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【すべてが】―FREE―ロワイアル【未知数】
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【参加者名簿(全書き手枠)】
○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○
合計55名
"
"
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そこに光は無かった。
あるのは底抜けの闇だけだ。
それは何者かの悪意によって形を成しえたもの。
糞ッたれな地獄の始まり。
人の気配がする。それも沢山。
物語を紡ぎだす55人の登場人物たちだ。
実に多種多様な面々が揃っている
「お待たせしました」
突然、声が響き渡った。
「ようこそ、バトルロワイアルへ。
これから皆さんには、簡単なゲームに参加していただきます。
基本的なルールは至極簡単。
それは即ち“他の参加者を殺し、最後の一人になること”です」
声は淡々と、残酷で非現実的な事を述べる。
「優勝者には豪華景品をご用意しております。
ただし、脱走を図るなどのルール違反を認めた場合、罰則を設けております。
その内容は、“死”です。
皆様の首にある首輪にそれを与える仕掛けが施されています。
一定期間死者が出なかった場合は全員死亡しますので十分注意してください」
大半のものが首に手を向ける。金属の冷たい感触。そこには確かに首輪があった。
「期限は無期限。6時間毎に定時放送を行い、その時点での死者の名をお知らせします
その際に禁止エリアの発表なども行います」
「禁止エリア、他ルールの詳細については支給されるルールブックをお読みください。
それでは次に――」
簡潔な説明はまだ続いていく。
殺し合いの幕が開くのも時間の問題。
だがピースは未だに定まっていない。
どのような物語、結果、結末がもたらされるかは未知数。
――煮えたぎる魔女の釜の底のような地獄か、希望がひかり救いのある結末となるか――
それはまだ――決まっていない
――【すべてが】―FREE―ロワイアル【未知数】開幕――
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【基本ルール】
最後の一人になるまで殺したり殺されたりする
参加者は皆、善意でデイバックが与えられる
中身は基本支給品として飲料水、三日分の食料、筆記用具、地図、コンパス、ルールブック、名簿。そして1〜3のランダム支給品など
なお名簿は、第一回放送終了時に内容が浮き出てくる仕組みで初期は白紙
ルールブックは禁止エリアなど殺し合いの基本的な規則などが載っています
デイパックは基本的に、どれほど物を入れても形状が変化しないし重くもならない
名簿は第一回放送後、浮かび上がる仕組みとなっている
参加者は全員、爆弾付きの首輪が装着されており、殺し合いを著しく阻害するような行動を取った場合など、主催者権限で爆破される
禁止エリアに入った場合、一定時間警告音が鳴った後、首輪が爆破される
24時間誰も死者が出なかった場合、全員の首輪が爆破される
最終的に残った一名が優勝となる
【定時放送について】
放送は6時間ごとに行われる。
放送内容
「前回の放送から今回の放送までに死んだキャラ名」
→死んだ順番に読み上げ
「残りの人数」
→現在生き残っている人数。
「主催者の一言」
→内容は書き手の裁量
【会場マップ(孤島)】
1234567
A丘丘森森街海灯
B丘森湖森街海海
C森街橋平街墓海
D森街川寺森森海
E公街川平森病海
F森平橋平平街ホ
G海海海海森崖海
海:ただの海
丘:小高い丘
森:普通の森
平:普通の整備された道
川:そこそこ深さのある川
橋:ただの橋
崖:ただの崖
墓:墓地
寺:ただの寺
公:公園
病:病院
灯:灯台
ホ:ホームセンター
開始は昼12時とする。
時間表記
未明:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
深夜:22〜24
【状態表テンプレ】
【○日目/時間帯/エリア】
【キャラ名@作品名】
【状態】キャラクターの状態
【所持品】キャラクターの所持品や支給品
【思考】キャラクターの思考、行動方針など
【備考】
※参戦時期や制限の内容、その他補足など
【書き手ルール】
予約は最大で一週間、延長はなしでトリップ必須です
全書き手枠なのでどんなキャラを登場させても良いです
面白いネタがあるなら好きなだけ予約してくれても構いません。早い者勝ちです
まったり楽しくやっていきましょう
書き手は予約時、必ず登場キャラを表記した上で予約をする事
キャラの制限の強弱なども書き手に任せます
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以上でOP、地図、ルールなどの投下は終了です
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七瀬遙@Free! で予約して大丈夫ですか?
"
"
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>>5
基本的に予約されるキャラに規定はないので大丈夫です
書きたいと思ったら自由に予約してください
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予約をしようと思うのですが、1人の書き手が出せるキャラの上限は決まっていますか?
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良かった、では改めて……七瀬遙@Free! を予約致します
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>>7
特に決まってはいません
ですがいきなり55人全員予約なんて裏技はナシでお願いします
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ありがとうございます
それではベジータ@ドラゴンボールZ、十六夜咲夜@東方Project、セイバー@Fate/stay night、アクセル・アルマー@スーパーロボット大戦OGの4人を予約します
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ちょっと気になったので質問です
> なお名簿は、第一回放送終了時に内容が浮き出てくる仕組みで初期は白紙
このルールってルールブックにも書いてある設定ですか?
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自由の女神像@現実 で予約します
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>>11
それはルールブックに記載されているものとします
基本的にそういったものは先に描写した人のものを優先させる事にします
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短いですが投下しますね
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◇
自由は、彼女の存在理由。
◇
E-4。マップの中央やや下。
平地に均された道のそばに巨大な石像が立っており、下からスポットライトで照らされている。
女神の姿。七つの突起がある王冠。
純金の炎トーチカを空へと掲げ、記念日が刻まれた書を脇に抱えている。
彼女は自由の国に立っていた。
人種、生き方、チャンス、etc......すべてが自由なその国の独立存続を記念して、
さまざまな人からの支援によって作り上げられ、以来ずっとその地に立っていた。
彼女は世界を自由で照らした。
自由を求めて国に来る人々にその堂々たる姿で、ここが自由だと証明した。
立ってるだけで存在価値がある、シンボルとして。どんな人々にも平等に希望を与えた。
彼女は映画とかゲームとかにもよく使われる。
主に壊される役だ。たまにラストダンジョンになったり戦ったりもする。
正直遊びすぎではないかと思う件もある。「自由すぎる女神」とか。でも、顔色を変えずに立ち続けてきた。
自由の象徴だから、自由に使われるのは本望なのだと言い聞かせてきた。
それでもこれはあまりにひどい、と、彼女は感じただろう。
今、E-4の大地に連れ去られてきた彼女――自由の女神像には、首輪が嵌っている。
自由の女神に枷。それは彼女にとって、存在理由自体を踏みにじられたようなものだ。
殺し合いという舞台の中で。
彼女は“不自由”のシンボルとして、絶望を与える存在として、その姿を晒せられたのだ。
怒り、嘆き、悲しんだ。でも石像なので涙は流せず、やっぱり彼女はただそこに在るだけで。
ただ。
そんな彼女を見て、参加者たちが何を考え、どう行動するかは、自由である。
ゆえにただ彼女は願う。
(ああ、人々よ。“私”を見て、絶望しないで)
巨大な首輪の重みに、不自由を感じながら。自由を謳う。
(自由を忘れないで。首の枷に打ちひしがれないで。
悲しまず、争わず、虐げず。全ての善なる思いを集めて――自由を、掴みとって!)
――それでもこの物語はバトルロワイアル。
結末は決まっていなくとも、過程上の悲劇は避けられないのですよ、女神さま。
【一日目/深夜/E-4】
【自由の女神像@現実】
【状態】あのポーズ
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:自由を忘れないで。自由を、掴みとって!
2:……E-4が禁止エリアになったときのことは考えたくありませんね。
【備考】
※自由の国にあるオリジナルのやつです。わりと遠くからでも見えそう
※デイパックは頭部展望台に置かれています。下からエレベーターで登ろう。
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投下終了です。
参加者にしないと首輪嵌めれないからね、仕方ないね。
女神像を知ってるか知ってないか、嵌められた首輪にどう反応するかなど、雑談のネタにでも使えたらぜひ。
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投下乙です
自由の女神だと!?
しかもオリジナル!?
これは他参加者の反応が期待できますね。最高のネタです
パロロワが広まってそれなりに年月が経ちましたが彼女の参戦は此処が初でしょうね
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投下乙です。
示威目的のマーダーに壊されそう。
あと、首輪の威力が凄そう。
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投下乙です!
おお、まさか女神像がパロロワに登場するなんて夢にも思いませんでしたww
女神像の石がこれから多くの参加者を導いて欲しいですね。
そして自分も美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!、高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはViVid、アインハルト・ストラトス@魔法少女リリカルなのはViVidを予約します。
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ランダム支給品は参戦作品のアイテムを出しても良いですか?
また、ロボット物の武器はダウンサイジングした物であれば大丈夫ですか?
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>>20
大丈夫です。基本フリーなので何でもありです
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急用により、予約を一旦破棄させて頂きます。
すみません……
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ご回答ありがとうございます
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鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ
フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE
デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE
で予約します
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勇者@片道勇者 で予約します。
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投下します
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その者は覇者である。
人に仇なす魔性のモノを殺戮し、魔を魔たらしめる呪魂の力を奪い取るがゆえに。
その者は王者である。
死を超越した躰を駆動させ地上の何人からも支配されえないがゆえに。
その者は魔王である。
力の代償として人ならざる存在へと変貌したゆえに。
その者は――鹿目まどかは魔法少女である。
-
◇
「気がついたか……」
鹿目まどかは魔女との戦いで力尽き、死ぬはずだった。
あるいは、狩るべき魔女と成り果ててしまうはずだった。
死の淵で思い返すのは共に戦った親友、暁美ほむらの泣き顔だった。
しかし今、まどかの目に映るのはほむらとは似ても似つかない初老の男性である。
「本当は、もっと色々話すことがあった……だがもう時間がない……」
老人は――死にかけていた。
彼の半身は血の赤に染め上げられ、遠からず死に至ることはもう避けられない。
しかし、それでも――
「生きるんじゃ……そのための力は与えた。後はお前次第……」
老人は手元で何かの機械を操作している。
まどかはその機械を見たことはない。しかし、もう「知っている」。
「もし、ワシの孫に……キオに会うことがあったら、どうか……」
最後の入力を終えると同時に、老人がその機械を横たわるまどかの胸に押し当てた。
まどかのソウルジェムが機械に触れると、不思議なことが起こった。
機械はソウルジェムと一つになり、そしてまどかと一つになる。
「あの子を……守っ……」
老人が崩れ落ちる。否、死んだ――その時、まどかの意識が覚醒した。
胸のソウルジェムが熱い。
まどかの意思が、老人の願いが、渾然となって弾けいく。
(思い、出した――)
戦わねばならない。
まどかと老人を襲った「敵」と。
まどかの意識を奪い、老人に致命傷を負わせた、敵。
老人の機転で何とか逃げ出したが、まだまどかたちを探しているはずだ。
(来て――)
平凡な学生服が、魔法少女の戦装束へと変わる。
続いて武器を、弓と矢を生み出そうとした。
しかし、まどかの手は空を切る。
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肩から先を覆うのは、天を裂く豪腕。
力強く大地を踏み締める足は、まるで巨木のよう。
これが、老人――フリット・アスノが鹿目まどかに託した力。
砕かれたソウルジェムを解析し、アスノ家に受け継がれるAGEシステムで進化させた鎧。
ガンダムAGE-1が装備するウェアを模した、携行型魔法装甲服。
(タイタス――これが、あの人がくれた私の新しい力!)
名前も知らない、でもどこか優しい目をした老人の言葉を思い出す。
生きる。そしてキオという子を守る。
「どこだ、フリット! どこに隠れた!」
憎しみに満ちた男の声が聞こえる。
この声の主こそが、老人の命を奪った仇敵である。
まどかは身を預けていた鋼鉄のベッド――AGEビルダーから身を起こした。
鹿目まどかが再起動する。
(フリット――さん。私が……あなたのお孫さんを守ります。必ず!)
まどかの四肢から光が噴き上がる。
全身のビームジェネレータを作動。ハリネズミのような閃光の刃を纏う。
敵は魔女ではなく、人間かもしれない。だが誰かを傷つけるのなら見過ごせはしない。
やがて現れた鋼鉄の巨人へ、まどかは一直線に突っ込んでいった。
【フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE 死亡】
【一日目/深夜/F-7 ホームセンター】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康 タイタスウェア装備
【所持品】AGEジェム、基本支給品
【思考】
1:敵を撃退する
2:明美ほむら、巴マミを探す
3:キオを探して守る
【備考】
※魔法少女だったときの時間軸からの参戦です。
※ソウルジェムはAGEデバイスと融合して進化しました。
【デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE】
【状態】健康
【所持品】スコープドッグ@装甲騎兵ボトムズ、基本支給品
【思考】
1:フリットを殺す
【備考】
※アセム編からの参戦です。
※ホームセンターにはAGEシステム、AGEビルダーが設置されています。
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投下終了です
ボトムズのATなら実在の火器でも装甲を貫通させられるくらいなので、そうそうバランスは崩さないと思うのですが
もし駄目なら別の武器に差し替えます
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壇狩摩@相州戦神館學園 八命陣、ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ、カーズ@ジョジョの奇妙な冒険 予約します
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七瀬遙を投下致します
タイトルは「決断のオーシャン」です
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真昼の強い日差しが照りつける砂浜の上。
小さなうめき声と共に七瀬遙のまぶたが開く。
上半身を起こし、背中に付着した砂を手で振り払った。
――さっきの声……一体何だったんだ……?
バトルロワイヤルだか最後の一人まで殺しあうとか何とか。
そんな物騒極まりない事を強いられてたまるかよ、って……。
――待て。じゃあ、何故俺はここで寝ていたんだ?
眠りにつく前に何があったのかイマイチはっきりしない。
自分の今の格好を見るに――料理をしていたんじゃないだろうか。
水着にエプロンを纏っただけの姿。
……非常にみっともない。
自宅ならともかく、屋外でこの格好は正直ダメだろ、と流石の遙も思った。
彼の端正な顔立ちと鍛えられたボディなら、むしろセクシーかもしれないが、そういう問題じゃない。
Q.どうしてこんな格好をしているのか。
A.水着に油がはねるのが嫌だから。
普段から遙は、自宅の水風呂に浸かって時間を過ごすことが多かった。
水着姿で、だ。
そしてそのまま風呂を出て、服を着ずに料理を作る。
だからエプロンを羽織った水着姿は、彼には日常的な格好なのである。
その様子は幼なじみの真琴にも呆れられていたものだ。まぁでも自宅だし別に……。
と、なんだかどうでもいい方向に話が進んでいた。
いつまでも呆然としている場合では無い。
まずは現状把握をしなくてはならない。
遙は傍らに転がっているデイパックを拾い、中身をひと通り調べあげる。
携帯食料などのサバイバルグッズ、バインダーに挟まれた白紙の名簿、メモ用紙、地図、ボールペン。
そしてバトルロワイアルのルールが記された小さな冊子。
……この時点でもまだ信じきる事が出来なかった。
鼓動が激しくなりつつも、まだ『これは何かの間違いだ』と信じたかった。
最後に取り出したのは――先ほどから何度も手に触れていたが、取り出したく無かった物――。
冷たく、硬く、そして重い。
レプリカとは明らかに違うその質感。
3つの手榴弾が入っていた。
遙は確信させられた。
突飛でいて、残虐な、現実の真っ只中にいるのだと。
「何故俺が……こんな……」
鼓動が五月蝿く、彼は胸を押さえつけた。
緊張と恐怖感が心の内から沸き上がっている。
不快な冷や汗が頬を伝い、首筋へと流れる。
その首筋を拭おうとして、追い打ちの如く『首輪』に手が触れる。
――どうして俺が。
――意味がわからない、何故俺。
――ここは一体どこだ。どうしてここで寝ていたんだ。
――さっさと帰りたい。願いなんて別に要らない。帰らせろ。
脳裏に浮かぶ言葉はまるで子供のわがままのようだ。
とにかく嫌だった。こんな見知らぬ場所で、殺し合いを強いられるなんて。
不安のあまり、叫びたい気持ちにすら駆られた。
落ち着きたい。
少しでも落ち着ける場所へ行きたい。
-
そうして彼の目に入ったのは、海だった。
すぐそこで、ずっとさざ波の音を響かせていた海だった。
余裕が無くて今まで気付かず、余裕が無くなったからこそ今気付いた。
遙は海を視認すると同時に、エプロンを脱ぎ捨てて駆け出した。
太陽の光がキラキラと反射する、コバルトブルーの波の中へと彼は飛び込んでいく。
水しぶきが風を舞う。
足を、太ももを、腰を、胸部を、生ぬるい海水はふわりと包み込んでいた。
水の流れが全身の皮膚を優しく押す。
柔らかい砂が足の裏をくすぐる。
潮の匂いが鼻腔を刺激する。前髪から落ちた水滴が鼻頭に当たった。
そう、紛れも無い現実の海。
彼がよく知っている、いつもの海だった。
そう、いつもの海だ。
だからこそ、先ほどの焦燥感や恐怖感は緩和されていた。
遙は水面に体を浮かせて、青空を眺めた。
「……俺は一体どうする」
真っ先に考えるのは、この場をどう切り抜けるかだ。
誰だって死にたくないのは同じだろう。
家族とか、生き甲斐とか、理由こそ違えども死にたいと考える者はそうそう居ない。
自分だってそう、水泳部の仲間ともっと泳ぎたいし、何よりこうして水に触れていたい。
だからこそ、その生活を取り戻すためには最後の一人を目指さなくてはいけない。
他者を容赦無く殺し、生き残らなければ俺自身が終わるのだから。
「……」
影に隠れて手榴弾で誰かを殺す。
その犠牲者の持っていた武器も使って、また他の誰かを殺す。
運悪く自分が殺されないように、最大限気を付けながら。
ルールに則った選択肢であり、元の生活を取り戻すための一番の近道。
そしておそらくそれが最もベストな選択だろう。
殺しを躊躇していても、待っているのは死なのだから。
「じゃあ、やるしかないか」
って。
「んな簡単に出来るかよ」
馬鹿みたいな考え……いや、空想を投げ捨てる。
誰かの命を奪う覚悟なんて、高校二年生の男にあるはずが無い。
ましてや、いくらこんな状況でも、誰とも知れない声に従うなんて、素直にも程がある。
ルールが何だ、首輪が何だ。
そんなものに縛られるなんて御免だ。
-
「俺はフリーを選ぶ」
もっと自由な型を選んでやる。
『殺し合いに乗って生き残る』以外の選択肢を。
例えばそう……この海を泳いで、ここから抜けだしてしまうのはどうだろうか。
霞む程度の距離こそあれど、よく見ると水平線の先には他の島が浮かんでいた。
そこまで泳ぐ事自体は決して不可能ではないはずだ。
――いや、ダメだ、首輪がある限り脱走は出来ない。
実際に爆発するかは定かでは無いが、ハッタリとも思えない。
命を握られている。ならばそれさえどうにか出来れば助かるのでは無いか。
どうにか首輪さえ外してしまえば、自由を得る事が出来る。抜け出せる。
そうなるとスパナとかねじ回しとか、工具の類を探さなくてはいけないだろう。
さて、方針は定まった。
……少々安直かもしれないが、それ以上の考えは今は浮かんでこないのだから仕方ない。
もっと細かく考えるのは後でいい。
遙は砂浜へと戻り、首を振るう事で髪に付いた水を払った。
濡れた掌を水着で拭ってから、デイパックを拾い上げる。
地図によると、この海岸からまっすぐ進んだ場所に街があるらしい。
そこで工具店を探そう。
「あと服……せめて羽織る物が欲しい」
欲とは限りないものである。
が、流石に街中をずっと水着で行動するのは嫌なのだ。
ついでに服屋も先に探そう。
浜辺から階段を登り、公道へと裸足で踏み込む。
歩く度にアスファルトが足裏に刺さるため、痛い。
そちらに気が行っていたためにすぐには気付かなかった。
ちょうど顔を上げたところに、あまりにもこの場に似つかわしくない建造物があったのだから。
「自由の、女神……!?」
あまりの非現実さに、目を疑った。
まさか欧米に来ているのか!? いや、あんな場所には無かったはず。
あの像も模造にしては、大きさやくたびれ方が本物に近すぎるような……。
もしかして自分は、想像している以上に異常な現実にいるんじゃないだろうか。
そんな嫌な予感が胸をよぎった。
【一日目/日中/G-3】
【七瀬遙@Free!】
【状態】健康、水着一丁
【所持品】手榴弾×3@現実、エプロン、基本支給品一式
【思考】
1:首輪を外す術を探り、泳いで帰る
2:先に羽織る物も探す
3:何故自由の女神が
4:もっと水に触れていたい
【備考】
・フリーしか泳ぎません。
・水平線の先に島が見えます。
《支給品解説》
【手榴弾@現実】
一般知名度の高いでこぼこした手投げ爆弾。
爆発の衝撃で飛散する破片で殺傷を行なうタイプ。
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以上で投下終了です
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あ、タイトルにエクスクラメーションマーク付け忘れました
「決断のオーシャン!」でお願いします
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キン肉アタル@キン肉マン、マコト=ナナヤ@BLAZBLUE 予約します
-
投下乙です
>魔法少女黙示録
このSSで初めてまどかタイタスなるものの存在を知ったけど
確かによく馴染んでいて不思議なきぶんになりました。キオくんは登場できるのだろうか。
>決断のオーシャン!
free!のフリーってそうか、自由形か。水着エプロン君の存在は知ってたけど
アニメ自体は未視聴だったので意外とまともな子だということが分かってよかったです。
-
YHVH@女神転生シリーズ
セレスティーヌ・シャルロア@スティールクロニクル
ロドリゲス@メタルマックスリターンズ
麻宮アテナ@KOFシリーズ
以上四名、予約します
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南夏奈@みなみけ
オドルワ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面
オカダ・カズチカ@新日本プロレス
3名で予約します。
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現在のまとめ作ってみた
登場
◯自由の女神 ◯鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ ◯デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE ◯七瀬遙@Free!
●フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE
予約中
ベジータ@ドラゴンボールZ、十六夜咲夜@東方Project、セイバー@Fate/stay night、アクセル・アルマー@スーパーロボット大戦OG
勇者@片道勇者
壇狩摩@相州戦神館學園 八命陣、ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ、カーズ@ジョジョの奇妙な冒険
キン肉アタル@キン肉マン、マコト=ナナヤ@BLAZBLUE
YHVH@女神転生シリーズ、セレスティーヌ・シャルロア@スティールクロニクル、ロドリゲス@メタルマックスリターンズ、麻宮アテナ@KOFシリーズ
南夏奈@みなみけ、オドルワ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面、オカダ・カズチカ@新日本プロレス
22/55
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水嶋咲@アイドルマスターsideM で予約します
-
>>42
まとめ乙です
ルルーシュ持って行かれましたか…速い物勝ちですし、仕方ないね
-
すみません、やっぱり破棄します。
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ベネット@コマンドーを予約します
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チンクル@もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド
予約します
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神崎士郎@仮面ライダー龍騎を予約します
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パイアス・オーガスタス@エターナルダークネス 〜招かれた13人〜、ボンゴボンゴ@ゼルダの伝説 時のオカリナ 予約します
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イカ娘@侵略!イカ娘、針目縫@キルラキル、ジョン・メイトリックス@コマンドー、葉月渚@Free!で予約します
-
キリト@ソードアート・オンライン、扶桑@艦隊これくしょんで予約します。
-
短いですが投下します
-
/\
/ \
// ̄\ヽ
|V/┛ ┗ヽ/|
| Y `∧´ | |
ヽ|@(三)@|ノ
\ ←→./
>▼<
/ ① \
/ /ー ーヽヽ
⊂cフ==[二]=|ヒ⊃
\___ノ
//|/
(ニノ (ニ)
その男は控えめに表現しても、凡そ変態的な格好をしていた。
全身ピチピチの変態的な緑タイツ。
それにフィットする変態的な中年太りの緩んだ肉体。
大きな赤鼻に変態的なイヤらしさの目。
そして頬の謎の渦巻き。
もう女性とは縁どころか近づいただけで通報されそうなレベルだ。
全面的にとても可哀想な彼の名は"チンクル"。
ゴキンジョ平原の一軒家に居を構える35歳無職独身のおっさんだ。
――35歳無職独身――
――35歳無職独身――
つい最近まで毎日を無気力に過ごしていた完全なるニート。
所詮ダメ人間だった彼は"ルピじい"なる存在に救くわれ(騙され)
チンクルなる変態的な存在に生まれ変わった。
(因みに顔面は自前である)
ルピーじいの語る酒池肉林の楽園"ルッピーランド"を夢見たチンクルは、ニート生活から一念発起して金(ルピー)集めに奔走していた。
草原、砂漠から火の中、水の中までの危険な冒険。時には想像を超えた化け物たちと戦うこともあった。ルピーの為に。
さて、何とかルピーも稼げてきていた所にこれである。殺し合いである。
チンクルが常に背中に背負っていたランドセルは無い。没収されたのだろう。
あのなかに入っている風船なら、すぐに家に飛んで帰る事ができるのに。
さて、ルピーが絡むと馬鹿馬鹿しいほどのパワーを発揮し、何者も恐れず突進していくチンクルだが、彼にはある問題がある。
とても弱いのだ。残念なほど弱い。
主人公でありながら、肉弾戦は「死相が出ている」と言われるほど弱い。
実際にサロンの用心棒なしではどんなモンスターにも返り討ちにあうことがほとんど。
チンクルの命は"金"。即ちルピーが尽きれば彼は死ぬわけだが、逆を言えば尽きなければ死なない。
チンクルの現在の所持ルピーは1000ルピー。これはデイバックに入っていた。
ストックとしてはまあ何とか行けるだろう。
急所をナイフで刺されたり集団でリンチでリンチでもされたら直ぐに尽きてしまうだろうが。
(-_-;)
チンクルは考える。真剣な顔がキモい。
とりあえず用心棒を雇わなければ話に成らないだろう。
だが果たして此処にサロンは有るのだろうか?
無かったらもう詰んでるッぽいんですけど
……
…………
………………
(゜ロ゜)!
何か思い付いたらしい。
因みにどんなことかと言うと……
別にサロン無くても良くね?ルピー有るんだしちょっとこれ使って強そうな参加者雇えば良いじゃん
こんな感じだった。
さすが元ニートの守銭奴。考えることが違う。
まあチンクルの世界観なら仕方ないだろう。なんせ初対面の人間への挨拶にすら金を要求してくるのが大半な世界なのだから。
\(^o^)/\(^o^)/
さてチンクルは気色悪い笑顔を浮かべて歩きだした。
果たして35歳無職独身の彼に明るい未来はあるのだろうか!
……
…………
………………
あると良いなぁ。
チンクルの明日は何処!
【一日目/深夜/E−4整備された道】
【チンクル@もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド】
【状態】健康
【所持品】1000ルピー、基本支給品
【思考】
1:強そうな用心棒を探して雇う
【備考】
※ルピーの総額とチンクルの生命力は完全にリンクしています。
なのでチンクルがダメージを受けたりしてルピーが減っていった場合、0に成ったら死亡します。
-
以上で投下終了です
-
投下乙です
ルピーが生命と直結してるというシステムが、ロワに持ち込まれるとはw
他の参加者にルピーの価値が分かるのかどうかとか、色々と続きが楽しみです
エデン@聖闘士星矢Ω、マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG、神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日で予約します
-
猿投山渦@キルラキル、丑鎮鉄兵@アイアンナイト、柊つかさ@らき☆すたで予約します
-
ジャギ@北斗無双 クック@コマンドー デデデ大王@星のカービィ(アニメ)で予約します
-
>>49
すみません、こちらの予約のパイアス・オーガスタス@エターナルダークネス 〜招かれた13人〜を黒のアサシン@Fate/Apocryphaに変更します
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登場
◯自由の女神 ◯鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ ◯デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE ◯七瀬遙@Free!
◯チンクル@もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド
●フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE
予約中
ベジータ@ドラゴンボールZ、十六夜咲夜@東方Project、セイバー@Fate/stay night、アクセル・アルマー@スーパーロボット大戦OG
勇者@片道勇者
壇狩摩@相州戦神館學園 八命陣、ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ、カーズ@ジョジョの奇妙な冒険
キン肉アタル@キン肉マン、マコト=ナナヤ@BLAZBLUE
南夏奈@みなみけ、オドルワ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面、オカダ・カズチカ@新日本プロレス
ベネット@コマンドー
神崎士郎@仮面ライダー龍騎
パイアス・オーガスタス@エターナルダークネス 〜招かれた13人〜、ボンゴボンゴ@ゼルダの伝説 時のオカリナ
イカ娘@侵略!イカ娘、針目縫@キルラキル、ジョン・メイトリックス@コマンドー、葉月渚@Free!
キリト@ソードアート・オンライン、扶桑@艦隊これくしょん
エデン@聖闘士星矢Ω、マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG、神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
猿投山渦@キルラキル、丑鎮鉄兵@アイアンナイト、柊つかさ@らき☆すた
ジャギ@北斗無双 クック@コマンドー デデデ大王@星のカービィ(アニメ)
38/55
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アリス@デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト、
雨竜龍之介@Fate/zero を予約します。
-
既に登場しているキャラを予約するのは問題ないでしょうか?
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>>61
問題はありません。寧ろ予約などは全面的に歓迎なので大丈夫です
暫く見ない間にかなり進んでいますね。喜ばしいことです
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>>62
ありがとうございます。
では、自由の女神像、アシュラマン@キン肉マンⅡ世、円亜久里@ドキドキ!プリキュアで予約させていただきます
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田中眼蛇夢@スーパーダンガンロンパ2、与次郎次葉@めだかボックス、志賀慎吾@学園ハンサムを予約します。
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ヘドラ@ゴジラ対ヘドラ予約します
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【セイヴァー@Fate/EXTRA】予約します
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吸いません。ちょっとサイズ的に無理が有るので破棄します
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ワイアルド@猿男に憑依
予約します
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新ロワ発足おめでとうございます。そして投下お疲れ様です。
ファニー・ヴァレンタイン@スティール・ボール・ラン(ジョジョの奇妙な冒険)と、
一方通行(アクセラレータ)@とある魔術の禁書目録
で、予約したく思います。
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短いですが投下します
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間違えました。今度こそ投下します
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怪物との戦いを避けよ、
さもなくば自らもまた怪物となる
…お前が深淵を見つめる時、
深淵もまた、
お前を見つめているのだ
―ヴィルヘルム・ニーチェ
◆ ◆ ◆
真昼間の古寺。静寂な雰囲気に包まれたその中に、4人の男女がいた。
黒く尖った髪をした奇妙な服を着た男。
それと対照的に白く短い髪のメイド風の女性。
鎧を身にまとった金髪の少女。
そして赤い縮れた髪の毛の男。
古寺の空気とは何処と無く浮いている4人は殺し合いを強要され、気がついたら舞台となる孤島の中央付近に位置するに街に、
そして偶然にも、彼らはそれぞれの初期地点から然程離れていない場所にいたが故に、このようにして合流する事ができた。
「あなた達の世界の事は大体分かりましたわ。しかし数少ないとは言え魔術を使える人間がいる世界や、科学技術が発展した世界があるなんて…」
「それだけではありませんよサクヤ。あの場には恐らく50人ほどの人間がいたと考えられますが、それを踏まえれば最大50通りの世界が存在している事になります。」
「と言う事は、この殺し合いはそれ程の世界を1つに出来るほどの力を持ってる訳か。…やっかいな事になっちまったんだな、これが」
黒髪の男、ベジータを除いた3人。
十六夜咲夜、セイバー、アクセル・アルマーは互いに顔を見合わせながら、思考を張り巡らせていた。
あの時あの場所で声の主は言った。「他の参加者を殺し、最後の1人になるように」と。
しかし、仮にここに4つの異なる世界の住人がいる。今後関わるのが友好的だったり殺し合いに乗らない参加者なら良いのだが、この状況下で全員がそうとは限らない。
殺し合いに乗りたい奴だけが戦いあってれば良いとも考えたが、声の主は確実に参加者の中に無差別に殺戮を繰り返す者、マーダーを混ぜてくる可能性も捨てきれない。
幸い、ここにいる4人はちょっとやそっとでやられる程の強さでは無いが、もし仮にマーダーと戦う事になったとしても、相手方の情報が無ければ十分な対策を立てようがないのだ。
「くだらんな。参加者の情報が無いのは他の連中も同じ事に変わりはない。
ましてやこのふざけた殺し合いに乗る奴も俺達の事は何も知らないのなら、
早急に手を打ったほうが今後の動きやすさにも影響してくるだろうよ。」
物思いに耽っていた3人を現実に引き戻すかの如く、ベジータがいった。
「待ってくださいベジータ。現時点では私達の行動方針は完全に決まっている訳ではありません。
仮に殺し合いに乗っていない参加者が正当防衛とは言えマーダーと戦闘中。ましてや殺す瞬間を目撃した場合は、
その時点で築き上げられた可能性のある協力体制も水の泡になります。」
「セイバーの言うとおりですわ。私達の本来の目的は、あくまでもこの世界からの脱出です。
必要以上に戦闘を行なえば、あの主催者の思う壺になってしまいますが、貴方はそれでもよろしいのですか?」
「…チッ。腑抜け共め。」
2人の少女に丸め込まれ、遂にベジータが折れた。かつての彼では絶対に考えられない事であった。
「だが、まぁいい。貴様達の戦闘力の高さは少なくとも並大抵の連中に遅れを取る事はあるまい。
問題なのは貴様だ、アクセル。貴様からはセイバーやサクヤのようなスキルもまるで感じる事ができん。
そもそも、記憶喪失な時点でここにいる事自体が間違いのように思えてくるぞ。」
「おいおい待ってくれよ!俺だって元の世界ではロボットのパイロットをして…ありゃ?
