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闘争バトルロワイアル【序章】

1 青山 ◆N/GLYlkin2 :2016/11/15(火) 01:50:06 ID:upVUzHQk0

【魔法少女育成計画】○『スノーホワイト』/○『ラ・ピュセル』/○『森の音楽家クラムベリー』/○『ハードゴア・アリス』

【ジョジョの奇妙な冒険】○空条承太郎/○『DIO』/○吉良吉影/○ブローノ・ブチャラティ/○リンゴォ・ロードアゲイン

【魔法少女まどか☆マギカ】○鹿目まどか/○『暁美ほむら』/○『巴マミ』/○『美樹さやか』/○『佐倉杏子』/○志筑仁美

【ミスミソウ】○野咲春花/○野咲祥子/○小黒妙子/○佐山流美/○相葉晄 /○南京子

【真夏の夜の淫夢派生シリーズ】○『野獣先輩』/○『MUR大先輩』/○『ゆうさく』/○『虐待おじさん』/○『ひで』

【バジリスク〜甲賀忍法帖〜】○甲賀弦之介/ ○朧 /○薬師寺天膳/○陽炎

【とある魔術の禁書目録】○上条当麻/○御坂美琴/○白井黒子/○一方通行

【BLACK LAGOON】○岡島緑郎/○レヴィ/○シェンホア/○バラライカ

【ベルセルク】○ガッツ/○『ロシーヌ』/○『モズグス』/○『ワイアルド』/○『ゾッド』

【彼岸島】○宮本明/○『雅』

【ターミネーター2】○『T-1000』/○『T-800』/○ジョン・コナー

【GANTZ】○玄野計/○加藤勝/○西丈一郎/○岡八郎/○『ぬらりひょん』

【書き手枠】
『○』/『○』/『○』/○/○/○

※『』がついているのは赤い首輪の参加者

【生還条件】
 最後の一人になるまで殺し合うか、赤い首輪の参加者を殺せば、即ゲームクリア。ゲームから解放される。
 ちなみに、自分の意思で残留するかどうかを選ぶこともできる
 その場合は、特典として本人の希望するある程度の要望を叶えてもらえる
 例:参加者の詳細情報、強力な武器や装備の支給など
 
【会場】
ttp://www20.atpages.jp/r0109/uploader/src/up0284.jpg

※NPCが存在し普通に生活していますが、どう扱うかは書き手の自由です

【支給品】
地図:上の地図の印刷された紙
食料:うまい棒が3本と無糖のコーヒー缶だけ。あとは現地調達。
ランダムアイテム:現実出展か参加者の世界のアイテム。1〜2個

951 恩人を護るためにスズメバチに刺されるゆうさく ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:20:59 ID:dZZyPa0Y0

「逃げてゆうさくさん!!!」

喉が潰れんほどの小雪の絶叫を受けた瞬間、フッとゆうさくの身体が軽くなったような気分になる。

(いや、軽くなったのは―――ここrチクッ。

「あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・ああああ↑↑↑」

乳首を刺されたゆうさくは微振動と共に悲鳴が上ずり青ざめていく。

ビンビンビンビンビンビン

もはや自分の仕事はここまでだと言わんばかりに悠々と飛び去っていくスズメバチ。

ゆうさくの脳裏からはもはやスズメバチのことなど消えうせ、代わりに様々な人々の声が飛び交っていた。


『草』
『あーイクッ』
『乳首感じるんでしたよね』
『こいついつも刺されてんな』
『あーねんまつ』
『ウ ン チ ー コ ン グ』

どれもが聞き覚えのある言葉だった。
言葉の主との面識は一切ない。
しかし、彼らは人が死にそうだというのにゆうさくが刺されるといつも嘲笑し、嗤っていた。
最初のうちはなぜ嗤うのかと怒りを抱いたが、死を繰り返すうちに残ったのは、恐怖と傍観だけだった。
例え死への結末が定められていても、誰も助けてなどくれない。彼らは笑うだけだから。
自分の死は彼らにとっての玩具だから。飽きたらその存在すら忘れてしまう程度のものだから。


全身から力が抜ける。何百万と刻まれた、死への虚脱感。

なにも変わらないいつもの最期の光景の中、彼は穏やかに微笑んだ。

なぜなら。

「ゆうさく...さん...!」

笑われるだけだった彼の死を悲しみ嘆く者がいることを知れたから。

涙を流してくれた彼女の存在は、絶望と死の輪廻の中の一筋の『救い』となったから。






「アー逝くッ」

ちーん。




『同作品のジンクスには気をつけよう!』(♪陽気なBGM)



【ゆうさく@真夏の夜の淫夢派生シリーズ 死亡】

952 :I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:22:30 ID:dZZyPa0Y0




暗闇が晴れ、三人に増えたゆうさくも消え、最後の注意喚起が終わった。
少女はただ縋りつき、すすり泣き、倒れた男の名を呼び続けていた。

そんな光景を、リンゴォはただ呆然と眺めていた。

「......」

ゆうさくが刺されたとき、リンゴォは動かなかった――いや、動けなかった。
なにか運命的な力が働いた部分もあるにはあるが、それ以上に、見とれていたのだ。
ゆうさくの端整で誠実な顔立ち―――その背後の輝きに。

(あいつのしたことは...公正なる果し合いへの侮辱だ)

そう。
戦いの横槍はリンゴォの理念に最も反し軽蔑すべき行為だ。
故に、ゆうさくの行いには怒りしか覚えない―――本来の自分ならば。

だが、ゆうさくには嫌悪を感じなかった。
彼がリンゴォとスノーホワイトを救ったのは事実だろう。そのことへの感謝の念があるとでもいうのか?
公正なる果し合いを謡いながら、結局は保身を重んじ我が身が可愛いだけの男に過ぎなかったとでもいうのか?

『ちげぇだろ』
「ッ!?」

振り返る。そこには誰もいない。
辺りをキョロキョロと見回しても、いるのは少女1人と骸だけ。

(幻聴か...?)

『保身ならあのホモかガキを真っ先に殺せば済む話さ。なンでてめえが動けなかったか...そンな真っ当な理由なんか

じゃねェ』
「......」

声は間違いなく、あの男、一方通行のものだ。
彼は死んだ。
これが幻聴であることを認識しつつも、その声から意識を離すことができず聞き入ってしまう。

『もう一度聞いてやるぜ、リンゴォ・ロードアゲイン。テメェは俺を殺してなにになりたかったんだ?』
(俺が、なりたかった、もの...)

あの時の一方通行の言葉が、哀れむような眼が脳内でぐるぐると渦巻く。
公正なる果し合いのもと、男の世界に殉じ生きてきた。その果てに生き残っていれば、確かな『男』として完成される

筈だ。そこには一片の迷いもなく、この道を進んだ後悔もない。

ならばいまの状況はなんだ。ゆうさくに見惚れていた自分はなんだ。
あの男の死は、自分の道とは違う答えを示しているとでもいうのか?

(わからない...俺には...)

953 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:22:59 ID:dZZyPa0Y0

――――ビンビンビンビンビンビンビンビン


「ぇ...」

悪魔の羽音が鳴り響き、小雪の声が小さく漏れる。
顔をあげれば、そこにはゆうさくと同じ顔―――ゆうさくが己の命と引き換えに脱出させた筈のスズメバチが迫ってき

ていた。



ゆうさくを刺したあと、スズメバチは困惑していた。
ゆうさくは刺した。先ほどのSSタイトルのオチとしてゆうさくも注意喚起して散った。
あとはいつものように画面からフェードアウトし、この殺し合いのルールに従えば晴れて生還できるはずだった。
だが、主催からはなんのアクションもない。脱出できる気配など微塵もない。


『赤首輪を殺して安全に脱出するか、命をかけたギャンブルに挑むのか、それは自分で決めるんだな』

少年の声が響き渡る。
そういえばさっきからなにか話していた気がするが、ゆうさくを刺すのに夢中でほとんど聞いていなかった。

『あぁっと、肝心なことを忘れてた。赤首輪の報酬を手に入れる条件だけどな、報酬を受け取る権利が与えられるのは

「一番近くにいた、赤首輪を殺したやつだと認識されたとき」だ』

!?

