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没SS投下スレ

89未完成没:2011/11/22(火) 23:39:30 ID:tmT7LJp.
廃病院の一室。ことの全てが終わったときに落ち合う予定だった場所。
未だ目覚めないなのはを見守っていたアリサのもとに一人の来訪者が現れた。
一人。二人、ではない。

「……インデックスは?」
「私が殺した。ご褒美で回復するためにな」

エヴァは即答し鼻で嗤った。

「貴様らは存外いい駒だったよ。どいつもこいつも馬鹿みたいに私に希望を託して、
 利用されていることに気づこうともしない。
 おかげで私はグレーテルのヤツを容易く仕留めることができた上に
 身体状態まで良好と来たものだ。貴様らの愚かしさには礼を言わねばならんな」
「ありがとう」

息が詰まる微音。
エヴァが微かに眉根を寄せる。

「……インデックスにはもう感謝の気持ちを伝えることもできないから。
 だから、エヴァには受け取ってほしいの。なのはを助けてくれて、ありがとう」

つくづく気に入らんヤツだ。
エヴァは腹の底からそう思ったがその想いに深く沈んだものを口にすることはしなかった。

「……どこまでも目出度いなアリサ・バニングス。
 まあ、貴様が何をどう思おうが勝手だが、私はそんな話をするためにわざわざここに来たわけではない」

おもむろにエヴァがランドセルから氷の塊を取り出した。

『こいつを見ろ』
『何これ……ってエヴァの声が頭の中から聞こえる!?』
『念話だ。貴様も吸血鬼になったのだから魔力を扱う素地は整っている。
 この距離で私が

大きい。普通のランドセルならそれだけで容量を満たすほどの巨大な氷のブロックだ。
磨き上げられた芸術品のような氷塊の中には何かが閉じ込められている。
その何かがギョロリ、と。アリサと目を合わせた。
そんな錯覚を得たアリサは、肺を誤作動させたように鋭い息を吐く。
見覚えがある。マネキンのような顔。帽子のような複眼。
QBの生首だった。

「ちょっと、何でコイツの死体なんか……!?」
「ご褒美を届けに来たときに倒したんだよ。
 こいつが本気だったら恐らく私でも勝てる見込みは相当薄かっただろうが、なぜかそうはならなかった。
 こちらは一撃当てれば勝利する手があるというのにこの虫けらは何かを迷いながら逃げに徹するばかりだったのだ。
 腐ってもこの殺し合いの運営側、畜生の分際でも主の命には思いのほか忠実だったのかもしれんな」

エヴァのその推測は半分当たりだった。QBはジェダの命令「幼子との無闇な戦闘の禁止」によって
自身の判断力を僅かに鈍らせた。迎撃か、撤退か。
その吊りあった天秤を傾けるファクターは、今、腹が減っているかどうかである。
結局のところ、QBの思考パターンなど単純なものだ。
いくらジェダの命があったとしても空腹には耐えられないということは丸一日が経過したバトルロワイアルの中での
QB自身の行動が証明している。エヴァと戦ったときも、腹が減っていたならば事情はまるで違っていたことだろう。
本能に身を任せたQBはまさに天災のような戦闘力を発揮してきたのだから。


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