レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13
-
「けど、よ……それじゃ寂しいじゃねーかよ」
「うーん、確かに寂しい事かもしれないけど」
ノーヴェの表情を見れば、何処か辛そうであった。
かぶりを振って、ヴィヴィオの代わりに歯噛みする。
この瞬間、この人は本当に心から優しい人なのだな、と思った。
ヴィヴィオの為にここまで心配してくれて、ここまで辛そうな表情をしてくれる。
そんな表情を見ていると、不謹慎だろうか、何処か心が温まる気がして。
「けどね、わたしはなのはママに約束したんだ。
もう泣かないって、強くなって、自分で決めた自分の道を進むんだって」
それが何度も誓った、母との約束。
そして、何よりも、ヴィヴィオ自身が決めた事。
「それにね、もしもわたしがいつまでも泣いていたら、なのはママは安心して眠れなくなっちゃうから」
……これは、ヴィヴィオがまだ幼かった頃の話だ。
母の愛に飢えていたヴィヴィオは、夜泣きばかりしていた。
皆が寝静まった時間になっても、ヴィヴィオだけは寂しさのあまり泣いていた。
そんな時、優しいなのはママは、いつだってヴィヴィオに付き添ってくれた。
ヴィヴィオが安心して眠るまで、ずっと抱きしめて頭を撫でてくれた。
本当は朝早くから仕事だってあったのに。寝不足で辛かった筈なのに。
あの人は、自分の睡眠時間を削ってでも、ヴィヴィオの為に尽くしてくれたのだ。
だから、ヴィヴィオが夜泣きをしていたら、なのはママは眠れなくなる。
だけど、もうこれ以上、ヴィヴィオがあの人の眠りを妨げる事は無い。
きっと今頃は、なのはママは安心して眠ってくれている筈だと、思う。
と、そこまで沈思した所で、気付く。
隣から聞こえる、啜り泣く声に。
「――って!! なんでノーヴェが泣いてるの!?」
「ば、馬鹿野郎、泣いてなんか……ねぇよ!」
「もう、涙拭いてから言いなよー……」
可愛らしい小さな鞄からハンカチを取り出して、差し出す。
ノーヴェはそれをひったくる様にして、自分の涙を拭った。
そんな姿を見て、ヴィヴィオはつい微笑んでしまうのだった。
なのはママ、わたしの周りには、こんなにいい人が沢山います。
みんなみんな、わたしの事を心配してくれて、良くしてくれます。
だからヴィヴィオは今、とっても幸せです。
なのはママに貰ったものは、今も全部この胸で生き続けているから。
それを受け継いで、ヴィヴィオはこれから、自分の力で歩いて行くから。
だからなのはママは、安心して眠っていていいんだよ。
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板