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異世界召喚オリロワ

1 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/01(土) 00:09:25 ID:BWOM3.ZM0
【この企画について】
異世界の亡国『プシュコマキア王国』を舞台にしたオリジナルキャラクターによるバトルロワイアルです。

【wiki】
ttps://w.atwiki.jp/isekaiorirowa/

【ルール】
ttps://w.atwiki.jp/isekaiorirowa/pages/125.html

【したらば】
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/subject.cgi/otaku/18490/

【地図】ttps://i.postimg.cc/MH5KYJNK/A.png

2伝説の始まり ◆lRVJbhW.5o:2023/04/01(土) 00:12:32 ID:BWOM3.ZM0
我々の知る歴史とは異なる分岐点を辿った世界。
俗に言う並行世界、或いは異世界というものは無数に存在するとされる。
パラレルワールドと称される概念は、SFを通して広く知れ渡って既に久しい。
しかし、それが実際に現実として存在していることは証明されていないし、実在を信じるものも少数だ。
あるかもしれないし、ないかもしれない。そういう印象が大多数だろう。
異なる世界は普通なら絶対に交わらない。観測できないのなら、無いも同然なのだ。

しかし、何事にも例外は存在する。

その内のひとつが、科学ではなく魔術が台頭し、大小様々な国家と種族が日々を生きる大陸『パンゲア』である。
中でも、肥沃な領土と屈強な兵力を持ち、偉大なる王により統治された大国。
国民総人口50万人、異種族、奴隷、解放奴隷、外国人を含めると100万を超える有数の王国『プシュコマキア』。
異なる世界同士が接続する未知の現象、『異変』はここで発生した。

―――

大陸歴18XX年、建国から数百年の歴史を誇る王国の終わりは、ある日突然に訪れた。

全ての始まりは王都からだった。
国土の中心部に位置する都、歴史を感じさせる雄大な王城を柱に囲む城下街。
万を超える人々が生活する国の心臓部は、一夜にして崩壊した。
たった一人の侵入者によって、栄光の首都は魔都へと変貌を遂げたのだ。
具体的に何が起きたのかは、当事者以外には知るよしもない。
ただ、そこで生活する市民、往来する商人、駐屯する兵、旅人に至るまで、外部からは一切の連絡が取れなくなった。
異変を察知した者が確認に赴くも、その殆どが音信不通となった。
しかし、中でも少数の生き残りは、周囲の街や教会にその惨状を伝えた。


曰く、君臨した『傲慢』と『色欲』の手により、都は掌握されたと。

対応した誰もが、最初は何の冗談だと笑い飛ばそうとした。
しかし、生存者の鬼気迫る様子は、それが冗句の類ではないと納得させるには充分すぎる程だった。

決死の覚悟で伝えられた宣戦布告。
しかしその知らせは、結論から言うと手遅れとなった。
事が本格的に露見する前に、既に国中が厄災の坩堝と化していたのだ。
王都の盾となる屈強な兵たちは殆どが傀儡となり、守るべき民にその刃を向けた。
人々の模範となるべき騎士たちは、従順な下僕として無辜の人々を襲い、殺し、たまに思い出したように、人攫いのごとく誰彼構わず王都に拐っていく。
軍は最早明確な敵だった。
そうした明確な被害が現れ始めると、漸く王国の民は危機を認識した。
座して厄災を受けるだけでなく、理不尽に抵抗する人々が現れた。
それは地方領主の貴族連合だったり、屈強な冒険者たちだったり、勇気ある国民たちの義勇軍でもあった。
しかし、明確な人類の敵を前に彼らは団結出来なかった。

王国軍に対抗できる戦力として期待された貴族連合。
その旗頭だった公爵が乱心し、指揮を取っていた有力者たちを殺害した。
それは一度だけに終わらず、『強欲』に幾度も似たような事態が引き起こされ、指揮系統は大混乱した。
さらに追い討ちをかけるように、『色欲』に狂った貴族達や役人、軍の高官による理解不能な裏切りが頻発し、中枢は誰が敵か味方かもわからない、疑心暗鬼の坩堝と化した。
王国の危機に内なる不和が加わると、そこからはもう転がり落ちるしかない。
勇気ある彼らは烏合の衆へと成り下がり、戸惑う彼らに魔王たちは容赦なく終わりをもたらした。

―――

北の山脈周辺には地獄が広がっていた。
麓に点在する村や町には忌まわしき巨人どもが襲来し、建物ごと人々を蹂躙し、”食事”に勤しんでいた。
追い討ちをかけるように、北の地は村人も冒険者も騎士も貴族も男も女も子供も区別なく、狂ったように互いで殺し合う魔境と化していた。
人だけではなく、人を襲わないような穏やかな獣や魔獣すらも、その牙や爪を容赦なく振るい、誰彼構わず殺し殺されていく、そんな『憤怒』が蔓延していた。

3伝説の始まり ◆lRVJbhW.5o:2023/04/01(土) 00:13:26 ID:BWOM3.ZM0
また別の地方では、蝿の王に率いられた魔の軍勢が謀ったように侵攻を開始した。
ゴブリン、コボルト、トロール、オーガ、人に仇なす魔族たちの軍勢が疲弊した民に容赦なく襲い掛かる。
虎視眈々と機会を伺っていたのか、他種族の集まりにも関わらず統制が取れていた。
王国の営みを喰らい、飲み干す『暴食』は身近ながらも恐るべき勢力だった。

最後に彼らの抵抗を挫いたのは病だった。
ある領地を基点に蔓延した奇病は、生を謳歌するもの全てに『嫉妬』するかの如く苛烈な広がりをみせた。
土地すらも腐らせる不治の病、それは魔族すら例外ではなく猛威を振るい、この地の生きとし生けるもの全てを巻き込むように汚染していった。

混沌だった。

疑心、不和、絶望、病によって、魔王を倒そうと立ち上がった勇気ある者たちは瓦解していった。

当然、厄災に襲われる国に止まらず、国外に脱出しようと試みた者も数多く居た。
身軽なもの、元から風来坊の旅人、あるいは自身と家族を救うため、全てを捨てて逃げ出す者など。
国境には大勢の避難民が押し掛けたが、その希望は容易く打ち砕かれた。

白い濃霧、或いは雲、もしくは嵐。
何とも形容しがたいそれが、国を丸ごと覆うように隔離していたのだ。
国境線にある町は分断されるように向こう半分が住む人々ごと消え、何をどうやっても向こう側に渡る事が出来なかった。
空を飛べるグリフォン使い、飛行の魔術を修めた魔術師が空から離脱を試みたが、嵐はどれだけ上に飛べども果てがなく、やがて脱出は不可能という結論に至った。

やがて博識な者は気づいた。これは伝承に語られる『異変』ではないかと。
パンゲア大陸では、過去の魔王再来が伝承として残っている。
曰く、魔王は邪悪なる魔神による使徒、人類の天敵、厄災であると。
聡明な知恵者ほど誰よりも現状を理解し、そして絶望した。
夥しい犠牲者を出したとのみ記録される混沌無形な伝承が、この地で現実となったと気づいたからだ。

