__＿／ ／{ ﾞｆ ｀ｰｲ.:.ヘ//´
戈＿＿ ,;;;;;ｲ´ i:;:;: : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;／´.:.j ,,,／ ／ ／ ,ｲ ,,∧.:..j j!
￣＞´ｆｰﾞ !:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:: : :;メー=ミ彡／ｊノ´ ｀i （ｲー＜>､_ヽｊ! i!
ﾉ ヾミ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::::::彡¨´￣ ／´ ヽ ヽ ｲ/´,;＞ー=ミ//
/ ／ ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´￣}￣}´＿＞ i ∧ ＞ﾄ､｀ﾞヌ__／´
この試合を迎えた長池は‥‥
今年35歳の阿部がキャッチャーをあきらめファーストに転向したことを考えても36歳でキャッチャーと主軸をはるノムさんは驚異のレベル
観戦に訪れた愛妻の前で、何と３打席で連続ホームランを放ち日本新記録に
大記録を重ねる離れ業をやってのける。
{
＼ |l|w/L ,r_／
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／
＼´ 彡x
> ； ’ ∠─
／ }|
／´ヾ, r､r‐|＾`
/／ }´
{ / , __,,;;;;;;,,,,_ ヽ人_从人__从_从人
＼ |l|w/L ,r_／ ≧;;;;;;;;;;;;;;;; __,,,;;;;;,,＜ ＞
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ (v └-円r'~ 《lll＜ うおおっ！！ ＞
＼´ 彡x / ~ﾐllー-P､lヽ hlllll＜ ＞
> ； ’ ∠─ ~¬ ､ ン,ノlllllllY入lllllllllY⌒YW⌒Y⌒WW⌒
／ }| ll└ｔ千~~llllllllllllllllヽゞllllllllll''''~
／´ヾ, r､r‐|＾` lllllllゝ ＼lllllllllllllllllllllllヽllllllｈ
/／ }´ lllllll､ll;,,,v`､llllllllllllllllllllll朴ｿ ト、
/ (llllllll~T･＞ｺ;､llllllllllllll,／ﾚｲ:::::ヽ
{ └---┘ ＿＞ヱ二>イ~:::::ヾ::::ヽ
＼ |l|w/L ,r_／ .) iiii (-千:::::::ミﾒ<ヽ丶::::::::::::ヾ::
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／ /'''(, ﾚ:::::::::::::::ゞ;:::::y:|:::::::::::::::::::::ヾ
＼´ 彡x （::::::::| |::::::::::::::::__二<ﾇ:::::ヘ:::::::::::::::
> ； ’ ∠─ , ヽ::::::::i .i::::t-ー――~~~~―--;;;,,,,__
／ }| || ＼;;|==|;;;;;;;;;> ￣
／´ヾ, r､r‐|＾` ＿＿＿_i i_＿_|_i,,,,,,」l-H丿）iiii);;;;;;;;;> i､
/／ }´ ――---| |----――屯ｋ廿|廿;iiii;ｿ i. l ,
/ |リ |v､ 、 -llllllllllli, ﾉ v､ ,､ .ﾉ|
|| 川|i i|ll i|;;;ii;;;;;|l;;;;;;;;;;;;iiilllllllｿ|lllソ `illi ill, k;;;;;;;;;;;;;;;;;;
福本、加藤のレギュラー定着。そして長池の活躍もあり、この頃の阪急打線の恐ろしさは、
パ・リーグ史上でも屈指のものであった。
中嶋聡「そうかな？」
一方で、投手陣の方でも世代交代はスムーズに進んでいた。
____
/´::::::::ヽ
/:::::::::::::::::ヾ アラララ
√:::::::::::::::::::::ソ
ゞ/uヾｕ ﾍﾞゝ こりゃ俺も負けてられないねぇ
/ │
/´￣￣￣ヽ
／/´￣￣￣／ ヘ
（:::│ /::::::｀
││ │::::::::|
││ ゞ::::::::|
│丶 ヽ:::::::|
│:::ヽ ::::::: ヽ:::::::|
│::│ﾍ ::: :: ヽ:::::::|
│::│ﾍ :::: ::ヽ::::::::|
│::│√ :::::::::: :::ヽ::::::::|
│::││ ::::::::::::::: :ヽ,,,..ﾉ
│::││ :::::::::::::: ::ヽ
│::││ ::::::::::::::: ヽ
│:::│｀──── ::::│
─ │ :::::::∧ ヽ
│ │ ::::│ヽ ヽ
│ ::│ │ ヽ ヽ
丶_│ │ ヽ ヽ
│ │ ヽ ヽ
│ │ ヽ ヽ
│ │ ヽ ヽ
│ │ ヽ ヽ
福本、加藤とドラフト同期生の山田久志は、アンダースローでありながら
１４０キロ後半のストレートを投げ込む本格派の直球投手だった。
／ ＼
／ ヘ＿＿＿＿ ＼ ＼
／ ゝ ／´ ヘ ＼ ／￣
ヽ彡 ／ ゞ ゝ ／::::::::::
／ ／´￣ヽ ￣￣￣￣ ／::::::::::::::::
ヾ彡／∠´´｀::::::ゝ /:::::::::::::::::::::
´ ／::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ /::::::::::::::::::::::::
/:::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ /:::::::::::::::::::::::::
」::::| | Ｘ Ｘ Ｘ Ｘ Ｘ Ｘ Ｘ ゝ /::::::::::::::::::::::::::::
〈:::::::| |Ｘ Ｘ Ｘ Ｘ／´`-、______,- ' ｀へ /:::::::::::::::::::::::::::::
／::::::::＼ Ｘ Ｘ／ ';;´ヘ |::::ゝ￣￣￣＼::::::::::::::::::::::::::::
〈::::::::::::::::::::ゝ─へ＼ ( ／_______＼|:::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::
／::::::::::::::::::::| ___ゝ＼ ノゞ__ノ ∠___ｐノ ヽ::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::: 野手があれだけ打ってくれるなら
〈::::::::::::::::::::::::::| ＜____ｐフ ゞ ´ヘ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::
/:::::::::::::::::::::::::::::| :::| 〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::: 俺達も抑えなきゃ男が廃るってもんよ
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::| :::| 〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉ヽ
（::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ :::: (:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈
）:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 〈 〆 ヾ 〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ
√::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ｀ ___ ... イ /|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::τ
へ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ゝ"｀〜´ ノ /:::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::）
）:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ヽ ゝ＿＿___ イ /:::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::)
（::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ヽ ´ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
ソ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ヽ | | ヽ ／:::::
ヘ::::::::::人::::::::::::::::::::::::| ヽ :| | ヽ ／::::::::::
ゞ__,- ゝ____,,人:::::::| 丶----−´::| | ヽ ノ:::::::::::::::
ノ ::::::::::::| | ／ ⌒｀ヘ√⌒
山田 久志
その山田がこの年、長年阪急を中心で支え続けてきたヨネカジの後を継ぎ、
エースの座を射止めたのである。
ドラフトで指名された時点では重度の腰痛を抱えていたため、選手として契約を交わしたのは
８月に入ってからとかなり遅かったが、その腰が治癒してからは前評判に違わぬ実力を見せ始め、
２年目にはプロ初完封を含む二桁勝利を達成。
;;;;;;;;;_, _;;;;;;;;;;;;＿､ ___, ----‐ x ＼ シ-､_ _;;;;;;;;;;;;;;;;;-─‐‐‐‐-､_;;;;;;;;;
;;／゛ ｀' ､ _,-‐‐'ﾞン'｀ヽ ／ ＼ , -'' ＼ ,つ-､ ´ ／ ヽ､
' ＿___ _ ヽ ＼／ Ｘ Ｘ ､. ＞／ ヽ ／ ┼ ､ | ｀
/-i レ ／-＼ .ヽ '＼ .／ ＼ ／ ＼ .／ ＼ / d⌒) |
`/ |__i フ | ＼／ 乂-'｀ ｰ- ､_/＼ ,ノ' l ┴┴ |
/ | ／', --‐'ﾞ_, -‐'´｀｀ ｰ ､_ ﾞ‐ー--∠__ ! 月リ |
/｀し | _￣二--‐' ´ ￣'─‐ｯｖ -.| l ヽ ┼lっ
l__〃 | --､ ＼､ 'l、 / ／, -'' ! ⌒) ヽ
（＿ ! ｀ｰ-ニ‐-__,ｲ‐ ヽヽ＿＿∠-'' │ ´ つ
／ l ‐' ´ ｀ ＼ ﾞナ´ , - .! o
＼ │ , -‐￣Ｕ｀ｯ､ 7‐‐'"´ ‐' ´Ｕ￣_.ヽ ヽ. l ┼
､ ┼┐＼ _/ 丶､ ─'' - ! -- ､,￣ ,ﾉ ヽ. ﾚ ｄ､ ,
; ＼ ! j 〈 / | /┐;;＼ ,／､
;;;;;;;;｀丶､ ＿_-‐'.￣ﾞ,ト、 ! / ノ';;;;;;;.┴ ‐‐--- --‐''´;;;/'
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀二二､, --- ､;;;ヽ-ヽ | / ＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;. !
-‐-‐''''ｉ;;;;;;|::::::::::::| !::::::::::|.:;;;;;.:|ハ ,- ′ -、 | .｝ｯ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ '' '｀｀ヽ
ぃ:::::::::::|;;;;;;|:::::_､::.! !::::::::::!;;;;;;;ゝ､` |、 ! l .＞ __＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.| l':｀｀ｰ
ヽ :::::::::::| ;;;.!::/.|::::| |::::::::::|.:;;;;ｉt‐' ﾞ‐‐ ＿, ‐'´ /￣::::::::::::ﾞ l!;;;;ｨ､ ;ン´ /:::::::::､
: |j｀ヽ_ ` ､ﾚ ヽ-｀ ｰ..‐'ﾞ;_,/ ヽ ____ _____ ./.!::::::::::::::::::::|─‐ /:::::::::./
!ヽ _｀'.__ .__ ＿!__.-''ﾞ/ﾞ , ヽ ／＿ ﾞ─''´ ＿｀ヽ､ / .|-､ --‐--` _ ､ /:::::::::/ /
.!:.! .! .|.! l | .! !_,ｒt .| ./￣::.! ヽ '.ﾆエ二ﾄ---'ｌ二エﾆ｀>' ./ /ﾞ;;;;;;;;;;.! ,／´:::::: l/::::::::/ ./:
.!:| | .|.! | !│ ｨ / /::::::::_,! ヽ ＼ ｀￣￣￣´ ／ / ／;;;;;;;, ‐'´:::::::::::::, l｢::::::::/ / :::
/ l-!.l-!.l-! !く .7‐' ´;;;;ヽ ヽ ｀ ー──‐‐'´ / /;;;; ／ ::::::::::::::, ‐' ｀‐‐-/ /:::::::
~工ロ ロ ロ ロ´.ゝ､;;;;;;;;;;;;ヽ ヽ / ／.;;;､´:::::::::::::: ／ /:￣'ｯ , ､_｀ｰ'
´ .! ＿ /''´;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ヽ / /;;;;;;;;;;.ヽ、::／ lﾞ::::::::/ / ::::: 7
l ,,ィ'´ﾐ'´::.! ｀＼,.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ｀ｰ‐------------‐‐'／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.７ └- ､/ ∟:::::/
.ﾒ' ヽ::_,／' ヽ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ｀
首脳陣の期待に見事に応える活躍を見せる。
南海AAメンツは智将は多いがその分体力のないやつらばかりだから・・・・・・
そらエースで四番よ
そしてこの山田も、エースという人種に相応しい強烈な自我とプライドを胸の内に
携えている男だった。
. ! l _／_/ ,il { {:} {:} {::} (:)｜{::} {:::} {::)| !:', ヽ
! ',_／ / ,'::| l!ｆ::} ｒ'::} /::}_,人;ｉ ｛:::l {::::!,!:::| l:::', '､
ﾞ､ '、 ,' ,ﾞ::| |:::::l｣:::::L!:::'_;r‐､｀ﾆ:_'_‐';:: ｧ:::| |::::'､ ',-､ ピッチャーで１番大事なのは
'､__ﾌ ;:::| |:::::k-‐x_ﾆﾉ`ｰ'`‐'＾ｰ'＾ｰ'´::::| |ヽ:::'、 ', コントロールじゃ
/ ･;:::;| l::ﾄ､`´:::::::::::::__::::::::::::::::::::/l:::| ･ !ヽ＼:｀´）
_,.､イ∟ ノ:::/ | ． l::! ｀ー一' ´ | ｀` ー‐' ´､|:::! ･ |:Nヽ ￣ コントロールを磨け
'＾ヽ,〉､___／ |l ･ !:ｒ',r'´￣`丶レ'´￣￣ヽ｜|∵,'::! '､`､
/ ,ﾊ! ： l:l//｣_ｌ__ｔ._,__,__,__,_ｔ_｣_）iﾞ|::| ･,':::l ', ヽ
. / ,' |:',･ l|`1`┴┴┴┴┴┴':::ld::ｌ /::::l ﾞ, '､
/ ; !::',：∨Vﾆ{ ノy' ﾉ;'/::::::! ﾞ, '、
,.r−､ ,′ l::::ヽ Y}Ｘ´_Ｔ┬┬ T´ﾚｲﾌ:;'/:::::::! ', '、
） ,' l:::::::ヾ､ヽY｀マ^マ´ヾノ´ノ/::::::::;′ ', ',
人 ﾉ _,' !:::::::::ヾヽ:｀┴-┴‐' ／ /:::::::::;' ;
（ ｢,.イ !::::::::::::ヽ､｀￣￣´＿／::::::::::;' l
-‐'´ / ';:::::::::::::::::｀{个ｆ爪{ｿ::::::::::::::;' |
__、丶'''''' "~ "''丶、_
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ノゝ〜/:::::::::::::::::::::::::::::::::┌−−丶、|
（::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::./ ´ヘ__ ゞヽ〉
(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/───l||lゞ〈 そりゃ違うぜ監督！
ゝ〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ゛ﾉ 丶
〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/／￣｀＼__ 〈 ヽ ピッチャーで１番大事なのは、
（::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::///┴┴┴┘ゝ`ﾞ ''' ストレートの威力だ
／＼:::（::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://::::::::::::／△／
／:::::::::ノ 〜ゞゝ:::::::::::::::::::::::::://::::::::::/´ それがあればど真ん中でも
／::::::::::::ヽ ゞ__ ノ ゝ__ ノ |:::::::::/ 打たれることはねぇ
｀::::::::::::::::ヽ { |ヘ:::::|
／::::::::::::::::::::::ヽ 丶 |┬┬┬┐
:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 丶 ゝ── r
::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 丶 ￣￣｀ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／´´⌒ 丶 〈
::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／:::::::::::::::::::::丶 ___ ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::/ ゝ|::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::::::::::::::::::::::／
::::::::::::::::::::::::::::＼ ゝ::::::::::::::::::::::::∠
野球が絡むと、とにかく強気一辺倒。
その気質はまさにエースの名を継ぐ者に相応しく、阪急は投手陣においても野手陣においても、
瞬く間に世代交代を完了させ、その強さに磨きがかかっていたのである。
更に、一度は退団した外国人選手スペンサーと今度は
選手兼打撃コーチとして再契約。
＿
j| ﾉﾊ }}｀ヽ }}ﾍ
ハ ／＞‐ '´ ﾚ'´ ﾉ＿ﾙ 1
〃 ＼ ／／ ∟ 彡´￣ 」
ﾄ､ {{ 〃 〃 / /￣｀`ヾ===彡ﾄ
| `ｰ'⌒ヾ ｉｉ jj ,ｨ ,イ∠∠ ＿_r-イイﾌ ハ
ト､ ｀￣ミへ从Yルｿ ／ 〈＼ヽ二フ ___ノ⌒!
