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没SS投下スレ

87未完成没:2011/11/22(火) 23:39:06 ID:tmT7LJp.
意識に閃光が走る。半壊した体育館。
エヴァはそこで誰かと意志をぶつけ合っていた。

――おまえがこのまま死ねばそれは厄種のガキの殺害数になるだけだ。
  後には四肢をもがれた無力な人形が転がるだけ。それだけだ。

――なんの意味がある。全ては死に向かうだけだ。

――さっき正しいからは理由にならないって言ったのは、エヴァだろ。

――誰かを助けるために誰かを殺すって、どう考えたって泥沼じゃねーか。
  もう助からないから殺すって、もっと違うだろ。
  殺した奴は嫌われて、殺された奴の仲間は悲しむんだ。
  戦わなきゃいけないのかもしれないけど。
  殺さなきゃ生きられないのかもしれないけど。
  仲間が仲間を殺すなんて、仲間が敵に殺される以上に最悪じゃないか。
  誰かを嫌いになるなら、敵だけ嫌いになった方が、マシだっ。

あのときぶつけた言葉の数々。
それは倍加する威力でエヴァのもとへと突き刺さった。
今も全く同じだ、全ては死に向かう。
違うのはあのとき自らの口で肯定したものに、今は手を伸ばせないこと。
ニケが味わった苦悩に近い場所に、ようやく自分もたどり着いてしまったということだ。

「死に際にニケのヤツは言っていたぞ……。
 仲間が仲間を殺すなど、仲間が敵に殺される以上に最悪だと。
 ニケと同じ側に立っていたおまえがその想いを否定するのか」
「私はニケじゃないからね。ただの我儘でエヴァまで巻き込んじゃうくらい身勝手でもあるんだよ」

そんなものニケだって変わらないだろうと内心で吐き捨てる。
ああ、そうだ。正義はいつだって身勝手だ。


エヴァは寝そべったまま天を仰いだ。

「もう立てんよ……楽にさせてくれ」






「だいじょうぶ。エヴァならできるんだよ」



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