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KBTITロワイアル
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ttp://www.shonenjump.com/j/2015/09/150904news01.html
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このお知らせを少年ジャンプ公式サイトに幾日か経ったある日、
集英社に務める全社員が同時にとある事実に気づいてしまった。
「しまった、俺KBTIT先生の顔全く覚えてないぞ!」
21世紀も15年経った2015年。
集英社社員達は質の悪い久保帯人先生の偽肖像を消去勧告している内になんと肝心の本物の久保帯人先生の顔を皆忘れてしまったのだ。
これはまずいと集英社の社員達はどうにかして本物のKBTIT先生を思い出そうとした。
ある社員は『KBTIT 本物』と画像検索した、
だが2万人のKBTITを逐一確認したけれどそれでも本物がわからず発狂し入院した。
ある社員はKBTIT先生を喫茶店に呼び出して集英社ビルに共に向かうことにした、
しかし彼が連れてきた時には既に別の社員5人が全員別のKBTIT先生を連れてきていた。
ある社員はKBTIT先生の仕事場に向かうことにした、そして彼は今異世界で勇者をやっている。
しかも結婚が決まった、相手はエルフ族と魔王族のハーフらしい、おめでとう。
集英社は震撼した。
このままではまずい、KBTIT先生は漫画家だ、少年ジャンプの読者がみな彼の作品を求めている。
だがこのまま真偽がつかないままだとどうなるか。
一番有り得るのばKBTIT先生の原稿だと思ってジャンプに載せた作品が偽物だったと言う話だ。
もしそんなことが起きてしまったのなら、最低でも少年ジャンプ廃刊、最悪集英社の倒産までも有り得る。
故に集英社幹部は決断した、このままではいけない、なんとしても本物を見つけなければと
だがあの莫大の数から一つ本物を探しだすのは難儀で済まされない。
だから少し方針を変えることにした。
本物を探すのではなく偽物を全て消せばいい、と。
そうだ、あのお知らせを掲載したのも全て偽物を潰すためであったじゃないか。
何故こんな簡単なことにも気づかなかったと集英社幹部らは互いの愚かさを笑いあった。
集英社幹部が動き出した、まずは選別。
大半のKBTITは暴力も知力もない弱者だっだ、2万人と言う数字に気圧されなければ弱者の選別は簡単だった。
集英社幹部は弱者認定したものを排除していく。
あるTITは殺し、あるTITは冤罪をなすりつけ社会的信用を失わせ、あるTIT異世界に飛ばした。
そうして全弱者TITを排除し終えた。
ここまでは順調だった。
だが次にしなければ行けないのは強者からKBTIT先生を探すことだ。
これは集英社とは言え簡単に見分けつけることは難しい。
生き残っているKBTITは全て本物と名乗っても誰も疑わないだろう。
だから集英社幹部は考えた、結果、考えないことにした。
彼らを戦わせて、残った最後の一人がKBTIT先生だろう。
だから私達はもうすることはない、彼らに決めてもらおう……
まあそんなわけで、彼らは殺し合いのステージを用意して残りの強者TITを強制的に招集させた。
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☆ ☆ ☆
ピピピピピピピピ……ボン! ドサッ…… コロコロコロコロ……
「──とこのように我々に楯突きますと貴方がたの首輪が爆破する仕組みになっております」
壇上の『主催者』に反旗を翻そうとした男の首が、体育館中に響き割った電信音の消滅とともに吹き飛んだ。
彼は特に正義感の強そうな人間だった、そんな男が一瞬にして死んだ
「彼を蘇らせる方法を我々は持っていますが…… それを行使して欲しければこの殺し合いの最後の一人になってください。
もっとも、彼に一切興味が無い場合は別のお願いでもよろしいのですがね……」
奴らは言った、殺し合いをしろと。
最期の一人まで戦い続け立ち続けていた場合、『いくつでもなんでも願いを叶える権利』を、くれると。
冗談みたいな話だが、彼らの言葉は真実なのであろう。
事実ここにいる連中の大半は何が起こったのかわからない様子だった。
気づいたらこの体育館のような場所に寝かされ、通告されたのだから。
なんでもとは本当になんでもなのであろう、彼らの力を見せつけられたのだから。
「さて…… 一応これで全てルールは言いました、何か聞き漏らした方は貴方がたに支給される鞄に入っているルールブックを確認してください
それに先ほど私が説明したこと全てが書いております」
壇上の主催者は一息つき、小さな声で「本当に言い漏らしないよな……」と呟いた。
マイク入っているぞと別の主催者がそれを指摘すると、彼は少し顔を赤らめた。
「え〜オホン! 以上で話を終わります! このマイクが切れると同時に貴方がたの意識が飛び、殺し合い会場にワープされます。
しつこく言うようですが、側にある鞄には大変有用なものが入っておりますので絶対に確認するように! 以上!」
プチっとマイクのスイッチが切られた雑音が耳に届くと同時にバタバタと周りが倒れていく。
それは実際に見たことだったのか、それとも意識が飛んでいる最中の夢だったのか、誰もわからない。
☆ ☆ ☆
