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Avenge Royale
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椅子取りゲームの椅子を、増やせるとしたらどうする?
wiki:ttp://www65.atwiki.jp/averowa/pages/1.html
ルール:ttp://www65.atwiki.jp/averowa/pages/18.html
地図:ttp://www65.atwiki.jp/averowa/pages/17.html
名簿:ttp://www65.atwiki.jp/averowa/pages/15.html
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【基本ルール】
・45人の参加者で殺し合いを行い、最後まで生き残った一人だけが生還権と、「死者蘇生」の権利を得る
・参加者間でのやり取りに反則はない
・参加者は催眠ガスで眠らされ、会場にランダムに配置される
・参加者には爆弾付きの首輪が装着され、強い衝撃を与える、禁止エリアに進入する、会場外に出るなどした場合爆発、装着者は即死する
・6時間以上死者が一人も出ない状況が続いた場合、全員の首輪が爆破される
【放送】
・六時間ごとに行い、死者の通知、禁止エリアの発表、その他の連絡などが主。
・後述の携帯端末を持っていなければ、聞くことすら出来ない。
・禁止エリアは発表から二時間のインターバルの後、完全に進入禁止になる。
【支給品】
・衣服などを除き、持ち物は基本的に没収
・リュックサック状のデイパックに詰められた状態で、参加者達は以下のものを支給品として与えられる
◯懐中電灯
◯水、食料(二日分)
◯携帯端末(小型デバイスの形態であれば携帯ゲーム型、携帯電話型など何でも可。タッチ式)
◯ランダム支給品(1~3)
・携帯端末について
放送を受信するために必要。島内にスピーカーのような設備は用意されていない。
様々なアプリが搭載されており、地図や筆記、時刻の確認、現在位置表示など様々な用途での使用が可能。
名簿も閲覧可能だが、書き手枠の都合上第一回放送が終了するまでは閲覧不可能になっている。
個別に電話番号が設定されており、交換することで通話も可能。
この通り多くの機能を内蔵している便利な品物だが、連続十時間以上の起動で充電が切れる。充電アダプターも同梱されており、島内のコンセントがある施設で充電することができる。
・ランダム支給品について
限度の範囲内であれば大体は可。核爆弾だとか、そういうものでなければ。
デイパックは四次元構造になっているわけではないので、そのあたりも注意。
【時間表記】
深夜:0〜2 ※スタート時刻
黎明:2〜4
早朝:4〜6 放送
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12 放送
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18 放送
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24 放送
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【世界観と時間軸】
・世界観は『がっこうぐらし!』『バトル・ロワイアル』の二作品を除き統一されている。例えばバトル・ロワイアルの世界では大東亜共和国が存在するが、他の作品世界では存在しない。
同じ理由でパンデミック現象も他の作品世界では発生していない。このことに理由があるのか否かは現状、不明。
・参戦時期
『暗殺教室』
……最後の期末テスト直後
『おそ松さん』
……最終話後
『ご注文はうさぎですか?』
……アニメ第二期終了後
『バトル・ロワイアル』
……坂持によるホームルームよりも前
『がっこうぐらし!』
……「そつぎょう」前
『のんのんびより』
……アニメ第二期終了後
『僕だけがいない街』
……1988年、悟が真犯人が誰か知るよりも前
・先述の二作品以外は時間軸も統一されているものとするが、『僕だけがいない街』のみ、時間軸は1988年当時。こちらも、理由は不明。
【書き手の方へ】
・基本的にはトリップ必須ですが、ゲリラ投下の場合はこの限りではありません。
・期限は二週間で延長はなし。頃合いを見て期限は伸ばしたいと思っています。
・自己リレーはやり過ぎない程度であれば全然OK。
・『世界観と時間軸』の項目は読んでおいてください。
・誰でも歓迎するスタイルですので、どうぞお気軽に参加してもらえればと思います。
【書き手枠】
・参戦作品内であれば、名前やろくなセリフがないモブキャラでもない限り誰でも可。ただし例外として、この人ら出すのはやめてねって面子を挙げておきましたので参考にしていただければと思います。
暗殺教室→殺せんせー、二代目死神、イリーナ以外の殺し屋面々
・参戦作品外からの参戦は基本的にNGですが、これらの作品からであれば許可しようと思います。
『アイドルマスター シンデレラガールズ』『咲-saki-』『ミスミソウ』『学校であった怖い話』
・この辺りは割と曖昧なので、どうしても出したい作品がある! って時は>>1に一声かけてみて下さい。
・正直自分が参戦作品外から出すかもしれません
【状態表】
【エリア/場所名/日数・時間(時間表記の項参照)】
【キャラ名@作品名】
[状態]:キャラの現在状態
[装備]:いつでも使える状態になっているもの
[道具]:デイパックに入っている支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いにおけるスタンスなど
1:行動指針や心境など。優先度を高い順に
2:
[備考]
SS内の追記など
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日本の防衛省が、現在未曾有の大混乱に追いやられていることを知る者は誰もいない。
内閣総理大臣や各種機関の有力者以外には、徹底してそのアクシデントの発生は秘匿されていた。
マッハ二十の超生物を暗殺する為に政府と密に連絡を取り合っていた各国の首脳にさえ、報告はされていない。
考えてみれば当然の話だ。
人の手に余る武力と技術を扱う機関が一番起こしてはならないであろう失態を、彼らは冒してしまったのだから。
ましてや、誇張抜きに世界の命運を左右するような重要な位置にある機関が、そんなミスを冒したとなれば。
国のメンツは丸潰れ、などでは済まない。
想像される悪影響の数は計り知れない域にある。
「クソッ! こんなことになるまで、何故誰も気付かなかったんだ!! この無能どもめ!!!」
技術も知識も伴わない、しかし金と地位だけはある。
今、てんてこ舞いの現場を指揮させられている男はそんな人物だった。
当然、彼に何かが出来るわけもない。
ただこうして、やり場のない怒りをぶち撒けるように怒鳴ることしか出来ない。
しかしその行動には、嫌でも想像させられる今後のことから目を背けようという意図もあった。
何故なら、今回の不祥事は彼の監督下で起きた出来事であるからだ。
彼が防衛省に潜むネズミの存在を見抜けていたなら、つつがなく計画は進行してゆく筈だった。
にも関わらずこうなってしまった以上、無傷ではまず済まないだろう。
最低でも責任を取らされての降格は免れない。
そうなれば、うっとりとした笑みで温泉に浸かりながら考えていた、楽しい老後のプランも台無しだ。
男は、もう一度握った拳を机に叩きつける。
そして、叫ぶのだった。
「一体……あの男は、何を考えている!!」
彼にしてみれば縊り殺したいほど憎らしい「黒幕」は、何を思ってこのような暴挙に出たのか。
それを仮にこの矮小な男が理解したなら、一転その顔色を青ざめさせて戦慄したに違いない。
正気の沙汰じゃないと、震えた声でそう呟くのが精一杯だろう。
所詮凡人には理解できないものなのだ、天才の考えというものは。
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「目が覚めたかあ、お前ら」
投与された催眠剤の効果が切れ始める頃、一人また一人と彼らは意識を覚醒させていく。
そこは大半の者にとって慣れ親しんだ場所だった。
一部の者にしてみれば、もう二度と踏み入ることはなかった筈の、懐かしい場所でもある。
大きな黒板と教壇の前に教卓があり、教室内には四十五組の机と椅子が用意されている。
床、天井、壁はすべて木張りで、オンボロと呼んで差し支えないだろう寂れた風情があった。
どうやらここはどこかの学校の一教室らしい。
――でも、どうしてこんな所に?
