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Fate/clockwork atheism 針音仮想都市〈東京〉Part3

469TOKYO 卍 REVENGERS――(開戦) ◆0pIloi6gg.:2025/06/10(火) 22:58:08 ID:D5Ika2WY0



 白い何かが、歩いていた。
 口笛響かせながら、高揚を隠そうともせず肩を揺らして。
 るんるんと、テーマパークにでも来たみたいに足を踏み入れる。
 それが持つ意味など、もたらす影響のでかさなど、まるで理解せぬままに。
 光の剣を片手に携えて、無垢の化身のような娘は新宿へ入った。

 何故? 楽しそうな気配がしたから。
 これは遊びの気配を見逃さない。
 楽しいことをしているのなら、私も混ぜてと無邪気に申し出て首を突っ込む。
 あの頃のままだ。神の資格を持った幼子が、世界さえ滅ぼせる力を片手にひたすら歩く。

 彼女が、侵入(はい)ってしまった。
 新宿に白き神が顕れた。
 この時点ですべての定石がひっくり返る。
 あまねく状況はリセットされ、石と棒の戦いが始まるのだ。

 ――そしてこの瞬間、〈はじまり〉の残骸達もまた、己の星を認識する。

 彼らは狂人。
 彼らは焼死体。
 焼け爛れたまま起き上がり、熱のままにそれを見つめる。
 誰にもその律動を止められない。台本の破棄された舞台は、無軌道(アドリブ)のままに混沌へ堕する。


 此処は針音聖杯戦争。
 そしてこれはその歴史に刻まれる、第一の大破局。


「――――へへ。私も交ぜてよ、みんなで遊ぼう!」


 午前0時15分34秒。
 神寂祓葉、新宿区に現着す。

 投げられた賽が、砕け散った。
 


◇◇


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