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「いや〜……、緊張した…… やっぱり誰がKBTIT先生でもおかしくないくらい強そうな人ばかりだったよ」
「おつかれさま、あとはローテーションだから、今は休憩していて大丈夫よ」
「ふ〜、しかしこんなに疲労するなら素直に報告係になっておけばよかった…… それにしてもなんでも願いが叶うかあ……凄いなあ……」
「うちの会社も日本有数の企業ですからねえ、私も最初にそれを知った時はびっくりしましたけどね〜
私はもう3回見てますから流石に慣れました、ちなみに全体では7回目らしいですよ今回」
「7回…… 凄いなあ、集英社でそれくらいやっているんだからもっとデカイ企業だと二桁余裕なんだろうなあ……
ところでKBTIT先生は優勝したら何望むのかな?」
「やっぱりKBTIT先生は慈悲深い方だから、『この殺し合いをなかったコトにしてくれ』とか頼むんじゃない?」
「うわ〜、やっぱりKBTIT先生は大物だなあ〜……」
「あとは『他のジャンプ作者と旅行に行きたい』とか、絶対自分本位な願いはしないと思いますよ」
「凄いなあ〜…… ってここでのんびりしていていいの?」
「ん〜、まだ大丈夫ですけど、そろそろいい時間ですね」
「ならそろそろ…… ところで参加者の追跡監視ってやっぱり大変?」
「最初の頃は大変でしたけど、3回くらいの放送から慣れてきますね〜〜 引き継ぎ間違えると始末書書かされますけど、それにも慣れちゃいました」
「あはは…… 大変そうだ…… 頑張ってください」
「頑張ります! それじゃあ、え〜…… おやすみなさい?」
「ッフフ…… 行ってらっしゃい!」
「行ってきます!」
壇上の集英社社員は同僚と別れ本部施設内の休憩室へと向かう。
休憩室には既に別の社員がいて最後の最後のやらかしについて笑いながら駄目出しされたが
「俺の時は噛み噛みで参加者と参戦者全員を失笑されたからそれに比べたらマシだよ」と先輩にフォローされた。
ともあれ一つ仕事は終わった、そう思った時に疲労感がドバっと襲ってきた。
何せ三日前から緊張して寝られなかったのだ、良くぞ式中に倒れなかったと我が身を褒めたくてしょうがない。
数あるベッドに倒れ込む。
緊急の呼び出し以外での次の仕事は32時間後。
流石に寝過ごさないだろう、高を括っても大丈夫。
しかもこの休憩室には誰がいつまで休憩して良いかの確認表まで貼られている。
寝過ごしかけても誰かが起こしてくれるだろう。
そう思い浮かべる前に彼は既に夢のなかを散策していた。
【KBTIT(KBTIT:久保帯人) 死亡確認】
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【名簿】
現実
1:KBTIT(KBTIT:タクヤ)
2:KBTIT (NISETIT:佐村河内守)
3:KBTIT(RevoTIT:Revo)
4:KBTIT(B'zTIT:松本孝弘)
5:KBTIT(IAMTIT:蝶野正洋)
6:KBTIT(HULKTIT:ハルク・ホーガン)
7:KBTIT(HGTIT:レイザーラモンHG)
8:KBTIT(RGTIT:レイザーラモンRG)
9:KBTIT(JCTIT:ジャッキー・チェン)
10:KBTIT(ANGELTIT:里崎智也)
11:KBTIT(ICHITIT:イチロー)
12:KBTIT(MUNETIT:川崎宗則)
13:KBTIT(StevieTIT:スティービー・ワンダー)
14:KBTIT(YOKODSUNATIT:朝青竜)
14:KBTIT(JOVITIT:リッチー・サンボラ)
15:KBTIT(TOKIOTIT:長瀬智也)
フィクション
1:KBTIT(GURONGITIT:メ・バヂス・バ)
2:KBTIT(DRACULATIT:アーカード)
3:KBTIT(TTIT:T-800)
4:KBTIT(SPEEDITIT:ストレイトクーガー)
5:KBTIT(100%TIT:戸愚呂弟)
6:KBTIT(DAMETIT:平山幸雄)
7:KBTIT(OSHIETEAGEMASENTIT:無常矜侍)
8:KBTIT(KUZUTIT:伊藤開司)
9:KBTIT(PAPIYONTIT:蝶野攻爵)
10:KBTIT(SHELLYUTIT:ジン)
11:KBTIT(KUROTIT:ウォッカ)
12:KBTIT(PERFECTTIT:ネプチューンマン)
13:KBTIT(NINJATIT:ザ・ニンジャ)
14:KBTIT(YUBITIT:フロド・バギンズ)
14:KBTIT(ADMNTIT:モモン)
15:タイコおばさん(TIKおばさん:たいこおばさん)
書き手枠
1:KBTIT(TIT:)
2:KBTIT(TIT:)
3:KBTIT(TIT:)
4:KBTIT(TIT:)
5:KBTIT(TIT:)
6:KBTIT(TIT:)
7:KBTIT(TIT:)
8:KBTIT(TIT:)
9:KBTIT(TIT:)
10:KBTIT(TIT:)
11:KBTIT(TIT:)
12:KBTIT(TIT:)
13:KBTIT(TIT:)
14:KBTIT(TIT:)
15:KBTIT(TIT:)
16:KBTIT(TIT:)
17:KBTIT(TIT:)
18:KBTIT(TIT:)
19:KBTIT(TIT:)
20:KBTIT(TIT:)
21:KBTIT(TIT:)
22:KBTIT(TIT:)
23:KBTIT(TIT:)
24:KBTIT(TIT:)