誰よりも率先して異変に対処した勢力は勇者教会だった。
人々を愛する慈悲深い神と、神に遣わされる救世主『勇者』を信仰する勇者教は、伝承として風化しつつあった神敵たる魔王の脅威に、相応の知識と備えがあった。
彼らは混乱の最中でも信徒たちの保護、及び魔族への対処を行っていたが、そこに立ち塞がったのが『ディアボルス教』なる邪教団である。
突如現れたこの新興宗教は、教祖の異様なまでのカリスマ性と人心掌握術により無視できない勢力に急成長し、『異変』発生と同時に本性を表した。
西の都ベルスを中心に、勇者教徒とディアボロス教徒による、大規模で苛烈な宗教戦争が勃発した。

当初、二つの宗教勢力の衝突は拮抗していたが、やがて怠惰を冠する魔王”たち”の襲来により、勇者教勢力の本部であった王国大教会が壊滅。
信仰の拠り所でもある本拠地を喪った教徒たちは動揺した。
それでもなお信徒たちは抵抗を続けていたが、魔王軍の猛攻に、やがてその力は削がれていった。


正に混沌。


人も魔も毎日大勢が死んでいった。
そして『異変』発生から一年が経過した頃、100万近くだった人口は僅かな生存者を残し、最早栄華を極めた王国は国とも呼べない程に壊滅の憂き目に合っていた。
文化は破壊され、人々の営みはもはや風前の灯火。神に愛されし生きとし生きる者たちは等しく絶望していた。

もはや、滅びを受け入れるしか無いのかと。
誰もが救いを求めた。

その声なき叫びは、世界に届いた。

―――

求めよ、さらば与えられん。

寄り添う『博愛』が、
求め与える『希望』が、
尊ばれる『信仰』が、
素晴らしき『知恵』が、
揺るぎない『正義』が、
揺らがない『堅固』が、
そして自制する『節制』が。

そうあるべきと定められた七元徳の体現者たちが、大罪を討つ救世主が漸くこの地に召喚され始めた。

ーーー


その瞬間、全ての魔王が悟った。



玉座に座る傲慢が、
怠惰を貪る魔王たちが、
無垢なまでに強欲な貧者が、
生を憎み、嫉妬に狂う病が、
暴食を司る蝿の王が、
性を支配し嫌悪する色欲が、
憤怒を抱く英雄と巨人の王が、

全員が例外なく悟った。
これまでの行いは全てが前座、本当の使命はこれから始まるのだと。



神話、あるいは伝承に語られる英雄譚。
後世において、この戦いはそうした物語として語られるだろう。



勇者と魔王の戦いが、今始まる―――

4登場人物名簿 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/01(土) 00:15:23 ID:BWOM3.ZM0
登場人物名簿

■勇者
【『博愛』の勇者】1/1
○水篠 由亜
【『希望』の勇者】3/3
○坂本 竜也/○音花/○萩野 龍郎
【『信仰』の勇者】1/1
○東宮 黒穂
【『知恵』の勇者】1/1
○翠山 文緒
【『正義』の勇者】1/1
○禅院 斬人
【『堅固』の勇者】1/1
○我龍院 征子
【『節制』の勇者】2/2
○シュテラ・アストリート・フォン・エーレンライヒ/○青城 銀凪

10/10名

■魔王
【魔王プライド(傲慢)】1/1
○ルシファー
【魔王エンヴィー(嫉妬)】1/1
○インヴィディア
【魔王スロウス(怠惰)】4/4
○にぃとちゃん☆/○ワスプ大司教/○柴田 叶一里/○ベルフェゴール
【魔王グリード(強欲)】1/1
○ナナシ
【魔王グラトニー(暴食)】1/1
○バアル
【魔王ラスト(色欲)】1/1
○ジューン・ザ・エンチャントレス
【魔王ラース(憤怒)】2/2
○大帝ユミル/○シュヴェルト

11/11名

■異世界の民たち(現地人)
【王族関係者】4/4
○ダッカン王子/○トリコヒメ/○アレクサンダー・ヴィクトリウス/○キール・ザギノ
【『博愛』の仲間たち】2/2
○シグルズ/○ロボ
【冒険者】3/3
○ゾーカー・フィーラー/○秋野 直樹/○威力最弱太郎
【勇者教】1/1
○ジャンヌ・ダルク

10/10名

【IF√(書き手枠=1票勢限定)】5/5
○/○/○/○/○

■1票勢
【フレデリカ・エレーヌ・フランソワーズ】
【ナーモス・ククーガ】
【メープル・ドッグラン】
【ケント・ネルソン】
【星冬】
【太郎】
【ピカリン☆】
【リゼット】
【オガリ・カプゥ】
【ギルデ・ブルーハート】
【タケル・サツマ】
【ホラス・モーブ】
【ロコゴテ・タマシウ】
【スタンチク・ジェスター】
【ジャック・カース】
【マスク・ザ・グリフォン】
【ニーハンス・伊勢野・ラウハ】
【マチルダ・クラシクス】
【ナナヤク・ハマラヤ】
【カザミ・ドゥーリー】
【『討伐名』クラウパイダー】
【コッロク・C・プシュコマキア】

5企画詳細 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/01(土) 00:21:50 ID:BWOM3.ZM0
【舞台について】
・異世界パンゲア大陸に位置する『プシュコマキア王国』が舞台となります。
・世界観の基盤は剣と魔法(魔術)のファンタジーです。
・国境を覆うように『嵐の壁』が展開されているため、国内から脱出は出来ません。
・無理に出ようとすると死亡します。
・一年に及ぶ『異変』により、王国は国家として成り立たない程に崩壊しています。
・科学・魔法的な手段を問わず、国外への連絡手段は全て遮断されています。
・上記設定は物語の進行によって変更される可能性があります。

【地図について】
・地図に記載されていない施設を追加描写してもかまいません。
・基本的にキャラシに記載された施設などを参照してください。

【NPCについて】
・登場人物名簿に記載されている人物以外にも現地の生存者は存在します。
・NPCを出しても構いませんが、数が多すぎたり扱いが困難な場合、何らかの方法で処理します。

【『異変』について】
・本編開始時の約1年前に発生したイベントです。
・『嵐の壁』による国境の封鎖と、下記の『魔王』襲来を示します。

【魔王について】
・『魔神』により権能を授かった者の総称です。
・目的は魔神に捧げる『贄』の確保であり、滞ると魔神からペナルティが課せられる場合があります。
・人間関係はキャラシを参照します。
・魔王全員の死亡が確認されると、本ロワは終了となります。
・『贄』の具体的な捧げ方は指示されておらず、魔王に一任されます。
・メンバーが死亡した場合、魔神から啓示として全員に通知されます。
・魔王同士に面識があるかは書き手に一任します。

【勇者について】
・上記の『魔王』を倒すため、何らかの加護を授かり王国に召喚された者たちの総称です。
・勇者たちは全ての魔王を倒すと『何でも願いを叶える権利』を与えると神から説明されています。
・召喚時期は基本的に『異変』発生から一年後ですが、個々でバラつきがある場合もあります。
・勇者は七元徳に基づく7組の勇者が召喚されると把握しています。
・残存の勇者が死亡した場合、勇者たちは直感で理解します。
・勇者同士が初対面の場合、自己申告以外で誰がどの勇者かは把握できません。

【現地人について】
・登場人物名簿に記載されている現地人枠のキャラは勇者召喚まで生存が確定しているキャラです。
・『異変』発生から一年の間の行動は書き手に一任します。

【予約について】
・予約を行う際にはトリップをつけてください。
・予約は必須ではありません。
・予約期間は予約開始から7日とします
・投下が難しい場合、予約延長が可能です。
・延長期間は5日とします。
・分割投下は無しです。
・自己リレーは可能です。
・上記ルールは進行状況によって変更される場合があります。

【ズガン枠について】
・現地人枠で応募されたキャラはズガン枠(一話退場)で出しても構いません。
・ズガン枠に関しては書き手枠を消費しません。
・落選した勇者・魔王枠のキャラはズガン枠でも採用不可とします。

【作中での時間表記】

深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24

【状態表テンプレート】
・各話の最後に以下のテンプレに従って表記してください。

【場所/日付・時間】

【キャラクター名@所属(『』の勇者・魔王『』・現地人)】
[状態]:
[道具]:
[方針]
基本.
1.
2.

