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君の名は。バトルロワイアル

1 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:23:51 oJfWurM20
参加者一覧

【ひだまりスケッチ】○ゆの○宮子○ヒロ○沙英○なずな○乃莉○茉里 7/7

【ジョジョの奇妙な冒険】○サンタナ○偽テニール船長○ヌケサク○吉良の同僚○梨央ちゃんの隣人○アバッキオの同僚の警官○ウェカピポの妹の夫 7/7

【名探偵コナン】○ジン○ウォッカ○キャンティ○コルン 4/4

【彼岸島】○隊長○ポン○まり子様 3/3

【男塾シリーズ】○月光○雷電○飛燕 3/3

【DAKER THAN BLACK】○黒○ノーベンバー11○エイプリル 3/3

【真夏の夜の淫夢】○野獣先輩○虐待おじさん 2/2

【ブラックラグーン】○ヘンゼル○グレーテル 2/2

【鋼の錬金術師】○スカー○キング・ブラッドレイ 2/2

【教育実習生絶頂す】○神谷○石井先生 2/2

【金剛番長】○爆熱番長○外道番長 2/2

【HELLSING】○大尉 1/1

【パジャマな彼女】○パコさん 1/1

【寄生獣】○浦上 1/1

【魔法少女育成計画】○森の音楽家クラムベリー 1/1

【ハンターハンター】○団長の手刀を見逃さなかった人 1/1

【コードギアス】○C.C 1/1

【キルミーベイベー】○没キャラ 1/1

【TOLOVEる】○校長 1/1

【マジンガーシリーズ】○ボス 1/1

【ドラえもん】○ジャイ子 1/1

【ゴルゴ13】○ゴルゴ13 1/1

【ボボボーボ・ボーボボ】○ソフトン 1/1

【金田一少年の事件簿】○佐伯航一郎の伯父 1/1

【NARUTO】○ヤマト 1/1



書き手枠 ○/○/○/○/○/○
※名簿のキャラが全員登場した時点で打ち切り。
※本名が明記されていないキャラに限ります。本名が確定していないキャラなら上記の作品外でも可です。
ただし自分でも書けないようなキャラは控えめに。


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2 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:24:12 oJfWurM20
「■■■、■■■...■■■、■■■、■■■。名前は■■■!」

守りたかったのは、ただ一人の少女。

「君の名前は―――!!」

その人を救うためだけに、彼は運命に抗った。

「...お前は、誰だ?」

だが、運命は少年に味方をしてくれなかった。

「俺はあいつに逢うためにここにきた。助けるために来た!生きていて欲しかった!」

少年の想いを無慈悲に塗りつぶし、消していく。

「誰だ、誰だ、誰だ...?」

いくら焦がれようと、少年にその消失を止めることはできない。

「大事な人、忘れちゃだめな人、忘れたくなかった人!」

まるで少年の冒険は茶番だと嘲笑うかのように。少年は大切なモノを失っていく。
悲しさも愛おしさも、全て等しく消えていく。なぜ自分が泣いているのかさえもわからない。

「誰だ、誰だ、誰だ...!」

しかし、一つだけ消えない感情がある。寂しさだ。そして、自分に残るのはこの感情だけなのだと少年は理解する。
無理矢理もたされた荷物のようにこの寂しさだけを抱えるのだと。

少年は強く誓う。
この寂しさだけが残るというのなら、それを携えそれでも全身全霊で生きてみせる。この感情だけでもがき続けてみせる。
ばらばらでも、もう二度と逢えなくても、絶対にもがく。納得なんてしてやるものか。
そんな、神様に喧嘩を売るような気持ちで少年は決意した。

この感情を忘れていく現象さえ、もうすぐ忘れてしまう。
だから、この感情ひとつを足場にして最後にもう一度だけ大声で夜空に叫ぶ。

「君の、名前は?」

夜山にこだまする少年の声は、虚空に繰り返し問いかけながら、少しずつ小さくなっていく。
やがて、無音が振りてくる。


3 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:24:43 oJfWurM20








少年の叫びを、込められた想いを、神は確かに聞き届けていた。










4 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:25:38 oJfWurM20
「ここは...」

目を覚ました男―――浦上は、キョロキョロと辺りを見回す。
確か、自分は市庁舎であのバケモノの騒動に便乗して逃げ出したはずだったが...
いつの間につれてこられたのか?さっぱりわからない。
暗い部屋の中で、衣擦れの音や、会話をする音が次第に大きくなっていく。
あまり見えないが、どうやら数十人程度はここにいるらしい。

会話の内容から察するに、ここにいる者たちも自分同様集められた者らしい。

自分と同じく死刑囚か―――いや、中には能天気な会話をしている者もいることから、集められているのは有象無象といったところか。

いったいなにをするつもりだろうか。

その疑問に答えるかのように、檀上にライトが照らされ人々の視線もそちらに集まる。
それに伴い、会場のどよめきも一旦は収まった。
壇上に立っていたのは、制服に身を包んだ少年だった。

(けっこう可愛い顔してるじゃねえか。女装でもしてくれりゃ、イイズリネタになるかもな)

少年はマイクを手にし、なにやら躊躇う表情を浮かべ、やがて意を決したように口を開く。

「皆さんこんにちは。俺の名前は立花瀧です。この中で俺の名前に憶えがある人はいませんか」

ざわざわとどよめく会場。
どういうことだろう、芸能人?、記憶ソーシツって奴かな、などの言葉は紡がれるものの、少年の素性に触れるものはない。
つまり、少年を知る者はいないということだ。

瀧は表情を曇らせ、唇をかみしめる。
自分の名が知られていないのがそんなに悔しかったというのか。

瀧はマイクを握りしめ、再び口を開いた。

「これからあなたたちにはバトルロワイアルをしてもらいます」

バトルロワイアル。
その単語に浦上含めた一同は疑問符を浮かべた。
バトルロワイアル? サバゲーってこと? きっとプロレスだよ。よーし勝負だゆのっち!
などなどとても緊張感のない空気が漂う。


5 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:28:22 oJfWurM20

「むうっ、これは世に聞く『孤独血闘法』...!」
「知っているのか雷電」

ただ一人、大往生の文字を額に刻んだ偉丈夫、雷電を除いては。

―――孤独血闘法...
古来より中国には百種もの虫を殺し合わせ生き残った虫を生贄とした蠱毒という呪術がある。
これに目をつけた拳法家・鷹身(おうしん)は己の門下生四十二名を強制的に殺し合わせ最高の弟子を選別したという。
これは他の拳法家にも衝撃を与え、細々と布教されていったものの、当然、参加させられた者がみな殺し合うとは限らないため進行は非常に困難でありその多くは門下生の叛逆で幕を下ろしたという。
拳法のみに縛られず生き残るために如何なる武器をも使用する様から『血闘』、勝者は莫大な褒美と鷹身の最高の弟子という称号を得ながらも孤独になる様から『孤独』と命名された。
余談ではあるが、鷹身のもとで最初に生き残った『魔悪蛇』にちなみ、以降は他者を殺傷し生き残ることを方針とした者を『マーダー』と定義したのは言うまでもない。

明名書房刊『あなたでも始められるバトルロワイアル〜起源編〜』


「遙か昔に廃れたものだと思っていたが、まさかこの身で体験することになろうとは...!」
「そこの人の言う通りです。これから始まるのはゲームなんかじゃない。正真正銘の殺し合いです」

殺し合い―――その単語に、緊張の一矢が奔る。

「勿論、ただ殺し合ってもらう訳ではありません。優勝者にはどんな願いも叶えます。死者の蘇生だって可能です。とにかく、皆さんが生き残るには―――」
「やめとけ!やめとけ!」

瀧の言葉を遮り、ニヤついた顔が印象的なサラリーマンが進み出る。

「ロワの主催は結構難しいんだ。『結果が出るまで作中の時間では二日とかからない』というのが定石らしいが、そこまで辿りつけるんだかつけないんだか...
『バトルロワイアル・パロディ』。その大半がとても殺し合える状況じゃなくなって、今ひとつ最後まで殺し合いを貫徹できない催し....
殺し合えって簡単に言うが、多くの世界の人間を同じ場所に集めてキャラを崩さずに最後の一人まで勝ち抜かせるってのはかなりの精神的な負担になるんだぜ。悪い考えじゃあないんだが、陽の光を浴びることのない......影の薄い企画さ」

男の言葉に滝は思わず俯きかける。

「...あなたの言うことも尤もです。でも、もう逃げることは出来ないんだ。その枷だって既に嵌められている」

瀧は、懐から紙を取り出し、書かれた文字をマイクに乗せた。



――――吉良吉影、と。


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6 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:29:10 oJfWurM20

瞬間、ピピピと電子音が鳴りはじめる。
音の出所は、オールバッグの髪型のサラリーマン。
それなりに整ってはいるもののこれといって特徴の無い顔立ちだが、ドクロの模様のネクタイが印象的である。

(な、なんだ...あのガキ。なぜ私の名前を知っている!?私の正体を知った者は早人に仕掛けたバイツァダストで死ぬはず...!)

吉良の周囲にいた人々は思わず距離をとる。

「き...吉良?行方不明のうちの会社員の吉良吉影...お前がそうなのか?どうしたっていうんだ、まるで別人じゃないか!?」

ただ一人、先程までニヤついていた男は笑みを消し冷や汗をかいてまで驚愕していた

が、そんなことは吉良にとっては後回しだ。
かなり目立ってしまっている。そう実感する吉良だが、それ以上に己の首元で鳴り続けるアラームが彼の焦燥を煽る。

(なにが起こるかはわからんがこのままではマズイ...あの瀧とかいうガキを殺さなくては!)

吉良は己の精神エネルギーから生み出される異形―――スタンド『キラークイーン』を発現させる。
早人に仕掛けたバイツァダストを解除しない限りキラークイーンは出せないはず。そんなことすら考える暇もない。

(シアーハートアタック...いや、駄目だ。ここでは他の人間に向かってしまうだけだ。ならば!)

己の腕から時計を外し、それをキラークイーンで爆弾に変える。
それを投げつけ、あの小僧にの近くで爆発させる。キラークイーンの腕力ならばあそこまで届くはずだ。
キラークイーンは時計を投擲し、それは瀧の目前にまで迫る。あそこからでは時でも止めない限り避けようはない。

(いまだ、点火!)

ボンッ

小気味のいい音と共に、首が飛び床に落ちる。
頭部を失った身体は、鮮血を撒き散らしながらほどなくして地に倒れた。


7 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:30:24 oJfWurM20

「...顔を他人のものに変えたところで、名前を変えることはできない。吉良吉影。それがあなたの名前だ。俺の求めている人じゃない」

最後まで己の勝利を疑わぬ表情のまま転がったのは吉良吉影の頭部。

「う、うわああああああああああ―――――!!」

吉良の知り合いと思しき男の叫びと共に会場は混乱に陥る。

「この通り、皆さんに付けられている首輪は爆発する。死にたくなければ最後まで生き残って―――この有り様じゃ、説明は無理か」

瀧がガスマスクを装着しパチン、と指を鳴らすと、彼を除く人間の足元から霧状のなにかが噴き出る。

(こいつは―――睡眠ガスか)

浦上が気付くももう遅い。体内に侵入したガスは容赦なくその効果を発揮し、皆、先程の惨劇から目を逸らすかのように強烈な睡魔に襲われる。

「詳しいことは支給する説明書にも書いてあるからそれを確認してくれ。最後に―――生きたいなら、勝ち残るしかない。最後まで足掻いて、俺の前に立ってくれ」

(ケッ...中々...面白そうな遊びじゃねえか...)