少年は衝撃の事実を告げた。
赤首輪を殺しただけでは脱出できないというそれを忘れちゃ...駄目だろ!と言いたくなるような新事実だ。
つまり、ゆうさくを刺したあといつも通りに飛び去ってしまった自分には脱出の権利はないということだ。

―――てめえふざけんなよ、こんなポカして主催が勤まると思ってんのかよ

そう非難を浴びせてもどうにもならない。
もはやスズメバチが生還する方法は―――

『もちろん、結果が気に入らなけりゃ認識が完了するまでにその裁定を覆すこともできる。どうやって覆すかは、まあ

オメーらで考えてくれ。それもお楽しみのひとつだからな』

あった。
生き残れる方法は、まだ、すぐ側に。

―――あの時、ゆうさくに最も近い位置にいたのは、小娘だ。ヤツを殺せば、赤首輪の権利は自分のものだ。

スズメバチは急いで引き返し、再び赤首輪である姫河小雪の前に姿を現した。

954 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:23:36 ID:dZZyPa0Y0

そんな事情を知らず、放送をロクに聞けていなかった小雪の腹部から髪先まで怖気が走る。
ゆうさくは命をかけてスズメバチを脱出させ、リンゴォと自分、そしてスズメバチまでも救おうとしてくれた。
けれど、スズメバチが脱出できていないということは、その行為が失敗したということ。

つまり

「―――――!」

ゆうさくの死は、ただの無駄死に―――


ザリッ

泣き喚きかけた小雪の耳に、音が届いた。
西部劇のガンマンが、ここぞとばかりに土を踏みしめるような、どこか頼もしき足音が。

「リンゴォ、さん」
「......」

リンゴォは、小雪に背を見せるようスズメバチに立ちはだかっていた。
小雪には、まるで映画のヒーローのように大きな背中だった。

「駄目、です...リンゴォ、さん」

そんな傷ついた身体で戦ったら殺されちゃう。
そう続けようとした言葉も喉からしゃくりあげる嗚咽が踏み潰す。

止める言葉もないまま、スズメバチが急接近し、再び戦いが始まる。
光景は同じ、されど両者の内面は全く違う。



―――あんな傷ついた雑魚ヒゲには遅れをとるはずもない。少女の方も、腑抜けているいまがチャンスだ。

スズメバチは生きて帰れるという焦燥の元、先ほどまでの冷静さは鳴りを潜めている。

一方でリンゴォもまた、先刻までとはまるで違っていた。

(何度も敗れ、命を救われ、恥知らずにも勝者に銃を向ける...なんて最低な男だ)

自分だけが何度も立ち上がる権利を与えられ、己の課したルールでさえ破っている。
いまの行為は、この戦いはまるで公正ではない。そんな自分を汚らわしく思う。
だというのに、何故いつもの震えがないのか。
何故、こうも肩が軽いのか。
何故、ゆうさくのあの輝きが脳裏にこびりついて離れないのか。

(...知りたい)

いまのリンゴォは、公正なる果し合いのため定めた己のルールさえ護れなかった敗北者だ。
『男の世界』において存在すら許されぬ愚物だ。生きた屍だ。
ならば。
男を捨てれば、男の世界を忘れ去れば。
こんな自分にもなにかが見えるのか。一方通行の問いへの答えは出るのか。

『テメェは俺を殺してなにになりたかったんだ?』

(俺の目指していたものとはなんなのか―――この弾丸で、見極める)

955 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:24:05 ID:dZZyPa0Y0

瞬間。

リンゴォの、スズメバチの視界には全ての光景がスローモーションに映った。
スズメバチの射程距離。
肛門がヒクつき、毒液がまさに発射されんとした瞬間、リンゴォの銃が抜かれ構えられた。
スズメバチもリンゴォ自身も驚愕する。そこはまだ射程距離外だろうに、と。
いま撃てば弾丸は大きく外れ、スズメバチに掠りもしないだろう。

だが、リンゴォは引き金を引いた。
自分でもわからない。だが、奇妙な確信があった。これでいい、と。

放たれた弾丸は、真っ直ぐに飛んでいく。

互いの思考を挟む余地なしに。

スズメバチの肛門がヒクつくももう遅い。

弾丸はスズメバチの首輪に着弾し―――爆ぜた。

その身体が四散した瞬間、スズメバチの肛門からウルトラマンが死ぬときに射精する要領で放たれる。
毒液ではなく、毒針。
その必殺の武器は、リンゴォの乳首に刺さり、ガクリ、と膝を着かせた。

刹那の戦いの果てに、勝者はいなかった。

956 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:25:15 ID:dZZyPa0Y0



リンゴォは自分が死ぬことを自覚する。
これでは相打ちだ。いま、己のスタンド『マンダム』で時を戻せばそんな決着もなかったことになり、勝者であるスズ
メバチに殺され『公正なる果し合い』を完遂できるだろう。

だが、もうそんな気にはなれなかった。
この結末に納得しているかのように、先ほどまでの力が嘘のように消えていく。

「......」

一方通行の問いの答えはまだ出ていない。
あと数秒の命、空虚のまま終えるのも、己の道を、信念を違えた敗北者らしい最期だろう。
脱力感に包まれリンゴォの瞼が閉ざされていく。

「駄目!」

投げかけられた叫びにリンゴォの意識が薄らと向けられる。
その半分ほど閉じられた視界に映るのは、涙を浮かべる少女。

「死なないでリンゴォさん!!」

少女の涙が零れ落ち、リンゴォの鼻筋を通り瞳にまで垂れていく。
その水滴を、温もりを感じた瞬間、リンゴォの脳裏に走馬灯のように光景が流れ出す。

戦場から脱走した父が死に、その煽りを受け裏切り者と蔑まれ、貧困の中、足手まといのはずの自分を連れて共に遠方
へ逃げてくれた母と二人の姉たちとの。
病床に伏せることが多くとも、呆れず多くの病院にあたってくれた母との。
口の中を切り呼吸困難に陥った自分の手を優しく握ってくれた姉たちとの。

そんな光景が、とめどなく流れていき、彼女たちとの過去が、眼前で涙を流す少女やゆうさくと重なっていく。

そして解った気がした。ゆうさくから感じた輝きは、自己犠牲の美などではない。
彼女たちから与えられたような、打算も何もない温もりであることを。
戦いの前にいつも起こる震えは、その一歩を踏み出す度にかつてのソレから遠ざかるのを恐れていたのかもしれないこ
とを。
もしかしたら...公正なる果し合いにおいてわざわざ排除するような自分の能力『マンダム』も、そんな過去を欲する
が故に発現したものなのかもしれないことを。

957 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:26:51 ID:dZZyPa0Y0

「みと...る...もの、か...」

リンゴォの声にならぬ呟きと共に、ツゥ、と涙が頬を伝う。

人としてこの世の糧となるため。
そうして幾つもの屍を築いてきたうえで、自分が欲したものが、『男の世界』などではなくこんな生ぬるいものだった

などと。
自分の信じた道が嘘だったなどと。
ゆうさくを止められなかったのは、彼に見せ付けられた無償の愛情が己の汚れた光輝く道よりも高潔であったからなど

と。
最期の攻防において、自分の為ではなく他者の為に戦ったからこそ、射程距離外からスズメバチに当てる芸当ができた

のだと。
ふざけるな。
そんなもの認めてたまるものか。...なのに、心のどこかで安らいでいくのを感じてしまう。

「ぁ...逝...く...ッ」

閉じられた瞼の裏で浮かび上がった一方通行が、同情や自嘲の混じった複雑で寂しげな笑みを浮かべ、そこでリンゴォ

の意識は闇に落ちた。


...リンゴォ・ロードアゲインが最期に見出したものが、欲したものが真か虚構かはもう誰にもわからない。

彼の頬を伝った涙は、少女が流したものなのか。彼自身のものなのか。それすらも知るものはいない。

解ることはただひとつ。

目の前の現実に対して、少女があまりにも無力だったこと。

男たちが仮に救いを感じていたとしても、それが少女には伝わらなかったこと。

だから、少女はただ泣き喚くことしかできなかった。



【スズメバチ@真夏の夜の淫夢派生シリーズ 死亡】
【リンゴォ・ロード・アゲイン@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】

958 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:27:40 ID:dZZyPa0Y0

【F-3/一日目/朝】

【スノーホワイト(姫河小雪)@魔法少女育成計画】
【状態】死への恐怖(絶大)、ゆうさくやリンゴォを喪った悲しみ(極大)
【道具】基本支給品、ランダム支給品1、発煙弾×1(使用済み)
【行動方針】
基本:殺し合いなんてしたくない…
0:???
1:同じ魔法少女(クラムベリー、ハードゴアリス、ラ・ピュセル)と合流したい
2:そうちゃん…
※参戦時期はアニメ版第8話の後から
※一方通行の声を聴きました。
※死への恐怖を刻まれました。
※変身が解かれている状況です。
※ゆうさくを殺した人物及びスズメバチを殺した人物と認識されました。が、スズメバチは首輪を爆破されて死んだた
めスズメバチの分の権利を行使することは不可能です。

959 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:28:51 ID:dZZyPa0Y0

...

...

...

...

...

...


―――ビンビンビンビンビン

また、この音が聞こえてきた。戻ってきてしまった。

やはり恐い。どうしても慣れることなんてできやしない。

きっと、俺の死を悲しむヤツなんてどこにもいないのかもしれない。

でも、あの時彼女が流してくれた涙は、充分に俺を救ってくれた。

それだけで俺もまだやっていける。

...俺は君を応援してるよ。いつかきみが笑えるようにと。

だから、絶対に死ぬんじゃないぞ、スノーホワイト。

じゃあな!

960 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:29:22 ID:dZZyPa0Y0

...

...

...

...

...

...


あれ?音が、やnnnnnnnnnnn――――A problem has been detected and windows has been shut down
to prevent damage to your computer.

The problem seems to be caused by the following file: setupdd.sys

PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA

If this is the first time you've seen this stop error screen,
restart your computer. If this screen appears again,follow these
steps:

Check to make sure any new hardware or software is properly
installed. If this is a new installation,ask your hardware or
software manufacturer for any windows updates you might need.

If problems continue,disable or remove any newly installed
hardware or software. Disable BIOS memory options such as
caching or shadowing.

If you need to use Safe Mode to remove or disable components,
restart your computer,press F8 select Advanced Startup Options,
and then select Safe Mode.

