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テスト投下スレ

187なかまはずれ ◆PJfYA6p9PE:2010/09/12(日) 21:00:34 ID:Yzb87MqE

「何で殺したの……?」
「………………………………、え?」

しばらくの間、ヤミヤミには何のことを言っているのか理解できなかった。
だが、相変わらず動いていないさくらの視線の先を追って……気づいた。

「……彼女のことを言っているのですか?」
「…………」

返らぬ答えが、肯定を示していた。

「あの少女は敵でした。
 発言も行動も彼女が殺し合いに積極的な殺人者であることを示しています」

そんなことはあなただって分かっているでしょう。
知らず、語調にそんな調子が含まれた。

「……敵だったら殺していいの?」
「それは……仕方のないことです。
 そうしなければ仲間を守れませんでした」
「そんなことないよ」

ゆらりと、さくらが立ち上がる。
まだ湿ったままの木橋の上を静かに歩いていく。
ところどころ焼け焦げ、血管の模様が浮き出た死体の傍に向かって。
ヤミヤミはただそれを見ていることしかできない。

間もなく、さくらは死体を直下に見下ろす位置へ立った。

「この子の武器はレックス君には全然効いてなかった。
 他の武器も持ってたみたいだけど、それも使えなくなってた。
 そんな子が、それ以上、どうやって私たちを攻撃するの?」
「殺さずに捕えるべきだったと言いたいんですか?
 でも、私たちに捕虜を作る余裕はないんじゃないですか?
 見張りにさく労力の問題や叛乱の危険だって……」


「私はそんなことを言ってるんじゃないよ!!」


さくらがついに叫んだ。
その強い調子に気圧される。
予想だにしなかった展開に、戸惑いを隠せない。

「……この子、言ってたよね。
 殺さないと帰れないから殺すんだ。
 殺して何が悪い……って」
「確かに言っていました。
 自分勝手な理屈です」
「そうかな?」

思わず顔を上げると、さくらが真っ直ぐこっちを見ていた。
表情は何故か奇妙な半笑いだった。


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