瀧を除く人々が眠りにつくと、黒い服を着た男たちが寝袋に詰め込み次々に運んでいく。

最後に残ったのは、見るも無残な吉良の死体と瀧ひとり。


「...もう引き返せない」

かつて運命に抗った少年は寂しげにそう呟く。

「俺は必ずお前を取り戻す。そのためなら地獄にだって落ちてやる」

例え幾万の屍を築くことになろうとも構わない。
もう一度■■がこの世界のどこかで生きられるなら、なんだってやってやる。

「君の、名前は...?」

少年は、名前も忘れてしまった■■へともう届かない手を伸ばす。

これはもしもの物語。
ほんの少しだけズレてしまった、何百万分の一の哀れな道化と名もなき者達への鎮魂歌。


【GAME START】


8 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:31:02 oJfWurM20

ルール
・本名(フルネーム)が不明のキャラでバトルロワイアル。優勝者には如何なる願いをも叶える権利と『宮永三葉』になる権利が与えられる。
・参加者には首輪が巻かれており、爆発すると死亡する。
首輪が爆発する条件は三つ。
①禁止エリアへの侵入。
②首輪の力づくな解除及び過度な干渉
③リアルタイムで本名が確定した時。

○作中でジンの本名が『黒澤陣』に確定される。→ジンの首輪爆発。
○荒木飛呂彦「今さらだけど、偽テニール船長の名前は○○です。→偽テニール船長の首輪爆発
・六時間毎の放送で死亡者の名前が呼ばれる。


支給品

※各キャラ所持のアイテムは没収され代わりに支給品が配布される。
1.デイバック どんな大きさ・物量も収納できる。以下の道具類を収納した状態で渡される
2.参加者名簿、地図、ルールブック、コンパス、時計、ライト
3.ランダム支給品 何らかのアイテム1〜3個。ランダム支給品は参加作品、現実のものから支給可能。
4.水と食料「一般的な成人男性」で2日分の量。


地図は東西に1〜8、南北にA〜Hの正方形です。施設や地形は基本的に自由です。




予約期間は7日。延長で+3。

収集がつかなくなったら会場に彗星が落下します。


9 : ◆e75rX9eVhc :2016/12/31(土) 12:32:48 oJfWurM20
投下終了です。

ヌケサク、団長の手刀を見逃さなかった人を予約します。


10 : 名無しさん :2016/12/31(土) 13:00:21 dJst/AVE0
虐待おじさんのフルネームは葛城蓮じゃないんですかね・・・


11 : 名無しさん :2016/12/31(土) 15:31:39 WD0YLQgk0
爆熱番長と外道番長の本名は明らかになってるんですがそれは……


12 : ◆EKhCqq9jsg :2016/12/31(土) 15:59:36 IkByt81Y0
虐待おじさん、書き手枠で獣神サンダーライガー@プロレスの両名予約します


13 : 名無しさん :2016/12/31(土) 16:17:33 V41hnFvAO
貰える名前が間違ってるのが最高にクール


14 : 名無しさん :2016/12/31(土) 19:41:31 0JtvYi4s0
ドラクエの勇者とかポケモンの主人公とか
絶対に③が適用されないキャラの投入はどうなんだろう


15 : 名無しさん :2016/12/31(土) 20:05:59 xcQ1bsSs0
ヤマトの名前ってテンゾウじゃダメなのか
まぁそれ言うと大蛇丸に攫われてきた子供だから何とも言えんが


16 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/01(日) 10:49:05 3AhI0jgA0
明けましておめでとうございます

ご指摘ありがとうございました。

爆熱番長と外道番長を名簿から外し、代わりにボーちゃん@クレヨンしんちゃんを追加します。
宮永三葉→宮水三葉

大人はウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです......

>>14
基本的にはありですが公式の小説やアニメで名前がつけられていたらアウトです。
例:ドラクエV→小説でリュカ、ポケモンルビー&サファイア→女主人公:ハルカ


>>15
テンゾウもヤマトもコードネームらしいです。


17 : ◆EKhCqq9jsg :2017/01/01(日) 12:42:19 /eEtwMuE0
投下します


18 : やっぱり山田は凄い ◆EKhCqq9jsg :2017/01/01(日) 12:43:14 /eEtwMuE0
「怒らせちゃったねぇ…… 俺のことね…… おじさんの事、本気で怒らせちゃったねぇ」
 
 虐待おじさんは怒っています。もちろん、この理不尽な殺し合いについてです。
 決して『こんな色物臭漂う場所で【君の名は。】とか【立花瀧】くんとか出したらいかんでしょ。てか【君の名は。】が参戦しているロワ=まともじゃないロワみたいな風潮が作られつつ有るのはやばい』と言うメタなことで怒っているわけではありません。
 絶対ありません。本当にありません。あったとしてもそれは最初の方が悪いのです。ごめんなさい。
 ただパロロワ内での『君の名は。』ブームはビデオソフト化してからが本番です。書籍版がありますけどやっぱり映像美が素晴らしい作品なので。出来れば映画館で見て欲しいのですが。

 それはそうとして >>10にて『おじさんの本名は葛木蓮ではないか?』と虐待おじさんは参戦資格が無いのでは? との声があります。
 しかしながら淫夢学を齧っている人ならば重々承知かもしれませんが、あくまで虐待おじさんとは『悶絶少年 其の伍』に登場する『ひで(朴秀、またはヤメチク・リー)』を虐めるおじさんであって、『葛城蓮』ではないのです。『虐待おじさん』=『葛城蓮』なのはあくまで二次創作、BB先輩劇場の設定なのです。イチロー@野球選手とイチロー@古畑任三郎並に違うのです。
 と言うことで『虐待おじさん』はこのロワのレギュレーション違反していません。やったぜ。

 テレレレン! テレレレン! テレレレン! テッテッテ! テッテッテテ! テッテッテ! テッテッテテ! テー!
 モヤセモヤセイッカリヲモヤッセ〜エエ〜

 そんな虐待おじさんが怒りを口にした直後です。フロア中に古き良きロボットアニメのOPテーマが流れ始めました。おじさんは警戒を強めます。
 そしてそこに三本の角を持った赤に包まれた男が現れました。
 
 獣神サンダー・ライガー。
 その男は世界レベルの伝説のレスラーでした。
 おじさんは苦虫を噛み潰したような顔をします。
 手強い相手だ、と。
 しかし勝たなければ未来はありません。

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

 獣神サンダー・ライガーは雄叫びを上げおじさん向かってきます。
 おじさんは怯まず構えて待ちます。
 二人が戦えばフロア中、いいえ会場中が戦火に包まれ戦場がさらに混沌とすることは間違いないでしょう。
 しかしそれは虐待おじさんが『葛城蓮』であったならばの話でした。


19 : やっぱり山田は凄い ◆EKhCqq9jsg :2017/01/01(日) 12:43:44 /eEtwMuE0

 勝負は一瞬でした。
 獣神サンダー・ライガーのアッパー掌底が虐待おじさんの顎を捉えました。
 おじさんはもちろん避けようとしましたが出来ませんでした。全く反応できませんでした。
 それはそうです、獣神サンダー・ライガーは世界を股に掛ける伝説のレスラーです。
 ただのおじさんがそんな伝説に勝てるでしょうか、無理です。

 もし、もしも虐待おじさんが葛城蓮さんであればこの様な悲劇は起きませんでした。彼ならばひで(朴秀、またはヤメチク・リー)に力負けすることもありません、何故ならとても強い戦士なのですから。
 しかし虐待おじさんは小学生のひで(朴秀、またはヤメチク・リー)に力負けするおじさんなのです。
 そんな軟な人が世界の獣神サンダー・ライガーのスピードを捉えることはできません。顎へのアッパー掌底に耐えられるはずがありません。
 フロア中に虐待おじさんの首の骨が砕ける音が響きます。
 あれほど主催に憤っていた虐待おじさんは、何一つやり遂げること無くこの世を去ってしまいました。
 
【虐待おじさん@真夏の夜の淫夢】

 そして獣神サンダー・ライガーは次の標的を探すために死んだおじさんに目もくれず立ち去ります。
 このまま参加者を殺し続ければなんでも願いが叶う権利が手に入り、ずっとずっとプロレスをやって行けるのですから。
 だからライガーは優勝を狙うのです。プロレスの未来の為に、自分自身が永遠に輝き続けるために。
 
 【A-1/第一回放送前】
【獣神サンダー・ライガー@プロレス】
【状態】健康 
【装備】鍛えた体以外何が必要か、いやない。
【道具】支給品一式 ランダム支給品
【思考】優勝狙い
【備考】
※A-1に虐待おじさんの死体と支給品一式が放置されています


20 : ◆EKhCqq9jsg :2017/01/01(日) 12:44:00 /eEtwMuE0
投下終了です


21 : 名無しさん :2017/01/01(日) 15:22:12 9F9zGNRE0
乙でした。

虐待おじさん死亡と書くべきじゃないですかね?


22 : 名無しさん :2017/01/02(月) 09:27:43 7fAJFe5U0
投下乙ですがライガーって山田恵一じゃないんですか?


23 : 名無しさん :2017/01/02(月) 10:42:18 k6NLXvVI0
>>22
あくまで噂だからセーフなのでは?
これが公式で確定するとアウトだろうけど


24 : ◆45MxoM2216 :2017/01/02(月) 11:00:36 fWyX35ns0
野獣先輩、書き手枠でじーさん@でんじゃらすじーさん
予約します


25 : ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/02(月) 22:23:42 Skze0jYQ0
ゆの、書き手枠でロート・シュピーネ@Dies irea
予約します


26 : ◆EKhCqq9jsg :2017/01/03(火) 11:21:25 WGthxNCc0
【虐待おじさん@真夏の夜の淫夢 死亡】 と修正です、お手数かけました
ついでに山田恵一さんはリバプールの風になったので獣神サンダー・ライガー選手とは別人だと思い投下しました


27 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:21:20 qBSwA0DA0
投下乙です。

この理不尽な殺し合い及び内心でメタ的に怒る虐待おじさんは人間の鑑だってはっきりわかんだね。
流石はガチギレするひでに本気でぶつかりあい最後まで仕事をやり遂げた漢です。
しかしそれ故に勝てなかったとはなんたる無常な世の中。おじさんに合掌。

ライガーは公式に山田さんと確定していないのでセーフです。

あと時間表記を忘れてたので追加します。

【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:00:00〜02:00
 黎明:02:00〜04:00
 早朝:04:00〜06:00
 朝 :06:00〜08:00
 午前:08:00〜10:00
 昼 :10:00〜12:00
 日中:12:00〜14:00
 午後:14:00〜16:00
 夕方:16:00〜18:00
 夜 :18:00〜20:00
 夜中:20:00〜22:00
 真夜中:22:00〜24:00

禁止エリアは6時間ごとの放送で6つずつ増えていきます。
一時間ごとに発表順に埋まっていきます。

投下します。


28 : 宇呂惔瀦 ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:22:52 qBSwA0DA0
「く、クケッ、クケケケケッ」

闇夜に男の笑い声が響く。


床に伏せていた男は、突如跳びあがり文字通り壁を背に張り付く。
道具を使う素振りもなく、正真正銘の素手でだ。
彼のあだ名は『ヌケサク』だった。
尊敬する上司は『スタンド』と呼ばれる異能力を持った者達を集めていた。
そのため、上司の配下、即ち自分の同僚たちには所謂『スタンド使い』と呼ばれる者たちが大勢いた。
だが、彼だけは違った。彼は力こそは与えられたものの、スタンド使いではなかった。
彼はいつも仲間の『スタンド使い』たちに馬鹿にされてきた。

『ヌケサク...貴様の能力ではジョースター達を倒すのは無理だ...』
『黙って引っ込んでろよ、いいな』

『しょせん貴様はただの吸血鬼』

『よけいなことをしてみろ。おれたちがテメーを殺すぜ』
『わかったな...』

『大人しく補欠してろ、ヌケサク』


仲間の―――奴らの罵倒を思い返すだけで頭の中が沸騰しそうになる。
叶うならばブチ殺してやりたいとなんど思ったことか。
だが、スタンド使いと非スタンド使いの壁は大きい。彼らに挑んでも返り討ちが関の山。
苛立ちと不満を抱えたまま、最終決戦の時はきてしまった。
それでも彼は涙をこらえて、彼らの言いなりに補欠をしていた。

そんな折に連れてこられたのが、このバトルロワイアルだ。

なぜ自分がこんなところに連れてこられているのか―――それも確かに気になったが、それ以上にいまは少年の語った報酬が気にかかった。

(あのガキが何者かなんてどうでもいい。だが、あいつは願いを何でも叶えると言った)

少年の言葉に嘘偽りが無ければ、死者をも蘇らせる能力を持っているらしい。
死者蘇生などというなんでもありな能力が使えるならば、自分にスタンドを発現させること、いや、スタンドすら捻じ伏せるほどの力を与えることもできる筈だ。

(...やってやる)

殺人に対しての忌避などない。
彼が望むのは、今まで馬鹿にしてきた者たちを捻じ伏せ、ザマミロ&スカッとサワヤカな笑みで見下してやることのみだ。

(もう誰にもオレ様をヌケサクだなんて呼ばせねえ...首を洗って待っていやがれヴァニラ・アイス、ケニーG、ダービー弟...!)