ヾ一⌒Y ､,,／_,, ,- ､,, > `＝ゞ=〈〈 このチームに、
､＿爪ミY ｚｨ⌒Y ! 〈ヾﾐ`--'ｯミ ヽ ＼＼
iiソ Yｰii￣´/`┬へ ｀ ｀ 〈 L.. `┴ｲ 我の知っている全てを伝えたい
|| rﾝ"" ノ `ｰ'^ ｀`ヽ ∧|ァ ヽ、 /
`=ｯ7ハ、 , _--‐_¬､ ! ,ｲ Y^! | ｙ'′
｛ { ! i 〃´￣￣｀ヾj ! 〈一 ﾝ′
| ヽ| ! Y´￣｀ヾ, i ﾄ-rr1!
`Y| } / iヽ、、 |iｉｉ L川ﾊ
| ヽj ,xｉｉ|ｨi1从iﾄ､| ､__, ル''″j| ハ
| i ｀ヾ{| || ll llﾄﾄｘ!, -‐'"/ ヽ
|ヽ! ヽ ` ー┴''"´ ／/ V
ダリル・スペンサー
,イ从从彡ー'"￣ ｀ヽ､
フ=/. | ﾍ │.
∠<,| ヽ､ . │ :r-‐- ､ お前の影響は大きいからのぉ
∠´7| ＞´＼丿 ￣∨ /~ﾍ
{/ . ／／＿, ,}ｰ'"∨ | .{｀ｰ' | 頼むぞスペンサー
辷 ＼ ／ｨTェﾃr'"ﾉ／== . ', | 〉`〉 |
ゞｱ､ r'"｀ヽ=＝イ ｀ヽ .ﾘ／ノ ./
〈 / _z-‐──- ､ ｰ､ゞ .Y _／￣￣
| i __,ソ ＼ ', ',:.
{ 廴_′ ,＞ ´￣￣｀ヽ､ゝ ', ',::.:.. イ
ﾑﾍｰ-‐'" __＿＿＿＿___| ! ,〉::::＞´
| .ﾄ-‐─'" / | ／≦´
／l .廴＿>-‐────'"|. |／｀i ,ｨヽ､_
／ .:.| ゝ､＿y-‐- ､＿＿__,ノ /:::::::::| .:.:.:.:.:.:＼
r=-‐'" .:.:.,ﾉ / ノ::: ::::::| :.:.:.:.:.:
/／ヽ .:.:.:.:.ム ｿｲ:: :::| .:.:.: .::::
//::::::∧ .:.:.:乂 /_人ノ´:::::::: | ' .::::: ／
//:::::::::::∧ .:.:.:.｀ﾍ从从""´::::::::::::::::::::::: | ／
//:::::::::::::::∧ .:.:.:.:.:.:.:.:/!::::::::::::::::::::::::::::::: |
ブレイザー同様に、メジャーリーグの世界で生き抜くために身につけた知恵を
ナインに教え込んでいった。
1番福本 四球→盗塁
2番打者 送りバント
3番加藤 犠牲フライ
でノーヒットで先制してくるとかいう伝説があったな
しかし、そのスペンサーの野球観を最も熱心に学んだのは
“選手”ではなかった。
,､ ,､ ,､
,､,（`〈 （ `（ ｀`"ゝ,,
,,ヽ "ゝ
7 rll,,v,,lii,,,il,,､,,,､､, "ゝ
` ﾐ ﾐ ''ゝ そうは言うが監督
ヾ ＿ヽ 〈 ＿__ ､ ﾐ 'ゝ
| `‐ﾟ'｀| `ー ﾟ' ~i ,〉 勉強しなけりゃならないのは
,'⌒ヽ | ､|,､ ir-､,〉 俺達も同じだろう？
（ ）, | r=＝==､ |∂）
`､_ ,. ヽ | ／／=--` , ' l,~´
,（ ）／／,,_,_,_,_, , ' :::::: ,'"｀,r---
／ ｀(__ "" ）: ::::::::,,'" ,'
,'ヽ--'´:: :::,,'" ,''
,, ',; ::: :: ,,'" ,,''
'' ''"'` ''''"""゛゛
,イ从从彡ー'"￣ ｀ヽ､
フ=/. | ﾍ │.
∠<,| ヽ､ . │ :r-‐- ､
∠´7| ＞´＼丿 ￣∨ /~ﾍ
{/ . ／／＿, ,}ｰ'"∨ | .{｀ｰ' | むっ
辷 ＼ ／ｨTェﾃr'"ﾉ／== . ', | 〉`〉 |
ゞｱ､ r'"｀ヽ=＝イ ｀ヽ .ﾘ／ノ ./
〈 / _z-‐──- ､ ｰ､ゞ .Y _／￣￣
| i __,ソ ＼ ', ',:.
{ 廴_′ ,＞ ´￣￣｀ヽ､ゝ ', ',::.:.. イ
ﾑﾍｰ-‐'" __＿＿＿＿___| ! ,〉::::＞´
| .ﾄ-‐─'" / | ／≦´
／l .廴＿>-‐────'"|. |／｀i ,ｨヽ､_
／ .:.| ゝ､＿y-‐- ､＿＿__,ノ /:::::::::| .:.:.:.:.:.:＼
r=-‐'" .:.:.,ﾉ / ノ::: ::::::| :.:.:.:.:.:
/／ヽ .:.:.:.:.ム ｿｲ:: :::| .:.:.: .::::
//::::::∧ .:.:.:乂 /_人ノ´:::::::: | ' .::::: ／
//:::::::::::∧ .:.:.:.｀ﾍ从从""´::::::::::::::::::::::: | ／
//:::::::::::::::∧ .:.:.:.:.:.:.:.:/!::::::::::::::::::::::::::::::: |
スペンサーの野球理論を最も熱心に学んだのが、この年から
阪急のヘッドコーチに就任していた上田利治である。
~ﾞ''ｰ-,,,,l ''ｰ-,,!./ヽ'ヽ､.| ~ﾞ'ｰ!`i | `i, .,､ λ
_____ | 丿 ｀ , .`! V | .ﾉ .l
ー- | ,i' . - ミ､'i､ ､ `i､i , レ'. | ,i
=. l ／ '''ｰ-,,,' .＼､ `i,.i `i . l i .i / . ｌノ..i
. _ﾆ-/ / --､_ ,,_ヾﾐ､＼､,`i,l ,.i､,'/ i' , ' ﾉ ' ' ﾉ
'''ﾞﾞ / /~_~_ﾞﾞ'''二_-､--;;;`;;＼ ｌl' l y ﾉ／／, ノ,''/
. /-/''''ソ-ﾞ~ ﾞﾞ'''ｰ Vvレ彡彡--ﾆ-'ﾞ .ノ,/
,,,-/ ./-､ / ', , |ﾆ／'/
ﾉ-T~ﾞ''' | l ; l ,' i | .／, //
''_ _,,l=-' ! | i, i i |l彡ﾞ／ﾝ /
／. ）=-'i､ .彡 i i / lﾆ／ / 〔
__ -/彡彡i i i､ / |.／/ ヽ コーチだからって、俺たちが
-ﾐヾ（ ii'~~~` ______ -､_ ) ﾉ_,,,=-'ﾌiっ./ ,ノ
-''ヾ､＞--､_ ` ~~（）''ヾｰ､ノ__μ,,（）,-' // ｌ / 学ぶ側に立っちゃいけないって
､/ )Vi `i. ~ｰ-'''''~~ ^ｰ ｿ~ l/. .） ,､ i' ことはないだろう
. ヾ_ｰii| / | l/ ﾉ/ .|.|
~`ｰ/~''| / _,,,,,, --､._ !r l. ／/ . ｌ l ヽ､
/ ~~ヽ/ 'ﾞ,-''''''''''''''''''''ｰ--------''i. ﾚ'_ノ ﾉ ｌ 〈
l 人 i'>-＞,,,,____,,,,,,,,,,----(iiiて~'''ｰ-,,,,/ .| 〉
. | / ;;`'ﾐ､父ヽ必/''''''_~_~_~_~,,,＞x,,,（八!' 鑾 .| |
..| !ｰ-<父`必ン~~~-====-''フﾞ~ ~`'ｰ,寒 / .|
!､ 鑾i`必ンヽム__ , , , ､ ､ｿ/ ~'''ﾞﾞ λﾉ
`ｰ--､ 鑾!!.）'´;;;;;;;;;;;,--~''''''ﾞﾞﾞﾞﾞ,,-7 ト.| ｀
ヽ `ｰ,,,/;;;;;;;;;;;;;;i' ;; ;-''~~ ７ λ i'-!
上田 利治
勤勉な読書家であり、自費でアメリカに渡ってメジャーリーグの野球を学ぶなど
後に西本の後を継いで史上屈指の知将ぶりを見せるこの男は、学習欲の塊のような
気質を持っていた。
西本がチームに持ち込んでいた情熱に、スペンサーや上田が首脳陣が加入することで
そこに理や知といった要素をもたらされる。
そうすることで、阪急のチーム全体の完成度は更に増していった。
. ! l _／_/ ,il { {:} {:} {::} (:)｜{::} {:::} {::)| !:', ヽ
! ',_／ / ,'::| l!ｆ::} ｒ'::} /::}_,人;ｉ ｛:::l {::::!,!:::| l:::', '､
ﾞ､ '、 ,' ,ﾞ::| |:::::l｣:::::L!:::'_;r‐､｀ﾆ:_'_‐';:: ｧ:::| |::::'､ ',-､
'､__ﾌ ;:::| |:::::k-‐x_ﾆﾉ`ｰ'`‐'＾ｰ'＾ｰ'´::::| |ヽ:::'、 ', ＼
/ ･;:::;| l::ﾄ､`´:::::::::::::__::::::::::::::::::::/l:::| ･ !ヽ＼:｀´）
_,.､イ∟ ノ:::/ | ． l::! ｀ー一' ´ | ｀` ー‐' ´､|:::! ･ |:Nヽ ￣
'＾ヽ,〉､___／ |l ･ !:ｒ',r'´￣`丶レ'´￣￣ヽ｜|∵,'::! '､`､
/ ,ﾊ! ： l:l//｣_ｌ__ｔ._,__,__,__,_ｔ_｣_）iﾞ|::| ･,':::l ', ヽ
. / ,' |:',･ l|`1`┴┴┴┴┴┴':::ld::ｌ /::::l ﾞ, '､
/ ; !::',：∨Vﾆ{ ノy' ﾉ;'/::::::! ﾞ, '、
,.r−､ ,′ l::::ヽ Y}Ｘ´_Ｔ┬┬ T´ﾚｲﾌ:;'/:::::::! ', '、
） ,' l:::::::ヾ､ヽY｀マ^マ´ヾノ´ノ/::::::::;′ ', ',
人 ﾉ _,' !:::::::::ヾヽ:｀┴-┴‐' ／ /:::::::::;' ;
（ ｢,.イ !::::::::::::ヽ､｀￣￣´＿／::::::::::;' l
-‐'´ / ';:::::::::::::::::｀{个ｆ爪{ｿ::::::::::::::;' |
,､,（`〈 （ `（ ｀`"ゝ,, ヽ|::.. ｀ミヽ|≡|´ ﾍ
,,ヽ "ゝ ｌ ‐- _|ヽ::. ｀ｙ´ |/||ヽ<ヽ
7 rll,,v,,lii,,,il,,､,,,､､, "ゝ |:::::::::::｀ヽ::... / ／／´ ﾉ ﾍ |
` ﾐ ﾐ ''ゝ |::::::::::::::::::|:::::/: ,､ ／ ﾉﾉ|
ヾ ＿ヽ 〈 ＿__ ､ ﾐ 'ゝ ∨:::::::::::::::!､/ヾ´ !-‐､ ／ |
| `‐ﾟ'｀| `ー ﾟ' ~i ,〉 八_／｀Y´ ｀┐´｀ｌ |
,'⌒ヽ | ､|,､ ir-､,〉 !､___ﾍ / _ ｯタ/ ｀´》 |／´
（ ）, | r=＝==､ |∂） ｀|ミ≡＝彡｀-‐´ 人ノ｀ゝ
`､_ ,. ヽ | ／／=--` , ' l,~´ ﾍミﾍ ´ ＾入 へ / ＼
,（ ）／／,,_,_,_,_, , ' :::::: ,'"｀,r--- ｀!ﾐト ｨ´ ﾍ ｒ´-‐ ´ ￣｀∨へ,､
／ ｀(__ "" ）: ::::::::,,'" ,' ,ﾍﾐ ‐=≡=‐ 丿 /彡三三三ミ ‐ - ミ
,'ヽ--'´:: :::,,'" ,'' ､ヾ三ﾐﾍﾐ￣￣´ゝ´//´ﾞ￣ ＼
,, ',; ::: :: ,,'" ,,'' . ゝ 三三ﾍミ三/´￣/ ﾍ ﾍ
'' ''"'` ''''"""゛゛ ｿ三三ﾐ/ ｋ:::::::::::/ │ |
４月中旬から１０連勝を飾ると、５月２２日から今度は球団新記録となる１５連勝を達成。
シーズン前半戦の勝率は７割を超えるという驚異的な強さを見せつけ、２勝１敗ペースで追いかける
２位のロッテオリオンズにも６ゲーム差をつけ突っ走る。
その後一時息切れしロッテにゲーム差なしまで迫られるものの、そこからもう１度奮起し
今度はそのまま勢いを落とすことなく最後まで突っ走った。
_,.ィ ,-=;,
! Ｋヽ ｛__７! ト､ ,.へ .イ ,. ‐ｧ
| ,{ ∨ 〔_ラﾚ | ｀! ,､_,-‐y; / ! ＼ i´ | ./ /
ｰ'´ `y"l ｌ l ｒｦﾚへｼ'" ｌ l ｀ヽ／ l ! ,.イ ｰ-'
iﾄ-ﾍ、 ｀ヽ.| （_;フｲ | ,. ‐ｧ r;_/iﾚｿ′ l／ ､ ! i´{
〈ヽ /丶、 l 'ヽ ﾙ || ./ / し ン′ ｀′ ,.イ `ｰ _,.ィ
∨ / / 〈ヽ ヽ ﾚ' ||! ｰ-' 人_ﾌ 〈ヽ .＜> / _{. r┐ ! Ｋヽ
ヽ. / ∨V ヽ, | |.| ｒ‐-､=‐-、 _/ / ∨ / //,／ L..! | ,{ ∨
.イ ヽ ヽ, ﾄ = }{i ｙ=‐'~Y__ 〉 ／ / ヽ. / {/ _r‐-､ ｰ'´
i´ | / ! `i ､, ヽ, }- ﾙﾊjﾄ'`_ンﾄ∠-r'" ｼ´/ ! .イ ._ __ ＜_ ＞､}<ヽ
,. ‐ｧ l ! ｌ l i´V `;| i∨ ￣~７ ﾝ〈___／ ｌ l i´ | /￣ /く _､￣!¬､,、 ｀′
./ / l／ | ,. ‐ｧ l Ｖ丶 | ﾘ >, （ <_／ ,_ | ,. ‐ｧ l ! ./ / ._ ￣丁_,ﾍＶヽ
ｰ-' ｒ１ ./ / l／ヾ { ソ ﾚ ﾝ ;_ﾝ'" ,r"<rn ゞﾐヽ l／ .|__ {ヽ l. l / 〉
i´{ !,l _ ｰ-' ｒ１ ゝ、ゝ = 〃ｿノ__／ / y'"J | ＼` ヽｒ１ ´ヽ｀ / l__ ! / ／
`ｰ rn, rfﾚ`ー-=-‐''~￣ ／`7 `、| ヽ-'ヽ _ .Ｖ ＼/〉
__,, i､rJllル7 rnh; l´ ´'ﾘ ,rn ／ ｒ'ﾝ＝=ﾄ､!__ V ヽ |_,! ＾
| | l._〉__ソ ヾヽ``iｊ'ｌ 〉 /､,ﾊjjj し'l mhﾚ' /f" |ﾘﾚ7,,m〉 | |､_ ,.へ
|. ! | { rfjn ,;'V _ﾝ',/ //〉r>,､__//ﾘリ ﾄ 〈 }'=‐' ｿ 〉ﾄii,_／ j__!‐┐ ､ ＼ l´l
￣l ｰ'´ .| i _,-;ゝ_ｿ {' ' 'V Ｖ /'ﾊ~ ' ﾉヽ ヽ,;ヾ ﾚ'⌒jｰ'-ﾝ Λ'ｰ'~ヽ, ／ ｌ { .｀ヽ／ Ｖ
l ;¬ ! V;;;ゞ''~￣ヽ_〉_ｊ,;| ヽ/ﾚ_>' ﾗ';;/;-‐-{〉⌒|! / / 〉"ｰ'´ `ｰ- r┐ r１
‐-' L..{ } V }ﾘ ﾚヽ ヽ彡';,､-l ･ ･ ゜ｊ､=ヾヽ ／ / ｀` _,‐'"¬ ト､r┐ L..! l_,ﾍ
Y´~j!_ ji!_,-' ヾ,ヽ,=''`ヽ,;;; ;,トー-‐'j ﾘヽ,;'_>' ,／ ‐＝ |' L..{ } ヽ、 l__,!