Technical information :
*** stop;0x00000050(0xFC659060,0x00000000,oxFC659060,0x00000000)
***setupdd.sys -Address F763BB1D base at F76150000, Datestamp 3b7dB507

961 I wanna be...(後編) ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:29:50 ID:dZZyPa0Y0

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―――本日は、御アクセス頂き、まことにありがとうございます。
大変申し訳ありませんがこの動画は××の為、ご覧になることができません。
またの御アクセスをお待ちしております。


【スズメバチに刺されるゆうさく@真夏の夜の淫夢シリーズ 削除】






ずずずっずぞぞぞぞ〜

ぷはー

今日もイイ天気

デュフフフ

962 ◆ZbV3TMNKJw :2018/10/12(金) 00:30:17 ID:dZZyPa0Y0
投下終了です

963 名無しさん :2018/10/12(金) 03:01:09 ID:O2PpUml.0
投下乙です。ゆうさくとスズメバチはどちらもホモガキによる宿命に捕らわれていた被害者だったのかもしれませんね…
リンゴォは男の世界を目指していた自分の方向性に一つの答えを見出だしたようで…これって、勲章ものですよ
スノーホワイトは参戦時期の都合上こうなるのもしょうがないね、でもここから一転攻勢できる素質はあるから魔法少女どうにかしろ(無責任)
ラストの文は巧く説明できないけど背筋がぞわっときた。ヴォイスドラマ企画がこのゲームに関わっている可能性が微粒子レベルで存在する…?

964 名無しさん :2018/10/12(金) 04:42:25 ID:Gn0Yvv/k0
投下乙ナス!
途中のタイトルであっ(察し)となり、その後のゆうさくの死に涙がで、出ますよ…
そんなホモの生き様を見たリンゴォも最期には救われたのだろうか…幻想として登場し答えを示してくれた一方さんのナイスアシストいいゾ〜これ
そしてこのロワの黒幕は某美大落ち姉貴だった…?

965 名無しさん :2018/10/14(日) 14:12:42 ID:fpxjjIbs0
投下乙です。
なんだこの人間賛歌は、たまげたなあ……
ゆうさくをとりまく因縁が収束しここだけで一つの物語の終着点になっているのがいいですね。

966 ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/14(水) 23:57:22 ID:kwudH58o0
感想ありがとうございます。
このロワが立てられてからもう2年です。とても早いです。投下します

967 ジレンマ ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/14(水) 23:58:03 ID:kwudH58o0

「左衛門さんたちも殺し合いには反対なんだな?」
「ウム。ワシにも仲間がおる。彼奴らを捨て置くことはできんからのう」

SMバー平野の一室で遭遇した当麻とラ・ピュセル、左衛門と吉良の二組は、互いに名乗ったあと、腰を落ち着かせつつ情報交換に勤しんでいた。

「そういう主らも、乗っておらんということは仲間がおるのじゃな?」
「ああ。俺もこいつも探してる奴らがいる」

当麻はさりげなくラ・ピュセルを自分の後ろに置き、己の身体を盾にしつつ話を進める。

「みんなこいつと同じくらいの歳の女の子なんだが、どこかで見てないか?」
「いや、ワシらはくさそうな男と会っただけじゃ」
「くさそうって...臭いが独特とかじゃなくって?」
「うむ。別に匂いが強いわけではないのだが、なぜか『くさそう』と思ってしまう男じゃ」
「言ってることがよくわからないな...吉良さん、あんたから見てどうなんだ?」

当麻がこれまで会話に加わっていなかった吉良に質問をふるも、吉良の返答はない。
ただ呆然と彼方を見つめているだけだ。

「...おーい、吉良さん?」
「......」
「吉良さん」
「ッ...す、すまない。すこしボーっとしてしまっていた。私も殺し合いに賛同するつもりはない。家に戻りたいとは思うが、他の人を殺してまでは」
「その話はもう終わっておる」
「そ、そうか。ええと、なんの話だったかな?」
「吉良さんたちが会った男は『くさい』わけじゃなくて『くさそう』と思う男なのかって話だ」
「ああ。あながち間違っていないんじゃないか?」

明らかに動揺している吉良に、当麻とラ・ピュセル、左衛門までもが訝しげな目を向ける。
その視線を受けた吉良は、ふぅ、と小さく息を吐き、額に手を添えた。

「君達が疑うのも無理はない。ただ、私は見ての通り普通のサラリーマンで、こんな経験は初めてなんだ。恐怖はあるし、緊張もしている。それ故に常に最善を尽くせるわけじゃない。その辺りは理解してもらいたい」

先程とは一転、うって変わって落ち着いたその様子に、当麻もラ・ピュセルも一層不審感を抱く。
が、本当にパニックに陥った一般人の可能性も顧み、二人はひとまずその不信感を頭から振り払った。

「...わかった。悪い、吉良さん」
「いや、この中で年長者は私なんだ。もう少ししっかりしなくちゃあな」

吉良が大きく息を吸い、改めて情報を整理していたその時だった。


『あー、ごきげんようおめーら』


突如、天より響いたその声に、四人は思わず天井を仰ぐ。

968 ジレンマ ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/14(水) 23:58:26 ID:kwudH58o0


「な、なんだ?」
「どうやら放送の様だ。何を伝えるかまではわからないが、この殺し合いに関することで間違いないだろう」

吉良の考え通り、声の主は殺し合いについて不足していたヶ所を説明し、ルールとして付け加えた。
その過程で、左衛門が記載漏れされていたことが判明したが、当麻たちがそこにツッコむ暇もなく放送は続けられる。

『今回の禁止エリアはC-2、E-8、J-3だ』
「ふむ。ここからはどこも遠い。煽りを喰らう事も無さそうじゃ」

左衛門がそうぼやけば、次いで知らされるのは死者の名だ。

『薬師寺天膳
志筑仁美
南京子
一方通行』
「!」

一方通行。その名が呼ばれた瞬間、当麻は思わず息を呑んだ。
あの学園都市第一位の男が、死んだ。
その身を持って彼の脅威を体験していた当麻は、衝動のまま壁を殴りつけようとするも、その腕は吉良に掴み止められた。

「それは徒に手を傷付けるだけだ」
「......」

沸騰した当麻の脳内が些か落ち着きを取り戻し、思考もどうにか平静になる。

「...悪い、吉良さん」

そう彼に謝り、ふぅ、とひといきつく。

一方通行。
かつて、御坂美琴の複製(コピー)である妹(シスターズ)を一万人殺した男。
当麻は彼と戦い、勝利を収めたことがある。
が、それは当麻の右手の幻想殺しと御坂たちの協力があってこそだ。
本来ならば、学園都市一位に恥じぬ『最強』を誇った男には間違いない。
その男が、死んだ。おそらくだが、誰かに斃された。
当麻のように幸運が重なったか、あるいはなんらかの不運が重なったか。
一方通行が殺し合いに乗ったのか、あるいは乗った者に狙われたのか。
なにもかもわからないが、いまの当麻が言えることはひとつ。

(どうしてあいつに勝てるくらいの力がありながら、こんな殺し合いを肯定しちまうんだよ!)

969 ジレンマ ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/14(水) 23:58:48 ID:kwudH58o0

もし一方通行が殺し合いに乗っていなかった場合、殺した者は殺人肯定者に他ならない。
彼に勝てるほどの力がありながら、殺し合いに乗る―――その力を守るために使えば、犠牲者なくして殺し合いを止めることができるかもしれないのに。
それに、死亡者は一方通行だけではない。
全員を聞き遂げたわけではないが、少なくとも複数人の殺人肯定者がいるはずだ。

(はやくこんなバカげたことは止めねえと)

人を殺す。
如何な事情であれ、それは多くの悲しみを生み出す所業に他ならない。
当麻は決して正義の味方ではないし絶対的なヒーローなんかでもない。
ただ、人が悲しみ傷つくのが嫌なだけの人間だ。
だから、この会場にいる御坂や黒子、ここにいる岸部たちやその仲間が涙を流す前に、殺し合いをぶち壊さなければいけない。
当麻の拳は、無意識のうちに強く握りしめられていた。

そんな彼の背中を見て、ラ・ピュセルは静かに唇をかみしめていた。

(僕は最低だ)

彼が放送を聞いて真っ先に思ったことは、『小雪が無事でいてよかった』だ。
それ自体は悪いことではない。問題は、その後だ。

(きっと、僕は小雪が呼ばれなかったことに安心して、死んだ9人も『思ったよりも少なくてよかった』と思ったに違いない)

本当なら、当麻のように犠牲になった人々を悼むべきなのに。
彼は、おじさんに虐待されたためか、あるいは既に死に瀕した経験があるためか、自分の周りのことしか見れなくなっていた。

(しっかりしろ、岸部颯太!もっと周りを見るんだ!この殺し合いを止めて、皆で笑顔で帰る!それが魔法少女だろう!)