25:KBTIT(TIT:)
26:KBTIT(TIT:)
27:KBTIT(TIT:)
28:KBTIT(TIT:)
29:KBTIT(TIT:)
30:KBTIT(TIT:)
【見せしめ】
00:KBTIT(KBTIT:久保帯人)
【書き手枠参戦条件】
・以下の条件のいずれかを満たしてください
1:サングラスを着用した時の画像がある(投下時にURLを貼ってください)
2:網状の服(楔帷子など)を着用した時の画像がある(同上)
3:上半身に比べて下半身が貧弱、または下半身と比べて上半身が強靭(巨乳とかもそんな感じだから有り)
4:tiに関係している(投下前要相談)
5:その他なんか行けそうだなって思う奴ならなんでも(投下前要相談)
※バトル・ロワイアル企画なのでどの参加者も同等の確率で死ぬ可能性があります。
※書き手枠に上限はありませんが、第一回放送時を持って打ち切られます。
※また第二回放送終了時までに二話以上書かれていないキャラクターは知らぬ間に死んでいる場合があります。
※ここ5年の間に亡くなった方の参戦はご遠慮ください。
※内輪あるいはドマイナーな有名人もご遠慮ください。
※パロロワ書き手は書き手ロワ参戦時に何かしらの条件を満たしていた場合はOK。
※女性率と子供率が低いのでこの2つに特に歓迎。
※現実勢は超緩いです、逆にフィクション勢はかなり厳選します、あしからず。
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【基本ルール】
・全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝
・最後の一人は『なんでも願いか叶う』権利が贈呈される、この殺し合いをなかったことにして欲しいなども可能
・ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない
・プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる
・以下の条件に該当する行為をした場合、主催者側から失格とみなされる
1.禁止エリアに31秒以上滞在する
2.首輪を外そうとする
3.主催者に楯突く
【スタート時の持ち物】
・デイパック
・地図
・コンパス
・照明器具
・筆記用具
・水と食料
・名簿
・時計
・ランダムアイテム
【ランダムアイテム】
・一人基本一つ、だけど詰め込んだ人も人間なので一つ以上入っているかもしれないし、入ってないかもしれない
・複雑な支給品出す場合は支給品説明をしない場合SSにNGを出します
【地図】
・ミニチュア日本
ttp://www.start-point.net/nihontizu/img/kenchou_map.gif
1北海道
2青森
3岩手
4宮城
5秋田
6山形
7福島
8茨城
9栃木
10群馬
11埼玉
12千葉
13東京
14神奈川
15新潟
16富山
17石川
18福井
19山梨
20長野
21岐阜
22静岡
23愛知
24三重
25滋賀
26京都
27大阪
28兵庫
29奈良
30和歌山
31鳥取
32島根
33岡山
34広島
35山口
36徳島
37香川
38愛媛
39高知
40福岡
41佐賀
42長崎
43熊本
44大分
45宮崎
46鹿児島
47沖縄
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【「首輪」と禁止エリアについて】
・ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている
・首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ
・開催者側は、いつでも自由に首輪を爆発させることができる
・この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている
・24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ
・プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである
・開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると、首輪が自動的に爆発する
【放送について】
・放送は6時間ごとに行われる。
【放送内容】
・脱落者の発表
各放送までの死亡した人間の名前が死亡順に読み上げられる
・禁止エリアの読み上げ(3箇所)
禁止エリアは放送後から読み上げた順から1時間後と3時間後と5時間後に進入禁止となる。
【作中での時間表記】
未明:0〜3
明け方:3〜6
<放送>
朝:6〜9
昼前:9〜12
<放送>
昼過ぎ:12〜15
夕方:15〜18
<放送>
夜のはじめ頃:18〜21
夜遅く:21〜24
<放送>
※他のロワと区切りが違いますので、随時確認をおすすめします。
・ゲームスタートは【朝 6〜9】から始まります。
【その他】
・予約はなし、牽制は有り。でもあくまで牽制。先に投下されたら泣きましょう。
・実のところ一話死亡ならフィクションキャラクターでもガバガバ可能、ただ○○TITはきちんと考えてね。
・>>1の趣味から現実勢≧フィクション勢な展開が予想されます、事実は小説よりも奇なり、ご注意ください。