なんで、俺の口からロボットのパイロットなんて言葉が出てきたんだ?」
「ロボットのパイロットですか…私にはそういったものはよく分かりませんが、
それだけでも十分な進歩とは思いませんか?今はまだ始まったばかりですし、
時間を掛ければ貴方の記憶も元に戻ると思いますよ。」
「アクセル。他に思い出した事はありませんか?元の世界の事について、
例えばそのロボットの名前や所属していた部隊の名前等でも構いません。」
-
3人に言われ、自身の頭の全てをフル回転させて、自身の記憶に繋がる事を思い出そうとするアクセル。だが…。
「ん〜。ダメだ、どうにもこうにも思い出せない。ま、まぁなる様にならあね!」
ふざけているのか、真面目なのか。それすらも良く分からないアクセルを前に、
3人はただ頭を抱える事しか出来なかった。
◆ ◆ ◆
3人の後に続くアクセルはある事を不思議に思っていた。
それは目の前の彼らと出会う少し前、1人で支給品の確認をしていた時の事だった。
「ん?なんだこりゃ?」
そう言って取り出したもの。それは籠手ともグローブとも見て取れる代物であった。
肘の部分にはブレードが取り付けられており、右腕に装着するものは金色になっているだけでなく、左腕に比べて腕の突起が増えている。
――聳弧角。
それがその支給品の名前である。
本来の世界でアクセルが搭乗していた機体、ソウルゲインに唯一装備されている武器。
しかしただの武器ではなく、EG合金という自己修復機能を特化させたアクティブ・メタルで造られており、
金属粒子レベルでの結合・分離によって記憶した形状を取り戻す作用がある。
再生能力には限度があり、欠損部分の再生はできないが、簡単に壊れるものではない。
人々の想いを機体に集め、「魂を獲する者」と形容されたソウルゲインは武器だけ、しかもダウンサイジングされてもなお、
アクセルの手元へと帰ってきたのだ。
(この武器。何処かで見たことがあるな…。
良く思い出せないが、何か俺と関わりがあるような気がするんだな、これが。)
そう思いながら、堕ちてきた男は新たなる戦いに身を投じるのだった…。
【1日目/昼/D-4】
【ベジータ@ドラゴンボールZ】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:主催者を倒す
2:咲夜達と行動する
【備考】
※人造人間編終了後からの参戦です
【十六夜咲夜@東方Project】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:できるだけ早く幻想郷へ帰る
2:ベジータ達と行動する
【備考】
※神霊廟終了後からの参戦です
【セイバー@Fate/stay night】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:殺し合いを打破する
2:ベジータ達と行動する
【備考】
※桜ルート終了後からの参戦です
【アクセル・アルマー@スーパーロボット大戦OG】
【状態】健康、記憶喪失
【所持品】基本支給品、聳弧角(ダウンサイジング)@スーパーロボット大戦OG、ランダム支給品×0〜2
【思考】
1:記憶を取り戻す
2:ベジータ達と行動する
【備考】
※無限のフロンティアEXCEED開始前(エンドレス・フロンティアに到着する瞬間)からの参戦です
※記憶を失っています。自分がいた世界に関する情報を知れば少しずつ思い出せるかもしれません。
-
投下終了です
続いてバーダック@ドラゴンボールZ、ギム・ギンガナム@∀ガンダム、
御坂美琴@とある魔術の禁書目録で予約します
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投下します。
-
スクラップ・コング@遊戯王OCGで予約します
-
暗い森の中を一人の少女が右往左往と歩く。
黒いポンチョを羽織っているが、後ろにモフモフとしたモノがある。
そう、彼女には尻尾があるのだ。だってリスだもの(厳密にいえばリス系亜人種である)。
「まいったなぁ……」
彼女の名は『マコト=ナナヤ』。
世界虚空情報統制機構の諜報部に所属している衛士である。
マコトが気付いたら、ここに居て、『最後の一人になるまで殺し合い』をしろと言われた。
自分の頬を抓る―――痛みがあった。
―――これは『夢』じゃない。
自分一人が巻き込まれたら、全員を殺してでも帰ることも考えただろう。
だが、もしノエルやツバキがここにいたら……
「ああ、もう!! こんなところで考えていたって仕方ない!!」
だからこそ、動く。
歩くのを止めて、走る。
考えるのは後、今は自身の直感を信じて走る。
自分が今いるのは、支給されたコンパスと地図を見た限り、最南端のG-5の森。
「街に行こう……誰かいるかもしれないし!」
こうして、マコトは森の中を走り出した。
目的地は向かうのはここから北東の街。
誰かに会って、話をする。
(殺し合いなんて絶対にしない!! )
その直後であった。
(ゲェ―――ッ! 変な奴がいる―――っ!!)
予期せぬことにマコトは驚いた。
思わずマコトは木の陰に身を潜めた。
一人の男がいた。
見た限りかなりの高長身でガタイのいい男であった。
それだけならばいい、まだいい。
問題は目の前の男は格好と行動である。
その服装は牧師であった。しかし、フルフェイスの迷彩マスクを着用しているのだ。
そして、なにやら身体を解すためであろうか、全身をストレッチしている。
諜報部に所属しているマコトが考えるのもなんだが、牧師なのにおもいっきり肉体派に見える。
(怪しい、怪しすぎる……けど)
だが、神の使いである牧師の格好をしているからにはきっと牧師であり、少しは信用できるかもしれない。
それが例えフルフェイスの迷彩マスクを着用していても、だ。
(声を掛けてみよう)
「そこにいるのは誰だ?」
(しまった、気付かれた!?)
牧師はマコトの存在に気付いたのか、マコトの隠れている方を向き声を掛けてきた。
少し迷ったが、素直に木陰から出ていくことにした。
両手をすっと上げ、こちらに敵意がないことを示し、出ていく。
「君の名前は?」
「……ナナヤ」
「ほう」
出てきて早々に牧師のマスクの下に見える眼から鋭い視線を受けた。
それとほぼ同時くらうに牧師の服がほんの少しちらりとはだけた、その下には屈強な胸筋が見えた。
マコトはこれを見逃さなかった。
「牧師さんにしちゃ、アンタ、えら〜く筋肉が発達していらっしゃる……
教会でどうやってそこまで鍛えたられたんですかね……」
「そんなことはない……私はこのようにただの牧師だ」
「嘘付け――ーっ! アンタ、ただの牧師じゃないね―――っ!! 何者だ――――っ!!」
マコトは牧師の服をひっぺがした。
その牧師の服の下に現れたのは、これもまたマスクと同じ柄、迷彩のコスチューム。
「オレは正義超人・キン肉マンソルジャー、またの名を……キン肉アタル」
「正義……超人だって……?」
正義超人。
友情を重んじ、仲間と力を合わせて強大な敵に立ち向かう超人。
……と、士官学校で図書室で読んだことがある。
「……なんで、そんな正義超人が牧師の格好なんて……?」
「それは……『神に仕える牧師ならば、殺し合いに乗った者だろうと気を許してしまう』からだ」
「なんという冷静で的確な判断力なんだ……!」
所謂、ゆで理論である。
-
◆
キン肉アタルは正義超人である。
それも弟・キン肉スグルにも勝るとも劣らない正義感とカリスマを持った男だ。
そんな男がこんな殺し合いに乗るであろうか?
否、乗るわけがないッ!!!
◆
「ルールブックを読んだ限り『ゲーム内での他者との協力はFREE(自由)』らしいからルール違反ではないようだ」
「そうみたいだね」
マコトは警戒を解き、アタルと情報を交換しあう。
互いの世界のこと、殺し合いまでの経緯のこととか色々。
そして、一先ず第一放送くらいまで一緒に行動することにした。
「あれだけ大きな建造物だ、地図に載っていない方が不自然だ」
「確かにね」
「恐らくは誰かの支給品か……何かであろう」
「じゃあ、決まりだね」
二人が目指すのは街ではなく、自由の女神像。
街に行くよりも自由の女神像の方に行く方が大変であろう。
だが、キン肉王家3つの心得の一つ。
『正義超人界平和維持の道に近道はない。おだやかな道とイバラの道の二通りの道があるとすればイバラの道を進め』
と、あるように彼らは遠く険しい道を選んだ。
それにあれだけ大きく目立つ建造物を目指す参加者が他にいるかもしれないと考えたからだ。
二人で走る。
遠き自由の女神に向かって。
【1日目/深夜/G-5】
【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、牧師の服、ランダム支給品×0〜2
【思考】
1:首輪の解除及び脱出
2:マコトと行動する
3:自由の女神像に向かう
【備考】
※キン肉星王位争奪編終了後からの参戦。
【マコト=ナナヤ@BLAZBLUE】
【状態】健康、
【所持品】基本支給品、黒いポンチョ、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:首輪の解除及び脱出
2:アタルと行動する
3:自由の女神像に向かう
4:もし、ノエルとツバキがいたら……
【備考】
※CONTINUUM SHIFT本編終了後〜CHRONOPHANTASMA本編開始前からの参戦。
-
投下終了です
-
投下します
-
◆
〜前回のあらすじ〜
自室でゴロゴロ漫画読んでた主人公は何故か異世界に憑依トリップしたんだよ!
凄いよね!
◆
「なんてこった……」
猿顔の男が呟いた。
日焼けした体にムキムキの筋肉。そして首には首輪。
男の名はワイアルド。ミッドランド王国にて良い働きをしている黒犬騎士団の団長。
……に憑依した元日本人。シケモ中学生。
時はさかのぼり数年前。
元日本人こと山田太郎は、自室にてこもり自身の愛してやまない傑作漫画『ベルセルク』を愛読している最中に、なんと作中キャラである外道団長ことワイアルドさんに憑依したのだ。
つまり原作キャラ憑依原作知識ありのオリ主である。
「なんてこった……」
つい先ほどまではワイアルドは村の自宅にいたはず。
だがまあ突如知らない場所に来たことは二回目なのであまり気にならない。
なによりも気になるのは……
「まさか憑依トリップの次は"パロロワ"かよ!ジャンル違うだろぉぉぉッ!」
頭を抱えながら悶え叫ぶワイアルド。
ワイアルドには覚えがあった。かつて懐かしの日本にいた頃の、ネットに没頭した日々の中にある記憶に。
首輪、主催、殺し合い、そしてその他色々。
はいどうみてもパロロワですね本当にごめんなさい
世間一般で言えばヒッキーヲタだった太郎。
こと読み漁った二次創作やSSの知識に関しては馬鹿にできない。
その中の一つ、パロディ・バトルロワイアルにこの状況は酷使している。
ていうかまるで同じである。
御天道様が見逃してもワイアルドの目は誤魔化せない。
(お、落ち着け。落ち着くんだ俺!
そうだ。こんなときは素数を数えればいいんだってどっかの神父様が言ってた!
1、2、3、4、5……あれ、素数ってなんだっけ?あれ?
って知るかいそんなこと!?何でやねんもう!ぷんぷん!)
内心も実に喧しい男である。憑依の影響で精神が錯乱気味のお茶目なワイアルドの片鱗がかいまみえる。
〜15分後〜
「ひひひひひひひ、よっしゃ、ここは一つ……」
ひとまず落ち着いたワイアルド。
小悪党のような笑みを浮かべ、気持ちの悪い笑い声を上げる。
「このワイアルド!マーダーとしてフィーバーして……
ってそんなわけあるかーい!」
ノリで行うツッコミ。略してノリツッコミ。
元日本人ワイアルド名物一人ギャグ。
悪戯っ子のように舌を出し、「(∀`*ゞ)テヘッ」ってしてる様はとても腹が立つ。
「つーか人殺しダメでしょ。
人類皆兄弟!ラブ&ピース最高っ!……俺人(ひと)じゃなくて使徒(しと)だけどね」
ワイアルドは少し、いやかなりその意識は汚染されている。
作者ならぬ神の言葉を借りるなら、ワイアルドボディに宿る魔に侵食されて……うんたらかんたら。
だがそこは我らがワイアルド。ヲタ宣誓に従って彼は日本人としての常識を一応保ってる。
一応である。
本当に一応である。
大切な事だから四度言う。本当に一応、常識人なのである。
例え悪霊にとりつかれた人間やらを全く蝶々せずバラバラにしたり、部下達を拷問染みた厳しすぎる訓練、ていうかほぼ拷問を施してしまっていても、一端の常識はあると思っているのである。
-
「やっぱマジでヤるとしたら対主催っしょ!」
そんな彼は対主催のスタンスをとることにした。
(マーダーやらになってみるのも一瞬悪くないと思ったお茶目な俺、だが、冷静に考えたら殺人ダメ絶対。
それにマーダーには生還ENDとかマジで無さそうなんで、遠慮しときマッスル)
「ヨッシャ!もう仕方ないね。こうなったら拙者心底楽しまなきゃ損じゃないかなと思うんで候」
なぜか侍口調。一転して真面目になったワイアルドが見るのは会場の地図。
田中太郎がトリップしたベルセルクの世界観は、俗に貴族やら王族やら騎士やらの出まくる中世世界。
ネットやら日本の誇るアニメやら、娯楽なんてじぇんじぇんありましぇん(笑)
女遊び?彼女いる歴0年のワイアルドには難易度ルナティック。
そもそも童帝な彼にそんな度胸は無い。
一応自分でトランプやら、見様見真似で日本食(という名の毒薬)などを研究、発明していたワイアルド。
だがそれはどれも現代日本のものには遠く及ばなかった。
だが地図を見よ!この場にはなんと、近代的な建物がズラリッ!
十年単位で中世の世にいたワイアルドにとって、まさにここは楽園ことパラダイス
しかも、しかも!もしも本当に此処があの"パロロワ"の会場とするなら、アニメやらラノベやらのキャラが、生身で跋扈しているというビックリな状況が再現されているのかも知れないのだ!
あぁ、これはもう少年心にワイアルドがワクワクするのもわかる。
「うひょひょひょひょひょひょ!」
だが流石に犬のように興奮し、走り回る姿はキモい。
「よっしゃ!いざ征かんよワイアルドン!
目指すは娯楽の楽園!いざ行かん我らが覇道を!」
勇ましくデイバックを担ぎ、歩を進めるワイアルド。
会場の土を踏みしめ、オリ主は新たな物語を紡ぐために歩みだす。
頑張れ我らがワイアルド!君の明日は明るいよ!……多分。
【1日目/昼/E−6】
【ワイアルド@猿男に憑依】
【状態】健康 精神錯乱
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:主催者を倒す
2;この状況を思いっきり楽しむ
【備考】
※この状況を所謂"パロロワ"ではないかと認識しています
-
以上で投下終了です
ジャンヌ・ダルク@ドリフターズ
キャスター@Fate/Zero
予約します
-
いや、作品のほぼ流用はまずいんじゃない?
-
残り何人余っているの?
-
>>84
大丈夫。書いたのは俺だから。
-
枠残ってますか?
残っていたら【Y.H.V.H@真女神転生2】追加予約します
-
>>87
数えるに、>>83の予約で枠が埋まってしまったようですね。
-
>>87の予約を入れたら、残り枠はラスト/○/だけ。
果たして誰になるのか
-
>>88
了解ですー
-
枠残ってたら木曾@艦これで予約します!
-
>>90
すいません数え間違えていました。
自由の女神は既出のキャラでしたので、YHVHを予約しても大丈夫なようです。
-
別にまあ自分の書いた作品を流用してはいけないというルールはないですが
常識としてどうなのかという話はあるし、そもそもそこまで捩じ込みたいキャラなのかってのと、そもそもテメーそれはそのSSを書いた自ロワでやれよってのは凄く思う
-
wikiを熟読したところ、こちらでコンマイ語を読み違っており、
望んだ展開にできないようなので、スクラップコングの予約を破棄して
>>91氏に枠を譲ります
-
登場
◯自由の女神 ◯鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ ◯デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE ◯七瀬遙@Free!
◯チンクル@もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド ◯ベジータ@ドラゴンボールZ ◯十六夜咲夜@東方Project ◯セイバー@Fate/stay night ◯アクセル・アルマー@スーパーロボット大戦OG
◯ワイアルド@猿男に憑依 ◯キン肉アタル@キン肉マン ◯マコト=ナナヤ@BLAZBLUE
●フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE
予約中
勇者@片道勇者
壇狩摩@相州戦神館學園 八命陣、ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ、カーズ@ジョジョの奇妙な冒険
南夏奈@みなみけ、オドルワ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面、オカダ・カズチカ@新日本プロレス
ベネット@コマンドー
神崎士郎@仮面ライダー龍騎
黒のアサシン@Fate/Apocrypha、ボンゴボンゴ@ゼルダの伝説 時のオカリナ
イカ娘@侵略!イカ娘、針目縫@キルラキル、ジョン・メイトリックス@コマンドー、葉月渚@Free!
キリト@ソードアート・オンライン、扶桑@艦隊これくしょん
エデン@聖闘士星矢Ω、マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG、神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
猿投山渦@キルラキル、丑鎮鉄兵@アイアンナイト、柊つかさ@らき☆すた
ジャギ@北斗無双 クック@コマンドー デデデ大王@星のカービィ(アニメ)
アリス@デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト、雨竜龍之介@Fate/zero
アシュラマン@キン肉マン?U世、円亜久里@ドキドキ!プリキュア
田中眼蛇夢@スーパーダンガンロンパ2、与次郎次葉@めだかボックス、志賀慎吾@学園ハンサム
セイヴァー@Fate/EXTRA、(Y.H.V.H@真女神転生2)?
ファニー・ヴァレンタイン@スティール・ボール・ラン(ジョジョの奇妙な冒険)一方通行(アクセラレータ)@とある魔術の禁書目録
バーダック@ドラゴンボールZ、ギム・ギンガナム@∀ガンダム、御坂美琴@とある魔術の禁書目録
ジャンヌ・ダルク@ドリフターズ、キャスター@Fate/Zero
木曾@艦これ
55人埋まったかな
-
自由の女神像、アシュラマン@キン肉マンⅡ世、円亜久里@ドキドキ!プリキュアを投下します
-
「カーカッカッカ!」
自由の女神像の前で、三面六臂の異形の悪魔が笑い声を挙げる。
悪魔の名はアシュラマン。
魔界を支配した王族の、魔王とも呼べる強大な悪の血を持った超人。
悪魔の中の悪魔だった。
「悪魔こそ自由の証……自由の悪魔ならともかく自由の女神なぞ悪への冒涜よ〜!
ましてや、この像のモチーフを知っている悪魔超人なら誰もが怒りを覚える!」
『お、恐ろしい……肌でわかります。
この男はまさしく悪魔!
隠し切れない怒りにあふれています!』
「自由を名乗っていいのは悪魔だけよ〜!
正義などというくだらないルールに縛られた正義超人には見せられないものを!
そう、悪魔のゲームをこの会場で見せてやろうではないか〜ッ!」
自由の女神像の推測通り、アシュラマンの笑い声の中には怒りが混じっていた。
かつて『あの御方』から聞いた自由の女神の伝説。
その伝説はすなわち、忌々しい正義超人の伝説だった。
正義超人の伝説など破壊しなければならない。
ご自慢の六本の腕で、破壊しなければ!
「お待ちなさい」
アシュラマンが六つの腕を振り上げた、その時だった。
静かな、凛とした声が響き渡った。
アシュラマンが振り返る。
自由の女神像が、どう行っているかは不明だが、視線を落とす。
そこには女が居た。
赤い髪。
赤い瞳。
赤い唇。
白の中に確かに差し込まれた赤い衣装
情熱の如き赤い女だった。
「アイちゃんが居ない今、変身した状態で連れて来られて助かりましたわ」
「なんだ、女〜!? 邪魔をするのか〜ッ!」
「この聖なる女神像を破壊する愚か者を止めようとしただけですわ。
あまりにも不敬、私そのものが侮辱されている蛮行ですもの」
女の言葉にアシュラマンは鼻で笑う。
この女は無知。
恐らく人間界に伝わる伝承通りの事実しか知らないのだろう。
「カーカッカッカ! 間抜けな女め!
この像の意味も知らぬくせに!」
「当然、知っていますわ」
「それが無知だというのだ〜ッ!」
『意味ってなんでしょう……私はただの自由の女神像なのですが……』
自由の女神像当人すら知らない自由の女神像の真の意味。
アシュラマンは高々と言い放つ。
-
「自由の女神のデザインの元はウジェーヌ・ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』とされている!
だが! それは!
人間どもの勝手な当て推量!
そう、実際は――――!」
「実際は、一万年前より存在した真の自由の女神像を現代に復活させたイミテーションに過ぎない」
「『!?』」
アシュラマンの言葉を遮り、情熱の如き赤い女は言葉を滑らかに発する。
アシュラマンと自由の女神像の驚愕を知ってか知らずか。
赤い女の言葉は止まらない。
「かつて存在した自由の女神像。
それはある正義超人とある残虐超人の闘いの中で唯一無二のルールとして重要な役割を担っていましたわ。
そう、『自由の女神像の上で行われた超人レスリングの勝敗は絶対』
これがあったからこそ、それは戦争ではなく闘いのまま終わることが出来た」
淡々と語る赤い女。
アシュラマンの背筋に嫌な汗が走る。
昨今の若輩超人は歴史を蔑ろにする。
『所詮、過去の出来事』と強くなるために不必要なものだと思っている節がある。
だが、目の前の女は違う。
過去を知り、力に変える精神性を持っている。
「人間が知るはずのない、超人のみが知る知識を把握しているとは――――」
「そう、私こそが伝説の継承者、更新される伝説――――プリキュアレジェンドが一人」
いや、この女はただの女ではない。
そうだ、答えは一つ。
この女は――――。
「きさま超人だなーッ!」
「愛の切り札――――キュアエース!」
高らかに宣言する女――――いや、キュアエース。
そう、このキュアエースこそが!
かつて一万年前に存在した三人の正義超人、プリキュア超人の意思を受け次ぐ者!
-
「さあ、思い出しなさい! 自由の女神像よ!」
『え、え?』
「戸惑っている暇はありませんことよ!
貴方の自由の真の意味を!
今こそ一万年の時を超えるのです!
【正義超人・プリキュア】と【残虐超人・キングジコチュー】の闘いを演じた聖地を――――!」
『あ、なんでしょうか、この……懐かしい記憶は……』
自由の女神像に、知るはずのない記憶が蘇る。
二人の正義と悪の超人に挟まれたことによる奇跡。
しかし、当然の出来事。
そう、これこそが超人の力。
「プリキュア・リングの姿を見せるのです!」
地鳴りが響く。
自由の象徴である松明から……なんということだ!
リングが、現れたではないか!
「これこそがかつてプリキュアとジコチューが戦った舞台」
そう言い、エースの身体が宙を浮く。
リングが呼んでいるのだ。
エースは挑発的な笑みをアシュラマンに向けた。
「高所はお嫌いですか、魔界のプリンス?」
「カーカッカッカ! 舐めるなよプリキュア〜!」
すでに自身の存在を知られていることに疑問はなかった。
この女は、キュアエースは情報を持っている。
闘いは厳しい物になるだろう。
しかし、それでいい。
悪魔はより強い正義超人と戦わなければいけない。
アシュラマンはエースを追うようにリングへと向かった。
-
◆ ◆ ◆
皆さん、こんばんは。
ここから私、自由の女神像が今回の超人レスリングの実況を勤めさせていただきます。
そう、全てを思い出した超人レスリングのリング、自由の女神像が!
「始めに言っておきますわ、アシュラマン」
リング中央で腕組みをしたエース。
アシュラマンがリングへと登ると同時に口を開きました。
個人的な心情としては悪魔であるアシュラマンよりはエースに勝って欲しいところです。
「貴方は、プリキュア超人をご存知かしら?」
「書物で見聞きしたことはある」
「結構、ならば三種の神器はご存知かしら? そう、エターナルゴールデンクラウンを」
「エターナルゴールデンクラウン……確か、全知を司る神の器……ほほう、なるほど、そういうことか」
なにがなるほどなのでしょうか。
超人でない私には話が見えません……わかりやすく喋って欲しいです。
「その通り!
私はエターナルゴールデンクラウンを所持したことにより無限の知識を得ましたわ!
当然……魔界のプリンスのフェイバリット! アシュラバスターの打開方法も、ですわ!」
今度はわかりました!
つまりエースはこの世の超人に関する全ての知識を持っているということです!
ならばこの勝負、エースが断然有利でしょう。
頑張れ、キュアエース!
「さて、ゴングはないが……必要ないな」
「当然ですわ。そこらの弱小超人と一緒にしてほしくないものですわね」
拳を握り、すっと両腕を前に差し出すエース。
アシュラマンをそれに答えるように六本の腕を前に差し出しました。
そして、拳と拳が触れ合うと……なんでしょうか!?
突然、ふたりともロープに向かって走りだしました!
「せいやぁ!」
「ふぅんッ!」
そして、なんと激しい体当たりでしょうか!
私の身体が揺れるほどの衝撃です!
し、しかし!
二人は押されも引きもしません!
二人の力は、互角!
二人はその体勢のまま数秒ほど止まると、エースが素早く動きだしました。
ロックアップの体勢です!
「こ、これは……ネプチューンマンの審判のロック!?」
「教えて差し上げましょう!
完璧超人が最も神に近い超人ならば、プリキュア超人は最も女神に近い超人!
審判のロックぐらい出来て当然ですわ!」
審判のロック……相手の実力を図るための行為です。
-
「……不思議ですわね、アシュラマン」
「なにぃ?」
「貴方は若々しい力を持ちながら、今も熟練の技に持ち込もうとしています。
そう、矛盾している。
まるで全盛期の身体のまま歳を取り続けたような、そんな矛盾!」
「…………カーカッカッカ!」
アシュラマンは答えません、ただ笑うだけです。
「その笑い、消して差し上げますわ!」
エースがロックアップの体勢のままジャンプしました。
そして両脚がアシュラマンの頭に……ああ、フライングヘッドシザースです!
アシュラマンの頭が見事にマットに沈み、沈み……!
「カーカッカッカ!この六本の腕に奇襲など無意味よ〜!」
おおっと、腕を巧みに使って直撃を避けています!
そして、フライング・ヘッド・シザースを避けられたということは。
今のエースはすなわちただマットに沈んだ状態!
これは危険です!
「カーカッカッカ!くらえぃ、プリキュア!」
「クゥゥゥゥッ!?」
ああ、これはボストン・クラブ!
別名・エビ反り固めです!
凄い力です、ギシギシとした音が今にも聞こえてきそうです……!
「くぅぅ……ハッ!」
「むぅ!?」
しかし、上手い!
呼吸の隙をついて、アシュラマンの顎に手をかけ、くるりと一回転しました!
逆にマットに叩きこまれるアシュラマン!
「喰らいなさい……!」
そして、エースは距離を取り、右手の指先をピンと伸ばしました。
「プリキュア・ホーリー・ソード!」
すさまじい手刀!
アシュラマンをたまらず三つの腕を使って防御の構えを取りました!
アシュラマンほどの超人が受けに回るとは……!
「ぐぬぬぬう! こ、これはベルリンの赤い雨に勝るとも劣らない……!」
「この手刀を極めた者こそ私の仲間、キュアソード。
私のホーリーソードでは貴方を単体で倒すことは出来ないでしょう!
しかーし!」
確かに言葉通りアシュラマンは倒れませんでした。
フェイバリットは直撃する隙を作ってこそのフェイバリット。
これでは決め手にはならないでしょう。
-
「プリキュア五つの誓い! 一つ! 攻撃を途切らせる攻め方は二流以下の三流!」
こ、これは……そういうことですか!
ホーリーソードを防ぐためにアシュラマンは右側の全ての腕を使いました!
そして、エースは胸元!
これは投技のチャンスです!
エースは素早い動きでアシュラマンの背後を取り、抱え込むように両腕をアシュラマンの腹部に回しました!
「この高度だからこそ!私にも出来る技がありますわ!」
キュアエースがアシュラマンを上空に投げ捨てま……な、なんでしょうか!?
リングのロープ上を走りだしました!
空中という絶好のホールドの機会を捨てて、この疾走の意図はいったい!?
「そしてプリキュア五つの誓い! 一つ! 大切なモノは見せかけではなく本質!」
あまりの速さに私も目が回りそうです……!
あ、飛んだ! 飛んだ! エースが飛びましたー!
急なジャンプでエースの身体が……捻れています!
腰がまるでベーグルパンのように捻れています!
そして、そのままアシュラマンをキャッチすると。
「味わいなさい! これぞ!」
そのままアシュラマンを投げ捨て……投げ捨て……あーっとこれは!
アシュラマンが縦横無尽に飛び回ります!
エースの身体の捻りによって生み出された変則的な投げ!
アシュラマンの身体がまるでピンポン球のよう!
「エース式トゥインクルダイヤモンドーっ!」
これは!なんということでしょう!
アシュラマンの身体が凍りついていきます!
そう、気化熱です!
高地の気温と急速な運動によってアシュラマンの身体を凍らせたのです!
「こ、これはマンモスマンの、アイスロックジャイロ……!」
「そうです! かつて一万年前のプリキュアが生き残ったマンモスの超人より身につけた技!
ゴールデンエターナルクラウンにしっかりと残された、伝説の印!
これを応用した技こそ! エース式トゥインクルダイヤモンドですわ!」
エースが飛びます!
そして、肘を突き出し……!
-
「エース・エルボー・ドロップーっ!」
エルボードロップです!
氷漬けとなったアシュラマンを砕くには十分な技でしょう!
「カーカッカッカ! キュアエース!
所詮はマンモスマンのモノマネよ!
オリジナルのフェイバリットでない以上……!」
しかし、アシュラマンに焦りはありません……これぞ強者の余裕でしょうか。
そして、言葉通り氷を内側から砕きました!
「この通り……簡単に打ち破れるぞ!」
なんと馬鹿げた超人パワー!
これが伝説の闘いを生き残った悪魔の力なのでしょうか!?
「エース・エルボー・ドロップが決まらないのなら決まらないで問題ありませんわ!
アシュラマン、貴方をその体勢になったのならば!」
氷を砕いたものの、うまく着地が出来ずに尻もちをつく形になっているアシュラマン。
エースの動きは素早い。
エルボードロップの体勢をやめ、アシュラマンの元へと駆け寄ります。
パワー自体はアシュラマンに部がありそうですが、スピードでは断然エースですね。
「ふふ……泣かないでくださいね、プリンス」
そして、両脚をアシュラマンの両膝をフックさせました。
この体勢は、私は知っています。
ここから全体重をかければ……人体の急所の一つである膝は……!
「これぞプリキュア・レッグ・ブリーカーでござーい!」
「グギャアアアアア!!!」
い、痛い!
これは痛いですよ!
今までエースよりだった私も思わず身構えてしまうほどです!
しかし、膝を破壊すればエースの勝ちも濃くなります!
ここを決めれば、アシュラマンとの戦闘は……!
「カ、カーッカカ……! み、見事と言うしかないな……!
だがしかーし!」
アシュラマンもそれを理解しているのでしょう。
今までとは違い、余裕の色が薄れています。
しかし、この言葉……なにか手を残しているのでしょうか。
「練磨膝骨錠!!」
ああ、これは!
アシュラマンの膝から骨が飛び出してエースの足首を固定しました!
-
「んぁぁっ!?」
エースの声から推測するに、恐らく万力のごとくエースの足首を締めているのでしょう。
体勢が崩れたエース!ここぞとばかりに脱出するアシュラマン!
そして、右の全ての腕が捩れるように結び上がっていきます。
ただでさえ丸太のように太かったアシュラマンの腕が、さらに太い一本の腕へと変わりました!
「波羅密多ラリアットーっ!」
す、すさまじいラリアットです!
エースの身体がロープまで吹き飛ばされ、さらにロープを大きく後退させます!
そしてまるでヨーヨーのようにエースの身体がアシュラマンの元へと戻ってきました。
アシュラマンは背中側のロープを使い……
「阿修羅魚雷!」
「くぅぅぅぅぅう!」
フライイングパンチで迎え撃ちました!
ク、クリーンヒットです!
エースの身体がマットに沈みました!
「カーカッカッカ……これで終わりではなかろうなぁ、キュアエースよ」
「と、当然……ァ!? ……で、ですわ……ンァッ!」
「よく言ったぞ〜! それでこそ正義超人だ!」
生まれたの子鹿のような頼りなさで立ち上がろうとするエースをアシュラマンが無理矢理に引き起こします。
そして、上方の両腕で顎と右足首をロック。
中央の両腕で頭頂部と左足首をロック。
そして下方の両腕で首を腹部をロック。
こ、これは、まさか……ア、アルゼンチン・バックブリーカーでしょうか……?
し、しかし……こんなアルゼンチン・バックブリーカーは見たこともありません!
「カーカッカッカ!名づけてアシュラ・バックブリーカー!
光栄に思うが良いキュアエースよ〜!新たな技の初めての犠牲者になるのだぞ〜!」
「ぐぅぅ……ぁ、ァアッ!」
エースがうめき声を漏らすだけで何も言いません……よほどの絞め技なのでしょう……
そして、その体勢で固定したままアシュラマンはわずかに屈みこんで――――高くジャンプ!