〈ヽ .{ `ー=''" 、､ 」､|／~`ヽ,;;;:;.〉､__,,ソ 〉‐''‐､. / 彡 | ,.へ L..._ i
r１ ∨ ヾ ``_ _ 〃ﾚ' jﾄヽ ''"7~~￣ ~＾'く リ - =' ‐ { ､ ＼ /丶、
_,ﾍ Ｖ ~^￣ ／/,├'" Ｖ／ ､、ﾝ'ｋ ＝-‐ ''j .｀ヽ／ / / 〈ヽ
l__, } / | Y 〃,;'{ﾆ二 jﾆi￣] ヽ. / ∨
９月２８日のロッテとの直接対決天王山に勝って阪急は４度目のリーグ優勝を果たす。
８０勝３９敗１１分、勝率．６７２の成績を叩き出し、紙吹雪の中西本の身体は宙を舞った。
MVPを獲得したのは主砲の長池。
r'"_〈_=‐‐ニﾍ
l〈 ＼ｆﾆi''ヽ||i r''"´ニニゞﾐ､
｀ﾞ＼ ｀f￣｀'ｷ| _,,,======,_ / ／=ﾄ､_）´ 〉）
__＼ ﾄiノ￣ヽヽ､ ,x'":::::::::::::::::::::::｀'‐x ノ／ー､ r‐｝／"´
/ ﾞ｀'ﾄ‐/￣ヾ',ﾌ`i r"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':l __r''"ノー'､ r,｝‐"￣｀ヽ
（ r''" ｀ﾞ=r'‐／／ |::::::__::::::::::::::::::::::::::::::_::::l .＼ ＼r‐､_,ヾ´￣¨ﾍ |
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｀¨ﾞ=､;_;_: : : : : : : : : ｀‐=; : : : :l: : : l; : : :ﾍ ﾍ: : : : : :／ ＼ ＼ニニ７: : : : : : : :l: : ﾉ"; :=": : : ;ノ: :: : : : : : : :/
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打率．３１７ 本塁打４０ 打点１１４と４番打者として文句のつけどころがない成績を残し、
阪急のリーグ優勝に貢献した。
詳しくは言わないけどかなり若いうちから指導者やってる
そして６８年ドラフト同期生の３人も、いずれもプロ入り３年目にして主軸選手としての役割を
見事果たしてみせた。
_ __,,../;:;:;:;:ヽ..,_ ＿,,.-/」jljj,ﾍ__ ＿_,..ｨ#,.ｒﾗ､ｰ､_
/'⌒ヾ==''／ibﾆｖﾆ:}jヾ.`===''ﾆ.ヾ; /'⌒ヽ=='ン'iiitﾞ､',,::`ﾞｼl`ヽ-ィ:'＾ヾ /r⌒ヽ=''" ｼr'::::l'ﾞ''ヾ l:::Ji`ｰ/''^ヾ,
ﾞllu(=ｨ'n´ :iii/lﾝy､'jﾍiii ゞ==-ﾝ / ヾ (=''==ll: iiiii/1l_↓水llll ｉ}ヾン:/ ヾ::(-'ﾉ=シ'ﾞiζ::::ｽ､='_jヾ!!! .,i=ﾉ::l/
/$/l''ヲii iヨ:l ヾ:ノ':,ﾉ=i ;i|ヾxn|$|| ,!l$hﾚxｦ:j /*v ::ｰ‐':::八i,/lFl-!$ll j,!$ln|_,.ョi ::i':､:､ ::::: ﾉﾚﾉ :ii≡-､
.//_ィlﾌ'ﾞｸ|=コ::ヽ-''::ｼヾjｨl' ll:､ヾｼ|l ,!l2/,ィﾉ/ｿ;;;：::lﾞｰ.,:::iｦ：*_X!N|tﾆj|| .||ｓl/ノｨlｽﾍi:ﾞ:ヽ､::::><::::ﾉ:lik､ヾ,llヾヽ
ﾘ7ll'ﾘ'',ノｨ1ﾝ彡､Hノﾐ､ヾi､ｌｌ l|lヽ}.|| .|ﾚﾘ〃ﾘン::::::＜ﾞl i>'--ﾞ;.:::::ヽ | |ﾊl:､ ,!l$}ｨ7lﾘﾚ'ﾉ,.ii '' ｏ.l::}T{::j iiilヽ ヾuヾヽ
.ﾘ/'ﾚﾝ/:ll:llnll,l>=-'､ｼm:ｂl:llヽヽﾞil|l:lll| |)/uｼ７:'::l:::o::::::`V'"::}h*bl:::::l lﾞ-.,jvl .||ｼﾉjjﾝ'／:/'' ８.l十ﾚ lヽ::＼､`ljＪ
ﾝﾀ'ノ"/lﾚ!!b彡三_ ヽ､ﾘl」!llll＼.ヽjj'' |l!ﾌ//'::::;ゝ::::::::::::::::::::::`n::::l::::::!| l.l|ｌ｜ |ｌ}ジ'／::/ll|ミ=-､ .ｏｙ'__,.. ノ彳ll＼:::`ｰﾆi
. /ｲ/〃'"ン">ﾆｨ介､》>/ヾ､ﾞヽ､ll:llヽ)|| |'/ﾊ'ﾘ::ζﾗヽ-‐::':::´::::d):ヽl:::::::|ﾞリﾍ. l .|.v:':::::::ｲlllll| ` ー-(ｏ,._,. '´ j|l'lll:lllllヽ:::::::ヽ
:''ﾌ-'"=''",ャ7ll-ll7Ilﾆy'i|l`ｶ=､ﾐ=､ミ=_ll| ,.-ﾆ＝''ー---:::;;;;;;;;;;--:'":::::;;ヾ-':」lulL_ll_.| .l':::::::::ヾ...,lll|_ ミニ{.８_,..-'_,ヨ-:'::´:::::::::::;:-
三三≡≡≡≡≡≡､圭=ﾐ=-yｨL二.:ll| ./(:^:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣::::￣::::::::::::ﾞ::::::`＾^:＾:Ｙ￣｀ll::::::::::::｀:7-ﾐｷｏニ-'＾ヽ:::_;:-ｒｒ7:´:::::l
三三三三三三三三三≡≡=_Ｐl__ Ⅳ| .!l'ヽ::;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｨ'':⌒ヽ::{::::::<シ''"`ﾞ-ﾆr=-7､ ｀.く','', ／ﾝヽll;,シ''"´
三三三三三三三三シｲ:ﾘ|::lll:}ﾘ〃ll 'll | j「l.ヽ,､´:::￣:::::::::￣::::::::::::ー::::'''/::::::::::::: l/ｼl:::::| ヾ,:: ヾヽ'llヽﾞｉｌ|,:ll','llﾞ／／ ,ｨl"
ﾄﾞミﾐ-:ヽﾐ､:ﾐ:､ヾlﾚ'／'7ll:.lﾘ:.ll!:l|ﾘヾ' }lii|.| .l|/ |l ｿ〃､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(l:::::::::::::::/ll|:ﾉ::::!､、 .|ﾘ: ミ:ヽ::}:!jj':`'／: lllｷ|
| ll`ヾミ`,:;;:ヾ;;ヾl;､／ｺll:.ｌｌl:ｌll:.lj:ｌ |ll'V j| .l .l| |/l-ヶ'^‐ｒｒ‐---ｎ-〜n--j.:::::::::::::::l: .ﾄ::;;:ﾉ､:llｌ |ｼ::nllllシﾐ_llｴ彡､i--〜nﾞヽ､l
| lll |: l lｌ .|ll|l ll |l||lﾘl:.lll:.lll:lll|ll lllPｰ1＾Ⅳ`lｖ,!｜| llｌl ll || .|lll| |lllll|::::::::::::::jl `P|ヽ ||::ｌ .llll| l ll| |ll |lｌ |ll|| .|l ||
| |ll｜ l ll |l|| ll || vl!:lll:.lll:ll'|::| .lｌ|:.:.:.| 6v ,! .| ｜| ,ll l || || | lli lllll:::::::::::::::lll .|::|:l,,j:l|::... |llｌ l ll | .|ll ll ll| ll .|| |l
| lll | l lｌ |l l l| |:ljlj:.ill:.ll:lll|:::| .lll|─ll-〜」6l | | jlｌ | .ll |.| l llll lll:::::::::::::jlll| ﾄlｉ j..|::... |lｌ l ll | lｌ lll ﾘ| |l .|ll l|
| llｌ ｜'ﾘ ｌl .ｌ| vj:.lll:.lllｲl ll | :ll|.. ..|| .l| l |｜ ﾘ ,! ll |.| .|llllll:l:::::::::::::i ll| | lｌ .l |::.. ヽ.|lll lll ll lｌ lll l|ｌ |l lllill
打率 ．２７７ 打率 ．３２１ ２２勝６敗
本塁打 １０ 本塁打 ２５ 防御率２．３７
打点 ４５ 打点 ９２ 投球回 ２７０
盗塁 ６７
福本は２年連続の盗塁王、山田は自身初のタイトルとなる最優秀防御率を獲得し、
チームの優勝に華を添えたのである。
上田の登場はテンション上がるな
それに比べると野村率いる南海は、この年特筆すべきことがないシーズンに終わった。
_,. ---- _
＞:':´: : : : : : : : : : : : : : : ｀ : .,
. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､
／: ＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,ｲ:／ ∨:.,＞─ ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
/: / ＼ i:, ' V: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧
/: _{● ヽ i'__,. . -‐ ' ’´ ,: : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ 参ったな
7ｲ´ﾍ,..-- ､.ノ! ● i `ヽ､ : : : : : : : : : : : : : : : i
7 {:::::::::::::i八 ﾉ ヽ : : : : : : : : : : : : : i 阪急の強さは
ー‐┼‐ 乂:;::::ソ ヽ､ ＿_ イ V : : : : : : : : : : : :| 飛び抜けてるものがあるよ
_j_,. | ＿＿＿ U ∨ : : : : : : : : : : i
'´￣｜ | ￣｀` i: : : : : : : : : : : ,
ハ,.ｨ i ─z＿ i: : : : : : : : : : 7
／ . l ､ `ヽ 7: : : : : : : : : :/
ﾍ _>‐- ､_ ｀`ヽ､ /: : : : : : : : :, '
ヽ ` ヽ､_ ` :': : : : : : : ; イ
t:､__ ／: : :_;::＞::'７
,.ィ´ｰz_:::::::≧z:::-........................イ::≦:::::::::::＞'´ヽ
, ': : : : : : : ＞:y-z＿＿＿:::::γ' ⌒ヽ-＜ ヽ: : ﾍ
/: : : : : : : : :, ｲ {======} ∨: ﾑ
/: : : : : : : : :/ 弋__j:}_ノ ',: :ハ
最終成績は６１勝６５敗４分、７月に６連勝を飾るなどして近鉄バファローズと３位争いを繰り広げたが、
結局最後は力負けしてBクラスの４位に終わる。
また、野村自身の成績も思うように伸びずに終わった。
_,ノ‐''''''^^^¨¨¨⌒￣⌒^^''¬-､,_
._v-''¨｀ .,,vｰ─-､ .,,vｰ─-､ .¨'ｰu_
_ノ'″ ./′ ¨┐ .／ ﾞ┐ .ﾞ'┐
,／′ ./￣''''-¬,,,,__.ﾐ .i |,,,,＿＿_ ..） ﾞ＼
,/′ λ | （ ･ )| ｝ .¨'ｰu,, | ＼ そりゃあ僕ももう３６だけどさ
./′ 八,､-ﾐ.ノ‐''''''^^￣./¨ﾚ .人,_ ミ
.,ﾉ′ ._ノＵ' ＼_ ._,rlﾄ冖へy _／ ¨'‐u .ﾞlr そんなの、言い訳にしかならないじゃないか
.,i′ ／ｰ-v､.,,_ ¨^^¨´〔 〕.¨^^¨′ __.,､ ﾞ＼. ｛
〕 ./′ .⌒''''' ＼,,,,,,ノ′ v-ｰ'''¨ .λ ﾞ┐ ｝
| ﾉ .λ───ｰ ｝ __,,.,､v;（_）ｰ'' ｛..］
| :| | | .! ｀ .｝｝
｝ .| .Ｕ-:;:冖^￣ .| ¨¨¨¨¨￣¨¨′ ﾐ｝
.| .｝ _,,,,,ｖｖl''''¨¨|^^⌒|¨¨''''lｖｖ,_ ｝
). . 〕 ,,､-v~| .| | | |''Ｔ＾i-,,_ /
.｛ ). ., r'z::''''~ﾞ(~~￣￣￣￣￣￣~~~`^^^^''''¬;;;＿ ﾉ
ﾐ. `i, , `'' /
ﾞ). `i, .,ﾉ
＼ }, ′ . ／
. ＼ ＼ . ,／
（¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ﾞソ冖干ｱ^^^^^^^^^^^^^ｒ'′ ７１年成績
／~~~~~~~~i¬冖'''''7′ ∨¬ｰｰz─-―「＼ 打率．２８１ 本塁打２９ 打点８３
/ _ﾉ 厂¨丁¨¨ﾌ .ﾐ､ ﾞ＼
中には賞賛する周囲の人間もいたが、その言葉には「年齢の割りに」という
言葉が頭について回った。
それが野村には慰められているように思えて、到底満足はできなかった。
ただし、大きな収穫もあった。
３番に置いた門田の活躍である。
-‐ ¨¨￣￣￣¨¨ =- i!
＼ ﾆ=- |{
｀ ＜ ﾆ=- ﾄ | .
-=ﾆ ﾆ=- ﾏ 、 | i /
-=ﾆ ﾏ ＼|八 / 〉⌒ヽ 〃
-=ﾆ ﾏ ! V / ./ ／ .′
-=ﾆ }ハ / .{ ﾆ=/ヽ ／ /
-=ﾆ / { / ハ⌒ヽ ﾆ=- __ ｲ / -‐ ¨¨
ヽ人_从人__从_从人 {=ﾐ ∨ ./ { （ ¨¨ -=ﾆﾆ=- , ､／/ :/ ´
＜ ＞ ｰ’〈 / ヽ } ／ / { / ／/
＜ 推して参る！！ ＞ i}イ Ⅵ ／ / Oj彡〃
＜ ＞ 八___彡イ ヽ} ﾄ 〔¨¨´ .′_ノ /／
Y⌒YW⌒Y⌒WWY r'{‐〃〈 〈 〈__j ＼ ハ -‐=ミ ､{ ､ / ト
,,､ -''／ ｀ヽ{{ }r ,} /´ >{ { .r ヽ } }ーく⌒ー} } ﾊ
イ ／,r ''了 ／ 了 ＼ 、 ゝ彡ﾍ芯乏ﾌ¨¨´ .人弋 ゝイ ノ ﾘ￣¨¨¨`ヽ＼ }
/ /,/ /／ ,／ ﾏ＼ ゝ ⌒ー―‐r,⌒ヽ｀¨¨´ ノ¨¨Τ¨¨¨¨ﾌ厂}
/ /:/ // _/ ﾏ. ＼ { ィ⌒≧=- ､ }／`ー==彡 乂zz彡〈 ﾘ
ｲ / / __/: l／ ﾏ ヽ 辷≧=- )彡'r ､ `rｰ彡ﾍ
|. / /／＿_, ／ﾞ '' ､ }⌒ ﾊr ､ｰ=ﾐY¨Y＾Y ノ ﾉ ｀ヽ ｰ{ ゝ }ヽ
| レ '''" / ／＿ ／ ,､-'"/ﾉ辷¬彡 〉＞ヽ＿ノ⌒ヽ `ーz ｰ=彳ｲ.ﾄ､〉
| ,､-ｰｰ' ｀',,､- ''" ,,,/) } / / }辷}. イ ー- ミ .〉{ ＼ }八}
| r' ／ ／{/ ﾉ{ / ﾊ ‘. V＾ー- ミ 〉＼ ＼
| | ／ __／ ／ ＿／} V / ‘. { V＾ー- ミ .〉 ＼ ヽ
| | ∠ ／／ } （ ／ {/ ‘. {‘. V ‘， ヽ〉 ＼‘.