パンパンと、己の頬を叩き、ラ・ピュセルは気を引き締め直した。

970 ジレンマ ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/14(水) 23:59:17 ID:kwudH58o0
そんな各々に動揺する当麻とラ・ピュセルを余所に、左衛門は顎に手をやりつつこれからの方針を考えていた。

(薬師寺天膳め。あやつ死におったか)

薬師寺天膳。
この殺し合いに連れてこられる前に豹馬が仕留めていたはずが、何故かこの殺し合いにも連れてこられていた男。
如何な術者かと不気味に思っていたが、まさかこんな短時間で討たれるとは。
あまりにも呆気ないというか、やはり他愛のない男だったのだろうか。

(まあよい。これであやつは確実に死んだ。となれば、伊賀の者は朧のみか)

能力は不明であるが、恐らくは伊賀の忍びの纏め役であった天膳の死亡は大きい。
朧は破幻の瞳にさえ注意しておけばただの小娘、実質的な戦力としては皆無。
それに比べ、こちらはまだ弦之介、陽炎、そして自分が残っている。弦之介も盲目とはいえ、心眼の心得があるため充分に戦力となるため、優勢なのは間違いなく甲賀だ。

(とはいえ、ワシらが帰れなければそれも意味なし...ここでこの小娘を殺して先に脱出することも出来るが...)

現状、赤首輪であるラ・ピュセルもそれを護衛する当麻も気が動転し隙だらけだ。
ここで毒針のひとつでも飛ばせば問題なくラ・ピュセルを殺すことができるだろう。

(ただ、現状では小娘との距離は吉良が一番近い。あの妙な人形を掻い潜り、奴を含めた三人を始末するのは骨が折れる)

吉良がラ・ピュセルの傍にいる以上、脱出の権利は吉良に譲ることになる。
それでは殺す意味がない。
それに、陽炎はともかく弦之介を置いて先に帰還するのは憚られる。
彼の目が視えぬのもそうだが、彼は性分が穏やかすぎるきらいがある。
その性格上、薬師寺天膳のような好戦的な相手ならいざ知らず、ここにいる上条当麻のような者がいればそちらの意見を優先してしまうだろう。

(まあそういう性分だからこそ、朧が伊賀者でなければと思いつつも見届けようとした者がいるのじゃがのう)

無論、弦之介とてただ甘いだけの男ではなく、非情にならなければならない時はしっかりと忍びらしく徹することはできる。
ただ、そこに至るまでの時間が長い懸念は消しきれないため、可能な限り迅速な判断を促すためにも合流してから彼を脱出させてやるべきだろう。

(なんにせよまずは弦之介様と陽炎との合流じゃな)

甲賀者としてにせよ、個人的な感情にせよ、やはり二人を捨てることはできぬ。
左衛門は、ひとまずはラ・ピュセルの首輪は狙うまいと決めた。

そして、吉良は。

「すまない。少し、トイレに行かせてもらえないか。改めて殺し合いだと聞かされると聊か身体が強張ってしまってね」

971 ジレンマ ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/15(木) 00:00:05 ID:4lQCR5ME0




ラ・ピュセルに案内されたトイレにて、吉良は欲望を発散していた。

(まったく、上条当麻め。あの右手の価値に気が付いていないのか。危うくあの神のごとく清浄な手が傷つくところだったじゃないか)

ゴシゴシ、と吉良の右手が上下し吉良の息遣いも次第に荒くなっていく。

(ラ・ピュセル...あの可愛らしい手...上条当麻の右手...っく)

吉良の手の速さが増していき、呼吸は喘ぎにも似たものに変わってゆく。

そして。

「うっ!...あふぅ〜」

あっという間に、果てた。

そそりあがった欲望を全て吐きだした吉良は、少しの余韻に浸った後、トイレットペーパーで丁寧に処理をし、既に濡れていた下着を履き替え、手をキチンと洗いトイレを後にする。

「待たせたね。それではこれからの方針を決めることにしよう」

同行者たちの前に姿を現した彼の顔は、既にイチサラリーマンの仮面へと切り替わっていた。

972 ジレンマ ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/15(木) 00:00:49 ID:4lQCR5ME0



【E-5/街(下北沢、SMバー平野)/一日目/早朝】

【ラ・ピュセル(岸部颯太)@魔法少女育成計画】
[状態]全身に竹刀と鞭による殴打痕、虐待おじさん及び男性からの肉体的接触への恐怖、同性愛者への生理的嫌悪感(極大)、水で濡れた痕、精神的疲労(大)、上条への好意
[装備]
[道具]基本支給品、だんびら@ベルセルク
[行動方針]
基本方針:スノーホワイトを探す
0:虐待おじさんこわい。
1:これからの方針を決める
2:襲撃者は迎撃する

※虐待おじさんの調教により少し艶かしくなったかもしれません。


【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
[状態]:軽度の疲労
[装備]:
[道具]:基本支給品、淫夢くん@真夏の夜の淫夢、不明支給品0〜1
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを止める。
0:これからの方針を決める。
1:御坂、白井と合流できれば合流したい。
2:一方通行を斃した奴には警戒する。
3:他者を殺そうとする者を止めてまわる。

※淫夢くんは周囲1919㎝圏内にいるホモ及びレズの匂いをかぎ取るとガッツポーズを掲げます。以下は淫夢くんの反応のおおまかな基準。
・ガッツポーズ→淫夢勢、白井黒子、暁美ほむら、ハードゴアアリス、佐山流美のような同性への愛情及び執着が強く異性への興味が薄い者。別名淫夢ファミリー(風評被害込み)。
・アイーン→巴マミ、DIO、ロシーヌのような、ガチではないにしろそれっぽい雰囲気のある者たち(風評被害込み)。
・クソザコナメクジ→その他ノンケ共(妻子や彼女持ち込み)。
判定はガバガバです。また、参加者はこの判定を知らされていないため、参加者間ではただの参加者探知機という認識になっています。
※吉良がガッツポーズに分類された可能性があります。




【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、スッキリ、ラ・ピュセルと上条当麻の手に心酔に近い好意、新しいパンツ(白ブリーフ)。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×1、ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本行動方針:赤い首輪の奴を殺して即脱出...したいが...ここは天国だ...抜け出すべきなのだろうか...?
0:これからの方針を決める。
1:少女(ラ・ピュセル)の手はこの世のものとは思えないほど美しい。上条当麻(少年)の右手は私が触れることすらおこがましく思えるほど神秘的だ。
2:如月左衛門、という奴と同行。秘密を知られたら殺す(最悪、スタンドの存在がバレるのはセーフ)が今は頼れる味方だ。
3:こんなゲームを企画した奴はキラークイーンで始末したい所だ…
4:野獣の扱いは親父に任せる。できればあまり関わりたくない。
5:左衛門の手も結構キレイじゃないか?
6:最優先ではないが、空条承太郎はできれば始末しておきたい。



[備考]
※参戦時期はアニメ31話「1999年7月15日その1」の出勤途中です。
※自分の首輪が赤くない事を知りました。
※絶頂したことで冷静さを取り戻しました。


【如月左衛門@バジリスク〜甲賀忍法帖〜】
[状態]:特筆点無し
[装備]:甲賀弾正の毒針(30/30)@バジリスク〜甲賀忍法帖〜
[道具]:基本支給品×1、不明支給品×0〜1
[思考・状況]
基本行動方針:弦之介や陽炎と合流してから赤首輪の参加者を殺して脱出。
0:これからの方針を決める。
1:吉良吉影という男と同行。この男、予想以上に強いのでは…?
2:甲賀弦之介、陽炎と会ったら同行する。
3:野獣先輩からは妙な気配を感じるのであまり関わりたくはない。
4:ラ・ピュセルは現状では狙わない。
[備考]
※参戦時期はアニメ第二十話「仁慈流々」で朱絹を討ち取った直後です。
※今は平常時の格好・姿です。
※自分の首輪が赤くない事を知りました。

973 ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/15(木) 00:03:02 ID:4lQCR5ME0
投下終了です。

空条承太郎、野崎春花、朧、西丈一郎、相場晄を予約します

974 名無しさん :2018/11/15(木) 00:20:00 ID:99TIN3e.0
投下乙です
三人がシリアスやってる中でKR兄貴はナニやってんですかね…。こいつ凄ェ変態だぜ?

975 ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:27:21 ID:CDCJ2sNE0
投下します

976 ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:27:43 ID:CDCJ2sNE0

「ヒィィィ!」

朧の悲鳴に、春花は慌てて振り返る。
彼女の身になにかあったのか、その不安は、ウィーンという機械の音にかき消される。

「う、腕が潰され...!」

涙目でばたばたと暴れる朧の腕は、血圧計に飲み込まれていた

「......」

春花は、その様子を見てなんとなく事情を察した
手分け...といっても、向かい合わせの棚だが、少し目を離した際に、朧が血圧計を見つけた。
彼女の生きた時代にはこのようなものはなかった。
それで、好奇心から手を入れてボタンを押してしまい、パニックを引き起こしてしまったのだろう

悲鳴を聞きつけ、バァン、と勢いよく戸を開けた承太郎も、その光景を見て察し、溜め息をついた

「春花殿、空条殿、私の腕が、腕が物の怪に!」
「...止めてやれ、野崎」

春花がコクリと頷き停止ボタンを押すと、朧の腕の圧力は瞬く間に引いてゆき、穴から腕を引き抜くと、腰が抜けたのかヘタヘタと座り込んでしまった

「な、なんでございますかこれは」
「これは血圧計っていうの」
「け、けつあつけい?」
「健康を見るために使うものだよ」

春花の説明に、食いつくように朧は聞き入る。
そんな二人の様子を見て、承太郎はここは春花に任せてもいいだろうと判断し、静かに部屋を後にする。

「ここに腕をこうして...」
「ほ、本当に大丈夫なのですか?」
「ちゃんと安全に計れるように作られてるから」

春花がボタンを押すと、血圧計は、通された腕を締め付け始める。
朧は奇妙な圧迫感にあわあわと戸惑うも、空いた手に重ねられた春花の掌の温もりに心を落ち着かせる。

数十秒の締め付けの後、解れていく圧迫感に朧ははふぅと大きなため息をついた。

「こ、これでよろしいので?」
「うん。あとはここの数値を見て...」
「えっと、百二十五と七十六...これはよい結果なのでございますか?」
「え?えっと...ごめんなさい、私もよくわからない」
「左様でございますか。...しかし、なんともまあ...」