疑問は、目覚めた彼らを笑顔で待っていた「教師」によって解説された。
「突然集めてごめんな。でも、俺の顔に免じて許してくれ」
「てめえは……!」
「おいおい、恩師に向かって「てめえ」呼ばわりはないだろ? いい子にしてないと殺しちゃうぞ〜、はははは」
教室内のほとんどが、ぎょっと目を見開いた。
教師を自称する、傷だらけの顔に小太りな体格の男。
彼は声をあげた少年に、何の躊躇もなく、取り出した拳銃を向けたのだ。
それが実銃だということまで見抜けた者は、多くなかったろうが。
「まずは自己紹介といこう。俺の名前は鷹岡明。これから少しの間だけ、みんなの先生をやらせてもらう。
まあ、もしかしたら人生最後の恩師になるやつもいるかもしれないけどなぁ」
あまりにも物騒な発言であったが、冗談だと思っているのか、けらけらと笑っている者もいた。
「みんなを今日、はるばる集めたのは他でもない。
俺たちが考えた、あるレクリエーションをやってもらうためなんだ。
ルールは簡単。レクをサボって帰るようなことをしなければ、何をやってもいい。
手を取り合おうが、人を騙そうが、後ろから刺そうが撃とうが……ああ、毒を盛るなんてのもスマートでいい」
「……そのレクリエーションとやらでは、何をすればいいんだ?」
「殺し合いだよ」
当然のように、鷹岡は言ってのけた。
冷水をひっかけられたような怖気が教室の中を満たす。
新鮮な動揺を見せている者もいれば、敵意を剥き出して鷹岡を睨みつける者もいた。
「これからお前らは、この島で最後の一人になるまで殺し合うんだ。
最後まで生き残った優等生だけが平和な日常に帰れる。生きたいなら殺すしかない。簡単だろ?」
「ふざけるなよ、鷹岡! 黙って聞いていれば――」
「おい、烏間ぁ」
怒りを堪え切れずに立ち上がったのは、参加者の中で唯一本物の「教師」である男、烏間惟臣だ。
彼が本気でかかったなら、鷹岡が帯銃していようが彼が勝つ。
鷹岡もそのことは重々承知していたが、しかし彼には烏間がその足を止めざるを得ない切り札があった。
鷹岡は教卓の内から取り出した小さなリモコンを、今にも襲いかからんとしていた烏間に向ける。
赤いスイッチには親指が乗せられ、鷹岡は醜い顔を更に醜く歪めて嘲笑っていた。
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「お前、気付いてんだろ? 自分の首に巻かれた「それ」が何かに。分からないなら教えてやるよ。
そいつは爆弾さ。爆発自体はごくごく小さなものだが、首に密着した状態で起爆させればどんな奴でも即死だ。
むろん、それはお前も例外じゃないぜ。もっと言えば、爆破スイッチは全部この俺が握ってる」
「くっ……」
「お前の行動次第じゃ、この場で全員の首輪を吹っ飛ばしてやることも出来るんだぜ」
烏間も含めた鷹岡以外の全ての人間の首には、黒く無機質な金属製の首輪がはめられていた。
耳を澄ますと時折規則的な電子音が鳴っており、得体の知れない不気味さを醸している。
鷹岡によって明かされたその正体は、きわめて優れた対人殺傷力を持つ小型爆弾だという。
こう言われては、さしもの烏間も黙って再び席に戻ることしか出来なかった。
それを満足げに見届けると、鷹岡はぱんと柏手を打つ。
浮かべる表情は、寒気のするような上っ面だけの笑顔だ。
「これは一番の優等生を決めるとても理に適ったルールだが、俺も自分の言い分が勝手だってことは分かってる。
だからレクの優勝者には、とっても豪華な賞品をくれてやる。
百億円の金と、好きな死人を五人まで生き返らせる権利さ。どうだ、太っ腹だろ?」
今度は、怒りではなく困惑の声があがる。
死人を生き返らせるなどという荒唐無稽も甚だしい内容が、平然と賞品として並べられているのだ。
まともな神経の持ち主ならば、疑問を抱かないわけがない。
「まあ、こればかりは信じるかどうかは個人の想像力に任せるしかないけどな。
でもこれだけは言っとくぜ。お前らが思ってるより、科学ってのはずっと進歩してるんだよ。
死んだ奴を生き返らせるくらいなら、予算と設備さえあれば簡単にできる。
大事な友達をぶっ殺しても、これで安心だな?
それどころか、自分の知り合いを守るために殺してまわる――なんてこともできるってわけだ。
今の説明の時点で、何人かはもう殺る気になってるんじゃないか? 俺の予想だけどよぉ」
ひとしきり説明を終え、上機嫌そうに笑うと鷹岡は大きなガスマスクを装着する。
それを合図に、教室中に設置された噴射口から真っ白な煙が一斉に教室内へ放たれた。
鍛えた大の大人でもすぐに昏倒する、強力な催眠ガスだ。
何人かは懸命にガスを吸わないよう奮闘していたが、それも虚しく、一人また一人と床に倒れ伏していく。
そうして起きている人間が誰もいなくなった頃を見計らい、教室の扉をくぐった人影があった。
「言われた通りにやったぜ。あんたには感謝してもしきれねえ」
「感謝されるほどのことでもないよ。私は表立って計画を進行させる人間が欲しくて、君は復讐の機会を望んだ。
利害が一致している相手に、互いが満足できるビジネスを持ちかけるのは当然のことだろう?」
体のほとんど全てを覆い隠す白装束に身を包んだ男。
全ての黒幕である怪人は、クスクスと笑った。
これは、彼らの復讐の物語。
【Avenge Royale ゲーム開始】
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続けて一話を投下します。
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松野十四松は、支給品の確認をしていた。
異常なバカとさえ称される彼にしては、実に建設的な行動。
一見するとそうだし、事実的確な行動であるのだが、本人の興味は支給品の当たり外れとは全く別の部分にあった。
いつも通りの大きな目と開いた口で、彼はデイパックの中身をひっくり返す。
その結果、出てきた支給品の数は二つ。
当たりが悪かったのか最高数の三つではなかったものの、しかし内容は悪くない。
使用感のある金属製のシャベルと、業務用と思われる無骨で大きなカッターナイフ。
それが、十四松の支給品であった。
飛び道具にこそ劣るものの、使い勝手の良さは申し分ない。
「バットもグローブもないや!」
十四松が求めていたのは、バット、グローブ、欲を言えばユニフォームか帽子だ。
言わずもがな、野球の道具である。
「これじゃ野球できないね! これは……詰んだ!!」
あっけらかんと飛び出す、不吉な発言。
もし仮にバットとグローブのどちらか片方でも手元にあったなら、十四松は喜び勇んで爆走を始めたことだろう。
言っている意味がわからないと思うが、彼の言動の意味を理解するのは血を分けた兄弟でも難しいので仕方ない。
ただ確かなことは、十四松は殺し合いに乗るつもりはなかった。
賞品の話の真偽をどう考えているかはさておき、それを目当てに誰かを殺すという考えには至らなかったようだ。
「使わないのか、それ」
「うん! 使わないよ! ハッ……でもシャベルの方は、頑張ればバットの代わりにできるかもしれない!!」
「なら、俺の支給品と交換しないか。こっちには、木製のバットがある」
十四松の表情が、ぱっと輝く。
「マジで!? いいの!? やったーーーー!!」
端から見ればシャベルもバットも似たようなものだろうという話だが、十四松にとっては違う。
彼にとって野球は常に行動原理の頂点……とまではいかずとも、間違いなく上位に食い込むほど好きな競技だ。
どのくらい好きかといえば、好きすぎて実際にプレーした経験はごく乏しいというほど。