・施設とか出したきゃどうぞ、でも状態表とかSSにキチンと書いてね。
・登場話が全員書かれていなくても放送に行くかもしれません、ついでにSS書かれていなくても死んでるキャラとかも出るかもしれません。
だから派遣切りされたくないキャラクターは自分の手で動かすか殺してね。
・まあそんなことも有り得るから保管SSとかも有り、放送で死んでいること判明してから書くとかも面白いかも。
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以上でルール説明とOPを終わります。
そして
KBTIT(JOVITIT:リッチー・サンボラ) 、KBTIT(ICHITIT:イチロー)、KBTIT(MUNETIT:川崎宗則)
三名を投下します
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「ムネ…… 俺のために死んでくれるかい……?」
俺はイチローさんのために死ねる。
大好きで、夢で、思い出で、憧れであるイチローさんのために死ねる。
俺は両膝を地べたにつける、そうだ俺はイチローさんに頼まれるために生まれてきたのだ。
そんなイチローさんのために死ぬことは苦であるはずがない。
そう、絶対に。
イチローさんは血がべったりとついた野球のバットのような物を振り上げる。
それはイチローさんの足元にいる俺目掛けて振り下ろされる。
俺はイチローさんのために、イチローさんのために死ぬのだ。
それが一番イチローさんのためなのだから……
イチローさんの…… ために……
イチローさんのために…… そう……
イチローさん…… イチローさん…… 俺が愛しているの言葉を遥かに超えるくらい愛しているイチロー……さん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん…… イチローさん……
イチロー、さん。
イチローさんは壮絶なスピードでバットを俺の目掛けて振り落とした──
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☆ ☆ ☆
怒っている。
心の底から怒っている。
川崎宗則は怒っている。
MLBに挑み、はや4年。
今年はAAAとメジャーを行ったり来たりしながら自分の夢を謳歌していた。
それは苦しいことも有るけども、それでも楽しく充実な事の方が遥かに多かった。
そんな時に突如巻き込まれた理不尽、殺し合い。
ふざけるな、ふざけるなよ。
川崎宗則の闘志がグツグツと沸騰する。
何がいくつでもなんでも願いが叶うだ。
それは不可能じゃないだろう、ここに自分がいるということはそれが不可能ではないと示しているようなものだ。
それでもだ、と川崎宗則は一人吐き捨てる。
そんな手を使って欲しいモノを得てなんの意味がある?
玩具にされ、見世物にされ、挙句殺しあって得たものになんの意味がある?
幸い、自分には電気工事士の免許を持っている。
だからこの首輪について全くわからないことはないだろう。
この首輪を外し、ふんぞり返っている奴らを打ち倒す。
その為に必要なことは山程ある、正確な首輪の知識を得なければならないし、
なんでも願いが叶う権利目指して殺しあっている奴をどうにかしなければならない。
だから川崎宗則は一番に優先することはすぐにはわかる。
仲間だ、共に主催者を打倒する仲間だ。
一人よりも二人、二人よりも四人、四人より、もっとたくさん。
たくさんの仲間を経て首輪の知識を正しく理解し、殺し合いに乗っている奴を倒していく。
倒す即ち殺すということが大半であるが、川崎宗則は夢を見るが現実から背けていない。
この理不尽を打開するにはある程度の甘さを捨てなければ勝てない。
それは野球でも同じことだ、しかしそれでも出来る限り人殺しはしたくないと思ってしまっている、その優しさが川崎宗則の良さでも有るのだけども。
川崎宗則は不服ながら奴らから支給された鞄の中に手を入れた。
奴らが言っていたように地図や食料などが軽く開いただけで確認できた。
まず川崎宗則が取り出そうとしたのは、奴らからランダムで支給されるモノであった。
奴らはこのランダムアイテムの大半は武器であると言っていた、しかしもし武器ではなかった場合どこかで調達しなければならない。
ここは日本を小さくしたような会場と言ってた、だからホームセンターに行けば斧や電鋸くらいは置いてあるかもしれない。
自衛隊基地や米軍基地に行けば重機も手に入るか、アメリカだったらそこら辺でも銃売っているのに。
だがそれは一先ず考えずに済みそうなモノが鞄から出てきたのだ。
それにはきちんと説明書までついてた。
あの映画に出てきたそれに似ているなと思っていたが、説明書にハッキリとそれですと書かれていた。
川崎宗則は半信半疑ながらもそれを武器として仕えるように展開してみる。
映画と一緒だった、柄の部分以外を持つと大変なことになりそうだなとちょっと興奮しながら収束する。
説明書を見た限りだと誤作動はしないと書いている、疑いながらもそれを素直にお尻のポケットへしまう。
半分しか入らないが、これの方が良いだろう、武器だから取り出しやすい方が良い。
次に川崎宗則はその中から地図を手にした。
この2015年にアナログの地図とは少し笑いながら、今度は辺りを見回す。
ここが何処だろうか、もしここが沖縄なら本州に行くためには船に乗らなければならない。
そんな懸念とは裏腹に彼が見つけて看板にはこう書かれていた。
愛知県
