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ゲームキャラバトル・ロワイアル【第二章】

934果てなき夢 ◆NYzTZnBoCI:2025/06/05(木) 19:41:11 ID:WfubCnaA0



 シロガネ山の山頂には幽霊が出るらしい。
 ジョウト地方の一部では、その噂で持ち切りだった。
 ゴーストタイプの存在が当たり前なのだから、人間の幽霊程度で騒ぐほどのことではない。
 ならばなぜそんな〝些細な噂〟が人を惹きつけるのか。
 
 その理由は、〝強さ〟にあった。

 なんでもその幽霊は、法外に強いらしい。
 腕っ節や呪力が、ではなく。ポケモンバトルの腕前がだ。
 ただのオカルト話であれば焚き付けられなかったが、腕利きのトレーナーと聞けば話は別。
 かくして腕に覚えのある者が挑戦しては敗北し、噂に尾ひれがついてゆくのだった。

 そしてここにまた一人。
 新たなる挑戦者(チャレンジャー)が、躍り出る。

 その少年はトレードマークの金と黒のキャップを後ろに被り、吹雪の中でも闘志を燃やす。
 見据える先には、赤い帽子を目深に被った〝幽霊〟が佇んでいた。

 互いの間に言葉はない。
 けれど、掲げられたボールが何よりの会話となる。

 腕を振り上げ、ボールを投げる。
 寸分の狂いもなく同時に繰り出された動きに伴い、互いの相棒が姿を現した。

 片や、背から轟々と炎を噴き出すバクフーン。
 片や、頬にバチバチと電気を走らせるピカチュウ。

 世界においても比肩を許さない、最高峰の実力を持った相棒。
 繰り出される指示を聞き入れ、彼らは爆炎と雷鳴を撒き散らす。

 果てなき夢は、未だ終わらずに。
 雪の吹き荒ぶ山頂にて、伝説が幕を開ける。


 二人の少年は────笑っていた。





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