いまいちピンと来ないかもしれないが、まあ、そこは十四松だからということで納得していただきたい。
そんな十四松の目には、道具の交換を進言してくれた彼の姿は後光さえ差して見えた。
当然、応じない理由はない。
十四松は両手で丁寧にシャベルとカッターを渡すと、相手からは言った通り、木製のバットが渡された。
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「うおおおおおおおおこれで一億万人力だーーーーー!! ハッスルハッスル!! マッスルマッスル!!」
お決まりの一人芸を披露しながら、十四松は喜々として素振りを始める。
二つと一つという明らかに不利な条件でのトレードだったにも関わらず、彼は気にしてもいないようだった。
十四松がこれからどう動くのかは分からないし、きっと当の彼自身も今後の展望を一切持っていない。
旋風のように突き進む明るい狂人は、緻密な設計のもと組み上げられた殺し合いを破壊する可能性をも秘めている。
松野十四松はそういう男だ。
予測不能、回避不能。
狂ってるとしか思えない笑顔で、明るく楽しく突き進む。
「これでみんな助かるね!!」
くるんと、十四松が愉快な笑顔で振り向く。
「ありがとう、和雄君!!」
その頸動脈を、振り下ろされたシャベルの先端が切り裂いた。
時間が止まったように、一転した静寂が訪れる。
それから間を置かずに、切り裂かれた十四松の首からスプリンクラーさながらの勢いで赤黒いものが噴き出した。
単なる力任せの一撃ではなく、どこをどのように切り裂けば人が死ぬのかを研究し尽くした、奇襲であった。
十四松の手からバットが落ちる。
新品だった木の棒身に、彼自身の血が染みていく。
軽くその胸を押すと、小さな子供のようにあっさり十四松は仰向けに倒れた。
その傍らに、一枚のコインが落ちていた。
裏向きのコインだ。
松野十四松が今際の際に何を思ったのか、誰にも分からない。
会場中に散らばった彼の兄弟も、彼を殺した張本人すらも。
一つ屋根の下でずっと暮らしてきた家族のことかもしれないし、遠く離れた恋の相手かもしれない。
真実を明らかにする術はどこにもないし、今後そんな技術が生まれることもない。
死人を蘇らせる、ありふれていたはずの不条理が再び行使されるまでは。
松野十四松を殺害した桐山和雄は、血の海に沈んだバットを拾い上げようとして、やめた。
シャベルの方が使いやすいから、それだけの理由だ。
カッターはポケットに仕舞い、シャベルに付着した血を近くの草原で拭い、何事もなかったかのように歩き出す。
明るい狂人は、冷たい狂人に殺された。
【松野十四松@おそ松さん 死亡】
【D-8/森/一日目・深夜】
【桐山和雄@バトル・ロワイアル(漫画版)】
[状態]:健康
[装備]:くるみのシャベル@がっこうぐらし!、業務用カッターナイフ
[道具]:基本支給品、不明支給品1(武器ではない)
[思考・状況]
基本:優勝する
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投下終了です。
まったりやっていこうと思いますので、よろしくお願いします。
浅野学秀、越谷小鞠で予約します。
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新ロワ乙です
強さの大小や環境差はあれど現実世界に近いの準拠なメンツかー
十四松はですよねー、な展開にw
相手が悪すぎるけど即死なおかげで普段の乗りのママ死ねたね!
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感想ありがとうございます、励みになります。
浅野学秀、越谷小鞠で投下します。
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越谷小鞠はとても小さな女の子だが、この状況で日和っていられるほど幼くはなかった。
首に巻かれた無骨な器具。
見たこともない風景、深夜という時間帯。
確かに世の中にはドッキリという趣向があるが、それでもこれだけ大掛かりなことをテレビ局がやるわけがない。
そうでなくても、大人にやらせるにしたって悪趣味な設定なのだ。
少なくとも参加者の中には一人、小学一年生の女の子がいる。
小鞠の友人の一人だ。
そんな幼い子どもまで巻き込んでこんな真似をすれば、非難が殺到するのは間違いないだろう。
それほどのリスクを背負ってまでこんなことをする人間がいるかと問われれば、いない筈だ。
以上のことから、小鞠はこれが「ドッキリ」ではなく「ガチ」だという結論を導き出した。
「ど、どどどど、どうしよう……」
導き出したといえば立派だが、只でさえ小鞠は怖がりなのだ。
ちょっとした肝試しでさえ耐えられない彼女に、この時間と状況は過酷すぎた。
殺し合いに乗るのは論外としても、では脱出のために何をすればいいのかが分からない。
首輪を外す技術など、たかだか十四歳そこらの少女が持っているはずもない。
「と、とりあえず、夏海たちを探さないと……!」
結局小鞠は、知り合いを探して早めに合流しよう、程度の方針しか持てずにいる。
知り合いといっても、あの教室で確認できたのは宮内れんげ、一条蛍、そして妹の越谷夏海の三人のみだ。
しかも全員が小鞠より年下と来ているものだから、殺し合いをどうこうする上で戦力にカウントは出来ない。
そんなことは、小鞠も分かっている。
分かっていても、小鞠はこれでもその中で一番の歳上なのだ。
小学生のれんげと蛍は言わずもがな、一つ屋根の下でずっと暮らしてきた家族である夏海が心配でないわけがない。
「うー、あいつらどこにいるのよぉ……」
涙目で、暗闇の中を歩く。
その姿は元の小ささも相俟って、ひどく心許ない。
彼女の右手には、支給された携帯端末があった。
スマートフォンを模したハイテク端末は、生粋の田舎育ちである小鞠にとってごく新鮮なもの。
こんな状況でなければ、小鞠はきっと喜々として端末をいじくり回していたに違いなかった。
端末を扱えるかがまず不安だったが、流石にそこは現代の最先端機器。
知識や説明書が特別なくても、勘でタップしていけばある程度扱いこなせるようになっているようだった。
……どういうわけか、名簿の欄だけはまだ見られないようになっていたが。
しかし、名簿が見られないからといってこの端末が役に立たないかというと、決してそんなことはない。
例えば、地図だ。
不運な参加者達にとって、この沖木島というフィールドは全く未知のものである。
一応人里の名残があるとはいえ、それも広い島の中に点々と残されている程度のものだ。
地図で目標地を把握して行動するのとしないのとでは、乗るにしろ抗うにしろ、行動効率に天と地ほどの差がある。
小鞠が目標地に設定したのは鎌石小中学校だ。
別に、ここじゃなければならないというほどの強い理由はない。
ただ開始地点から手近で、屋根のある建物だからというそれだけの理由。
「うぇっ」
闇夜をバックに幽けく佇む校舎を見た途端、思わず変な声が出た。
校舎には当たり前だが灯りなど一切点っておらず、風で窓ガラスがガタガタ揺れる音だけが静寂の中、響いている。
端的に言って、不気味なことこの上ない。
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「なんで夜中なのよぉ……せめて昼間にしなさいよぉ…………いやそもそも、こんなことするなって話だけど……」
ぶつぶつぼやきながら、小鞠は支給品の懐中電灯を片手に、夜の校舎へと踏み入る。