そんな!そんなことをすれば……
「―――――ぁァあぁっァァァ!」
「カーカッカッカ!」
当然、着地の衝撃がエースにまともに浴びせられます。
アシュラマンの膂力以上の力が働いて、エースの身体が受けた痛みは……うぅ、考えるのも辛いほどです!
-
「カーカッカッカ!所詮は小娘よのぅ、キュアエース!
レジェンド超人の足元にも及ばんわ!」
「ア、アシュラマン……そこまで、私を、更新される伝説であるプリキュアを侮辱しますか……!
ならば……お見せしましょう!」
アシュラマンが屈み込みました。
もう一度ジャンプするつもりです……
これが決まってしまえば今までのダメージを考えるとエースの敗北は濃厚です。
「カーカッカッカ!」
「本当の――――」
アシュラマンが飛びま―――お、おっと!?
これは、そうか、脚に力を入れた瞬間に生まれる力の隙!
その隙に拘束から脱出しました!
「衝撃というものを!」
そして、脚が天を向き、頭が地を向く状態のままアシュラマンの頭を掴みました!
そのままぐるりと一回転し……!
アシュラマンの頭を……!
「ミラクル・ドラゴン・グレイブーっ!!」
自らの膝に叩きつけたー!
ご、豪快なココナッツクラッシュ!
アシュラマンの三つの顔の一つ、笑い面が破壊されました!
い、いえ、一つだけではありません!
冷血面もまた、破壊されました!
ここからは影となって見えませんが……恐らく、怒り面もではないでしょうか!
し、しかも……私の身体にも悲鳴が上がっています。
今までのすさまじい衝撃に、所詮は古代の自由の女神像ではない私は耐えられていないのです。
「どうです……!これが、プリキュアの力!」
拘束からの脱出とココナッツクラッシュに力を使い果たしたのか、エースは膝を尽きました。
しかし、これはどう見てもエースの勝ちでしょう。
あそこまで見事なココナッツクラッシュが決まったのですから!
-
「ぐぅんッ!?」
「……カーカッカッカ、み、見事。ここまでの超人だとは思わなかったぞ」
伸びたアシュラマンの腕……?
あ、アシュラマンの腕がエースの頭を掴みました!
こ、これは、アシュラマンは負けてなどいませんでした!
アシュラマンが、グルリ、と顔が回転させると……怒り面が!
「だがそれもここまでよ〜!
食らうがいい、悪魔六騎士のフェイバリット・ホールドを!」
そして、上方の腕で頭を固定したまま……ああ、残りの四本の腕が!
ネックハンギング・ベアハッグ……そして、エースの身体を逆転させて!
ぶ、ブレーンバスター……でしょうか?
見たこともない技です!
「ふ、ふ……何をするかと思えば、アシュラバスターですか」
エースが不敵に笑います。
アシュラマンは何も言わずに高く、高くジャンプしました!
「い、言ったはずですわ……アシュラマン!
貴方のアシュラバスターのエスケープ方法は知っていると!」
「カーカッカッカ!それはただのアシュラバスターであろう!
これはただのアシュラバスターではない……!」
ああ、アシュラマンの脚がエースの首に巻き付きました。
ちょうど四文字固めのような形です。
股下にエースの顔がすっぽりと収まりました!
「これぞ!」
「く、首に脚が巻き付いて……動かせない!?」
エースは必死に身体を動かそうとしますが、全く動きません。
お、恐ろしい……なんて恐ろしい技なのでしょう!
エースは抜け出せないままです!
マットまで五メートル!
三メートル!
一メートル!
ああ、このままでは、エースは!
「アルティメット・アシュラバスターだーッ!」
「ンアアッァアア!!」
エースの口から漏れる悲鳴!
あまりにも似合わない、少女と呼べるそれは……つまり。
エースの、敗北を……意味しています。
アシュラマンはエースの身体から手を離します。
これはチャンスでしょうか……いえ、違います。
エースの身体はぴくりとも動かないまま、マットに。
マットに、沈みました。
「カーカッカッカ!」
……どうやら、私もここまでのようです。
アルティメット・アシュラバスターの衝撃で。
私の身体は――――
「プリキュア敗れたり〜! 自由よ敗れたり〜!」
粉々に、砕け散りました。
-
○アシュラマン VS キュアエース●
七分三十秒
決まり手:アルティメット・アシュラバスター
【円亜久里@ドキドキ!プリキュア 死亡】
【自由の女神像@現実 死亡】
【一日目/深夜/E-4】
【アシュラマン@キン肉マンⅡ世】
【状態】各部に損傷
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:本当の悪魔のゲームを見せてやろうではないか〜ッ!
【備考】
※自由の女神像は破壊されました。
-
投下終了です
-
>35歳無職独身(ニート)の冒険
チンクルなつかしいなあ
金が命とリンクしてるってのはロワだとなかなか楽しそうな設定。
ただその、ルピーって共通単位じゃないんですがそれは
>INVOKE
おおお、こんなロワなのにちゃんと情報交換してるすごい
面子的にもす強力なチームが出来た印象。
記憶喪失の人は記憶を取り戻せるのだろうか
>牧師の正義とリス人間と焦り
リス亜人ちゃんかわいいなあ
アタル兄さんかっこいいなあ
>ワイアルドさんのロワイアル珍道中
誰?
>女神転生/悪魔再生
アタル兄さんのSSでも思ったけど、ゆでワールドすごい
どんなキャラが出てもテンションがゆでに引きずられている…
けどこのSSのキュアエースさんはなんだか元からこんなキャラだった気がするな、なんでだろ
そして自由の女神が死んだ!
-
アシュラマン予約して投下します
-
「カーカッカカ! カーカッカッカ!」
キュアエースの死体、そして自由の女神の破片を前に呵々大笑するアシュラマン!
実際、痛快であった。
忌々しい正義超人の伝説を、正義超人とともに破壊し、自らが上だと証明したのだから!
しかし!
「カーカッカカ! カーカッ……まったく晴れやかな気分よ! 今の状況でなければなーッ!」
アシュラマンに残された怒りの面が怒りを治めることはない。
むしろいらだちはつのるばかりだ!
なぜなら別にバトルロワイアルに強制参加させられてる事実が変わったわけではないからだ。
アシュラマンは目的のためにミッションを行っている最中だった。
目的は崇高なものであり本来誰にも邪魔されてはならぬものだった、
それを邪魔された! 誰にだ? 正義超人に決まっている。
じゃなきゃ正義超人の伝説が刻まれた本を持つ自由の女神などをマップの中央に配置しない!
「いったいどの正義超人かは知らないが! このわたしを無断で誘拐した上に、
忌々しい正義超人の伝説を目の前に置いて挑発しようなどとふざけた言語道断よーッ!
壊すだけでは飽き足りぬ! 本当の“自由”とは“悪魔”であることを、わたしが教えてやる!」
主催は正義超人だろうと決めつけたアシュラマンは天を見上げて叫んだ!
「出でよ、建造妖精よーッ!」
そしてデイパックを開ける。
するとアシュラマンのデイパックからぞろぞろと可愛い姿をした小人が出てきた!
彼らは建造妖精@艦隊これくしょん。
鉄や鋼材、ボーキサイトなどを使って戦艦などを作ることもできる建造のプロ集団だ!
「わたしは古き正義超人の伝説を塗り替える! 貴様たち! これを使え!」
そしてアシュラマンはさらに、高速建造材@艦隊これくしょんを使った!
これは自由の女神を壊したら空から落ちてきたデイパックに入っていたもので、
このアイテムを使用すれば「建造」を一瞬で終わらせることができる。
無論これだけでは建造を行うことはできない。
建造は「資材」とともに行うものだ。
そしてここにある資材とは、もちろんさっき壊した自由の女神の破片である!
もはや言わずとも分かるだろう! アシュラマンが建造しようとしているものは……。
「カッカカカーッ! 正義の亡骸をリサイクルし、“自由の悪魔”を作るのだ〜ッ!!」
-
◇
自由の女神が壊れてから一分後。
まるで何事もなかったかのようにE-4に女神を模した石像が再び現れた!
ただし、
純金の炎トーチカは煉獄を思わせる毒々しい紫の炎に!
海と世界を象徴する七つの突起付きの王冠は悪を象徴する六つの角に!
正義超人の伝説が刻まれていた書は、闇の魔導書グリモワールに変わっている!
なんとなく首輪はそのままだ!
そして王冠の上! “自由の悪魔”特設リングがそこにある!
「……来るがいい、正義超人よ! 悪魔のゲームの始まりよ〜ッ!」
先ほどの戦いでダメージを負ったアシュラマンは待ちの姿勢!
悪の天上でただ座し、正義超人を待つ!
【一日目/深夜/E-4 自由の悪魔像上空・特設リング】
【アシュラマン@キン肉マンⅡ世】
【状態】各部に損傷
【所持品】基本支給品、建造妖精@艦隊これくしょん、ランダム支給品×1〜4
【思考】
1:本当の悪魔のゲームを見せてやろうではないか〜ッ!
【備考】
※自由の女神像のデイパックを回収しました。
※自由の女神像があった場所に、自由の悪魔像が建造されました。
高速で建造されたため、周りからは急に女神が悪魔の像になったように見えたか、
あるいはもともと悪魔の像だったように見えることでしょう。
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投下終了です
-
予約にアシュラマンを追加します。
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投下乙です。
あわわわわ…、し、知らなかった。自由の女神にそんな過去があるとは…。
しかし、自由の女神も今は自由の悪魔に改築されている。もし、ファニーが予約されたら確実にプッツンするな。
-
乙
なんとなく首輪はそのままだwwww
-
アシュラマンの人気高過ぎィ!
やっぱり今シリーズのキン肉マンの影響なのだろうか?
-
投下乙です。
何という死者への冒涜。しかも、ご丁寧に首輪をはめ直すとは。
キャスターや龍ちゃんが喜びそう。
-
あ、書いてて気付いたけどルール説明によると
開始時間は昼の12時からみたいだ
なんとなく深夜スタートのイメージあったけど注意
-
アリス@デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト、
雨竜龍之介@Fate/zero
投下します
-
「ドは髑髏のド〜♪」
暢気な歌声を引き連れて、雨生龍之介は誰も居ない街の大通り、それも車道の中央を進む。
人口密度は極限の過疎、車など一台も通るはずもなし、ならばこうして交通事故も気にせずにのびのびと車道の中央を意気揚々と歩けようもの。
それに加え、今世界は彼のために存在している。ならば、ほんのすこし日常を逸した大胆な行いもしてみようもの。
バトル・ロワイアル――つまり、プロレスで言うバトルロイヤルと、この祭に彼を招待した誰かは言った。
雨生龍之介は連続殺人鬼である。殺害数は30人以上、殺人鬼に世界大会があるとするならば優勝圏内も十分に目指せる数である。
そのような彼にとってこの会場は、まさに豪勢なバイキング。
もちろん、ここに来る前の彼もまた殺し合いには参加していたが、それはあくまで形式上のこと、本人は認識すらしていない。
それに、この会場のように世界丸ごと貸しきっての盛大な式典というわけではない。
殺し合いという点においては、この会場こそが日本の殺人に於ける瑣末な面倒事から解き放たれた楽園。
より好き勝手に食べ歩きが出来る素晴らしきパーティー会場である。
それに普段は殺す側である、しかし今回は殺される側になるかもしれないという刺激もまた、己の人生を楽しくする絶好のスパイスだ。
「ああ、畜生、勿体無いなぁ……旦那も来てればいいんだけどなあ……」
しかし、心の底からの歓喜を享受しながらも、心の中に滲み出る罪悪感は否定出来ない。
どんな美味しい料理でも、やはり一人で食べるのは味気ない。
同じ美味しさを共有できる仲間がいるからこそ、より食事は楽しめるものであるし、
また仲間を置いて、一人だけ美味しい料理を食べてしまうというのはやはり良心が咎めるものである。
殺人――更に正確に言えば、殺人に伴う芸術創作活動にもそれと同じことが言える。
殺人を行う上で、彼の師であり、同胞である、キャスター、その存在は望ましい。
「……あっ、もっかい呼びゃ良いじゃん」
我が意を得たり、と龍之介は手を打った。
キャスターとの運命の出会いを果たした日、その日の思い出は、まるで刻印のように熱く脳に刻まれている。
儀式も完璧とは言うまいが、それなりには覚えている。
少々間違えても、2回目だし、旦那も細かいことは気にしないで来てくれるだろう。と龍之介は信じている。
「いやあ、いいね今日の俺COOLだ、最高」
胸の高鳴りは抑えきれない。あの素晴らしい出会いをもう一度、だ。
となれば、早いところ儀式用の生贄を調達しなければならない。
普段殺しているのは六十億人の内の何人か、だが、
今回殺すのは数十人の内の何人か、だ。
分子はいくらでも、だが、分母は自分と同じような人間がいるかもしれないことを考えれば、頼りないと言わざるを得ない。
獲物を譲ってもらおうか。
今、龍之介の中に浮かんだのは、ホッケーマスクの殺人鬼が哀れな少女を殺そうとしたところに割って入り、心の底から頼み込んで、獲物を譲ってもらう己のイメージである。
しかし浮かんだイメージを、龍之介は頭を振ってすぐに掻き消した。
人の殺しを邪魔する奴は馬に蹴られて、だな。
理解できねーけど、殺人という行為そのものに快楽を感じるタイプの殺人鬼ってやっぱいるよな、
そういう人にとっては、殺人ってつまり性交だし、気持ち良いことをしてるのを邪魔しちゃ駄目だよなぁ。
それに、その姿は憧れの豹ではなく、ハイエナのそれに近い。
生き残れるのは一人である以上、最終的に他の殺人嗜好者がいても殺すのであるが、
それにしてもやはり、自分と同じ行動指針を持ついわば仲間である。
やはり、他人の殺人は尊重したいし、自分の充実のためにも殺人経験なんてもので会話に花を咲かせてみたい。
と来れば、人の殺しを邪魔するのは問題外の大NGだ。
譲ってもらうのではなく、一緒に儀式に誘うぐらいが、現実的な線だろう。
「よっし」
そうと決まれば、善は急げである。
ルールブックは読み終わってあるし、支給品も確認済みだ。
平和な日本で暮らす以上、いくら殺人を繰り返しているからといって龍之介に銃と出会う機会は無かったが、
今、龍之介の右手にはバッチリと銃が握られている。
掌の中にまで染み込んできそうな重さだ。
命を奪うというには少々贅沢すぎるな気色がしないでもないが、これも祭だ。
キャスターとの超常的な殺人生活とまでは言わないが、この銃が彼の殺人に新鮮な喜びを提供してくれることは間違いない。
緩めていた歩調を諌め、獲物を探し、駆け出す。
-
誰も居ない街の、代わり映えしない街並み。
生活の臭いが染み付かず、どれも新しいままで、そして死体のような建物達。
個性の無い、画一的な家々をどれほど駆け抜けたか、
衝動のままに駆け出したはいいが、少し走ったからと言って、あっさりと誰かが見つかるというわけにはいかない。
ふうと、息をついて、無造作に家を選び、侵入する。
侵入の手順に関しては、模倣犯の出現を避けるために明言を避けるが、龍之介が手馴れていることは書いておく。
最近、毎日が楽しすぎてろくに眠っていない。キャスターと共にいたからこそ、あまり気にする必要はなかったが、
このことが、もしかすれば致命的な事態を引き起こすかもしれない。
善は急げは確かなことだが、急がばまわれもまた真だ。
侵入したリビングに置かれた緑色をしたソファは、その柔らかい感触で龍之介を眠りの快楽に手招こうとしている。
逃げる必要が無いので、他人の家で寝るというのも良い経験かもしれない。
今すぐにでも、太陽の下で健康的に殺したいという気持ちはあるし、キャスターと合流したいという思いはあるが、
いかんせん、この眠気はどうにもしがたい。
ううむ、と龍之介は唸った。
悩ましい問題だ。そもそも、日常が原型を留めないほどに特異な日を送ろうとしてるのだ。
旦那と出会ってからの日々だって、日常は原型を保っていた。
殺人は体力が資本だし、いっそ寝たほうが良いのかもしれない。
しかし、寝ている間に殺されるかもしれないし、人が減るかもしれない。
こういうことなら深夜から始めてくれれば楽だったのになぁ、皆寝てるし。
と、溜息をついてみるも、やはり現実は如何ともし難い。
「んん……よし」
名残惜しみつつも、龍之介はソファを離れた。
龍之介の重量で沈み込んだ形が、ぐうと元に戻っていく。
決意を固めた龍之介の足取りに迷いはない。直ぐ隣りのキッチンへと向かう。
キッチンは道具の宝庫だ。
新しい道具を使うことも大事だが、新鮮な環境ならば使い慣れた道具から新しい閃きが生まれる可能性もある。
キッチン内はまるでモデルルームの如く、生活の臭いが存在しない。
あまりにも整った光景を見て、龍之介の脳裏にはずれの文字がよぎる。
祈りを込めて、シンク用フロアキャビネットを開く。
龍之介はよし、と小さく頷いた。
お望みの包丁はしっかりと収められている。
この流れで行くならば、と食器棚に向かえば望みのものは調達できた。
すなわち、スプーンとフォークと箸。
包丁はもちろんのことだが、食器もまた立派な道具と成り得る。
箸で右目と左目を交換するのは、箸の使い方の良い練習にもなった。
些細な工夫で人生は楽しくなるのだ。
調達品をデイパックに入れ、今まさに出ようとした刹那。
-
コン、コン――
玄関の戸を叩く音がある。
電気を付けておけば、状況に混乱した子どもが人恋しさに家の中に入って来るかもしれないと思い、敢えて、龍之介は侵入の際に家中の電気をつけておいた。
もちろん、電気をつけておけば逃げられる可能性や襲撃される可能性もあるが、何もしなければ事態は動かない。
敢えて、龍之介は危うい手段を取った。
その手段は、相手がどのような人物かはともかく、人を呼ぶという点では成功だった。
「はーい、今いっきまーす」
普段は喋るのも億劫な性質ではあるが、この状況下では自然と声も弾もうというもの。
玄関まで聞こえるように大声をあげ、意気揚々と歩いて行く。
一人しかいないのならば、殺すのは我慢だ。
旦那の様に相手を信頼させて、儀式に必要な人数になるまで待たなければならない。
相手が複数ならば――この家で儀式を再現しよう。
「はーい、雨生龍之介でーす。狭いところですが、ごゆっくりしてってくっださーい」
ドアスコープから伺えるのは、可憐な少女の姿だ。
その肌は透き通るように白く、髪は太陽に映えて金色に輝き、目は血のように赤く輝いている。
眼の色がアルビノを思わせる、しかし何の抵抗もなくその姿を太陽に晒していることからそうではないように思える。
前髪は目にかからない程度の場所で切り揃えられ、後ろ髪は背までかかっている。
頭頂部には白いリボンが巻かれている。
服は青のワンピースに腹部を覆うほどに巨大なリボン、結び目は背の部分にある。
龍之介は子どもが大好きだ。
己が殺すにあたって、大人が泣いたり喚いたりしようものなら、ひどく無様で醜くなるものだが、
その点、子どもならば、その無様さが愛おしい。失禁したとしても、全然問題はない。
故に、ドアスコープ越しに見える光景は非常に嬉しいものだった。
これも初めてか――目の前の少女の姿を見て、龍之介はそうとも思った。
まだ日本人しか殺したことはない、外国人の、それもこれほど可憐な少女を殺したことは、未だどころか、今後機会があるかどうかすらもわからない。
感謝の念が沸き起こる。
自分をこの場所に呼んだ誰かへの思いは、混じり気のない感謝だけだ。
死ねばどうなるか、それは他人の命を観察してよくわかっている。
だからこそ、死んだとしてもそれ程恐ろしいことではない。
しかし、この場所に自分を呼んだ人間に礼を言うため、是が非でも生き残りたい。
そう龍之介は思いを新たにし、玄関の扉を開いた。
「こんにちは」
少女は両手でスカートの裾をつまみ、軽くスカートを持ち上げ、
左足を斜め後ろの内側に引き、もう右足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま挨拶をした。洗練された動作である。
外見上だけでなく文化においての違いも、龍之介は味わうこととなった。
「こんにちは、お嬢さん」
目の前の少女は異常なまでに落ち着いている、挨拶を返しながら龍之介はそう感じた。
かつて彼が殺した人間の中で、死ぬまで平然としていた人間はいない。
少女もまた、一皮剥いてしまえば、その異常性も喪われてしまうのだろうか。
いや――
「まぁ、上がってよ。お茶入れるから」
考えは纏まらない、だが少女を逃してやるつもりもない。
家の中へと招き入れ、出来る範囲で真摯にもてなしをすることにしよう。
さて、キャスターが彼に教えたことの一つに、恐怖の鮮度というものがある。
怯えれば怯えるほどに、感情は死んでいく。
真の意味での恐怖とは、静的な状態ではなく、変化の動態。
すなわち、希望が絶望へと変わる瞬間に、瑞々しい恐怖が誕生する。
儀式のための贄を逃さない、という意図もあるが、
何よりも瑞々しい恐怖を味わうために、まだ彼女を脅かす訳にはいかない。
「失礼します」
怯えを見せることもなく、躊躇することもなく、
友人の家に上がり込むように、少女は招かれるままに家へと入り込んだ。
-
ピューという音色が、湯が沸騰した事実を告げた。
どうせ他人の家だからということで、包丁を探すついでに見つけたやかんは火にかけっぱなしにしておいた。
支給品にティーバッグがあったため、元々紅茶を入れるつもりはあった。
支給食糧は味気ない、せめて紅茶でも持ち歩きたいという判断からである。
少女をソファに座らせ、龍之介は床に座る。
ソファの大きさ的に、二人が座るということも出来なくはないが、最初から近づきすぎるのも問題だろう。
沸騰の音を聞き、龍之介は立ち上がり、食器棚からカップを二つ取り出し、お湯を注いだ。
カップが温まったら、お湯を捨て、新しいお湯とティーバッグを入れる。
待つ間に、皿を出し、支給されていたケーキを置く。
「わあ」
ケーキを見て、少女が顔いっぱいで喜びを表現している。
その姿を見て、龍之介も微笑ましく思う。
やっぱり、子どもは良い。
待つのも終わり、紅茶が完成する。
「いただきます」
二人の声が重なり、ふと見つめ合って何かがおかしくなって笑った。
暖かいものが、二人の体内を満たしていく。
殺し合い――それが世界のルールだとしても、
この時間の二人だけはその絶対性から逃れられたようにも思えた。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうお兄ちゃん」
満面の笑みを浮かべて、少女が礼を述べる。
その姿を見て、龍之介の顔も思わず綻ぶ。
「どういたしまして、ね、名前教えてよ」
あらゆる罪悪をも浄化出来そうな彼女の笑み、それを見て龍之介の好奇心も疼く。
どんな綺麗な臓物の色をしているのだろう。
今直ぐに、腹を引き裂いて、中身を見てみたい。
「ワタシね、アリスっていうのよ」
その気持ちを、龍之介は懸命に抑え込んだ。
儀式は成功させなければならない、愛すべき旦那のためにも。
「ねぇ、お兄ちゃん……アリスとオトモダチになりましょ」
「友達、オッケー、なるなる」
友達――その言葉を聞いて、龍之介は思った。
そういえば、友達を殺したことはないな。良いなぁ、友達。
アリスの放つ言葉の一つ一つが、龍之介の理性を感情の濁流に呑ませんとする。
「やったー!」
足を振って、アリスは喜びを露わにした。
玄関の時に見せた完璧な礼儀作法、それも彼女ならば、この無邪気さもまた彼女なのだろう。
「じゃあね、じゃあね、アリスのお願い……きいてくれる?」
アリスは龍之介に見上げる視線を送った、喜びに瞳を潤せた上目遣い。
如何なる頼みであろうとも、男ならばその願いを叶えたくなってしまうだろう。
「ああ、なんでも言ってよ」
「うん、じゃあ……」
時代の中で忘れ去られていった、雨生一族の異形の力。
魔術――それを龍之介ははっきりとした形で行使出来るわけではない、
だが、第六感とも言うべき感覚が、龍之介に回避行動を取らせた。
「 死 ん で く れ る ? 」
-
龍之介のいた位置、そこにある無から湧き上がったのは全面に刺の付いた異端審問用の椅子である。
その場から回避行動を取っていなければ、かつて処刑された莫大な数の異教徒と同じように、全面に刺をさされ、
逃れられぬ苦痛とゆるやかな失血の中、死んでいったであろう。
「ヒュウ!」
危機的状況にもかかわらず、龍之介の気分は高揚している。
今、己がいた位置。そこにある椅子。
その姿を見て、龍之介は察した。
アリスもまた、旦那と同じく――悪魔であるのだと。
「やっべぇ、COOLだよアリス!!そこにいたら俺死んでた?全然意識してなかったよ!」
この手法は龍之介にも無い、というよりも技術的に不可能は手法であった。
すなわち罠による突然の死。結末が同じでも、罠という1アクセントを加えるだけでこうも面白くなるとは。
「うふふ……すごい!すごい!よく避けられたね!じゃあお兄ちゃん!的当てしよ!頑張って避けてね!!」
アリスの手いっぱいに握られているのはダーツだ。
先端は金属で出来ており、その鋭さは刃物そのもの。
刺さるようなら、痛いでは済まない。
「 誰が殺した 駒鳥【クックロビン】を 」
アリスによって歌われる童謡が、やけに煩く響く。
「 “私です”と 雀が言った 」
手首のスナップを効かせたダーツが、龍之介に放たれる。
その矢の速度は人間のものではない。
ならばこそ、常人ではない龍之介はその初撃を避けられた。
「 “弓と矢で わたしが駒鳥【クックロビン】を 殺しました” 」
弓は彼女の手。矢はダーツ。駒鳥は雨生龍之介。
初撃を回避したまでは良かったが、そこで態勢を崩し、脇腹にダーツが突き刺さる。
龍之介は熱を感じた。
成程、刺されると痛みよりも先に熱が来るのか――勉強になるなぁ。
熱は加速度的に熱さを増し、痛みへと変貌していく。
だが、それが龍之介の行動を妨げることはない。
敢えて、立ち上がることはせず。
背を丸め、転がるままにダーツを回避する。
無様な姿といって良かったが、しかし効果的といって良かった。
背ならば、刺さっても致命傷には陥らない。
「観察も大事だけど、やっぱ自分で確かめるのも大事だなぁ」
「あーっ!あーっ!ずるーい!刺さったんだから、ちゃんと死んでー!」
ダーツも尽き、それでも生きている龍之介にアリスは非難の声を上げる。
「いや、悪いんだけど……まだ死ねないなーって」
死への恐怖は無い、だが生命を簡単に捨ててしまうのはこれからの快楽を捨てる非常に勿体無い行いである。
ハリネズミの様になった姿のまま、龍之介は右手で銃を構えた。
「なんで俺を殺したいの?」
パァン――乾いた音が室内に響き渡る。と同時に、龍之介の右手にも衝撃が走った。
銃を取りこぼしそうになるも、なんとか堪える。
使ったこと無いから、わからなかったけど……片手で使うのは駄目だな――じんじんと痛む右手を左手で抑えながら、未だ銃は離さない。
アリスは悪魔だ。銃一発で死ぬわけがない。
悪魔が銃一発で死んだらホラー映画の観客は大ブーイングだ。
龍之介はアリスを見据えた。
腹のどこかしらに当たっているようだ。
じんわりと血が滲んでいる。
悪魔にも血液はあったのか。
「アリスねー、オトモダチにはみ〜んな、死んでもらうの」
案の定、生きている。
着弾した腹部も気にかけず、微笑みとともに平然と立ち上がるその姿は、悪魔というよりも屍鬼といった方が近いのかもしれない。
-
「だって死んだら、ずっといっしょにいられるのよ?」
「まじかよ、じゃあ姉ちゃんは俺のこと嫌いだったのかー」
龍之介の初めての殺人は姉だったが、しかしこれまでの人生の中で死んだ姉が彼に会いに来たことはない。
アリスの発言は狂人のイカれた論理か、あるいは悪魔の真実か、ずっと一緒にいられるとはどういうことかはわからないが、
姉もそうだが、自分が殺した人間で、死んだ後に龍之介にわざわざ会いに来たものはない。
深く繋がりあった人間ですらも。
「ずっと一緒っていうか、友達って死んでも会いに来てくれんの?」
「そうよ?」
何の疑問も抱かずに、そう言葉を返すアリスに、
龍之介は先の発言が少なくとも、行き当たりばったりのでまかせではなく、真を含む発言であることを理解した。
「殺した恋人が会いに来たことねーんだけど」
「嫌われてるのね」
「ああ、そういうこと言っちゃうんだ」
自分の知らないこと、龍之介はそれを理解する度に喜びを得ていたが、正直これは知りたくなかった。勘弁して欲しかった。
「殺したら、俺アリスと一緒にいられるの?」
「そうよ?」
「んん…………」
龍之介は死ぬことに恐怖を抱かない。
それに死後もアリスの友達として活動出来るのならば、死ぬのも、そう悪くないようにも思えた、
しかし、死んだ後と生きている間では色々と変わる部分もあるだろうし、
できれば、生を充実した後に、死を充実したいものである。
「まぁ、殺されても良いんだけどさー、もうちょい待ってくれない?」
「えー、今すぐ死んでよー」
龍之介の発言にアリスがぷうと頬を膨らませた。
「生きてる間でも友達は友達だしさ、アリスに旦那を紹介したいしさぁ」
「旦那?」
「そっ、旦那……多分、アリスと良いお友達になれるよ」
色んな意味で良い友だちになれるだろう、と龍之介は思う。
「でも、旦那を呼ぶためには儀式が必要だし、その儀式の途中でアリスの友達を増やす手伝いが出来るからさ、殺すの待ってくれよ、な、お願い!」
「う〜〜〜〜ん」
考えこむアリスを横目に、龍之介は辞世の句を考えていた。
死ぬなら死ぬで何か残しておきたいものである、
我が人生 一片の悔いなし であるとか、そういうものを。
「わかった!じゃあおにいちゃんが死ぬの待ってあげる!」
「マジで?」
「うん!おにいちゃんと一緒にオトモダチを増やして、そのダンナって人ともオトモダチになって、その後にね、お兄ちゃん死んで!」
「オッケー」
旦那が来てくれれば、なんとか助かるかも知れないし、
殺されるのも殺されるのも、全然大丈夫だ。
のんびりと辞世の句を考えよう。
それにアリスがいれば道中の殺しもきっと楽しくやれるに違いない。
うん、人生は喜びに満ちている!
「じゃあ、アリスのお友達作り……頑張るぞー!」
「えいえいおー!」
-
【一日目/日中/F-6/民家】
【雨生龍之介@Fate/zero】
【状態】ダメージ(中)
【装備】ベレッタ92F@真・女神転生Ⅰ
【所持品】基本支給品(水消費済み)、包丁@現実、箸@現実、スプーン@現実、フォーク@現実
【思考】
1:楽しむ
2:儀式を行い、旦那(キャスター@Fate/zero)を呼ぶ
【備考】
※原作小説2巻、人間オルガン作成中(キャスター帰宅前)からの参戦です
※令呪の扱いは不明です
※支給品はティーバッグ@現実、ケーキ@現実でした
【アリス@デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト】
【状態】ダメージ(小)
【所持品】基本支給品、不明支給品(1〜3)
【思考】
1:龍之介とオトモダチを作る
2:龍之介を殺す
【備考】
※ライドウとの遭遇前からの参戦です
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投下終了します
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投下乙です。
シュールな友情
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投下乙
友情って良いよね。
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投下乙
友…情…って言っていいのかこれ
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いやぁ友情って本当に素晴らしいものですね(しろめ
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ほのぼのしているようでトチ狂ってやがるw
これ龍之介、ほんと、殺されてもいいしでも辞世の句考えとかないとって素で考えてるのがとんでもないw
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もう枠は全員埋まったのかな?
