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ゲームキャラバトル・ロワイアル【第二章】

913タイプ:ワイルド ──金剛の意志、真珠の理念 ◆NYzTZnBoCI:2025/06/05(木) 19:26:27 ID:WfubCnaA0




 勝負を制したのは。
 ジャローダであった。




「ピカ……っ、……!!」

 
 無音を打ち消したのは、レッドの悲痛な声。
 慣性に則った減速の後に倒れ伏すピカチュウの身体には、流れるような一筋の傷が刻まれていた。

 対するジャローダは。
 振り返り、ピカチュウからトウヤへと視線を移す。
 その顔は果たして、勝利の余韻に浸るわけでも達成感に満ち溢れるわけでもなく。
 実感の追いつかないような、戸惑いが滲んでいた。

「…………オレの勝ちです、レッドさん」

 そんな彼女を後押しするかのように、そう告げる。

 紙一重の勝利だった。
 一つでも違っていれば、負けていたのは自分だった。
 けれどこの瞬間をもって、バトルを制したのは間違いなく自分なのだと。

「何言ってんだよ」

 そんな〝間違い〟は、呆気なく否定される。

「まだ、勝負は終わってないだろ」

 何を、と。
 口にするよりも先に、鋭い悪寒が背筋を捉える。

「そんな、……ばかな……!」

 トウヤの視線はレッドからピカチュウへ。
 瞬間、彼の瞳は有り得ないものを見るかのように大きく見開かれた。

 ボロボロの体で、今にも倒れそうになりながら。
 それでも燃え上がる闘志を隠そうともせずに、瞳の奥に炎を宿して。


 ────ピカチュウは、立っていた。


 耐えるはずがない。
 残り体力から見て、リーフブレードを受け切ることなど不可能だったはずだ。
 幾千幾万の戦いを乗り越えて、対象のステータスを数値化するほどの慧眼を持つトウヤだからこそ、断言できる。


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