したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

没SS投下スレ

84未完成没:2011/11/22(火) 23:38:31 ID:tmT7LJp.

   *   *   *

この感覚には憶えがある。
あれはいつだっただろう。
確か……、そうだ。歩く教会が壊れて、大きな怪我をしたとき。
あのときも、こんなまどろみを引きずりながら目を覚ましていたんだ。

インデックスの意識はそんな感覚を得ながら覚醒した。

「エ、ヴぁ……?」

不鮮明に掠れた声の先。
仰向けに倒れている彼女を見下ろすように、血まみれの少女がそこにいた。
少女は――泣いていた。

「……来ない」

最後の希望を掴み損ね。

「ご褒美が、来ないんだ……」

体内回路を悉く破壊しつくし。

「古手梨花、メロ、リリス、グレーテル」

頭蓋が中から破裂したように総身を赤く染めながら。

「4人殺したはず、なのに」

彼女は血の涙を落としながら。

「来ないんだよ……」

命を削るように言葉を切り出していた。何かを懺悔しているかのように。


「……まんまとエヴァには騙されちゃったね」

エヴァが首だけを跳ね上げる。
騙す、とは何のことだか分からないが、それよりも先に足掻くことがある。

「インデックス、喋れるのか? ならば早く魔道書を……!」
「無理だよ。エヴァの身体は限界だもの。肉体が死ぬのが先か、魔力回路が崩壊するのが先か。
 そもそも魔力自体殆ど空なんだからもう私に魔力を送ることはできない。
 ……仮に魔力があったとしても、私ももう魔術を使う力なんて残ってないんだよ」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板