朧の眼がキラキラと輝き始める。
彼女の生きる時代においては、未だ電気すら通っていない。
そんな彼女にとって、この病院に溢れる機器は未知の世界そのものであり、否が応にも興を惹かれざるをえない。

977 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:28:23 ID:CDCJ2sNE0

「こ、これはどうやって使うのですか?」
「体重計だね。ここに乗れば...」
「!針が動きました」

それからも、新しいものを見つけては子供のように目を輝かせ、ハシャぐ朧を見て、春花の口元がおぼろげに緩む。

(しょーちゃんも、昔はこんな感じだったっけ)

春花の妹、祥子。彼女はああ見えてよく周りに気を配り、イジめられていても毅然として振る舞っていることが多かった。
都会から田舎に引っ越してからは、今度は春花がイジメられ始め、祥子に元気づけられていたので、こうして純粋に楽しいと思える時間が随分久しぶりだった。

「春花殿。未来の世界とは、こんなに素晴らしいもので溢れているのですか?」

朧の何気ない一言に、春花の胸がズキリと痛んだ。
朧は純粋に文化と技術を楽しんでいるだけで、他意などない。朧の指す素晴らしいものとは、文字通りモノであり、春花の背景にはなんら関係のないことだ。
けれど、春花は自分の世界を『素晴らしいもの』とは決して言えなかった。「うん、そうだよ」と朧を満足させる嘘すらつけなかった。
それを口にするには、彼女は汚れ、汚されすぎた。

頬を伝う汗に気が付いた朧は、自分がなにか失言してしまったと悟り、慌てて頭をさげる。

「もう、申し訳ございませぬ。私は、なにか触れてはならぬことに...」
「ううん、違うの。朧さんは、なにも悪くないから」

首を横に振り、朧を慰めようとする彼女の微笑みは、決して負担を与えまいとする作り物の笑みだった。

「野崎、朧」

不意にかけられた声に二人が振り返ると、承太郎が部屋の入り口に立っていた。

「ガキが二人向かってきている。お前たちの知り合いかどうか確認しな」

承太郎に促され、廊下から外の様子を伺う。
その姿を確かめた時、春花の目は大きく見開かれた。

「相場くん...!」

978 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:28:58 ID:CDCJ2sNE0




「野崎!」

入り口から駆けつけてきた春花を見つけるなり、相場は満面の笑みを浮かべて駆け出す。
二人の距離はあっという間に縮まり、抱きしめあう。

「無事でよかった...」
「おまえこそ。ずっと心配してたんだ」

互いに目じりに涙を浮かべながら言葉を掛け合う二人。
そんな二人の姿を、朧は目元を拭いながら微笑み祝福し、承太郎はなにかを探るように鋭い目つきで観察し、西丈一郎は退屈そうに眺めていた。

「野崎、その耳は...」
「たいしたことはないから大丈夫。...相場くんこそ、大丈夫なの?」
「こんなのはかすり傷みたいなものさ」

相場と春花が互いに労わりあう脇で、承太郎は西との情報交換にとりかかっていた。

「オメーたちも誰かに襲われたのか」
「さあね。俺も後からコイツと合流したから、なにがあったのか詳しくは知らねえ」
「......」

承太郎の目付きが訝しげなものになる。

その対象は、西ともう一人―――相場晄。

「空条殿?」
「相場、野崎。再会を喜んでるところ悪いが―――」
『あー、ごきげんようおめーら』

承太郎が抱き合う二人に声をかけようとした瞬間、どこからかノイズがはしり少年の声が流れ出す。
一同が一斉に空を見上げる中、ただ一人、春花だけは「ぇ」、と小さく漏らした。

嬉々として語る少年の声が鳴りやむと、一同の間にしばしの静寂が訪れた。

979 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:29:28 ID:CDCJ2sNE0

「空条殿、いまのは...」

おどおどと問いかける朧を皮切りに、承太郎と西、各自考察していた者たちも口を開いていく。

「いまの奴が、この殺し合いの主催...最初のセレモニーで首輪を爆破した男ってとこだろう」
「ですが、声が違っておりましたが」
「声を変える方法なんざいくらでもある。セレモニーの奴ではなくとも、関係者であることは確かだ」
「あの煽りっぷりからして、脅されて協力させられてるっつーわけでもなさそうだな」
「ああ。あれはどう聞いても交流のある参加者に向けての挑発だ。ソイツがわかれば主催のこともわかりそうだが...どうした野崎。顔色が悪いんじゃあねえか?」

承太郎からかけられた言葉に、春花の身体がドキリと跳ね上がる。
青ざめ、震えているその様は誰が見ても異常だった。

「あの放送の声、ちょうどお前達の年齢に近く聞こえたがお前達はどう思う?」
「そんなもの偶然だ」

震えの止まらない春花に代わり、相場が割って入り承太郎を睨みつける。

「参加者が60人近くいるんだぞ。同じ年くらいの奴なんていっぱいいるさ。震えてるのだって、南先生が死んじまったからだ」
「そうか。俺はその先生とやらと親しい仲だとは聞いちゃいねえが」
「身近な人が死んだんだぞ。親しくなくても恐くなるのは当たり前だ」
「...かもな。その割には、お前は野崎と比べてずいぶん冷静な気もするが」
「...あんたなにがいいたいんだ。まさか、あんな放送で野崎を疑ってるんじゃないだろうな」

承太郎と相場、二人の睨み合いは空気を張り詰めさせ、緊張感を漂わせる。
朧などは、二人を諌めることすらできず、ただおろおろと戸惑うことしかできないほどだ。

「ま、疑われるのは仕方ねーだろ」

そんな空気もお構いなしに、西はサラリと割って入る。

980 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:30:28 ID:CDCJ2sNE0

「あの放送の後にその怯えようだ。なにか知ってると思わない奴が馬鹿だろ」
「西、お前...!」
「おいおい、俺は当然のことを言っただけだぜ。なにもやましいことがないならそいつがそうと言えばいいだけじゃねえか」

西の軽い調子の反論に、相場はぐっと黙り込む。
実際、承太郎や西の疑惑は間違っていない。
あの放送の後にこんな反応をされて疑うなというほうが無茶というものだ。
かくいう自分も、春花の境遇を知っていれば、復讐をしていてもおかしくはないと思う。
放送の間宮の言うとおりに殺してはいないにせよ、春花が奴らに手を挙げたのはおそらく事実だ。
しかし、だからといって、春花が責められるのを黙って見ていられるはずもない。
隠蔽でもなんでもいい。今は矛先を変えなければ。

「...ん」

そんな相場の思案は、春花の震える声で無に帰した。

「放送の声は、間宮くんで、間違いないと思う」
「ッ、野崎、おまえ...?」
「ごめんね、相場くん。でも、伝えなくちゃいけないから。みんなにも、相場君にも」
「野崎...やめろ。そんなことしたら、おまえ...!」
「あーウゼェ。話してくれんならそれでいいじゃん。イチイチ水さしてんじゃねえよ」
「西ィ!」

相も変わらず薄ら笑いを浮かべつつ煽る西に激昂する相場。

「...話しな、野崎」

騒ぐ二人を他所に、承太郎は春花に話を続けるように促した。
春花は小さくうなずくと、重々しくその口を開いた。

「間宮君は、私が殺したクラスメイトです」

981 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:31:09 ID:CDCJ2sNE0



春花は全てを語った。
相場以外のクラスメイトに度の過ぎた迫害をされていたこと。
そのクラスメイト達に家に放火され、家族を焼き殺されたこと。
そのクラスメイト達を、次々に殺していったこと。
漏れ出しそうになる感情を噛み潰しながら、その全てを。

春花が語り終えた時、室内はシンとした静寂に包まれた。

「野崎...お前は悪くない。悪くないんだよ」

最初に口を開いたのは相場だった。
春花を抱きしめ、目を瞑り、そう囁いた。

(違う)

けれど、春花に湧きあがるのはどうしようもない罪悪感で。

「前にも言っただろ。俺がついてる。なにがあっても一緒に耐えるって」

心から心配してくれる相場の言葉も嬉しい反面、それを受け入れてはいけない気持ちも湧き上がってくる。
元凶は自分であり、復讐に手を染め穢れていったのも自分の責任だ。
それでも手を差し伸べてくれる相場の姿はひどく輝いて見えて。
だからこそ彼を巻き込んではいけない―――そんな自己否定に陥りつつあった。

「野崎」

承太郎は春花を真っ直ぐに見据えて言う。
春花は、浴びせられるであろう糾弾を覚悟し、俯き、ぎゅっと口元を噤んだ。

「確認しておくが、お前の周囲じゃ、『スタンド能力』や『怪物』の影はなかったんだな?」
「...うん」
「なら、これ以上聞くことはねえ。この殺し合いに関してはお前がシロで、ヤツの背後でなにかが手を引いているのがわかったからな」