6 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/01(土) 00:23:33 ID:BWOM3.ZM0
以上です。特殊な形式のオリロワですが、頑張っていこうと思います。

7 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/06(木) 05:01:18 ID:LFi7Hgw20
投下します

8怠惰たちの日常 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/06(木) 05:02:25 ID:LFi7Hgw20
王国領内で商業都市として栄え、第二の都とも歌われた西の都ベルス。
『異変』発生から一年の合間に、その栄光はすっかり失われ、ディアボロス教徒と魔族の連合が占領する魔都と化していた。
その街で、とある区画に位置する豪華絢爛な建物が目を引く。
好き勝手に人間の街を荒し過ごす魔物も、異様な雰囲気のディアボロス教徒も周囲に居ない、破壊もなく場違いなまでに小綺麗な姿を保った洋館。
そこは、とある魔王たちの拠点だった。

元は名のある地方貴族の住居だっただけはあり、内装や家具に至るまで一級の物が揃っていた。
寝室のど真ん中を占領するのは、何とも日本風なコタツ。
そこに入り浸る二つの影。

「…………」

黒いマントに角のアクセサリーと、ド○キで売っていそうな安っぽいコスプレ衣裳を着用した青年が、現代家具の快適さを享受しつつ、仰向けの姿勢でただじっと横になっている。
彼は魔王スロウス、本名ベルフェゴール。
魔王としてこの異世界にやってきた転生者だ。
彼から見てコタツの正面に座るのは、片手でスマホを弄るだらけきった幼女の姿。
彼女はにぃとちゃん☆。異世界転生でリアルバ美肉を決めた転生者2号だ。
王国を恐怖に陥れた魔王2人が同室に居る異様な空間は、しかし剣呑さとは無縁とばかりにだらけきった空気で満ちていた。

「……あ、ベル君ベル君」

ふと思い出したと言わんばかりににぃとちゃん☆がベルフェゴールに声をかける。

「……」

しかしベルフェゴールは聞こえているのかいないのか、彼女を無視した。

「おーい、ベルベルベ君、起きてるだろ君、返事してよ〜。ベルベルト君〜」

「……ボクはベルフェゴールだ」

うざ絡みするにぃとちゃん☆を無視する方が面倒と判断したのか、とんでもなく億劫な様子で口を開くベルフェゴール。

「ワスプさんが言ってたけどさぁ〜。俺たちも勇者っての何とかしないといけないんじゃない?」

「あぁ、勇者か……そんな話もあったな」

勇者。魔王に対抗すべく、この地に遣わされた敵の存在は把握していた。
権能のお陰で”仕事”に不便はなく、魔王ライフをイージーモードで平和に過ごしていた二人にとっては面倒な話だ。

「まるでラノベかなろうみたいな話だよねぇ〜。おじさんびっくり」

「……」

命を狙われているとは思えないくらい軽い調子のにぃとちゃん☆だが、ベルフェゴールも似たような反応だ。
お互い怠惰極まる二人は、しかし魔王と呼ぶに足る凶悪な権能を備えている。
それ故の、相手が勇者だろうが何だろうがどうにかなるだろうという満身楽観の極みが彼らのスタンスだ。

「そういや柴っちは?」

ふと思い出したかのように、にぃとちゃん☆が、暫く見かけない同僚の行方を訪ねる。

「……知らないよ。どっかで勤勉に人間狩りでもしてるんじゃない?」

柴田叶一里。ベルフェゴール、にぃとちゃん☆と似たようなタイプの魔王。
人格ではなく、境遇がだが。
魔王スロウスの中でも同じような境遇の柴田とは何かと交流はある。
しかし、何かに駆り立てられるように職務に励む柴田と、文字通り怠惰な二人は話が合わない。
柴田は魔王としての職務に使命感、或は情熱と言っても良い程のやる気を見せるが、この二人には無理な話だ。

「うーん……ぶっちゃけさ、あの子何だか苦手なんだよね。
ある意味ワスプのおじさんより話が通じないというかさ、雷神様がどうのとか、言ってることも良くわからないし……。
ディアボロス教団の人達も同じく何考えてるか分からないし、にぃとちゃんはカルトが苦手なのですよ」

余談だが、魔王スロウスの中でも年長者であるワスプ大司教は、打算込みとはいえ二人の衣食住の世話をしていた。
戦力+監視の意味も多分にあるだろが、その相手をカルト呼ばわりとは中々に酷いが、残念ながらそれを指摘してくれる良識のある者はこの場には居ない。

9怠惰たちの日常 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/06(木) 05:03:12 ID:LFi7Hgw20
「でもそろそろ何かしないといい加減怒られそうだしなぁ……あぁ辛い。労働は敵。私達ニートは1日働いただけで過労死するのですよ〜」

心底ダルそうに呻くにぃとだったが、そこでベルフェゴールが口を開いた。

「ボクと君を一緒にするな」

不服そうな表情のベルフェゴール。心外だと言わんばかりの言葉ににぃとちゃんが目を丸くした。
そこそこ長い付き合いだが、ベルフェゴールがここまで感情的になるのは珍しかった。いや、初めてかもしれない。

「君は文字通り殆ど何もしていないが、ボクはキチンと働いている。
ボクの『四天王』にも、それっぽい奴がいたら駆除するように指示してあるぞ」

ベルフェゴールは怠惰だ。
働くのも動くのも息をするのも何もかもが億劫で憂鬱だ。
しかしそれでも、ニート等という社会不適合者と一緒にされるのは嫌だった。
ベルフェゴールは前世で心が折れたからこそ魔王になり、情熱とは無縁だ。
いまここで死ぬような状況になっても、ベルフェゴールはきっと直ぐに生を諦めるだろう。
しかし、何者にも干渉されない傷つかない権能は彼が求めた力でもあり、それを失う事を恐れている。
だからこそ、権能による丸投げとはいえ最低限の仕事はこなすのだ。
そして事実、ベルフェゴールがこの地にもたらした被害は魔王と呼ばれるに相応しい規模であった。
対してにぃとちゃん☆は、何故魔神に選出されたのかも分からない存在だ。
彼女は魔王でありながら、この地で本当に何もしていない。
いや、ひとつだけしていた事がある。
異世界の地に根を張っていた宗教組織、勇者教。
強固に抵抗を続ける勇者教徒に業を煮やしたワスプ司教に助力を求められ、二人はそれに応じた。
一見やる気の感じられないベルフェゴールもその時ばかりは本気を出し、雑に生み出した『四天王』を勇者教徒にけしかけ、自らも権能を活用し、かの協会の本部に殴り込んだのだ。