/ | | ／==ミ 、 :| / ／ ‘._j ヽ} ‘， ‘， ヽ〉
| ／ | / ｀ヽ } ! /〃 ‘， ‘， ‘.
|／ |/
１年目は打率．２５０、本塁打は１０本にも満たない、打点は３０を超える程度だった選手は
３番に据えられたことで３割、３０本、９０打点という途方もなく高い目標を設定したのだが‥‥‥
生半可なことを許さない門田の気質は、想像以上の力を発揮させた。
. // / :/! ! i| l! :! ヽ .:＼ヽ ＼ ＼ ヽ
// / :/｜｜ |i lﾄ、 :|. ＼ .:＼＼ ヽ .:＼.:＼
. /'′ ! :/ l ｌ |i lヽ＼ ', ヽ ＼、 .:＼＼ ＼ .:＼.:ヽ
| :/ l l :|i lノ＼ヽ :ヽ ＼ヽ ＼ゝ､ ..:＼＼ ヽ ヽ ｀＼
|/ l l |!! l⌒ヽ＼＼. :＼ ＼＼＼ ＼メ ∨:＼ ∨＞
′ l l :|ﾊ l｀￣{心､ｰ＼ :＼ ＼＼ｨｭ、ヾ ＼ ヽヾ/＼:j 我が使命、
／ゞ ! |八 ヽ `ｰ─へ＞ヽ :＼ ＼ゞｰヽ ヽ 乂. ∨⌒ヽ＼
／_＿ヽﾘj|ﾊ ヽ:＼ ＼ ヽ､:＼ ＼ ＼∨ ヽj⌒ヽ 今こそ果たしました‥‥！
／ﾍリﾊ ｀＼ :| ｀＼ ﾊﾉノ⌒ヽ
／´⌒＞lﾍ :| ヽ /ノ
￣￣｀ヽ､,､-''"´:::::::ﾚﾍ ＾−ｰ＾ /:::::｀゛''-､,､,r'´￣￣
:::::∠´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ∧二ニ二∧ /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ {ﾚ/´ ￣ ｀ヽj} ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ ∨i ｌ∨ ∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ヽニニニ/ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
⌒ヽ::::::::::::::::／´￣￣￣「二二ゝ_＼__ ｰ __／_<二二」￣￣￣｀＼:::::::::::::::, '⌒
::::::::::ヽ:::::::ノ:::::::::::::::::::::::::| | に二ヽ､_＿＿_ノ二ニ) | |::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ノ
この年、打率．３００ 本塁打３１ 打点１２０の成績を残し、見事に掲げていた目標を全てクリア。
それだけでなく、２年目にして打点王のタイトルを獲得するなど、野村の期待に
完璧に応えきってみせたのである。
巨人阿部と変わらんと言うかキャッチャーでフルで出てる分こっちのが凄いか
ただしタイトルを獲得したことに関しては、周りの人間に言われて初めて気付いたほどで、
タイトルホルダーとなった実感はまるでなかった。
__＿＿ __＿＿
／／／:／≦￣ 二 __
「/ /／:／´￣￣_＿＿ ￣｀＼
ｒ―＜⌒ヾ V / ／￣ ｀ヽ:.. .:＼
r―ゝ ＼ ノ ⌒ <´￣｀＼.:. ＼:.. .:＼
∨ :.､ ＼ ＼ ＼ヽ :＼:.. .:＼
〉 :.､ ＼ ＼ ＼＼ :＼:.. .:＼
/∧ :.､ .:.、＼＼ ＼、 ＼＼ヽ :ヾ ＼ ヽ
i/:/:〉 ヽ:ﾍ＼ .:ヽ :＼＼ィへ＼＼ ＼ヾ｀ : ､ .:ﾍ ｀ヽ 俺はただ、富田さんの成績を
|/ / ﾍ Vへ＼＼ ､__∠ヾイ__｀ヽ＼＼ヽヾ＼ :＼ :＼!
′|: .:|!＼ 代ﾒヾ7 ＼ ﾍ之 イ ＼!:Y⌒ヾ＼ヽ :＼ ﾍ 越えようとしていただけだ
＼!ヾiヽ＼／＼ ｀ヽ＼ 〈 :ｌと、Yヾ､、 :.ヽヽﾍ
从, く ｊ ,いｿ八: : :＼＼＼ヽ
', ヾ " ,ﾍ_ノ ノ: : : . . . :ヾ!｀ヽヽ
ﾐ、 -―― - Ⅵ/´ |: :. 彡⌒ミヾ＼
ヾ __,,,, ｲ/: |: : : ＞―＜⌒ヽ
', ／ // | ／ ヽ
' 、 _ .イ / |′
r‐―――‐≧＝≦才、＿＿＿__,,r┴───‐ｭ
Ｖ＿＿＿「￣￣￣￣:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:::::::::::::::::」￣〔
}、ｒ:､_＿:j_ :::::| [￣￣|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|￣￣]::|:FニﾆY
,.ｲ:::::|:.:|:.:.:. |!| ::::| :.:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:. | 〕 ::::: j
_ . .イi:〈ﾍｰ!:_|ー‐Ｕ、::| [￣￣|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|￣￣] 〔::ｲ￣}丁:＞ｰ...､
___＿r＜´:i:i:i:i:i:i:i:i:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:::| ___ |､:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:| j::: ! Ⅵ/i:i:i:i:ヽ ＼、__
i:i:i:i:i:i| |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼:.:.:.:.:.:.:.:..V／ > !i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｝ ﾍ⌒ ＜:. ／:/i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ＼ ＼i:i:i＞.
:i:i:i:i:i:| |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｀:＜:.: ／ . ＜: : :＼::::::::::::::,' ／:.ゝ.､ ｡):,／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:＼ ＼i:i:i
i:i:i:i:i ｌ l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i｀:ﾟ＜:＞ ． ｀ ＜ヽ:::::::::i/::::／.: : :.／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:＼ ＼
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.i:' /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ｀ヾ＼∨ /:.:.:イi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:
タイトルよりも、書き込んだ白い丸を全て黒く塗り潰し、更に丸を書き加えた一枚の模造紙を
眺めていた方が、喜びもひとしおであったという。
何にせよ、この年の門田がプロの世界で文句のつけようのない
成績を残したのは確かだ。
＿＿＿＿＿
／.− ､ −､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼ クラレに帰らずに済んで、良かったな
/／ `−● − ′ ＼ ヽ
| 三 | 三 ヽ ヽ
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | |
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
＼ / ＼ ／
/ / ／ィ"´, - =-- ､
l i ｲ/ /_／__ -―――｀-､
| ゝl"-´―- ､ _｀ ヽ､ ―-､`_
／ヽ､､´ ‐ -- _ ` ｰ _`二ﾆ ヽ､
/／'´', ｀ヽ､ ｀ ヽ､-､_｀ヽ､ｰ-､=-
' / '! lヽ､ ､ ｀ヽ､ ヽ､｀ヾ､`- ､ﾆ- 感謝する！
{' l | ',ヽ､＼ ､. ,＼=- ゝ_ 二ﾆ=-､
ヽ!､ ヽ`tｫ､,ヽ´ｨｫｧ､ヽヽヾ､}ﾆ=-
ﾚ'ヽゝ¨/ヾ､. ¨ ヾ､ ヾ,_/´Tヽ｀_
ゝ ｀, == ､ ﾐﾉ |､/:/:::}､ ｀ ｰ-
_, - '"´||:ヽ ∨__ノ ／ ／_/:/:::::::::l;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
_, -‐'´;;;;;;;;;;;;;;;l｀ｰ,ヽ_ __ イ ／-‐l／:::::::::::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ:::E=',ｰ-‐'|==, l::l:::::::::::／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼=:ヽ:::::/==, l::l::::::／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼::',/ﾆ='-':::::／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
そして結果を出してみせたことで、門田の持ち前の頑固さ、偏屈さ、意固地さが
加速していくのも確かなのであった―――――
＿＿＿_
／_ノ ' ヽ_＼
／（≡） （≡）＼ 西本監督最高だお！ 阪急ブレーブス最高だお！
／ /// （__人__） ///＼
| |r┬-| | 次回からこのスレは「やる夫と学ぶ阪急ブレーブス」と
＼ ｀ ー'´ ／ タイトルを変更してお送りするお！
, -‐……‐―- . .、
. ｒ'ｒ'ｒ' ｀ヽ
__}川 ｀ヽ
//,r‐'' ヘ＼＼＼￣￣ミ=-､ ヽ
. l'i ! | ＼＼ ヽ ミ=-､ ヽ
从 ﾄｰ‐ｘ | r―‐‐ ､ ミ=-､ ヽ 勝手にタイトルを変えるな
ハ〈 竺｡ｧゝ Y竺｡テ } ﾐ
〈､ ,ｨ ､ ＿ ｊ ﾐ
l j u ミ'⌒Y ｀ヽ
| {､＿_,..へ、 ミ ﾉ ノ ハ
,'| /,こ二、 ヽ Y ',
从 ー‐ 厶イﾉ八八八{｀ヽ
（ ｊ` ｒ‐----一' ／/ ｀ヾー‐-- ､
＿／}/ｊ ゝ ／ / /
／⌒ ⌒＼
／⌒ ／／･＼ ／⌒ ⌒＼
／／･／::::::⌒（／／･＼ ／･＼＼
／::::::⌒ | ／::::::⌒（__人／⌒ ⌒＼
| ＼ | ﾄ／／･＼ ／･＼＼
＼ ／ ＼ ／::::::⌒／⌒ ⌒＼
/ | ／ | ／／･＼. ／･＼＼ おや？ そこにいるのはBクラスチームの
| | | ＼／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 応援をしてらっしゃるやらない夫さんじゃないですか！
| ﾄｪｪｪｲ |
＼ `ー'´ ／ いやー今回は残念でしたね（笑）
／⌒ ￣── ￣＼
／／ ノ> >
／￣￣＼
ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
/⌒` （ ◯）（Ｏ): ぐぬぬ‥‥！
.:| j（ （__人__）
:| ＾ ､｀ ⌒´ﾉ:
| u; ﾞ⌒}:
ヽ ﾟ " }:
ヽ :j ノ:
／⌒ ヽ
:: ／￣￣ヽ :: ＼
:: （｢ ｀rﾉ :: ＼
:: ヽ ノ :: ＼
| | r ｢＼ ＼
| | | ﾉ ＼ ＼＿＿
ヽ＿ノ / ＼_, ｀ヽ
/ | (＿つ￣と_ノ)
| |
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ ねえねえ、今どんな気持ち？
♪ ／／･＼ .／･＼＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ノムさん負けちゃってどんな気持ち？
| ﾄｪｪｪｲ |
＿＿＿＼ `ー'´ ／ ； ／￣￣￣＼；
ヽ＿＿＿ ヽノ､｀＼ ；／ :::::::::.ヽ；
/ ／ヽ < ；/ :::::::::::::::::::: 〉；
/ ／ ￣ ；| ::::::::::::::::::/； ぐっ‥‥！
/ ／ ♪ ；| ::::::::::::::::::::l；
（＿ ⌒丶... ；| ::::::::::::::::::/；
| /ヽ }. ；＼__ :::::::::く；
し ））. . ； ,ｲ :::::::::ヽ；
ｿ ﾄﾝﾄﾝ ；/ ｀ :::::::::::}；
,；' :::j .:::::::::/；
；,−´ :::ﾉ .:::::::::{；
；(,. - ―.i_ ::::::::::i；
；/ ::::::::::: }；
. l,. ----ゝ.ー―一´ー--.._
_ ＿｣. ｀l￣￣￣￣￣￣￣!
{._ | | 厂￣￣ｌ￣￣| |
. ｀¨ﾞl__＿＿｣__j ∟..___|__j
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人
＜ ＞
＜ うおらっしゃあああああああああああ！！ ＞
＜ ＞
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
＿
＿＿ -―‐- ､ ヽ ヽ -=≡三 / ,／
/￣/ ＼￣＼| | | ／ _ノ ヽ ヽ￣￣ ￣￣￣ヽ -=≡三 三 三 -=:/| .／/
/ / ＼ ＼￣ /八 (●);ゞ. ､| ￣￣￣ヽ ヽ￣￣￣ -=≡三 三 三 三 -=三 : / .!_／ /
/ / ＼ ＼ / ⌒（⌒｀ ﾞ':(●ﾉ ヽ￣￣ ￣￣￣ヽ -=≡三 三 - 三≡三¬￣＼ ´⌒ヽ て＿＿
/ / ＼ ＼〃⌒＼ﾆヽ__）／ ￣￣￣ヽ ヽ￣￣ =≡ __ 三 三=≡三¬￣ iii（○) ヽ } （￣￣￣
|＿/ |_＿／ ｝_ ノ ￣￣ 三.:' -=≡三 ;:ヽ. （__人_） ⌒:::| _,ノ ＼
／ ﾉ ヽ ＿ ／-=≡ | 三 -=三三ﾆ { ＃ ） （ （ / ´＼ ∧`￣
／ ／ l （ ､ヽ)〉 -=≡ 三 -=≡| . { ＼｀'''´ ⌒｀ ／∵i,i'｀';.＼! ヽ ．＋∵
/ ／ ト､ ﾚｸ / _ '´ 三= : | ‘ー-ィ⌒ ＜ + * ､ ；,;'， '´｀';・
/ / │ ヽ／ / '´ -= ＼ ＼ ;'´ ｀';
/ / ヽ､ 〃, '´ _＞'´ ｀ ー―７ ,ｒ }
/ , / : ゞ`ｰ≠／ '´ ／ , ー―‐-イ /
r ､ / /ヽ ￣￣ '´ ／ { ／
＼ヽ‐'´ / ヽ : '´ ノ `ー――‐＜´
(ﾆﾆﾆ´ _,.／ ヽ x '´ / ／⌒ヽ ＼
＿／ - .／ ヽ ／_ / ／ ＼ ﾍ
└‐と´／ > ／ : （ く } |
‘‐'´ / / ＼ ＼ | !