982 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:32:10 ID:CDCJ2sNE0

えっ、と小さくもらし、春花は思わず顔を上げる。

「お前がヤツを殺したのが悪だとか正義だとかは、お前自身が納得していればいいことだ。俺が口を出す問題じゃあねえ」
「でも、私のせいで」
「俺がお前について知っているのは、身を挺しても朧を助けたことだけだ。それまでの過程は知ったことじゃねえ。
...あの放送で、どう動くかはお前が決めればいい。俺の敵にまわるなら容赦はできねえがな」

承太郎の言葉は、受け取りようによっては厳しいものだった。
春花の復讐を肯定するでもなく否定するでもなく、また、放送を聞かされてからの行動も突き放しもつき合わせもせず。
解を与えられるのではなく、全てを己で決めろと言ってのけたのだ。

かくいう承太郎の仲間にも、復讐を遂行した者がいた。
J・P・ポルナレフ。彼は、最愛の妹を殺され、己の人生を『犯人に死の報いを与える』という復讐に費やし、完遂した。
彼も犯人もスタンド使い同士とはいえ、殺人は殺人。仮にスタンド能力を法廷において裁けるのなら、犯人もそうだがポルナレフも間違いなく有罪だろう。

だが、承太郎も他の仲間たちも、彼の行動はともかく復讐心自体を否定したことはなかった。
それは、ポルナレフが自身で選び『納得』していたからだ。
いくら犯人を殺しても、妹が蘇るわけではない。そんなことはわかっている。
だからといって、妹の、己の無念に全て折り合いをつけ、忘れ去り生きていくことはできなかった。
自己満足でもいい。全ての因縁に決着を着ける覚悟で、彼は自ら復讐に望んだのだ。

だから、承太郎も春花を責めるようなことはしなかった。
謂れのない迫害を受け、家族を殺され。それを全て耐え続けて生きることができるかできないか。
春花は後者だった。それだけのことであり、ただでさえ部外者である承太郎が口を挟むことではない。
後は彼女の問題。ただ、それだけのことだ。

承太郎は踵を返し歩を進めることで、一同に改めて棟内で情報の共有をするように無言で促した。

(部外者だからそうやって大口叩けるんだ)

相場は、承太郎の背を睨みながら、内心で毒を零した。
あの学校でのことをその身で体験すればそんなことは言えなくなる。

あの学校での虐めは、完全に度を越していた。
放火の件がなくとも、証拠を揃えた上で警察にでも告発すれば、すぐにでも学校自体が閉鎖するほどのものだ。
相場も、常に野崎の味方をして、クラスメイト達に止めろと直接訴えたことがあるが、それでも虐めはとまらなかった。

983 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:32:27 ID:CDCJ2sNE0

力が強ければいいだとか、あいつらを殴ればいいだとか、そんな単純な問題ではなくあの村そのものがどこか狂っていたのだ。

「野崎、あの人の言うことなんか...」

承太郎の言葉に揺らいでいるであろう春花を気にかけ、振り向いた時だった。

「野崎...?」

彼は見た。見てしまった。

今まで黒く濁っていた彼女の目に、微かに光が宿っていたことに

(なんで、そんな目をしてるんだよ)

そう。それは、この殺し合いにおいて、相場が取り戻せなかったもの。
家族が殺される前まで、相場に見せていたものと酷似した目だった。

「...ごめん、どうかした?」

ようやく相場の呼びかけに気がついた春花は、小首を傾げて相場を見つめる。

そんな彼女に、相場は。

「いや、なんでもない。少しは元気になれたみたいでよかったよ」

微かな微笑みで答えた。

984 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:32:56 ID:CDCJ2sNE0



「コイツはウォータークーラーって言ってな。ボタンを押せば飲み水が出てくる」

棟内での情報交換を終えた後、朧と春花は西と共に施設の散策を再開していた。

「んっ...冷たくて美味しゅうございます。後世にはこのような物があるとは...朱絹に教えればさぞ喜ぶことでしょう」
「...あんた、マジで江戸時代の人間なのか」

西は、情報交換の場でそう聞かされてはいたものの、やはり半信半疑であったため、こうして散策にかこつけて確かめようとしていた。
結果、この純粋なリアクションだ。仮に演技派の女優といえど、こうまで時代知らずの言動がとれるとは思えない。
西の中で、朧への疑念はほとんど晴れていた。

「どーりで思ったよりも平静でいられるわけだ...なあ野崎」

突如、話を振られた春花は、つい、えっ、と声を漏らす。

「江戸時代ならそりゃ今よりも殺人も多いだろうし、オメーの話くらいじゃ動じねえのも納得だよな」
「......」
「そんな目で見るなよ。俺はむしろお前とは仲良くなれると思ってるんだぜ」

西は、春花の話を聞いたとき、親近感を抱いていた。
彼も元の世界において、虐めにあっていた。堂々と陰口を叩かれたり、頭上から机を落とされたりなんてのも日常茶飯事だ。
...尤も、彼の場合は環境以上に、普段からの高慢ちきな態度や猫を殺すような言動のせいであるが。

ともかく、彼からしてみれば、虐めなんてものは、無能な弱者が理解できぬ才能を恐れての自己防衛にすぎない。
春花の話も、その弱者が自分達を強者だと勘違いして、イキがって、返り討ちにあっただけの話だ。
とりたてて騒ぐようなことでもない。

「あいつらを殺したとき、どうだった?スカッとしたか?自分はあいつらよりも優れてるって優越感に浸れたか?」
「...どうだろうね」
「あっそ、つまんねーの」

985 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:33:41 ID:CDCJ2sNE0

西は、春花の反応が思ったよりも薄いことに、つまらなさそうに口を尖らせ思考を切り替えた。

(過去からの人間か。面白そうなことをしてくれるじゃねえか)

西は、朧という過去からの人物の存在を知ったとき、胸を高鳴らせた。
過去の人間の複製。それ自体は、ガンツのおいても可能だった。
しかし、それはあくまでもあの黒球が干渉し始めてからのこと。
数年、数十年前ならまだしも、何百年前の人間に干渉するのは不可能だった。

(ガンツでさえできない過去への干渉...最高じゃねーの)

過去を支配する―――都合の悪い、つまらない筋書きの歴史を改変し、己の求める結果へと導く。
そんなゲームにおけるチート技を手に入れるのだから、いうなればそれは、ひとつの世界を手中に収めるのに等しい。

それだけではない。

(この殺し合いってヤツに少し興味がわいてきたぜ。...この力を手に入れ、俺がこのくだらねえ世界を支配してやる)

西は、くつくつと静かに笑みを零した。


(天膳...)

朧は、放送で呼ばれた天膳のことを気にかけていた。
というのも、彼が呼ばれて悲しいという感情よりも、そもそも彼が本当に死んでいるかどうかへの疑問故だ。

(天膳は不死の忍び...また、いつものようにひょっこりと顔を出す気がしてなりませぬ)

天膳は今まで幾度も死んできた。
時には身内の勘違いで刺され、時には熊に襲われ、時には情事に溺れた隙を付かれ。
だが、その度に彼はあの不適な笑みを携え姿を現した。
だから、この殺し合いにおいてもまた現れるだろうという安心感故か、そこまで悲しみを感じず、涙も流せなかった。

そんな天膳のことはさておき、朧が気にかけるのはやはり弦之介のことだった。

(弦之介様がこのびょういんの道具を見たらなんと思うのやら)

普段は落ち着き払っている彼も、自分と同じような反応をするのだろうか。
そんな様子を思い浮かべたら、ちょっぴりおかしくなり、つい笑みがこぼれてしまった。


「私が、納得していればいい...」

春花は、ポツリとつぶやく。承太郎の言葉を、『納得』を理解するために。

たとえば、自分が復讐に踏み切らず、あの雪の中で殺されていたら。
きっと、相場以外のクラスメイト達は、あの事件を笑い話にでもして、反省することもなくヘラヘラと過ごすだろう。
そして、春花達のことなどすっかり忘れ、下手をすればまた同じように誰かを迫害し、殺すのを繰り返すのは想像に難くない。
自分や家族達は、果たしてそれを納得できるだろうか。

(納得なんて、できない)

思い返せば返すほど、あの燃え盛る家が怒りと無念を訴えかけてくる。
あの惨劇を引き起こした連中がなんの罰もなく幸せになる姿を考えると、それだけで気が狂いそうになる。
自分の復讐が正しかったとはまだ思えない。
それでも、己の復讐心が否定されるものではなかったことは、ほんのちょっぴりだけ、春花の気持ちを軽くした。

986 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:34:35 ID:CDCJ2sNE0




「聞きたいことがあります」

窓際で見張りを兼ねた休養をとっていた承太郎に相場が呼びかけた。

「間宮の背後で誰かが意図を引いてるって話...なんでそう思ったんですか?」
「推測する根拠ならいくらでもある。第一に、ヤツはお前たちと同じ環境の人間だ。そんな奴が時系列さえ無視して参加者を集められるはずがねえし、そんな能力を持っていながら野崎に殺されるのも解せねえ」