黴臭いような埃臭いような、なんとも言えない匂いが少女を出迎えた。
さすがに校舎内の間取り図は地図にも端末にも載っていなかったため、ここからは手探りで探索するしかない。
とはいえ、どこか目当ての場所があるわけでもない。
腰を下ろして休める場所なら、どこでもよかった。
欲を言えば、室内灯を点けてもバレない、窓のない部屋。
臆病な小鞠にとっては、他の参加者以前にこの暗闇と静寂が大きな敵として立ちはだかっている。
階段を二つ登って、三階。
廊下の向こうを懐中電灯で照らすと、宿直室のプレートが見えた。
宿直といえば、小鞠が生まれるよりも前にあったような古い巡回制度だ。
ひょっとして、結構歴史の長い学校なのだろうか。
そんなことを思いつつ、目を引かれたという理由だけで小鞠はその部屋へ足を運ぶことにした。
ドアノブを捻って、扉を押し開ける。
それと同時に、暗闇の中から手が伸びて、硬いものが小鞠の胸に押し当てられた。
「ひっ……!?」
「声を出すな。何もせずに両手を挙げて、中へ入れ」
「は、は、はいぃ!」
当てられたのは、銃口だった。
一見すると玩具にも見えるが、その質感は決して二千円そこらで買えるような安っぽいものではない。
本物に触れたことが一度もない人間でも、銃という武器の存在を知っていれば一瞬で本物と分かる。
まるで冗談のようだが、実際にそうだった。
暗闇の中で突き付けられる銃口の感触は、あまりにも冷たい。
懐中電灯を片手に持ったまま両手を挙げて、小鞠は言われた通り部屋の中へと入る。
「名前は?」
「こ、こここ、ここ、こしがや、こまりですっ」
「……越谷か。なら次だ。君はこの「レク」に――」
「のののの、乗ってませんよ!! 殺し合いなんて、その……できるわけ、ないですし……」
ごく月並みな答えだと、自分でもそう思う。
拳銃を突き付けた、どこか優等生らしい顔立ちをした少年は一瞬何か考えた後、再び口を開く。
「じゃあ君は、死んだ人間が生き返る、という話を信じているか?」
「え」
「僕は、信じていない。現代の科学がいくら進歩しているとはいっても、限度はある。
SF小説のように尽きた命をポンポン復活させられるほど、人間の体は単純なものじゃないからな。
それに敵の視点に立って考えれば、わざわざ地獄の生き証人……
自分にとって不利益にこそなれど、決して利益は生まないだろう人間を、六人も生還させる意味がない」
「……えぇと……」
小鞠は頭の悪い方ではないが、それでも少年の語る内容にはいまいち現実感を感じることが出来なかった。
そもそもこうして死者蘇生という賞品について考えること自体、この時が初めてだった。
確かに鷹岡明はそういうことを言っていたが、あの時の小鞠はそれどころではなかったのだ。
突然の状況への混乱と恐怖でいっぱいだったため、考えを巡らせている暇がなかった。
いや、違う。小鞠の中には「死んだ人間は生き返らない」という認識が、既に定着していた。
難しい理屈は抜きにして。
越谷小鞠の考えは、概ね眼前の彼と同じ――ということになるのだろうと思ったから。
「私も、生き返るってことはない……と、思います」
それを聞くと、数秒の沈黙の後に溜息が聞こえた。
宿直室の扉が閉じられ、パチンという音と共に室内灯が点灯する。
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「……怯えなくてもいい。僕も殺し合いには乗っていないからな」
少年は、多分小鞠と然程変わらない年齢であろう。
多分、中学生。
もしかしたら高校生かもしれないが、まだ幼さを残した顔立ちをしているから、中学生だろうと小鞠は思った。
……もっとも相手からすれば、小鞠はずっと年下の女子にしか見えないだろうが。
「手荒な真似をして悪かったね。僕は浅野学秀。中学三年生だ」
「わ、私は中学二年生です……」
「……」
「……」
「まあ、それは置いといてだ」
「嘘じゃないですよ!?」
さらっと「何を言っているんだこいつは」という目で見られたことに、小鞠はしっかり抗議する。
「僕は、この悪趣味な催しを破壊するつもりでいる。
奴に味わされた屈辱、奴を支配し返すことで返さなければ気が済まないものでね」
「屈辱?」
「この僕に首輪なんてものを填めた挙句、見世物にしようというんだ。久々に腸が煮えくり返る思いだよ」
浅野学秀は、支配する側の人間だ。
周囲の人間は皆そう思っているし、他ならぬ彼自身もそう心得ている。
だからこそ、鷹岡などというどこの誰とも知れない馬の骨に束の間とはいえ支配されている状況が彼には許せない。
あの男には、必ず報いを受けさせる。
支配者を敵にした意味と、屈辱の返礼をしてやる。
それこそが、義憤だの倫理だのといった諸々の理由をまとめて凌駕し、彼を突き動かす最大の情熱であった。
小鞠など、そのあまりの気迫になんと声をかければいいか分からずその場で固まってしまった程だ。
それを察した学秀は、わざとらしく咳払いをした。
「とにかくだ。僕は全ての参加者を従え、鷹岡達主催陣営を撃破する。その為に、君も僕に協力しろ。越谷」
「……あのっ」
「不服かい?」
「そうじゃなくて……それはいいんですけど、一つだけお願いがあるんです」
お願い? と、学秀は首を傾げる。
「実は私……この島に友達が三人いて」
そうして、小鞠は話し始めた。
この島で今も殺し合いをさせられている、三人の友人。
生き返りがないのなら尚更、早く合流したい大事な学友。
皆を助けたい。皆で、この会場を脱出したい。
そう懇願すると、然程考えることもなく、学秀は「分かった」と小鞠の頼みへ応えた。
「同じ苦境に立たされている以上、君も、君の仲間も、僕が支配すべき存在だ。
言っただろう、僕は全てを支配する」
その物腰は呆れる程上から目線で他人を踏み台としか考えていないものだったが、それだけに信頼できると思った。
小鞠の周りにはいないタイプの人間だ。
人を力で惹き付け、集まった小さな力を支配して高めあげる、ある種カリスマに近い性質。
「頼みというのはそれだけか? 話が済んだのなら、少し首輪を見せてくれないか」
「え、首輪? どうしてですか?」
「外せるかどうか調べてみたい」
「嫌ですよ! 怖いじゃないですかー!!」
「そうか。なら、仕方がないな……」
学秀は嘆息すると、宿直室に備え付けてあった工具を取り出して、鏡の前へと近付いた。
「少し離れていろ。僕なりに、踏み込みすぎない程度に調べてみる」
【D-6/鎌石小中学校/一日目・深夜】
【浅野学秀@暗殺教室】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(7/7)、工具セット(現地調達品)
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜1、予備弾薬(21/21)
[思考・状況]
基本:殺し合いを支配し、打破する
1:首輪について調べる
2:ただし、深追いはしない
3:越谷の知り合いを探す
【越谷小鞠@のんのんびより】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜3
[思考・状況]
基本:脱出したい
1:夏海達に会いたい
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投下終了です。
桐間紗路、八代学で予約します。
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シャロちゃん逃げて
でも実績的には小学生しか殺してないし、知能派だからステルスするかな…?