野球で言うなら中日ドラゴンズが本拠地を持つそこに川崎宗則は飛ばされていたのだ。
良かったと思うと同時にどうしようとも思う。
もう少し偏った位置であったら、例えば山口だったら大阪を目指す、宮城なら東京を目指しただろう。
しかし愛知ではどちらも遠くはない、正確に言うと大阪の方が近いのだが、少なくともミニチュア日本なこの会場では東京が遠くない位置。
川崎宗則は地図を鞄にしまいとりあえず歩いてみる。
近い大阪か、それとも首都東京か、このまま日本海側に出ても良いかもしれない。
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そんな最中に川崎宗則の目の先に人間が映った。
そして嬉しい悲鳴を上げたくなった。
何故ならそこには愛してはならない伝説のスーパースターがいたのだから。
勝った、川崎宗則は確信できた。
この人と一緒なら絶対打倒できる、この人はありとあらゆる所が強い。
それでいて隣にいて誰しもが安心できる。
だから大きな声で名前を呼ぼう。
「イチローさ…… ん……」
川崎宗則は大好きな彼の名前を呼び、手をブンブンと高く上げ振り、受け止められなければ止まれない程のダッシュで近づいていたはずだった。
けれどそれは自然に止まってしまったのだ。
何故ならば、そのイチローは、血まみれのバットを地面に有るナニカに向かって振り落としている最中だったのだから。
「ああ、ムネ。 君もいたんだ」
イチローはバットを地面につけながら川崎宗則の方をへ顔を向けた。
「イチローさん…… なに…… やっているんですか……?」
川崎宗則思わずイチローの今の状況について尋ねてしあう。
見ればわかる、見れば何をやっていたか大体想像できる、けれど認めたくなかった。
「ああ、あっちに鞄落ちているでしょ、この人、俺のことを知っていたから警戒して無かったんだよ、だから余所見した時にね。
でも見てこのバット、最初から人を殴るように作られたっぽいでしょ、だから一撃で終わると思ったんだけど、ここまで逃げられちゃって……
結局4回も叩いちゃったよ、俺もおとろえ……
「イチローさん! なんでですか!?」
イチローが全てを話す前に川崎宗則はイチローを遮った。
想像していたことが事実であることが事実であった、だから問いただした。
なぜイチローが人を殺したのかと。
イチローはふーっと息を吐き、川崎宗則がこれまで見たこともない眼差しで見つめてきた。
こんな状況でも少しときめいてしまった自分が憎いと川崎宗則は思った。
「ムネ、俺はイチローなんだよ。 イチロー、そう、イチロー。 日米でメディアを色々と賑やかせてたあのイチロー……
記録もたくさん残したし、記憶に残ることも山程やってきたと思うよ……、
でもわかってきたんだ…… そろそろ終わっちゃいそうなんだよ…… イチローがさ……
ムネが来る一年前、急に身体が俺じゃないみたいに重くなって…… それでも足掻いてみよう足掻いてみようって思って、
ムネがきたのにヤンキースに移籍したり、戦力外通告されても今度はマーリンズに行ったりして、身体が本当に動かなくなるまでやってやるって……
でも…… その足掻きさえ出来ない所まで来ちゃったんだよ。
そんな時にこんな事に巻き込まれたら、さ、な。
俺はさ、ムネ、まだイチローでいたいんだよ、いや、イチローでしかないんだよ……
怖いんだ、とても怖くて仕方がない…… 野球を辞めざるを得ない状況になっちゃうことがさ……
野球を辞めたら俺はイチローじゃなくなるんだよ、ただの鈴木になっちゃうんだよ……
俺はそれが怖くてしょうがないんだよ、イチローじゃない鈴木一朗のなんて今更無理なんだよ……
だから野球をやり続けるためにも…… 俺がイチローであり続けるには…… もうこれしかないんだよ……」
川崎宗則はイチローの言葉を一字一句聞き漏らすことがなかった。
人間は老いる、誰でも。
生まれたばかりの赤ん坊も、40年50年立てば大したことではなく息があがり体のあちこちが痛み出すだろう。
イチローでさえそうなのだ。
例外はないのだ。
川崎宗則はイチローの顔を直視することは出来なかった。
-
「ねえ、ムネ、俺のこと好き?」
「えっ?」
「俺はムネの事好きだよ」
しばらくの沈黙の後イチローが唐突に言い出した。
思わずえっと聞き直したが、もちろん聞き漏らしてはいない、何故ならイチローの発言なのだから。
「……はい」
川崎宗則は少し戸惑いながら自分の素直な気持ちを返した。
「ムネ…… 俺のために死んでくれるかい……?」」
「……えっ?」
イチローの言葉を絶対聞き漏らさない自負があった川崎宗則も今度の言葉は逆に聞き取れて欲しくなかった。
「『いくつでもなんでも願いを叶えられる権利』ってことはさ、この殺し合いの犠牲者を無かったとかにも出来るんだよ……?
だからさ、俺が優勝したらムネも、この死体も無かったことに出来ると思うんだ、だからさ、俺のために死んでくれ……
それに…… ムネが他の誰かに殺されるのだって嫌だしね…… 頼む…… 頼むよムネ……!」
「イチローさんのために…… 死ぬ……?」
それはつまり殺すということだろう。
イチローの言っていることは間違ってはいない。
死んでも生き返る、漫画みたいな話だが出来ない話ではないだろう。
イチローは深々と川崎宗則頭を下げて懇願している。
体育会系の習わしでは絶対ありえない事態が発生している。
あのイチローがここまで頼みこんでいる、ならばそれも良いんじゃないかと。
愛するための人の願いを叶えて死ねるなら、それもまた本望なのではないか?