承太郎は、相場へと振り向かず、窓から外の様子を伺ったまま話を続ける。

「第二にこの殺し合いの補足についてだ。地図の更新、参加者の記載漏れ、参加者外の存在、まともに殺し合いに乗った際のメリット...多すぎだ。
ひとつならいざ知らず、ルールを決めた本人がこれだけの重要な情報を幾つも話し忘れるのは考えにくい。
なら、あのガキがなにかの力を使ったと考えるよりも誰かがその力を与えたと考えるのが妥当だ」

相場の靴がコツ、コツ、と床を叩きながら承太郎へと近づいていく。

「...すごいな、あんたは。俺なんかそこまで冷静に分析できなかったし、野崎に気を配ることもできなかった」
「ソイツは見込み違いだ。俺はあいつに気を配ったつもりはねえ。必要だったから聞いただけだ」

承太郎は迫る音にも反応はしない。
相場へ視線すら向けずじっと外を眺めていた。

「空条さんから見て、野崎はどう思いますか?」
「なにが言いたい」
「女の子としてですよ。数時間を共にしたんです。少しは下心とかあったりして」
「くだらねえ。この状況でそんなことを気にしている場合か」
「...そうですよね」
「そんなことより、オメーに聞きたいことがある」


コツ、コツ、コツ。

手を伸ばせば届く距離にまで近づいても、承太郎はやはり振り向かない。
じれったくなる感情を抑えつつ、相場は手のひらに力を込めた。

「相場」

突如呼ばれた名前に、振り上げかけた腕はピタリと止まった。

「話をする時は刃物を仕舞えと習わなかったか」

承太郎は一度たりとて相場の方を向いてはいない。
だが、確かに相場の手にはボウガンの矢が握り締められていた。

987 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:34:54 ID:CDCJ2sNE0

「...ちょっと手入れをしようとしたけど、落としたら危ないよな」

相場は苦笑を交えつつ、矢をそっとバッグに仕舞った。

「それで、俺に聞きたいことってなんですか?」

承太郎の隣に並び、外を眺めながら微笑みを貼り付ける。
その様は、端から見れば友好的な関係を作ろうとする好青年に相違ない。

「オメーは赤首輪に襲われたと言っていたな」
「ええ。仁美さんがいなかったらきっと俺も」
「その割には野崎の姿を見るまで急いだ様子も見られなかったが」

この時、承太郎は初めて相場へと視線を向けた。
疑念をふんだんに含んだ敵意の証明として。

「...俺の言ったことが嘘だとでも?」
「さあな。ただ、二人がかりで、人一人に手負いを逃がせる時間稼ぎをされる程度の奴らが赤首輪なのかと思ってな」
「...もしかしたら、支給品にイイものが入ってたのかもしれない」
「かもしれねえな」

同意の言葉とは裏腹に、承太郎の視線は一切揺らいでいない。
実際、彼の中では、上記の推測から、既に『先に赤首輪に手を出したのは相場だ』とほとんど確定していた。
現状、承太郎が相場に手を出していないのは、春花の身内だという点が大きい。
あとは精精、赤首輪の二人が、触れずとも参加者を狩ろうとしていた連中かどうかという点くらいのものだ。

―――尤も、その一線も、最大の証人である美樹さやかと隊長から話を聞き、彼が納得すれば消えうせてしまうのだが。


そしてそれは相場も理解している。
睨みさえ利かせずとも、承太郎の言葉は言外に訴えていたからだ。
次はない、と。

988 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:35:22 ID:CDCJ2sNE0

(やっぱり、『邪魔』だなコイツは)

相場は好青年の仮面を被りつつも、承太郎への嫉妬と憎悪を滾らせていた。

春花はこの殺し合いにおいて、自分と再会してもその顔に明るみがさすことはなかった。
だが、承太郎の『自分が納得すればいい』という言葉を聞いてからは、幾分かは表情も柔らかくなった。
きっと、彼女の目には承太郎はヒーローかなにかに見えたことだろう。
そう。自分でもできなかったことを、この男はやってのけたのだ。
春花に恋心すら持たない癖に、彼女の気を惹きつけ、自分から離そうとする。
これを邪魔者と言わずなんと言うべきか。

(ただ、強さやスタンドとかいう超能力は必要だ)

人柄はともかくとして、戦力としては間違いなく一級品。あの青髪の女と上半身だけの老人にも負けやしない。
どこか知らない場所であの女たちと共倒れ、或いは彼がさっさと脱出しこの会場から消え去ってくれるのが理想だろう。

(殺さなくてもいい...とにかく、こいつを春花から離さないと...!)

相場は心中で、そう密かに決意する。

春花にとっての家族も交際相手もヒーローも、全てこの相場晄だけでいいのだから。

989 Sign ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:38:17 ID:CDCJ2sNE0



【H-3/一日目/早朝/病院】



【西丈一郎@GANTZ】
[状態]:健康
[装備]:ポンの兄の拳銃@彼岸島
[道具]:不明支給品0〜1
[思考・行動]
基本方針:赤首輪の参加者を狙い景品を稼ぐ。装備が充実したら赤首輪の参加者を殺すなり優勝なりして脱出する。
0:邪魔する者には容赦しない。
1:相場は利用できるだけ利用したいが、戦力にあてができれば捨てる。
2:いまは準備を整える。
3:岡が死んだので使えそうな手ごまを探したい。現状の有力候補は承太郎。

※参戦時期は大阪篇終了後。
※承太郎、春花、朧と情報交換をしました。

【相場晄@ミスミソウ】
[状態]:右肩にダメージ、承太郎への嫉妬と春花がなびく可能性への不安
[装備]:真宮愛用のボウガン@ミスミソウ ボウガンの矢×1
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜1
[思考・行動]
基本方針: 春花と共に赤い首輪の参加者を殺し生還する。もしも赤い首輪の参加者が全滅すれば共に生還する方法を探し、それでもダメなら春花を優勝させて彼女を救ったのは自分であることを思い出に残させる。
0:春花を守れるのは自分だけであり他にはなにもいらないことを証明する。そのために、祥子を見つけたら春花にバレないように始末しておきたい。
1:赤い首輪の参加者には要警戒且つ殺して春花の居場所を聞き出したい。
2:俺と春花が生き残る上で邪魔な参加者は殺す。
3:青い髪の女(美樹さやか)には要注意。悪評を流して追い詰めることも考える。
4:カメラがあれば欲しい。
5:西はなにかこの殺し合いについて関与しているのか?
6:空条承太郎は始末したい。最低でも、春花とは切り離したい。

※参戦時期は18話付近です。
※承太郎、春花、朧と情報交換をしました。




【朧@バジリスク〜甲賀忍法帳〜】
[状態]:腹部にダメージ(中)、疲労(中〜大)
[装備]:リアカー(現地調達品)
[道具]: 不明支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:弦之介様と会いたい
0:春花の手当てをする。どうにかして共に行動して欲しいが...
1:脱出の協力者を探す。
2:陽炎には要注意。天膳にも心は許さない。
3:天膳が呼ばれたが...正直信じられない。

※参戦時期は原作三巻、霞刑部死亡付近。
※春花、承太郎と情報を交換しました。
※天膳はまた蘇るのだろうと思っています。
※西、相場と情報交換をしました。


【野崎春花@ミスミソウ】
[状態]:右頬に切り傷・右耳損傷・出血(中)、頭部から消毒の匂い
[装備]:ベヘリット@ベルセルク
[道具]:不明支給品0〜1
[思考・行動]
基本方針:祥子を救い、佐山流美を殺す。その後に自分も死ぬ。
0:できれば一人で動きたいけど...
1:祥子、相葉の安全を確保する。
2:小黒さんは保留。


※参戦時期は原作14話で相場と口付けを交わした後。
※朧の眼が破幻の瞳であることを知りました。
※朧、承太郎と情報を交換しました。
※西、相場と情報交換をしました。

【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:疲労(大)、全身にダメージ、出血(止血処置済み)、帽子から消毒の匂い
[装備]:
[道具]: 不明支給品1〜2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを破壊する。
0:主催者の言いなりにならない。
1:ある程度休憩をとったら行動を開始する。
2:DIO・先程の化け物(ゾッド)・ホル・ホースには要警戒。
3:相場には警戒。西にも要注意。

※参戦時期は三部終了後。
※朧の眼が破幻の瞳であることを知りました。
※春花、朧と情報を交換しました。
※西、相場と情報交換をしました。

990 ◆ZbV3TMNKJw :2018/11/24(土) 01:38:45 ID:CDCJ2sNE0
投下終了です

991 名無しさん :2018/11/24(土) 02:33:35 ID:R24JXCjI0
投下乙です

相場の犯行をほぼ看破する承りは流石だ。
水面下でドロドロし始めたこのチームはこれからどうなるんだろう

992 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:48:25 ID:MsaVgdOs0
投下します

993 ガラス玉 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:49:16 ID:MsaVgdOs0



暗い、暗い闇の中。
誰もいない闇の中で、私は一人ぼっちになっている。
ここはどこだろう。
わからない。わからないからこそとても恐い。
私は叫んだ。お父さんの、お母さんの、お姉ちゃんの、●●●の名前を。
けれど誰も答えてくれなかった。私の声だけが空しく響いていた。
立ち止まっていても心細いだけなので、とにかく足だけでも動かした。

前に進んでいるのかもわからないけれど、とにかく歩き続けた。

ずっと、ずっと、ずっと。

どれくらい歩いたかもわからない。

でも、ようやく見つけた。お父さんとお母さんだ。
二人とも笑顔で手を振ってくれてる。
あんまりにも嬉しくなって、思わず駆け出した。飛びついた。
お父さんたちは抱きしめてくれた。暖かかった。
もしかしたらお姉ちゃんもここにいるかもしれない。
探しに行こうよ、と顔をあげたら暖かいのが熱くなった。

お父さんとお母さんの身体が燃えていた。

逃げて。熱い。助けて。早く離れて。早く!