ヌケサクは、恨みの募った眼差しで壁から手を離し、宙を回転しながら地に足をつけた。


29 : 宇呂惔瀦 ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:24:19 qBSwA0DA0



月明かりに照らされる街道。それを踏みしめるのは、ベレー帽が特徴的なやせ型の男だった。
男―――団長の手刀を見逃さなかった人は、首に枷をつけられ実際に人が死んだ場面を見ても平常心だった。

団長の手刀を見逃さなかった人の仕事は殺し屋だ。
人の死など呆れるくらい作りだしてきたものであり、己の死もまた呆れるほどに身近にあるものだ。
故にこの程度のことなど彼にとっては昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わらない平穏なものだった。


「ハァ、ハァ...」

そんな団長の手刀を見逃さなかった人の耳に届くのは女の喘ぎ声。息遣いは、確かに男へと向かっている。
やがて前方の物陰から姿を現すのは息を切らした女性。

女性はヒッ、と喉を鳴らし途端に壁を背にして蹲った。

「ヒイイイイイィィィ〜、お願いですぅ〜、殺さないで下さい〜!!」

かと思えば、急にわんわんと泣きだし命乞いを始めたではないか。
さしもの歴戦の殺し屋のプロである彼もガクリと肩を落としたくなる。

(おいおい、こいつは外れか?)

団長の手刀を見逃さなかった人は中毒であると自覚しているほどに殺人が好きだ。
弱者であろうが殺すことに躊躇いなどない。
だが、それ以上に男は歯ごたえのある相手を求めていた。
ただ殺すよりも、自分と戦い且つ長年培ってきた技術を受け止められる者が欲しかった。
カメラを通して『上玉』を見た後なので尚更である。

まあ、楽しみは他にもたくさんあるのだ。
ここはさっさと終わらせて次に向かおう。


30 : ウロヤケヌマ ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:25:22 qBSwA0DA0

「命だけはお助けをおおぉぉお〜!」
(ダメだね)

団長の手刀を見逃さなかった人が女に歩み寄り、目と鼻の先にまで辿りついたその時。

「ガアアアアア!」

突如女は豹変する。
女は男目掛けて腕を突き出した。
その速さは並の女性では出しえないものだ。まともに受ければその身を貫くだろう。


「ッ!」

団長の手刀を見逃さなかった人は目を見開きナイフを構え、そして。

ザッ。

両者の身体が交叉し鮮血を撒き散らす。

身体から流れる大量の血は地面を濡らしていく。

「ぐ...て、てめえ...!」

血の流れる首筋を抑え悶えるのはヌケサク。
女でも男でもなくヌケサクだ。
先程までいなかった彼が何故―――?

「女の顔が後ろにあるのがあんたの体質か。妙な身体の構造をした奴もいるもんだ」

団長の手刀を見逃さなかった人の解説通りである。
ヌケサクの後頭部には女の顔があり、背中には身体がある。
つまりヌケサクは背中を見せて男へと寄っていたという訳だ。

「おそろしく高い擬態能力...オレでなきゃ見逃しちゃうね」


31 : ウロヤケヌマ ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:26:08 qBSwA0DA0

団長の手刀を見逃さなかった人の言葉の通りである。ヌケサクの演技はかなりのものだと言っても過言ではなかった。
実際、団長の手刀を見逃さなかった人も寸前のところまでただのひ弱な女だと思っていたあたりがそれを証明している。
団長の手刀を見逃さなかった人が気が付けたのはある一点からだ。

それは、女の両手が『裏返したかのように正反対』であったこと。それが団長の手刀を見逃さなかった人に違和感を持たせたのだ。

もしも観察眼の鋭い団長の手刀を見逃さなかった人以外の相手であれば、ヌケサクの毒牙にかかっていた可能性は高いだろう。
団長の手刀を見逃さなかった人だからこそ見破れたのである。

「チク...ショウ...」

ヌケサクはガクリと膝をつき、やがて仰向けに倒れる。
もはや傷口を塞ぐ力もないのか。だらりと手足を伸ばしピクピクと痙攣をし始めた。

「放っておいても死ぬだろうが...安心しな。すぐに楽にしてやるよ」

団長の手刀を見逃さなかった人はナイフを構え、慎重に距離を詰めていく。
手負いの獣はなにをしでかすかはわからない。故に、トドメを刺すまでは決して油断しない。
ゆっくり。ゆっくり。人間が気絶するほどの血が流れるのを待ちつつヌケサクへとにじり寄っていく。
やがて、ヌケサクの痙攣が止まり直に命が潰えるのだと認識すると、団長の手刀を見逃さなかった人はナイフを握りしめる。
心臓を破壊し首を斬り落とすことで確実に殺したという実感を得るためだ。
団長の手刀を見逃さなかった人はヌケサクへとナイフを降りおろし―――

「かかったなアホが!」

突如ヌケサクが起き上がり団長の手刀を見逃さなかった人の首を掴み指で皮膚を貫く。
予想外の反撃にさしもの団長の手刀を見逃さなかった人も息をつまらせる。

(馬鹿な...あれほどの出血だというのに、どうしてまだ動けるんだ!?)

団長の手刀を見逃さなかった人の考えは正しい。
人間であれば、多量出血をすれば貧血になり動けなくなる。ヌケサクの出血量は本来ならとうに瀕死になっていることだろう。
だが、ヌケサクは吸血鬼である。その頑丈さは人間の比ではない。例え多量の出血をしようとも、人間よりは長い時間活動ができる。


32 : ウロヤケヌマ ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:27:04 qBSwA0DA0

(だがさすがにチトキツイからなぁ〜。失くしたぶんの血液はテメエで補充させてもらうぜぇ)

ズキュン。ズキュン。

団長の手刀を見逃さなかった人の首筋から血管が浮き出る。吸血鬼にのみ許された食事法、指からの吸血である。

「か、あ...!」

血を吸うにつれて傷が修復していくヌケサクとは対照的に団長の手刀を見逃さなかった人は顔色を蒼白にしていく。
途方もない脱力感とどこか心地よさすら感じられる奇妙な感覚が同時に襲い掛かっているのだ。

(ついでによぉ〜テメーにエキスを流して屍生人にしてやるぜ。クケケケケッ!!)

吸血鬼や屍生人(ゾンビ)は吸血の際に己のエキスを流しこむことで対象者を屍生人にすることができる。
屍生人は主に逆らえず、人によっては思考能力さえない兵隊にすらなってしまう。
ヌケサクが行おうとしているのはそれだ。
今まで虐げられ続けてきた男は、初めて人の上に立つ快感に酔いしれているのだ。

―――そんな隙を見逃す団長の手刀を見逃さなかった人ではない。


33 : ウロヤケヌマ ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:27:44 qBSwA0DA0
「か、あ、あ、あ!」

団長の手刀を見逃さなかった人はヌケサクの腕にナイフを突き立てる。
だが、常人ならそこで終わり。先程は不意を突かれた形であったため首を斬られたが、今は違う。

「バカが!吸血鬼のオレにナイフなんざ」
「効かないとでも思っているのかい」
「あ?」

団長の手刀を見逃さなかった人の周囲の空気が歪み始める。
ヌケサクは知らない。団長の手刀を見逃さなかった人がただの暗殺者ではないこと、彼が『念能力者』であることを。
団長の手刀を見逃さなかった人の持つナイフは、かつてディオという男がジョースター卿の命を奪いその息子ジョナサンがディオに突き立てたナイフであるが、それ以外はなんら変哲のないナイフである。
これでは吸血鬼を刺すことはできても、腕力で劣る人間では腕を斬りおとすことはできない―――念能力ならばそれが可能となる。

「なにいいいいいィィ――――!?」

切断され、血が噴き出すヌケサクの右腕。

念能力の基礎、纏と練。その応用術・周。この技は、武器にオーラを纏わせることで切れ味をよくすることができる。
例えなんの変哲のないナイフでも、一振りの名刀と化すことができるのだ。
団長の手刀を見逃さなかった人はこれによりナイフを強化。見事、ヌケサクの右腕を切断することができたのだ。


34 : ウロヤケヌマ ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:28:11 qBSwA0DA0

「ヒッ、ヒイイイイイイ――――!!」

落ちた右腕を拾い、涙ながら逃走するヌケサク。
逃してなるものかと追いかけようとする団長の手刀を見逃さなかった人。しかし、足から力が抜け、ガクリと膝をついてしまう。

(やれやれ、貧血か。これ以上の無茶は禁物だな)

頭に血が上りやすい素人ならばここで無理をしてでも追跡しようとしただろう。
だが、団長の手刀を見逃さなかった人は戦闘のプロである。
流石にいまの状況で動くほど迂闊ではなかった。

(とにもかくにも休憩が必要だな。その前に)

団長の手刀を見逃さなかった人は、ナイフを握り己の首筋に突き立てる。
常人ならばここで死に至る。ただの自殺にか見えないだろう。
だが、団長の手刀を見逃さなかった人は中毒になる程の殺しのプロである。
それは即ち、『どうやれば人は死なないか』を熟知しているということだ。
どの位置にナイフを刺せば死なないか。その程度ならとうの昔に熟知している。

とはいえ、そもそも何故こんなことをしているのか。当然ながら意味はある。


団長の手刀を見逃さなかった人の首に空いた小さな穴からドロリ、とでも擬音がつきそうな液体が流れ出る。
殺しのプロとして体調管理に気を付けているであろう団長の手刀を見逃さなかった人は、ヌケサクに吸血された際に流された首筋に感じた異物の存在に気が付いていた。

(おそろしく正体が掴めない奇妙なエキス...オレでなきゃ見逃しちゃうね)

仮にこのエキスを放置していればどうなっていたか想像もつかないが、おそらくロクな結末にはなっていなかっただろう。

(この殺し合い...どうやら一筋縄でいかないらしい)

あの小物臭い男相手でもこれほど手こずったのだ。優勝するのは至難の業だろう。
だからこそイイ。獲物はイキがいいほど殺した時の快感も段違いに大きくなる。
団長の手刀を見逃さなかった人は、これから遭遇するであろう上玉たちに想いを馳せ胸を躍らせた。


35 : ウロヤケヌマ ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:28:53 qBSwA0DA0



「ヒィ、ヒイイイ...」

物陰に身を潜めながら眼尻に涙を浮かべながら右腕を切断された部位につけるヌケサク。
彼がこうしているのはなにも気が触れた訳ではない。このまま切断部位を合わせることで右腕を再生しようとしているのだ。
吸血鬼だからこそできる独自の治療法である。

「チクショウ、殺してやる...絶対に殺してやるゥゥゥ〜〜〜〜」

真夜中のひっそりとした物陰で、涙ながらに呟かれたその言葉。
吸血鬼でありながらのこの不様な醜態はまさに"ヌケサク"だった。



【G-7/一日目/深夜】

【ヌケサク@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:右腕修復中、疲労(中)、泣きべそ、怒り
[装備]:
[道具]:不明支給品。
[思考・行動]
基本方針:優勝し圧倒的な『力』を手に入れヴァニラ・アイスたちをザマミロ&スカッとサワヤカに見下す。
0:右腕がつくまで休憩する。

※参戦時期は原作でテレンス・T・ダービーが承太郎に敗れる前。



【団長の手刀を見逃さなかった人@ハンターハンター】
[状態]:貧血、疲労(中)
[装備]:ディオがジョースター卿に突き立てジョナサンが怒りのままにディオに突き立てたディオのナイフ@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:不明支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:バトルロワイアルを愉しむ。
0:ひとまず休憩する。

※参戦時期はクロロのネオンへの手刀を見逃さなかったあと。
※念能力で使用できるのは纏・絶・練・周・隠・凝・堅・円・流です。発と硬は使えません。
※屍生人エキスは取り除かれました。


36 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 16:31:38 qBSwA0DA0
投下終了です。

石井先生を予約します

あと一応地図を作りましたが、参考程度で大丈夫です。

ttp://imgur.com/btyTnKV


37 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/03(火) 17:23:12 qBSwA0DA0
追記

支給品は名称不明でなくても大丈夫です。


38 : ◆S7zVyQCn8w :2017/01/03(火) 18:40:14 1AHnSCz.0
佐伯航一郎の伯父となずなを予約して投下します。


39 : ◆S7zVyQCn8w :2017/01/03(火) 18:42:14 1AHnSCz.0
佐伯航一郎の伯父は、日本語がわからなかった。

日本語がわからないとどうなるんだ?