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黒のアサシン、ボンゴボンゴ投下します
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墓地。
死者の魂が眠るとされる場所。
そして、とある世界においては闇の魔物を封印したともされる空間。
「うーん…」
そんな、日中ながらも薄暗さを感じさせる場所に、その場所にいるには不釣り合いな小さな少女が、何かを考えるかのように唸りながら墓石の上に座り込んでいた。
闇に溶け込みそうな黒い衣装は、年齢にはふさわしくないほどに肌を露出させたものであり、そこから見える肌の傷、そして両腕の包帯はまるで虐待でも受けていたかのような生々しさを思わせる。
しかしその娘はただの少女ではなかった。
少女は黒のアサシンと呼ばれる、聖杯戦争を戦うサーヴァントの一人。
人間と呼ぶにはあまりにも破格な力を備えた存在であった。
そんな彼女を悩ませていたのは、
「おかーさん、いない。ナイフも、どっかいった。
どうしよう…」
マスターがいなくなったことによる孤独感。そして宝具であるナイフを失くしていることによる不安感。
バッグが支給されたのを開いてみたが、中に入っていたもので武器になりそうなものは巨大な針だけ。
戦えないことはないが、あのナイフは大切なもの。失くしていいはずがない。
「探して、帰ろう。おかーさんのところに」
そうして、ひょいっ、と墓石の上を飛び降りた、その時だった。
「…???」
降り立った場所の背後から感じる、謎の空気。
何も見えないはずの空間、しかし何者かがそこにいるかのように強烈な気配を放っている。
「気配遮断?」
それは、自分も持っているアサシンのサーヴァントとしてのスキル。
相手に気配を悟られなくすることができるというものだ。
だが、それにしては気配の隠し方がぞんざいだ。
まるで透明な獣が目の前に陣取っているかのような。
トン トン トン
トン トン トン トン
-
地面を叩くような音が聞こえる。
太鼓のような、一定のリズムを響かせる空気。
ふと見渡すと、巨大な手が地面を叩いている。
それも、左右両方の手首から先だけが宙に浮いているというあまりに不可解な現象。
「誰なの?」
そう問いかけると、手と手の間に不気味な何かが姿を現す。
逆さにぶら下がった人間のような形をしていながら、その外見は人のそれとは程遠く。
中心部には花のような赤い目玉。
両側には腕のような部位を持ってはいるものの手首は存在せず、本体と思わしき部分と手の間には繋がりがないにも関わらず手はそれの意志に従うように動いている。
「う〜ん?」
普通の人間が見れば平静でいられそうにもないそんな怪物を目の前にしていながら。
好奇心に満ちた子供のようにじっとその姿を見つめたアサシンは。
「デス○ムーアの仲間?」
ついさっきバッグに入っていたドラ○ンクエスト6攻略本に載っていたラスボスの絵柄を思い出して、そう問いかけた。
しかし通じなかったようで、怪物も首をかしげるように身をよじるだけだった。
目の前にいるそれは本来警戒してしかるべきもののはずなのに、アサシンはゆっくりと近づいて無警戒に手をツンツンしながら。
「あなたはどこへ行くの?」
何となくそんなことを問いかけていた。
ブォン、とまるでラッパを鳴らすような音が響く。
言葉にもなっていないその音は言葉として通じるはずもないもの。
なのに。
「そっか、あなたも帰りたいんだ?」
まるでそう聞き取れたかのように、アサシンは答える。
ブォン、と肯定するかのように聞こえた鳴き声。
「私達も帰りたいの。よかったら一緒に行かない?」
まるで道に捨てられた犬に話しかけるかのように気軽にそう問いかけるアサシン。
-
それを受けた怪物は、しばらく考えるかのように動きを停止した後。
ドン、と。
それまでと比較して一層力強く地面を叩いた。
「おぉっ?」
あまりの衝撃に宙に浮くアサシンの矮躯。
数メートルを跳び、その後重力に従って落ちるはずのアサシンを。
怪物の両手が受け止めた。
「大きな手」
いざ実際に触れると想像以上の大きさだった手に乗せられたアサシン。
シュゥゥゥとその本体が消失していくのを見届けつつ。
手だけを残した怪物は、小さな体を運びつつ浮遊する手と共に移動を始めた。
「しゅっぱーつ」
◇
怪物の名を暗黒幻影獣ボンゴボンゴという。
かつて賢者により封印されていた、闇の魔獣。
その危険性は、その辺りにいる猛獣などとは比較にならないほどのもの。
そんな存在と、何故黒のアサシンは行動を共にできるのか。
元々彼の住処は、暗く不気味な場所だった。
人の骸が埋め込まれた壁。床には撒き散らされた血痕や腐敗した臓物。
道行く通路にはギロチンが揺れ動き、部屋に入れば棘だらけの壁が迫ってくる。
そんな場所に住む生き物も、普通であるはずなどなかった。
骨だけで動く剣士。白くブヨブヨした体のゾンビ。動くミイラに地面から生えた長い手。
闇の中に集められた怨念は、生あるものに恐怖を与えるかのようなものばかりをそこに生み出していた。
そう、彼にとって闇、怨念から生まれし魔物は共に生きる共存者、いわば同族に近い存在。
そして黒のアサシン――ジャック・ザ・リッパーもまた、捨てられた子供の怨念が集まって生まれた反英霊であった。
であれば彼に襲いかかる理由はなく、そしてアサシンもまた闇の者同士、知らず知らずのうちにシンパシーを感じ取っていたのだ。
だからこそ、この魔獣にとっては少女は共に往くに足る存在であり。
アサシンにとってもこの魔獣は忌避するようなものではない。
こうして闇の共感を得た一人と一匹は墓地を出発し、己が帰るべき場所へと戻るために歩み出す。
生ある者を殺し尽くし、互いにあるべき場所へと帰るために。
【1日目/日中/C-6 墓地付近】
【黒のアサシン@Fate/Apocrypha】
【状態】健康
【所持品】硬化生命繊維針@キルラキル、ドラ○ンクエストⅥ攻略本@現実、不明支給品0〜1(武器は無し)、基本支給品一式
【思考】
1:帰るために皆殺す。だけど昼の間は無理はしない
2:この動物さん?(ボンゴボンゴ)とは一緒に行く
3:解体聖母を探す
【備考】
※ボンゴボンゴに共感を覚えており親しみを感じています
※暗黒霧都は制限により弱体化していると思われます
【暗黒幻影獣ボンゴボンゴ@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
【状態】健康、本体透明化
【所持品】不明支給品1〜3、基本支給品一式
【思考】
1:?????
2:黒のアサシンと一緒に行く
【備考】
※怨霊である黒のアサシンに対して親しみを感じています
-
投下終了です
-
投下お疲れ様です。
予約していた丑鎮鉄兵@アイアンナイトを
ユーサー・インサラウム@第2次スーパーロボット大戦Z再世篇に差し替え
猿投山渦、柊つかさ、ユーサー・インサラウムで投下します
-
ポケットに手を入れ、何かを考えながら歩く男が独り。
男は前を見つめ歩き続ける。
下を気にせず、後ろも気にせず。まるで全てを見透かしているかのように男は歩いていた。
考えることは一つ、殺し合い。言わば今の状況の事だ。
豪華賞品を目標に最後の一人になるまで争い続ける。
常人なら理解が出来ない、道理を外れた人間でも歓迎出来ない火薬の香り。
幸いにも、言葉の語弊はあるかもしれないがこの男に関して見れば日常の延長で捉えることも可能かもしれない。
本能寺学園四天王が一人運動部統括委員長猿投山渦。
常人なら理解出来ない不可解な現象でもこの男なら、この男の周りならば。
訳の分からないを極めた彼らならば……この状況も一つの運命分岐点なのかもしれないのだ。
鬼龍院羅暁、針目縫、繊維……激戦を戦ってきた猿投山。
少なからず自分に恨みを持っている人間は存在しており、復讐のために殺し合いを実行したのかもしれない。
だが彼女らは死んでいるのだ、既に彼らが倒した。ならば?
本能寺学園は鬼龍院皐月を天に捉えた独特な学園だった。
世界を守るためとはいえ、一部の生徒は彼女らの行いを快く感じていなかったのは事実。
その鬼龍院皐月の直属だった四天王が負の感情を抱かれていても何も可怪しくはない。
「誰でもいい、立ち塞がるなら崩すだけだ」
極制服。
嘗て彼らが愛用した己の一部。
全ての戦いが終わった今全ての人間は自由に服を着れる時代。
なのに彼が着ているのは極制服、一部金の装飾が施されている改の極制服。
何故消滅した極制服を彼は着ているのか。
-
そもそも何故この場所に彼はいるのか。
それは黒幕と仮称する存在がいるから。
その黒幕は猿投山を狙ったのか、ただの無差別愉快犯なのかは分からない。
だが一つ。
一つだけ言えることが在る。
彼に極制服を、それも本来の持ち主である猿投山に与えると言う事は。
この黒幕――猿投山と言う男を何らかの形で知っているのだ。
分かりやすく猿投山が着ている極制服は正確に言えば生命繊維で施されていない、所謂紛い品。
彼の戦力を恐れているとしたら。
猿投山の力を知っている存在。
腹いせならば。
彼を妬んでいる存在。
「例え偽物でも……馴染むとはな。俺も随分とあの頃を遠い目で見ていた」
殺し合い。
実感は沸かない、夢かもしれない。
だが、それでも。
再び戦いが始まるならば。
この男、覚悟は既に出来ている。
★★★
-
「どうして……私」
最後の一人になるまで。突然告げられた言葉は頭に突き刺さる。
抜きたくても、忘れたくても忘れられない程に、重い。
柊つかさ、殺し合いとは無縁な少女。
これは運命のいたずらなのか、何なのか。
無縁、余りにも無縁過ぎる少女は逆に殺し合いに馴染んでいるようにも見えるかもしれない。
まだ思考が追い付いていないのか、理解していないのか、受け入れてないのか。
ゆっくりと姉の存在や友の心配を思い浮かべられる程には緩い。
振り向けば殺人鬼がいるかもしれない。
徐々に頭が回り始めると顔の色素が薄くなっていく、輝く太陽を無視してまでも。
肩に掛けているバックが無性に重たく感じる。
風の音が人の声に聞こえる。
歩く砂利の音が他人の足音に聞こえてくる。
身体が、脳が、本能が。
危険のシグナルを全開に発している。
ここは駄目、ここじゃあ駄目、私にココは似合わない、適応出来ない、居るべきではない。
止まるな、歩け、進め。
つかさは疑心暗鬼を歩かなければならない。
出逢う人が神か仏か悪魔か魔神か。
言えることは唯一つ、独りになるな。
-
歩いても何も見えてこない。
正確には景色は捉えているが、視覚的な問題ではない。
隠れられる建物も、人も、動物も。出逢う事がない。
流石に何のアクセントも起こりえないのは心に黒を増幅させる。
もしもこれが夢ならば。
楽観的な、しかし考えうる最高のパターン。
もしも自分独りしか存在しないならば。
悲観的な、それでも一番の最悪とは言い切れない悪夢。
しかし醒めない悪夢などないのかもしれない、人らしき感覚。
進む先には人が居る。
視える色素は白、まるでマントのような広がる背中。
所々に光る装飾は王者のような、童話に出てくる王様の様に反射している。
でもこの人は悪い人かもしれない……。
脳裏に過る意見を殺す、他人と話さなければ精神は持たない。
勇気を持って一歩を踏み出せば、今とは違う明日が視えるかもしれないのだ。
「あ、あの……」
「……君は、それに余……いや僕は」
童話に出てくるような王様。
後ろ姿の風格でそう感じたが振り返った青年は金の髪で青い瞳。
本当に、本当に絵に描いたような優しい王様に初見で見えてしまった。
「あ、ああ……あ、ああッ……!!」
その美しい顔は大地に肌が落ちる程に、脆く崩れていた。
-
風格と品格を併せ持つ青年だがその身体は崩れていた。
つかさにとって、映画の世界でしか見たことのない現象。
受け入れることなど不可能、本能が叫ぶ――危険だ、と。
叫びたくても声は出ない。
いくら力を入れても、少ない力を振り絞っても。
「どうし……!そうか、もしかすると君は僕たちには全く関係のない住人……」
つかさが怯えている原因が自分だと気付き考える青年。
だがつかさにその声は聞こえず寧ろ動くことによりつかさの視点を集めてしまった。
人間は停止よりも動作している物に目が移動する、つまり崩れている顔を再度直視してしまった。
「 」
声は出ない、しかし足は動く。
少女は出来る限りの力で足を動かし、青年に背を向けながら走る。
逃げる、何処まで、遠くまで。
「行ってしまったのか……」
逃げるつかさを止めずに言葉を漏らす青年。
「一人……いや、遅かれ早かれ僕は独りになる存在……その道を選んだんだ」
ユーサー・インサラウム。
とある因果の彼方に悪名を刻んだ男が独り。
★★★
-
「はっ、はっ」
どれだけ走ったのか分からない。
それでもたくさん走ったと言いたい、例え距離がなくても。
つかさの息は早めに切れていた、それでも足を止めることはなかった。
疲れても、痛くても、負担をかけても。
つかさにとってあの青年は申し訳ないが「化け物」の類に分類されてしまう。
役者の様に美しく、しかし顔は怪物のように崩れていた。
本当に物語の中でしか見たことのない光景、必要なのは非現実ではない。
心に安らぎを与える当たり前の日常だ。
「はっ、はっ……ここまでこ、これば……!?」
ぺたり。
そんな擬音が似合うように突然腰を大地に降ろす。
視線の先に人影あり。
白い、後ろはマントの様に靡いている。
所々に、肩などは装飾品で輝いていた。
見た、これは一度、忘れたくても忘れられない。
逃げてきたあの光景と一致しているのだ。
少女と青年。運動神経を単純に、一般的に比較すると強いのは後者。
先回りされていても仕方がない。
-
頬を伝う涙は冷たく感じない。
寧ろ熱く感じる、まるでこれが最後の涙と言わんばかり。
声は出ない、今度は足も動かない。
ただ震え、怯え。時の最後を待つばかり。
きっと私は悪い狼に食べられてしまう。
童話で例えるならそんな状況。
誰にも笑えない、現実の闇がつかさに這いよっている。
止めれない、止められない。
これは運命の意図なのか。
ならば一体誰が。
彼女の運命分岐点は一体何処に存在していたのか。
それは分からない。
これが運命の糸ならば。
「おい、そんなに泣かなくても。
-
無理も無いかもしれないが俺は敵じゃない。
信じなくてもいいがとりあえず、自分の涙は自分で拭くか?」
断ち切る者だって存在する――。
【一日目/日中/A-2】
【猿投山渦@キルラキル】
【状態】
【装備】剣の装改(レプリカ)Ⅰ
【所持品】基本支給品、不明支給品1〜3
【思考】
1:泣くな
2:こんな馬鹿げたモノは俺が終わらせる
【備考】
※原作終了後からの参戦です。
※極制服はレプリカ、変身は出来ません
【柊つかさ@らき☆すた】
【状態】???
【所持品】基本支給品、不明支給品(1〜3)
【思考】
1:???????????????
【備考】
-
逃げるつかさを追わなかったユーサー。
その真意は、理由は特に無い。
無理に止める必要も無ければ、殺すなど想像もしていない。
彼の存在。
ユーサー・インサラウム。
その歴史は突如地球に現れたインサラウム王国の王位継承者。
地球を侵略しようと試み、かつては民に愛された王子。
現在は最悪と呼ばれるほどに残虐で強引で、民からも愛されない哀れな王。
しかしその真意は――此処で語るべきことではない。
「悪の統治者ユーサー・インサラウムは火星での決戦を前に逃亡を図る。
火星では鋼の戦士であるZEXISが悪の化身ガイオウを討伐、そこに加勢したマルグリットは民に暖かく迎え受けられる。
例え失敗してもZEXISは負けない。最悪トレーズ閣下がインサラウムの民を受け入れてくれる。
もしもアサキムが僕のスフィアを狙いにこの次元に来たとしたら。
僕はこの生命と引き換えに彼と共に――」
孤独に言葉を吐き続けるユーサー。
その時バックから物が、支給品が転がり落ちた。
「これは――そうか、そうなのか。
-
ゼロ……君は今の僕を見てどう思うのかな。
偽りの黒羊で本心は隠しているといえ、僕は君やトレーズ閣下の真似事に過ぎないんだ。
それは赤い彗星も辿るかもしれない……でも今は」
落ちたのはゼロの仮面。
ゼロとは黒の騎士団の総帥、その仮面。
圧倒的絶望だった日本を再起させた伝説の存在の象徴。
ゼロは所詮記号、その中身に真意は含まれていないのだ。
仮面を被るユーサー。
それは彼の顔を隠すため。
彼はとある力の副作用で身体が崩れる状態。
運悪く顔が崩れている姿をつかさに見られてしまったのだ。
もう彼の居場所はない。
ゼロの仮面を被った以上彼は外からゼロとして視界に捉えられる。
この場にユーサーという男は仮面の下の嘘に隠れたのだ。
「もう僕はいない……か。
僕が消えても、世界に戻らなくても、時は進み続ける。
それも良い方向にだ……インサラウムは再生に進んで行く……
僕は何処に進めばいい……教えてくれ、ゼロ……」
【一日目/日中/A-2】
【ユーサー・インサラウム@第2次スーパーロボット大戦Z再世篇】
【状態】ゼロの仮面@コードギアス反逆のルルーシュ
【装備】
【所持品】基本支給品、不明支給品1〜3
【思考】
1:出来る事を探す、無ければ――
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以上で終了します
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開始時間を勘違いしていたので、修正版投下します。
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日中の日差しも届かない深く暗い森の中を一人の少女が右往左往と歩く。
黒いポンチョを羽織っているが、後ろにモフモフとしたモノがある。
そう、彼女には尻尾があるのだ。だってリスだもの(厳密にいえばリス系亜人種である)。
「まいったなぁ……」
彼女の名は『マコト=ナナヤ』。
世界虚空情報統制機構の諜報部に所属している衛士である。
マコトが気付いたら、ここに居て、『最後の一人になるまで殺し合い』をしろと言われた。
自分の頬を抓る―――痛みがあった。
―――これは『夢』じゃない。
自分一人が巻き込まれたら、全員を殺してでも帰ることも考えただろう。
だが、もしノエルやツバキがここにいたら……
「ああ、もう!! こんなところで考えていたって仕方ない!!」
だからこそ、動く。
歩くのを止めて、走る。
考えるのは後、今は自身の直感を信じて走る。
自分が今いるのは、支給されたコンパスと地図を見た限り、最南端のG-5の森。
「街に行こう……誰かいるかもしれないし!」
こうして、マコトは森の中を走り出した。
目的地は向かうのはここから北東の街。
誰かに会って、話をする。
(殺し合いなんて絶対にしない!! )
マコトが駆け出した。その直後であった。
(ゲェ―――ッ! 変な奴がいる―――っ!!)
予期せぬことにマコトは驚いた。
思わずマコトは木の陰に身を潜めた。
一人の男がいた。
見た限りかなりの高長身でガタイのいい男であった。
それだけならばいい、まだいい。
問題は目の前の男は格好と行動である。
その服装は牧師であった。しかし、フルフェイスの迷彩マスクを着用しているのだ。
そして、なにやら身体を解すためであろうか、全身をストレッチしている。
諜報部に所属しているマコトが考えるのもなんだが、牧師なのにおもいっきり肉体派に見える。
(怪しい、怪しすぎる……けど)
だが、神の使いである牧師の格好をしているからにはきっと牧師であり、少しは信用できるかもしれない。
それが例えフルフェイスの迷彩マスクを着用していても、だ。
(声を掛けてみよう)
「そこにいるのは誰だ?」
(しまった、気付かれた!?)
牧師はマコトの存在に気付いたのか、マコトの隠れている方を向き声を掛けてきた。
少し迷ったが、素直に木陰から出ていくことにした。
両手をすっと上げ、こちらに敵意がないことを示し、出ていく。
「君の名前は?」
「……ナナヤ」
「ほう」
出てきて早々に牧師のマスクの下に見える眼から鋭い視線を受けた。
それとほぼ同時くらいに牧師の服がほんの少しちらりとはだけた、その下には屈強な胸筋が見えた。
マコトはこれを見逃さなかった。
「牧師さんにしちゃ、アンタ、えら〜く筋肉が発達していらっしゃる……
教会でどうやってそこまで鍛えたられたんですかね……」
「そんなことはない……私はこのようにただの牧師だ」
「嘘付け―――っ! アンタ、ただの牧師じゃないね―――っ!! 何者だ――――っ!!」
マコトは牧師の服をひっぺがした。
その牧師の服の下に現れたのは、これもまたマスクと同じ柄、迷彩のコスチューム。
「オレは正義超人・キン肉マンソルジャー、またの名を……キン肉アタル」
「正義……超人だって……?」
正義超人。
友情を重んじ、仲間と力を合わせて強大な敵に立ち向かう超人。
……と、士官学校の図書室で読んだことがある。
「……なんで、そんな正義超人が牧師の格好なんて……?」
「それは……『神に仕える牧師ならば、殺し合いに乗った者だろうと気を許してしまう』からだ」
「なんという冷静で的確な判断力なんだ……!」
所謂、ゆで理論である。
-
◆
キン肉アタルは正義超人である。
それも弟・キン肉スグルにも勝るとも劣らない正義感とカリスマを持った男だ。
そんな男がこんな殺し合いに乗るであろうか?
否、乗るわけがないッ!!!
◆
「ルールブックを読んだ限り『ゲーム内での他者との協力はFREE(自由)』らしいからルール違反ではないようだ」
「そうみたいだね」
マコトは警戒を解き、アタルと情報を交換しあう。
互いの世界のこと、殺し合いまでの経緯のこととか色々。
そして、一先ず第一放送くらいまで一緒に行動することにした。
「あれだけ大きな建造物だ、地図に載っていない方が不自然だ」
「確かにね」
「恐らくは誰かの支給品か……何かであろう」
「じゃあ、決まりだね」
二人が目指すのは街ではなく、自由の女神像。
街に行くよりも自由の女神像の方に行く方が大変であろう。
だが、キン肉王家3つの心得の一つ。
『正義超人界平和維持の道に近道はない。おだやかな道とイバラの道の二通りの道があるとすればイバラの道を進め』
と、あるように彼らは遠く険しい道を選んだ。
それにあれだけ大きく目立つ建造物を目指す参加者が他にいるかもしれないと考えたからだ。
二人で走る。
遠き自由の女神に向かって。
【1日目/日中/G-5】
【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、牧師の服、ランダム支給品×0〜2
【思考】
1:首輪の解除及び脱出
2:マコトと行動する
3:自由の女神像に向かう
【備考】
※キン肉星王位争奪編終了後からの参戦。
【マコト=ナナヤ@BLAZBLUE】
【状態】健康、
【所持品】基本支給品、黒いポンチョ、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:首輪の解除及び脱出
2:アタルと行動する
3:自由の女神像に向かう
4:もし、ノエルとツバキがいたら……
【備考】
※CONTINUUM SHIFT本編終了後〜CHRONOPHANTASMA本編開始前からの参戦。
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以上で修正版の投下終了です。
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投下します
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観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空
空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相
不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中
無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
以無所得故 菩提薩? 依般若波羅蜜多故
究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
菩提薩婆訶 般若心経
(般若心経)
川は笑った。確かにそうだった。究極まで苦しみ抜かれ、解決されなかったことは、すべてふたたびやって来た。くり返し同じ悩みが苦しまれた。シッダールタはまた小ぶねに乗り、小屋に戻った。父をしのびながら、むすこをしのびながら、川に嘲笑され、自分自身と戦い、絶望しそうになり、またそれに劣らず、自分と世界全体を大声で一緒に笑いたい気持ちになって。ああ、まだ彼の傷は花を開かなかった。まだ彼の心は運命に逆らった。まだ彼の苦悩から朗らかさと勝利は輝かなかった。しかし彼は希望を感じた。小屋に戻ると、彼は、ヴァズデーヴァの前に心に打ちあけ、彼にすべてを示そう、傾聴の名人である彼についていっさいを言おう、という打ちかちがたい願いを感じた。
(ヘッセ「シッダールタ」)
9 棘が肉に刺さったのを知って、私は汝らにこの道を説いたのだ。汝は(みずから)なすべきである。諸々の完成者(如来)は(ただ)教えを説くだけである。
10 愛執の矢が肉に刺さったので、私は汝らにこの道を説いたのだ。汝らは(みずから)なすべきである。けだし諸々の完成者(如来)は、ただ道を示しただけである。
(ブッダ 感興のことば)
◇
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西暦2032年、月面で発見された太陽系最古の物体。
それは、あらゆる願いを叶える「聖杯」――ムーンセル・オートマトンであった。
フォトニック純結晶が叩き脅威的な演算速度により、地球にまつわるムーンセルはありとあらゆる情報を観測する。
地球開闢4600000000年前よりデータを観測し集積し演算する、太陽系最古の遺物にして神の自動書記装置。
「地球の全てを余す所なく観測するには、地球の全てを掌握出来る程の性能が要る」
その思考の結果として、ムーンセルは情報だけで宇宙の物理法則を書き換えられる程に収束された光を中枢に蓄えた、万能の器と化した。
その内部にて形作られる霊子虚構世界serial phantasm。
通称セラフにおいて開幕される「聖杯戦争」において、ムーンセルはそのデータベースよりある存在を生み出す。
サーヴァント。
それはムーンセルが湛えた地球の、そして人類の記録そのものより直接に複製された英霊のデータ。
「座」に限りなく近く地点から、一部の劣化もなく、真なる英雄としてそれは霊子空間に降り立つ。
中でもそれは特殊な存在であった。
ムーンセルの最奥、全てを知り、識る――熾天の玉座。
その前にて待ち構える孤独な亡霊に寄りそう覚者。
この世でただひとり、生の苦しみより解脱した解答者、地上でただ一人、生命の真意に辿り着いたもの。
Savior
「救世者」のサーヴァント。
その真名は――
◇
-
――ブッダは慈悲を示していた。
その身体は半ば植物と化しており、その身に纏う空気は一切の揺れを見せない。
凪のようなたたずまいに加え、世界を見据える瞳には一切の感情はなく、さりとて冷徹な色はなく、寧ろこの世の事象の流れ、縁起を知り尽くした上で全てを受け止めようとするような、広範なる視野を思わせた。
その目の前にて一つの「神」が滅びようとしていた。
その存在は唯一神。
ありとあらゆるもの。森羅万象。無限なる宇宙。
3000000光年、1000000000の銀河、この世全てを統括する宇宙の意志。
それは人が、思い描き、信じ、求めた結果、一つの名とカタチを得るに至った。
YHVHと音を持ち、
荒ぶる神として、絶対なる創造神としての側面を持った結果、
大いなる宇宙の意志の一片は人の顔というカタチとなった。
それがいま滅びようとしている。
この殺し合いに顕現する直前のこと、神は討たれたのだ。
ほかでもない。
己が創りだした筈の人間に。
「我が創造物に
裁かれようとは」
それは果たして人の意志であったか。
それは果たして神の意志であったか。
人に求められカタチを得た筈の神は、他ならぬ人の手によってそのカタチを殺されたのだ。
その事実に、
「…………」
――ブッダは慈悲を示していた。
「もはや 汝らは 我が手をはなれた」
――ブッダは慈悲を示していた。
「我が見えざる手の助けも無く 汝らに」
――ブッダは慈悲を示していた。
「進むべき道が見つけられようか」
――ブッダは慈悲を示していた。
「覚えておくがよい」
――ブッダは慈悲を示していた。
「頼るもの すがるもの無く」
――ブッダは慈悲を示していた。
「生きていけるほど 人は 強くない」
――ブッダは慈悲を示していた。
「人が 我に救いを求めるたびに」
――ブッダは慈悲を示していた。
「宇宙の大いなる意志は 何度でも我を」
――ブッダは慈悲を示していた。
「生み出すであろう…………」
――ブッダは慈悲を示していた。
-
【Y.H.V.H@真女神転生2 死亡】
――ブッダは慈悲を示していた。
そうしてこの殺し合いより神が消えた。
――ブッダは慈悲を示していた。
ある意味でそれは解放である。
――ブッダは慈悲を示していた。
神が消えた今、もはや人に頼るもの、すがるものはない。
――ブッダは慈悲を示していた。
人は己の行く末を、自分の手で決めなければならなければならないのだ。
――ブッダは慈悲を示していた。
それは真の意味で自由である。
――ブッダは慈悲を示していた。
それが何を齎すか、もはや読み解く術はないとはいえ、人の行く末はいかなる存在にお定められなくなった。
――ブッダは慈悲を示していた。
その事実に、
――ブッダは慈悲を示していた。
【1日目/日中/D-1】
【セイヴァ―(ブッダ)@Fate/EXTRA】
【状態】慈悲
【装備】慈悲
【所持品】基本支給品。、不明支給品
【思考】
1:慈悲を示す。
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投下終了です。
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セイヴァーぶれねえ!
マテリアルとか的にもこいつ、思考が悟り開いていて本当になんか見守っているだけなんだよな……w
本気だすと型月でも最強クラスなのに
とりあえず怨霊コンビみたいな慈悲示し対象もいるけれどどうなるだろ
ユーサーにも示して欲しいが。顔割れは一般人からしたらたしかに怖いよな
ゼロの仮面で隠すことになるとは皮肉な話だ
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すいません。予約の
キャスター@Fate/Zeroを
国会議員@浦安鉄筋家族に変更して際予約します。
そして
>>ワイアルドさんのロワイアル珍道中
を破棄します
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枠が空いたようなので
サタン@真・女神転生IIを予約します
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皆さま投下お疲れ様です。
予約しておりました、
ファニー・ヴァレンタイン@スティール・ボール・ラン(ジョジョの奇妙な冒険)と、
一方通行(アクセラレータ)@とある魔術の禁書目録、
アシュラマン@キン肉マンⅡ世
で投下します。
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「……これも実験の一環ってワケかァ〜?」
真昼の空を、一人の少年が見上げていた。
血色の悪い顔と、手入れのされていない白色の髪を揺らして、彼は笑った。
彼の視線の先には、天に聳え立つ自由の女神の像がある。
「いつもながらフザケてるよなァ、お偉いさんの考えることは。
ま、どォでもいいけどさ」
彼は一方通行(アクセラレータ)という名で呼称されている少年である。
学園都市の超能力者の中で頂点に立つレベル5の能力者。
その中でも第一位の実力者とされ、更なる能力進化のための計画に、日夜駆り出されていた。
現在、彼は『妹達』と呼ばれる2万体あまりのクローンを殺傷することによって能力を高める実験を行なっていた。
そして、本日の実験開始を待っていたら、いつの間にかこんな場所に呼ばれていたのである。
しかし彼にとっては、一度の実験で殺傷すべき標的が、1体から50体あまりに増えただけに過ぎない。
そして目を凝らせば、頭上に聳える緑青色の自由の女神像の首には、自分と同じく黒光りする首輪がはめられている。
「いいねェ。今度は建造物をブッ壊すだけで済むワケ?
逃げられる心配もねェし、サッサと実験終わらせて帰るかァ」
「……すまないが、それはご遠慮願うよ少年」
アクセラレータの呟きに、突然男の声が重なった。
声のした方を振り向けば、道路脇の縁石に、一人の中年男性が弦楽器を抱えて座っている。
先端のカールした金髪に、仕立てのいい白いスーツを羽織っている、面立ちの整った男性だった。
そして彼は、いやに大きな紅白の幕をショールのように肩に掛けている。
首輪をしているため、アクセラレータと同じく参加者ではあるのだろうが、先程まで何の気配も感じなかった空間に忽然と出現している点は奇異なことであった。
その男は、怪訝な視線を向けるアクセラレータに対して、抱えた楽器を調弦しながら言葉を続ける。
「あれは『世界を照らす自由』、またの名を自由の女神像という代物でね。我が国の象徴の一つであり、誇りなのだ。
破壊するのはよしてくれ」
「ははァ、あれがオッサンの『とっておき』ってヤツなンだな。
だがよォ、オマエ、ヒトの話聞いてたかァ?
殺し合って最後の一人にならなきゃここからは出られないンだぜ?
オマエだって、いつかはアレをブッ壊すことになるんじゃねェの?」
「少年よ、物事の片方の面だけを見るのはやめろ。
バイアスは往々にして『害悪』であり、手にできたかもしれぬ『吉良』を取り逃すことになりかねん。
ところで少年よ、君はこれの調律ができたりしないか。折角支給されたので弾きたいのだが、いまいち音が決まらなくてね」
「はァ? そのヘンなギターのか?」
「マンドリンだ」
手元の楽器に目を落としたまま、男性はひたすら真剣にその弦をいじっている。
アクセラレータは、場違いなその様子に、思わず吹き出していた。
「ハッハッハ……! オレは大抵のもンなら操れるが、ちょっとそりゃァ難しいかもなァ」
「そうか……。調律できるのなら、確実に君との出会いは『吉』なのだろうと思ったのだが」
「……てかオッサン。オマエ今の状況わかってる?
殺し合いする実験会場で、こんな近くにヒト二人対面しちまってンだ。喋るのに飽きたら、オレはオマエを殺すぜ?
逃げるなり戦うなりしなくていいのか?」
「私は『世界を照らす自由』が導いてくれているからな。我が国のためになる正義以外のことはしない。
まぁ、キミが私を殺すつもりならば、返り討ちにせざるを得ないがね」
男性の返答に、アクセラレータは再び吹き出す。
ひとしきり笑ってTシャツを直し、彼はゆっくりと呟いた。
-
「アヒッ、ハハッ! ハハハハハッ!
……そりゃイイなァ、ケッサクだわオッサン。オレを丸腰だと思ってるワケ?
相手の能力も知らないで、よくまァ自信満々に構えられたもンだ」
「私は君の能力を大体察せているよ。今、『隣』で見て来たからな。なかなか素晴らしい能力だと思う。
しかし君こそ、他人の能力を把握せずに無闇に戦いを挑むものではないぞ」
「アー、そっすか。ありがとうございますゥ。……ンじゃあ小手調べに……」
明後日の方向を見上げながら呟いたアクセラレータの体は、瞬間、急加速して男性の目の前に移動していた。
「全身の血流、逆行さしてみっかァ?」
そして彼は、薙ぎ払うように右手で男性の体に触れようとした。
しかしそこには、紅白の布だけがふわふわと拳圧に舞っているだけだった。
男性が掛けていたその布は、よく見れば赤と白の縞模様になっており、左上の青地に、沢山の星が円形に散りばめられている。
アメリカの国旗、星条旗であった。
「……テレポーターかァ? 大層なこと言っといてチンケなこった」
沿道の上に落ちた星条旗を見つめながら、アクセラレータはがっかりしたように肩を落とす。
11次元ベクトルを利用した空間移動能力は、アクセラレータにとって学園都市で見慣れたものであり、その応用も対応法も熟知していた。
「イイ歳こいてカクレンボですかァ〜?