/ / ＼ ＼ | }
/ / ノ 丿 / /
/ / く ／ / i
/ / ` ―‐ ´ 廴＿__,ノ
/ /
喜んでただけなのに、思いっきり蹴られたお
, -─‐──‐-､
／ ﾟ ＼ あんまりだお‥‥
／ ; ゜ ° ＼
l U ; l⌒ '"⌒ ヽ、
| u. ; |ｰ ＼
. ! u. _ノ′ヽ､__ ∪ ,; ＼ ,rｰ､
ゝ｡(（-‐） （ｰ-）)::｡ i'′⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ ヽ
（ ヽ'"（__人___）"'__ ,ノ ヽ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ ﾊﾞﾀｯ
＿＿
／ . ＼ 思いっきり煽ってきておいて
／._ノ三ﾆヽ、＼
| （⑪）（⑪） .｜ 何言ってんだお前は
. | （__人__）.. |「ｒｰ＿＿ヽヽ
| ｀ ⌒ | .＼ ＼┌ｰｚ＿_ ┐７
. ヽ , ィ==‐､/ /￣￣乙/ ／
ヽ ﾉ⌒) ∨/ ／￣￣／|
/ (_￣__／￣`く.＿ __∠ -┘｣
| /〃 ＼ '" ＼ -┘
| ./¨＼ ＼,_ ｀`ヾ}
. 人''" ＼ ､__ ｀ ､_/ ﾉﾉ
〈 " ＼ __.ヽ ヾ､._,)'´
／,ﾊ. ヽ. ､__｀ン{ 〃
く / ∧ !､_ ｀'_,／
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ツ
::::::::::_,,彡三三::::}￣从从ﾉ｀ヽ
:::::彡三三三三::ヽ |
彡三三三彡三::/ 彡三ﾐ.､ |
彡三彡''"´::::::::::l ＿＿｀ヾゝl まあ、今のはやる夫が悪い
彡":::::::::::::::::::::::::| ヽ-┴' {
::::::::::::r―.､::::::::::| ヽ-‐' ヽ 気持ちは分かるが、
::::::::::::l }jヽ::::|.u ,. ヽ もう少し控えめにな
::::::::::::ヽ ヽ |::::| ,.-‐' ゝ┬‐'
:::::::::::::::::〉--' 彡 / ,.-=ニ
:::::::::::::::::', l l |
:::::::::,､::､ヽ､ヽ. l
:::lヽ:| ヽl｀"''｀ ‐-,-..,,__ノ
:::ゝ ノ
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） しかし、今回は残念でした
.| u （__人__）
/ ｀ ⌒´ﾉ 門田選手は頑張ってくれたんですが
／ ヽ ⊂二二￣＼
／ ＼ ⊂、' ヽ
/ ＼＿, ｀7 /
/ へ ＼ !/ /
| ＼ Υ /
| ＼ /＼
| / ＼＿_／.,,_r ヽ、
∟_-ﾆ 二l __∠ /／ 〃 ::::::::::::Yﾊヾヽ
/＝二三l∠三三ミヽ /ﾊ ::::::::::::::|| lNﾊｊ
Ｌ ﾆ三/ ､＿_｀ヾミﾐ∨ {ヽ ｌ::::::::;;､｣ﾊj ﾘ
/ﾐミミｌ ヽ､__辷ｒヾミゝ ｀リ:ｒ彡三ﾐ//
/ﾐﾐlミミ| ＼ ￣´ﾉ::'⌒ヾ:ニｔﾃ‐y′ 野村もいるとはいえ、
＞ﾘミミl `ー‐'´ ﾄ､:￣〈 南海は層が薄いからな
/（´jミミ| __ __ |::::Y´/
⌒ﾚ＾ヽ∧ ｀lﾐミl ,r─−く:::（ ｀ Ｙ ｌ １人、２人増えたくらいでは、
〃/l/ｌ ｌ/l｢Ｔ^ー' // ,仁二¬ーﾆ‐-_イ |、 阪急には勝てなかったということだ
//l / l l l !::::. / ｛⌒ヽ ￣`¬─--7 ﾄﾊ
l/l/ｌ j j l/|::::::. ヽ二ﾆニ−ｰ---ﾉ 川l|
/ｊ l/l ﾊ l/l:::::::. こ二￣ ,lリﾘ
＿＿＿_ ﾑｸｯ
／ ＼
／_ノ ヽ､_ ＼ まーそれもあるけど、
／（●）三（●）) .＼
| （__人__） | 今の南海はノムさんが監督やる限り、
＼ ヽ|r┬-| / ／ とても一枚岩で野球やれそうもないお
／ ｀ー'´ ＼
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） それを言うなよ
. | u （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
.ｌ^l^lｎ }
. ヽ L }
ゝ ﾉ ノ
／ / ＼
／ / ＼
. / / |ヽ、二⌒)､
ヽ＿＿ﾉ
, ィ〃〃〃〃〃〃,,）））
,r≦三〃〃〃〃〃〃,）））ゝ､
/彡三〃彡彡//////-'''''' Yミ､
.{ｲﾒ彡///ノ /ｲ 〃リ.ヽ _ _ ﾐヾ
.彡三三ﾆ{ ￣｀ _ {´ ,,,,ゝ
,彡彡三ﾆ;} ∠三二ヽ｀ヽ}∠≦ﾉ 今回は説明を省いたが、
彡ﾒ彡三{ fﾆﾋﾉj''' ､fﾆﾋﾉヽ
,彡ｿf-三ﾆ{ ‐-‐' _ ヽ､ｰ' { 反野村一派も健在だからな
彡ﾆl 三{{ _,t ＿____ )、 ｌ
/l/l,ﾊ ` 三} .／ ＿ ヽl
!l/l/l/l｀t-イ ｀￣ - ｀ j
ヾj/T(＼ ､ __ ,イ＼＿＿＿＿
__ノ:;:;:;:ヽ＼＼ ￣￣￣ﾉ i!lヽ:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:￣
＿＿
／ノ ヽ＼
／.（○）（○）＼ 監督になってからのノムさんは、
|. u. （__人__） | 孤立していってる感が半端ないだろ
. | |
| | 同じ立場の人間がいないって感じだろ
. ヽ ﾉ
ヽ /
/ ヽ
| |
| . |
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ ていうか、兼任監督で実際立場が違うんだから
／ （●） （●） ＼ しょうがない部分もあると思うお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 指揮官は孤独な職業とはよく言ったもんだお
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
＿＿＿_
／ ＼
／ ＿ノ ヽ__＼
／ （―） （―） ＼ まあ、プライベートな方では
| u （__人__） | ・ ・ ・
./ ∩ノ ⊃ ／ あの人がいますけどね
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
. ＿＿
.／::::::. ＼
/::::::ヽ;;: ＼ ・ ・ ・
. （:::::（::::冫 | ああ、あの人ね
. （:人;;;） . u |
r‐-;::::::. . |
（三））:::::.. . |
>::::ﾉ:::::::::. /
/::: / ヽ;::::::::: /
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
（;;;;__ゝ:;;:::::＼／:::::）
. |＼::::::::::::;;:1
. |:::::＼;;／:::|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,.ヘ､＿＿＿ ＿_
,心､_| ハ ＼ﾐ＼ ＼ﾍ癶､
／ノ ﾉ rﾐl:l:lﾊ ヽ ｀ヽ ＼ｰ'＼
〈 / |ジ´,,´´} /Nヽ ト,ｌ＼ V Yﾍ
ﾉ 〈l lﾊ ゞｊノー--H/､| } lﾊ ＼〉 ・ ・ ・
／/ / Nゝ!'＾｀ヽ ~''´_,z≧､_N | l ∧ ヽ ←次回からまた登場予定のあの人
/ l {イ弓彡､ﾐ_ｊ ､_´¬‐’='＾ｊ/ l ﾊｊ)ハ
| l ! ﾄﾄ!〃_(・'`/ ﾟ // /ｲ 〉 |
＼l,! ﾍ|Z簠彡7ヽ r､ !ｲ/ /ﾄ! } | ∫⌒
ヽ､|ﾐ彡彡{ ス//|rノ |
|lﾏ三彡7∠_ 二`ﾆー' ｊ/´| ! | （(
| l∨辷/ | | ! | （ ⌒ )
| ll ＼払 ´ ﾐ /| | ! l (~ ノ
／} | |l l＼} ／ｹl | | ノ
ヾ 彡＼ ／ｰ'/ ! li | ｌ |＼ | | lヽ∫
／｀ヾ ／ ／ ノ| l | llﾊ ::::＼ ＿ ィ _ｨ| |l r_i~＼
／ ／ ／ ＼─‐-､_/ム| l l／ﾊ ヾ壬/ ｀ヾ| l|ﾊノ人､ヽ_三⌒ヽ
| _／ ／‐ヾ､ノﾘ＼::::::::::::::::| ｌ |三∧ _ _ __,|z ﾆ1'＼ﾍ＼ _｀ヽ_ﾐリ
ヽ ー'´ー=ハヾ､ジ ＝=二_ァこ- |-¬'}＾´￣ｰ´ ￣ │! lﾍ:::::::`ー--..､ﾙ(_rﾍ
l _／ 〉:::::::::::::::::::::::/ ﾉ | / ﾉ ', ､､＼::::::::::::::::::::｀丶､
|l .ィ:::::::::::::::::::::::/ ﾊ/ l ─--､ く_.. --─∧ゞ ﾆ _＼__:::::::::::::::::::::
/::＼ ´ ヽ:::::::::::::::::/{ ! _ノ|ゝﾍ `~ z‐､/::::::＼ _ ヽ ム:::::::::::::::::
/:::::::::∧ }::::::::::::〈 ﾉヽソ （::::||彡〈 〈ミ/::::::::::::::::::ｿ フ ﾉ::::::::::::::::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/ / ／::::::::_::::::::::::-::::::::::::_:::::::ﾐｘ
l l / /::::::::::::::::-:::::::::::::::_::::::::::::::::::::ミｘ
_Ⅵ /:::::::::_:::::::::::::::::::::=-:::::::::::::::::::::::::::㍉
ィﾆミｘ {:彡､::::::::::三-::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ:::::`
/イ ;::/^㍉/ ‘.::::::::::ミ≧=---=-＝＿:::::::::::::::::
{:::.Ⅳ ‘.lヾ:::} =- ―＿
',.:Ⅳ '.} =-
` ﾘ ` 、 , ´ _=-
/,ミｘ ｘ≦ｘ ≧=-＿
‘."'＜ミｘ｛ / ｘ≦三≧=ミ、 }:::::::::::二-＿ ましてや自分に反発する人間達が
〉‐ｔr‐-` ≦=-ｔﾃ―― =:::::::::::::::::::::::ﾐ 内在している組織なら尚更だ
,' ー / ､ ー――' ミ::≧''"￣ヽ::::
‘､ ー / ＼ ,， ミミ l::`: それが、野村の立場の苦しさを
｝ / ￣ =- / l:::､ 表しているとも言える
| r' 、 ￣ / } ./::::::
.| ､＿＿ )` .._ ､＿ イ｝::::::
| r―- 二＿ ヽ l::::､:
| ￣`ー┴┴' } /::/::::
/l /イ::::l::
.{人 /::::}::
｝:::＞ ..＿＿＿＿ /::::::/:
―――- ＿r―='"{/ / /ﾊ ､_ , ㍉_ｘ≦／;::
／ / / l l .} , ／ /⌒ｱ
￣ / .' l ! , ／ /
/ , l l , ／ /
/ , l l , ／ /
{∨///////| |////////////////////////|
∨///////∧ ∨//////////////////////l|
'⌒>//////⌒ヾ､ ∨///////////'´ヾ｀¨ﾞﾞヾ///l|
/／//'´ / ｀ヽ､{∠'ｌ//////∧ ', ｀¨ヾ}
/ // / ￣｀ヽ､ i |∧∨{ヾ｀ヾ;､ ﾉ＿＿__ {
ｌ/| / ,､_ ｀ー+-┤ ';ｌ{ ヾ>ｨヶｭ､∨///∧ヽ_ｌ
ｌ ',／', f圭王℡､_,.ｌ | /,､_,ィｴ系㌢´~ ∨//////∧
∨ヾ〉､｀三＝ヾﾆ' i_, 〈ﾐ圭㌢--─ |/´ヾ////入 そしてこの年のオフにも、
}/´ / ヽ.｀￣ン ,｢ ｌ ヽ｀￣￣´, |ｌ ｆ｀ ∨///∧
/∧.〈 ｀ｰ'´ .| | ｀ー-‐'´ .ﾘﾉ //////∧ 野村はまた一つ別れを
///∧∧ ,ｲ' 丶 ﾄ､ | ﾚ' ////////∧ 経験することとなるのだ
////////l /´ ヽ､__,r‐'´ ｀ヽ、 ﾄ､ノ////////}ヾ〉
ﾚ'ｌ/////∧ ｌ | ,r========ｭ､_ | ｌ | |//////////}
{//////∧ { | ｀ー -- ─ ' ´ .｜ } /人//////////}
{///////ﾊ ｌ ‐--‐ ｌ // /ヾ////////ﾉ
＿,,,>'´￣~ﾞ７介､ ,r‐'/ / |￣￣￣￣｀ー､＿
＿ ,,, ─ ''' ￣ / | | ヽ、＿ ＿ , ' / / | ￣
/ | | ＼¨¨￣ / / |
| | | ／ ／ /
| | | ／ ／ /
／￣￣＼
／ _ノ ヽ＼
| （ー）（ー） | ＜ またですか
＿＿＿_. .| u （__人__） |
／ ＼ ｀ ⌒´ ﾉ
／ _ノ ヽ ＼ .}
／ （●） （●） ＼ } ＜ またかお
| u （__人__） | ノ.ヽ
/ ∩ノ ⊃ ／∩ノ ⊃| |
( ＼ ／ ＿ノ | |／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| | ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／／＿＿＿ ／
７１年シーズンを終え、秋季キャンプの準備を進めていた野村の元へ
１人の選手が訪れる。
監督、話があるんだ ＞
. __ ---- _
,. : ´:／ Y:, --､: : : ｀ : ､
／< ´ { 9 / Y: : : : : :＼
/ヽ ﾍ 〉'::::::<{ 9 ': : : : : : : : ヽ
〃⌒ヽ ＼ 弋::::::ノヽ ノヽ: : : : : : : : : ﾍ ん？
{ ｀ヽ､ / ──----＼: : : : : : :ハ
∧ ./ `ｰ _ V: : : : : : :.',
{ヽ ,' - ､ ｀ヽ. ',: : : : : : :.}
' ＼ ′ ＼ }: : : : : : :.!
', ヽ､,' i: : : : : : :7
∧ `ー----------、 ,': : : : : :./
ﾍ / : : : : : /
＼ ,:': : : : : :./
, -｛ニニニニニニ＝- '-----z≠
弋ﾆ{￣ヽ￣￣: : :T: : : : -----.ﾘ:
|＿_｜: : : : : :.!: : : : : : : : : :
________ . ィ
__ ...---:::::::::::::::::::::::::::::＜_
Г::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::......---r‐'''｀
. |::::::「￣／⌒丶. /⌒ヽ |
. l:::::::l l ｜l やあ
. r┴ ､:! ゝ. ・｜|・ j !
. l δ ｀ ` ‐- ''υｰ ‐' ＼
ゝ ＼ >
`¬ `ー―――― ﾗ
ゝ. _ ′
__ュ=＝､ﾆ二l￣
／ ＼／ヽ/￣ヽ
. / ｜
l ' l |
| ′ | |
| | | |
l /
′／
／、 ＼
/．ﾉ─ ､ ヽ
●- ´ ＼ ヽ おや、どうしたのさ
__| 二二 i i
（__ ── | !
( _ ! /
＼ / /
_ ６━━━━━━、
（ ）`| ＼ ヽ
チームのベテラン最年長投手にして、野村と同期であった皆川である。
その皆川が、突然引退を申し出てきたのだ。
,............,,,,,_、
/ .￣^^'''ｰ ......､
! ／
ｌ .ｒ'"ﾞ''''''';;-..,,、 .,,ゝ
-ﾐ , / .,i'´ ﾞy .,,コ!''ｯ ......〉
! .,ii !" .! ヽ/./ iﾚ゛ 実はね‥‥
ﾞ'-./ ゝ-'" Y__/゛
.,, 〈. ..､, '"" ヽ 今シーズン限りで、
/ ﾞｯ､. ｀'ｰ..,,,_＿___ノ 身を引かせてほしいんだ
/ ､ ',, .ｌﾞ/"'''''''く
.{ .ｌ .｀''!r-､ ﾞl
,i'⌒ﾞ'',''-..、 .ｌ、 i'"ﾞﾞﾞﾞﾞ'ｯ′
./ .! ´.i'"''ｯr..|,,,, .i'!'''､
.lﾞ ._{..、, ｰ/'',,.´ ,,'! .´,..､.iｰ.
＿＿＿＿＿
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ U, ┤ （|） |- ヽ えっ‥‥
/ ／ `ー ●ｰ′ ヽ
ｉ / 二 | 二 l､
| | ─ | ─ ＿＿）
| | ／´￣￣￣￣￣ / /
! ! i ／⌒ヽ⌒ヽ / /
ヽ ヽ/⌒ヽ＿＿＿／ ／
┝／ ＼_ノ━━６━━､
/ / ＿＿＿ ヽ ＼_
| | ヽ ﾉ | （__）
某巨人軍監督「ホントにねぇ」
まさに南海電車から阪急電車に乗り換えってやつですな
あなたはもう一周回って悟りの領域に達してるんじゃないかと…
前年オフに、杉浦が引退したばかり。実績の乏しい若手投手だけでは心もとない。
それだけに野村の中では、皆川の存在は頼もしくもあった。
─── ､
／::::::::::::::::／フヽ _＼
/:::::::::::: ─|／ G| {∠::::', どうして？
〃⌒ヽ. /:::::::::／＿＼ヽ__ノ⌒ヽﾉ-ヽ
{ } l::::::::/ ── ヽ__彡∠ | どうしてそんなこと言うのさ！？
ヽｰ彡::ヽ |:::::::| ／￣￣＼＿| ─ ﾉ!