知らんのか。オープニングの説明が聞き取れなくなる。



一般的に、パロロワでは言語統一が行われ、国籍や原作の描写に関係なく参加者全員が日本語を話している風に描かれる。
このロワの参加者もおそらく例外ではない。
参加者同士のコミュニケーションが取れないようでは、殺し合い以前の駆け引きが円滑に働かない。主催が見たいような泥沼の人間同士の殺し合いではなく、わけもわからずに殺しあっている動物の狩り合いになってしまうのである。
オリンピックならともかく、これはバトル・ロワイアル。
支障の方が圧倒的に多いので、言語を統一できるスーパー技術があるならそれを使った方がいいのだ。ほんやくこんにゃく。

……まあ、そんなのは建前で、実際には書き手に負担がかかるのが原因である。
外国語調べるの面倒だし、そもそも原作に日本語で慣れ親しんでるので外国語を話してもらうにも書き手は苦心する羽目になる。

何にしても、伯父にはその言語統一がまったく機能しておらず、日本語がさっぱりな状況に陥ってた。

無理もない。
そもそも彼には原作にも台詞がないのだ。
名前もなければ台詞もない。
顔すらもろくに見えない。
君の名は。どころか、君は。である。

そこで俺は考えたのさ。
だったら金田一ロワに準拠したキャラにすればいいってね。
だから彼は日本語が喋れないんだ。


40 : ◆S7zVyQCn8w :2017/01/03(火) 18:43:08 1AHnSCz.0
「I have a pen.(ちくしょう、どうなってやがる)」

伯父は、そう叫びながらオープニングでの事を回想していた。
彼はオープニングでの瀧くんの説明をまるでわかってない。
何故なら瀧くんは日本語を喋ってたから。QED。

「I have apple.(……あのイエローなモンキー男、けっこう可愛い顔してたじゃねえか。女装でもしてくれりゃ、イイズリネタにもなるかもな)」

そんな伯父が思い出したのは瀧くんの事であった。
しかもゲスの極みのような事を考えている。


伯父は、アメリカに関する大雑把な認識から生れたキャラである。
肥満。牧場。変なシャツ。ホモ。児童虐待。黒人(身体の前半分)。白人(身体の後ろ半分)。
こんなアメリカのクソ雑認識を2コマに凝縮したようなキャラが日本人をイエローモンキーと呼ばないはずもなければ、同性を犯そうとしないはずもない。
浦上同様、瀧くんを女装させたがるのも当然の話だった。

「お〜ん……(お〜ん……)」

彼は、また少し考えた。
そういえば、首輪が爆発して人が死んでいた。
つまり首輪はやばい。
はずしてほしい。

「apple pen.(やべえな)」

何がやばいって首輪がやばい。
ただの首輪ならいい。
爆発する首輪はやばい。
どのくらいやばいかというと、シン・ゴジラくらいやばい。
どうにかしなきゃ。

「Pokemon GO.(どうにかこの首輪を解除しねえと。……だがどうすりゃいい。どうすれば解除できる)」

そこで伯父は考えたのさ。
けれども何も思い付かなかったのさ。


41 : ◆S7zVyQCn8w :2017/01/03(火) 18:43:50 1AHnSCz.0
「"Now it’s time for America to bind the wounds of division. We have to get together."
"I pledge to every citizen of our land that I will be President for all Americans and this is so important to me."
"Every single American will have the opportunity to realise his or her fullest potential. The forgotten men and women of our country will be forgotten no longer."(もういい、考えるのはやめた)」

伯父の知能では限界があった。
よく考えてみると、伯父は多分近々扱いに困って死ぬキャラである。
そんなキャラの考察シーンなど描くだけ無駄である。
本来ならズガンでもいいが、単独参戦である手前、それは気が引ける。一話は適当に生き残ってほしい。

そこで、伯父は、適当に弄って飽きたら死ぬくらいの役割を果たしてもらおうと思う。
殺し合い抜きに原作の彼らしい行動をさせておくのが吉と出た。

「SMAP.(おっ、いい女がいるじゃねえか。黄色い顔のモンキーだがな。HAHAHA)」

伯父の視線の先では、ほんわかした雰囲気の女の子――なずなが歩いていた。


42 : ◆S7zVyQCn8w :2017/01/03(火) 18:44:56 1AHnSCz.0

【一日目/深夜/H-2】

【佐伯航一郎の伯父@金田一少年の事件簿】 
[状態]健康 
[装備]なし 
[所持品]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・行動] 
基本:よくわからないので適当にウロウロする。 
1:あそこにいるかわいいジャップを犯す。 
[備考] 
※参戦時期は、佐伯航一郎を女装させて犯そうとしている時。 
※日本語がわかりません。その為、ロワのルールがわかっていません。


【なずな@ひだまりスケッチ】 
[状態]健康 
[装備]なし 
[所持品]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・行動] 
基本:不明。 
[備考] 
※参戦時期は、不明。 
※詳しい事は知りませんが、佐伯航一郎の伯父が今彼女を狙ってます。 
 それ以外はもう全部後続の書き手にお任せします。


43 : 名無しさん :2017/01/03(火) 18:45:22 1AHnSCz.0
投下終了です。


44 : ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:17:51 J2R9m95s0
ゆの シュピーネ 投下します


45 : ナチス研究所へ遊びに行こう ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:18:32 J2R9m95s0
「…どうしよう」

薄暗いトンネルの中、地図にしてE-8の地点にてゆのはへたり込んでいた。
殺し合い。首の転がった吉良とかいう男の人の死体。いつの間にか連れてこられた自分。
衝撃的な出来事の連続に、彼女は自分の置かれた状況をうまく受け止めきれずにいた。

人を殺すなんて何があっても考えることはできない。
かといって自分にできることも思いつかない。
警察が助けに来てくれることを祈るしかない。

「とりあえずここを出なきゃ…」

女子高生であるゆのにとっては一人で薄暗いトンネルに居ることは不安だった。
とにかくここから離れようと、立ち上がって早足で歩きだそうとしたその時。

「こんにちは、お嬢さん」

後ろから声を掛けられる。
振り返ると後方10メートルくらいの所に黒い外套を着た男が立っていた。
彼女は判断に迷う。
逃げるべきか(こっちを殺そうとしてきたらどうしよう…)
近づくべきか(そんな簡単に人を殺したりしないよね…)
彼女が迷う間にも男は歩いて近づいてくる。
おそらくもう自分が走って逃げても追いかれる距離だろう。
そう混乱する頭で考えた結果ゆのが選択したのは挨拶を返すことであった。

「…こ、こんにちは」

ゆのが挨拶を返したことに気をよくしたのか男は笑みを浮かべた。
落ち窪んだ眼にゆのはやや恐怖を覚えた。
そして男はそのまま懐から何かを取り出そうとする。

「ひっ!」

男の動作がドラマなどでよく見る、拳銃を取り出す仕草に見え、ゆのは反射的に目を瞑ってしまう。

「ああ、そんなに怖がらないでください。私はあなたを殺すつもりはありませんよ。
こういう者です。」

おそるおそる目を開けたゆのが見たのは、自分に名刺を差し出す、蜘蛛を思わせる姿の男だった。

―――――――――――――


46 : ナチス研究所へ遊びに行こう ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:19:18 J2R9m95s0
「じゃあ、フレッドさんはこの会社の偉い人なんですか?」
「ええ、そういうことになりますね。」

名刺を差し出されるという場にそぐわない常識的な行為に対し、ゆのは最初はびっくりしたものの、そのおかげか落ち着きを取り戻していた。
どうやらこの男の名はフレッド・ハーマンということ。
アメリカの製薬会社の重役だということ。
殺し合いなどする気はないこと。
軽い自己紹介をされ、ゆのは目の前の人物のスケールの大きさにやや圧倒される。

「ところで、聞きそびれてしまいましたが貴方のお名前は?」
「あっ、ゆのです! 」
「ええと、ゆのさん。ああ、これですか」

男が何かの紙を彼女に差し出す。

「えっと…これはなんですか?」
「どうやら殺し合いに巻き込まれた人間の名簿のようですね。貴方のデイバックには入っていなかったのですか?」

男は近くの壁にもたれ掛ったデイバックを指さす。
…どうやらゆのはそれの存在に気づいていなかったらしい。
そのことに彼女は赤面しながら、バックを取り行く。

「…ありました、確かに私の名前です」

取り出した自分の名簿を見ながらゆのは青ざめていく。
そこには彼女の知り合いである宮子、ヒロ、沙英、なずな、乃莉、茉里の六人の名前があった。
自分は呆然としていたためよく覚えてないが確かにあの会場で親友が自分のことを呼びかける声を聴いた気もする。
苗字こそは載っていないがこの名前はひだまり荘の住人たちのことで間違えないだろう。
彼女はそう確信してしまう。


47 : ナチス研究所へ遊びに行こう ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:19:47 J2R9m95s0
「誰かお知り合いの名前でもありましたか?」

ゆのの反応を見て男は言う。

「はい…」
「心中お察ししますよ」
「探しに…行かなきゃ…」
「何処に行くというのですか。お知り合いがどこに居るかもわからないのに」
「でも…」
「私に提案があります」

男は地図とコンパスを取出しゆのに見せる。

「今私たちがいる場所はこのあたりです」

彼は地図の西の端真ん中、九の字型のトンネルを指し示す。

「ここからトンネルを南西に抜けた所に『ナチス研究所』があるようです。まずここに行って荷物や情報の整理をしてから今後のことを考えませんか?」
「『ナチス研究所』ですか…?」
「ええ、あなたのようなお嬢さんには抵抗があるかもしれないですがね。先程言ったように私は製薬会社の人間です。ここに行けば何か薬品の類が手に入るかもしれません。
万が一お知り合いが怪我をした時を助ける事ができますよ」

彼の言葉をゆのは頭の中で反芻する。
確かに筋は通っている。
『ナチス研究所』という言葉に彼女は忌避感を覚えるが、この非常事態にそんなことは言ってはいられないだろうと我慢する。

「それに地図に載っている大きい施設です。闇雲にさがすよりもそのお知り合いの方からやってくる確率の方が高いのではないですか。」

男はややねっとりした声で続け、ゆのもその言葉に納得したのかそうですね、と返答しバックを背負って出発の準備をする。

「えっとじゃあ、フレッドさん、お願いします。一緒に来てください。」
「ええ、もちろんお嬢さん」

彼らは簡単な情報交換をしながら研究所へと向かうべく歩いて行った。

―――――――――――――


48 : ナチス研究所へ遊びに行こう ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:20:22 J2R9m95s0
フレッド・ハーマンを名乗る男、聖槍十三騎士団黒円卓第十位・ロート・シュピーネはこの殺し合いにあまり積極的であるとは言えなかった。
理由は二つ。
まずは感情論、勝手に自分を拉致し、挙句殺し合えなどと命じる黄色人種の男に唯々諾々と従う気になれなかったこと。
次に現実的な計算、あの立花瀧と名乗る男が口にした『どんな願いでも叶う』という言葉。
シュピーネは知っている、黄金錬成然り、そのような甘言の裏にはろくでもない落とし穴が待っていることを。

(そもそもたった50人程度殺すだけで願いが叶うなら、私は今頃全知全能の神にでもなっているでしょうねぇ…)

それが彼―――ロート・シュピーネの生きる黒円卓の常識であった。

だが、立花瀧の持つ『力』は驚異的であることも彼は実感していた。
聖遺物の使徒の最低限のラインである形成位階止まりといえど、シュピーネは超人の範疇である。
戦争犯罪者として国際的に追われる身である以上、この50年余り常に警戒は怠らなかった。
そんな彼を易々とこのバトル・ロワイヤルへと招待したのだ、並の存在ではないだろう。
或いは彼こそが副首領代行、真のツァラトゥストラだという可能性もなくはない。
…尤も自分以外の団員の名前が名簿にない事や、藤井蓮の存在を考えれば、確率は低いだろうとシュピーネは推測する。

(何にせよ、私一人では手に余りそうな相手だ。優勝を狙うならば兎も角、奴の打破を狙うならば、他の参加者との協調は不可欠か…)


49 : ナチス研究所へ遊びに行こう ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:20:48 J2R9m95s0
彼が自分の身の振り方をどうしたものかと思案する中、出会ったのがこのゆのという無力な少女であった。
平和な日本でのほほんと暮らし、修羅場に放り込まれればあっさり命を散らすだろう存在。
別に『お楽しみ』をして殺しても良かったが、彼は敢えてそれを控えた。
あの会場には何人か真っ当な人間ではないと思われるような者もいた。
その中でもこの殺し合いに反発する者は出てくるだろう、彼女の存在はそんな彼らとの交渉において役に立つ。
『乗っていない』ことのアピールをするにはこれ以上ない同行者であろう。
仮に『乗っている』強者が同盟を持ちかけてきた時に、彼女を殺すことで同盟の証とするのも有りである。