お父さん達から色んな言葉が漏れ出して。
私は必死に火の中からお父さん達を引っ張りだそうとしたけれど、どうやっても炎は離れてくれない。
叩いて、被さって、どれだけ頑張っても火は消えてくれない。
やがてお父さんもお母さんも真っ黒になって、動かなくなった。

994 ガラス玉 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:49:35 ID:MsaVgdOs0

あんまりにもあんまりすぎたせいで、どれだけ悲しくても言葉も涙も出なかった。
違う。私も真っ黒けになってたからなにもできないんだ。
そして『私』が倒れて動かなくなるのを私は見届けていた。

五体満足な私は、うう、とか、ああ、とか嗚咽を漏らすのが精一杯だった。

燃え尽きた『私』たちの向こう側がぼんやりと光った。

映し出されたのは、真っ白な雪景色の山の中。
そこにいるのはお姉ちゃんだ。
お姉ちゃんは真っ赤な身体になっていた。色んなところが痣だらけだった。私が作った首飾りを握り締めて泣いていた。
今にも散ってしまいそうなほど、フラフラとした足取りで、山の奥へと歩いていく。
お姉ちゃんは謝っていた。
自分のことなんか無視して、ずっと色んな人に謝り続けていた。

謝らなくてもいい。だから、一緒に帰ろう。帰って、一緒に頑張って生きよう。
そう手を引こうとしても、お姉ちゃんは変わらなかった。
お姉ちゃんは私に気づいていなかった。
もう、苦しみすぎて、どうしようもできなかったんだ。

そして、やがてお姉ちゃんも倒れて、動かなくなって、その身体も雪に埋もれていった。

なにもできない。
お父さんも。お母さんも。お姉ちゃんも。
大好きな人たちになにもできないまま、私は立ち尽くすことしかできない。

995 ガラス玉 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:49:57 ID:MsaVgdOs0

―――あーあ、死んじまったよあいつら。


声がした。あまり聞きなれない、でも聞きたくない声が。
恐る恐る振り返ると、そこには多くの人がいた。
全員同じ年くらいの、男の子と女の子のグル-プだ。


―――人ってあんな風に死ぬんだ。やだなーこわいなー


女の子の一人が、そんな風にケラケラと笑い出すと、他の人たちもつられてゲラゲラ笑い出す。

わたしのお腹の奥のほうから頭まで、言葉に出来ないものがぐつぐつと湧き上がってくる。
なにがそんなにおかしい。殺したお前たちが、なにがおかしくて笑うんだ。
私は叫び、飛び掛る。
許せない。許してたまるものか!その一念が身体を動かした。

けれど。

集団の中から伸びた腕がひとつ、私の喉元を掴み、締め上げ、止められた。

憎い。苦しい。届かない、悔しい。

色んなものが混ざって、涙が頬を伝ったそのときだ。


「        」

なにか声が聞こえた。
苦しい中でも、その声は私を冷静にさせて。締め付けてくる腕の手触りに覚えがあることに気がついて。

「全部、しょーちゃんが役立たずなせいだよ」

お姉ちゃんの恨めしげな目を見た瞬間、私の意識は落ちていった。

996 ガラス玉 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:50:25 ID:MsaVgdOs0




「―――――――ッ!!」

がばり、と勢いよく起き上がる。
思わず思い切り吸い込んでしまった空気を苦し紛れに吐き出した。 

「駄目よ、ジッとしてなくちゃ」

祥子の顔を覗き込む奈々と雫と視線が交わる。

「あ...えっと」
「どういう状況かわからないわよね。いいわ、説明してあげる。雫もついでにね」
「頼むよ」

奈々は、祥子たちが気絶した後のことをおおまかに語った。
雅たちから逃げ切れたこと、見つけた空き家で身を潜め身体を休めていたところで放送があったこと。
その放送で、新たな追加ルールや死者の発表があったこと。
その情報を聞いた祥子の頭を真っ先に占めたのは春花のことだった。

「お、お姉ちゃんは?お姉ちゃんは大丈夫!?」
「ええ。呼ばれなかったわ」

祥子は春花の無事にホッと胸をなでおろす。

「ただ...私達と一緒にいた岡さんは...」

その奈々の一言で、祥子の安堵は瞬く間に冷え切り全身に怖気が走る。
さっきまで一緒にいた人が死んだ。それも、チームの中でも強者の部類にいたものがだ。
この事実は、春花の安否を不安視させるには充分すぎた。

997 ガラス玉 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:51:03 ID:MsaVgdOs0

「...すまない、肝心なところで気を失ってしまっていた」
「仕方ないわ。彼らは、人の手におえる者たちじゃない」
「だが、危険なのはあいつらだけじゃない」

この数時間で9人死んでいるということは、それだけ殺し合いに乗った者の数も多いということ。
無論、雅やぬらりひょんのような好戦的な者とは限らないし、正当防衛で殺してしまった者もいるかもしれない。

しかし、だ。

新たに設けられた時間制限や死者は否が応にも不安と焦燥を掻き立て疑念を蔓延させる。
少なくとも、どの参加者にもこの数時間以上の困難が待ち受けているには違いないだろう。

そして、その不安は、幼子には充分に当てはまることで。

「ガッツは?ガッツは、どこ?」

祥子は思わず彼の名を呼ぶ。
性格は全然違うけれど、どこかお姉ちゃんに似た男の名を。

「ガッツさんならロックさんと一緒に入り口に」

聞き終える前に、祥子は入り口へと駆け出す。
会いたい。会わなくちゃいけない。
だって、そうしないとあの人もお姉ちゃんみたいに独りになってしまうから。

扉を開けた。彼はそこにいた。

彼は、座ったままの姿勢で壁に背を預け、穏やかな表情で眠っていた。

998 ガラス玉 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:51:31 ID:MsaVgdOs0

「さっき眠ったんだ」

ガッツの向かい側に座りながら、ロックはぼんやりとした表情で言った。

「あいつとの戦いでよっぽど疲れてたんだろう。放送を聞く前に眠ってしまったよ」

祥子は、ガッツの顔を覗き込み、その様子を伺う。
昔のものも今のものもぜんぶひっくるめて全身が傷だらけで、汗や血の異臭もほんのりと漂ってきて。

彼の傷に触れようとして手を伸ばしたけれど、ようやく訪れた束の間の平穏を崩してはいけないと思い引っ込める。

はじめにガッツと出会ったとき、祥子は彼を春花のように独りぼっちにさせたくなくて側についてまわった。
けれど、自分は彼になにが出来た。ただこうして徒に力を震わせて、護られていただけじゃないのか。
ガッツも春花も、自分なんて必要としていないんじゃないのか。

(...私は、なにができるんだろう)

本当に、このまま側にいるだけでなにか出来るのか。
あるいは。
春花やガッツが傷つくのは、自分の無力さが原因ではないのか。

(どうすればいいんだろう、私は...)

少女の内なる問いかけに答えることが出来るのは誰もいない。
答えは、彼女自身が示すしかないのだから。

999 ガラス玉 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 00:52:11 ID:MsaVgdOs0



「......」

ロックは虚空を見つめ黄昏ていた。

レヴィと岡八郎が死んだ。
放送で名前を呼ばれただけで、まだ死が確定したわけじゃない...なんて希望はもてなかった。
殺し合いが始まってまだ数時間。こんな初歩的な段階で、死者の誤認なんて肝心なポカをするはずが無い。
二人は間違いなく死んでしまったのだと理解するしかなかった。

岡とはまだ知り合ったばかりであまり思い入れはないものの、先ほどまで共に行動していた者が死んだと聞かされればクるものはある。
だが、それ以上に彼の頭を占めていたのは、レヴィのことだった。

レヴィ。
彼女とのファーストコンタクトはロクなものではなかった。
上からの指示で重要機密を運んでたらそれを強奪されて。
彼女の上司はそれで終わりにしてくれる筈だったのに、独断で身代金用の人質にされて。
しかも、その件で上司と彼女がモメた時には「捨てればいいんだろうが」と逆ギレして本当に殺されかけた。

最初はコイツは本当に女なのかと疑うような破天荒ぶりに面を食らっていた。

けれど。ラグーン商会の一員になって、彼女と共に行動するようになってからは、なんとなく彼女という人間がわかってきた。

確かに彼女は下品で、戦いぶりはアクション映画みたいに豪快で、ガサツで、短気で、暴力的で、金にもがめつい狂犬という名がお似合いな女だ。
かと思えば、子供に混じって遊ぶような純粋さや、自分の過去に触れられると激怒する繊細さや、ロックが理不尽に殴られた時には静かに怒るような面も持ち合わせていて。

そんな彼女の色んな面を見られるほど、ロックにとってレヴィは生活のひとつになっていた。

1000 ◆ZbV3TMNKJw :2018/12/30(日) 01:01:50 ID:MsaVgdOs0
続きは次スレに投下します




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