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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13
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『自爆装置作動。10分以内に退去して下さい。繰り返します――』
最初は、まるで意味が解らなかった。
突如として鳴り響いた警報と、今も成り続ける警告音声。
赤いアラートランプに照らされたアインハルトは、碧銀の髪を揺らして、白衣の男に視線を向ける。
瞠目だ。何が起こったのか、何を考えているのか、さっぱり解らない、と。
そんな思いを、未だ幼さの残った表情で訴えかける。
「おや、何を驚いているのかね。君はプレシアの最後の駒だろう?
つまり、君が死んだ時点で私もプレシアもゲームオーバー……そういう事だ」
「理解、出来ません……」
「ならば些か解り易くしてみよう。私はここで君に殺される。
だが、どうせ死ぬなら、君を道連れに逝く。どうだね、解りやすいだろう?」
「理解……出来ません……」
ここで、自分は死ぬのか?
そんな事、容認できる訳がない。
自分にはまだ、覇王の悲願を成し遂げると言う大義名分が残っているのだ。
それまで死ぬ訳には行かないし、戦いに勝ったのに死ぬとあらば尚更理解出来ない。
「だが、ゲームである以上はフェアでなければいけない。君にはまだ最後のチャンスがある」
「チャン、ス……?」
「ああそうだ。10分……いや、9分程度か、残された時間はまだあるのだよ?」
次の瞬間には、アインハルトは踵を返していた。
身体は重たい。動かせば激痛に肉が張り裂けてしまいそうになる。
だけど、それでも、ここで死ぬのだけは、絶対に御免だ。
どうせあの馬鹿男は、スカリエッティは放っておいても死ぬ。
ならば、自分は生への道に向かって、最期まで足掻いてみせる。
先程自分が蹴破ったドアを大股で跳び越して、アインハルトは真っ直ぐに走り始めた。
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