(要は私のスタンスを鮮明にする旗印、といったところですかね…)

そう心の中でつぶやき、シュピーネは思考を整理する。
取り敢えずの行先として選んだ『ナチス研究所』だが、理由はゆのに語った以外にもある。
シュピーネは元々ナチスのマッドサイエンティスト。彼にとってこの場所は勝手知った古巣と言うことになる。拠点にするにはまずまずであろう。

(それにもし首輪を解析するならあそこの施設は役に立ちますし、いっそ彼女を実験材料としても使ってもいい…)

最初はどうするものかと思ったが、よく考えれば、今までと特に変わらない。
圧倒的強者の下でうまく立ち回り、栄華を尽くす為、あらゆる手段を駆使する。
ただ、面従腹背の相手が黒円卓の双首領から立花瀧に入れ替わっただけである。

そんな打算を胸に秘め、シュピーネはゆのと共に地図に記された『ナチス研究所』へと向かう。

―――――――――――――


50 : ナチス研究所へ遊びに行こう ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:21:12 J2R9m95s0
「ところでフレッドさんの名前が名簿にないですけどなんでなんですか」
「ああ、実は占い師に改名をしたもらったことがありまして、その名前で載っています。ロート・シュピーネとね」
「へぇ…そうなんですか。じゃあシュピーネさんって呼んだ方がいいですか」
「どちらでもかまいませんよ。ああ、そろそろトンネルを抜けますね。」


【E-8とF-7の間/1日目 深夜】
【ロート・シュピーネ@Dies irae】
【状態】健康 
【装備】形成は可能
【道具】支給品一式 ランダム支給品(シュピーネは確認済み)
【思考・状態】
基本行動方針:取り敢えず様子見
 1:ナチス研究所へゆのと同行
2:ゆのの使い途は検討中
【備考】時間軸は本編開始直前です。
    設定上でかい会社の重役なので多分名刺くらいは持ってます

【ゆの@ひだまりスケッチ】
【状態】健康 
【装備】特になし
【道具】支給品一式 ランダム支給品(ゆのは未確認)
【思考・状態】
基本行動方針:殺し合いはしたくない
 1:ナチス研究所へシュピーネと同行
2:皆に会いたい

備考:F -7にナチス研究所@ジョジョの奇妙な冒険があります。
   ジョジョ出展なので多分シュピーネさんは知らない場所です。


51 : ◆aAwjD/yRL6 :2017/01/03(火) 19:21:54 J2R9m95s0
投下終了です


52 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/05(木) 02:28:40 prlZTkMw0
投下乙です

>>金
原作ではたった2コマの登場にも関わらずこれ以上ない変態性を見せつける伯父は流石です。
金田一ロワ準拠というかまんま金田一ロワの流れでしたが果たして伯父は順当に退場してしまうのでしょうか。
とりあえずなずなちゃん逃げて超逃げて

>>ナチス研究所へ遊びに行こう
こちらは前話とうってかわってロワらしい話。シュピーネさんは危険人物ですがいまのところは味方のようでなにより。
とりあえずゆのっちは変態に狙われている後輩を助けてあげてください。

投下します。


53 : 体育教師の憂鬱 ◆e75rX9eVhc :2017/01/05(木) 02:29:43 prlZTkMw0
「なんということだ...」

男―――教師である石井先生はそう零さずにはいられなかった。
突如連れてこられ、一人の男の爆死という形で幕をあげたこの殺し合い。誰かを殺さなければ自分が死ぬ。
しかし彼は心優しいイチ体育教師だ。
あの主催の瀧という少年がなにを考えているのかはわからなかったが、彼の言いなりに己の命を守るために他者を殺そうなどとはとても考えられなかった。

そのため、彼はどうにかしてこの殺し合いを止めようと決意するのだった。


54 : 体育教師の憂鬱 ◆e75rX9eVhc :2017/01/05(木) 02:30:23 prlZTkMw0

本来ならば、この話はこれで済むはずである。


だが、彼にとっての悩みはこの催しだけではないのだ。
いや、むしろ彼にとってはこちらの方が問題だといえよう。

(まさか神谷くんまで連れてこられていようとは...)

神谷。教育実習生の爽やかな風貌の青年であり、石井もそれなりに仲よく接していた。
だが、彼には内心に秘めていた想いがあった。

授業後の後片付けのことだ。
体育倉庫にて神谷と石井先生の二人きりになった時。
神谷は下半身を露出させ、シャツを胸板までまくりこう言った。

『あなたが好きです。抱いてください』

そう。神谷はホモだったのだ。

そして、あろうことか石井先生をもホモだと思い込み、このような誘惑に走ったのだ。
ちなみに石井先生の存分に蓄えた顎髭に逞しい身体つきはホモから見ればたまらないものであり、逆にホモからしてみればこれはもう抱いてくれと言っているようなものだ。
神谷が石井先生もホモだと思ったのも無理はないのかもしれない。
だが、妻子持ちである石井先生は断った。

『君の趣味をとやかく言うつもりはないが学校では慎みたまえ』と。

これが全ての引き金だったのだと医師は語った。

それから彼は体育倉庫で一人自慰行為に及び、それを見た生徒・森下を校舎の屋上に呼び出し『君もホモなんだろう』と性行為に勧誘。それを否定した途端、『オレに恥をかかせたな』と森下の首を締め上げた。
これは『現実』である。

しかし、彼の頭の中では『神谷と石井先生は体育倉庫で性行為に及び、それを見た森下も校舎の屋上で神谷と性行為に及び、絶頂感のままに死にたいという願いを叶えるために森下の首を締め上げた』という展開にすり替わっている。

終いには、裸で病棟内をうろつきまわり、彼の頭の中の『自分との性行為を受け入れてくれる石井先生と森下』を探すようになるまで至ってしまった。

医師は、教師であるための『普通の青年』であることを押し付けられたストレス故にこのような病状になったと語った。

つまりは、自分が彼を受け入れていればあんなことにはならなかったのではないか―――石井先生は、そう自身を責めていた。

ならば。
もしも彼がまだその病状から回復しておらず、彼の中の『石井』を求めているのだとしたら。
それが原因で凶行に走ろうというのなら。この身を捧げるしかないのだろうか。

そっと己の臀部に触れる。

(...やるしか、ないのだろうか)

妻子持ちである自分が男に抱かれる。つまり、己の肛門に太く凛々しいモノを挿れる。
そのような考えは一度だって湧いたことはなかった。
もしも選択が迫られた時、自分は...

(我が愛する妻と子よ...私は、どうするべきなのだろうか)

答えてくれる者は誰もいなかった。


55 : 体育教師の憂鬱 ◆e75rX9eVhc :2017/01/05(木) 02:30:46 prlZTkMw0

【B-7/一日目/深夜】

【石井先生@教育実習生絶頂す】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:不明支給品1〜3
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを止める。
0:神谷が心配。自分は彼に抱かれるべきなのだろうか...

※殺し合いよりも神谷が妙なことを起こさないか危惧しています。


56 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/05(木) 02:32:46 prlZTkMw0
投下終了です。

ヒロ、黒、ノーベンバー11、キング・ブラッドレイを予約します。


57 : ◆45MxoM2216 :2017/01/05(木) 22:13:00 kgJLHNww0
投下します


58 : 殺し合いは危ないのじゃ! ◆45MxoM2216 :2017/01/05(木) 22:14:46 kgJLHNww0
「ぶひゃひゃひゃひゃ!殺し合いに巻き込まれてしまったぞい!」

ものすっごい変顔を晒しながらゲラゲラ笑っているでんじゃらすな老人……便宜的にじーさんと呼ぶことにしよう。

「しかーし!ワシは世の中の色んなキケンから身を守る術をみんなに教えてきたのじゃ!こーんな状況でもワシに掛かれば優勝生還脱出なんでもござれじゃい!」

じーさんは殺し合いに巻き込まれてもいつもの調子を崩していないように見える。


「ってアホか――――!!!!!!
バトルロワイアルに巻き込まれるなんて状況想定してるわけあるか――――!!!」

ヒゲと鼻水にロワの文字を浮かべながら絶叫するじーさん。
いつも通りに見えたのは気のせいだったようだ。

「(この状況は)痛いですね、これは痛い」

と、大声で喚いているじーさんの前に唐突にイボと浅黒い肌が特徴の青年――――野獣先輩が現れた。


「まずうちさぁ、死にたく……ないんだけど……手ェ組まない?」

野獣先輩は死にたくないが、かといって他の人間を殺して生き残る気もない。
野獣と化して後輩をレイプしたこともあるが、強姦罪と殺人罪ではあまりにも罪の度合いが違う。

そもそも野獣――――動物は飢えを凌ぐために他の動物を殺しはしても、必要以上に殺しはしない。そんな感じのことをどこぞのジャングルの王者が言っていたが、ちくしょう筆者はアタマが悪いので、これ以上説明できないのだ……。

野獣先輩は野獣と化して後輩をレイプした人間の屑である。
しかし、野獣と化したからこそ、彼は無意味な殺生を良しとしない人間の鏡となった。

そんな野獣先輩が非力な老人を見て保護を試みることは自然なことであった。
亀(頭)の甲より年の劫、大会前だってのに昏睡レイプをしてしまう先走り(意味深)がちな自分のブレーキ役として老練な仲間が欲しいという打算もある。

「まず?」

そして、たくさんの淫夢厨がそうであったように、じーさんも意味不明な「まず」という枕詞に疑問を持った。

〜〜〜こっからじーさんの妄想〜〜〜

「店長、チャーシュー麺一つ!」
「はい、ただいま!」

「うおおおおお!!!!
これがワシの作る最高のチャーシュー麺じゃーーーー!」

「へい、お待ち!」

「いただきまーす」

「どうじゃ、美味いじゃろ?」



「まっず――――――!!!
こんなん30円でだって頼まねぇよクソが!!!
金返せジジイ――――!!!」

〜〜〜妄想終わり〜〜〜

「うるせぇー!!
ぶっ殺すぞウンコー!!
誰が30円じゃー!!」

「ファ!?クーン」


59 : 殺し合いは危ないのじゃ! ◆45MxoM2216 :2017/01/05(木) 22:15:39 kgJLHNww0
唐突にキレたじーさんに流石の野獣先輩もええ…(困惑な気持ちを隠せない。

鬼の形相で野獣先輩に向かっていくじーさん。
しかし、ステロイド疑惑があるくらいガタイの良い野獣先輩にじーさんが勝てる可能性は限りなく低い。


「ならこっちもステロイドじゃー!」



ぬりーーー



お肌の炎症にはステロイド軟膏!
皮膚科に行くのが一番いいけど、マツ○トキヨシ辺りで試薬品買うのもそれはまた良し!