＼:::::::＼::::!. |/⌒⌒ヽ ￣T´/⌒ヽ
ヽ:::::::::::::. ＼＿＿_｝＿＿,ﾉへ＿ノ
＼:::::::::::ミ==========≦:::::/
,............,,,,,_、
/ .￣^^'''ｰ ......､
! ／
ｌ .ｒ'"ﾞ''''''';;-..,,、 .,,ゝ
-ﾐ , / .,i'´ ﾞy .,,コ!''ｯ ......〉
! .,ii !" .! ヽ/./ iﾚ゛
ﾞ'-./ ゝ-'" Y__/゛ ‥‥‥
.,, 〈. ..､, '"" ヽ
/ ﾞｯ､. ｀'ｰ..,,,_＿___ノ
/ ､ ',, .ｌﾞ/"'''''''く
.{ .ｌ .｀''!r-､ ﾞl
,i'⌒ﾞ'',''-..、 .ｌ、 i'"ﾞﾞﾞﾞﾞ'ｯ′
./ .! ´.i'"''ｯr..|,,,, .i'!'''､
.lﾞ ._{..、, ｰ/'',,.´ ,,'! .´,..､.iｰ.
共に研究してカットボールを編み出した仲でもある。
皆川自身の故障で頓挫したとはいえ、野村の初期構想では皆川をエースに
据える腹積もりだったこともあるだけに、この申し出はショックだった。
理由を問われた皆川は、吹っ切れた表情のまま、淡々と語り始めた。
________ . ィ
__ ...---:::::::::::::::::::::::::::::＜_
Г::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::......---r‐'''｀
. |::::::「￣／⌒丶. /⌒ヽ |
. l:::::::l l ｜l あの試合、覚えてるだろう？
. r┴ ､:! ゝ. ・｜|・ j !
. l δ ｀ ` ‐- ''υｰ ‐' ＼ 僕が先発して、滅多打ちにあった試合さ
ゝ ＼ >
`¬ `ー―――― ﾗ
ゝ. _ ′
__ュ=＝､ﾆ二l￣
／ ＼／ヽ/￣ヽ
. / ｜
l ' l |
| ′ | |
| | | |
＿＿＿＿＿_
／ / ⌒ヽ ⌒ヽヽ
/ U . ┤ ／･|・＼ |､ ＼ ‥‥！
/ ／ ` ー ● ｰ ′＼ヽ
l / ── | ── ヽ
| / ── | ── |
l | ── | ー─ ｌ
l | | /
ヽ ヽ ／￣￣￣＼ /
>━━━━━Ｏ━━━く
/ ／ ヽ ヽ
俺このスレで皆川スネオが一番好きなんだよ…
この試合、皆川は相手打線に捕まり、試合開始早々に試合を壊してしまった。
. ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ |
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | | ダメだ
. | | ／ | ＼ | V⌒ｉ
|.＼ 人＿_ノ 6 | 今日の僕は、何を投げても打たれる
／ ○ U /
. ε 厂
＼ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､
／./ ./op i. ＼
＿＿＿_
／ ＼
/ ノ -､ -ヽ ヽ 僕も、君をうまくリードできなかった
/ U , -|／‘|＜ |-､ |
○／ ` - ●-′ | 皆川だけの責任じゃないよ
. | | 三 | 三 /
| | ／⌒＼_|／＾／
| |━━━(ｔ)━━､
| ／＿＿ ヽ |_|
. i l ヽ＿__/ﾉ j_)
ヽ ` ── ′/
⊂二⊃⊂二⊃
交代の投手がマウンドにやって来ると、皆川は背中を丸めてグラウンドを後にする。
その時だった。
ヽ人_从人__从_从人
＜ ＞
＜ このヘボー！ ＞
＜ ＞
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒
ヽ人_从人__从_从人__从
＜ ＞
＜ ヘボピッチャー！ ＞
＜ ＞
Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒Y
__,,, イ
,,,,，，…'''"¨ ／
―――'''''' '"""¨¨￣ ¨'''‐-- ､ ／＼
| …'''''" ／ ／
| ＿＿＿＿ ｀ﾞﾞ‐-､ ＼／ ／>
| /Γ ／ ＼ ／￣ヽ‐-――'''""¨￣ <／
／⌒ヽ l / ll | } ┌─┐
./ 1 | ∩ ll ∩ |/ └─┘
| } ∪ ll ∪ y えっ‥‥
σ' ＼ 八,,＿/
＼__ ~'''''¨(＿_） └- .._
＼ ﾉ
,ィ:::::＼ -=ﾆ二二¨二￣
≦'::::L:〉:::::ゝ ＿＿＿.....-― '
:::::::∧/＼::::７::::┬+､::::Ⅵ::::'ヽ
:::::/::八_:::::X_.-‐ヤ::::＼_,ｨ::::::::＼
:::/≦:::≧/::::〉::::ハ:::::::√'＼::ミ::::＼
ベンチ上のフェンス越しから、まだ年端もいかないホークスファンの少年が
罵声を浴びせてきたのだった。
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人
＜ ＞
_ ＜ お前のせいで負けたんだー！ ＞
／∧＼ ＜ ＞
// ∧ ヽ、 ,,ィ┐ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY
// '"´ ￣￣ﾞ''＜/ |
/ '" ＿ ｀ヽl!
/ i'~´ ー-､', ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人
| U U l ＜ ＞
｜ ﾉ´￣｀ヽ | ＜ いつもいつも打たれやがってー！！ ＞
| ｜ ｜ ｜ ＜ ＞
＼ ￣￣￣ / Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y
, '" ~/＼、＿＿＿＿＿＿_,,／
/ /＿＿＿∧ ∧＿> ＼
/〃 ＼ / |
＿＿＿_
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣￣ | / ＼ | |
| /⌒ヽ ／⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | |
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ .ﾚ⌒ヽ
ノ o ６ |
／＿＿ ＼ ＿ノ
＞ ﾉ
＜、＿＿＿ イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
とはいえ、熱狂的に応援しているのだろう。
その少年のファンは、当時まだ発売され始めて間もない南海ホークスの
野球帽を被っていた。
/l ,/i
/ i ／' i
/ |,／ |
, '" ‐-'" l
/::::::::i'"'i::::::... 'i な、なんてこと言ってんだ！
i':::::::::::,'_~;;:::::... 'i
>"i~/i/i/ﾉ U | 黙らねぇかゴルァ！！
i,"~￣~"｀ /
ヽ、 く
ヽ ﾉi―----、
/"r,.ヽ/"~i!"~ /::::::::::::::::ヽ、
i/'i';;;;;<i_／,.___/::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/:: >;;;'i-‐"::::/:::::::::::::::::i':::::::::::::::::ヾ、
i':::/;;;;;;i:::::::／::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヽ,
_
＿ ／ |
ｌ ＼ _ , -―::‐.／ |
| ＼´ . ｌ
| ヽ
/ i でも父ちゃん！
' |
ｌ ､__ r'⌒＾ヽ あのピッチャー、僕たちが見に来ると
! ＿ノ::. . ::（ } いつも打たれてるんだよ！
', o~~ ___,:: ::ヽ ヽ.
ヽ、 ＋ o （_V :: :: ::〉 〉. あんなピッチャー、もういらないよ！
＞ ｡ x _.:.:ノ /.
／ ノ.
/
ヽ ＼
､─` `ー‐───┐
＞ ＿＿_＿_ |
￣ l⌒ヽ＼| !
|・ | ｌ/＾ヽ | ‥‥‥
o ､__ノ _ノ |
＜ ＼ |
＞＿＿ _＿__ ｌ
/l/＼／ヽ
| |
その少年のファンが、ボロボロと悔し涙を流して、父親の静止を振り切って、
フェンスにしがみついて叫んでくる。
その光景は、皆川の心に突き刺さった。
,............,,,,,_、
/ .￣^^'''ｰ ......､
! ／
ｌ .ｒ'"ﾞ''''''';;-..,,、 .,,ゝ
-ﾐ , / .,i'´ ﾞy .,,コ!''ｯ ......〉
! .,ii !" .! ヽ/./ iﾚ゛ そうか‥‥
ﾞ'-./ ゝ-'" Y__/゛
.,, 〈. ..､, '"" ヽ いくら僕が長年投げていようと、
/ ﾞｯ､. ｀'ｰ..,,,_＿___ノ 子供のファンはそんなこと知らない
/ ､ ',, .ｌﾞ/"'''''''く
.{ .ｌ .｀''!r-､ ﾞl あの子からしたら、僕はただのヘボピッチャーなんだ
,i'⌒ﾞ'',''-..、 .ｌ、 i'"ﾞﾞﾞﾞﾞ'ｯ′
./ .! ´.i'"''ｯr..|,,,, .i'!'''､
.lﾞ ._{..、, ｰ/'',,.´ ,,'! .´,..､.iｰ.
子供は良くも悪くも純粋だからなぁ・・・
２年前に右手親指を骨折して以来、皆川は本来の投球ができなくなってしまった。
{
＼ |l|w/L ,r_／
＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／
＼´ 彡x ＿,,,,--―":::::／
> ； ’ ∠─ , -−"":::::::::::::::::::::::::::::::￣_フ
／ }| r‐､ |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
／´ヾ, r､r‐|＾` 〈 ＼ ∨ 7 |:::::::/`¨"フ ―‐ｭ=z,‐----｀ｰ
/／ }´ <｀ヽ ' / へ::/ ／ ∨ !
/ f‐- ト | i | ＞} f‐ | ／)
￣ゝ＿ノ ＼ ! .--､`ｰ‐ '´ ゝ‐〈__／／７
＼ ゝ`ｰ､/ ﾟ~'''…､ / ∠__
＼__ノ | l⌒⌒l {__｀ー'' ‐=､‐'
ヽ ＼ﾆ＝＝--′／￣￣`ｰ'
} Y ／
/ }_／
/⌒`ｰ"＼ /
{ ヽ; ; `ー‐ ∠___
＼ ＼; ;; ;; ;; ;; ;; ; /ヽ
＼ 丶; ;; ;; ;; ;; / }
＼__ ヽ`――く /
/￣￣｀｝／ ／
(＿＿_.ノ ／
内角にシュートを、外角にカットボールを投げ分け、その軌道が百合の花弁のように見えたことから
「百合の花投法」と呼ばれた流麗な投球フォームも大きく崩れ、苦しむマウンドが続いた。
ただの野次なら気にしなかっただろう。
しかし言葉を投げつけてきたのは、熱狂的に南海ホークスを応援する少年である。
__,,, イ
,,,,，，…'''"¨ ／
―――'''''' '"""¨¨￣ ¨'''‐-- ､
| …'''''"
| ＿＿＿＿ ｀ﾞﾞ‐-､
| /Γ ／ ＼ ／￣ヽ‐-――'''""¨￣
／⌒ヽ l / ll | }
./ 1 | ∩ ll ∩ |/ 今日だけしか来られないファンもいる
| } ∪ ll ∪ y そんなファンのために、最高の力を見せなきゃいけない
σ' U ＼ 八,,＿/
＼__ ~'''''¨(＿_） └- .._ でも、今の僕じゃもう見せられない
＼ ﾉ
,ィ:::::＼ -=ﾆ二二¨二￣ 野球は、チームは、自分だけのものじゃないんだ
≦'::::L:〉:::::ゝ ＿＿＿.....-― '
:::::::∧/＼::::７::::┬+､::::Ⅵ::::'ヽ
:::::/::八_:::::X_.-‐ヤ::::＼_,ｨ::::::::＼
:::/≦:::≧/::::〉::::ハ:::::::√'＼::ミ::::＼
それが皆川にはショックだった。
目を背け続けてきたことを直面させられたような、気付かないふりをしてきたことを
認識させられたような、そんな思いだった。
その意味では、皆川もまた純粋な男だった。
________ . ィ
__ ...---:::::::::::::::::::::::::::::＜_
Г::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::......---r‐'''｀
. |::::::「￣／⌒丶. /⌒ヽ |
. l:::::::l l ｜l 今年の成績も、全然ダメだった
. r┴ ､:! ゝ. ・｜|・ j !
. l δ ｀ ` ‐- ''υｰ ‐' ＼ 僕はもう、選手として限界なんだ
ゝ ＼ >
`¬ `ー―――― ﾗ
ゝ. _ ′
__ュ=＝､ﾆ二l￣
／ ＼／ヽ/￣ヽ
. / ｜
l ' l | 皆川睦雄 ７１年成績
| ′ | |
| | | | ２５試合 ６勝５敗 １３５回１/３ 防御率４．２７
(＼ ＿＿＿＿＿ /
／´ /／ ヽ⌒ヽヽ ／
/ , -| (・|∠ |-ヽ ＿ そんな！？
/ ／ ` ー ●ｰ′ |＿
ｌ / 二二 | 二 /
. | l ／⌒＼─ | ー ／
| | / ￣￣￣/￣
| | | /
/⌒ヽ | | /⌒ヽ⌒ヽ |
ヽ＿ﾉ＼ ヽ` ー────┴ フ
//＼ `━━━━６━━ ´─/⌒ヽ
/⌒ヽ￣ ／ ヽ ヽ＿ﾉ
ヽ__ノ ┐ / ┌───┐| |￣ //
そんな皆川の様子に、野村は考えを改めるよう説得しようと思い立ったが‥‥
辞めようとする人間を止めようとしても、お互いに好結果をもたらさないことは
この年のオープン戦で学んだばかりだ。
＿＿＿＿_
／,´- ､ − ､ ＼
/,-|.／・|・＼ |− ､ ヽ ‥‥‥
| ` -● −′ ＼ i
| ─ | ─ i | 仕方ない
| 二 | 二 | !
ヽ /￣￣￣ ＼ | / ならせめて、これからは投手コーチとして
. ＼ヽ＿＿＿＿) / / チームにいてくれないかな
○ ━━６━◯━━ヽ
＼|/ _＿＿__＼ ヽ
,............,,,,,_、
/ .￣^^'''ｰ ......､
! ／
ｌ .ｒ'"ﾞ''''''';;-..,,、 .,,ゝ
-ﾐ , / .,i'´ ﾞy .,,コ!''ｯ ......〉
! .,ii !" .! ヽ/./ iﾚ゛
ﾞ'-./ ゝ-'" Y__/゛ ‥‥‥
.,, 〈. ..､, '"" ヽ
/ ﾞｯ､. ｀'ｰ..,,,_＿___ノ
/ ､ ',, .ｌﾞ/"'''''''く
.{ .ｌ .｀''!r-､ ﾞl
,i'⌒ﾞ'',''-..、 .ｌ、 i'"ﾞﾞﾞﾞﾞ'ｯ′
./ .! ´.i'"''ｯr..|,,,, .i'!'''､
.lﾞ ._{..、, ｰ/'',,.´ ,,'! .´,..､.iｰ.
だが、皆川は野村にとって数少ない、チーム内の親友である。
杉浦との仲がこじれてしまったこともあってか、野村は皆川に
投手コーチの就任を打診する。
しかし、皆川はその打診も断った。
________ . ィ
__ ...---:::::::::::::::::::::::::::::＜_
Г::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::......---r‐'''｀
. |::::::「￣／⌒丶. /⌒ヽ |
. l:::::::l l ｜l いや
. r┴ ､:! ゝ. ・｜|・ j !