わくわく
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松野チョロ松、橘吉絵(ミスミソウ)、佐山流美(ミスミソウ)
予約します
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<削除>
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一条蛍、若狭悠里で予約します
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皆さん予約ありがとうございます。楽しみにお待ちしています
>>19
ご期待に添えず申し訳ないのですが、人違いだと思います
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赤羽業(暗殺教室)、松野おそ松(おそ松さん)
書き手枠で渋谷凛(デレマス)、赤松義生(バトルロワイアル)、相場晄(ミスミソウ)で予約させていただきます
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予約分を投下します
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「夢……じゃないんですね」
「そう、ね」
真夜中、いつもならもう寝ていないと怒られそうな時間です。
池……地図によると源五郎池の畔に座り込み、私たちは簡単にお話をしていました。
「危なくない人でよかったです。とっても不安でしたから」
「ええ、私もよ。まさか私たち以外に……いや、何でもないわ」
若狭悠里さんという人と私、一条蛍。いきなり殺し合え、なんて言われた被害者の二人です。
「みんな、大丈夫なんでしょうか」
「分からないわ。私も仲間が居るのは分かったけれど、そもそも名簿はまだ見れないようだし」
悠里さんは左手で支給された端末を弄りながら、溜息を吐いていました。
釣られて私も出ちゃいます。とんでもないことになってしまったんですから、溜息の一つや二つ、仕方がありません。
「……でもきっと大丈夫よ。ところで、あなたの知り合いは?」
「私が見たのはれんちゃん、小鞠先輩、先輩の妹の夏美先輩です」
「……私の方はゆきちゃん、くるみ、美樹さん。って、フルネームで言わないと意味無かったわね」
「あ、そうでしたね」
フフ、と、思わず笑ってしまいました。
最初に出会えたのが優しい人で良かったです。
声が震えていたような気がするけれど、きっと風のせいです。
「さて、と……そろそろ行きましょう」
「行くって、どこにですか?」
「ここは周りから丸見えだから、せめて安全な場所、例えばどこかの建物に」
確かに悠里さんの言う通りです。もしかしたら先輩たちに会えるかも知れません。
私は差し出された悠里さんの手を掴み、立ち上がりました。
「それから蛍ちゃん」
悠里さんはここまで隠していた右の手を突き出し、
「なんですか?」
月明かりに照らされた銀色が姿をあらわし、
「――――ごめんね」
グサリ、と音がしました。
* * *
-
あの時に比べれば、覚悟を決めるのは簡単だった。
「…ぃ…たい………」
「本当にごめんね、蛍ちゃん」
瀕死の蛍を池に沈める悠里の手には、サバイバルナイフが握られていた。
そのナイフで彼女を刺した。ただそれだけのことだ。
血の滴るナイフを洗い、蛍の荷物を検分し、自身の鞄に詰めてゆく。
必要な物が抜き取られた鞄もまた、池に沈んだ。
悠里は最初、悩んでいた。
『最後の一人まで生き残れば、五人まで生き返らせることが出来る』
もし自分が死んだとしても由紀たちの誰かが生きていれば、学園生活部の残り三人は生き返る。更にめぐねえ――佐倉慈も生き返り、一人お釣りが来る。
悠里は悩んだ。このまま死なないように行動すれば、自分で手を血に染める必要はないのではないかと。
そもそも悠里が“レクリエーション”に呼ばれた時にまず思ったのは「まだこんなに生きている人間が居たのか」。
しかしその考えは、蛍との会話で打ち消された。
『かれら』による事件はヘリが出動するほどの大騒ぎになっていた上、一年とはいかずとも月日は経っていた。
とすれば、新聞やテレビで報じられていてもおかしくない。それを匂わせる発言を会話のところどころに折り混ぜてみたにも関わらず、蛍は何も反応しなかった。
彼女の並べる言葉の向こうには、平和な日常があったのだろうと感じられた。
許せない、と思ってしまった。
幻覚を見ている仲間、感染した仲間、燃え盛る学園――。
自分たちが酷い目に遭っている一方で、穏々とした日々を過ごす人たちが居る。
八つ当たりでしかないと分かっていた。分かっていても、どうしても割り切ることが出来なかった。
追い討ちを掛けるように、蛍の友人の中には“姉妹”が居るのだと知った。
後頭部を殴られたような衝撃。何故忘れていたのだろうか、と自分を責めた。
若狭悠里には妹が居る。
『かれら』に襲撃されたあの日から行方不明の妹。
考えたくない“もしも”が起こっている可能性は否めない。
姉なのに自分だけ助かって、ひどいと言われるだろう。ずるいと言われるだろう。
そのことを思い出したくなかったから由紀を妹代わりにして。汚いと言われても仕方がないのだ。
でも、優勝してしまえばその必要はなくなる。
学園生活部の三人、めぐねえ、そして妹。優勝してしまえば、五人を生き返らせることが叶ってしまう。
だからレクリエーションに乗った。
元通りにするために、自ら人殺しになる道を選んだ。
胡桃を殺そうとしたあの時に比べれば、決断は随分と早かった。
「大丈夫よ。何もかもきっとよくなるわ」
返り血が付いていないのを確認し、準備を終えて立ち上がる。
もし学園生活部の仲間を殺すことになった場合のこと、生きて帰った後の学園のことは考えもしない。
ただひたすらに事態の好転を信じて、悲壮な決意を固めた少女は往く。
【一条蛍@のんのんびより 死亡】
【H-6/源五郎池周辺/一日目・深夜】
【若狭悠里@がっこうぐらし!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜2、サバイバルナイフ@ご注文はうさぎですか?、一条蛍の支給品 1〜3
[思考・状況] 基本:優勝して、全てを元通りにする。
1:どこか安全な場所を探す。
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投下を終了します
がっこうぐらしは原作版準拠にしましたが問題等あれば修正します
また、>>25の「悠里は最初、悩んでいた。」を削除し忘れていたので、収録時にはその一文の削除をお願いします
-
乙です
案の定生活部では一番脆いりーさんが乗ってしまったか
あの環境では、こう擦り切れても仕方ないかもと納得できる描写でした
迷い始める前にキルスコアをどれだけ稼げるか期待
そして、ほたるん南無
私は原作準拠に問題ないと思います
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>きっと何もかも
うーん、こうなったか。
りーさんは何もなくは行かないだろうなあと思っていましたが、確かに自然な選択ですね。
上でも言われていますが、如何にしてメンタルを揺らさずに進めるかが鍵な気がします。
原作準拠設定了解です、特に問題ありません
投下します
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エリア西端。
法定速度よりも十キロほど低いスピードで、一台の車が走っていた。
殺し合いの舞台たるこの沖木島には、不似合いな乗り物だ。
窓を開ければ潮騒と夜風の音色が聞こえてくる。
運転席には若い男が座り、助手席にはもじもじとした様子の、金髪の少女が座っていた。
「とりあえず、E-4のホテル跡に向かおうと思うが、紗路もそれでいいか?」
「あ、はいっ。大丈夫です……」
少女の名前は、桐間紗路といった。
二人の首には、無骨な金属製の首輪が巻かれている。