にぃとちゃん☆もその時一緒に居た。
居ただけで、特に何かをしていた記憶は無いが。
怠惰の名を冠する魔王の中で、最もかの大罪を象徴しているのは、きっとにぃとちゃん☆だとベルフェゴールは思っている。

「いやいや、おもいっきり部下に丸投げじゃんそれ〜」

呆れたようなにぃとちゃん☆の言葉に反論しようとして、しかし半ば開いた口は閉じられた。どうやら不快感と反論を口にする労力を考えると、後者の方が勝ったようだ。再び黙り込むベルフェゴールの姿に、にぃとは蜜柑を付き出した。

「……?」

困惑した顔のベルフェゴール。

「次は君が剥いてよ蜜柑。そういう約束でしょ」

切り分けた蜜柑の欠片を頬張りながら要求するにぃと。
そういえば、そんな約束をしていた気がする。面倒で返事すら曖昧だった気がするが、話はしていた。

「……ハァ……憂鬱だ面倒臭いやりたくない働きたくない…」

「いや順番じゃん!向いてよ皮!」

「ボクは一口も食べていないんだが……」


魔王二人の日常は、未だに平穏であった。




【西の都ベルス、元貴族の館(C-3)/午後:14〜16】

【ベルフェゴール@魔王『スロウス』】
[状態]:健康
[道具]:
[方針]
基本.何もしたくないが勇者を見つけたら殺す
1.ボクはニートじゃない…
2.こいつ何で魔王に選ばれたんだろうな…

【にぃとちゃん☆@魔王『スロウス』】
[状態]:健康
[道具]:
[方針]
基本.働きたくない
1.勇者とかラノベみたいだよね〜
2.まぁ何とかなるでしょ

【備考】
・ベルフェゴールとにぃとちゃん☆はワスプ大司教、柴田叶一里と面識があります。
・ベルフェゴールは『四天王』に勇者の捜索を行わせているため、西の都ベルス周辺を該当個体が徘徊しています。

10 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/06(木) 05:03:31 ID:LFi7Hgw20
終了です

11名無しさん:2023/04/06(木) 13:22:59 ID:t0yf7h0w0
投下乙です。
しかし、とても魔王同士の会話とは思えんな………(;^ω^)

12名無しさん:2023/04/06(木) 18:36:02 ID:QDOTg1Xw0
投下乙です。

そうか魔王スロウスは4人全員が地球産か。同じ地球かはわかんないけど。
そう考えると他の魔王より同じスロウス同士で繋がりを持ってそうってのは、盲点だったけどめっちゃ納得。

13 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/09(日) 08:46:28 ID:97P4BHH20
投下します

14蜜月の夜 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/09(日) 08:47:25 ID:97P4BHH20
ーーーー


一切抵抗せず、その場を動くな。これは命令だ。

やぁアレク、元気にしていたかい?
おや?余の顔を忘れてしまったのかい?酷いじゃないか、余と君の仲はそれほどまでに浅いものだったのかな?
屑の巣窟の中でも数少ない同族同士、君は解ってると思っていたけどね。はは。

ああ、無駄だよ。もう余は君に命じた。何をどうやっても抵抗は出来ないよ。これはそういう権能なんだ。
……だから抵抗は出来ないといっただろう。君は相変わらずだね。守る価値もない屑のご機嫌取りに精一杯か。
その愚直な使命感も君の魅力だからね、寛大な余は赦そう。
今宵は記念すべき日だ。祝祭の場では無礼講は赦されるものさ。

さて、200年ぶりの外は……相変わらずだね。下等な屑どもの吐き出す息で鼻が曲がりそうだよ。あぁ嫌だ嫌だ。

ああそうだ、忘れていた。
貴様ら、息絶えよ。これは命令だ。

あぁアレク、そんなに怒らないでくれ。屑に慈悲をかける君の優しさは美徳だが、今はそんなものに目を向けてくれるな。
狭苦しい監獄ではなく、久方振りの外での逢い引きだ。二人っきりが良いだろう。

そう、長い、あまりにも長い幽閉だった。あんなカビ臭い場所に閉じ込められて200年も!一人で!
皆が余を居ないものとして扱った!不要だと切り捨てた!
だがどうだ!偉大なる神は余を見捨てなかった。素晴らしいお力を余に授け、お救いくださったのだ!
傲り高ぶった連中が身の程を弁える時が来たのだ!ははは、傑作じゃないか!

血筋ばかりを誇る王宮の糞虫ども、久方振りに見た連中の顔ときたら、とても見物だったよ。君にも見せてあげたかった。

どうしたその顔は?後悔しているのか。ふふっ、いやいや勿論余は知っているよ。貴方が余を檻から救い出そうと、王(クソムシ)に陳情してくれていたのは。
アレク、余は君を恨んでいないよ。ああ、そうだ。恨んではいないとも、ええ。

でもね、そんな回りくどい手を使わずに、直接助けに来てくれても良かったじゃないか。
邪魔する連中を片っ端から切り捨てて、立場なんか吐き捨てて、颯爽と余を救うことも出来ただろう?
王国でも有数の実力者である君ならば、苦にもならなかった筈さ。
いやいや余もわかる。君には立場があった。
余と同じ混血の君が王国の騎士として大成するまで、余程の苦労があったんだろうね。この糞虫の吹きだまりの国は人間のものだもの。

寂しかったんだ。
辛かったんだ。
居ないものとして扱われるのは筆舌に尽くしがたい苦痛だ。
余という存在の価値を誰も認めようとしなかった。
だから、余は誰の価値も認めない事にしたんだ。これは正当な主張だろ?

でも、君はそうしなかった。
これまでの事は水に流そう。
これからは余だけを見て、感じて、触れて、生きて欲しい。

分かったね?これは命令だ。

15蜜月の夜 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/09(日) 08:48:50 ID:97P4BHH20
ーーーー

プシュコマキア王国中央部、王都。
壮大な王城を囲うようにある城下町には、正に地獄のような光景が広がっていた。
物理的な破壊は意外にも少ない。
首都としての外見は損なわれる事なくこの地に残っているが、そこに正常な民は最早一人も残っていない。

「「「「「…………」」」」」

虚ろな目で徘徊する人影。彼らは善良な市民であり、騎士であり、兵士であり、冒険者だった者たちだ。
しかし、彼らは生存者ではない。
王国の心臓部に、色街であった一角を除き、最早人の営みは無いと言える。
極少数の正気な者も居たが、一年の合間に殆ど淘汰されてしまった。

王座を簒奪した魔王は己の権威に拘り、制圧後に民たちに選択肢を提示した。

従うか、死かを。
今の王都で生きている者は前者を選択した。
傲慢の権能により徹底的に自我を剥奪・希薄化され、最低限のルーチンワークをこなすだけの傀儡にされる。
これが魔王の脅威に屈し、恭順を示した者たちの末路だった。
抗った者たちの末路は、都市の大通りや広場にあるオブジェだ。