. l δ ｀ ` ‐- ''υｰ ‐' ＼ 気持ちだけ受け取っておくよ
ゝ ＼ >
`¬ `ー―――― ﾗ
ゝ. _ ′
__ュ=＝､ﾆ二l￣
／ ＼／ヽ/￣ヽ
. / ｜
l ' l |
| ′ | |
| | | |
, ────- ､
／ /⌒ ヽ ⌒ヽ＼
/ , -|／ ・|・ ＼| ､ ヽ ‥‥そう
/ ／ ` ─ ●ｰ ′ ヽヽ
ｌ / ── | ─ |
| / ── | ─ |
| ｌ ── | ─ ｌ
ｌ | ／￣￣￣￣｀ヽ /
ヽ ヽ （＿＿＿＿＿ノ ／
>━━━━━ Ｏ━━─（ _ ）
/ ／ ヽ ／
,............,,,,,_、
/ .￣^^'''ｰ ......､
! ／
ｌ .ｒ'"ﾞ''''''';;-..,,、 .,,ゝ
-ﾐ , / .,i'´ ﾞy .,,コ!''ｯ ......〉
! .,ii !" .! ヽ/./ iﾚ゛ 僕には、僕の野球人生で培ってきた野球観がある
ﾞ'-./ ゝ-'" Y__/゛
.,, 〈. ..､, '"" ヽ その野球観とノムやんが目指してる
/ ﾞｯ､. ｀'ｰ..,,,_＿___ノ シンキングベースボールは、どうしてもそぐわないんだ
/ ､ ',, .ｌﾞ/"'''''''く
.{ .ｌ .｀''!r-､ ﾞl
,i'⌒ﾞ'',''-..、 .ｌ、 i'"ﾞﾞﾞﾞﾞ'ｯ′
./ .! ´.i'"''ｯr..|,,,, .i'!'''､
.lﾞ ._{..、, ｰ/'',,.´ ,,'! .´,..､.iｰ.
＿＿ __
, .≦三三 ヲ´
, . ≦三三三 ＜´
, . ≦三三三三三三三三＞
r≦ 三三三三三三三三三＜
|三_j| /⌒＼ ／｀ヽ !￣￣ ｀
. |三..l | ∨ i | 選手だったら、監督の君が上手く使ってくれたら
i⌒V | O || ＜ |.ﾄ. それでよかった
| i} ゝ.＿ノf入＿人{_ﾉ
乂__ ､＿＿＿ __ノ´ でも、首脳陣として入閣するなら話は変わるだろう？
＼ ＼ ｀ヽ ｀ﾌ´
. __}＞ .＼ i／ ＿
/く `ー‐‐ｧく＼ _／ 二.）
. / i＼ / Y ＼__／ ! -- ' /＼
/ ! `′ i 人 /＼ヽ)
. 〈 ﾉ |＼＿／ ｀丶 ＼ )'
＼ /`ー─ ──i ｀´
. { |
確かに、野村には野村の野球観があるように、皆川には皆川の野球観がある。
ベテラン選手ともなれば尚更だ。
＿＿＿＿
, -‐'"´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
／/二ヽ／⌒ヽ;:::::::::::::::::＼
/::ハP_/P￣ヽ/ー-:、::::::::::::＼ ‥‥‥そうか
/ ヽ、（::::::）ー‐' ＼:::::::::::::::i
十―- Y -‐'"￣￣￣ !:::::::::::| 分かったよ
_|＿＿ .| ￣￣￣｀ |:::::::::::|
(´ .| ￣｀ヽ、_ _ |:::::::::::!
ヽ-ー‐┴―--- 、r―-:、!:::::::::/
/＼ /´ }/:::::::/
ヽ、｀丶、＿＿_{ ﾉニニ!
｀T"´ﾄｰｒ-::,-ﾄー‐'i"::::::::::::|
}--< ｀"" .|__::::::::::::::::::::::|
ｌ´::::::::|￣｀フ´::::￣「´:::::::::/
_|::_:::_::ﾄー;'"::::::::::::::｀:::::::::/ヽ、
（＿＿_.」｀ゞー-:、_:::::::::::;/ ●
｀‐ 、＿ノ￣￣
_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／ ＜
｜ ＜
｜ ／￣√￣￣Τ￣￣
｜ / /⌒＼｜ 悪いね
｜ |⌒＼/ | ヽ|｜
｜ | ∂ ＼＿｣｜ 最後にワガママ言っちゃって
｜ ＼ ∟__
｜ / ＿＿＿＿／
＼/ ＼＿___
| ＿＿＿＿／
ここにきて、野村もとうとう皆川の慰留を断念。
子供にはそんなの関係ないのよね
皆川睦雄。
通算成績、７３９試合登板、２２１勝１３９敗、防御率２．４２。
最高勝率２回、最優秀防御率１回、最多勝１回、ベストナイン１回。
i''､
,i ､ .! ヽ
', ｀'‐..、 .| .ヽ
', ｀'-､', .ヽ
ｌ ＼ 君と同じチームで野球ができて、本当に良かった
l'―-,,. ..ｌ ＼
ﾞﾞ''-..、｀ﾞﾞ^^"" ＼ 僕が３０勝できたのも、２００勝できたのも
｀'ｰ ..,、 ＼ ノムやんがキャッチャーとして僕の球を受けてくれたからだ
,'''ｰ､、 ＼
! ／'''''!',― ..,,,.. -ｰ-､ ＼ 感謝してるよ
| ,' .ﾞ､ ./ ｌ,,,、 ＼
!lﾞ . ｌ/ .、 | |ヽ / ,..r、
llﾞ .ｌ. ,! / ! ｝ l ,, - ､ ./ ./ .!
iへ.!', .ｌ .,i| / / . / ｌ,,' , ｌゞ ___ ./ !
! .',.ヽ, _/ .ヽ .／ .| / .| .く ﾞ'､ ./ ｉ!'''i
._,,,ﾞlii.. ゞ ｀ﾞﾞ'',,_,` .｀^^ﾞ゛ _／', ."" / .｀､ .ﾚﾞ / ｌ^^'i
ヽ _,, ‐'´ .! .-, -' l ､ ./ ,/ .,'､
＼ _,.. ｨ''´ / ,!__ .! .ｌ,,,,./ ,／ !
｀^'''''''''''"´ .! .／ / ﾞl .{ ." .!t'" ,./
/ . ／ ._, -'゛.／￣''､ .ヽ ﾞ'l'''"
,i＿,,i;;;;,ﾞ.. -''ﾞ゛ ._,, ./ ＼ .,ﾉ＼＿_ｯ--‐ﾞ
/ ,, -'" .lﾞ / .,i' ｀" ｌ
i彡'ﾞ| ', .lﾞ./ ./
/ ゝ..,,,li./ .／
皆川の上げた通算２２１勝はあの杉浦をも上回る勝利数であり、この数字は
現在でもホークスの投手史上最多勝利数である。
＿＿＿＿
／ − ､ −､＼
/ , -| ・|・ |- ヽ そう言ってもらえると、
/ ／ `− ●- ′ | 僕も捕手冥利に尽きるよ
| | 二二 | 二二. |
| | |＼ -─ | ─_＿_） 今まで、ありがとう
_ ! | ! ￣￣￣￣￣ / /_
( __）＼ヽ ＼（二二二）／／(__）
＼ ━━━━６━━ ／
| ／＿＿＿ヽ |／
| | ヽ＿＿ノ ﾉ |
| ` ─── ′ |
＿＿ __
, .≦三三 ヲ´
, . ≦三三三 ＜´
, . ≦三三三三三三三三＞
r≦ 三三三三三三三三三＜
|三_j| /⌒＼ ／｀ヽ !￣￣ ｀
. |三..l | ∨ i | それはこっちのセリフさ
i⌒V | O || ＜ |.ﾄ.
| i} ゝ.＿ノf入＿人{_ﾉ これからは違う道を進むけども、
乂__ ､＿＿＿ __ノ´ これからもお互い頑張ろう
＼ ＼ ｀ヽ ｀ﾌ´
. __}＞ .＼ i／ ＿
/く `ー‐‐ｧく＼ _／ 二.）
. / i＼ / Y ＼__／ ! -- ' /＼
/ ! `′ i 人 /＼ヽ)
. 〈 ﾉ |＼＿／ ｀丶 ＼ )'
＼ /`ー─ ──i ｀´
. { |
司令部こそその戦術を理解していないといけないだろうし。
＼
監督ー、ミーティングの時間です
／
, ─── ､
／ /⌒ ⌒ヽ＼ あ、ゴメン
/ , ┤ ・|・ |-､ヽ
ｌ ／ ー ●ｰ ヽ そろそろ行かなきゃ
. | / 三 | 三 | _
| | ／⌒＼ __|_／＾ヽ ｌ（__）
ヽヽ （ ＿＿＿＿＿_ / / /
>━━━━,-､━━イ /
/ / ヽﾌ ヽ ｌ/
（ _） | ＿＿＿＿ | |
ｌ ヽ ヽ _＿___ ノ ﾉ ｌ
________ . ィ
__ ...---:::::::::::::::::::::::::::::＜_
Г::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::......---r‐'''｀
. |::::::「￣／⌒丶. /⌒ヽ |
. l:::::::l l ｜l ああ、悪かったね
. r┴ ､:! ゝ. ・｜|・ j !
. l δ ｀ ` ‐- ''υｰ ‐' ＼ 個人的なことで呼び止めて
ゝ ＼ >
`¬ `ー―――― ﾗ
ゝ. _ ′
__ュ=＝､ﾆ二l￣
／ ＼／ヽ/￣ヽ
. / ｜
l ' l |
| ′ | |
| | | |
だからコーチはやれません
現代なら至って普通のやり取りなんだが
┏┳┓
┏┓ ┏┓┗┻┛
┃┃ .┃┃ .┏━━━┓
┃┃ ┃┃ ┃┏━┓┃
┗┛ .┗┛ .┃┏━┓┃ ┏━┓┏┓
┗┛┏┛┃ ┗━┛┃┃
┗━┛ ┏━━┛┃
┗━━━┛
________ . ィ
__ ...---:::::::::::::::::::::::::::::＜_
Г::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::......---r‐'''｀
. |::::::「￣／⌒丶. /⌒ヽ |
. l:::::::l l ｜l ‥‥‥
. r┴ ､:! ゝ. ・｜|・ j !
. l δ ｀ ` ‐- ''υｰ ‐' ＼
ゝ ＼ >
`¬ `ー―――― ﾗ
ゝ. _ ′
__ュ=＝､ﾆ二l￣
／ ＼／ヽ/￣ヽ
. / ｜
l ' l |
| ′ | |
| | | |
,............,,,,,_、
/ .￣^^'''ｰ ......､
! ／
ｌ .ｒ'"ﾞ''''''';;-..,,、 .,,ゝ
-ﾐ , / .,i'´ ﾞy .,,コ!''ｯ ......〉
! .,ii !" .! ヽ/./ iﾚ゛
ﾞ'-./ ゝ-'" Y__/゛ ‥‥‥
.,, 〈. ..､, '"" ヽ
/ ﾞｯ､. ｀'ｰ..,,,_＿___ノ
/ ､ ',, .ｌﾞ/"'''''''く
.{ .ｌ .｀''!r-､ ﾞl
,i'⌒ﾞ'',''-..、 .ｌ、 i'"ﾞﾞﾞﾞﾞ'ｯ′
./ .! ´.i'"''ｯr..|,,,, .i'!'''､
.lﾞ ._{..、, ｰ/'',,.´ ,,'! .´,..､.iｰ.
皆川が首脳陣入りを拒んだのは、野球観の違いだけが理由ではなかった。
,............,,,,,_、
/ .￣^^'''ｰ ......､
! ／
ｌ .ｒ'"ﾞ''''''';;-..,,、 .,,ゝ
-ﾐ , / .,i'´ ﾞy .,,コ!''ｯ ......〉
! .,ii !" .! ヽ/./ iﾚ゛
ﾞ'-./ ゝ-'" Y__/゛ ‥‥ごめんよ、ノムやん
.,, 〈. ..､, '"" ヽ
/ ﾞｯ､. ｀'ｰ..,,,_＿___ノ
/ ､ ',, .ｌﾞ/"'''''''く
.{ .ｌ .｀''!r-､ ﾞl
,i'⌒ﾞ'',''-..、 .ｌ、 i'"ﾞﾞﾞﾞﾞ'ｯ′
./ .! ´.i'"''ｯr..|,,,, .i'!'''､
.lﾞ ._{..、, ｰ/'',,.´ ,,'! .´,..､.iｰ.
親友だったからこそ、皆川は野村の人格が大きく変容していることに気付いていた。
もし共に指揮を執る立場になればその時、野球観の違いから諍いを起こすかもしれない。
野村にとってそうであったように、皆川にとっても、その存在は心強かった。
恩師である鶴岡への畏敬の念よりも、野村との友情を優先したほどだ。
,. -──- ､
／ /⌒ i'⌒iヽ､ ヽ ＼
/ ,.-'ゝ__,.･･_ノ-､ヽ ､─` `ー───┐
i ‐'''ﾅ''ｰ-- ● =''''''ﾘ ＞ ＿＿_＿_ |
l -‐i''''~ﾆ-‐,.... !....、ｰ`ﾅ ￣ l⌒ヽ＼| !
!. t´ r''"´､_,::、::::} ノ` ,.i|・ | ｌ/＾ヽ |
ゝゝ､,,ﾆ=====ﾆ／r'⌒; o ､__ノ _ノ |
i`''''ｙ--- (,iﾃ‐,'i~´ゝ''´ ＜ ＼ |
| '、,............, i }'´ ＞＿＿ _＿ｌ
●､_!,ヽ-r⌒i-､ノ-''‐､ ゝ`ｰt---''ヽ'''''''|`ーt-'つ
( `ｰｲ ﾞi 丿 ;'-,' ,ノｰ''''{`' !ﾞヽﾉ ,ヽ,
`ー--' --'｀￣ ｀ｰ't,´｀ヽ;;;､,,,,,,___,) ヽ'-ﾞ'"
(`ー':;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ
だからこそ皆川は、野村との縁を大事にしたかった。
それこそ、本人と距離を取ることになろうとも。
結局皆川は、後に読売ジャイアンツや近鉄バファローズなど他球団で
指導者の立場となるものの、古巣ホークスのユニフォームに袖を通すことも
共に野村と同じチームのユニフォームを着ることもなかった。
_＿＿__
ィ〔::::::::::::::::::::￣ミト.., __
ィ〔::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ, ⅧI
ィ〔::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::∧ r=｛
----=ニ〔:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::∧ .| .:|
`ー -=ニ二:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ |ーi!
／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/∧ ::::::::::::::::::::〉 ! Ｌ
. ／.:／.:::::::::::::::::::::::::::::::::::/／.:::::／#;ⅤI:::::::::::::|′ Ｌ | |
. ／.:／ / .:::::::::::::::::::::::::::::: イ∠,,// --─Ⅷ |⌒Yｌ .r====<
／ イ ./.::::::::::::::::::::::::::: ／ﾆヽ /斗rｯf ｱ .ﾚ|:|.ノ/′ ／(|........||..|
. /.:::／|／l::::::::::: /弋ﾋ:ﾂ} `ｰ‐彳 |:Ｌ/ ／.／ﾞ|........||..|
/ィ〔 |/|:::: / ∧# / ; ﾚﾍ{ー─ミ、! ......||..|
| .|:::/ ∧. ｰ＿__ j ／.: .: .: : : : :ﾊ|........||..|
人{ 心、 こ¨´ ,.イ.: .: .: .: .: .: : : :｣........||..|
>ｔ=七〔.: .: .: .: .: : : : :／f=＝＝ミ､
〃 //´.: .: .: .: .: : : : :／￣￣｀: : : :ヽ.: :
{{ {:{.: .: .: : : : : :＞ ´￣｀.: : : : : :´￣￣
_ ィ〔 〕トﾄ､__: :_＞ ´￣￣ミト､.: : : : : : : : : : :
,,{:::::::::::´ ﾉ: :｢f＝彡′.::::::::::::::／.: : : : : : : : : : :
〃|::::::::::|ｌ.: : :7/ ://.::::::::::::::::／.: : : : : : : : : : : : :
{{ .|__::／ : : //.: :ｰ=====／.: : : : : : : : : : : : : : :
生来の口下手さが災いしてか、皆川の指導者としての評判は
選手時代の実績に伴わない、今ひとつなものとなっている。
しかし皆川は、最後の最後で野村の性格を読み違えなかった。
２人の友人関係は亀裂が入ることはなく、生涯続くからである。
i''､
,i ､ .! ヽ
', ｀'‐..、 .| .ヽ
', ｀'-､', .ヽ
ｌ ＼
l'―-,,. ..ｌ ＼
ﾞﾞ''-..、｀ﾞﾞ^^"" ＼
｀'ｰ ..,、 ＼
,'''ｰ､、 ＼
! ／'''''!',― ..,,,.. -ｰ-､ ＼
| ,' .ﾞ､ ./ ｌ,,,、 ＼
!lﾞ . ｌ/ .、 | |ヽ / ,..r、
llﾞ .ｌ. ,! / ! ｝ l ,, - ､ ./ ./ .!
iへ.!', .ｌ .,i| / / . / ｌ,,' , ｌゞ ___ ./ !