早くオレを返り討ちにしてみろよォー!!」
周辺のどこかにいるのであろう男性に向け、大きく挑発の声を上げながら、彼は地面の星条旗を蹴り飛ばした。
その時。
アクセラレータは眼前に、彼自身の姿を見た。
「――はァ!?」
彼は星条旗のあった地面から、突然生えるように出現していた。
自分とそっくりどころか、全く同じ顔。
全く同じ驚きの表情。
全く同じ動作。
彼の右足が、お互いの右足に、触れ合っていた。
「ゲエエエエエエエェッ!?」
その時、その触れ合った右足は瞬間的に弾け飛び、スポンジのような穴の開いた立方体となって飛び散っていた。
そして何らかの力で引き合うように、二人のアクセラレータの体は徐々に引き寄せられてゆく。
引き合って触れ合った部分から次々と、肉片は立方体となり、粉微塵にちぎれ飛んでいった。
――ありえねェえ!!
アクセラレータの体表には、常に『保護膜』とも呼ばれるフィルタが展開されており、有害と自動判断されたベクトルはそこを通過できずに反射されるはずであった。
しかし、この現象はその『保護膜』を完全に無視して発生している。
つまりは、触れ合っている相手は全く同じ『保護膜』であり、アクセラレータ自身なのであろうと推測された。反射しようにも自分自身の存在を反射しては、死ぬことと同義だ。
――なら、このワケわかんねェ能力自体を、直接解析してやる!!
アクセラレータの持つベクトル操作能力の本質は、ありとあらゆるもののベクトルを解析・演算できることにある。
『全く同じ』自分自身を出現させ、それを触れ合わせて消滅させている奇妙な現象自体を解析して、そのベクトルを特定して反射するのだ。
そう念じて演算を始めたアクセラレータの脳内に、一瞬にして膨大な桁の数列が溢れた。
-
――2.7268330278608420260140046715483225535278663142526795541763834147675970011311626598640040467734675615710868687088721362207957114449870812524564759287907032805356914672087513866862931662989342774873176273340859138443498461280869794970995687190845040620582133125107605944076510206469……。
「うぎゃあアアアアアアアアアアァァァァァ――!!」
11次元までのあらゆるベクトルを解析できるアクセラレータの頭脳が、処理を完了できずにオーバーヒートしていた。
解析不能。
この得体の知れない能力による攻撃は、2次元と3次元の間の、『あり得ない』ベクトルを用いて行使されている。
どれだけアクセラレータが演算を行なっても、その値は『限りなく目的のベクトルに近い近似値』にしかならなかった。
彼の体積は、3次元上にて無限小に消滅してゆく。
彼の面積は、2次元上にて無限大に発散してゆく。
無と有の狭間のあり得ない次元へと放り込まれながら、アクセラレータは走馬灯のように、今までの生活を振り返っていた。
自分を実験動物として扱った、クソのような研究員や実験に特に未練はない。
心残りがあるとすれば、今まで1万体近くを虐殺してきた『妹達』のことだろう。
彼女たちは、学園都市のレベル5の内、第三位の遺伝子を使って生み出されたクローンらしかった。
今まで相当の数を殺してきてはいたが、それは決して胸のすくようなものではなかった。
少しでも殺す人数を減らせてさっさと終わらせられるなら、それがベストだった。
今さら、自分でも人間のクズだと思えるような男がこんなことを考えるのは、馬鹿馬鹿しく甘すぎることだとは思った。
それでも――。
「――ごめンな」
これで自分が消え、残された彼女たちが助かるなら、それもいいと思った。
性根の腐った自分には、こんな無様な死に方がお似合いなのかもしれなかった。
ΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠ
-
「どじャアァぁぁぁ〜〜〜ん」
その瞬間、消え去っていた自分の四肢と下半身の感覚が、戻っていた。
目の前には先程の金髪の男性が佇んでおり、地面に横たわる自分の体には、星条旗が掛けられている。
男性がその旗をどけると、そこには傷一つない、アクセラレータ自身の体が存在していた。
奇妙な耳ざわりの言葉を口に吹いた男性は、子供を慈しむような視線でアクセラレータを見下ろしている。
「過ちを認めることは尊い。それができるのならば、君にもきっと『自由』の導きがあるだろう」
「な……に……? どういうことだ……」
「なに、簡単な手品だと思ってくれればいい」
アクセラレータは、半身を起こして自分の体を確認するが、それは全く違和感なく動かすことができた。
間違いなく、先程その体は、スポンジのような肉片となって消滅していったはずなのにである。
彼は男性に向けて、噛みつくような視線を向けた。
「手品だとか、人をバカにすンじゃねェよ。
オマエは、2次元と3次元の間の、あり得ないベクトルから攻撃してきた。
恐らくオマエの能力は、3次元の物体を2次元に投影することができるンだ。
そしてその過程で無限に分割された射影の中から、好きな次元を選んで再び3次元に呼び戻したり、3次元のものを永久に、特定できねェ塵みてェな次元の一つに閉じこめることができるに違いねェ」
「そこまで私の能力を理解できるのなら、ここの主催者の言葉を鵜呑みにせずとも良いのではないかな?
私は、祖国アメリカを愛し、そこに繁栄をもたらすために行動している。君のような素晴らしい人材を、我がアメリカ合衆国は必要としているのだ」
男はマンドリンを脇に抱えて、アクセラレータに向けて右手を差し出してきた。
「ファニー・ヴァレンタイン、アメリカ合衆国大統領だ。
私とともにアメリカへ来ないか? 望むならば、地位も、金も、永住権も、身の安全も保障しよう。
君の名前を、教えてくれないかな?」
「……一方通行(アクセラレータ)だ」
殺し合いと実験のことしか頭になかったアクセラレータにとって、その申し出は、突拍子もないものではあったが、不思議と悪い気のするものではなかった。
アクセラレータは、差し伸べられたファニー・ヴァレンタインの手を握って立ち上がる。
触れた時に、全身の血流を逆行させるか、握力のベクトルを反転させて心臓を潰してやろうかという案も浮かんだが、そんな攻撃は無駄であるように思えたし、する気も起きなかった。
むしろ気になったのは、先ほどからずっと彼が行なっている場違いな言動の理由である。
学園都市第一位の自分でも敵わなかった謎の能力に由来しているのだろうか。
「気になってたんだが、オマエは、なんでこの会場でそんなに落ち着いてられンだ?
アメリカ行くとか『自由』だとか、首輪された実験動物が喚いたトコでなんにもなンねェンじゃねェの?」
「……それはな。我々アメリカの人間が、常に『自由』を勝ち取ってきたからだ。
そしてなにより、そこに悠然と立つ自由の女神像に、私はこの上ない『吉良』を感じた」
-
聞くところによれば、この会場に来る前にファニー・ヴァレンタインは、アクセラレータですら解析できなかった次元の狭間を操作する能力を一人の男に破られ、永遠に『埋まり』続けていたのだという。
『隣』の次元に移動し続け、その攻撃を打破する方法を探し続けていたところ、いつの間にかこの会場にたどり着いていたそうだ。
「この世界には『遺体』はなかった……。そしてここに来てから、隣接次元は全てこの地を『基準』とした世界になっていた。
だが見てわかる通り、私を埋め続けていた『無限の回転』は消え去っている。
不可思議に思っていたのだが、私は彼女を見た時に確信したよ。
祖国の象徴である彼女が『吉良』として、私を『無限の回転』から『自由』にしてくれたのだと」
自由の女神像を背後にして、ファニー・ヴァレンタイン大統領は嬉しそうにその来歴を語り始めていた。
「もともと、彼女のイメージはローマ神話の女神『リベルタス』から来ている。
フランスでは、自国の擬人化としてマリアンヌと呼ばれていてな。
彼女はフランスから我が国の独立100周年を記念して寄贈されたもので、アメリカとフランスとの友情と共栄のシンボルともなっているのだ。
マンハッタン島にはつい5年ほど前に落成したばかりで、除幕式には私も先代大統領とともに雨の中、興奮しながら参列していたよ……」
何かしら自分の役に立つことはないかと、アクセラレータは初めこそ真剣に話へ耳を傾けていた。
しかし余りにも長い上に知らない用語が多く、どうしようもなく視線は宙を泳ぎ、言葉は耳の間から流れ落ちてゆく。
漫然とこめかみを掻きながら自由の女神像を見上げていた視線の先で、何やら像のトーチから飛び上がった人影があった。
そして再びトーチへ落下したその影に、巨大な銅像は激しく振盪していた。
「――あ」
「ん――?」
呆然と口を開くアクセラレータの仕草に、ファニー・ヴァレンタインは背後を振り向いた。
その瞬間。
自由の女神像は木端微塵に倒壊していた。
ΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠ
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ファニー・ヴァレンタイン大統領は、先ほどの弁舌が嘘のように、微動だにしないままその様子を見つめていた。
轟音を立てて台座上に崩落した高さ約46メートルの銅像の破片の中に、一人の人物が何やら立ち上がるのが見える。
彼が6本の腕を振り上げるや否や、瞬く間にその銅片は寄せ集まり、元の自由の女神像に戻ったように見えた。
――いや。
ここから窺い知れるだけでも、トーチに燃える炎が、毒々しい紫色に変じている。
王冠の突起は一つ減り、6本になっている。
そしてその上にはプロレスのリングのようなものが据えられており、緑青の趣深い本体とは明らかに不似合いな様相を呈していた。
「……なんだったんだァ、今のは……?」
見上げながら呟くアクセラレータに、返答はこない。
視線を落として前のヴァレンタイン大統領を見やると、彼の背中は、僅かに震えているようだった。
その姿に突如、アクセラレータはドス黒い気迫のようなものを見た。
体を覆う『保護膜』に、ピリピリと有害ベクトルの集束が感じられる。
そして彼の脳内には、通常の視野では認識できないヴィジョンが結像されていた。
ファニー・ヴァレンタイン大統領の背後に、背の高い水色の人間のようなものが立っている。
それは両側頭部から頭上に長く耳のようなものを伸ばしており、その表面に縫い目が走っている。
全体的に金属的な光沢を帯びているその体は、人形のような球体関節を有しており、肩と腰元はピンク色に塗り分けられていた。
高次元の存在を無理矢理3次元に落とし込んだような、不可解なベクトルの集積がその像に発生しており、視認するだけでもアクセラレータの演算能力にかなりの負荷をかけていた。
「……なぁ、アクセラレータ。君のスタンド能力はベクトルを操作できるのだと思うんだが、合っているかな?」
アクセラレータを振り向くことなく、ヴァレンタイン大統領は、不自然な明るい口調でそう語り掛けていた。
音声のベクトルに、真っ黒いタールのような殺意が絡みついている印象を、アクセラレータはその内耳で冷え冷えと受け取った。
「私を、あそこの趣味の悪いリングまで連れて行って貰えないか。無理だったら自力で『挟まる』が」
「い、いや……。でき、ます……」
『保護膜』を突き抜けてくる静かな黒い意志に、アクセラレータの口調は意図せずに震えていた。
その震えを察してか、ヴァレンタイン大統領は穏やかな面持ちで振り返る。
「この人間世界の現実……。新しい時代の幕開けの時には、必ず立ち向かわなくてはならない『試練』がある。
『試練』には必ず 『戦い』があり『流される血』がある。わかるかい?」
アクセラレータの視界で、端然と佇む大統領の瞳には、漆黒の炎が燃えていた。
「君がいつか立ち向かうかもしれない『試練』のために、お手本を見せてあげよう。
『試練』は『強敵』であるほど良いが……、まずは、ゲスな『害悪』を一片残らずこの世界から消し潰してやらなくてはな」
マンドリンをデイパックに仕舞い、星条旗をレスラーのマントのように羽織って、彼は像の台座の元へと歩み寄っていく。
アクセラレータは、ヴァレンタイン大統領の思考の半分も掴めぬままだった。
しかし、自分の能力が効かず、それでいて比較的好意的な態度を示してくる彼に、いささかの畏怖と興味を抱いているのは確かだった。
――このオッサンについて行けば、ちまちまクローンを殺さずとも、無敵(レベル6)に届く方法が、解るんじゃねェのか?
恐怖か興奮か、アクセラレータは沸き上がる感情に口の端を引き攣らせて、ファニー・ヴァレンタイン大統領とともに上空へと舞い上がっていた。
ΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠ
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「カーカッカカ! 早くも次なる正義超人が来たようだなーッ!
本当の悪魔のゲームを、味わわせてやろうではないか〜ッ!!」
自由の悪魔像の王冠上に浮かぶ特設リングから、地上を見下ろしていたアシュラマンは高らかに笑った。
その視界には、地上から浮遊してくる二人の男が映っている。
金髪で身なりの良い中年男性と、若白髪の痩せた少年だ。
ここを嗅ぎ付けて即座に乗り込んでくるとは、見た目はともかく何らかの超人と考えて間違いないだろう。
そう思いながら彼らの到着を待っていた時、アシュラマンは、彼らの手があるものを握っているのを見た。
「――ああ、そうだ。いい狙いだ。急所から狙ってくれ」
「あいよ」
リングの横まで浮上してきた中年男性は、一丁の拳銃を構えていた。
そしてその背後から、白髪の少年が掌を添えている。
その姿を認識した瞬間、アシュラマンの耳に6発の銃声が届いていた。
「ごああッ!?」
それらの銃弾は、アシュラマンの怒り面の右眼、眉間、上顎、喉笛、両膝に寸分の狂いもなく着弾していた。
突然の不意打ちに顔を押さえ蹲るアシュラマンの元に、二人分の足音が届く。
無事な左眼をこじ開けて見るに、中年の男が自分の掌を握り込んで弾丸をそこから取り出し、悠々とリボルバー式の拳銃をリロードしているところだった。
「き、貴様らァ!! よくもリング上で不意打ちをぉ!!」
「正当なる防衛だよ。動けぬ女神像に代わってのな」
「殺し合いに不意打ちもクソもねェと思うンだけど……」
中年男性は、いけしゃあしゃあと冷たい言葉を投げかけてくる。
白髪の少年は、理解に苦しむ、といった口調でアシュラマンの発言に応える。
アシュラマンは傷ついた膝蓋を押さえつつ、ふらふらと立ち上がった。
「馬鹿者が〜! 真の自由の女神像は、一万年前より存在した『自由の女神像の上で行われた超人レスリングの勝敗は絶対』という唯一無二のルールの体現者だったのだぞ!
正義超人ならばレスリングで戦わんか〜ッ!!」
「えッ? それ、この像を魔改造した本人が言うワケ?
てかよく生きてンなオマエ。もちっと速度成分上げとくべきだったかなァ」
「これは、魔改造ではなく自由の悪魔像だ!! 悪魔こそ本当の自由だということを知らしめてやるのよ!!」
「……一番ルールに縛られてる頭でよくそういうこと言えンなァ」
白髪の少年は呆れた顔をアシュラマンに向けていた。
何のつもりか足を掲げて真下に振りおろそうとする彼を、中年男性が制して、リングの端に下がらせる。
「……大統領のオッサン、一人でヤるつもりか?」
「ああ、そうだ。そんな妄言を宣われるのならば、真っ向から叩き潰してやらねばならない」
男性は拳銃をポケットに仕舞い、手に持った星条旗をマントのように背中に掛けて、旗の端を持った両手を大きく広げながら、一人でリングの中央にまで歩み出てきていた。
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「アメリカは自由を勝ち取ってきた国だ。お前が『ナプキン』を取れるのなら、今の妄言を真の歴史としてせいぜい喧伝するがいい。
しかし、そんな『害悪』にしかならぬ妄言は、お前ごと『隣』に捨て去ってくれる!!
国家を侮辱するテロリストは、思想と骨の一つとてこの世界には残さん!!
お前自身のやり方で、完膚なきまでに消し飛ばしてやる。
第23代アメリカ合衆国大統領ファニー・ヴァレンタインに、直々に葬られることを光栄に思うが良い!!」
「カーカッカッカ!! ようやくその気になったか!
そうとなればこちらのものよ! こんな銃創などちょうど良いハンデだ!
我が技を受けてみよ大統領超人〜!!」
両腕を広げてガラ空きになったファニー・ヴァレンタインの胴部めがけ、アシュラマンが6本の腕で掴みかかる。
しかし、アシュラマンの腕には、何の手応えも残らなかった。
「――な!? 掴めぬ!?」
「……確か、レスリングというのは相手の関節を『取って』しまっても構わないんだったな」
アシュラマンの6本の腕は、ファニー・ヴァレンタインの胴体にめり込んでいた。
しかしその腕には、その胴体の背後にある国旗の布の手触りしか感じられない。
肩口、胸骨、側腹部と、体の至る部分を抉られているように見えるにも関わらず、ヴァレンタイン大統領は平然と歩みを進めてアシュラマンの懐に入り込んでいた。
そして次の瞬間、アシュラマンの持つ3本の左腕がバッサリと斬り落とされる。
「ぎゃああああァァッ!?」
「……『肘関節』を、もらったぞ」
「へェ〜、そのヴィジョン、結構パワーあるンだな」
「いや、斬ったのではなく『挟んだ』だけだ、アクセラレータ。ただの関節技だよ」
アシュラマンは突然の見えない攻撃にたたらを踏んで後ずさる。
アクセラレータの視界にだけは、ヴァレンタイン大統領の背後から、水色の人形が両の手刀にて上下からアシュラマンの肘を挟み込む様子が映っていた。
地に落ちた3本の左腕を、ファニー・ヴァレンタインは擦り潰すように足で踏みつけ、綺麗にリングの上から消し飛ばしていく。
「よ、よくも我が腕をおおおぉッ!! 波羅密多ラリアットーっ!!」
「……どジャアァァ〜ン」
依然として腕を広げたまま近寄ってくる大統領に向け、アシュラマンは残った3本の右腕を大きな1本の腕に変化させ、その体全体を吹き飛ばさんと走る。
しかし、そのラリアットに肉の手応えはなく、ただそこには星条旗が巻き付いているだけであった。
大統領の姿は、忽然とその場から消え去っている。
「……『Dirty deeds done dirt cheap』」
そしてどこからともなく声が響くと同時に、星条旗の絡まっていたアシュラマンの右腕は一瞬にして消滅していた。
「ぬおおおォオォォ!?」
「アッハッハッハッハ、面白れェなァ。当て身投げの関節技ってか。便利だねェ〜」
アクセラレータの哄笑が響く中、アシュラマンは、消え去った腕と敵の姿を探して、混乱しながらあたりを見回す。
その六臂の切断面からは、血や骨は全く飛び出してはいなかった。
ただスポンジのように穴の開いた直方体の肉片がいくばくか付着しているのみで、痛みもない。
異常な現象に理解が追いつかないアシュラマンは、リングの端にいる少年に向けて怒声を飛ばした。
「おい!! そこのお前! さっきの大統領超人はどこに行った!! 教えろ!!」
「あァ? オマエの足下のそこらじゅうにいるぜ? 気付けよ」
アクセラレータは、含み笑いを続けながらアシュラマンの両足を指さした。
ぎょっとしてアシュラマンが身を引いたその時、マットとその足底の隙間から、男の腕がずるずると這い出してきた。
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「連れて戻ってきた――」
狼狽するアシュラマンが足を踏み変える度に、新たな腕がマットから次々と生えてくる。
それらはアシュラマンの脚を掴み、胴を掴み、腕の消え失せた肩を掴みながらその全身を現してくる。
3人のファニー・ヴァレンタインが、その人数によってアシュラマンの体をマットに引き倒してしまっていた。
「――みんな私だッ!!」
そして、マット上に落ちた星条旗の下から、もう一人ファニー・ヴァレンタインが出現し、高らかにそう言い放つ。
身動きの取れぬアシュラマンは、自分の身に起こっている異常な現象に、ただただ絶句していた。
「……もう勝ったんじゃねェの、これ?」
「いや。生かしておけば、このような人物はまたどんな『害悪』を我々にもたらすかわからん。
アメリカ合衆国を辱めたことを最大限に後悔しながら死ぬように、肉の一片ずつを、『隣』のこいつと対消滅させながら殺す」
冷めた眼でアシュラマンに歩み寄る大統領から、アシュラマンは必死にもがいて逃れようとする。
しかしその背中がマットから浮いたり戻ったりする度に、新たなファニー・ヴァレンタインの腕が出現してその身をマットに縛り付けていた。
そして、腹、腰、ふともも、と、次々に拳大に肉が抉られ、消滅していく。
消滅したところからボロボロとスポンジ状の立方体がこぼれていき、消え去る。
感覚の消失していく不気味さに、アシュラマンは悲鳴を上げていた。
「や、やめてくれぇ〜!! 頼む! 助けてくれ!
もうこんなことはせん!! お願いだぁ〜!!!」
「……像の台座に、首を折られて死んでいる少女がいた。
彼女が命乞いをした時、お前は助けたか?」
「い、いや、あいつは決闘の果てに死んだのであって、命乞いなどはしていない!!」
「ならばお前も、命乞いなどせずに死ね」
「うわああああぁぁぁぁぁあっっぁあああああ!?」
アシュラマンの体は次々と消えてゆき、ついに、頭と胸郭部だけになってしまった。
アクセラレータが、その凄惨な光景にいい加減辟易として口を挟む。
「なァ、大統領のオッサン、流石にもういいんじゃねェの? やりすぎだと思うぜ?」
「そうだな……。じゃあ一応、訊いてみよう。
お前は、マンドリンの調律ができるか? できるなら助けてやっても良い」
息も絶え絶えとなったアシュラマンは、必死に頷いた。
喉と口に穿たれた銃弾のダメージで声が掠れる。
マンドリンというものがどんな楽器だったか正確には思い出せない。
しかしそれでも、アシュラマンは残った気力を振り絞って叫んでいた。
「できるッ!! 調律できる〜ッ!!!」
「腕もないのに嘘をつくな、ゲス野郎。かなりムカついたぞ」
表情を変えぬまま大統領が呟いたその時、アシュラマンの頭部はザクロのように破裂していた。
水色の人型ヴィジョンが、彼を殴り潰している。
ヴィジョンはそのまま猛烈なラッシュを残った胸郭に叩き込み、血肉の一滴も残さずに消し去っていった。
「……まぁ、そんな返答をもらわずとも、私はずいぶん前からムカついていたがね」
【アシュラマン@キン肉マンⅡ世 死亡】
ΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠ
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人の一人減ったリングの上には、アクセラレータの失笑が揺れていた。
平行世界からやってきていた大統領たちは、軽い挨拶をし、各々の国旗に挟まって帰って行った。
「ククッ……、えげつねェなァ。オレはあくまで、楽にしてやれって意味だけで言ったのによォ」
「そうだ。『Dirty deeds done dirt cheap(いともたやすく行われるえげつない行為)』。略してD4C。
これが私の能力の名前だ。『敵』に一切の容赦はしない。目的の為ならこの命さえいらない。
どんな仕事でも、ほんのちょっぴりの『正義』と『愛国心』さえあれば請け負ってやる。そんなスタンドさ」
「愛国心ねェ……」
アクセラレータは、ファニー・ヴァレンタインの呟きを受けて、眼下の銅像を見下ろす。
緑青に覆われた女神像の表情は、悪魔像として改作されたためか、この世の悲嘆の全てを内包して泣いているように見えた。
リングロープの元に立つアクセラレータの背後に、ヴァレンタイン大統領が歩み寄ってくる。
「アクセラレータ。君には、『命を懸けても守りたいもの』はないか?」
「はァ? ……まァ、今のところ、ねェな」
脳裏に、何千体となく殺害してきたクローン達の顔が浮かんだが、それは返答が口をつく前に消え去っていた。
「ならば、きっとこれからできるだろう。私にとって、それは我が祖国アメリカだ。
私は今まで、その繁栄のために、『聖人の遺体』を集め守ってきた。
しかし、今この世界で守るべきものは、『自由』なのだと感じられる。
無惨にも破壊されねじ曲げられた『自由』を、私たち参加者がこの地で勝ち取るのだ」
その言葉に、アクセラレータは、今までずっと引っかかっていた疑問を口に出した。
「……なァ、大統領のオッサン。何度も言うが、オレたちはここで殺し合うように言われてんだぜ?
『自由』のシンボルも、魔改造されたまんまだ。ここからどうやって、『自由』になるってんだ?」
「だから、物事の片方の面だけをみるのはやめろ。
『自由』とは、勝ち取るもの。
『試練』とは、乗り越えるものなんだ。
君がこのリングを横に引き延ばしてくれさえすれば、私は君に手品を見せてあげられる」
戸惑うアクセラレータに、大統領は微笑んで言う。
暫く宙を見上げたまま思案していたアクセラレータは、ふと合点がいったように歯を剥いた。
「あァ……。なるほどなァ、そりゃいいや。発想を転換しろってことか」
「そうだ……。お願いできるかな?」
「お安い御用だ。こンなもン、息を吸うのと同じだぜ」
アクセラレータが言い放った瞬間、特設リングに働いていた重力ベクトルがねじ曲げられ、急速にマットやロープがその面積を拡大する。
「『D4C(ディーフォーシー)』ッ!!」
自由の悪魔像の頭上を覆うように広がったリングを、大統領のスタンド像が地上へ叩き落としていた。
高速で落下するリングと、レンガ造りの台座に挟まれて、その銅像は紙細工のように潰れて消え去る。
アクセラレータが地面に着地した時、衝撃で特設リングはバラバラに壊れてしまっていた。
ひらひらと星条旗が舞い落ちてきて、その中からアクセラレータの隣に大統領が現れる。
土煙の立つ台座の上を指さしながら、大仰な仕草で彼は両腕を広げた。
「どじゃアぁぁぁ〜〜〜ん」
土煙が晴れたとき、そこには元のように、赤々とした炎をトーチに灯す、自由の女神像がいた。
その首に、もう首輪はない。
『自由』のために戦い、台座の元に眠る少女の、墓標ともなるだろう。
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「『隣』の世界から、まだ無事な彼女を捜して連れてきた。今からは彼女が『基本世界の彼女』となったのだ」
ファニー・ヴァレンタイン大統領は、晴れやかな表情でその銅像を見上げていた。
先ほどまで彼から溢れ出していた、ドス黒い殺意のベクトルは鳴りを潜めている。
「私はこの『試練』に、よりアメリカを繁栄に導くことのできる『出会い』があるに違いないと感じている。
そのために、私はこの『世界を照らす自由』を守り、その『出会い』に『幸運』と『吉良』があることを祈る。
君にとってもだ、アクセラレータ。
この地での『出会い』により、君は私と同じく、求めるものを手に入れることができるかも知れない。
君は勝ち取れる。自由で柔軟な発想を持て。主催者の言葉に縛られる必要はない」
もう何度目かわからない謎めいた問いに、アクセラレータはようやく、正答と思われる解を見つけだした。
「つまり、オレの操るベクトルみてェに、『逆』に考える……?」
「そうだ。『主催者を倒しちゃってもいいさ』、ってことだ。
一人だけ残るもの悪くはないが、つまらないし、勿体ないだろう。折角よい『出会い』に巡り会えたのだから」
日差しの照りつける路上で、学園都市第一位の能力者と向き合ったアメリカ合衆国大統領は、今一度彼に向けて問いかけた。
「そういえば、君はまだ答えてくれていなかったな。君はただ『YES』と頷いてくれればいい。
私とともにアメリカへ来ないか? アクセラレータ」
問いかけられたアクセラレータは、暫く逡巡した。
大統領の能力『D4C』は、自分の『一方通行』に勝るとも劣らない性質を持っている。
並の攻撃では『D4C』の演算不能な次元移動によって回避され、切断や刺突で的確に致命傷を与えるのは難しいだろう。
自分の『一方通行』でも、『挟み込み』による攻撃なら防げるだろうが、『もう一人の自分』を連れて来られての対消滅は避けようがない。
殺し合いに乗るにしろ乗らないにしろ、今ここでファニー・ヴァレンタイン大統領とコトを構えるのは、得策ではなかった。
幸い、彼は自分に対して非常に好意的であり、自分としてもその能力に興味は持っている。
利用して学べるうちは、その好意に甘えさせてもらおうか――。
「いいぜ――。ここから二人して『自由』になれたらな。
だがオレは、オマエから能力を盗んで寝首を掻くかもしれねェから、せいぜい気をつけてくれよ」
「イイ……。凄くイイぞ、その表情。アメリカでは積極的に主張することが美徳だからな。私の行動に落ち度があったら、進んでそういう行動で示してくれると有り難い」
――共に、『自由』を目指せる人材を探して行こうじゃないか――。
アクセラレータの肩を軽く叩いて、見晴らしの良い自由の女神の展望台へと、ファニー・ヴァレンタインは彼を誘っていた。
【一日目/日中/E-4/復元された自由の女神像】
【ファニー・ヴァレンタイン@スティール・ボール・ラン(ジョジョの奇妙な冒険)】
【状態】健康、ようやく落ち着いてきたムカつき
【装備】星条旗@現実、自分の拳銃(『隣』の銃弾6/6)@スティール・ボール・ラン
【所持品】基本支給品、マンドリン@現実
【思考】
1:アメリカのために『自由』を取りもどす。
2:折角の機会なので、アメリカに役立つ人材を見つけて連れ帰る。
3:アメリカを貶めるような『害悪』は全力を以て消し潰す。
4:アメリカと自由への『吉良』である『世界を照らす自由』を守る。
5:アクセラレータは、なかなか見どころのある少年だな。
6:誰か、マンドリンの調律ができる者はいないだろうか?
【備考】
※ジョニィに無限の回転を撃ち込まれている時からの参戦です。
※今のところ無限の回転の影響はなぜか消えているようです。
【一方通行(アクセラレータ)@とある魔術の禁書目録】
【状態】疲労(小)
【装備】なし
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:方法はどォでもいいから、さっさと実験を終わらせて帰る。
2:ついでにレベル6に近づけるンなら、なお良い。
3:今のところアテもないから、大統領のオッサンについて行く。
4:オッサンの能力は面白ェな。どうにか解析できねェもンか。
5:守りたいもの……ねェ?
【備考】
※絶対能力進化計画の第九九八二次実験以前からの参戦です。
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以上で投下終了です。
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投下乙
大統領カッケェ!U.S.A.!U.S.A.!
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投下乙です。
前にファニーが予約されたらプッツンするなって言ったな。あれは本当だ。
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投下乙です
確かにプッツンした(アシュラマンの頭が)
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現在の登場・予約キャラ
現在位置とかは自分で確認お願いします
登場
◯鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ ◯デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE ◯七瀬遙@Free! ◯黒のアサシン@Fate/Apocrypha ◯ボンゴボンゴ@ゼルダの伝説 時のオカリナ
◯チンクル@もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド ◯ベジータ@ドラゴンボールZ ◯十六夜咲夜@東方Project ◯セイバー@Fate/stay night ◯アクセル・アルマー@スーパーロボット大戦OG
◯キン肉アタル@キン肉マン ◯マコト=ナナヤ@BLAZBLUE ◯ファニー・ヴァレンタイン@スティール・ボール・ラン(ジョジョの奇妙な冒険) ◯一方通行(アクセラレータ)@とある魔術の禁書目録 ◯猿投山渦@キルラキル
◯柊つかさ@らき☆すた ◯ユーサー・インサラウム@第2次スーパーロボット大戦Z再世篇 ◯セイヴァー@Fate/EXTRA ◯アリス@デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト ◯雨竜龍之介@Fate/zero
●フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE 自由の女神 Y.H.V.H@真女神転生2 アシュラマン@キン肉マン?U世 円亜久里@ドキドキ!プリキュア
予約中
勇者@片道勇者
壇狩摩@相州戦神館學園 八命陣、ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ、カーズ@ジョジョの奇妙な冒険
南夏奈@みなみけ、オドルワ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面、オカダ・カズチカ@新日本プロレス
ベネット@コマンドー
神崎士郎@仮面ライダー龍騎
イカ娘@侵略!イカ娘、針目縫@キルラキル、ジョン・メイトリックス@コマンドー、葉月渚@Free!
キリト@ソードアート・オンライン、扶桑@艦隊これくしょん
エデン@聖闘士星矢Ω、マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG、神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
ジャギ@北斗無双 クック@コマンドー デデデ大王@星のカービィ(アニメ)
田中眼蛇夢@スーパーダンガンロンパ2、与次郎次葉@めだかボックス、志賀慎吾@学園ハンサム
バーダック@ドラゴンボールZ、ギム・ギンガナム@∀ガンダム、御坂美琴@とある魔術の禁書目録
ジャンヌ・ダルク@ドリフターズ、国会議員@浦安鉄筋家族
木曾@艦これ
サタン@真・女神転生II
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アイアンの予約抜けてますよ
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>>182
アイアンナイトキャラの予約のことならば、キャラ変更されて投下されているはずです。
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予約から御坂美琴を外します
-
徳田新之助@暴れん坊将軍 を予約します
-
フリーというよりはカオスだな
-
投下します
-
もう何もかもどうでもよかった。
何も耳に入れたくもなかった。
オリオン星座の聖闘士(セイント)・エデンは、ほとんど放心したような有り様で、1人静かにうなだれていた。
(アリア)
自分は守れなかったのだ。
一番大切だった相手を、守れず見殺しにしてしまったのだ。
誰よりも強く惹かれていた少女を。
妹のように想っていたアリアを。
父・マルスの手から守れず、傷つき死んでいく様を、黙って見ていることしかできなかったのだ。
(アリア……)
であれば、こんな殺し合いなどに、一体何の意味がある。
その他大勢のどうでもいい命を、必死になって奪い合うことに、一体どれほどの価値がある。
殺すのも生かすのも面倒だ。考えたくないほどにどうでもいいことだ。
商品だのルールだのとかいうのも、ほとんど聞き流していたくらいだった。
目の前に置いてあったデイパックも、結局触れることすらせず、その場にほったらかしにしていた。
(もう、放っておいてくれ)
こちらは関知しないから、後は勝手にやってくれ。
いっそ失格にしてくれていいから、どうか僕を放っておいてくれ。
長身の体躯を丸めながら、エデンは諦観の念と共に、己の内へと沈んでいった。
-
◆
もう何もかもたくさんだ。
涙で何も見えなかった。
ガングニールの装者・マリア・カデンツァヴナ・イヴは、静かに嗚咽を響かせながら、1人悲嘆に暮れていた。
(どうしてなの)
どうしてこんな目に遭わねばならない。
どうしてあんなものばかりを、まざまざと見せつけられねばならない。
罪もない少年達の死に様を。
世界を想う少女の傷つく姿を。
正義のために戦っているのに、どうして自分の歩む先には、痛ましい犠牲しか見えてこないのだ。
(どうすればいいの)
そもそもが無茶な話だったのだ。
生来争いを好まない自分に、テロリストの首魁を名乗るなど、初めから向いていないことは分かっていた。
それでも、断れない理由があった。
自分がこの座を降りてしまえば、未だ成人すらしていない子供たちが、そんな役目を背負わされてしまう。
故に投げ出すことはできず、それでも、直視することもできない。
(セレナ……ッ!)