抉られ、貫かれ、折られ、捥がれる。
そんな破壊の後がある亡骸が、奇妙なオブジェとして至るところに山のように積み上げられ、鎮座している。

魔王の命令で『贄』にされた市民たちの亡骸は、どれも腐ることなくその状態を保ち続けていた。
街に立ち込める腐臭を嫌った魔王が、ただ一言『腐るな』と命じたからだ。
鳥も貪らず、蛆すらも沸かない屍は悪趣味な芸術品のようでもあった。
平和に各々の人生を歩んでいたであろう彼らの最後は悲劇としか言い様のないものだ。だがそれでも、王族たちよりはマシだった。
ほんの一年前までは尊い血筋とされ尊敬されていたこの国の王族・貴族たちは、死後もその尊厳を破壊されている。
中央広場には一年前から処刑台が設置されている。
その台の上には、凡そ人間が考え得るありとあらゆる方法で辱しめられ、羞恥と苦痛の果てに息絶えた王族たちの亡骸が飾り付けられている。
比較的少数の温情を与えられたと判断できるものは斬首か首吊り、それ以外の大多数は口に出すのも憚られる方法で『遊ばれて』いた。
野良犬と交わされながら斬首された者、破裂する寸前まで糞や詰め込まれ、風船のように腹が膨らんだ者、裂けるまで尻に石や枝、釘を詰め込まれた者など、創意工夫を凝らしたのか、悪意のバリエーションがとんでいた。
その死体も他の者たちと同様に腐敗せず、無様な形を不自然に保ったまま、見せしめとして飾り付けられ、延々と生き恥を晒し続けている。


ーーーー

16蜜月の夜 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/09(日) 08:49:56 ID:97P4BHH20

プシュコマキア王城、元国王が使用していた寝室。
魔王プライドはそこに居た。
室内の光源はランプの灯りだけ、香を炊いているのか、薄暗い室内は仄かに甘い香りが漂っている。
灯りに照らされ、暗闇にぼんやりと浮かび上がる二つの白い肌。

寝具に横たわり、下着すらも身に付けず、産まれたままの姿を晒す耳長の美青年。
細身だが鍛え上げられた肉体は、見る者に戦士としての実力を感じさせる。
アレクサンダー・ヴィクトリウス、プシュコマキア王国の英雄。
将軍と一緒に国の両翼とも称されるハーフエルフの英雄。

「……」

彼は感情が一切抜け落ちたような虚無の表情を浮かべ、寝具の上で動かない。
そんな抜け殻のような王国の英雄を、だき枕のように扱う華奢な人影。
銀髪の長髪を弄りながら、うっとりと胸板に抱きつく魔性。
薄手の黒いランジェリーという欲情的な格好をした彼女、いや彼か。
少年のようなあどけなさと、女のような色香を両立させた中性的な美貌は、性別の特定を困難にさせる。
魔王ルシファー、一晩で首都を落とした悪名高い魔王プライド。
ルシファーは恍惚とした表情で混血の英雄を愛でていた。

アレクサンダーはルシファーにとって数少ない特別な存在だ。
政治闘争に破れ、王家の家系図から事実上抹消されたルシファーは、親族に当たる王族の手によって200年以上もの間、監獄塔に幽閉されていた。
只人ならば終身刑に等しい年月だが、長命種のエルフの血を引くルシファーは生き長らえる事ができた。
しかし、早々に死んでしまった方が良かったのかもしれない。
ルシファーは妾の子だった。使用人という地位の低い身分でありながら、美しく聡明だったエルフの母を気に入った父が、強引に召し抱えたのだ。
王族の中でも権威ある序列の男が、身分違いの女を愛する。
まるで物語のサクセスストーリーだが、現実はそう甘くはない。
父の正妻とその親族は激怒した。特に正妻の怒りは凄まじく、その感情の矛先はルシファーと彼の家族に向けられた。
日々老いていく自分と、常に若い美貌を保つエルフの女とを比べてしまったのだろう。嫉妬に狂った女の情念は凄まじかった。
流石に父親が存命中は口出しをしなかったが、彼が亡くなった後に彼女を止める者は誰もいなかった。
何度も暗殺者を差し向けられ、殺されかけた経験が幾度もあった。
単にルシファーが命を繋ぐことができたのは、アレクサンダーを初めとする良識ある者たちの援助のお陰だ。

しかし、肝心の救いの手は差しのべられなかった。少なくともルシファーはそう考えている。
迫害された記憶を、人は決して忘れない。
当時を知る只人の関係者は死に絶えても、ルシファーの身に流れる血が彼を生かす限り、憎悪は消えなかった。

「『ルシィを好きと言いなさい』」

「あぁ、ルシィ、大好きだよ……」

愛の囁きに心が満たされていく。
ここにはルシファーを愛してくれる者しかいない。それ以外は要らない。
欲しかった物も、欲しかった者も全て手に入れた。
権能という素晴らしい贈り物により、ルシファーはこの世の万物を意のままに支配できる権力を得たのだ。
何者にも軽んじられず、支配し、恐れられるというというのは何と甘美な喜びか。
ルシファーは幸福だった。



「我が君、すこぉーーーしよろしいでしょうかな!!!!」

17蜜月の夜 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/09(日) 08:50:50 ID:97P4BHH20

蜜月の時を吹き飛ばす声。
大声で室内に飛び込んできた道化師は、大仰な仕草で会釈する。

「……スタンチク、余は休むので暫く室内に入るなと言ったな」

額に青筋をたてながら、冷えきった声で来訪者を咎めるルシファー。
表面上は穏やかだったが、先程までの穏やかな眼差しは消し飛び、代わりに特大の怒りを滲ませつつあった。

「んんんんんっ!おやおやおや失礼、アタクシ考えるバカですので!てっきり『ご命令』なさらないのでワタクシに裏を読め、という意図が隠されていると思い、あえて逆張りでご報告に参じましたのです、ハイ。しかしそれでは足りないかもとも思いまして、ええ、ですから逆の逆の逆で逆の意図を察しました!」

爆発しそうな雰囲気を感じていないのか、それともあえて無視しているのか、スタンチクと呼ばれた少年道化師はケラケラと笑いながら弁解する。

「………………それは入らない方の選択になるんじゃないか?」

長い沈黙の末に、絞り出されたルシファーの言葉にスタンチクは固まる。

「あれ?あれれれ?そうですかね!そうですか!そうですね!これは失礼を我が君、ワタクシは間違えてしまったようです。でも逆の逆の逆の逆で逆なら……あれ?」

発言の矛盾に追加で困惑するスタンチク。その様子を眺めながら、先程までの怒りを潜め、呆れたような微笑みを浮かべるルシファー。
スタンチクもまた、ルシファーにとって数少ない大切な存在だ。
寧ろ、アレクサンダーよりも近しい位置に彼は居る。
彼からの差入れは、冷たい監獄の中でも暖かさを与えてくれた。
さらに外に出てからも、ルシファーの魔王プライドとしての行いを一切咎めず、ありのままに受け入れ、変わることの無いスタンチクはルシファーにとって真に気を許せる友であり、右腕だった。


「まぁ良い、それで報告とは何だ。寝室にまで来るのだから、よほどのものだろうな?」

「そうですね、ご報告は二つ!まずは勇者召喚についてですねぇ!
兵からの情報や、ワタクシ個人のツテでお調べした所、ほぼ間違いなくこの地に召喚されたと確定いたしました!」

「ほぅ、勇者、勇者が……」

勇者、魔王を討ち滅ぼすために招かれた異世界の英雄。
その存在は魔神様からの啓示により聞いていたが、とうとうやってきたのか。

(他の魔王がどうなろうが知ったことでは無いが、挑んでくるのであれば……余が直々に滅ぼしてやる)