! .',.ヽ, _/ .ヽ .／ .| / .| .く ﾞ'､ ./ ｉ!'''i
._,,,ﾞlii.. ゞ ｀ﾞﾞ'',,_,` .｀^^ﾞ゛ _／', ."" / .｀､ .ﾚﾞ / ｌ^^'i
ヽ _,, ‐'´ .! .-, -' l ､ ./ ,/ .,'､
＼ _,.. ｨ''´ / ,!__ .! .ｌ,,,,./ ,／ !
｀^'''''''''''"´ .! .／ / ﾞl .{ ." .!t'" ,./
/ . ／ ._, -'゛.／￣''､ .ヽ ﾞ'l'''"
,i＿,,i;;;;,ﾞ.. -''ﾞ゛ ._,, ./ ＼ .,ﾉ＼＿_ｯ--‐ﾞ
/ ,, -'" .lﾞ / .,i' ｀" ｌ
i彡'ﾞ| ', .lﾞ./ ./
/ ゝ..,,,li./ .／
_,,,＿_、 .ﾉヽ ｀ﾞ''''―''./
｛ .｀''-,,,,,,./ ', _.. -'''''^^ﾞﾞ´ﾞ＼
´'|~ﾞﾞﾞ´ ｀'､ .! ._..-'"゛ ﾞl
,,-‐'^^^'''^''''ｌ !.,,ﾉ''T゛ !
ゝ....-'''/′ ...ゝ､. _／-、 /
南海ホークスというチームで、野村と肩を並べ共に戦った同世代の選手たちの中で、
皆川睦雄という選手は、野村との仲をこじらせなかった数少ない選手である。
やる夫と学ぶ野村克也１８
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1414936558/l100
杉浦忠に続き、皆川睦雄。
_,,,,,--―――--,,,,_
. ,r-‐'´r-―-､;;;;;;r-―-､;;;｀`ヘ
,〆;;;;;;;;;/｀`ゝ､ ∨ _,,-''´ヽ;;;;;;;;;;＼
／;;;;;;;;;;;;;;l `''-l-''´ l;;;;;;;;;;;;;;ヽ まだまだ、投手の数が足りない
/;;;;;;;;;;;;;;;_,,,l ･ ∧ ･ |＿;;;;U;;;ヽ
/;;;;;;;;r-'´ ヽ､ ,ノ-ヽ､＿＿,ノ ｀ヽ;;;;;;;;∨ どうにかして補強していかなきゃ
,';;;;;;;/ ｀￣´（;;;;o） ヽ;;;;;;;l いけないんだ
l;;;;;/ ￣￣￣ /::::::::ヽ ￣￣￣ l;;;;;;|
|;;;;l ――― (:::::::::::::::) ――― |;;;;|
l;;;;| ,,,- ｀￣￣´ ー--,,,,__ |;;;l
,r-―-､ i;;;l -‐'''´ ,r'´￣｀ゝ―'''´￣￣｀ヽ l;;;l
/ ヽ ',;;;l ／;;;;;;_,r-―――--､;;;;;;;;;;ﾍ i;;;l
l ／`ゝ､;;l {;;;;;r'´::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;| /;;/
ヽ ／:::::::::::::::ヾ ヽ;;;l::::::::::,r-――-,,,_ l;;;;;;;;ﾉ /;;/
ゝ::::::::::::::::::::::::::ヾ: ｀ー'''´ ｀ー''´ /／
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ-―――――――――――ｧ-､
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l::::＼ ,-‐'´｀ヽ､ ,〆:::l:::::ヽ
ﾍ::::::::::::::::::::::::::::ゝ--ｧ＼＜´ 〉-〈 ＼／r-､/::::::::::::ヽ
＼:::::::::::::::::i:::::::::<:::::::::`ゝ､ | | ,〆:::::::>:::::ヽ:::::::::::::}
鶴岡時代を知るベテラン投手が一人、また一人と去っていく中で、
野村は監督として、更なる投手陣の世代交代を迫られることとなる。
＞皆川睦雄という選手は、野村との仲をこじらせなかった数少ない選手である。
悲しい一文だなあ
また、同時に反野村一派の動きにも気を配らなければならない。
ヽ､人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿
､）
_) 野村は今すぐ監督をやめろー！！
）
⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒
|| |! / ／
|| | / ／
,-‐-､ ／ ／
,. - ─- 、 |_!_!ｭ } ／
/ ノノノノハヽ `'}‐┴､
i ,-､_{＿＿＿ l' ,. -─- ､ ｛￣｀{ ／
} | r} ` / -' | |`i ／ ,ﾍr^､ | }_, ,! -‐- ､ ／
{ 'ｧ' `ー'/,_ ）!／ﾘノ二二jﾉノ`i, / ＿i
,-ｿ ､ ノ/ﾆ| `i／/ - r {⌒ / |＿_∠＿_,へ ／￣￣ヽ ,-rrr､
/#＼ ､ `='ノ iﾆij ,ﾆﾞ | ｀i /| r､/＿＿,|￣/ ノノﾉij iっ,!,!,!
＼＃i＼ ￣,ﾉ`i ヽ |r┼-､ i' v{_ （__ﾊ_! | _ノ^i'_ﾌ'i,! `i {
＼i＃|＼==|/`|＼＼`ｰ| ´|ﾆ､ヽ | i ` ,.-ｉ{ }､|- ,-'i |＼_|>
＼|ヽ ｝ ﾉ i ＼ | 〉' `ｰ'/ ,<j 二ﾉ /ｿ ヽ._`ﾌｧ-ｧr{`ｰ-1
Ｏ|/ |l/ i ﾉ´| / /_ノ＼＼ "{ヽ /ｉ｢|i､rr､/|ﾍ! /ﾉ |
| ﾘ /∧ V_i/ ヽ_|＼ノ|ﾍ !| !|.| | |/ |-── '
|０` | / ヽ＿/|＼ ､ `| {| |゛゛| |
| | /ﾉ | ＼ ﾘ | ﾉ ri ﾉ |
彼らはこの年のオフもクーデターを画策。
川勝オーナーの協力もあり、前年に比べて小規模なものですぐに収めることは
出来たものの、監督の座に安穏としていられる状況ではない。
そんな彼らにも言うことを聞いてもらおうという意味でも、革新性のある
シンキング・ベースボールの概念を定着させようと躍起になったが、その伝道者は
あくまでブレイザーだ。
r､ヽヽ ,..
l.i^iヽヽ! ｌ
`、ヽ `! ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从
`、 ` { ＜ ＞
ヽ , ﾍヘ ＜ ｼﾝｷﾝｸﾞﾍﾞｰｽﾎﾞｰﾙ ＞
ヽ' ／ ＼ ＜ 大 野 球 を！！ ＞
く ｡. ＼ ,.-､、ﾍ ＜ ＞
＼ﾟ ｡ ＼ ,.._彡ミ',ハ、 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒
＼ `ゝ､._ ,イヽ (_ノ彡, ヽ
＼ __ヽ.l. ヽi、 `i彡ﾉ// `;-
＿ ヽ-─ ￣__,..-l、 L./// ,F`
ヽ´ _. -‐'ﾆィ○l ｀` ‐_,ーｲ//,ﾄ ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人
/ヽ`=i ,.-'´, - '´,. ﾍ. _,!‐.ニ∠._,.-｀ !、 ＜ ＞
/ ／/_..i' ／'"l∠ _,.-─‐,.､ ｀_ヽ､ ヽ ＜ ｼﾝｷﾝｸﾞﾍﾞｰｽﾎﾞｰﾙ ＞
/ /‐-´-〈 イ ....＿i'_ i' r（ヽ! l'´ .i ＜ 一心不乱の 大 野 球 を！！ ＞
,' / ｉ ヽ l、`ヽ-､/{ヽヽヽ!ミミ､`、 ＜ ＞
,' i' i. ヽ l、 ￣li. i ` lﾄl `ﾞ ヽ Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
i /l ヽ,.-'′ l、 lヽ ﾉ ,! `、
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./l/ ! ｌ _.- '´ ヽ. i、 l.＼-- ..._ ／
/ l l l ヽ ,.- ´ i、 l ＼
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,' l l. l. l、 _. - ´ i､l. ヽ
,' l. ヽ､_j l、 __.. - ´ l l、 ヽ
i l. `、 `､ ´ l. l、 ／ヽ,
`ヽ、l `、 ヽ l l、 ヽ. ／ ヽ
` / l `、 ヽ l l、 `
反野村一派の人間は、その功績は全てブレイザーにあり、野村はそこに関与していない
という考えに至っており、シンキング・ベースボールを以て彼らを統率するという目論見は外れた。
野村克也でなければ出来ない。野村克也だからこそ出来る。
そんな“何か”が必要だった。
＿＿＿
,.ィ 「 ＞ ．
∠ ￣７ ` 、
γ⌒Y:ソ ／-＜⌒ ‘ ， ドラフトで補強するのが理想だけど
ゞ-/ ー '´＿＿ ＞､- ∧ うちの資金力じゃ、限界がある
′ ＿__ ヽ U ハ
γ⌒` ,. -- ミ ─ V l 指名できたとしても、拒否をされたら
. ‘， _, ´ l l ＼ ∨ ! 元も子もないんだ
. ー { l l l ∧ ｜ /
_l l l l } i /
. ‘，ー- L__ l ﾉ , ｲ
＼_ / _,.イ_
／￣}＜≧=-zz------=≦＞ ´ ＼
. /__ l:/ ｛＝＝｝￣￣ヽ ∧
. Y´ ヽr!′ 乂{_乂 ∨ _ , ┴ ﾐ
. 圦 ﾉ.|{. fﾆ＝──-----┐ } `ﾄ､/ ‘，
. ー |‘, ∨ / ﾘ | 圦 ﾉ
, ＼｀ ＜＿＿ イ ／ ｜ ー
′ ー---一 ´ i
| ／＼ }
. γ´ ー─ ｀Y 〉 ＿＿＿ノ＾ヽ
乂_ ノ ｛ ｝
￣￣￣ ｀ ｰ- ＿__彡'
技術でも、理論でも、政策でも、概念でも、方向性は何でもいい。
野村には野村の、指導者としての大きな特色を持つことを迫られた。
生半可な人間では到底挫けてしまいそうな、逆風吹き荒れる逆境の中で‥‥
_,. ---- _
＞:':´: : : : : : : : : : : : : : : ｀ : .,
. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､
／: ＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,ｲ:／ ∨:.,＞─ ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
/: / ＼ i:, ' V: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧ 外国人を獲得するには
/: _{● ヽ i'__,. . -‐ ' ’´ ,: : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ ツテがいる
7ｲ´ﾍ,..-- ､.ノ! ● i `ヽ､ : : : : : : : : : : : : : : : i
7 {:::::::::::::i八 ﾉ ヽ : : : : : :U : : : : : : i でも、今の南海には
ー‐┼‐ 乂:;::::ソ ヽ､ ＿_ イ V : : : : : : : : : : : :| そのツテがない
_j_,. | ＿＿＿ ∨ : : : : : : : : : : i
'´￣｜ | ￣｀` i: : : : : : : : : : : ,
ハ,.ｨ i ─z＿ i: : : : : : : : : : 7
／ . l ､ `ヽ 7: : : : : : : : : :/
ﾍ _>‐- ､_ ｀`ヽ､ /: : : : : : : : :, '
ヽ ` ヽ､_ ` :': : : : : : : ; イ
t:､__ ／: : :_;::＞::'７
,.ィ´ｰz_:::::::≧z:::-........................イ::≦:::::::::::＞'´ヽ
, ': : : : : : : ＞:y-z＿＿＿:::::γ' ⌒ヽ-＜ ヽ: : ﾍ
/: : : : : : : : :, ｲ {======} ∨: ﾑ
/: : : : : : : : :/ 弋__j:}_ノ ',: :ハ
.
いよいよ監督・野村克也は、その手腕の真価を発揮し始めるのである――――
_＿＿＿__
_,. ｀ヽ: : : : : : : : : : : . ._
／℃) /―- ._／: : : : : : ｀: : .
-―℃ ｛ ／ ／ ｀ : : : : : : : : : となると、
.::::::::::（__,ﾊ ／ ＼: : : : : :
{::::::::::::::::::ノ --――― ＼: : : : : 残る手段は‥‥！！
/＾'ー;‐''" ヽ : : :
/ ……―--- i: : :
_＿, .′ |: : :
′ i U |: : :
__{ | _＿＿＿__ |: : :
／ ､ ＼ |: : :
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､ __ -‐=ﾆニニニニニ=‐-
｀ _ -‐ﾆニニニニニニニニニニニニ
＼ ｀寸ニニニニ＝-― ､―-＝ﾆニ
/ ⌒Ｙ-‐ ＼: : : : : :
{／／ } ヽ: : : :
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第２５話「純粋戦士」 終
第２６話「野村再生工場、稼働」に続く
でもこの頃はすでに球団内派閥としての反野村だろうからなー。
いよいよ黄金期の主力が去っていくのか
南海ってがちで「詰んでた」んだなあと思ってしまった。
金もツテもないって･･･
再生工場の時間だあああああああああああ
また投下が2ヶ月空いてしまい申し訳ありませんでした
明日からまた1ヶ月ほど出張なので、次回分も先に謝っておきます
ごめんなさい
杉浦選手の引退に関しては、動画がありましたので
併せて紹介させていただきます
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9596038
杉浦引退登板
今回も、お付き合いいただきありがとうございました！
あとノムさんももう昔のノムさんではないことを
色々と純粋な戦士の話だったね
今回も楽しく読ませていただきました！
出張と言うことですが
寒くなってきましたので
どうかご自愛下さいませ
しんみりしたり、濃ゆかったり、またしんみりしたり
今回も面白かったです
次回も楽しみに待ってます！
また、気長にお待ちしておりますので
体調に気をつけて出張頑張ってください
〈おまけ〉
１話で１年のペースは
|
Λ＿Λ . || もう限界なんだよ！
/:彡ミ゛ヽ;）ー､ ||| ｶﾞﾂｰﾝ!!
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i/￣＼ |||| .' ， ．
/ :::/;;: ヽ ヽ ::ｌ ヽ ＼从/／ ・;`.∴ '
￣￣￣（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ ￣ ＼＿_） ＜ ,：;・,‘
＼ . ’ .' ， ．.
次回からは更に進行ペースまで遅くなります
本当に申し訳ありません
サブタイトルの意味がわからなかったけど、
今回出てきた人たちはそれぞれに純粋だったんだなあ
杉浦、門田、長池、皆川、そしてホークスファンの少年も
どうか無理をなさらずに
主人公もかつては・・・ね
触れない訳にはいかないことがどんどん増えてくもんなぁw
戦後の自動車社会じゃ鉄道は斜陽産業だから
南海が野球にそれほど金が使えないのも仕方ないか
阪神だって巨人のライバル扱いでなかったらとっくに身売りしてただろうし
西武は札幌移転をハムに先を越されたり、もう時間の問題っぽいし
がんばれ。
お仕事で忙しいなか、本当にいつもクオリティの高い作品をありがとうございます。
現役生活が終わるまであと何話分かかるんだろう…
出張に入るということですが、
どうか体には気をつけて下さい
西武は札幌を準フランチャイズにする予定だっただけで
先を越されたわけではないよ
経緯的には札幌ドームの使用を渋々ながら同意してるから
先鞭をつけていたのは西武ともいえる