「いくぞウンコーーーー!!!」


「びゃーーーー!!」

負けました☆


「ぬわあああああん疲れたもおおおおおん」

暴れる老人を怪我させないように押さえつけるのに一苦労した野獣先輩。
思わず空手部の稽古の後みたいな声が出てしまうのも無理はない。

「ワ、ワシを許してくれるのか?」

「(極限状態に置かれて)緊張すると理性出ないからね」


この老人は急にキレて鬼の形相で向かってきたが、こちらを殺す気はなかったように思う。
野獣先輩は性欲を除けば好青年なので、殺し合いに巻き込まれて混乱しているのであろう老人にも紳士的な姿勢を崩さない。


「よーし、ワシは目が覚めたー!これからは殺し合い打破を目指していくぞー!ぶひゃひゃひゃひゃ!!」

「ん、おかのした」


お約束的に車に轢かれるなり最強キャラに瞬殺されるなりしたいところだが、書き手枠で出したキャラをズガンするのも憚られる。
なので、今回はこの辺りで筆を置きたいと思う。

【C-3/一日目/深夜】

【野獣先輩@真夏の夜の淫夢】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:不明支給品
[思考・行動]
基本方針:殺し合いなんてできるわけないだろ!いい加減にしろ!
0:この危なっかしいじーさんを見捨てるわけにもいかないって、はっきりわかんだね。



【じーさん@絶体絶命でんじゃらすじーさん】
[状態]:健康 ステロイドでお肌の調子が良い
[装備]:
[道具]:ステロイド、不明支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:キケンな殺し合いから脱出するのじゃ!
0:孫が連載開始から現実通りに成長していたら、この男程の齢だったかのう


60 : ◆45MxoM2216 :2017/01/05(木) 22:16:05 kgJLHNww0
投下終了です
ギャグって難しいですね


61 : 名無しさん :2017/01/08(日) 19:00:33 RW37xKOw0
曽山節が大炸裂wwwwww
懐かしいものを見せてもらいましたwwwwwww


62 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:37:15 REIpPsS20
投下乙です。

野獣先輩は無益な殺生を好まない野獣の鑑だってはっきりわかんだね。
野獣先輩はじーさんを混乱してると思ってるらしいけど、彼はそれが平常運転なんだよなぁ
この齟齬が彼らの波乱の引き金になるとはこの時は誰も知る由はなかった(ロワ的感想)


投下します。


63 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:38:47 REIpPsS20
「ヒロさんはそんなに知り合いが巻き込まれているんですか」
「はい。もう気が気じゃなくて。李さんは誰もいないんですか?」
「ええ。幸い僕の知り合いは誰も...あっ、ご、ごめんなさい」
「いいんですよ。誰も巻き込まれていないのを安心するのは当たり前ですから」

G-5エリアに配置されたイタリアンレストランの中。桃色の髪の少女、ヒロと黒コートの青年、李舜生(リシェンシュン)―――もとい、黒はテーブルにつき互いの食事にかかっていた。

「最初に会えたのがあなたでよかったです。僕一人じゃこころ細くてこうしてご飯も食べられませんでした」
「私もです。李さんが声をかけてくれなかったらどうなってたことか」

二人が遭遇したのは、偶然にもレストランの傍だった。
黒が震えて立ち尽くすヒロに声をかけたのが始まりだ。
ヒロは思わずヒッ、と喉を鳴らし思わずあわあわと取り乱してしまった。
キョトンとした表情でそれ見つめていた黒だが、やがて彼の腹が鳴るとヒロも幾分か落ち着き、それに応じてか彼女の腹の音が鳴った。
その様がおかしくて二人してくすくすと笑い合えば、互いに敵意がないことを確認し、とりあえず食事をとりつつ情報を交換することにしたのだ。

「それにしても...」

チラリ、と傍目にテーブルの上を見る。
スパゲッティ、ピッツァ、ハンバーグ、サラダ、コーンスープ、etc...およそ三十人ぶんの彩色様々な料理がテーブル上に所せましと並べられていた。
ヒロが食べるのはデザート合わせてせいぜい二皿程度である。となれば残りはどうするのか。
捨てる?いや違う。

「よく食べるんですね」
「そうですか?」

その細身のどこに入るというのか。黒は次々に並べられた食事を平らげていく。
ヒロもよく間食をしてしまいそれ故に体重を気にする生活を送っているのだが、彼を見ているとそれすら馬鹿らしくなる。
そんなことを思いつつ、ヒロはデザートとして皿に積まれたシュークリームへと手を伸ばした。


64 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:39:09 REIpPsS20
ガチャリ。
扉を開く音にその手は思わず留められる。

「こんな状況でここまで豪勢な食事を見ることになるとは」

突然の来訪者。
かけられた声に二人は思わず振り返る。
カツン、と床を叩く音と共に姿を現したのは、左目に眼帯をつけた壮年であった。

男の登場に一瞬だけ目付きを鋭くする黒だが、すぐに李の顔に戻り頭を手にやりながらあいそ笑いを浮かべる」

「す、すみません。お腹が空いていたものでつい」
「いやいや、責めている訳ではないのだよ。こんな状況だからこそ平常心を保つのは大切なことだ。頼もしいことじゃないか」

壮年はワッハッハと豪快に笑い飛ばす。

「えっと、あなたは?」

その壮年の様子から、ヒロは悪い人ではないのかなとなんとなく思い、おずおずと問いかける。

「おっと。自己紹介をせねばならなかったかな。だがその前に」

壮年は、卓上に並べられた料理を指差す。

「中々美味そうな食事だ。私も混ぜてくれんかね」


65 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:39:41 REIpPsS20




「アメストリス、ですか」
「僕も知りません」
「そうかね。いや、自分で言うのもなんだがそれなりに大きな国だと自負していたのだが」
「す、すみませんブラッドレイさん」
「なにを謝る。人間だれしも知らないことがあるのは当然のことだろう」

丸テーブルを囲うように座る三人。
あれほどあった料理はほとんどが黒の腹に収まり、ブラッドレイはピッツァとスープ、ヒロは先程のシュークリームを口にしていた。

「いやはや。最初に出会ったのが君たちでよかった。お蔭で美味い料理にありつけ順調に情報交換をできたよ」
「僕もですよ。ブラッドレイさんみたいな強そうな人が殺し合いに乗っていなくてよかったです」
「正面からそう言われると少々こそばゆいな」

ハハハ、と笑顔を交わし合う二人を見てヒロはいまが殺し合いの最中だということを忘れそうだった。
あの妙なセレモニーからまださほど時は経過していない。死人も出ている。
だというのに、こうして見知らぬ人たちと笑顔で食事をとりあう。
ひだまり荘での日常となんら変わらない空間がここにある。それが彼女にとっては居心地のよいものだった。
殺し合いなんてものは悪い夢でこんな時間が続くならどれほどよいだろうか。

しかしそんな淡い幻想もすぐに終わりを告げる。

「さて、と。私はそろそろお暇しようか」

席を立つブラッドレイに、思わずヒロは「えっ」と声を漏らした。

「君の友人も巻き込まれているのだろう。なら早く合流してやらねばな」
「あっ...」

この穏やかな空気で失念していた。
自分達が暢気している間にも沙英たちは危険な目に遭っているかもしれない。

「なに。そう広くない会場だ。手分けして探せば時間はかからないだろう。合流場所はここでいいかね」

みんなを探し出してくれるというブラッドレイの言葉に、ヒロの胸中は安堵に包まれる。
またみんなであのひだまり荘に帰れる。また、いつも通りの平和なあの日々に。

「は、はい!ありがとうござい」

ヒロが立ち上がり、礼をしようと頭をさげたその時。

―――世界が、逆に回転した。


66 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:40:04 REIpPsS20

「せめて痛みも恐怖もなく終わらせようと思ったのだが」
「...それがあんたの国での別れの挨拶か」
「そういうわけではないが、私にも使命があるのだよ」

逆さまになったヒロの耳に届くのは、先程とはうって変わって張り詰めた雰囲気の二人の声。
立ち上がったその瞬間に黒に引き倒されたと彼女が知るよりも早く、金属がカチ合うような音が響き渡る。
数秒後に彼女の瞳に映るのは、互いに冷酷な眼差しで刃物を振るう黒とブラッドレイの姿だった。

「あんたは奴の言葉を信じるのか」
「まさか。だが、君たちは首輪を外す術や技術を知らんのだろう。ならば数を減らしておくべきだ」
「そうか。―――なら、死ね」

黒はテーブルに並べられた食器をブラッドレイへと投げつけるも、それはいとも簡単に手にしたドスに両断される。
当然ながら黒もそれで仕留められるとは露程にも思っていない。
時折、手にした苦無でドスとかち合い、距離をとり食器やフォークを投げつけ。再び距離を詰めまた距離を空け。
彼らの攻防の最中で店内は瞬く間に荒れていく。

戦況は均衡―――否。掠り傷とはいえ黒の服や頬に切れ目が入っているのに対し、ブラッドレイはまったくの無傷。
徐々にだが、ブラッドレイの優勢に傾いている。

その情勢を覆すべく、黒はテーブルクロスを掴みブラッドレイの眼前で巻き上げる。
バサリ、と空を舞う布はブラッドレイの視界を覆い黒の姿を隠す。
だが、大人しくそれに包まれるブラッドレイではない。

テーブルクロスをドスで突く。

その奥にいる筈の黒を貫いた感触は、ない。

外したか。そう認識する直前、空を舞う質量をもった物体。

(布を目くらましに背後をとるつもりか)

思考がそこまで辿りつくのと同時、ブラッドレイは振り返りドスで物体を突く。
常人では目で追うことすら不可能な速度。達人でも反応できるかどうかが関の山だろう。


67 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:40:24 REIpPsS20

が、しかし。

人肉を貫いた感触はない。ブラッドレイのドスに刺さっていたのは木製のコート掛けだ。

黒は跳んでなどいなかった。
刃を目前で躱すと同時にコート掛けを投げつけた。
ブラッドレイの反応の速さを逆手にとったのだ。

テーブルクロスの奥で限界まで身を屈めていた黒は、そのまま右手に苦無を構えブラッドレイへと肉迫する。

「してやったり、とでも思ったかね」

ブラッドレイの蹴りあげが黒の手を弾く。

「...!」

読まれていた。否、全てを反応された。
それを直感するのと同タイムで黒の目が赤く光り青白い光が身体を包む。
その光の名はランセルノプト放射光―――契約者が能力を行使する際に起きる現象である。

が、しかし。

ブラッドレイはそれを許さない。右足での前蹴りが黒の鳩尾に減り込む。文字通りの一蹴である。

「り、李さん!」
「逃げろ...!」

駆け寄ろうとするヒロを黒は止める。

キング・ブラッドレイは強い。
純粋な身体能力。反射神経。剣術。どれも黒は一歩及ばない。
主に体術で多くの敵対契約者を葬ってきた黒だが、ブラッドレイはその体術で彼を上回っている。
それに、いつも使用しているワイヤーが没収されているのも痛い。否が応でも正面からの闘いを強いられることになる。

かといって、現状でヒロが加わったところでどうにもなるまい。
二人纏めて殺されるのがオチだ。

契約者ならばこの状況でも合理的に考えられる。
彼女を囮にでも使えば自分が生き延びる確率は増えるだろう。

だが、黒はヒロを逃がす選択をした。大した関わりもない彼女をだ。
なぜか。なにも彼女が死ぬ必要はない。そう、黒が合理的に判断したからだ。


―――相変わらず契約者らしくない男だ、きみは


瞬間。

カツン、と小さな物質が跳ねると共に、閃光が三人を包んだ。


68 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:40:42 REIpPsS20



「ぬっ!?」

眩い光がブラッドレイの右目を覆う。

(小癪な)

閃光弾を使ったのは誰だ。
黒か。違う、あの男にそんな余裕はなかった。
ではヒロか。彼女も違う。そんな素振りがあれば見逃すはずもない。

ブラッドレイが導き出したのは第三者の存在。
何者か、それを確認しようにも目が見えなくては術がない。
ならば、見えるようにすればよい。

左目の眼帯を外し、己が保有する『最強の眼』を顕にする。

閃光弾は一瞬の光さえ凌げばほぼ無力である。

眼帯に守られていた左目は、確かにその第三者の影を捉えていた。

正体は金髪の男。

彼は、ワイヤーのようなもので会場に下り立ち、黒とヒロの手を引き出口へと向かい始める。

それをみすみす見逃す謂れはない。

ブラッドレイはすぐさま距離を詰め男へと剣を振るう。

男は咄嗟にそれを躱すも、体勢を崩し尻もちをついてしまう。
ブラッドレイは追撃せんと足を―――動けない。
何かに纏わりつかれている。否、この冷たい感触は氷だ。
ブラッドレイの足が凍りついているのだ。

「悪いがあなたを相手にするつもりはない。ここは引かせてもらうよ」

男は微かな笑みを浮かべ、再び黒とヒロを連れて出口へと向かう。

足を凍らされたブラッドレイは、三人の背を見送ることしかできなかった。


69 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:41:02 REIpPsS20



「やれやれ。随分と凄まじいご老人だった」

イタリアンレストランから大分離れた距離で、男は足を止めた。

「あ、あの、助けて...くれたんですか?」
「あの状況では協力者とするなら君たちにすべきだと判断したのでね。私はジャック・サイモン。ジャックとお呼びください」

ジャックと名乗った男は、取り出した煙草に火を点け吸い始める。

「失礼。私もこんなものは吸いたくないのだが対価でね。どうかご勘弁を」
「...?」

対価、とはなんなのか。
ヒロがそれを聞く暇もなく、男はゴホゴホとむせはじめた。
サマにならないとでもいうべきか。心底嫌がるように吸う様は哀れを通り越して滑稽にすら見える。

「ゲホッ...君たちは殺し合いに乗っていないとみた。よければ私の話を―――201BK(トゥーゼロワンビーケー)、そのクナイを収めてくれないか」

ジャックの言葉に、ヒロは思わず振り返る。
そこには、苦無を構えジャックへと敵意の眼差しを向ける黒の姿があった。

「李さん?」
「私に敵対の意思はないのだが」
「......」

黒は未だに沈黙を保っている。
ヒロには、それがどこか怒りを帯びたものにも見えた。

「ハヴォックのことを根に持っているのか」
「...あいつは、もう誰も殺したくないと言っていた。昔とは変わっていた」
「だが、いずれ彼女は能力を発動してしまう可能性が高かった。善人ぶるつもりはないが、あれが合理的判断だった」
「それがどうした。俺がお前を許す理由にはならない。この前はアンバーがいたが、いまは...!」


ヒロには事情がわからないが、二人の間にはただならぬ因縁染みたものがあるらしい。
いけない。このままでは争いになってしまう。どうにかして止めないと。


70 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:41:21 REIpPsS20

(えーっと、えーっと...!)