勇者の命を贄に捧げれば、魔神様もさぞやお喜びになるだろう。
そう戦意を燃やすルシファーを尻目に、スタンチクを報告を続ける。

「さらに、さらにですよ、二つ目のご報告ですがぁー、逃亡した王家の方々の潜伏先の目星をつけたのですハイ!」

二つ目の報告にルシファーの目の色が変わった。忌々しい事に、この国の王族には未だに生き残りがいる。
ダッカン、この国最後の王子。
例え国や民を失い、権威も糞もないゴミに成り座っていたとしても、やり残しは後味が悪い。確実に殺す。
完璧な復讐を成すことはルシファーの人生の生き甲斐なのだ。

「でかしたぞスタンチク!余にそう述べると言うことは、詳細な場所も既に把握したのであろう?」

「えぇ、えぇ、ハイ!ワタクシ頑張りましたのですハイ!」

上機嫌なルシファーに朗らかに応じるスタンチク。
宮廷道化師はその役割上、王家と非常に縁が深い。
中でもスタンチクは一族の歴史や交遊関係を全て見てきた生き証人だ。
だからこそルシファーは協力を求め、彼はそれに応じてきた。
しかし、一年もかけて王子は未だに尻尾を掴ませなかった。
しかしそれも終わりだ。

18蜜月の夜 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/09(日) 08:51:43 ID:97P4BHH20
蜜月の時はお預けだが、この素晴らしい日々は永遠に続く、ならば次の機会に堪能しよう。

「スタンチク、地図を用意してくれ。『アレク、余のために兵を率いて出陣し、王族を生け捕りにしてこい、これは命令だ』」

「はい」

命令を受け、魔王の忠実な僕に切り替わるアレクサンダー。
その様子を満足げに見るルシファーを、道化師は変わらず笑顔で眺めていた。

(さて、アレクサンダー様が後出陣なさるとは……まーたダッカン王子にご報告せねばなりませんねぇ)

道化化粧の下で、スタンチクは保護する王子の未来を案じていた。
スタンチクは尊い血筋に太古から使えるホムンクルス。
王家の血だけを尊び、慈しみ、笑わせ、守る。それだけが彼の役割だ。
王家の血を引くルシファー、ダッカン王子は彼にとって同じく主人であり、対等な価値を持つ。
だからこそ、両者をそれぞれの求める方法で守ってきた。

虐殺は止められなかったが、ルシファーという王族が王族の死を望むのならば、それに従うのも吝かではない。
重要なのは王家の血が絶えないこと。
ルシファーか、ダッカン王族か。どちらが勝っても王族の血は残る。
ハーフエルフであるルシファーは世継ぎを設けるには充分すぎる時があり、ダッカン王子は責任感から国の復興を目指すだろう。その先の繁栄は不確かだが、王族の義務として世継ぎを残す可能性は高い。
つまり、どちらが勝ってもスタンチク的には一切問題がなかった。

(まぁダッカン王子も逃亡生活で限界でしたし、後は勇者との合流が成功するかにかかっていますね)

文献や伝承、過去の統計から、勇者が召喚され得る所在地はある程度推測できる。
その情報は既に伝えてある。

(聡明な王子ならば此方の意図を察し、動いてくれるでしょうね)


魔王と勇者の戦い。後世に伝承として語られる歴史の裏で、こうして暗躍する者も居たのであった。


【王都、王城(B-6)/夜:18〜20】

【ルシファー@魔王『プライド』】
[状態]:健康
[道具]:
[方針]
基本.対勇者
1.王族は必ず根絶やしにする。例外は無い
2.アレク(アレクサンダー・ヴィクトリウス)、余のためだけに生きろ。

【備考】
・スタンチク・ジェスターに対しては権能を使用していません。
・傀儡化した市民を従えており、定期的に贄を捧げさせています。

【アレクサンダー・ヴィクトリウス@現地人】
[状態]:健康、傲慢の権能による支配下、洗脳状態
[道具]:
[方針]
基本.ルシィ(ルシファー)のために行動する。
1.ルシィ(ルシファー)のために王族を生け捕りにする。
2.ルシィのためだけに生きる

【備考】
・傲慢の権能により支配されており、洗脳状態になっています。
・ルシファーの名により、傀儡化した軍を率いて王族の確保に向かいました。どの程度の規模かは任せます。

【スタンチク・ジェスター@現地人】
[状態]:健康
[道具]:
[方針]
基本.王家の血を引く者(ルシファー、ダッカン王子)に従う
1.ワタクシ考える馬鹿ですので、どちらが生き残っても大丈夫なように考えるのですよ!
2.まぁ全員死んじゃっても王族自身がそう考え、望んだのならセーフなのです!

【備考】
・ダッカン王子と何らかの方法で連絡を取っており、逃亡の援助をしています。
・ダッカン王子に勇者が召喚されそうな位置の情報を伝えています。

19 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/09(日) 08:52:12 ID:97P4BHH20
投下終了です

20名無しさん:2023/04/09(日) 22:01:28 ID:C0/WZnF.0
投下乙です
ルシファーとダッカンのどちらにも情を抱いてないスタンチクの最低な感じが良かったです
ルシファーは予想以上にアレクに入れ込んでて、これはジューンと拗れそうだ

21 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/21(金) 07:04:47 ID:QV.Uukbg0
投下します

22エンカウント ◆lRVJbhW.5o:2023/04/21(金) 07:05:35 ID:QV.Uukbg0
俺の名前は秋野直樹、平凡な日本の高校3年生だった者だ。
約二年前、大型トラックに轢かれて異世界転移を経験した俺は、異世界の国家プシュコマキア王国で暮らしてきた。
ほぼ無一文で縁も所縁もない地に放り出されて、我ながら良く生きてこれたと思う。
これも、俺の持つ物語の知識のお陰と言っても過言ではない。

『原作知識』

そう、この世界のシナリオを俺は知っている。とはいっても、原作は聞き齧っただけの雑多な物で、最終回も観ていないアニメのものだが。
どういうわけか、この異世界は俺が見ていたアニメの世界観と不気味なほど酷似していた。偶然と判断するには国名も何もかもが似すぎている。

この知識のせいで、いずれ来る本編という名の厄災に怯えるハメになったのだが、まぁケースバイケースだろう。

アニメでこの世界に冒険者という職歴・資格・身分証明不要の職がある事を知っていた俺は、藁にも縋る思いでギルドに駆け込み、どうにか職と身分証明を得る事ができた。
そこから先は、本編に備えて入念に準備を重ねてきた。
とりあえず、日雇いのバイトとクエストでコツコツ金をため、先輩冒険者に頭を下げて生き延びるコツを教わった。
日々のストレスを覚えた女遊びと安酒で誤魔化し、どうにか手段を模索する日々、我ながら頑張った方だと思う。
野宿やら馬小屋で寝泊まりする日々も苦じゃなかった。何せ命がけなのだ。
現代社会の有り難みに懐古しながら過ごす日々だったが、お陰で逞しく成長できた気がする。そうも思わないと異世界では生きていけないのだ。

忙しく日々を生きる合間に、俺はどうにか日本に帰るための手段を模索したが、一山幾らの冒険者という頼りない身分である俺にとれる手段も、ツテも殆ど無かった。

結論として、俺のとれる現実的な手段は勇者との合流しかなかった。
俺の知る限り、帰還できる可能性が最も高いのは勇者しか居なかったからだ。
勇者の殆どは現代日本からの召喚者で、神様転生タイプ(厳密には転生ではなく転移だが)である。
ならば魔王を倒せばご褒美として帰還させるくらいのことはしてくれるだろう。
この○ばみたいに。

チート盛り盛りの勇者なら魔王もきっと倒してくれる。だって主人公だし。
そこそこ有能なモブポジションで勇者に協力し、上手く便乗すれば、神様の慈悲で俺もきっと帰れる。
それだけを希望に頑張り続けた。
この世界も嫌いではないが、骨を埋める覚悟は無いのだ。ビバ現代日本!

