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ゲームキャラバトル・ロワイアル【第二章】

914タイプ:ワイルド ──金剛の意志、真珠の理念 ◆NYzTZnBoCI:2025/06/05(木) 19:27:25 ID:WfubCnaA0



 どこかの悪の首領が言った。
 

 ────君は、とても大事にポケモンを育てているな。


 その時に見せた表情は。
 威厳と風格に、一抹の寂寥を交えたような複雑さを持っていて。
 どこか遠くに置いてきてしまったモノを見遣るような双眸が、忘れられなかった。
 

 ────そんな子供に、私の考えはとても理解できないだろう。


 確かにそうだ。
 俺はその男の思想を、理解出来なかった。
 どうしてポケモンを悪事に使うのか。どうしてポケモンを世界征服の道具にするのか。

 時に笑い、時に泣き、時に喧嘩し、時に仲直り。
 俺にとってポケモンは、かけがえのない仲間だと思っていたから。
 彼らと共に足並みを揃えることこそ、最高のポケモンマスターだと信じていたから。
 何故みんなその光を目指さないんだろう、なんて。子供だった俺は心から不思議だった。


 けれど、今思えば。
 その男もきっと、目指していたんだ。


 夢の果てへ進み続けて。
 躓いては立ち上がり、遂に手の届く所まで来た頃には。
 眩い光に当てられた世界に生まれた、影の部分に染められてしまった。

 皆が皆、幸せでいられる世界になればいい。
 そんな綺麗事を吐くだけでは、理不尽に涙する人も、ポケモンも、救えない。
 だからあの男はきっと、〝光〟でいることをやめてしまったんだと思う。

 あいつはきっと、理解して欲しくなんかなかったんだろう。
 けれど今なら、少しだけ理解出来てしまう。
 あの男とトウヤは、同じ目をしていたから。


 だったら、もう一度教えてやる。
 忘れていたなら、呼び覚ましてやる。

 どんなに世界が残酷でも。
 どんなに世界が不平等でも。

 仲間と過ごした時間は、築き上げた絆は。
 そんな闇なんて切り払う、強大な光になるんだってことを。
 あの時俺達が過ごした時間は、何にも負けない力になるんだってことを。
 


 なあ、そうだろ?



 ────トウヤ。







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