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没SS投下スレ

88未完成没:2011/11/22(火) 23:39:19 ID:tmT7LJp.
QBがご褒美を届けに来た森の一角。そこには纏わりつく瘴気のようなものが立ち込めていた。
抉れた地面。散乱した血の跡。転がる死体。
それらはこの島ではさして珍しいものではない。
瘴気の中心点は一人の少女。
銀髪の少女の遺体をボロのように、しかし愛おしいものを誰にも渡さないとばかりにきつく抱いている。
四肢で辛うじて無事に見えるのは左脚だけ。腹まで醜く穿たれ、削り取られている。
こいつは不味い。
QBをして食欲が失せるような惨状だった。
その辺りに転がっている死体のほうがまだ舌も腹も満足させてくれるだろう。

「回復だ。早くしろ」

瞳だけを威嚇するようにぎらつかせながら告げる。
浮浪者と何ら変わりない身なりと状態だというのに、爛々と輝く両目は獣のようだった。
QBがご褒美、大天使の息吹によってエヴァを治癒する。
瞬きの間に、まるで別の肉体が用意されていたかのようにエヴァの身体が再生した。
体調を確かめるように掌を開閉させるエヴァ。
役目を果たしたQBは背を向けて飛び立とうとする。

「……そう言えば、まだ半分置き土産があったな」

背筋がひりつく不快感にQBが振り返る。真っ向から隠す気のない敵意が返ってきた。
エヴァが左手に光の流れを収束させながらQBを見やり、性質の悪い笑みを浮かべている。

「もっともヤツにその気はなかっただろうがな」

  シニストラー・エーミッサ・スタグネット
――左腕・解放・固定・竜王の殺息

「喜べ。今の私は最ッ高に気分が悪い」

 コンプレクシオー
――掌握

「虫けらに相応しい末路を与えてやるよ」

溶けるような白い光を纏い、エヴァは下卑た笑みでQBを見下した。


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