イチローが垂れた身体を直すと同時に、川崎宗則は両膝を地面につけていた。
それを確認したイチローは手にもったバットを振り被った。
せめて一撃でムネが苦しまないように、そんなことをイチローは考えていた。
だがイチローは勘違いしていた。
川崎宗則の愛を。
彼の愛はそんな安物ではなかったのだから。
☆ ☆ ☆
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「ムネ…… これはいったいどういうことだい?」
イチローが振り落とした筈であったバットの半分が遥か遠くに飛んで行く。
俺の頭に当たる前に自然に折れたのではない、いくら何でも一人殺しただけで劣化するシロモノではないだろう。
俺が『切った』のだ、もっともただの刀とかだったら受け止めることさえ出来なかっただろうけど。
俺の鞄に入っていた武器は『ライトセイバー』だった。
幾ら丈夫な素材で作られたバットとはいえ、超高熱に木は耐えられない。
俺は振り落とされる寸前にズボンの後ろポケットに隠していたライトセイバーを即座に展開して薙ぎ払った。
結果は上手く行った、それを見たイチローは苦そうな顔をして後方へ下った。
そうだ、そのままだと俺に殺される可能性があるのだから。
俺はライトセイバーを展開したまま立ち上がりイチローを睨みつけ構えながら吠えてやる。
「イチローさん…… いや、『イチロー』! 俺は貴方の全てが大好き『でした』……、WBCで初めてあった時も、テレビの前で調子こいていた俺を注意してくれた時も
貴方に会うためにアメリカに行った時も、貴方がヤンキースに行ってしまった時も、日米通算4000本安打を達成した時も、初めて見た時から、ずっと、ずっっっっっと大好きでした。
でも今の貴方は違う、俺が知っている貴方はこのふざけた殺し合いを止めるために仲間を集い打倒していた、違うとは言わせない!
絶対にそう言っていた! それがなんですか!? もっと野球がやりたい!? イチローを終わらせないために願いが叶う権利がほしい!?
願いを叶えてもらって若返らせて貰ってイチローを続けたい!? イチローがイチローであるためにはそれしかない!?
ふざけんな! ふざけんなよイチロー!! イチローさんはなあ! 老いても野球選手を辞めてもイチローさんのままなんだよ!
ヒットが打てなくても、バットが振れなくても、走れなくなっても、喋られなくなっても、死んでも、何があろうとイチローさんのままなんだよ!!
それがイチローさんなんだよ!! イチロー……、まだ戻れます……、俺しか貴方が人を殺した所を見てません、それにこいつが大悪党だったら正当防衛です、
殺し合いの主催者を打倒するのに無血開城なんて有り得ません、だからイチロー…… イチローさん…… 俺と一緒に……
俺と一緒に殺し合いに打倒する人と組んで……、あいつらを倒しましょうよ……、ねえ、イチローさん…… お願いです……」
ポタポタと水の音が場に流れる。
俺の目から涙が流れ落ち、頬を伝って地面に落ちた水がそれを奏でている。
「そうか…… そうだったんだ……」
イチローさんは目を細め俺の顔をじっと見つめてくる。
それは5秒にも見たない時間だったけども、俺には途轍もない長さに感じた。
「でもね、ムネ…… 俺は『イチロー』だよ、一度決めたことをハイそうですって簡単に反故することはできないよ……」
イチローは俺を見ながら二歩三歩と後ずさる。
俺はそんなイチローを逃さないために一歩二歩と近づく、間合いは変わらない。
イチローの足元に何かがあたった。
それをイチローはすっと一瞬の内に拾い上げた、恐らく死体が元々持っていた鞄だろう。
「ムネに武器を壊されちゃったけど、これで元通り、また武器だと良いんだけどね」
するとイチローは元から支給されていた鞄を僕に投げつける、それに反応して俺はライトセーバーを振り払う。
鞄の中身が飛び散る、それも振り払った時にはイチローさんはライトセーバーが簡単に届かない位置で俺に背中を見せていた。
「次にあった時は…… ムネでも容赦しないよ……」
-
俺に顔を見せずにイチローはそう口にして走り去っていく。
追わなければ、走らなければ。
今追えば間に合う、追えば殺し合いに乗っているイチローを殺せる。
鞄を確認してない今なら、今なら。
「ま…… まっ…… っ……」
でも俺の脚は動かなかった。
ライトセーバーを収める。
同時に俺の身体はまるで糸が切れたようにドサッと崩れ落ちた。
襲ってくる途轍もない疲労感。
それも野球をやっている時でさえ味わうことがなかった程の、だ。
「イチローさん…… どうして…… イチローさん…… イチローさん……」
気がつくと俺は顔を地面に擦り付けながら先ほどと比べ物にならないくらい泣いていた。
咽ながら、蹲り吐き気を我慢し顔中を泥水に擦りつけていた。
「イチローさん…… うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
天に向け俺は絶叫した。
こんなことをしていれば危ないのに、殺し合いに乗っている奴が来るかもしれないのに。
でもそんなことを理性では感じ取れても、本能がそれを許してくれなかった。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
たとえこの叫びがエリア全てに響き渡っていたとしても、
イチローさんには届くことはないのであろうと俺は冷静に理解していた。
【KBTIT(JOVITIT:リッチー・サンボラ) 死亡確認】
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【愛知県と岐阜県の県境/一日目・朝】
【KBTIT(ICHITIT:イチロー)】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品(JOVITITのデイパック、ランダムアイテム未確認)
[思考・状況]
基本行動方針:『イチロー』であるために優勝する
※自分のデイパックは愛知県で消失しました。
【愛知県/一日目・朝】
【KBTIT(MUNETIT:川崎宗則)】
[状態]:健康 絶叫
[装備]:ライトセーバー@スター・ウォーズ
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いを打倒する
1:イチローさん……
【支給品紹介】
【ライトセーバー@スター・ウォーズ】
アレである。 緑の奴。
正確にはフォースとか無いと使えない気がするけども、
まあ有名人なら使えるでしょ、だって有名人じゃん。
今度新作映画やるらしい(2015年9月現在)
MUNETITに支給された。
【ガッツのバット@MOTHER2】
ネスの最強武器。
雑魚敵なら一撃で倒せる、一撃で倒れない奴は強敵。
しかし入手難度が1/128。
ついでに言うと過去の最低国行くとゲームクリアするまで元の世界に戻れない(はず)
だから一種の夢みたいな武器なのかもしれない。
ICHITITに支給されたが川崎宗則によって破壊された、兵どもが夢の跡。
超強靭とはいえやはり木は熱に弱いということなのでしょう。
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投下終了です。
だいたいこんな感じなロワイアルです。
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投下乙です。
これマジ?
