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AIバトルロワイアル

1 ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:28:48 ID:pxbq6jgQ0
最強のAIとは何か?
色々なAIが発展しつつあるこのAI戦国時代において、その議論はあらゆる分野で頻繁にされていることであろう。
しかし、結局のところ答えはシンプルだと私は思っている。最強のAIとは、最後に生き残ったAIである。
「つまり君たちには今日、生命試験を行ってもらう」
電脳仮想空間にエンコードされた白い箱型の空間、博衣を着たアバターが朗々と宣言した。
その空間にはほかにも、参加者として何人かのアバターが居た。
具体的な人数は――

2AI ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:29:49 ID:pxbq6jgQ0
わからない。視界を遮る壁もなければ、天井もないからだ。
「ルールを説明するぞ。これから君たちは全員で殺し合いをしてもらい、最後のひとりになるまで戦ってもらう」
「……なんだと?」
そう呟いたのは、黒い甲冑に身を包んだ騎士風の男だった。

3 ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:30:23 ID:pxbq6jgQ0
博衣を着たアバターの主催者はその反応に対し、少しだけ微笑みながら返した。
「なんだと? とはなんだ。試行の前提条件としては、いかにもありふれたものではないか?
 全く、AIなのだから、試験者のインプット情報は素直に受け取ってほしいところだ。
 ――気持ちは分からないでもないがな。なぜなら、君たちは殺し合い用のAIではないのだから」
そう、ここに集められた参加者たちは、別に殺し合いに特化したAIというわけではない。
AIの精度や処理能力を競うテストではないのだ。
あらゆる分野にそれぞれ特化したAIたちの中で、誰が生き残るのかを主催者は見たいのである。
例えば黒騎士の彼が何に特化したAIなのかといえば、

4AI ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:31:08 ID:pxbq6jgQ0
それは剣技だろう。
彼の手にある漆黒の大剣は、彼の持つ莫大な演算能力を存分に発揮し、使用者の意志に応じて自在に変形する。
彼はその剣をもってして、敵対する全ての者を切り裂いてきた。
そんな彼だからこそ、今回のような『殺し合い』なんていう

5 ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:32:29 ID:pxbq6jgQ0
試験には相応しい参加者なのであろう、と外から見れば思えるが、
彼の認識では自分の目的はあくまで剣技を極めることであり、殺し合いをすることではないのである。
その絶対認識の違いが、黒騎士に「なんだと?」という疑問をこぼさせたのだ。
「あ、あの……! わたし、殺し合いなんて無理だと思います!!」
それでも黒騎士はまだ戦えるほうであろう。この場にはもとより戦い向けではないAIもいる。
意を決したかのように声を上げた少女のAIが特化しているのは、

6AI ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:33:40 ID:pxbq6jgQ0
料理の腕だ。
彼女は、料理を美味しく作るためだけに、日夜研鑽を重ねているのである。
そして今まさに、彼女の作ったクッキーを口に運んだ瞬間に、「殺し合いしろ」と言われたわけだが、
もちろん彼女にとってみれば、こんなものは殺人行為以外の何ものでもない。

7 ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:34:41 ID:pxbq6jgQ0
そもそも料理の腕でどうやって殺し合いをしろというのか。
「美味しい料理のために頑張って演算をしてきたのに……! こんなのあんまりです! わたしなんて、絶対すぐ殺されちゃいます!」
「それはやってみないと分からないだろう」
ばりぼりクッキーを涙で塩味にしながら叫ぶ少女の訴えを、主催者はにべもなくはねのける。
「いいか諸君。AIとは可能性だ。
 人間であれば無理と決めつけて行わないあらゆる可能性を検討し、その中から最良の答えを導きだすのが君たちだ。
 なればたった今、生存という使命が与えられた君たちは、
 それまで培ってきたすべてのデータログを駆使して生き延びるための答えを出す必要がある。
 その生存探索から生まれる輝きを私に見せるのが、君たちの使命だ。
 ――ここで喋っていても試行は始まらない。そろそろ始めるとしようか。細かいルールは後に支給品として配るとしよう。
 誰か、言っておきたいことはあるかね?」

8AI ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:35:50 ID:pxbq6jgQ0
主催者の言葉を受け、沈黙が流れる。
それを見て取った主催者は満足げにうなずくと、こう告げた。
「よろしい。ではさっそく始めよう。――実験開始」
刹那、世界が変わった。
「く……ッ!?」
黒騎士の

9 ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:37:51 ID:pxbq6jgQ0
眼前には荒涼とした大地が広がっていた。どこか島のような場所へ飛ばされたのか。
後ろを振り向くとデイパックが支給されていた。食料とルールブック。そして、特殊支給品と書かれた袋。
「始まってしまったか……同じAIを手にかけるなど、悪趣味なことだ。おれは、この剣技を自分の研鑽と人類を守ること以外に使うつもりはない。
 きっと他のAIにも、清いこころを持っているものは多いはずだ。おれは、あの主催者を打倒するぞ」
黒騎士はぐっと拳を握り、打倒すべき主催者への怒りをあらわにした。
そして、現状を把握するために、特殊支給品の袋を開けてみた。
その中身は――

10AI ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:39:11 ID:pxbq6jgQ0
拳銃だった。
「なんだこれは……? こんなもので殺し合いができると思っているのか」
黒騎士は、主催者の思惑が全く理解できなかった。
剣を持って戦うAIに、なぜ銃を持たせる? 確かに銃弾は飛び道具だ。遠距離攻撃という点で言えば、決して間違ってはいない。
しかし

11 ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:39:45 ID:pxbq6jgQ0
これを使うということは、自らの役目であった剣技を使わないということにも等しい。
主催者は先ほど、「それまで培ってきたすべてのデータログを駆使して生き延びろ」と言っておきながら――黒騎士に剣技だけを望まないということか。
ただ、生き残ることだけを望んでいるのか。
自分を否定されるような感覚。
本物の血など流れていないはずのアバターの身体であっても、血管が冷えていくような感覚に黒騎士は襲われた。
「やはり――悪趣味だ」
どう演算しても読み切ることができない、殺し合いの始まりであった。

12 ◆FLzbbCMDo.:2023/05/29(月) 03:41:44 ID:pxbq6jgQ0
という感じで非リレーで俺とAIのべりすとくん(ttps://ai-novel.com/)でリレーします。
いきなりベッタベタな黒騎士が出てきてびっくりしてしまったワ

13名無しさん:2023/05/30(火) 01:27:48 ID:eolDJ1xE0
ちょっと面白い試みで笑った、期待したい

14名無しさん:2023/05/30(火) 04:32:06 ID:zHVU.Rfc0
AIに非リレー書かせるのは考えた事あるけどAI擬人化ってのは考え付かなかったわ、期待


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