あわあわと半混乱状態に陥るヒロは

「えいっ!」
「ッ!?」

思わず、黒の口にシュークリームを咥えさせていた。

古来より食事には親睦を深める意味合いもある。
また、ストレスを解消したり気持ちを落ち着かせる効果もあり、ヒロ自身も食事のときは至福の感情に満たされている。
そのせいで体重を気に掛ける日々を送っているのだがそれはおいておく。
それに倣って、少しでも黒を落ち着かせるために、回収していたシュークリームを食べさせたのだ。

「ごめんなさい!つい...」
「......」

もぐもぐとシュークリームを咀嚼しながら、黒は静かに苦無を下ろした。
ここでジャック―――もといノーベンバー11と争っている暇はないことは解っている。
だが、感情を抑える歯止めが効かず、彼に苦無を向けてしまった。
決して、シュークリームに免じて許した訳ではない。だが、この場でのやる気が削がれたのは事実だ。
いまは、彼との因縁は後に回す。

「感情を抑えきれない、か。本当に契約者らしくない男だな、きみは」
「御託はいい。用件を手短に済ませろ」

睨みつける黒に、ノーベンバー11はおどけたように肩をすくめる。

「わかった。単刀直入に言おう。この殺し合いから抜け出すために私と協力してもらいたい」

黒へと手を差し出すノーベンバー。
彼はそれを易々とは受け入れられない。
それを見かねたヒロが先にノーベンバーの手を握り、黒へと視線を移す。
彼に害意はないと言いたいのだろう。

「...いまだけだ」

ほどなくして、黒はノーベンバーと休戦の締結をすることになった。


71 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:41:39 REIpPsS20


【G-6/一日目/深夜】

【黒@DAKER THAN BLACK】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:ランファンの苦無@鋼の錬金術師、黒のコート@DAKER THAN BLACK
[道具]:不明支給品0〜1、黒のワイヤー@DAKER THAN BLACK(ノーベンバーの支給品)、食器セット@現地調達品
[思考・行動]
基本方針:殺し合いから脱出する。
0:ノーベンバー11と情報交換をする。
1:キング・ブラッドレイには要注意

※参戦時期は22話開始前
※ヒロからひだまり荘のメンバーについて聞きました。
※キング・ブラッドレイと情報を交換しました。

【ヒロ@ひだまりスケッチ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:不明支給品0〜2、シュークリーム×2@現地調達品
[思考・行動]
基本方針:殺し合いからひだまり荘の皆で脱出する。
0:ジャックさんと情報交換をする。
1:ひだまり荘のみんな(ゆの、宮子、沙英、なずな、乃莉)と合流する。
2:キング・ブラッドレイには要注意

※参戦時期は原作5巻
※キング・ブラッドレイと情報を交換しました。


【ノーベンバー11@DAKER THAN BLACK】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:閃光弾@鋼の錬金術師、煙草@現実、基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:殺し合いから脱出する。
0:黒、ヒロと情報交換をする。
1:エイプリルと合流する。
2:キング・ブラッドレイには要注意

※参戦時期は22話開始前


72 : ツキアカリのミチシルベ ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:42:02 REIpPsS20

「まったく。この年齢になると目では追えても身体がいうことを聞かんな」

足に纏わりついた氷を削ぎ落したブラッドレイは、ひといきをつくように椅子に座る。

キング・ブラッドレイ―――ホムンクルスの一人・『憤怒』のラース。
彼の命は、ホムンクルスの生みの親である『お父様』のためにある。
故に、あの主催の瀧という少年に従う謂れはない。
脱出を果たせたならば必ずや彼を殺すだろう。

では黒たちを殺す理由はないではないか。
理由はある。首輪を外せる技術を持たない者はおそらく多い。
そんな者達を連れて歩くのは足手まといを増やすだけであり、且つそういった者達が蔓延ればいざタイムリミットが迫った時に時間がかかる可能性が高い。
そのために数を減らす。そのつもりだったが逃げられてしまった。

だが、そんなことでイチイチめげるほど彼は若くない。
既に彼の頭の中では脱出への方法を模索することに気が向いている。


(しかし、ニホン...アメストリスと同年代とは思えぬ技術に文化か)


彼の年齢はもう60になる。だが、生まれてこの方作られたレールから外れたことはなかった。
親の顔を知らなければ本名も知らぬ。彼の人生の大半は『キング・ブラッドレイという大総統』になるための教育と訓練で占められた。
彼の知ることのできるモノは全て『科学者たちが与えるモノ』であり、自分で未知なるものにふみこむことはなかった。
だからこそ、彼らの話はブラッドレイの興味をひどくそそった。
今まで体験したことのない未知との遭遇には心躍らずにはいられなかった。

(さて、あまり寄り道をするわけにもいかん。次はどこへ向かおうか)

やがて名無しの老兵は席を立つ。
その果てに掴むのは己の果たすべき使命か、それとも―――


【G-5/イタリアンレストラン/一日目/深夜】

【キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:雪緒が自害したドス@ブラックラグーン
[道具]:不明支給品0〜2
[思考・行動]
基本方針:生還する。そのためには手段は択ばない。
0:首輪を外せる技術者がいれば利用する。
1:スカーは殺すが無理に追うようなことはしない。
2:不要な者はなるべく排除していく。

※参戦時期は原作15巻付近です。
※ヒロからひだまり荘のメンバーについて聞きました。


73 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/09(月) 17:42:42 REIpPsS20
投下終了です。

校長、神谷を予約します。


74 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:03:18 vj6KOOp60
浦上を追加して投下します。


75 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:05:12 vj6KOOp60
「な、なんという...!」

小太りの中年、彩南高校の校長はわなわなと身体を震わせていた。
仮にも彼はイチ教師である。
当然、この理不尽な殺し合いに怒りを覚えて

「なんという素晴らしいプレゼンツ!ムホー、みなぎってきましたぞォォォォォ!」

...訂正しよう。確かにこの殺し合いに怒りや恐怖といった人並みの感情は抱いていた。
だが、彼に配られた支給品である成人向け雑誌、所謂アダルトな本(オブラートな言い方をしなければエロ本)。
これを見た瞬間、彼のほとばしる熱いパトスは治まるところを知らなかった。

「これは服など着ている場合ではありませんぞ!いざ、いざ、いざああああああ!!」

バサリ、と音を立て服が空を舞い、あっという間にトランクス一丁のあられもない姿になる校長。
その中年特有のだらしなく肥えた身体つきが惜しみなく晒されるが彼には関係の無いこと。

「むひょおおおおおおおおおおおお!!!」

己の欲望に従い、男の孤独な戦いが始まった。


76 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:05:44 vj6KOOp60




「ふぅ...」

数十分後、なにかをやり遂げた顔で吐息を漏らす校長。
彼の周囲には丸まったティッシュが幾つも転がっていた。

「さて。そろそろ行動しなければ」

己に燻っていたモノを発散しきった校長はこれからの行動を考える。
日々、金色の闇やその他女生徒に跳びかかりその都度に撃退されているため多少の痛みは屁でもないものの、やはり彼とて命は惜しい。
かといって、流石に人を殺すつもりはないため、できれば何事も無く脱出し彩南町に帰りたい。

そのためにはどうにかして協力者を得たいが...

「あの、すみません」
「むほぉ!?」

背後より突如かけられた声。
校長は思わず身体をビクリと跳ねあげつつ振り返る。
立っていたのは、薄いシャツと下半身を包むジャージという見る者に体育教師という印象を与える爽やかな青年だった。

「僕は教育実習生の神谷と言います。あなたの名は?」
「わ、ワシは彩南高校の校長ですぞ」
「校長先生ですか!よかった、あなたみたいな人なら安全だ」

神谷と名乗った青年は、ニコリと笑みを浮かべ握手を求める。
その好青年さる姿に、校長もまた思わず安堵し握手を返した。


77 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:07:41 vj6KOOp60

それから、ここが学校らしいことを認識した二人は、誰か生徒がいないものかと校内を周りはじめた。

「教育実習生らしいが調子はどうだね」
「いやあ、まだまだ生徒が怖くて」

普段のテンションからは考えられない程紳士然とした態度をとる校長。
当然だ。
彼が興奮し変態するのは好みの美少女や美女相手のみであり、その気がない相手には普通の態度をとっている。
興味が無ければ暴走する必要もないからだ。

そんな教師として真っ当な会話をしつつやがて辿りついたのは空き教室。

促されるように校長は教室へ足を踏み入れ、後から入った神谷はゆっくりと扉を閉めた。

「君のように若い先生が教育に携わってくれるのは嬉しいことでね。期待しておりますぞ、神谷君」

背を向けながら、校長はそんな上辺半分な言葉を投げかける。
そんな校長は神谷の向ける飢えた野獣のような視線に気が付かない。

「校長先生」

突然の呼びかけに思わず振り返る。

瞬間、校長の時は静止した。

立っていたのは、己のイチモツを露出させ熱い視線をぶつけてくる神谷だった。

「きみ...」
「あなたに一目ぼれしました。抱いてください」

神谷は校長から目を逸らさず、シャツをまくり上げ乳首を見せつける。

「オレ、ホモなんです。先生のヒゲや豊満な体つきを見ればオレは迷わず裸になれます。それに、あの散乱したティッシュ。あなたも性欲を持て余していたんでしょう。オレの推測はまちがってますか?」

「神谷くん...」


78 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:08:15 vj6KOOp60



俺の名は浦上。
ちょいと遊び過ぎて指名手配犯になっちまった死刑囚だ。
今はあの瀧とかいう妙なガキの開いた殺し合いに参加させられているところだ。

当然ながら俺はこの殺し合いに乗った。
理由なんざ決まってる。なんでも願いを叶えるってのは魅力的だし、なにより俺の欲求を満たしやすい環境なんだ。断る必要がねえ。

目を覚ました俺はさっそく獲物を探すため近くにあった学校へと潜入。
ガキや素人はまずこういった目ぼしいとこを目指しやすいが、ビンゴ。

校庭の砂利には二人分の足跡が残されていた。
ご丁寧にその足跡は校舎の方にまで続いていた。

さてどんな遊びをしてやろうかと考えつつ俺は校舎へと足を進める。
男だったらどこをどうやって解体してやろうか。
ガキか女だったら殺しながら穴という穴を犯しつくしてやろうか。

気配を殺しつつ進んでいた俺に、ギシッ、ギシッとなにかが軋むような音が届いた。

(こんなところでヤッてんのか。お盛んだねえ)

以前、自衛隊の奴らがバケモノ共を襲撃した際にも暢気に盛ってたヤツらがいた。
人間はこういう事態の最中では興奮しやすい。俺も経験はある。
多少の緊張感があった方が燃えるってのは解らないでもないが、運のない奴らだ。
それが原因で俺に殺されることになるんだからよ。

中の得物はどんなプレイをお楽しみなのか。
ギリギリまで窓に近づき、気取られないよう姿を隠しつつこっそりと中を除く。

俺は絶句しちまったね。

なんせ、健康そうな若い男が醜い肢体の中年を犯してたんだからよ。


79 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:09:25 vj6KOOp60



「校長先生...!」
『か、神谷くん!』

俺が腰を動かす度に、校長先生の甘い喘ぎが漏れる。

『お、おおう...!』
「ああ...」

校長先生の紅潮した頬に、吐息に、俺は思わずうっとりとした表情を浮かべてしまう。
それに呼応したかのように、俺の男根は更に熱さを帯びた。
その穴の湿り、加齢臭、先端から漏れる雄の匂い...
校長先生の全てが俺にとっての媚薬なのだ。

ふと、何者かの視線を感じ俺は顔を上げた。
そのもとは窓の向こう側。
坊主頭の男が俺たちに熱い視線をぶつけてくる。
なんだい。あんたも俺たちに混ざりたいのか。
だがもう少し待ってな。いまは校長先生をたっぷり味わいたいんだ。
終わったらあんたも一緒に楽しも―――

『か、神谷、くん...!』

息も絶え絶えに、校長先生は俺に縋り付く。
ああ、すまないな校長先生。
いまはあんただけを―――

『ワシを殺してくれ』

思わず俺の腰が止まる。

『ワシはこんな快感を味わったことはなかった。こんな絶頂のまま死ねるなら―――それがいい』

俺は耳を疑った。
だってそうだろ?俺の惚れた男が、俺の手で死にたいなんて言うんだぜ。
勿論、俺だって殺すこと自体嫌なモンさ。

『早く...ワシを...!』

けれど。
愛しているからこそ、その願いを叶えてやるべきではないだろうか。
それが男というものではないのか。俺は、そう思う。

「...校長先生」

俺は、そっと彼の首に手をかけた。


80 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:10:22 vj6KOOp60



オイオイオイオイ、マジかよ。
なんたってこんな醜いデブとの交尾なんざ見せつけられなくちゃならねーんだよ。
いくら俺でもあんな中年のデブを抱きたくなんかねえぞ。
しかも掘ってる方も若いっちゃ若いがあの瀧とかいうガキみてえな可愛い顔じゃなくてどちらかといえば男臭い感じだしよ。
ったく。汚いモン見せられて気分が萎えちまったぜ。今回はズラか...