会話がなくなると、時折響く電子音が殊更不気味に聞こえる。
この二人も、殺し合いの参加者であった。
ただひとつ他の参加者と違うところを挙げるとすれば、彼らは支給品に恵まれていた。
この車は元々、運転手、八代学の私物である。
八代のデイパックには、車のキーが一枚のメモに包まれて入っていた。
メモにはただ一言、「電柱」の文字。
怪訝な顔をしながらも、示された通り電柱を探すと、そこには使い慣れた自分の車があった訳だ。
それから数分ほど車を走らせたところで、八代は怯えたように座り込んでいる紗路を発見。
車で拾い、情報を交換して、互いに目指す所が同じなことを確認した上で同行することになった。
「しかし、参ったよ。僕が小学校の教師をしていることは話したと思うが、まさか教え子まで巻き込まれているなんて」
「え……教え子ってことは、小学生ですよね?」
「ああ。全く、あの鷹岡って男は何を考えてるんだろうなあ」
小学生と大人を殺し合わせて、勝負になると思う馬鹿はいないだろう。
そもそもこのレクリエーションの目的さえ、定かではないのだが。
もしも悪趣味な道楽だとするならば、参加者間の戦力差は少なくするに越したことはない筈。
年端もいかない子供まで放り込んで殺し合わせる、その意図が謎だった。
「ま、さっさと帰るに限る。そのためにも、この邪魔な首輪を外せる人を探したいところだが……」
そんな技術を持っている人物が、まず稀有だ。
少なくとも八代には出来ないし、紗路など言うまでもなく不可能に違いない。
こんな大それたことをするのだから、主催側もある程度の武装はしていて当然。
しかし、首輪をどうにか出来ないことにはお話にもならない。
そこで八代が目的地と定めたのが、E-4のホテル跡だった。
-
ホテルというからには、それなりの建物面積がある。
当然、そこを目指す参加者は多いだろう。
屋根があり、風を凌げ、隠れる場所にも事欠かない。
人間の心理を安らがせるには、うってつけの場所だ。
当然それは、地図上に配置されている全ての施設に共通していたが、
手近な場所から周っていこうという指針は的を射ているといえよう。
「……ん、そうだ。紗路、ちょっとダッシュボードを開けてくれ」
言われた通りに、ダッシュボードを開くと。
そこには、溢れんばかりの棒付きキャンディが入っていた。
八代はその中から無造作に一本取り出すと、包装を裂いて口に咥える。
「お前も食え。落ち着くぞ」
助手席の彼女に向けて飴を差し出すと、彼女はおずおずとそれを受け取った。
車が走っていく。
静かな音で、闇に紛れながら。
八代はふと、桐間紗路の頭の上を見た。
そこに、蜘蛛の糸はない。
紗路もその視線には気付いていたが、何分一瞬のことだったので、特に気にすることもなかった。
何事もなかったかのように、八代は視線を前方に戻す。
そうして、まだ不安な心の消えていない紗路へと話を振るのだった。
【E-1/一日目・深夜】
【桐間紗路@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康、不安
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜3
[思考・状況]
基本:殺し合いはしたくないけど、死にたくもない
1:ホテルに向かう
2:みんなと会いたい
【八代学@僕だけがいない街】
[状態]:健康
[装備]:八代の車@僕だけがいない街
[道具]:基本支給品、レミントンM870(7/7)、予備弾倉(28/28)、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:脱出を目指す
1:ホテルに向かう
2:蜘蛛の糸を追う
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投下乙です
八代は脱出派だったのか
今後の動きに期待したいですね
自分も今日明日のうちには投下します
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投下終了です。
香風智乃、丈槍由紀、書き手枠で野咲春花(ミスミソウ)予約します。
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投下します
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青年―――松野おそ松は状況を理解出来ずにいた。
当然だ。唐突に殺人行為を強いられ、それに順応しろという方が馬鹿げている。
何処かの施設の室内で目覚めたおそ松は頭を悩ませる。
そして何故『これ』なのだろうか。
あの『タカオカ』という傷の男から支給されたであろうデイパック。
武器の1つでも入っているのではないか、というおそ松が抱いた淡い希望は瞬く間に打ち砕かれた。
デイパックはとにかく重かった。
それも当然、その中身は『消火器』だったのだから。
『消火器』で一体何をすればいいんだ!?
火災でも起こるのか?知ったこっちゃない。
その後もデイパックを漁るおそ松だったが見つかった固有の支給品は『消火器』―――そしてたった1つの『画鋲』だけだった。
「嫌がらせか!?」
不意におそ松の口から出たツッコミ。本来、弟のチョロ松が言わねばならない台詞だが、状況が状況である。
おそ松は画鋲が刺さり、人差し指から流れる鮮血を指でしゃぶりながら、異様に重いデイパックを担いでその場を後にした。
まずはこの施設が地図上の何処なのかを把握しなければならない。
◇ ◇
息を切らしながらも、ようやく施設の出口が見えて来た。
ここまでの道中で分かった事はたった1つ。
この施設は『釜石村役場』だということだ。
とりあえずこの施設を出なければ。
おそ松の歩調は自然と早まる。
その矢先に彼の目に入った少女の姿。
妙に整ったモデルような顔をしている。年齢も自分と大差変わらないであろう。
「おーい!!」
彼は咄嗟に重荷でしかなかった消火器入りデイパックを投げ捨てて、モデル顔の少女の元へ駆ける。
どうやら相手も自分の存在に気付いてくれたらしい。
だがあからさまに警戒されているようだった。
「俺の名前は松野おそま――――」
まずは自己紹介だ。自己紹介から相手の警戒を解く。
それ即ち日本古来の会話の作法だ。
出口を前にして若干距離を取る少女に向けておそ松は自己紹介を開始した。
その時、おそ松は気付けなかった。
――その場に居たのは自分と少女だけではなかった事に気付けなかった。
―――出口付近の屋根の上からボウガンを構える射手の存在に気付けなかった。
刹那、少女の頭部にボウガンの矢が突き刺さった。
◆ ◆
少年――赤松義生はいつにも増して動揺していた。
自分が在籍する城岩中学3年B組は修学旅行に向かっていた。確かにバスに乗っていた記憶がある。
そしていつしか転寝をしてしまい、気付けば教室に居た。
これは夢だ。夢に違いない。
クラスで苛められていた赤松にとって、鷹岡が提示した『レクリエーション』は憂さ晴らしに最適だった。
再び教室で気を失い、目覚めた赤松は自らの支給品『ボウガン』とその『矢』を片手に施設・釜石村役場の屋根で他の参加者の登場を待った。
そして放たれた第一射。
参加者―――夢の中の敵は2人同時に現れた。
まず赤松が狙ったのは射程により近い少女の方だった。
結果はクリティカルヒット。大成功と言える。
ボウガンの矢は1発で少女の頭部を穿ち、敵は妙にリアルな赤い血液を流しながら沈黙した。
「ヒヒヒ……」
赤松の顔に自然と浮かぶ不気味な笑み。
建物内に逃げられる前にもう1人の男―――敵を仕留める。
狂気に駆られた少年は颯爽と次なる矢を挿入し、慌てふためく敵に向けて放った。
◆ ◆
「―――ぐあああああああああ」
松野おそ松は苦悶する。屋根の上の狙撃手―――黒い学ランに身を包んだ少年が放った一撃はおそ松の左腹部を貫いた。
流れ出る夥しい量の血液。
既に死亡した少女の血も相交えてか、釜石村役場の出入口はすぐさま血に染まる。
腹部を撃たれたおそ松がすぐさまその場から逃げる事など不可能に等しい行為だった。
だが松野おそ松という男はそれで終わる男ではなかった。