その上殺し合いをしろと来たものだ。
ただでさえ手一杯だというのに、こんな自分に何をしろというのだ。
重圧に押し潰されそうになりながら、マリアは亡き妹の名を呼び、ぎゅっと己の肩を抱いた。
-
◆
「――いや、待て。待て」
真ドラゴン討伐隊司令官・神隼人は、情け容赦のない男として通っている。
無論人類を守るという使命感には、一切の曇りも偽りもない。
故に殺し合いに乗る気はなく、むしろ主催者を潰すつもりでいたのだが、それでも、向かってくる者に対しては、慈悲をかけてやるつもりはなかった。
だからこそ他の参加者に対して、警戒を怠るつもりもなかったし、どんな奴にも対処できるよう、臨戦態勢を整えていたつもりだった。
「何をやっているんだ、お前達は……」
それでも、目の前の2人に対しては、そうツッコまざるを得なかった。
半ば呆れたような声音を、顔を覆う手から漏らしながら、そう思わざるを得なかった。
誰に隼人を笑えよう。
この戦場に、ましてこの神隼人には、あまりにも似つかわしくない呑気な態度を、誰に否定することができよう。
彼が見つけた2人には――正確にはその2人の状況には、それだけのインパクトと馬鹿馬鹿しさがあった。
1本の大きな木を挟んで、絶望に打ちひしがれた顔をしながら、男女が背中合わせに体育座りをし合っている。
そんな光景を目の当たりにして、呆れずにいられる人間など、果たして存在し得るだろうか……?
【一日目/深夜/C-1】
【エデン@聖闘士星矢Ω】
【状態】精神的疲労(大)、諦観、体育座り
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:殺し合いなどどうでもいい。もう放っておいてほしい
【備考】
※第29話「新たな闘いの幕開け!黄金十二宮!」より参戦
【マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】精神的疲労(大)、悲しみ、体育座り
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:殺し合いなんて考えられない。もうどうすることもできそうにない
【備考】
※第6話「奇跡――それは残酷な軌跡」にて、エアキャリアで体育座りをしていた場面より参戦
【神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】
【状態】呆れ
【所持品】イサカM37(5/5)@現実、基本支給品、ランダム支給品×0〜2
【思考】
1:殺し合いには乗らない。主催者を叩き潰す
2:自分を殺しに来る相手には容赦しない
3:とりあえず目の前の男女(エデンおよびマリア)と情報交換する
【備考】
※第4話「激震!! 荒れ狂う大地!」以降より参戦
【イサカM37@現実】
アメリカのイサカ・ガン・カンパニー社が製造している散弾銃。装弾数は4+1発。
ポンプアクション式のショットガンで、第二次世界大戦の時代から、現在まで製造されているロングセラーモデル。
このロワで支給されているものは、1990年以前のモデルであり、連射機構が残されている。
-
投下は以上です
タイトルは「背中合わせの戦神」でお願いします
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皆さん投下乙です。
龍ちゃんとアリスの不思議な友情面白いなー。そしてこわいなー
黒のアサシンちゃんかわいいな。ボンゴボンゴ調べたらおもったよりキモイ容姿でびびった
猿投山は少女を守るのがよく似合う奴だ。
ユーサーはがんばったんだし、新たな居場所を見つけれるといいけどね
神は死んだ。ブッダは慈悲を示した。
大統領はそりゃまあ、キレるよね。あの一方さんが観客みたいなポジになるレベル
アシュラマンは乙。そしてなんだか理由は違えど似たような落ち込み方してる奴らがw
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時間帯が日中だったのは初回書いた自分の確認ミスでしたすいません。
自由の女神回のスポットライトで照らされているのあたりは脳内補正で忘れてください。
で、予約一覧にはなんか載ってないけど>>43で予約してたので投下します
参加者増えちゃうけど自由の女神あたり名簿に載せなければまあ都合はつくかな
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◇
自由? 自由かぁ。
あたしはねー、えっと……誰より自由なアイドルになりたいな!
だってほら、あたしは性別すら自由なアイドルだからー!
……って、カッコつけにもなってないか。えへへ。
◇
それは水嶋咲が、
バトルロワイアルに連れ込まれる少し前の話。
「え〜〜〜〜〜っ!!?? なんで!? なんで夏まで延期なのー!!」
「仕方ないことなんだ、咲。すまん。本当にすまん」
アイドルプロダクション315プロダクションの一室にて、
水嶋咲がプロデューサーから受けた宣告はとんでもないものだった。
都会奥のマイナーなメイドカフェで働いていたところをスカウトされて数か月、
厳しいレッスンに耐え、準備に準備を重ねて、
ついに今日が初舞台といったところまで来ていた新人アイドル水嶋咲。
本人もやる気十分、容姿充分、ウケるトークも出来る自信あり、
よぅし今まさにアイドル界へと飛び出さん!
という気分で自己改造メイド服に身を包み出番待ちをしていたところだったのだが、
そこにプロデューサーが焼石に水ならぬ強制冷凍ビームを浴びせてきたのだから驚きもする。
デビューを夏まで延期する、という話だ。
今は3月なのでだいたい4か月後。
あまりにもそれは遠く、不自由すぎる話だった。
咲はぶーっと口を膨らませつつプロデューサーに上目使いで抗議した。
「プロデューサーひどいよ! ぶぅ〜。
あたしもう、パピる気満々でそわそわし始めてたのに!」
「すまんな。本当にすまん」
「理由を言ってくれないとひどいよ! 不祥事? スケジュールミス?
それともそれとも、あたしの性別がやっぱりダメだったの? だったなら、あたし……」
「違う! お前の問題じゃないんだ。完全に俺達の“予測ミス”だ。
そこの窓から外を見れば分かると思う。……ああ、顔は出すなよ。死ぬかもしれん」
「死ぬって、ええ? 生死にかかわる問題なの!?」
驚きながらも咲は立ち上がり、
控室の窓のブラインドのスキマから、プロダクションの外を見た。
そして見た。
「うわ!」
315プロダクションの前にあふれる人。人。人。人。人。
コミケの開始前に建物の駐車場に並んでる長蛇の列を、面に広げたみたいな人の渦がそこにあった。
確かプロダクションの建物の前はそれなりに広い道路だったはずなのだが、
地面が見えないどころか過密熱気が湯気になってオーバーヒート、蜃気楼まで出来そうなくらいだ。
「……えっと、これってどういうことなのかな、プロデューサー?」
「簡単な話だ。人が集まりすぎたんだ」
プロデューサーは若干引き笑いをしつつ苦い顔で語った。
-
「沢山の有望株を抱えはしたが、まだうちは弱小プロダクション。
今日のイベント、アイドル一斉デビューライブの会場は、中規模の劇場で行う予定だった」
「うん。それは知ってるよプロデューサー。
でもでも、宣伝もそんなに出来てないし、客席は7割埋まればいい方だって言ってたよね?」
「ああ。社長はそう考えていたし、俺も賢も同意見だった。
だが現実は違った。7割どころじゃなかった。――700割だ。
劇場のキャパを10割として、実に70倍の客が押し寄せたんだ」
「えええ! な、ななじゅう倍!?」
つまり建物70個分ということで、でも講堂って2000人くらいは収容できる大きさだったはずだ。
えっとつまり……計算しようとしてそのあまりの大人数に咲は考えるのをやめた。
「う〜んとね、とにかくヤバイってことは分かったよ!」
「そう、ヤバイんだ。当然劇場には客は入りきらず、溢れた客が道路を埋め尽くした。
交通機関はマヒし、街は大混乱……うちに文句を言いに来た客に野次馬も加わって、
プロダクションの周りは完全に封鎖されてしまった。ステージに物理的に辿りつけないんだ」
プロデューサーはさらに続けた。
お上から警告をくらい、今日のライブは中止せざるを得なかったこと。
そしてステージの再確保、スケジュールの再調整と資金の調達、スタッフの増員など……。
色んな準備をしたうえで「ほとぼりが冷めたころに」もう一度企画を行うには、
長い時間がかかるという結論が出されたこと。
「とりあえず、夏。もしかしたらそれも無理かもしれない」
「……え」
「アイドルの初期の客層は、熱しやすく冷めやすい、いわゆる浮動層が多いと言われている。
その浮動層の中からとくに熱中してくれる客がファンになり、俺たちの大切な力となるわけだが、
俺たちの場合、今回でその浮動層を予想以上に熱してしまっていたことになる」
「でも、夏まであたし達は活動できない……そしたら、冷めちゃう」
「ああ。そして一度冷めた客が再び熱くなってくれるとは限らない。
夏に再開しても、客は減っているだろうな。
そして沢山居た客が少なくなったという事実が、またファンを冷めさせる」
「みんなが冷めたから冷めて。冷めるの悪循環って、こと?」
「そうだ。そして会社としてはそうならないために、準備をしながら時流を読み、考える必要がある。
本当に利益が出せるかどうかを、だ。
咲には重い話だが。最悪、プロジェクトが白紙ということも、ありうる」
「そんな……」
すまん、本当にすまん。
律儀で知られる咲のプロデューサーは、呆然とする咲に何度も頭を下げた。
自分より背の高い男に頭を下げられながら、
咲はどうして? という思いで頭がいっぱいだった。
どうしてプロデューサーがあたしに頭を下げなければいけないんだろう。
別にプロデューサーは悪くないし、客だっていっぱい来たこと自体は悪くなんてないのに。
なんでみんなが不幸せな状態になってしまったんだ?
あたしは、こんな光景を見るために、アイドルになろうとしたんじゃない。
カワイイものが大好きで。だから自分もカワイクなりたくて。
でもなかなか、あたしがカワイクあれる場所はなくて。
楽しくて、嬉しくて、面白くて、カワイイものがいっぱいあって、
カワイイままでも許される、幸せな場所。
そういうものを、アイドルになれば手に入れられるって、信じて、
「プロデューサー! 弱気になっちゃ駄目だよ!」
咲はプロデューサーの頭を掴んで、目を見て、しっかりとした声で言った。
-
「あたし、頑張るから! 夏まで修行して、今よりもっとカワイクなるから!
どれだけ少なく……一人も客が来なくったって、絶対そこから盛り返して見せるから!
だからっ、信じるのを、やめないで! あたしを――あたし達の未来を、信じてよ!」
◇
がしゃーん。
という音が響いた。ガラスが割れた音だった。
割ったのは水嶋咲だった。
無意識のうちに咲は手に持ったバールのようなもので目の前のガラスを割っていた。
「あっ、えっ? あ……」
我に返った咲は自分で自分のしたことにびっくりし、次いで女の子座りでその場にへたり込んだ。
場所はD-2、商店街じみた店が立ち並ぶ通り。
割ったガラスは洋服屋のショーケースのもので、けっこう大きいものだった。
派手な音がして、崩れ去っていった。
急にこんな場所に連れ去られて頭が変になってるのかも。
咲はふわふわの頭で一瞬そう考えて、でも次の瞬間には否定していた。
割った理由は、ちゃんとあった。
――いま、ガラスに映ったあたしが、カワイクない顔をしていたから。
ひどい考えをして、ひどい顔をしてしまっていたから。それが、許せなくて。
殺し合いに、放り込まれて、カワイイままでいられていない自分を。殺したくなったんだ。
「プロデューサー……あたし……あたしは、どうしたら、いいのかなぁ……」
咲はとりあえず泣くことで全てから思考を逸らすことに決めた。
それくらい、咲の心は崖に立たされていた。
それも地獄の釜の淵だ。
もうあとはそこから飛び降りるのか、それとも崖に背を向けて地獄を歩むのか、二択を迫られていた。
「なりたい……ひっく、あたし、アイドルになりたいよ。そこがきっと、あたしの居場所だから。
でも、そのために、ここであたしが、ひどいことをしたら……うぅ……あたし、あたしは……」
何をすればいいの?
何かをしなければいけない。
そう、「彼」の性別のように。自由で曖昧なままでは、いけなかった。
自由とは何をしてもいいということであり、
それは何をするか自分で決めなければいけないということである。
何かを選ばなければいけない。その先に待つものがどんな未知でも、だ。
【一日目/日中/D-2】
【水嶋咲@アイドルマスターsideM】
【状態】健康、葛藤
【所持品】基本支給品、バールのようなもの@現実、ランダム支給品×1〜2
【思考】
1:生き残ってアイドルになりたい
2:でもでも、そのためにひどいことをするのは…。
【備考】
※茶髪ツインテールにメイド服、喋り方など一見女の子です
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投下終了です。sideM再開はよ。
えー、キン肉アタル、マコト=ナナヤ、
それと自由の女神から外れた首輪、建造妖精で予約します。
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すいません、リアルの都合で
予約を破棄させてもらいます
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枠がひとつ空いたようなので
奈良の大仏@現実
エデン マリア・カデンツァヴナ・イヴ 神隼人 で予約します
それと>>29の時間を勘違いしていましたので
【一日目/深夜/F-7 ホームセンター】 → 【一日目/昼/F-7 ホームセンター】 に修正します
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予約に鹿目まどか、デシル・ガレットを追加します
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投下します
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結論から言えば、神隼人は体育座りをする男女に声をかけることはできなかった。
地図で言えば南の方角から凄まじい光が瞬いたからである。
振り返ると、全身から緑色のエネルギーを振りまく影が隼人たちを見下ろしている。
「あれは……」
神隼人は真ドラゴン討伐隊司令官であるが、昔はゲッターロボの操縦士兼ゲッター線の研究者でもあった。
だからこそわかる。
紛れも無くあれは……あの緑の輝きは……!
「ゲッターロボ!」
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別に三段階に変形して赤くて斧を持っていて頭が尖っていて空を飛ぶのがゲッターロボ、というわけではない。
ゲッター線で動くのならそれは全てゲッターロボである。
しかし、かと言って大仏がロボかというとそんなことはない。
大仏の関節は動かないし、大仏に人が乗るコクピットはないし、大仏はそもそも動くように作られてはいない。
しかしそれらの条件を全て覆す存在を隼人は知っている。
すなわち……ゲッター線。
ゲッター線は生物を進化させるエネルギーだ。生物とは意思を持つモノ。
自由の女神が意思を持っているのだから、大仏がそうでないという理屈はない。
なのでゲッター線は大仏の意思を知り、進化させることを選んだ。
その結果、
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↑ これが、
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こんな感じで動き出した。
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奈良県東大寺に建立された大仏の全長は全長がだいたい16メートル。初代ゲッターロボが38メートルくらいなのでおよそ半分である。
当然、隼人からすれば巨人もいいところ。
大仏は一直線にこちらに走ってくる。
大仏を構成する銅の量は約500トンとされている。そんな巨大な質量が走るものだから、地響きはするし轟音もなる。
隼人は巻き込まれないように避難しようとするが、
「おい、何してる! あれが見えないのか!」
樹の下で体育座りをする男女は見向きもしない。というか気づいてもいない。このままでは踏み潰されてしまうだろう。
大仏を迎撃するのは考えもしなかった。ゲッターロボならともかく、こんなショットガン一挺で何ができるというのか。
隼人にできたのは、二人の手を取って逃げようとすることだけだ。
女の方は抵抗もなく引っ張れたが、少年の方はあろうことか隼人の手を振りほどいてしまう。
「僕のことは放っておいてくれ……」
「……そうか、邪魔をしたな」
余裕があれば引っ叩いてでも立ち上がらせるが、大仏はもう背後まで迫っていた。
隼人はそれ以上は少年には構わず、転がっていたバッグを拾い無気力な女を連れて木から大急ぎで離れる。
やがて……
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` ―――  ̄ <プチッ
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隼人の見ている前で少年は踏み潰された。
あいつの名前も知らないし、生きる気力をなくした奴になど何の用もない。
特に悔しさを感じることもなく、隼人は通り過ぎて行く大仏を目で追った。
「大仏のゲッターロボ……言いにくいな。大ゲッター仏(だいげったー・ぶつ)でいいか」
状況はよくわからないが、あれもゲッターロボだというなら放っておく訳にはいかない。
大仏は南方から逃げるように走ってきた。もしかしたら南にも何かあるのかもしれないが……
と、そこで隼人は自分が女を一人抱えていることを思い出した。
早いところ大仏を追いたいが、この女を放っておけばまあ間違いなくあの少年のように野垂れ死ぬだろう。
「さて、どうする……?」
いまだ何も言わない女を放り投げて大仏を追うか、女と話をするか。
司令官は決断を迫られる。
【エデン@聖闘士星矢Ω 死亡】
【一日目/昼/C-1】
【マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】精神的疲労(大)、悲しみ、体育座り
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:殺し合いなんて考えられない。もうどうすることもできそうにない
2:…あれはノイズ?
【備考】
※第6話「奇跡――それは残酷な軌跡」にて、エアキャリアで体育座りをしていた場面より参戦
【神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】
【状態】なんだあれは…たまゲッターなあぁ…(驚愕)
【所持品】イサカM37(5/5)@現実、基本支給品×2、ランダム支給品×1〜5
【思考】
1:殺し合いには乗らない。主催者を叩き潰す
2:自分を殺しに来る相手には容赦しない
3:大ゲッター仏を追うか、この女と話をするか……
4:南の方には何かがある?
【備考】
※第4話「激震!! 荒れ狂う大地!」以降より参戦
※エデンの荷物を拾いました
-
◇
大仏は歓喜していた。
大仏は興奮していた。
大仏は困惑していた。
歓喜は……動けるようになったためである。
かつては東大寺の大仏殿に座していたが、今は手も足も思うとおりに振り回すことができる。
体中に力強い波動が脈動しているのを感じる。下駄亜線、というらしい。
これならば彼女に……愛しい彼女に会いに行くことができる。
大仏は大仏EVOLに進化した。
興奮は……この場に日の本の国と関わり深き米国の自由の象徴、自由の女神がいるためである。
奈良の大仏が建造されたのは西暦752年。それから幾度か消失し、現在の状態に復元されたのは1692年。
自由の女神が建造されたのは西暦1886年。
歳の差およそ1134歳(大仏としては復元された時からカウントして194歳を希望しているが)。
大仏は、自由の女神に恋をしていた。
日本を代表する像が奈良の大仏とすれば、アメリカを代表するのが自由の女神だ。
巨人像界ではまだまだ新参者の自由の女神だが、そんな彼女を、大仏は愛してしまった。
だがそこは遠き奈良とニューヨーク……二人が出会えるはずはない。千里眼で姿を覗き見るのが関の山。日課だった。
しかし、奇跡は起こった。
大仏はこうして動けるようになり、また、自由の女神もなんとこの場にいるらしかった。
なんでわかるかというと、ストーカー特有の思い込みである。しかし神仏の超能力的なものが働いているため、それは間違っていなかった。
具体的にどこにいるとは分からないが、この場所にいることは間違いない。
奈良とニューヨークよりずっと近ーい! 大仏はいてもたってもいられず、彼女に出会うために走りだしていた。
大仏EVOLは大仏LOVEに進化した。
困惑は……この場に本物のブッダがいるためだ。
大仏と言っても所詮は人が作った偶像である。
大仏の元は大日如来という釈迦如来の大本と言ってもいいビッグネームであるのだが、あいにくそれはオリジナルの話。
オリジナルのブッダと偶像の大仏とでは、さすがにちょっと上下関係的に気まずいところがある。
ましてや今の大仏は、自由の女神に恋している身なのだ。
告白の瞬間を見られでもしたら、神界でどんな噂になるかわかったものではない。
全力で走っているのも、ブッダの気配を感じて距離を取ったためである。
こうして、大仏はブッダから逃げ回りつつ、自由の女神に会いに行こうと決めた。
ちなみにどこからゲッター線を調達したのかというと、大仏にはゲッター炉心が支給された。
ゲッター炉心は大仏の額、ほくろのように見えるが実は丸まった毛の(白毫という)あたりに埋め込まれている。
ちょっと力を込めたらなんか光線出た。丘を一つ吹っ飛ばしてしまったので自重するべきそうすべき。
なんか踏んだような気もするけどまあこの燃える思いの前では瑣末なこと。大仏は自由の女神の姿を求めて走り続ける。
大仏の刻は今まさに動き出したのだ。
ところで、大仏の全長は約16メートル、対して自由の女神は約93メートルである。
台座とトーチの分を引いて女神本体で測っても約34メートル。
歳の差がどうこう以前に身長が完全に釣り合っていないのだが、そんなことは大仏の頭からは綺麗に抜け落ちていた。恋は盲目と言いますし。
【一日目/昼/B-1 丘(吹っ飛んだ)】
【奈良の大仏@現実】
【状態】ゲッターロボ化
【所持品】ゲッター炉心@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
【思考】
1:自由の女神へ求愛する
2:仏陀(セイヴァー)には会えない
【備考】
※ゲッター炉心を装備したことにより、自由に動けるようになりました。額の白毫からゲッタービームを撃てます。
【ゲッター炉心@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】
宇宙より降り注ぐ謎の放射線・ゲッター線を貯蔵する装置。
ゲッター線は意思を持っているとされ、人類を進化させる一方、ハ虫人類を絶滅させるなど様々な文明に干渉する。
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投下終了です
時間帯は深夜から昼に変えてますが、昼でいいんですよね?
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すみません、ネタに詰まったので破棄します。
2名空きができるので他の方どうぞ。
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サタン@真女神転生2
キャスター@Fate/zero
を追加で予約させていただきます
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投下乙です
なんだこれは……たまゲッターなぁ……
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投下乙です。
大仏のサイズって、座高じゃないの?
座高で16なら、釣り合う気がする。
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投下します
-
「‥‥」
とあるビルの屋上にその男はいた。
死んだような目で――じっさい死んでいるのだが――自由の女神像を見ていた男は次に自らの体を見、次に近くに落ちていたデイパックを見る。
「‥‥」
ふと何かに気がついたような動きをすると、男は近くの扉の窓ガラスに『入って』いった。
神崎士郎は考える。
自分の置かれたこの状況、この催しを。
彼は、これに近い状況を知っている。なぜならそれは今まさに彼が再び開こうとしていた戦い、ライダーバトルとごくに通っているからだ。
無言でデイパックを漁り中身を改める。手に握られていたのは小さな機械と金色の板、オーディンのデッキ。それをじっと見ながら彼は更に思考を巡らす。
――主催者の目的はなにか。
――主催者を信用できるか。
――ライダーバトルの続行は可能か。
――コアミラーはどこにあるのか。
ふと元の世界に視線を移す。なぜかこの地に建っていた自由の女神は、今はどこかおどろおどろしいものに見えた。
「‥‥」
ややあって、彼は歩き始める。ここには『絵』もコアミラーもミラーモンスターもない。だが、それでもこうしてミラーワールドがある以上彼の目指すものは一つ。
「戦え‥‥」
彼の手にはオーディンのデッキ。彼が求めるのは12のデッキ、そしてライダーバトル。
殺しあいの主催者という経験が、逆に彼に主催者に従わないという選択をもたらす。
「戦え。」
たとえどんな状況でも、ライダーバトルは行わなければならない。
それ以外に、彼に道はない。
さきほどおどろおどろしく見えた自由の女神は、彼を祝福するかのように晴れやかなものになっていた。
【一日目/深夜/E-4 自由の女神像付近のミラーワールド】
【神崎士郎@仮面ライダー龍騎】
【状態】死亡しているが健康 、
【所持品】基本支給品、オーディンのデッキ@仮面ライダー龍騎、レーダー@オリジナル
【思考】
1:ライダーバトルを続けるために『絵』とコアミラー、デッキを探す。
2:ないのがデッキだけならもう一度作る‥‥?
【備考】
※今のところライダーバトルを開くことしか頭にありません。結衣のこともとにかく今は考えてないようです。
※神崎はミラーワールドから約十分しか外に出られないようです。コアミラーが破壊されたときミラーワールドは崩壊します。
※どこかに『絵』やコアミラーがあると考えています。特に『絵』はないと神崎の心が折れます。
【レーダー@オリジナル】
最も近い生きている参加者の方角と距離を表示するレーダー。いちおう有効範囲は会場全てだが一度に一人しかわからずそれが誰なのかもわからない。
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投下終了です
タイトルは『思うがままに踊れない』です
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投下乙
戦わせなければ生き残れない!
主催者のことも考えてるあたり冷戦な判断もできるようだが
ライダーバトルのことしか考えてないあたり人間とは違うものを思わせるな
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完成したので投下します
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私は我が友の忠告を常に聞く。
「彼女に閂を掛け、拘束せよ!」
しかし、誰が見張りを見張るのか?
妻は手筈を整えて、彼らと事を始める
◆ ◆ ◆
「どうした、バーダック!お前の力はその程度か!?」
「くっ…ふざけやがって…!」
異なる世界から招かれた55人の参加者達による殺し合い。その舞台である孤島の離れの海上で1つの戦闘が始まっていた。
片や特徴的な髪型をした東洋人風の男で、よく見ると猿のような尻尾がある。
男の名前はバーダック。戦闘民族サイヤ人の下級戦士であるにも関わらず1万の戦闘力を有しており、宇宙の帝王と恐れられたフリーザにたった1人で戦いを挑んだ男。
片や20メートルはあろうという巨大なロボットで、右半身と左半身が異なる姿をしている。
ロボットの名前はターンX。遠い未来の月面のマウンテンサイクルに眠っていた最悪の黒歴史と呼ばれる存在であり、「単機で地球を3日で制圧できる」と称される機体。
そして、そのターンXを操る男の名は…。
「あぁつまらんなぁ、つまらんなぁ!!」
――ギム・ギンガナム。ムーンレィスの武門を司るギンガナム家当主にしてギンガナム艦隊司令官である。
マウンテンサイクルで発掘されたターンXに導かれるように、ロラン・セアックの搭乗する兄弟機。否、「弟」たる∀ガンダムと戦闘。
最後はロランと生身で剣で交えた末に、2体のターンタイプから発したナノマシンの繭に取り込まれて封印された。
しかし、現実にも彼はここにいるのだ。
時間を飛び、空間を越え、現代のこの場に。殺し合いの舞台となった孤島に現れたのだ。
「あの孫悟空の。いや、カカロットの父親という事もあって期待していたが…所詮は下級戦士止まりだったか!」
「言ってくれるじゃねぇか…。だったら貴様にも見せてやるぞ!サイヤ人の本当の力をッ!」
そう言い放ち、ターンXに突っ込んでいくバーダック。
その間にもターンXは背中に搭載されたウェポンプラットフォーム「キャラバス」から取り出したビームライフルで狙撃し続ける。
迫り来る銃撃を紙一重で回避しながら、この時彼はこう考えていた。
(見たところ、奴は遠距離戦を得意とするようだ。背中にある馬鹿でかい物体だが、
良く見ると銃器が2つ程は収納されてやがる。口のデカさの割にはとんだ狂戦士様だ。)
(だが、問題は奴の右腕だ。奴との戦闘はもう10分は続いているが、今まで1度も使ってきてねぇ…。
考えられるのはパターンは2つ。1つは「片手でだけで相手してやる」とでも言うサイン。
あのクソ野郎を思いださせるが、どうにも奴はそうしてくるとは思えん。
寧ろ全力で俺を殺しに来るはずだ。現にサイヤ人相手にここまで攻撃してくるのは、
よほどの戦闘狂かただの馬鹿かだが、奴は間違いなく前者に含まれる。となると残るのは
「俺を確実に殺せる何かを持っている」)
-
◆ ◆ ◆
「だったら、そいつを使わせる前に貴様をぶっ潰す!!」
「ハハハハハッ!それで良い!闘争本能の赴くままに戦えば我がターンXを倒せるかも知れんぞ!!」
激しくぶつかり合う1人と1機。誰がどう見ても異常だと分かるその戦いは、バーダックの劣勢だった。
無理も無い。ここにいるギンガナムは『本来の世界』。宇宙世紀が崩壊した未来世界のギンガナムではなかった。
宇宙世紀を含め、あらゆる世界が、あらゆる歴史が、
あらゆる記憶が、あらゆる文明が青い蝶の羽ばたきにより埋葬された世界。
つまり『本来の世界』とは『極めて近く、限りなく遠い世界』のギンガナムということになる。
バーダックのを知っているのも、彼が孫悟空の父親であることも、そして最初の超サイヤ人であることも、黒歴史を垣間見たことで予め知っていたのだ。
だからこそ、バーダックの戦闘方法も熟知しており、優勢に立ちまわってきたのだ。
しかし、それと共にこの戦闘においてギンガナムは1つ疑問を抱いていた。
(何故だ?何故バーダックは一向に超サイヤ人に変身しないのだ?)
