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ゲームキャラバトル・ロワイアル【第二章】

531エレクトリック・オア・トリート ◆vV5.jnbCYw:2021/09/07(火) 16:43:42 ID:das02p0w0

「罠があるか確認してください。」
喫茶店が無人の場所だと分かって、最初に発したゲーチスのセリフはそれだった。

「どういうこと?」
発言の意図が分からなかったエアリスが尋ねる。
今更言うまでもないが、未知の場所において、罠の存在に注意するのは重要なことだ。
それが命のやり取りをする場なら猶更である。
だが、どうしてこのタイミングでそんな注意喚起を始めるのかは分からなかった。


「分からないのですか?あの獣人が罠を仕掛けて、ワタクシ達をこの場所に誘導した可能性もあるのですよ。
ここに入った時の鈴の様な音はそのトリガーかもしれません。」

声を殺してエアリスに注意を喚起するゲーチス。
ゲーチスが言っていたことは、整合性が取れていると言えば取れている。
殺し合いに乗った者を軟禁しているというのは真っ赤な嘘で、代わりにその場所に罠を張り、優しい人物を嵌めようとするということだ。

「そんな感じには思えないけどなあ……。」
エアリスはソニックを悪だとは思っていない。
千早と言う少女が隙を突いて逃げ出したのだと思う。
だが、ゲーチスの考えが正しい、あるいは第三者の襲撃の可能性を考慮し、弓矢を構える。
その予想は杞憂に終わり、喫茶店の奥に入っても何も変化はなかった。
だが、喫茶店内をくまなく探してみると、1つ異変が見つかった。


フライパン、鍋、コーヒーメーカー、まな板、冷蔵庫、それにお洒落な食器。
喫茶店の台所を構成する道具のほとんどがあったが、肝心なものが1つだけ無くなっていた。


「きっとここにあったはずの包丁を持ち出して逃げたのよ。」
包丁が立てかけてあるはずの場所を指さす、
しかし、殺傷力がある武器が持ち出されたとなると、是が非でも逃げた千早という女性を探さねばならなくなる。
ナイフを持ったせいで傷付けられる者が現れる可能性は言わずもがな、千早が素人だという前提を踏まえると使い方を誤って怪我をしてしまう可能性だって十分ある。

護身用の武器を持っていないと、安心して眠るのも難しいミッドガルのスラム出身の彼女だからこそ、悪いケースをいくつも思い付く。


「どこへ行くつもりですか?」
早速喫茶店から出ようとするエアリスを、ゲーチスが呼び止める。

「どこって……とにかく逃げた千早を追いかけないといけないでしょ!」
「その必要がありだと、本気で思っているのですか?」
「そうに決まっているでしょ?こうしている間にも千早って子が誰かを襲ったりしたらどうなるか分かってるの?」

またもゲーチスの発言の意図が分からぬまま、エアリスは行方不明の少女を探すことを提案する。

「ワタクシたちは『喫茶店にいる千早を』保護して欲しいと言われました。従ってそれ以外の場所にいても、知ったことではないということです。」
「そんなの暴論よ!」

ゲーチスは自分達の管轄外の問題には、関わる必要がないと、ソニックの言葉を曲解する。
勿論エアリスは、そんな主張を良しとするわけがなかった。
ソニックが戻ってきた時、「既に千早はいなかった」とでも言えば仕方が無かったことになるかもしれないが、頼まれたことを放棄するのは彼女の道理に反していた。

「暴論?ならばこれからどこへ居るとも分からない少女をどう探せと?」
「場所が分からないからこそ、探さないといけないんじゃないの?」


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