『消火器』―――おそ松に支給された『それ』ならば、『それ』の射程があれば、屋根の上の狙撃手の攻撃に隙を作れるかもしれない。
逃げる。そうすれば奴の射程外―――屋内まで逃げる事が叶う。
幸いにも消火器はおそ松の手に届く距離にあった。
狙撃手は次なる一撃の為に用意をしている筈だ。
おそ松は唸り声をあげながら死に物狂いで消火器を手に取った。
既に栓は抜かれている。あとはレバーを握り、狙撃手に向けて消化剤を噴射するだけでいい。
――――勝った。
相手が何やら蠢ている姿を見ておそ松は確信した。
だがレバーに手を伸ばしたおそ松はようやく異変に気付いた。
指からの劇痛。あの画鋲が刺さった所だ。
-
◇ ◇
おそ松は最大のミスを犯した。
それは『その画鋲がただも画鋲でない事を見抜けなかったこと』にある。
画鋲の押し具の部分。金色の円をなす其処には『神経毒』という記載が成されていた。
皮肉な事にもおそ松は自らの支給品で命を落とした。
指の激痛によってレバーを握れなくなったおそ松。
「負けた……」
おそ松の後悔に反して無慈悲にも引かれる弩。
今度こそ赤松が放ったボウガンの矢は外れる事なく、おそ松の脳天を貫いた。
【渋谷凛@アイドルマスター シンデレラガールズ 死亡】
【松野おそ松@おそ松さん 死亡】
◆ ◆
「ヒャッハァ!!」
2人の敵を撃破した赤松義生は思わず叫んだ。
楽しかった。最高に楽しかったのだ。
そして愉悦に浸る少年は気付く。
最初に滅した敵のデイパックから僅かに飛び出る『それ』の存在に。たとえ実際に扱った事が無い赤松にでも『それ』が何なのか一瞬で理解出来た。
『銃口』だ。猟銃のような長銃の銃口だった。
『それ』を手にすれば今以上の快楽を得る事が出来る。
高鳴る鼓動。カッと開いた瞳孔。滲み出る汗。ダラダラと口から流れ出る涎。そして激しい興奮状態。
狂気に歪んだ赤松少年は『猟銃』を取るべく、屋根から降りようと数十分前に行き来した釜石村役場2階の窓を目指す。
―――ガタン。
その些細な音を赤松は聞き逃さなかった。
来る、また敵―――獲物がやって来る。
自然と赤松は残り5本の矢の1つをボウガンに挿入し、屋根の狙撃ポイントへと足早に戻って行く。
だが流石に厳しいのかもしれない。
出入口には2人の敵の死骸が放置されている。
万に一つ、自分よりも早く獲物が『猟銃』を手にしてしまったら反撃される恐れだってある。
しかし赤松義生の過剰な自信は再び彼にボウガンを構えさせた。
無理も無い。何せ自分は既に2人も殺っているのだ。
今に自分に敵う存在など居る筈が無い。
慢心の赤松は、慎重に照準を合わせ、次なる標的・赤い髪の少年の後頭部に向けてボウガンの弩を引いた。
◇ ◇
赤松義生はようやく自分の間違いに気付いた。
中学三年生。彼は同年代を嘗めていた。
彼の放ったボウガンの矢は意図も容易く避けられ、暗殺者たるその少年―――赤羽業はそっと口を開いた。
「みィィつけた」
勝てない。赤松は直感的にそう判断するが、彼は逃げる事よりも『猟銃』を奪われる事を忌避し、次なるボウガンの発射に備えた。
だが無意識に手が震え、中々ボウガンに矢が挿入出来ない。
「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
ボウガンの矢の挿入が完了するよりも赤松の太股をナイフが抉るスピードの方が早かった。
赤羽業の支給品は『果物ナイフ10本』である。
即座に業はそのナイフを屋根の上の狙撃手・赤松に向けて投擲したのだ。
辺り一帯に響き渡る赤松の悲鳴。
その光景をゲラゲラと嘲笑いながら赤羽業は渋谷凛の支給品『ショットガン』に手を伸ばした。
「ヒギィィィィィ!!」
正気を失い錯乱状態に陥った赤松だが、彼の身体は自然と逃走経路・窓を目指していた。
激痛に悶え苦しみながら必死に窓まで這う。
それが『現実』を知った赤松義生に出来るせめてもの『逃避』だった。
-
◆ ◆
赤羽業が釜石村役場2階に到着した頃には狙撃手は息絶えていた。
狙撃手は壁に寄りかかり、眉間を銃で撃たれていた。
壁に飛び散った鮮血から察するに彼が殺されてからまだ数分も経っていないと見える。
「あ��あ、つまんねえの」
業は無性につまらなそうな表情を見せながらも状況整理を開始していた。
狙撃手に果物ナイフを投擲した後、それが目論見通り脚部に命中したと判断していた業は、出入口付近に横たわる2人のプレイヤーのデイパックを回収しながら狙撃手が逃走したと思しき役場の2階を目指した。
再び彼の奇策は的中し、狙撃手はそう遠くまで逃げ切れず、2階に隠れてやり過ごすつもりだったらしい。
だが狙撃手はその過程で何者かに射殺された。
銃声が一切聞こえなかった事から察するに、狙撃手を射殺したプレイヤーはサイレンサー付きの拳銃でも支給されたらしい。しかも狙撃手の眉間の傷跡から見るにその拳銃はかなり小口径のようだ。
ここまで来る際、一切の人の気配を感じられなかった。犯人とは入れ違いになった。
もしくはまだこの施設内に潜伏してやり過ごそうとしていると考えるべきだろうか。
「―――あァ��、だりぃ」
だが逃げる隙は充分にあった。狙撃手の血がべったりと付着した屋根へ通ずる窓。
そこには確かに明らかに新しい手の後が残っていた。
赤羽業は直感的に犯人がこの施設から脱出したと感じ取り、回収したデイパックとショットガンを片手にその場を後にするのだった。
【赤羽業@暗殺教室】
[状態]:冷静沈着
[装備]:ショットガン@現実(渋谷凛の支給品)、ショットガンの予備弾×10@現実(渋谷凛の支給品)、果物ナイフ×9(赤羽業の支給品)
[道具]:デイバック×3(本人、渋谷凛、松野おそ松)、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームを思う存分愉しむ
1:???
[備考]
※屋根からの狙撃手(赤松義生)を殺害した犯人を警戒しています。
◆ ◆
少年―――相場晄は自身の支給品・一眼レフを片手に意気揚々としていた。
教室で意識を失い、次に相場が目覚めた場所は数分前に後にした釜石村役場の2階だった。
そして直後に現れた血塗れの少年。窓から這い上がって来た少年の姿を見た相場は何が起きたのかを即座に理解した。
次に相場が取った行動は支給品の確認だった。
神は相場晄に微笑んだ。彼に支給されたのは『サイレンサー付きの拳銃』と『一眼レフ』。
ここまで状況が揃ってしまった以上、相場は動かざるを得なくなった。
既に疲弊し、壁に寄りかかっている血塗れの少年。
意識が朦朧としているのか口をパクパクさせている。
「……や……めて―――」
端からレクリエーションに乗り、あわゆくば優勝を目指していた相場晄は何の躊躇いもなく少年に向けて拳銃の引き金を引いた。
その時、彼の心の奥底に『とある願望』が芽生えた。
『それ』は『もっと視たい』という願望。
だがしかし、射殺した少年をここまで追い詰めた参加者がすぐ近くにいるという事実に変わりはない。
相場はそっと少年の死体を一眼レフで撮影し、彼が這い上がって来た窓を攀じ登り、少年ですら気付けなかったと思われる璧部の窪みを通じて釜石村役場を後にした。
「また殺せばいいよね」
屋根で手に入れたボウガンと4本の矢。そしてサイレンサー付きの拳銃。
少年―――相場晄はボソッと独り言を呟きながら夜道を駆け抜けていった。
【赤松義生@バトル・ロワイアル 死亡】
【C-3/1日目・深夜】
【相場晄@ミスミソウ】
[状態]:冷静
[装備]:サイレンサー付き拳銃(5/6)@現実、一眼レフ@現実
[道具]:ディバック、ボウガン@バトル・ロワイアル(赤松義生の支給品)、ボウガンの矢×4@バトル・ロワイアル(赤松義生の支給品)
[思考・状況]
基本:優勝する(ステルス)
1:より多くの死体を目にして、撮影する。
2:ゲームに賛同していないプレイヤーが居ると仮定しており、極力自分がゲーム賛同者だとは悟られないように行動に徹する。
[備考]
※ミスミソウ本編にて野咲春花に殺害される数時間前からの参戦です。
-
終了です
タイトルは『終末の愚者』でお願いします
-
何と言うか、だいぶ性格違くね?