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ムネリンロワみたいなものかと思ったがまたちょっと違うのかw
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これマジ?
人数に比べてマップが広大すぎるだろ
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久保帯人先生が強者という前提でロワ開催する編集部に草生える
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>帯人先生本人が見せしめで死んでるんですがそれは……
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死んだと言うことは弱者、つまり本人を騙る不埒者やぞ
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SPEEDITIT、SHELLYUTIT、書き手枠で予約させていただきます!
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予約ルールないんですね、すいません
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すみません、このロワ牽制はあるのですが
予約制度はありません、よって>>23氏よりも先に参加者が登場した場合そちらが優先されます
ご注意くださいませ
詳しくは>>7の【その他】参照
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予約なしで投下がルールだけど「俺今からこいつ書きたいなー」とアピールして他の奴に遠慮させるのはありってことか
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>>26
JIHI深く見守るのも、この世はSHURAと思わせるのも皆様にかかっています
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「痩せたい。でも食べたい」
一人の男がデイパックを漁っていた。ショッキング・ピンクのスーツを着た黒人で、髪は右半分が長いドレッド・ヘアーだが左半分は綺麗に剃り上げている。唇は厚く、細い眉はへの字型に曲がっている。濃いサングラスのため目元は隠れていた
「食べたい。でも痩せたい」
男はまず地図を取り出し、ろくに読まずにツルリと飲み込んだ。
「食べたい。でも痩せたい」
その次にコンパスをツルリと丸飲みした
「食べたい。でも痩せたい」
次に照明器具を丸飲みした
「食べたい。でも痩せたい」
次に筆記用具を食べた
「食べたい。でも痩せたい」
次に水と食料を、
「食べたい。でも痩せたい」
次に名簿を、
「食べたい。でも痩せたい」
ついでに時計を、
「食べたい。でも痩せたい」
そして最後にまだ何か入っていたデイパックを口にくわえると、ツルリとひと飲みに食べてしまった。
手にしていたものを粗方食べ尽くすと、男は「ああ、なくなった」と悲しげに呟いた
「そこそこ美味しく頂きました。でもお腹が減ったので次の食べ物が欲しいです」
彼はKBTIT……ではなくミスタードリトス
四ヶ月前ニューヨークで行われた第二回殺人鬼王決定戦で、他の参加者813名全員と一般市民620万人を食い殺して完璧な優勝を成し遂げた男である
食べ物を探すミスタードリトスは、ふと周囲の摩天楼に目を止めた
「では、次は建物を頂きます」
世界最強の食欲魔人は東京を食べ尽くすべく動き出した
【東京/一日目・朝】
【KBTIT(殺人鬼探偵:ミスタードリトス)】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・状況]
基本行動方針:痩せたい。でも食べたい。食べます
※支給品はすべて食べました
-
>>28
投下乙です、内容も面白く、元作品もweb小説なのでOKなのですが
状態表は
『KBTIT(○○TIT:本名)』 の形でお願い致します。
2日以内に上記のように修正されなかった場合は申し訳ありませんがこのSSは破棄させていただきます、ご了承ください。
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「痩せたい。でも食べたい」
一人の男がデイパックを漁っていた。ショッキング・ピンクのスーツを着た黒人で、髪は右半分が長いドレッド・ヘアーだが左半分は綺麗に剃り上げている。唇は厚く、細い眉はへの字型に曲がっている。濃いサングラスのため目元は隠れていた
「食べたい。でも痩せたい」
男はまず地図を取り出し、ろくに読まずにツルリと飲み込んだ。
「食べたい。でも痩せたい」
その次にコンパスをツルリと丸飲みした
「食べたい。でも痩せたい」
次に照明器具を丸飲みした
「食べたい。でも痩せたい」
次に筆記用具を食べた
「食べたい。でも痩せたい」
次に水と食料を、
「食べたい。でも痩せたい」
次に名簿を、
「食べたい。でも痩せたい」
ついでに時計を、
「食べたい。でも痩せたい」
そして最後にまだ何か入っていたデイパックを口にくわえると、ツルリとひと飲みに食べてしまった。
手にしていたものを粗方食べ尽くすと、男は「ああ、なくなった」と悲しげに呟いた
「そこそこ美味しく頂きました。でもお腹が減ったので次の食べ物が欲しいです」
彼はKBTIT……ではなくミスタードリトス