そう、この殺し合いに召喚されたのは超サイヤ人に覚醒していない。言わばフリーザに倒され、惑星ベジータが破壊される直前の時のバーダックだったのだ。
「バーダック!貴様の中に眠る悪魔の力。超サイヤ人を見せてみろ!!」
「超サイヤ人だと?ふざけたことをほざくな!そんなものにならなくとも俺は貴様を倒す!」
バーダックはギンガナムの問いかけを受け流しながら、近距離戦に挑むも全て回避されてしまう。
(超サイヤ人を知らないだと?…成程。ここにいるバーダックは宇宙の帝王を名乗った不届き者、フリーザより屠られた時から来たのか。)
◆ ◆ ◆
「そうかい!小生は闘争を、その象徴である超サイヤ人の祖たる貴様には興味があったが、そうでない貴様等に用は無い!!」
「ぐっ…」
そう言いながらバーダックを殴り飛ばす。何とか体制を立て直すも、バーダックには限界が来ていた。
気はもうほとんど残っておらず、身体も長時間続く戦闘に対し悲鳴をあげていた。
そして何よりも召喚されたのが「フリーザに敗北した瞬間」というのが拙かった。この状態ではただでさえ苦戦を強いられている
バーダックをより一層不利にさせてしまっていた。
自身が置かれている状況を受け入れながら、戦う事をやめないバーダック。しかし、悲しいかな。
その姿は虚勢を張っているようにも見えた。もしこの戦いを第三者として見ている者がいたら「バーダックの敗北は免れない」と考えるだろう。
「悪いが俺はここでくたばるわけにはいかねぇ!!」
彼には負けられない理由があった。
仲間達を殺され、信頼していた男に見捨てられ、故郷諸共宇宙のチリと化した彼からすれば、この殺し合いで命を繋ぎ止めることができたのは願ってもないことだった。
今度こそフリーザを倒すためにもここで死ぬわけにはいかないのだ。
「これで最後だあぁ!!」
あの憎い男を思い浮かべ、己の全身全霊を込めたエネルギー波が倒すべき相手に向かって放たれる。
その距離はどんどん短くなっていく。
10メートル…9メートル…8メートル…
ターンXは動かない。まるで静止したかのように。
7メートル…6メートル…5メートル…
まだ動かない。このままターンXを貫くかと思われたその時。
-
「そんな攻撃でなぁ!このターンXを倒せるわきゃねえだろぉぉ!!」
弾き飛ばされた。己の全てを込めて放った一撃が。
あの時以上の力を込めた一撃がいとも容易く弾き飛ばされた。
「なっ…」
絶望に打ちひしがれたバーダックを尻目にターンXは、その右手を解放しバーダックに標準を合わせる。
まるで、獲物を追い詰めた肉食獣のように。
「貴様も新たな黒歴史の1部となるがいい!」
「シャイニングフィンガーである!!」
◆ ◆ ◆
迫り来る強大なエネルギー波を前に、バーダックは動く事さえ、
否。動こうともしなかった。彼は自らの死を受け入れていた。
そんな彼が最後に見たものは、守れなかった仲間達と妻。自身の子である孫悟空。そしてまだ見ぬ孫達の姿だった。
「ほう、ギアスキャンセラーに斬艦刀か。支給品としては中々の物だな。」
戦い終えたギンガナムは、ターンXを降り周囲を散策していた。
その顔は、先ほどの激闘を繰り広げていた者とは同一人物には見えないほど落ち着いたものだった。
ここに降り立った理由は2つ。1つはバーダックに支給されたデイパックの回収。
回収できるものは回収しておき、この戦いをより有利に立ちまわるには必要不可欠であった。
そしてもう1つは、あえて地に下りて散策することで、警戒されずにかつ戦闘が起きている地点を確認することにある。
その瞬間。
耳を劈くような轟音が大地に響き渡った。見ると近辺のホームセンターに煙が幾つか立っているのが確認できた。
――戦闘。それを戦いであることを直に察したギンガナムは、ターンXに乗り込み、その場へ向かう。
生きることは戦いであり、死を意識するからこそ生きることが実感できた。
戦いの中で人は己の闘争本能を蘇らせて来た。それは彼も例外では無かった。
「ハハハハハ!我が世の春が来た!!」
-
所変わって、ホームセンター。ここでもまた1つの戦闘が繰り広げられていた。
「どうして貴方はこんな酷いことをするんですか!無関係な人を殺すなんて!」
まどかの問いかけにデジルは答えず、ただ銃撃を続ける。
寸でのところで回避していくが、まどかは一向に攻撃できないでいた。
接近しようとしても銃撃を回避せざるを得ず、かと言って遠距離戦も回避されてしまう。
ガードしながら強引に突破しようにものなら、鋼鉄の巨人の範囲に入り込めるが、逆に装甲服を纏っていない頭部を狙われる可能性があった。
「お前に構っている暇はない!俺は、俺は――」
彼の言葉が続くことはなかった。その瞬間、まどかの目の前で鋼鉄の巨人が、スコープドッグが爆撃されたのだ。
それだけでない。ホームセンター全体を破壊せんと次々上空から狙撃の嵐が降り注ぐ。
これにはタイタスウェアを装備したまどかもホームセンターから脱出せざるを得なかった。
強襲が終わったその場にはあったはずのホームセンターが瓦礫の山と化していた。
空を仰ぐとそこには、先程戦っていた巨人をも上回る巨体を持った巨大な機動兵器の姿があった。
「会いたかったぞ鹿目まどか!さぁ『この世界』でのお前の力を我が前に示すがいい!!」
先の老人の命を奪った男が、今度は巨大機動兵器を操る男に殺された。
戦いは戦いを産み、悲劇は悲劇を繰り返す。
しかし、それを少女は受け入れるわけにはいかなかった。
今ここに、救済を望む者と破滅を担う者の戦いが始まろうとしていた。
【バーダック@ドラゴンボールZ 死亡】
【デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE 死亡】
【1日目/昼/7-G ホームセンター跡地】
【ギム・ギンガナム@∀ガンダム】
【状態】健康、気分高揚、ターンX搭乗
【所持品】基本支給品、ターンX@∀ガンダム、ギアスキャンセラー@コードギアス 反逆のルルーシュ、参式斬艦刀(ダウンサイジング)@スーパーロボット大戦OG、ランダム支給品1〜3
【思考】
1:闘争本能の赴くままに動く
2:まどかを倒す
3:この戦いを共に戦う同志を探す
【備考】
※ナノマシンの繭に封印された後からの参戦です。しかし、本来の∀ガンダム世界のギンガナムとは別人です
※黒歴史を垣間見た事で、他の参加者とその世界の事を理解・把握しています。ただし、1部の参加者にはずれが生じているようです
※ターンXは常に強固なIフィールドを発動しています。Iフィールドを突破する程の火力が無いとダメージを与える事ができません。寧ろパワーアップしてしまいます。
また、ナノマシンの自己修復機能も備わっており、ダメージを与えてもすぐに修復されてしまいます
※バーダックのデイパックを回収しました
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】疲労(中)、怒り、タイタスウェア装備
【所持品】基本支給品、AGEジェム、ランダム支給品1〜3
【思考】
1:敵を撃退する
2:暁美ほむら、巴マミを探す
3:キオを探して守る
【備考】
※魔法少女だった時の時間軸からの参戦です
※ソウルジェムはAGEデバイスと融合して進化しました
※ホームセンターは破壊されました
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投下終了です
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投下します
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「――調子に乗ったな、下賤の屑がァッ」
鬱屈とした空気の漂う夜天の真下にて、独り殺意を双眼に灯す筋骨隆々とした偉丈夫の姿があった。
紫がかった頭髪を腰ほどまで長く伸ばし、その背丈たるや常人のそれを優に上回る。別に何をする訳でもなく、ただそこに存在しているだけにも関わらず、彼という存在はまるで世界そのものから隔絶されているかのように空間の大異点と化しているのだ。
静寂(しじま)の底より目覚め、未だ誰も辿り着いたことのない高みを目指し地上世界へと凱旋した、ヒトならざる者。人間を踏み躙り養分とし、数多の畏怖を買ってきた吸血鬼すらも易々その糧とする上位生命体――『柱の男』カーズ。
カーズには目的(ゆめ)がある。二人の同胞と共に眠りから覚醒し、再び地上に降り立ち遂げるべき悲願が。
一族がまだ繁栄していた時期から、ずっと彼の心を掴んで離さなかった指標。「究極生命体(アルティメット・シイング)」となるべく、太古の昔に彼は後の世へ「奇妙な冒険」を齎す石造りの仮面を制作した。全てを完成へ導く上で必要となるのは、もはや究極の域まで自らを押し上げ、世を支配する為に研究を重ね、休眠期へ入る目前で浮上した最後の鍵、スーパーエイジャのみ。
同胞のワムウ、エシディシと共に目覚め、これよりそれを探しにかかる腹積もりだったが――何者かの介入によって彼は現在、狭苦しい箱庭へ幽閉され、殺し合うことを余儀なくされる無力な走狗と化していた。
カーズにはそれが許せない。
素性の知れない者の命に黙々従い、この身を良いように利用されるなぞ断固として拒否するところだ。
屈辱的の一言に尽きる。もしも児戯の首謀者が目の前に現れようものなら、速やかに斬刑に処してくれよう。
「楽に死ねると思うでないぞ、牛の糞のように下劣な人間め……このカーズを侮ったこと、後悔させてやる」
ぎりり、と奥歯を噛み締める音が鳴る。
腸が煮え繰り返る思いというのを、カーズはこの時久々に経験した。
行動指針は改めて定め直すまでも無し。こんな辺鄙な場所で荼毘に臥すなぞ断じて認めない、故に目指すのは生存。そして首謀者の抹殺だ。そこに至るまでは郷に従い、この箱庭に放たれた羊共を狩猟することで無聊の慰みとするまでのこと。
彼は人間に対し、欠片の温情も抱いてはいない。
所詮は邪魔者、下等生物――このカーズに蹴散らされ、無様にやられ役を飾っているのが似合いの愚図の群れ。
だからこそ、彼はそこに一点の疑念も持たずにいた。
誰一人としてカーズを斃せない。究極の高みへ到らずとも、そこな有象無象風情を皆殺しにするくらいのことは朝飯前だ。
女、子供、老若男女全て関係なし。この視界に入ったならば速やかに死ね、天蓋の外れた煉獄の如く怒りを止め処なく溢れさせる彼に最早躊躇いや慈悲の心などありはしなかった。
端的に言えば。彼は殺し合いに乗ったのだ。
その先に首謀者の抹殺という目的こそあれど、殺人者か否かという箇所に於いては紛れも無く前者。
IQ400もの頭抜けた知能、そして人間がどれほど鍛えようと追いつけないほどの身体能力。
敗ける訳がない――。
心からそう信じて、カーズは殺戮の道を征くことに決めた。
「……フン。まずは手始めに、あの塔を制圧してみるか」
ギロリ、と一対の眼球が聳え立つ灯台を捉える。
些か目立ちすぎるきらいがあったが、元より隠れ潜む夜盗の真似事など性に合わない。
あれを拠点と据え、縄張りを作り獲物を狩る百獣王のような手際の良さで、数を減らしていくとしよう。
かつ、かつ。魔物が進む。何に怖じることもなく、堂々と突き進んでゆく。
人間の生み出した兵器など、所詮たかが知れている。
鉄の弾を幾ら打ち込もうとしたところで、この私を討ち取るには余りに不足だ。
-
圧倒的な余裕。口角を吊り上げ、いざ灯台の入り口が見えてきた――その時。
「―――!?」
カーズは瞠目する。
そして、反射的に飛び退いていた。
痛みがあった。周囲に人影が存在しないにも関わらず、何者かから攻撃を受けた『痛み』があったッ!
「こ、これは……『雹』……ッ!?」
天より降り注ぐ、季節外れの雹。
自然現象としては珍しくないが、明らかにこれは自然が齎すそれよりも高い威力を持っている。
そうでなければ、自分にとってこの程度の事、足を止める理由にすらならない筈なのだから。
「ち――」
輝彩滑刀の流法を解き放ち、ばら撒くように降下する砲弾の如き雹を振り払う。
混乱がなかったといえば嘘になる。
こんな形で攻撃を加えられるとは予想外であったし、雹を降らせるというそのスタイルもまた驚きだ。
不味い。何が起きているのかは分からないが、一先ず室内に避難し雹より逃れなくては。
地面を蹴り、陸上選手顔負けの瞬発力でもって灯台の中へ滑り込む。
雹が襲い止んだことにふと安堵し、次の瞬間に激しい怒りの感情が巻き起こってくるのを感じた。
「何者かは知らんが、やってくれる……」
恐らく、この灯台には既に先客がいるのだ。
此処を拠点とし、ゲームを制そうとする先客が。
忌まわしいことだが、己はまんまと其処へ誘い込まれてしまったのだろう。
しかしそれまでだ。相手が悪かったな、と哀れみさえ感じる。
然るべき報いを、死という形で与えてやるぞ――突き進むカーズ。
次いで訪れたのは烈風。だがそこは流石のカーズ、何か仕掛けてあると想定さえしていれば対処するのは難くない。
輝彩滑刀が唸り、大気を切り裂き、少しの負傷は持ち前の再生力で補う。
彼は知らないことだが、幸運にもこの異界を構築している参加者はカーズのような手合いを苦手としていた。
即ち、純粋に強い者を。策を奏でようと搦め手を放とうと、諸共引き千切られては意味が無い。
「クク……しかしこのカーズ、貴様のようなやり方は嫌いではないぞ。
どんな手段を使おうと、勝てばそれで良い……実に合理的だ。だが、精々狼から逃れようと必死こいて息を押し殺すノウサギのように、逃げることに専念するべきだったな……!」
そうして辿り着く、最上階。
其処には、ソファに座す端正な顔立ちの男が存在していた。
煙管を吹かし、何を考えているのか分からない切れ長の瞳でカーズを見つめる。
やがて男は、呵呵と笑った。
-
「おォ、随分速かったの。こりゃ予想外じゃ」
「貴様が仕掛人か。フン、ゲスな小細工だったな」
「冷たいのォ。鬼面共も此処には居らんし、参った参った。どうするんなら、これ」
独特な方言から放たれる言葉は、貫徹して敗北を認めるものだ。
だがカーズは訝しむ。
あまりにも、余裕すぎないか――と。
輝彩滑刀の鋒を定めつつ、目を鋭く尖らせ詰問する。
「貴様……何故そのように笑う? 自分がこれから辿る運命も理解できないようなマヌケなのか?」
「そうさなァ。俺は盲打ちじゃ。細かい事グチグチ考えて動くのは性に合わん」
「…………」
カーズは瞬時に確信する。
信用ならない。この男は、決して信を置いてはならないタイプの人間だ。
人間の分際で自らを欺かんとするなど腹立たしいにも程があったが、まだ落ち着いておかねばなるまい。
何かがある。この逆境を覆し、自分を破滅させる一手が残っている。
それを見抜き、正面から切り裂いて……それから、此奴を殺すべきだ。
――聴覚を集中させる。鼠一匹の足音さえも聞き逃さない、強い集中力で暗闇の室内へ意識を回す。
どのくらいの時間が経ったろう。
一分、五分、或いは十分を超えていたかもしれない。
部屋の隅に隠れ潜み、気を窺っていた『三人目』の登場人物が動いた!
「――マヌケがァッ!」
だがそれこそ、カーズの待ち構えていた瞬間!
飛来する鉛の弾丸を軽やかに躱し、追撃を許さず踏み込み、銃器を容易くその細腕より奪い取った。
ぐっ、と小さく呻く青年。あの男よりは年下だろうが、ある種の凄味を感じさせる眼の色をした痩せ型の青年。
「このカーズを此処まで難儀させたのには賞賛を贈ろう……だが侮ったな、カスが」
「く……そッ……!」
青年は唇を噛み締め、高揚するカーズを悔しそうに見上げる。
カーズはそんな青年に、躊躇わず銃口を向けた。
彼なりの皮肉のつもりだったのだ。
人間が最強と驕り、愚かにも向けてきたこの銃器。
これで生涯に幕を引いてやれたなら、手こずらせた礼になろう。
引き金に指をかけ、笑みを一層深くする。
「さらばだッ、下等の人間めがッ!」
その時、煙管の男もまた笑みを深くしたことに、カーズは遂に気付かなかった。
パチン! と、室内照明が点灯する小気味いい音が鳴る。
なにッ――カーズが一瞬驚き動きを止めた時、既に全ての決着はついていた。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ずる――」
彼の敗因はたった一つ。
世界線こそ違えども、こと盤上の戦にこの上なく長けた存在を同時に相手取ってしまったことだ。
「―――『バトル・ロワイアル』を挫く、『対主催者』となれッ!!」
-
◆
「くく――きひひひ、はは。どうじゃ、案外上手くいくもんじゃろ?」
「……盲打ち、だったか。生憎、お前のやり方は俺には合わないようだ。よく分かった」
室内照明のリモコンを片手でくるくると弄び、煙管の男――壇狩摩が愉快げに笑う。
対し、長身痩躯の青年・ルルーシュ・ランペルージは気に入らん、とばかりに嘆息した。
二人の企てた策は、さして難しいものではない。
狩摩の持つ異能・「邯鄲」の片鱗である「創界」の法を用い、カーズを塔内まで誘い込む。
適当にその都度繰り出していた烈風等の妨害手段にさしたる意味は存在しなかった。
あれで朽ちてくれるなら万々歳だし、最上階まで上ってきたならそれはそれで都合が良い。
頭の良い人間ほど、狩摩の余裕を危険視する。
何かがあるのではないかと疑い、疑念にまずは周囲を警戒する。
結果潜んでいたルルーシュに気付けば、隙を見て照明を点灯させ不意を突き、ルルーシュに宿る呪い……『絶対遵守のギアス』を発動させ、無力化してしまえば決着だ。
仮に警戒しなくとも、それならルルーシュがそのまま狙撃するなりして倒せばいいだけのこと。どう転ぼうと一定の成果が得られるように組み上げたプランだったが、しかし実際に実行すれば予想以上に胆が冷える。
「しっかしの。お前みたいな輩は、大概下衆い表情(かお)して優勝掻っ攫う腹かと思っちょったんじゃがな」
「俺の目的は、全て完遂された。謂わばこれは人生の延長みたいなものだ」
「だから正義の味方に衣替え、と。うはは、何じゃ。食えん野郎じゃのォ」
「……お前にだけは言われたくないがな。盤面不敗」
ルルーシュは、本来此処に居るべき人間ではない。
彼は既に死んだ筈だった。
ゼロ・レクイエム――全ての敵意を己の身一つに集中させて、それを自らの友に殺させることで世界を新たなテーブルにつかせる、文字通り一世一代の大策謀。それが成功した今、彼に無理矢理生き残らねばならない理由は存在しないのだ。
ならば、精々戦ってやろう。まさか未だこんな難儀な戦いが待っていようとは思わなかったが、乗りかかった船だ。
撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけ――それを、改めて刻みつけてやる。
(はてさて、たいぎィことになったモンじゃ)
口には出さず苦笑する、狩摩。
夢界六勢力が一角、『神祇省』の首領を務める彼にとっても、この蟲毒は予想だにせぬ事態だった。
宛ら災害のように訪れ、混沌の相を呈し終わりの兆しを見せない。
-
(困ったのォ、困ったのォ――きひひ。じゃがまあ、一丁やったるわ。笑うんは俺じゃ。これは常に決まっちょる)
壇狩摩の一手は常に盲打ち。
策を介さず、故に誰にも裏を取らせない。
(きひひ――ひひ、かはは、うはははははァァッ)
盤面不敗。
仏や天魔であろうと、壇狩摩の裏は絶対に取れない。
ここに、異世界の策謀遣いが交わった。
【一日目/深夜/A-7】
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜2、コルト ガバメント@現実
【思考】
1:バトル・ロワイアルを頓挫させる
2:当面は狩摩と行動。殺し合いに乗った参加者は片っ端から無力化する
【備考】
※R2、最終話後からの参戦です
※ギアスで、他人の生死に関わる命令を行うことは出来ません(●●を殺せ、などは可)
【壇狩摩@相州戦神館學園 八命陣】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜2、煙管@相州戦神館學園 八命陣
【思考】
1:勝利する
2:ランペルージと行動。ギアスとは便利なモンじゃのォ。
【備考】
※参戦時期は共通ルートからです
◆
そして、柱の男は一人夜の闇を往く――
【カーズ@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】健康、ギアス
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:『バトル・ロワイアル』を挫く、『対主催者』となる
【備考】
※参戦時期は少なくともエシディシが斃される前です
※ギアス「『バトル・ロワイアル』を挫く、『対主催者』となれ」を施されました。
-
投下終了です。
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投下乙です
-
投下乙です。
開始時刻は正午なので、カーズに日光対策させた方がいいですね。
例えば、支給品とかで。
-
final shore 〜おお、再臨ありやとの場所を
【1日目/昼/7-G ホームセンター跡地】から【1日目/昼/7-F ホームセンター跡地】
に変更します
それとマリア・カデンツァヴナ・イヴ、神隼人で予約します
-
すいません、事情で予約を破棄します
-
俺@シャアが来る 予約します。
-
ウルトラマンゼロ@ウルトラマンシリーズ 予約します
-
ああっと遅かったか!予約撤回します
-
短いですが
国会議員、ジャンヌ・ダルク
投下します
-
燃える燃える。炎が燃え上がり、煙をあげて灰になる。
「はははははははははは!!」
そこには惨劇が広がっていた。燃え上がる木、火に包まれた草。紛れもない火事。
その炎の中心に、甲冑を纏った少女が立っている。
少女は業火を吹き散らし、狂気の笑みを浮かべて大声で喚き立てる。
「はははははははははは!!燃えて焼けて灰になるがいい!!」
暑いよう暑いよう。体が燃えるよう。みんな焼けてしまえよ。
みんなみんな灰になれ
空に水面に浮いて漂え
少女は呪詛を撒き散らし、ただ衝動のままに目につくものすべてを燃やし続ける。
ジャンヌ・ダルクは救国の英雄として名高い少女だ。
国(フランス)や神(キリスト)、守るべき民のために戦い、そして最後にはその存在を疎まれ魔女として処刑された。
英雄として国を救った少女ジャンヌは世界を憎み、人を憎み、そして破滅を願う廃棄物(エンズ)となって異世界に生き延びた。廃棄物となった人間は人外の力を得るのだが、彼女の場合はその処刑方法が関係しているのか、炎を操る事ができる。
「燃えろ燃えろ!!みんな燃えて堕ちればいいッ!!」
また、廃棄物は少なからず理性を失っているようにも見えるが、彼女は特にそれが顕著で、もはや人格破綻の域に達している。
――オルレアンの乙女
その高貴な面影は無く、今や彼女は同じく火あぶりで弾圧された「魔女」とさえ形容できるだろう。
「はははははははははは!! 燃えてしまえ燃えてしまえ この世の全てが燃えて落ちればいい!!」
すべてを燃やしながら、ジャンヌは見つけてしまった。
狂乱の渦のなか、迷い混むひとりの男を。
顎の長い長身の男だ。なぜか腹を押さえてよたよたと歩いている。その顔は苦痛に歪んでいた。
誰か他の参加者にでも教われたのだろうか?
思考を巡らすのも一瞬のこと。
ジャンヌはニヤリと笑みを浮かべ、一種の蝶々もなく男に炎を放った。
なぜそうしたか、理由はない。強いて言えば目に入ったから。
哀れな男は、熱風に煽られ無様に地面に転がる。
丁度、尻をジャンヌに向ける形で。
「はははははははははは!!どうした黄色猿!!逃げないのか?」
あまりにも無様で滑稽な姿に笑うジャンヌ。
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瞬間、ジャンヌはブッ飛んだ。
-
男の名前は――国会議員。
党首を努めていると思われる政党名は〝日本コブラ党〟
代表を努めていたプロレス団体は〝超新日本プロレス〟
彼は生命の危機を感じていた。
身体中から脂汗がとまらない。腹部からは絶えずに痛みが襲いかかってくる。苦しい。とっても苦しい。
「はははははははははは!!どうした黄色猿!!逃げないのか?」
何やら声がするが、それどころじゃない。
人間にとってもっとも周囲への認識が薄くなる状態であったからだろう。
国会議員は、炎の魔女に気づいていなかった。
炎の熱さも、煙も、熱風も、どうでもいい。
(くそッ!?。よりにもなぜ……なぜ私のリング(便器)に向かう最中に……!?)
今にも発射されそうだ。ていうか発射する。一年くらい溜め込んでるの出る。
――ウ○コが漏れそうだ。ていうか漏れる。
そして
限界は来た
-
※BGM[燃える闘魂 国会議員のテーマ]
チャーーチャーー
(コッカイギイン♪)
チャーーチャーー…
(コッカイギイン♪)
チャーーチャーー
(コッカイギイン♪)
チャーーチャーー
(コッカイギイン♪)
チャーチャーチャー♪
チャーチャーチャーチャー♪
チャーチャーチャー♪
チャーチャーチャーチャー♪
「もう……限界だ……」
いーーち!!
にーーっ!!
さんっっ!!
「ダァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーッッ!!!!」
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-
「ぎゃああああああああああッ!?」
なんだこれは?!なんだこれは!?なんなんだこれはアァァァァ!?
ジャンヌは全く理解できなかった。
燃える木々も、煙も、一切合財巻き込みながら、眼前に茶色い"何か"が凄まじい勢いで迫ってきたことを。
いや、理解はできる。この臭い、この感触、これは……
だが駄目だ。認めてしまったら自分は――
汚物特有のアンモニアが鼻につく。
鎧越しから生暖かい感触と、熱が伝わってくる。
ジャンヌは意識を手放した。
【一日目/深夜/F−1森】
【ジャンヌ・ダルク@ドリフターズ】
【状態】ウ○コまみれ、失神
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:すべて燃やす
【備考】
※参戦時期、及び能力制限などについては不明です
国会議員という男を象徴するものは、その人知を越えたウ○コ。
彼の排泄はもはやテロ、兵器の域に達している。
便器に流せない程の山盛りウンコをするのは当たり前。
後に進化の一途を辿り、その被害は拡大して行った。
大沢木家の便所を破壊。
エレベーターを破壊。
屋形船を沈没させる。
飛行機を墜落させる。
デパートの屋上を地獄絵図に変える。
落石と錯覚させる程のウンコを山頂から 撒き散らす。
流れるプールを阿鼻叫喚図に変える
もうなにがなんだかわからないレベルのウ○コ・イズ・ウ○コ。
幸い、彼のウ○コで死者は今のところ確認されてはいない
(だが彼の"屁"によって犬が即死している)
ジャンヌは、決して触れてはならない&近寄ってはいけない浦安のタブーに触れてしまったのだ
…………
………………
……………………
それはウ○コと呼ぶにはあまりにも大きすぎた。
でかすぎた。
大雑把すぎた。
そして臭かった。
全てが終わった後、そこには富士のごとき壮大な茶色の巨山があった。こし餡ではなくつぶ餡だった。
/~ ̄ ̄ ̄\
/ ヽ))))))))ヽ
/ ミ/ ̄ ̄ ̄ ̄V|
|ミ| ーー V
| / __))_|
ヘ イ ッ=・=/〈・=ッ)
`|(L| _/ |ヽ |
ヒ| ( \_ノ )|
ヽ ヽ\ェェェェェ/ノ
/ \ \  ̄ ̄/|
/| | \ ⌒ |
| |/><ヽ___ノ
| |||| |
国会議員は至福の表情を浮かべていた。
スッキリ爽快。やっぱり出すものは出した方が気持ちいい。
だが議員さん――野糞は犯罪ですよ
【国会議員@浦安鉄筋家族】
【状態】すっきり爽快、下半身露出
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:やはり一年は溜め過ぎだったか…
【備考】
ウ○コ漏らしました
【全体備考】
森がウ○コで溢れました。
-
以下投下終了です
-
投下乙です
汚いSSだなぁ…(呆れ)
国会議員はせめてちゃんと尻を拭いて、どうぞ
-
参加者予約状況と現在地まとめる人いませんかね?(チラッ)
-
投下乙です。
野糞塗れの聖女。
興奮する。
-
短いですが、投下します。
-
生まれ落ちた日からの記憶が、私という人格を形作った。
大事なものは皆に貰った。
城の皆、街に住まう皆、私を守ってくれた皆、私の後ろに去って行ってしまった皆。
生まれ落ちるよりも前からの経験が、私の背中を押してくれている。
大事なものを貫くための経験、前に進むための力。
必要なものは全てそろっていた、だから必要なのはただ一つ。
覚悟だけ。
◇
-
枝葉の隙間から差し込む光が時刻を示す。
直前までの"闇"が嘘のような昼下がり。
木々が連なり葉が重なる地面の上。
周囲を見渡し、状況観察。
それこそがなによりも大事なのだと知っている。
夢ではない、現実なのだと奪われた荷物と、与えられた物資が示していた。
このカバンは便利だな、重さを気にしないで行けるなんて冒険にはうってつけだとか。
"魔王"はここにいるのだろうか、それとももっと別の"何か"が在るのだろうかとか。
そんないつもに立脚した考えに頭を移して、すこしずつ切り替える。
幾つもの生を歩んだ、幾つもの死を越えた。
記憶という拠り所を持たない経験たちは、あてずっぽうも同然な勘にも似ていて、間違うことも多いけど。
それでも手放せない"私"の一部だ。
その経験たちが言うのだ、あの"闇"に大いなる未知と脅威を。
"闇"の中響き渡る声はまるで"闇"そのものが意思を持っているかのよう。
その感情は、かの"魔王"からすら感じなかった熱意。
練り上げられた、底抜けの"悪意"。
首元に手を伸ばす。
ヒヤリとした、硬い金属の感触が伝わってくる。
その冷たさに夢じゃないと、改めて感じる。
その冷たさに生きていると、改めて感じる。
そして、連想する。
勇者の血筋のみに許される禁断の術。
あの"魔法"は、こんな時のために遺された"禁呪"だったのではないかと。
実際に使われたところを見た事は一度もなく、彼女自身、それを扱えることを実感しても決して使おうとなどしなかった魔法。
払うあまりにも大きな代償に、使わずに済むならばそれが一番だと、どこか逃げていた選択肢。
そこに"必要性"を感じた。
眼をつむる。
祈るように息を潜めて、過去に想いを馳せる。
笑っている人がいた。泣いている人がいた。悲しんでいる人がいた。
ケチンボな人がいた、ちょっとエッチな人がいた、優しい人がいた。
私の後ろを通り過ぎて行った、色んな人たちのことを想った。
もう、会えないことがわかっている人たちのことを想った。
この呪文を唱えることは、そんな人たちが生きていた"世界"にもう戻れなくなることを意味していた。
だけど、
「それでも、私はこの世界を守りたいから……!」
大きく息を吸って、吐き出した。
「……原始の神よ、今こそあるがままの大自然の力をこの手にッ!!」
だから、この言葉を唱えよう。
覚悟の言葉。前に進むための言葉。
後戻り出来ない、片道切符。
「ゼヌーラ!!」
ごうっ、と風が彼女の周囲を吹き回った。
【1日目/日中/D-5森】
【ネームレス@片道勇者】
【状態】ゼヌーラ
【装備】武器:なし 防具:なし 追加装備:バトルロワイアルの首輪
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:もう、後戻りはできない……
【備考】
クラスは勇者Cです。
以下、ゲームにおけるゼヌーラの呪文の効果文です。
ゼヌーラ
永久に防具装備不可になり、
攻撃・理力1.6倍、回避率50%増加、
理力ダメージ半減
スキルの説明には表記されていないが、
命中率+10%、スタミナ1.5倍、必殺率+40%、行動速度上昇の効果もある
尚、追加装備(盾や頭装備相当)は装備できるので急所はガード可能!!
CERO対策も万全だ!
(シルバーセカンド開発日誌 片道勇者おまけ話より 一部編集、抜粋)
-
投下は以上です、タイトルは「首輪は追加装備枠」でお願いします。
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【一日目/日中/G-3】
【七瀬遙@Free!】
【一日目/深夜/E−4整備された道】
【チンクル@もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド】
【1日目/昼/D-4】
【ベジータ@ドラゴンボールZ】
【十六夜咲夜@東方Project】
【セイバー@Fate/stay night】
【アクセル・アルマー@スーパーロボット大戦OG】
【一日目/日中/F-6/民家】
【雨生龍之介@Fate/zero】
【アリス@デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト】
【1日目/日中/C-6 墓地付近】
【黒のアサシン@Fate/Apocrypha】
【暗黒幻影獣ボンゴボンゴ@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
【一日目/日中/A-2】
【猿投山渦@キルラキル】
【柊つかさ@らき☆すた】
【一日目/日中/A-2】
【ユーサー・インサラウム@第2次スーパーロボット大戦Z再世篇】
【1日目/日中/G-5】
【キン肉アタル@キン肉マン】
【マコト=ナナヤ@BLAZBLUE】
【1日目/日中/D-1】
【セイヴァ―(ブッダ)@Fate/EXTRA】
【一日目/日中/E-4/復元された自由の女神像】
【ファニー・ヴァレンタイン@スティール・ボール・ラン(ジョジョの奇妙な冒険)】
【一方通行(アクセラレータ)@とある魔術の禁書目録】
【一日目/日中/D-2】
【水嶋咲@アイドルマスターsideM】
【一日目/昼/C-1】
【マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG】
【神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】
【一日目/昼/B-1 丘(吹っ飛んだ)】
【奈良の大仏@現実】
【一日目/深夜/E-4 自由の女神像付近のミラーワールド】
【神崎士郎@仮面ライダー龍騎】
【1日目/昼/7-G ホームセンター跡地】
【ギム・ギンガナム@∀ガンダム】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【一日目/深夜/A-7】
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【壇狩摩@相州戦神館學園 八命陣】
【カーズ@ジョジョの奇妙な冒険】
【一日目/深夜/F−1森】
【ジャンヌ・ダルク@ドリフターズ】
【国会議員@浦安鉄筋家族】
【1日目/日中/D-5森】
【ネームレス@片道勇者】
31/47
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【フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE 死亡】
【円亜久里@ドキドキ!プリキュア 死亡】
【自由の女神像@現実 死亡】
【Y.H.V.H@真女神転生2 死亡】
【アシュラマン@キン肉マンⅡ世 死亡】
【エデン@聖闘士星矢Ω 死亡】
【バーダック@ドラゴンボールZ 死亡】
【デシル・ガレット@機動戦士ガンダムAGE 死亡】
47/55
233 名前: ◆X0q78mh/0k[sage] 投稿日:2014/04/27(日) 21:30:56 ID:0mZdawHc0
俺@シャアが来る 予約します。
234 名前: ◆em0/u2z4a.[sage] 投稿日:2014/04/27(日) 21:33:19 ID:uX.IuInk0 [1/2]
ウルトラマンゼロ@ウルトラマンシリーズ 予約します
209 名前: ◆z1oD1hd4IM[sage] 投稿日:2014/04/26(土) 16:08:46 ID:xiMO4teU0
サタン@真女神転生2
キャスター@Fate/zero
を追加で予約させていただきます
185 名前: ◆z1oD1hd4IM[sage] 投稿日:2014/04/25(金) 14:41:44 ID:4Hw2SowY0 [2/2]
徳田新之助@暴れん坊将軍 を予約します
91 名前: ◆lQoNiC1pKk[sage] 投稿日:2014/04/23(水) 00:47:44 ID:.0DgiQHA0
枠残ってたら木曾@艦これで予約します!
64 名前: ◆yNQGqYZGMg[] 投稿日:2014/04/22(火) 23:15:57 ID:bCYTqdHE0
田中眼蛇夢@スーパーダンガンロンパ2、与次郎次葉@めだかボックス、志賀慎吾@学園ハンサムを予約します。
57 名前: ◆zSCXhaLeQ6[sage] 投稿日:2014/04/22(火) 22:30:05 ID:ZEl02en.0
ジャギ@北斗無双 クック@コマンドー デデデ大王@星のカービィ(アニメ)で予約します
50 名前: ◆m8iVFhkTec[sage] 投稿日:2014/04/22(火) 21:40:13 ID:2vgK0lGE0 [7/7]
イカ娘@侵略!イカ娘、針目縫@キルラキル、ジョン・メイトリックス@コマンドー、葉月渚@Free!で予約します
未登場16
-
集計乙!
数えたら53人なんだが2人足りなくない?
-
まとめ乙〜
しかし纏まりないなーwww
-
乙です。
ん? ゼロの予約って撤回されませんでしたっけ?