23エンカウント ◆lRVJbhW.5o:2023/04/21(金) 07:06:21 ID:QV.Uukbg0
ーーーー

異世界生活もこなれ、ある程度生活基盤が整うと、俺は生活の拠点を辺境に移した。
俺が転移した場所は王都だったが、アニメ第一話で盛大に崩壊していた首都に居続けるなんて、リスクでしかないからだ。

そのお陰で最初の難問、異変発生による首都壊滅からは逃れられたものの、そこからはまぁ大変。
国は大混乱に陥るし、普段は雑魚な魔物も件並み活性化するしで、何度も死ぬような目に遭った。
身を寄せていた避難所も謎の疫病の蔓延(嫉妬の魔王の権能だろう)と魔物の襲撃で早々に壊滅したし、ここまで生き延びてこられた俺は実に幸運だった。
それからはサバイバル生活を送りながら、ひっそりとチャンスを伺っている。

異変発生から一年、その機会がようやく巡ってきた。

ーーーー

プシュコマキア王国、とある森。

「おい直樹、本当に勇者とかいう連中はこの辺にいるのか?」

呑気な同行者の声に、俺は更なる疲労を感じながら振り返った。
典型的ななろう顔といった没個性的な印象の顔立ちの男は、緊張感の欠片もない表情で突っ立っている。

お察しの通り、コイツは同郷の人間だ。同業者で、名前は威力最弱太郎。
気が狂っているとしか思えないが、これが本名らしい。
威力最弱太郎は、依頼人と頻繁にトラブルを起こす問題児だった。
俺よりも冒険者歴が長いのに、未だにFランクという底辺の地位にいるヤバイ奴だ。
どう見ても同郷だったコイツに声をかけたのが腐れ縁の始まりで、異変が起こった後も一緒に行動している。
俺と違って謎のチートを持つコイツは戦力として有能だったし、事実、この一年間で最弱太郎が居なかったらヤバかった場面もチラホラあった。
異変後からはサバイバル生活で寝食を共にした仲だが、正直未だに何を考えているのか良くわからない奴だ。
まぁ妙に現地の連中に敵意を持っている事以外は割と話が通じる奴だし、人付き合いに飢えていた俺にとっては、数少ない友人とも言える。

さて、そんな太郎と俺は、勇者との合流を目的にこんな場所を彷徨いている。
勇者召喚、具体的な日程なんて俺の知識にも無いが、俺の知るとある勇者が召喚されたシチュエーションから逆算し、この森の付近に居る可能性が高いと判断したのだ。
というか居てくれないと困る。
流石にこれまでの生活で物資も限界だし。
気合い、というか一種の妄執を頼りに彷徨うこと三日目、俺たちはお目当ての存在を探り当てた。

ーーーー


(で、デカイ……そして怖えぇ……)

始めて生で見るフロストドラゴンは、アニメで見るより迫力満点だった。
氷のような白い鱗を持つ、バカデカイ竜、シグルズ。
500年の歳月を生きた氷竜は、俺たちに見定めるような視線を向けてくる。
彼らこそが、俺たちが探していた博愛の勇者PTだ。
シグルズの背に乗っている小学生くらいの幼女がその証拠である。


「それで、お前たちは何者だ?」

赤みがかった黒毛の短髪、犬耳と尻尾が生えた少年ーーロボが、前に出た。
その顔は俺たちへの警戒心が剥き出しだ。
異変が始まって一年、マトモな人間と遭遇する機会は激減し、俺たちが何者なのか判断に困ったのだろう。

魔王の従僕か、生存者か。
博愛の勇者ーー『水篠 由亜』の敵と判断されれば、命はない。
ロボは兎も角シグルズが俺たちを見下ろす目に殺気はないが、その視線だけで膝が震えて止まらない。
本能で生物としての格の違いが分かった。
この二人が本気を出せば、木っ端冒険者の俺たちなんか、二秒も持たず地面のシミにされてしまう。

「まってくれ!俺たちは敵じゃない!日本人だ!アイアムアジャパニーズ!」

やっとの事で絞り出した言葉は、我ながら随分と間抜けなものだった。

「ほぅ……由亜の同郷の者か。確かに似た生命力を感じるな…」

(すげぇ、アニメの声優と同じ声……いや、当たり前なんだろうけど…)

どう見ても人語を発するのに向いてなさそうな竜の口から、流暢に人間の言葉が飛び出してくる光景は圧巻だった。
視聴者視点だと何の変哲もない会話シーンなんだろうが、実際見ると違和感が半端ない。というか怖い。

24エンカウント ◆lRVJbhW.5o:2023/04/21(金) 07:07:14 ID:QV.Uukbg0
「に、日本の人ですか…?もしかして、勇者でしょうか?」

日本人という点に引かれたのか、由亜が恐る恐る訪ねてきた。
ここだっ!ここしかない!というかPTメンバー威圧感ありすぎて話進められない!

「い、いや! 勇者じゃなくて、異世界転移者というか……」

俺は勢いに任せて、これまでの経緯をぶちまけた。
大型トラック、異世界転移、冒険者活動、ゴブリンに殺されかけた思い出、異世界風俗デビュー、バイト生活、エトセトラ。
途中から慌てすぎて余計な事を口走った気もするが、嘘をつくよりは断然良い。

途中から三人の視線が可哀想な人を見る目にシフトしていたが、そんなことを気にする余裕はない。
兎も角水篠ちゃんの信用を得るために、懸命に己の無害さを主張した。
博愛の勇者は単体では他の勇者に劣るが、強力なPTを率いる一大勢力だ。
彼女が遠からず他の勇者と合流するシナリオなのは知っている。
一般人に毛が生えた程度の俺でも分かるほどに、ロボとシグルズは強者だ。
まだPTメンバーは全員揃ってないようだが、この二人だけでも戦力は充分すぎる。
ここで保護……とまでは行かなくても、同行するだけでも、安全は保証されたようなモノ、故に必死だ。

「おい太郎、お前も黙ってないで自己しょ……」

一頻り話し終わり、ネタも無くなった所で、先程から沈黙する太郎に話を振るために俺は振り返った。


「…………」

するとそこには、鬼のような形相で勇者PTを睨む最弱太郎の姿があった。

『お前の威力弱すぎwwwwww』

止める間もなく、太郎はこの場で分かりやすく強い存在であるシグルズにチートを発動した。

「な、何だこれは!?我輩の力がーーっ!!?」

あっという間に、氷竜シグルズをシグルズ足らしめる力が剥奪されていく。
身の丈30mはあった体躯がみるみる萎み、あっという間に太郎達と変わらないサイズに縮んだ。
驚くギャラリーに構わず、太郎は持っていたナイフを構え、衰えたシグルズに飛びかかるーー