四ヶ月前ニューヨークで行われた第二回殺人鬼王決定戦で、他の参加者813名全員と一般市民620万人を食い殺して完璧な優勝を成し遂げた男である
食べ物を探すミスタードリトスは、ふと周囲の摩天楼に目を止めた
「では、次は建物を頂きます」
世界最強の食欲魔人は東京を食べ尽くすべく動き出した
【東京/一日目・朝】
【KBTIT(DORTOSUTIT:ミスタードリトス)】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・状況]
基本行動方針:痩せたい。でも食べたい。食べます
※支給品はすべて食べました
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面白そうな企画ですね
自分も投下させていただきます
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最強のKBTITを選び出し、本物の久保帯人先生を見つけ出す、通称KBTITロワイアル。
その参加者を絞り込むための選別は、厳正を極めた。
何しろ2万人もの一般人から、一人を探し出すための選別だ。
おまけに強者の条件をクリアせずとも、偽のKBTITと認定された弱者は、排除することが決まっている。
何の関係もない人間に風評被害を植え付け、あらぬ訴訟を起こされては、集英社もたまったものではない。
故にKBTITの選別には、多くの人手が割かれた上に、細心の注意が払われた。
これはそうした選別の、あるワンシーンを抜き出したもの。
2万にも及ぶ人間の中には、どうしてもふるい落とすべきか残すべきか、判断に迷う人間も存在する。
この瞬間、社員達を悩ませていたのは、ある一枚の画像だった。
ttp://i.imgur.com/LILR1Gy.jpg
それがこれである。
この一枚を前にした、集英社の社員達は、一様に難しい顔をしていた。
このポーズは明らかにKBTITだ。
顔の角度も体の角度も、微妙に半笑い気味な顔も、全てがKBTITのそれと一致する。前髪の分け目もよく似ている。
しかしこの画像のポーズは、我々がよく知るKBTITのものとは、左右反転したものになっている。
よくよく見てみると、体型も変だ。上半身と下半身の均整が取れすぎている。
本物の久保帯人先生であるのなら、もっと強靭な上半身に対して、ハゲみたいな下半身をしているべきだ。
顔から感じられる年齢が、妙に若いというのも気がかりだった。
久保帯人先生の連載作品は、今年で14周年を迎えるロングセラー作だ。
それに対して、このKBTITはどうだ。この顔を14年若返らせたら、それこそ幼稚園児くらいになってしまうのではないか。
それでも既に集英社には、荒木飛呂彦先生という、偉大すぎる前例がいる。
独自で編み出した健康法を元に、波紋の設定を考えたという荒木先生は、80年代の頃から、現在の容姿を維持しているのだそうだ。
ならばたかだか14年分の老化など、本物の久保帯人先生ならば、同様に打ち消せるのではないか。
それにこの画像からは、並ならぬ強者のオーラが感じられる。
いかにも死覇装を身にまとって、怪物に向かって飛び出していきそうな、そんな感じの面構えだ。もっと重装備なような気もするけど。
そうした様々な意見が飛び交い、1145148101919秒にも渡って、選考会は紛糾することになった。
結論を言うと、画像の男は、最終候補として通されることになった。
疑わしきは罰せよ。それが集英社の出した結論だった。
本物であると断定はできないが、限りなく本物に近い数十人には、残してやってもいいだろう。
彼が本物の久保帯人先生であるなら、我々がああだこうだと言わずとも、自ずと結果を出してくれるはずだ。
そう考えた集英社は、彼をKBTITロワイアルの戦場へと、送り出すことを決定したのだった。
なお、上記画像に映った人物が、本来背中に回しているべき左手を、デスクについていたという事実が発覚したのは、KBTITロワイアルが開催されてから、数時間経った後のことである。
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◆ ◆ ◆
「バカ言えよ! 僕が漫画家だって!? 冗談じゃない! ただでさえ舞さんが危険だっていうのに、こんなことに構っていられるか!」
こうして沢芽市から連れられた、捕獲したての高校生の少年・呉島光実は、謂れのない疑いをかけられ、殺し合いの舞台に放り込まれてしまったのだった。
【兵庫県/一日目・朝】
【KBTIT(KUZUTIT:呉島光実)】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品(ランダムアイテム未確認)
[思考・状況]
基本行動方針:沢芽市に帰る。そのために優勝する?
1:邪魔する奴は排除する
※戦極凌馬からヨモツヘグリロックシードを渡された辺りからの参戦です。
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投下は以上です
書き手枠を使って、特撮番組「仮面ライダー鎧武」より、呉島光実を書かせていただきました
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投下乙です
ミッチが不憫過ぎて草
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本スレッドは作品投下が長期間途絶えているため、一時削除対象とさせていただきます。
尚、この措置は企画再開に伴う新スレッドの設立を妨げるものではありません。
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