-
投下お疲れ様です。
しかし、自分も上の方と同じようにキャラの性格があまりにも違いすぎると感じました。
特に赤羽業は、参戦時期が最後のテスト直前である以上、こうも考え無しに殺し合いに乗るということは考えにくいと思います。
心苦しいところですが、現在の状態ではこの作品を通すのは難しいと判断致しました。
-
>>39
状態表と一部描写を変更します
-
>>40
それ以前に業と言うよりおそ松の方が酷い
しぶりん何の為に出したの
本当に把握してから書いたのか?
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>>40
正直な話、>>41さんが仰ってくださっているように、あまりにもキャラクターの扱いが雑すぎるように感じます。
状態表と描写の変更だけではどうにもならない部分が多いかと……
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投下乙ですと言いたいですが、書き手枠を3人も消費して内2人がただの死に役では萎えるとか以前の問題では……
-
おそらく企画潰しのための投下でしょうね……
過去のロワの負の系譜を止めるためにも、この話は通さない方がよろしいかと
-
寺坂竜馬、書き手枠で佐倉慈を予約します
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書き手枠で響け!ユーフォニアムを入れてもOKでしょうか
問題ないようでしたら天々座理世、書き手枠で高坂麗奈を予約します
ダメでしたら予約を撤回します
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投下します
-
「あの野郎!!ふざけやがって!!」
目を覚ました寺坂竜馬は怒りを露わにして叫んだ。
この殺し合いを強要した鷹岡明に対する怒りだ。
彼の歪んだ笑みを思い出す度に腸が煮えくり返る思いだ。
「ああ!!くっそ!くっそ!……こいつをどうにかしねえとなぁ」
ようやく冷静になった所で、自分の喉に装着された首輪をそっと触れる。
これがある限り、鷲岡への対抗がままならない状態である。
解除手段を見つけて外さない限り殺生与奪の権利は鷲岡に一方的に握られたままだ。
「こういう時はカルマなら何かいい手を思いつくんだろうが、俺の頭じゃなぁ……」
頭脳労働より肉体労働派な寺坂は首輪を外すアイディアが早々浮かぶはずも無い。
ここは自分一人で考えるよりカルマ達の捜索を優先するべきだと考えて移動する事にした。
AM 0:25分 F-6 神塚山
彼らはそこに悪意を撒いた。
自分達の住んでいた現代では一生味わえないであろう恐怖を与える悪意を。
ただ殺し、殺されるだけではつまらない、もっと苦しめてやりたい。
そんな彼らの悪意を込めて、彼女をこのレクリエーションに参加させた。
それは参加者と呼ぶには、あまりにもおぞましく不自然な生態であった。
「……ん?誰かそこにいるのか!?」
山道を歩いていた寺坂の視界にふらふらと蠢く女性の姿が映った。
それこそが主催者達が送り込んだ悪意とも知らずに。
もしここが明かりの多い町中だったら、もし今が深夜ではなく太陽の出ている日中だったら。
寺坂は彼女の異変を察知して決して近づくことは無かっただろう。
それを主催者はさせなかった。
最悪の時間と場所で、最悪の出会いを意図して起こしたのだ。
「おい!聞こえてるのか?どこか具合でも……」
反応の無い彼女の様子に不思議に思った寺坂は彼女に歩み寄った。
そして彼女の肩に手を置いたその時、彼女が振り返り――――。
-
「がぁっ!」
「ぐあああああああああああああ!!」
肩に触れた右腕に彼女は思いっきり噛み付いた。
歯が肉に食い込み、血がドクドクと零れ落ちる。
「何しやがる!?てめえええ!!」
寺坂は力を込めた左のストレートを彼女の顔面に直撃させて吹き飛ばし。
噛み付きから逃れた寺坂はすぐさま逃げ出した。
出合い頭に噛み付いてくるなんて明らかに彼女は狂っている。
そう考えて出来る限り離れることにした。
もし明るければ、彼女の腐敗した姿を見て人間だとは思わなかっただろうが。
この暗い山道ではそれも叶わず、寺坂は彼女の事を頭のおかしい人間だと判断してしまった。
その判断が後に取り返しのつかない事態を引き起こすとも知らずに。
悪意の芽はゆっくりと、だが確実に広まっていくのだった。
【F-6/山/一日目・深夜】
【寺坂竜馬@暗殺教室】
[状態]:右腕に噛み傷、ゾンビウィルスに感染
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜3
[思考・状況]
基本:殺し合いから脱出して鷲岡明をぶちのめす
1:カルマ達を見つけて脱出のプランを考える
2:頭の狂った女から離れる
[備考]
※ゾンビウィルスに感染しています、発症時間は後続の書き手にお任せします。
【佐倉慈@がっこうぐらし!】
[状態]:ゾンビ化
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:ゾンビなので自我は無し、本能のままに人を襲う
[備考]
※既に死者である為、首輪の機能が停止したまま装着されています
-
投下終了です
-
原作の「そつぎょう」前の時間軸だったらとっくにめぐねえ埋葬されてるんですが
-
◆4rwfB5U7h2さん、そろそろ連絡がほしいです。
『終末の愚者』の扱いの決定に加え、>>46と>>51の事もありますし。
-
澤田真(僕だけがいない街)を予約
-
軽く1週間経過しましたが>>1さんが現れる気配も無いので民意で決めましょう
>>34-36
『終末の愚者』は修正必須
修正版が投下され次第通し
5月以内に修正版が投下されない場合は没
>>46
響けユーフォニアムの追加には賛成
>>48-49
『感染』は修正の必要なし
通しでいいでしょう
正直な話、すぐエタるのが目に見えているので書き手が付くだけでも有難いと思うべきだと思います
特に>>46さんに関しては今後のロワ進行に欠かせない書き手になると私は見ました
このまま>>1さんが戻らない場合は>>46さんに全権を委ねてもいいんじゃないでしょうか
-
私は◆4rwfB5U7h2氏の最新の予約の期限である2週間(5/30 15:46)まで待つつもりです
また、『感染』については、ルールの参戦時期に書かれている
>『がっこうぐらし!』
……「そつぎょう」前
かつ、原作準拠であると>>28で◆4rwfB5U7h2氏に了解を取りました。
原作のめぐねえは、その時点より前の段階でみーくんの手によって行動停止状態となり埋葬されています
この為行動出来ていること自体に大きな矛盾が発生しています
なので私は申し訳ないですが修正、若しくは破棄を要求しますが、あくまで現時点での全権は◆4rwfB5U7h2氏です
先程も言いましたが、結論は氏の予約期限までは待つことにしたいと思います
-
>>1氏が戻らなかったんですね。
とても面白そうな人選だったのにこうなってしまったのはとても残念です。
『終末の愚者』と『感染』を没にしてしまえば、なんとか今後も存続出来るような気がするんですが、どうですかね?
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本スレッドは作品投下が長期間途絶えているため、一時削除対象とさせていただきます。
尚、この措置は企画再開に伴う新スレッドの設立を妨げるものではありません。
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