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ゲームキャラバトル・ロワイアル【第二章】

248一難去って…… ◆vV5.jnbCYw:2020/08/09(日) 23:05:49 ID:GLuPxMxc0

どうしてザックスを刺したのか、本当に刺したのは千早なのか。
細かいことを考える間もなく、折れた心の隙間から何かが零れていく。


それは決して零れてはいけないものだった。
でも、掬う暇もなく、零れていく。
やがて、掬うこともできないほど、下へ下へと零れていく。





「なあ!!あの人殺しと知り合いって、どういうことだよ!?」
「落ち着け!!雪歩の友達が人殺しなわけないだろ!!」
リンクが大声で美津雄を咎める。

「オレが聞いた幻聴を聞いたとでもいうのかよ!アイツは「如月千早」って名乗ってたんだぞ!!」
「……!!」

そう言われると、事情を見ていないリンクは黙ってしまった。


雪歩は答えに詰まった。
答えられない。
元の世界で知っている千早が、人殺しをするような人ではないから……というわけではない。
最早思考する余裕がないからだ。
言葉は出ず、口からは荒い呼吸しか出ない。

その時に取れた行動はただ一つ。


「私をここから逃がして!!!!!!」
ただ力いっぱいチョコボの手綱を引っ張った。


「クエエッ!?」
急な命令にいささか驚きつつも、言われた通り全力で南へ向かって走る。
勿論、二人の足ではとてもじゃないが追いつけない。
2Bの全速力なら、まだ追いつけるかもしれないが、彼女は今いない。


「雪歩!!待ってくれ!!」
「おい!待てよ!!」
リンクと美津雄がそれぞれ叫ぶも、瞬く間にチョコボの黄色い尾羽は小さくなってしまった。

「な、なあ、オレ、悪くないからな?それとも、オレが見たものを疑っているのかよ!?」
「誰もそんなことは言っていない。」
美津雄はリンクの顔色をうかがいながら、自分の無実を主張する。
しかし、リンクとしても問題があった。
2Bならともかく、自分はとてもじゃないが全力疾走のチョコボには追い付けない。


「リンク、一体これは!?」
ちょうどその時、2Bが戻ってきた。

「2B、雪歩が南へ逃げて……」
「分かった。リンクはその子を頼む。」
リンクの話をすべて聞く前に、2Bは全速力で雪歩を乗せたチョコボを追いかける。
残された二人の手には、アオキノコが5個ほど渡された。


「ザックスがどこにいるか案内してくれ。」
「……分かった。」


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