「何やってんだお前ええええええーー!!」

寸前で直樹が太郎を羽交い締めにした。

「は?何って、チート現地人を殺そうとしただけだが?」

俺何かしちゃいましたか?と言いたげな表情で返す威力最弱太郎。

直樹は戦慄した。
太郎の現地人嫌いは知っていたが、ここまでとは。
これまでの共同生活で、直樹が原作知識を持つことは知らせてはいないものの、勇者の有用性や魔王の厄介さは耳にタコが出きるほど教えてきた。
なのに、太郎は躊躇なくシグルズの排除を行おうとした。
完全に狂っている。

「貴様ら……ッ!由亜!シグルズ!僕の後ろに隠れていろ!」

激怒したロボが変身を解き、巨大な狼のような姿に変化する。
ファンタジーの塊であるドラゴン
と違い、大型の獣というビジュアルはもうそれだけで分かりやすい恐怖を伝える。
蛇に睨まれた蛙ならぬ狼に睨まれた人、チビりそうになった。
というか少し漏らした。



「あっ?お前もチートか。死ねよ」

ロボの真の姿を見た最弱太郎が再び豹変し、敵意と憎しみを込めた目でロボを睨み付けた。
人狼ロボの威圧にも全くビビっていない。
チート現地人を狩るためなら、命すら捨てられる覚悟を持つ異常者。
それが威力最弱太郎という男だった。

「ま、ちょ、これは違う!ノーカン!ノーカン!」

「まっ、まって!喧嘩は駄目だよ、まずは話をーー」

心優しい由亜が争いを諌めようとするが、この流れは止められなかった。

「下がっていて由亜っ!コイツらは敵だ!」

25エンカウント ◆lRVJbhW.5o:2023/04/21(金) 07:09:07 ID:QV.Uukbg0
(あっ、俺しんだわ)

終わった。完全に敵認定された。敵意溢れるロボの姿に直樹は絶望した。

「は?お前マジ現地人の癖に生意気だな。殺すぞ」

諸悪の根元である太郎は、少年の姿から変貌したロボをチート認定したのか、負けず劣らずの敵意と殺意を発している。

(いや余裕あって良いよなお前はチートあるからね!でも俺は何もない一般人なの!簡単に死んじゃうの!あぁぁぁぁぉ!!どうしよう…どうすれば…ッ!)

これまで練り上げてきた完璧な勇者合流チャートが崩壊してしまったショックで混乱状態に陥る直樹。
あと数秒も立たず、この場で流血沙汰が発生するのは目に見えていた。
しかし、状況は思わぬ形で一変した。


「あらあらあら! どうやら一番槍は私のようですわね!」

一触即発の場に響く、甲高い女性の声。
全員が振り返ると、いつの間にかこの場にそこに見知らぬ人物が居た。

(う、嘘だろ…何でコイツが此処に…ッ!)

誰よりも早くその正体に気がついたのは直樹だった。
直樹の知る原作知識、その物語の後半で勇者と遭遇する筈の敵。

「見ていますか魔神様!この私こそが!魔王として相応しいと!これから証明いたしましょう!
他の屑よりも早く、真摯に、ひた向きに!勇者の首をあなた様に捧げましょう!あっははははは!!!」

注がれる視線など異に介さず、魔神への熱き信仰を叫び称える怪人。
西洋人形のような美しさを台無しにする、滲み出る邪悪なオーラ。
病的に白い肌は、不自然なほど生命力に充ち溢れている。
敵味方問わず、王国に疫病をばらまいた最悪の『嫉妬』、彼女こそが魔王エンヴィーだった。

【森 (D-6)/午後:14〜16】

【威力最弱太郎☆現地人】
[状態]:健康、チート現地人への殺意
[道具]:ナイフ
[方針]
基本.生意気な現地人は許さん。
1.竜とか生意気!お前の威力弱すぎだからww
2.は?獣の分際で人間様に楯突くな殺すぞ
3.なんだこの女?お前もチートか?

【備考】
・秋野直樹と交流があり、異変発生からこれまで行動を共にしていました。
・シグルズにチートを発動しました。解けるかは不明です。

【秋野直樹@現地人】
[状態]:健康
[道具]:聖剣ファイナルソードと星砕きのグレートスターズ
[方針]
基本.お家帰りたい…(切実)
1.太郎なにやってんだぁぁぁ!
2.何でここで嫉妬の魔王が出てくるんだよ!中ボスだろコイツ!

【備考】
・異変発生から威力最弱太郎と行動を共にしていました。
・原作知識がどの程度の精度なのかは書き手に任せます。

26エンカウント ◆lRVJbhW.5o:2023/04/21(金) 07:09:37 ID:QV.Uukbg0
【シグルズ@現地人】
[状態]:健康、最弱状態、弱体化(大)
[道具]:
[方針]
基本.対魔王、由亜を守る
1.ち、力が出ない…
2.ま、魔王だと…

【備考】
・威力最弱太郎により威力最弱のデバフをかけられました。解けるかは不明です。
・ロボ以外の博愛の勇者PTキャラと面識があるかは不明です。

【ロボ@現地人】
[状態]:健康
[道具]:
[方針]
基本.対魔王、由亜を守る
1.この不吉な気配…魔王か!
2.この二人(直樹・太郎)はこの女の斥候か…?

【備考】
・秋野直樹と同行者(威力最弱太郎)を敵と認識しました。
・シグルズ以外の博愛の勇者PTキャラと面識があるかは不明です。

【水篠由亜@『博愛』の勇者】
[状態]:健康
[道具]:
[方針]
基本.勇者として、私に出来ることなら助けたい
1:シ、シグルズさんがちっちゃくなっちゃった!?
2.な、何だろうこの人たち…

【備考】
・シグルズ・ロボ以外のPTメンバーと面識があるか、もしくは遭遇しているか等はお任せします。

【インヴィディア@魔王エンヴィー】
[状態]:健康
[道具]:
[方針]
基本.私より恵まれた奴は皆殺す。
1.勇者発見!あぁ健康そうで明るい未来がある子供!狡い!狡い!死ね糞が!
2.取り巻きもついでに殺す。

【備考】
・他の魔王と面識があるかどうかは任せます。

27 ◆lRVJbhW.5o:2023/04/21(金) 07:10:19 ID:QV.Uukbg0
投下終了です

28名無しさん:2023/04/21(金) 08:46:44 ID:HLMIdWyM0
投下乙です。
なんと言うか……直樹、御愁傷様。
最弱太郎と仲良くなった時点で詰みだったね。

ところで細かいツッコミかもしれませんが、キャラシートだと由亜はシグルズを『シグルズおじさん』と呼ぶのに、今回の状態表だと『シグルズさん』表記になっているのが少し気になりました。

29名無しさん:2023/04/21(金) 21:27:28 ID:ovgm9Fas0
投下乙です
最弱太郎、勢いだけなら最強だろコイツ

30名無しさん:2023/04/23(日) 00:28:20 ID:xktRI8lg0
過激なエントリーしてるはずのインヴィディアが霞む最弱太郎の大暴れ

31名無しさん:2023/05/12(金) 19:56:11 ID:1ZX9B9x60
age

32名無しさん:2023/06/06(火) 21:36:20 ID:NFRcFqi20
age

33名無しさん:2024/01/05(金) 21:40:28 ID:m2jUqEJs0
滑り出しは良かったのに、完全に過疎っちゃったなぁ………


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