ん?デブの方がなんか抗議し始めたな。

「やめてくれ、ワシにこんな趣味はない!」

なにぃ?
...ってことは、あの男はデブを無理やり犯してる訳か。
物好きにもほどがあんだろ。

「こ、こんな状況できみはなにを...」
「この野郎、恥かかせやがって!」

デブの抗議に男の方が激昂し、デブの首を絞めはじめた。だが腰はずっと動かしてやがる。
デブがいくらもがこうが男は関係ない。己の快楽にのみしか興味が無いようだ。
次第にデブの抵抗も弱まっていき、やがてパタリと地面に手が落ちる。

同時に。

「うおおーーーーっ!!」

どうやら二人同時に逝っちまったらしい。

...なんなんだあいつは。

流石のオレもあんな狂人は相手にしたくない。やっぱりここはズラか...

ゲッ、目が合っちまった。


81 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:11:18 vj6KOOp60




「はぁ、はぁ...」

校長先生の首から手を離す。
殺ってしまった。
俺はこの手で惚れた男の命を奪ってしまったのだ。

校長先生の頼みは断ろうと思えば断れたかもしれない。
「そんなことしなくても、校長先生と一緒に殺し合いから脱出して最高の快楽を味あわせてあげますよ」と言うことはできたはずだ。
だが俺はしなかった。
...もしかしたら俺は、心の底では初めての命を奪いながらの交わりに期待していたのかもしれない。

そんな己に芽生えているかもしれない残虐性に怯えたが、しかし校長先生の安らかな顔を見ていればその恐怖も薄まった。

校長先生。あなたはこんな俺を許してくれるんですね。

とにかく、いまは生き残ることを考えなければ。
俺は殺人鬼じゃない。もうあんな交わりは頼まれない限りごめんだ。
さっきから覗いている坊主頭の男に弁解しなければ。
そんな想いで顔をあげると、坊主頭の男と視線があった。
彼は一目散に逃げ出した。殺人現場を見てしまったのだから当然だ。

「待ってくれ!」

俺の呼びかけも彼には届かない。
クソッ、どうにか誤解を解かなければ。

俺は急いでジャージを履き直し彼の後を追う。

教室を出る際に校長先生を一瞥し、後ろ髪を引かれる想いで俺は教室をあとにした。


82 : 教育実習生絶頂す ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:12:13 vj6KOOp60



誰もいなくなった無人の教室。

そこに残されのは、肛門から白い粘液が溢れ、顔を苦痛に歪めた中年の男の死体だけだった。




【校長@TOLOVEる 死亡】

【G-2/一日目/深夜/糸守高校】


【神谷@教育実習生絶頂す】
[状態]:健康(無自覚の精神不安定)
[装備]:
[道具]:不明支給品1〜3
[思考・行動]
基本方針:石井先生を探す。殺し合いには乗らない。
0:さっき見ていた男(浦上)を探す【犯す】。
1:女は放っておきたいが...

※他の男性参加者になにかと難癖をつけてホモ認定し抱きたがります。



【浦上@寄生獣】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:不明支給品1〜3
[思考・行動]
基本方針:殺し合いに乗る。
0:神谷から逃げる。


83 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/14(土) 01:13:13 vj6KOOp60
投下終了です。

ウォッカ、吉良の同僚を予約します。


84 : ◆e75rX9eVhc :2017/01/23(月) 00:30:50 0m8BjEx60
今回書く時間がとれなかったので破棄します。


85 : 名無しさん :2018/02/03(土) 01:19:56 Fozk8f5I0
ゲリラ投下します


86 : 名無しさん :2018/02/03(土) 01:38:30 Fozk8f5I0
「��───────ッ!?」

ジンは驚愕した。

無数の修羅場をくぐり抜けてきた暗殺者である彼にとっても、その光景は阿鼻叫喚。

ジンの足に縋る白の少年。
彼の名はニア。いや��ネイト・リバー��である。

正確に言えば、縋る少年の頭部は無く、「ネイト・リバーだったモノ」と形容するのが適切なのだろうか。

いや、そんなことは些事な問題だ。

問題は彼以外にも無数の死体……
視認出来るだけでも23人。
中には自分と同じ黒の組織に所属するメンバーのそれと思しき遺骸も転がっていた。

��──そう、それは『神』に選ばれなかった存在の末路。
すなわち企画成立から2年。
2018年1月3日の「君の名は」地上波初放送を迎えて尚、1度たりとも触れられなかった者達の末路である。


【宮子@ひだまりスケッチ 死亡】
【紗英@ひだまりスケッチ 死亡】
【乃莉@ひだまりスケッチ 死亡】
【茉莉@ひだまりスケッチ 死亡】
【サンタナ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【偽テニール船長@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【吉良の同僚@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【梨央ちゃんの隣人@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【アバッキオの同僚の警官@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【ウェカピポの妹の夫@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【ウォッカ@名探偵コナン 死亡】
【キャンティ@名探偵コナン 死亡】
【コルン@名探偵コナン 死亡】
【隊長@彼岸島 死亡】
【ポン@彼岸島 死亡】
【月光@男塾シリーズ 死亡】
【雷電@男塾シリーズ 死亡】
【飛燕@男塾シリーズ 死亡】
【エイプリル@DTB 死亡】
【ヘンゼル@ブラックラグーン 死亡】
【グレーテル@ブラックラグーン 死亡】 
【スカー@鋼の錬金術師 死亡】
【爆熱番長@金剛番長 死亡】
【外道番長@金剛番長 死亡】
【大尉@HELLSING 死亡】
【森の音楽家クラムベリー@魔法少女育成計画 死亡】
【C.C.@コードギアス 死亡】
【没キャラ@キルミーベイベー 死亡】
【ボス@マジンガーシリーズ 死亡】 
【ゴルゴ13@ゴルゴ13 死亡】
【ソフトン@ボボボーボ・ボーボボ 死亡】
【ヤマト@NARUTO 死亡】
【ニア@DEATH NOTE(書き手枠) 死亡】
【わからん@書き手枠 死亡】


87 : 名無しさん :2018/02/03(土) 01:49:01 Fozk8f5I0
「超ォォ������ムカツクわーーッ!!」

死体の先で憤慨する男。
彼の名は、■■■■……『パコさん』と仮称しよう。

パコさんに支給されたアイテム。
それは現世と異なる次元に生きる高次生命体��──【死神】が有する【死神の目】である。

一見すれば、「ただ対象の名前と寿命が把握できる」という何の役にも立たない【それ】であるが、このバトルロワイアルにおいて、【それ】は最大の効力を発揮した。

参加者の名前をただ一言、たった一言呟くだけで相手の首輪が爆発する。

そう、パコさんはその最強の切り札を以てして無数の参加者を抹殺したのだ。

だがそれでも尚、彼の怒りは収まらない。
海辺で女に突き飛ばされ、いざ拉致いざ強姦……と運ぶ矢先のこの招集。
パコさんの虫の居所はかつてないほど悪かった。


88 : 名無しさん :2018/02/03(土) 01:54:31 Fozk8f5I0
「てめーも死ねや」

ジンの姿を発見し、パコさんの口元は自然と歪んだ。

「黒澤じn��────」

その瞬間、パコさんの頭部が『食いちぎられた』。

飛び散る血飛沫。驚愕するジン。
無理もない。彼の目の前に聳えるは異形───彼岸島の混血種(アマルガム)『まり子』。

痙攣するパコさんの首から下を貪り食うまり子。
そして次の標的。ジンの姿を捉えた。


89 : 名無しさん :2018/02/03(土) 02:01:00 Fozk8f5I0
「────神々の王の慈悲を知れ」

突如として吹き荒れる熱風。
その先で唱えられるは真名解放。

太陽の槍を掲げる優男と影で見つめる醜い少女。

彼の名は、カルナ。
彼女の名は、ジャイ子。

ジャイ子のアイテムは【令呪】。
反則的ではあるが、彼女は「プレイヤーの1人である『カルナ』の令呪」を保有していたのだ。
たった3画の命令権ながらも物は使いようだ。

「インドラよ、刮目せよ。
絶滅とはこの是、この一刺。」

令呪と引き換えに穿たれるは太陽神の息子にして『ランサー』の最強の宝具。

危険を察知して逃亡する異形。
そして黒ずくめの男。

しかしその歩みは……遅すぎた。


90 : 灼き尽くせ、ヴァサヴィ・シャクティ :2018/02/03(土) 02:03:33 Fozk8f5I0
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        ._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´,
       ._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ  ヾ
      ::( ( .     |:  !     )  )
        ヾ、 ⌒〜'"|   |'⌒〜'"´ ノ
          ""'''ー-┤. :|--〜''""
              :|   |
              j   i
            ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
      _,,  ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ
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91 : 名無しさん :2018/02/03(土) 02:08:37 Fozk8f5I0
結論から言おう。
まり子、そしてジンは有無を言う暇もなく死亡した。
対国宝具『日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ)』の一撃は、彼らのみでなく、会場の半分以上を焦土に変えた。
当然、その一撃に付随するは膨大すぎる魔術消費。
ジャイ子は果てた。
辛うじて生を繋いでいるが、彼女はいつ死んでもおかしくない状況にある。


92 : 名無しさん :2018/02/03(土) 02:21:46 Fozk8f5I0
「───是非もなし」

孤高の一撃と引き換えに鎧を失った戦士は、精魂枯れ果てた『マスター』の元へ駆け寄った。

やはり無謀すぎた。
いくら令呪による強制があろうと避けるべきだった【最悪の一手】をその英霊はとってしまったのだ。

後悔。
だがカルナは止まらない。
マスターを救うにはもう……生存する全ての参加者を抹殺して、彼女を『宮水三葉』にするしか他ない。
その為なら、殺戮の行進に興じることも厭わない。

カルナはジャイ子を担ぎ、標的を探すべく前へ、そして前へと歩み始めた。

(止まるんじゃねえぞ……)

どこかからそんな声が聞こえた気がした。

【パコさん@パジャマな彼女 死亡】
【まり子@彼岸島 死亡】
【ジン@名探偵コナン 死亡】


【会場のどこか】

【カルナ@Fate/Apocrypha】
[状態]:健康
[装備]:黄金の槍@Fate/Apocrypha
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:マスターを優勝させる
0.残るプレイヤーの早急な抹殺。
※『日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)』が破壊されました。

【ジャイ子@ドラえもん】
[状態]:魔力酷使による瀕死
[装備]:令呪2画
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:不明


93 : 名無しさん :2018/02/03(土) 02:27:03 Fozk8f5I0
生存者一覧

【ひだまりスケッチ】○ゆの○ヒロ○なずな○ 3/3

【ジョジョの奇妙な冒険】○ヌケサク 1/1

【DAKER THAN BLACK】○黒○ノーベンバー11 2/2

【真夏の夜の淫夢】○野獣先輩 1/1

【鋼の錬金術師】○キング・ブラッドレイ 1/1

【教育実習生絶頂す】○神谷○石井先生 2/2

【寄生獣】○浦上 1/1

【ハンターハンター】○団長の手刀を見逃さなかった人 1/1

【ドラえもん】○ジャイ子 1/1

【金田一少年の事件簿】○佐伯航一郎の伯父 1/1

【プロレス】○サンダーライガー 1/1

【Dies irea】○ロート・シュピーネ 1/1

【でんじゃらすじーさん】○じーさん 1/1

【Fate/Apocrypha】○カルナ 1/1

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