-
まとめ乙です
-
投下します
-
「……お?」
確かに自分は死んだ筈だ。
醒鋭孔を突かれ痛みに悶え苦しんで、ケンシロウの拳を顔面に食らって吹き飛び、トキとラオウが生きている事を示して自分は死んだ。
形すら残らずに消滅したはずなのだ。
しかし跡形も無く消えた筈だというのに、体は正常な形を保っている。
それどころか被っていた筈のヘルメットも、体に突いた北斗七星の傷も無くなっている。
「……お、お?」
頭部を触って確認するが、忌々しい傷を矯正する為の金具は存在していなかった。
当然髪の毛は抜け落ちていないし、顔も醜く歪んでいない。
何もかもがケンシロウに復讐する前の、ケンシロウに秘孔を突かれる前の状態に元通りになっていた。
腰にあった筈のショットガン、抱えていたバズーカ砲、隠していた核弾頭と焼夷弾は消えていたが。
「……どうなってやがる」
あまりにも不可解な状況に男――ジャギはその場に腰を下ろし腕を組んで考える。
先にも述べたが自分はケンシロウの手にかかって死亡し跡形も無く消えた筈だ。
なのにこうして存在しているし、しかも顔も体も何もかもが元通り。
「さっきの声のアイツが生き返らせたのか?」
他の参加者を殺して最後の一人になれ――誰だか分からぬ声はそう告げた。
バトルロワイアルと称した殺し合い、まるで自分が生きている世紀末のようだ。
「だとしたら……感謝しねぇとなぁ」
要は一人になればいいわけだ。
それならば容易い。何故ならば俺は北斗真拳の伝承者として鍛錬を積んでいたからだ。
自分よりも拳の才が豊かな兄者であるラオウやトキはいないし――不本意だが自分よりも実力のあるケンシロウもいない。
無理に彼を貶める必要も無いのだから、やりたい放題に動ける。
とどのつまり、余程の事が無い限り自分は負けないのだ。
「俺様に、もう一度チャンスを与えてくれてよぉ!」
こんなチャンスはもう二度と訪れないであろう。
今ここに、兄より優れた弟など存在しない事の証明をするのだ。
そのためには――非常に不本意だが大きく離れてしまった差を埋めなくてはならない。
認めたくはないが、自分は手も足も出ずに殺されてしまったのだから――非常に不愉快だが強くならなければならない。
どんな手を使っても勝てないのならばその上を行け。
あらゆる策を弄しても勝てないのならばその上を考えろ。
「ケンシロウ〜……、待っていろ! 必ずこのジャギ様が殺してくれる〜〜!」
□□□
-
「エスカルゴーン! メタナイトー! ここは何処ゾ〜イ!」
おおよそ人型には見えないまん丸に太ったペンギンのような化け物は、家来の名前を呼びのそのそと歩く。
彼の名はデデデ大王。呆れるほど平和な国、プププランドを統治している大王である。
わがままで乱暴でバカな性格で、おおよそ大王とは呼べないが大王である。
自称ではあるが、大王である。
「だ、誰もおらんゾイ……。もしかしてワシだけがここに? か、カービィ〜!」
上記の様な性格ではあるが、決して邪知暴虐の王というわけではない。
民を虐げる事はあれど、民を苦しる事はあれど、閣下に極刑を言い渡す事はあれど、彼は誰かを殺したりすることは無かった。
知能が極端に低い為に善悪の判断がつかないだけであり、多少なりと彼にも正義の心はあるのだ。
モンタージュ理論を用いてカービィを陥れようとしたり、アナーキストという言葉を知っていたりするが、知能は極端に低いのである。
「お、おーい! 誰かおらんのかー! 一人は心細いゾイ!」
これが知能が低い事の表れである。
殺し合いにおいて大声をあげるなど、自分の位置を晒すに同じ。
そうなればどんな人間であろうと声に導かれるのは自然の節理である。
「おお! そこの……、何ゾイこの九頭身は」
現にほら、大王が住む世界にはいなかった九頭身の男性が来た。
カスタマーサービスのようにスーツをキッチリと着こなした黒人は、目を細めて大王の姿を見つめる。
大王が住む世界に八頭身が存在しないのと同じく、彼――クックが住む世界にもこんな化け物は存在しない。
「……何だこのペンギンは」
自然と反応は大王と同じになる。
だが大王が現れた存在を不審に思うのに対して、クックは至って冷静に自分の目的を遂行しようとしていた。
「まあいい。さっさと殺してやる」
小声でボソリとクックは呟いた。
目的、即ち殺し合いの優勝である。
殺し合いに呼ばれる前にクックは上司――アリアスに元コマンドー部隊を抹殺しろ、という任務が与えられていた。
これは作戦の序盤であり、最終的な目的はその元コマンドー部隊の一人、ジョン・メイトリックスを捕らえて現バル・ベルデの大統領を暗殺させるというもの。
最も信頼していた相手に暗殺されるというのは何よりも絶望は大きいだろう――そういった理由から作戦は執行された。
元コマンドー部隊を殺すならばディアズだけでも事足りるが、念には念を入れておきたい。
彼はいち早く殺し合いに乗る事を決めたのだった。
「んん? それはナイフかゾイ?」
勿論デデデ大王がそんな事を知る由も無く、クックが懐から取り出したナイフをしげしげと眺めていた。
軍用ナイフことコンバットナイフ、元グリーンベレーに所属していたクックにはおあつらえ向きであろう。
「…………」
「……な、何かヤバい気がするゾイ」
-
さすがの大王でも雰囲気で察してしまった。
家来であるメタナイトからたまに受ける、強い殺気の篭った眼。
家来であるエスカルゴンから良く受ける、強い怨念が篭った眼。
宿敵であるカービィから良く受ける、邪な感情が無い綺麗な眼。
特にこの男はメタナイトみたいな強い殺気が篭った眼をしていた。
それに気付いた時には、既にクックは素早い動作で大王に迫っていた。
「へ……、どぅわっはぁあああ!!?」
時既に遅し。
目の前に振り下ろされようとするナイフを見まいと、大王は目を瞑った。
頭の中でエスカルゴンと共にカービィを貶めようと躍起になった日々がぐるぐると駆け巡る。
しかし待てど待てどもナイフで刺された痛みが来ない。
不審に思って目を開けてみると。
「ぬぬぬ……おぉ?」
男は今にもナイフを振り下ろさんとする動作のまま止まっており、あったはずの顔面が存在していなかった。
否、180度回転したのだ。
上を見上げるとそこには襲ってきた男の顔を掴んだまま直立している、これまた八頭身の暴走族のような男がいた。
恐らく下手人はコイツであろう。
襲ってきた男の顔を掴み直立している暴走族のような男はデデデの方に飛び降りると、地面に膝を着く男を蹴り飛ばす。
男は動かなかった。
「ぎ……ぎぃいいいいいやぁああああああ!!!」
考えるよりも先に体は動く。
急展開と人の死は大王の頭の容量の処理速度を軽く越し、本能が先に優先された。
デブオヤジとは思えないほどの速度で反対側の方向へ逃走する。
暴走族のような男が大王を殺そうとそちらを向く前に、彼の姿は消えていなくなっていた。
【クック@コマンドー 死亡】
【一日目/日中/A-5森】
【デデデ大王@星のカービィ(アニメ)】
【状態】健康、恐怖
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:嫌ゾイ! 怖いゾイ! 逃げるゾイ!
【備考】
※最終決戦前の参戦です
□□□
北斗神拳が暗殺拳だというのを、忘れがちな人も多いのではないだろうか。
その暗殺拳の――当て馬ではあったが――伝承者候補として残っているのだから、暗殺の術に長けている事は言うまでもない。
加えて闇討ちが得意である事から、彼が音を立てずに相手に忍び寄るのは容易であっただろう。
武器を使わずとも、卑怯な手を使わずとも、己の拳法があれば相手を殺すことができる。
余程の事――北斗神拳が通じない相手の事であるが、そうでなくとも自分には別の技が存在するから問題ないであろう。
「ちっ……、一匹逃したか」
その内の一つ、陰陽殺。
北斗神拳や武器が通じない相手に対して使用する技だ。
相手の頭を掴んで逆立ちして、そのまま首を180度捻って相手の首をへし折る技。
どんな人間であろうと即死は免れられない。
「にしても使えない技があるな……」
相手の頭上へと石像を降らせる技は、使ってみたが降ってこない。
自分の素顔を見せて相手の秘孔を突く技は、そもそもそんな顔ではないので使えない。
この二つが使えないのは非常に厄介だが、それでも何とかなるであろう。
死体からデイバッグとナイフをひったくると、死体には目もくれず歩き出す。
「まあいい……それでも勝つのはこの俺――ジャギ様だ」
【一日目/日中/A-5森】
【ジャギ@北斗無双】
【状態】健康
【装備】コンバットナイフ@現実
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3 ランダム支給品×0〜2(クック)
【思考】
1:殺し合いに乗って優勝する
2:どうにかしてケンシロウとの差を埋めたい
【備考】
※死亡後の参戦ですがケンシロウに伝承者候補の辞退を迫る前の風貌です
※以下の奥義が殺し合い中には使用可能です
・北斗千手殺
・南斗邪狼撃
・秘孔穿腕孔
・北斗羅漢撃
・陰陽殺
・北斗邪剪手
※以下の奥義は殺し合い中には使用不可です
・スカーフェイス
・俺の名を言ってみろ!
※以下の奥義は特定の武器があれば使用可能です
・鉄の暴風
・燎原の火
・核の炎
-
投下終了です
-
投下乙です
これで残りは5人か…
-
まとめから省かれていましたが、
オカダ・カズチカ、オドルワ、南夏奈の三名を投下します
-
──ツームストンパイルドライバーどうだ……決まるか……、今度決まったああああああ!──
オカダ・カズチカ対オドルワの戦いも遂に決着の時が迫る。
4度に渡る蛾の召喚、幾度と無く繰り出されたオドルワの苛烈な攻撃。
それら全てを受けてなおも立ち上がり続けた、プロレスラー、オカダ・カズチカの改心の一撃。
「オカダ! もう少しよ!!」
「オカダさん! 頑張って!!」
いつも側にいるマネージャー、外道の姿はない。
しかし、このバトル・ロワイアルで新たに出来たパートナーがオカダに声援を送る。
もうここまで来たら助言はいらない、後は気合の勝負。
「あアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!!!!!!」
両手を広げ天を見上るその動作、
『レインメーカー』ポーズ
ポーズに呼応して天からレインメーカー$が降り注ぐ。
オカダはオドルワの首をガッチリと鷲掴み、無理やり立たせる。
そして背後を取りそのまま相手片腕を取り、反転させ腕を一閃。
──レインメーカああああああああああああああ!!──
新日本プロレスのあらゆるレスラーを葬り去って来た、
オカダ・カズチカの『フィニッシュ・ムーブ』
ドロップキック、エルボースマッシュ、ダイビングエルボードロップ。
それらの基本技全てを喰らい、体力を全て消耗していたオドルワ。
立ち上がれる筈がない。
悲鳴を上げ、消滅していくオドルワの身体。
そんなオドルワをじっと見ているのはオカダと、新たなるパートナー達。
「オドルワさん…… お疲れ様でした。 あなたはとてもいい『準備運動』の相手に、なりました……」
消え行くオドルワの姿を見ながら、オカダは彼なりの敬意の言葉をかけるのであった。
第1試合 無制限一本勝負
○ オカダ・カズチカ 密林戦士オドルワ ×
(チャット) (蛾)
(トレイル) (蛾×たくさん)
[15分32秒]
ツームストンパイルドライバー→レインメーカー(KO)
【密林戦士オドルワ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面 死亡】
※ワールド・プロレスリング(TV朝日系列)ではメインの試合ですら1/2くらいカットされて、
それ以外の試合では最後の2分程度しか放送されません。
ノーカットverが見たい場合はPPV、或いはニコニコ有料生放送を見てください。
あーゴールデンタイムでプロレスやってくんねえかなあ。
-
☆ ☆ ☆
「オカダ! あんたって『あいつ』と同じくらい強いじゃない!!」
「『オカダ』さん、な!」
「ちょっとお姉ちゃん…… オカダさんが嫌がっていることをやり続けるのはよくないよ……」
オカダ・カズチカとそのパートナーになった妖精、白いチャットと黒いトレイルが他愛もない会話を続ける。
オカダにとっては戦いなど常日頃から経験している。
それ殺し合いより遥かに難しい、プロレスのリングで相手から3カウントやギブアップ奪い合いをしているのだ。
だからあまり抵抗が無くこの理不尽に向き合える。
されども自分はIWGP王者。
プロレスが第一の今、主催が新日本プロレスならまだしも、よくわからない者指図されてハイそうですか従うほどの馬鹿ではない。
そんなことを考えつつ、とりあえず支給された鞄を覗いてみたら、妖精が二匹入っており、
(プロレス界にはこういうことが多々有るのでオカダは一々驚かない)
適当に自己紹介をしていたら謎の仮面の襲撃、そいつを準備運動がてらさくっと倒し、そして今に至る。
「オカダ、とりあえず誰でもいいから合流しましょ? 私達をここに閉じ込めた奴をぶっ飛ばすには仲間が必要よ」
「『オカダ』さん、な!」
「お姉ちゃん……」
誰かと合流する、悪くはない。
オカダ自身も普段は外道さんを含めるChaosの一員として行動している。
ならばここで新たなる軍団を作ってしまおうか。
「それではお二方…… 捕まっていてください」
「「え?」」
オカダは自分のカバンを拾い上げ、二人に自分に捕まっているように促す。
チャットもトレイルも疑問の声を上げながら、言われた通りオカダの身体へとへばり付く。
すっと深呼吸をして、呼吸を整えるオカダ。
そして片足を上げ、叫ぶ。
「オカダアアアアアアアアッシュ!!!!」
叫ぶと同時に、途轍もないスピードで戦場を駆け出すオカダ・カズチカ。
──彼らが辿り着く先には新たなるパートナーかいるのか?
それとも敵が待ち受けているのか?
今後もオカダ・カズチカは、見逃せなーい!!──
【一日目/深夜/A-5】
【オカダ・カズチカ@新日本プロレス】
【状態】オカダッシュ中 健康
【所持品】基本支給品 トレイル@ゼルダの伝説ムジュラの仮面
チャット@ゼルダの伝説ムジュラの仮面
【思考】
0:オカダさん、な!
1:オカダ軍団(仮)を作る
【備考】
※オカダッシュによってどの方向へ走り続けているのかは次の方にお任せいたします。
-
☆ ☆ ☆
「あっちゃ〜…… どっか行っちゃったよ……」
走り去るオカダ達をただじっと見つめている少女が一人。
南夏奈
彼女もまたこの理不尽に巻き込まれた参加者である。
けれども南夏奈には今の状況はとても現実とは思ってはいられなかった。
もしかしたら夢なのかもしれないと、持ち前の明るさと天性のボケっぷりでなんとか正気を保っていた。
そんな中見つけた大男(オカダ・カズチカ)、一人では寂しかった南夏奈はこれ幸いと思ったが、
不幸なことに大男は南夏奈に気づかず何処かへ猛スピードで去ってしまった。
これからどうしようか。
南夏奈は大男がいた位置近づきなから、少々物足りない頭を働かせる。
「あ、そうだ、鞄だ」
大男が去った位置に辿り着いて南夏奈はやっとその存在を思い出す。
そう言えばずっと手に持っていたはずなのに無視をしていた、とりあえずそれを漁ってみよう。
手早く鞄の中を漁るも、中からは水や食料などの必需品の他には『棚橋弘至の逸材トレーニング本』しか入っていなかった。
鈍い南夏奈であれど、流石にこれは外れだと理解できる。
思わず胡座をかき頭を抱える南夏奈。
何も浮かばない。
無理に上げてきたテンションも徐々に下がっていく。
上がってくるものは不安と動悸。
冷静になり身体が震えてくるまさにその時、彼女は何気なしに顔を上げてみた。
「鞄……?」
目先には自分の持っている鞄と同じ物が、彼女の数メートル先にぽつんとおいてある。
大男が忘れていったのか、南夏奈は急ぎ足でその鞄へと近づく。
この鞄、オカダでも無論南夏奈のものではない。
南夏奈がここに現れる前にはいたオドルワの物であることは今に説明する必要もないであろう。
もっとも、オドルワが鞄の意味を解っていたのかは不明だが。
もう一つの鞄へと近づいた南夏奈は、脇目もふらず漁り始める。
今度こそ何か『凄い物が』入っていないかと。
鞄から取り出される水や食料、こんなものはどうでもいい、もっと変わったもの、今の状況を変えるものを。
願いつつ南夏奈は漁り続けた。
「お……面……?」
願い続けた南夏奈の前に出てきた物は、お面であった。
それがお祭のテキ屋で売られているキャラクターのお面だったならば、彼女はまたも落胆したであろう。
しかし、南夏奈の目の前に現れたのは角が生え、禍々しい目や妖美な彩りをしたお面であった。
南夏奈は心を奪われた、先程までの不安も高揚も全て失せるほど、彼女は見惚れてしまった。
そうして何も疑うこともなく被ってしまう、そのお面を。
-
「アん……」
彼女の全身を駆け巡る、初めての感覚。
「アッ…… ン…… アッ……」
意図せずに彼女の口から漏れだす喘ぎ声。
小さな胸の膨らみに張りが出てきて、赤い宝石を想わせる乳首が服の上からもわかるように尖りだす。
愛の突起は腫れ上がり、赤いしずく滝からは雫が下着を濡らす。
南夏奈は、生涯感じることがなかった信じられない程の快楽に襲われた。
のたうち回り、恥部秘部を弄くり、喘ぎ続けた。
☆ ☆ ☆
「あハハハハハ…… 楽しイなあ、ほんっト楽しい…… もっト楽しいコトしたいなあ……?」
怪しげなお面を被り、染みが沢山ついた服を着たまま南夏奈は空をふらふらと彷徨う。
身体の疼きは止まったけれど、高揚感はまだ消えない。
「なーんか今の私…… なんでもできちゃうかも……?」
この場所にはもっと楽しいことがあるに違いない、
南夏奈はあてもなく彷徨う、新たなる娯楽を探しに行くために。
彼女は狂っている。
【南夏奈@みなみけ】
【状態】健康
【所持品】基本支給品 ムジュラの仮面@ゼルダの伝説ムジュラの仮面
【思考】
1:楽しいことをしたい
【備考】
※ムジュラの仮面を被り狂いました。
-
投下終了です。
タイトルは上記です。
-
ギリギリになりました。
イカ娘@侵略!イカ娘、針目縫@キルラキル、
ジョン・メイトリックス@コマンドー、葉月渚@Free!を投下します。
タイトルは「まな板の上の」です。
-
病院のロビー。
白いワンピースと妙な帽子を被った少女が目を覚ます。
「一体ここはどこでゲソ!?」
不思議の世界に迷い込んだ者の第一声など、誰だって似たようなものだ。
それは、侵略者として地上に降り立ったものの、なんやかんやで一般的な日常を送ってきた彼女とて例外ではない。
彼女――イカ娘はまず戸惑い、どうにか気を落ち着けて、それから状況把握に努めた。
「これはおそらく侵略者であるこの私を危惧した、悪しき人間の仕業……!
絶対に許さないでゲソ! 必ず反旗を翻して見せるでゲソ!!」
ポジティブな彼女はこの場においても怯える事は無かった。
むしろ主催者への怒りと闘志をメラメラとたぎらせている。対主催の鑑である。
今の彼女は、『反逆! イカ娘』と呼称するのが相応しいだろう。
「まずは配られたバックの中身を確認せねば」
反逆の第一歩としてデイパックを探る。適切な行動だ。
とりあえず、手応えを感じた道具を引っ張りだした。
「こ、これは……」
イカ娘の手に握られていた物。
それは先端が尖っている小さな棒状の物であった。
軽くて扱いやすいそれは、手によく馴染んだ。
ドイツ語で『クーデルシュライバー』と呼ばれる。
かなり有能な道具だ。
「ボールペンじゃなイカ! これでどうやって身を守れというのでゲソ―!」
落ち着け。それはランダム支給品ではなく、ただの筆記用具である。
「いや、まだ中には沢山入ってるでゲソ。きっと強力なアイテムがあるはず……」
希望を抱きつつ、デイパック漁りを続行する。
基本支給品を順番に取り出し、途中でルールブックに目を通し、ついでに水を飲んだ。
悠長ながらもついに最後の支給品に手をかける。
先程から何でも手に触れ、その鉄っぽいひんやりした感覚に興奮していた。
期待を膨らませながら取り出したランダム支給品。
イカ娘はこの武器に見覚えがあった。
「こ、これはロケットランチャーじゃなイカ……!」
確か、栄子が持ってたゲームにこんな銃器があった。
それも当たれば大爆発を巻き起こすというトップクラスに超強力な物である。
素晴らしい、なんという幸運だろうか。
こみ上げた喜びが思わず「フフフ」という声となって出てきた。
「これさえあれば、侵略を完遂させる事も夢じゃないかもしれないでゲソ!」
動悸の高まりを感じる。
邪悪そうな笑みを浮かべる彼女は、まさに侵略者。
「そこのキミー、さっきから一人で何してるのかなー?」
「ヒェッ!? じょ、冗談ですすみませんでゲソッ!」
悲しきかな、咎められたわけでもないが、反射的に発言を撤回してしまった侵略者。
長らく相沢家の監視下に置かれてきた賜物である。
-
イカ娘が振り向けばそこには一人の少女がいた。
桃色のドレスに大きなリボン、輝く金色の髪はこれまた大きなツインテールとなっている。
左目には紫色の眼帯が貼られているが、その端正で上品な顔立ちをもってミステリアスな雰囲気を感じ取れた。
にっこりとした笑顔を携えながら、彼女はイカ娘に歩み寄る。
「ボクの名前は針目縫。ヌイって気軽に呼んで欲しいな♪」
「わ、私はイカ娘でゲソ! さっきの発言は忘れて欲しいでゲソ」
「しょうがないな〜。うん、じゃあ忘れてあげる!」
イカ娘はほっと胸をなでおろした。
見た目はかなり派手で独特だが、なかなか気の良さそうな人物じゃないか。
ふと、針目縫がじーっとイカ娘の服装を眺めていた。
「うん? なんでゲソ?」
「イカ娘ちゃんの格好、とっても素敵ね!
やっぱり『イカ娘』って名前だし、イカがモチーフなのかな」
「なっ……モチーフも何も、私はイカの仲間でゲソ」
「あははは、面白いことを言うのね!」
「信じてないでゲソな!? なら、私の力を見せてやるのでゲソ!!」
そう言うとイカ娘は髪の毛を……否、水色の触手を伸ばし、四方八方へと広げた。
ウネウネと蠢くその様は、さながら蜘蛛の巣の如し。
続けてその触手を一束に纏め、巨大なバットのように観葉植物へと叩きつける!
木製の壁を容易に破壊するその破壊力!
観葉植物はバラバラに砕け散る!
「へぇ〜……凄いのね、それ!」
「フフ、これが私の実力でゲソ」
感心する縫に対し、誇らしげに胸を張った。
好感触――!
この様子ならばきっと彼女と上手くやっていけるだろう。
最初に出会った相手が、私と気の合いそうな娘で良かった。
このバトルロワイヤルに立ち向かうために、ヌイの協力を得られれば好都合だ。
「……ではそろそろ本題に入るでゲソ。
ヌイ、私と手を組んでくれなイカ?」
「ボクと?」
「そう! 私は日々人類を侵略するために戦ってきていたのでゲソ……!
このバトルロワイヤルは私を恐れた人間のしわざに間違いないのでゲソ。
奴らを返り討ちにしてやるために、是非ともヌイの力を借りたいのでゲソ!」
イカ娘の右腕が差し伸べられる。
縫はその手と、イカ娘の顔を交互に見た。
そしてケラケラと小さく笑う。
「残念だけどそれは無理〜、だってボクが協力する侵略者は〜……」
『トンッ』と首筋に何かが当たる。
頭の奥を揺さぶられるような衝撃が走る。
――羅暁様だけだもん!
背後から聞こえてきた縫の言葉。
その直後にイカ娘の意識は、漆黒の中へと落ちていた。
◆
「突然夢に出てきて殺し合いをしろ、だなんて……。
ホントわけわかんないよ。僕は豪華景品なんていらないのにさ」
-
路地裏。
デイパックを確認し終えた葉月渚は、座り込んだまま深くため息を付いた。
支給品は大したものじゃ無かった。
体力が全快になるというトマト、ダンベル、それと赤色の奇妙な形をした剣。
「う〜ん、ちょっと武器として使いづらい……」
殺し合いを行なうつもりはみじんもないが、護身としてはそれなりに有用な物が欲しい。
「こんな場所でずっと座ってもしょうがない!
とにかく他がどんな様子なのかを見に行ってみなきゃ」
じっと潜んでいるのは彼の性に合わない。
情報収集も、道具探しも、歩かないことには手に入らないじゃないか。
そう考えた渚は、路地裏を出て、住宅街を歩き始めた。
人気がなく、風の音くらいしかしない。
足音を立てないよう慎重に一歩づつ足を進めていく。
バランスを取りながら、そーっとそーっとアスファルトに靴を下ろす。
ピンクパンサーのテーマが似合うほどの慎重さだ。
――このくらい気を付けて移動しないと危ないからね。
「動くな」
「うわああぁぁぁっ!? な、なんで!?」
唐突に肩を掴まれ、低い声が耳元で囁かれた。
慎重に行動してたのに、何故バレたし。
あぁ、慎重に歩くのに集中しすぎて、背後にまで気が回って無かったんだ。
カチリ。
こめかみにひんやりとした、重い物が突きつけられる。
この感触だとおそらく拳銃だ。
命を他人に握られている状況……ヒヤヒヤってレベルじゃない。
ガタガタと体が震えそうだ。
「落ち着け、俺は殺し合いに乗っていない。
まずお前の武器を全て出せ」
「は、はい……」
すぐさまデイパックをひっくり返し、道具を全て見せる。
後ろの男はそれを確認し、さらに荷物検査のように渚の体を調べる。
「いいだろう。その荷物も仕舞っておけ」
拳銃は降ろされる。
渚は胸を撫で下ろす。
振り返って男の姿を確認した。
190センチ近くある長身、ムキムキな肉体、端正な顔立ち。
バトルロワイヤルという状況下においても漂わせる威厳、そして異様な落ち着き。
まるでこういった事態に対する覚悟が既に出来ているような……。
「ん? あれ、もしかして……」
ふと、男の顔に見覚えがある事に渚は気が付いた。
どこかで見た気がする。
有名人でこんな人物がいたはずだ、確かテレビで……。
「あぁー! もしかしてシュワちゃん! シュワちゃんですよね!?」
そうだ、有名俳優のシュワちゃんにそっくりだ。
アクション映画で何度か見たことがある。
襲い来る数々の敵達をマシンガンで一網打尽にする様はカッコイイ。
「シュワちゃん? 何を言っている。
俺の名はジョン・メイトリックスだ」
「人違いだったか……似てると思ったんだけどなぁ。
まぁいいや。僕は葉月渚。僕も殺し合いに乗ってないです」
「ならちょうどいい。坊主、俺に協力してくれないか?」
「協力?」
メイトリックスは事情を語る。
かつて自分はコマンドー部隊に所属しており、現在は木こりとして娘ジェニーと共に生活していた。
だが、数刻前にカービー大佐により、コマンドー部隊の部下たちが次々と殺害されている事を聞く。
ヘリが去った後、謎の武装集団に襲撃を受け、ジェニーが誘拐されてしまう。
どうにか追いかけるも、取り押さえられ、かつての部下ベネットによって銃を撃たれた。
そして、このバトルロワイヤルに参加させられていたのだと。
「おそらくは奴らの仕業だ……目的はわからない。
だがそんな事はどうでもいい、俺は何としてもジェニーを取り返さなくてはいけない。
俺にとってジェニーは……全てなんだ」
大事な娘を奪われた苦しみがひしひしと伝わってくる。
メイトリックスは今、居ても立っても居られない状態なのだろう。
渚は彼の気持ちを心から理解出来た。
-
「……まさか、そんな恐ろしい事が起きているだなんて……。
わかった。僕に出来る事なら何でも協力するよ!」
「……ありがとう……。なら、そのダンベルを俺に渡してくれ」
「え、ダンベルを?」
思わず呆気にとられる。
『何でも協力する』とまで言っておいて、この頼みとは。
「もう十分筋肉は付いてると思うけど」
「違う、武器として使うんだ」
「武器ならその拳銃があるじゃない」
「残念だがこれはレプリカだ」
「レ、レプリカ……なんだ、僕はてっきり本物を突きつけられたのかと……。
でも、二人とも支給がちょっと不安だね。
これで本物の銃を配られた人に襲われたら大変だよ」
「なら投げればいい」
「タフな発想だなぁ〜……」
対応策にしては微妙だが、その肉体なら余裕だろうなぁという説得力がある。
「それに、俺が今着ているベストは防弾チョッキだ」
「なるほど……それなら銃が相手でも問題ないってわけだね」
「頭を撃たれれば一発だがな」
「あ〜……やっぱり場数を踏んでる人は冷静だね」
――とにかく、頼れそうな人に最初に会えてよかった。
ここから脱出するにしても、犯人を倒すにしても、メイトリックスに着いて行けば間違いないだろう。
「よーし、頑張ってジェニーを助けにいくぞー! エイエイ、オー!」
「……」
「……もしかしてこういうノリ、苦手だったりする?」
「シッ! 耳をすませ!」
「え?」
言われた通り口を閉じる。
あいかわらず、ほとんど静寂に近い。
……が、何かが壊されるような音がうっすらと聞こえる。
女性のものと思われる大声も聞こえてくる。
すぐ側の大きな建物から聞こえてくる。
「この病院の中だ!」
「さっそく誰かが殺し合いをしてるのかもな」
「行こう!」
「どうして?」
「早期に止めておかないと、後で何が起こるかわからないよ!
それに、何かしらの情報を掴めるかもしれない」
「……まぁ、いいだろう」
渚とメイトリックスは病院の中へと入っていった。
◆
ハッ、と目を開ける。
異様に眩しい蛍光灯に一瞬だけ目が眩む。
「わ―――っ! ど、どういう事でゲソ!?」
突然の事に頭がパニックを起こす。
イカ娘の体、腕、足、その指先に至るまで、拘束具でギチギチに押さえつけられていた。
着ていたはずのワンピースも、その下の水着も無い。
成長途中の少女の肉体の全てが曝け出されていた。
「おはようイカ娘ちゃん♪」
とても明るく楽しそうな口調。
針目縫は満面の笑みを携えて、イカ娘を覗きこんだ。
自分が危機的状況だというのにこの態度……即座に察した。
「な、何をするつもりでゲソ……」
察していた、だいたい予想が付く。
だが、例え察していても、僅かな希望を抱かずには居られなかった。
何かの間違いであると信じたかった。
この状況が、自分にとっての受難で無いことを……
「何をするって、流石にわかってるでしょー?
ボクは帰りたいんだ〜、だーかーらー、手始めに貴方から殺すんだー!」
「ヒィィッ!!?」
死刑宣告。
まずい、まずい、まずい、まずい。
まずい、まずい、まずい、まずい。
マズイ、マズイ、マズイ、マズイ……!!
このままじゃ本気で殺られる、絶体絶命の危機。
どうにか抜けださなくては、どうにか止めなくては。
-
……そうだ、触手を使っ……。
「あっ……」
ひらり、と弱々しく耳に触手が当たる。
それ以上先には伸びない。
「気付いた? ちゃーんと切らせて貰ってるからね」
すぐ耳元でチャキチャキとはさみの嫌な音を鳴らす。
イカ娘は思わず悲鳴をあげた。
ああ、縫の笑い声のなんと楽しそうな事だろうか。
無邪気で、純粋で、まるで花を愛でるような幸せそうな声。
実際はその逆。邪気に満ち溢れ、残虐で、これから血を見ることを楽しみにしている。
恐怖で体がガタガタと震えだす。
顔は真っ青で、目から涙がポロポロと零れ落ちる。
その姿でさえ楽しんでいるようだ。
「嫌でゲソ……、許してくださいでゲソ……!
何でもする、本当に何でもするから……助けてくださいでゲソ……!」
一片の望みすら無いであろう、命乞い。
でも、果たしてそれ以外に何が出来ると言うのか。
死にたくない事を訴え、そのためなら隷属する事すら厭わない、と。
「ん? 今何でもするって言ったよね?」
「するでゲソ! だから、命だけは……」
「じゃあ、その帽子をちょうだい!」
「帽子はダメでゲソ! それを取ったら私は死んじゃうでゲソ!」
何故、よりにもよって帽子なのだろうか。
最初からわかっていて、どちらにしても殺すつもりなのか。
「ボクはね〜、あの有名企業リボックス社のグランクチュリエなんだ〜。
たっくさんの服を見てきたし、色んな服を作ってきた。
でもね、キミが着ている服は一度も見たことのない種類だったの」
そう言って縫はイカ娘の服を手に取り、その触り心地を感じるように頬ずりした。
「どう見ても生命繊維じゃ無いのに、まるで生きてるみたい。
破けても勝手に元に戻るし、汚れもみるみるうちに消えていく……。
だーかーら、その帽子とセットで持ち帰って研究したいの!」
「そんな……」
そう言う間に、縫の手がイカ娘の帽子へと伸ばされる。
「やめるでゲソ―――ッ!」
イカ娘は必死に叫ぶ。
それと同時に縫の手を思い切り振り払った。
振り払う? 縛られているのにどうやって?
「触手が再生した!?」
イカ娘は命の危機を感じると、触手が一瞬で再生するのだ。
触手の自由を得られたイカ娘は、闇雲に周りを破壊した。
-
ここは手術室。
ガラス戸が音を立てて割れ、中の治療用具や器具が次々に散らばる。
モニターや電気も地面へと倒されていく。
さらに何本かの触手が針目縫を縛り上げる。
「よくも……よくも……よくもやってくれたでゲソねええぇぇ!!」
泣き叫んでいるような怒号を思い切り飛ばす。
触手の持ちえる限りの力で、縫の体を締め上げる。
たった一本でも空き缶を軽く潰せる程度のパワーがあるそれを、複数本まとめて行なっているのだ。
縫のそのか細い体には、数百キロもの握力が掛かっているだろう。
「何それ? こんなのでボクを倒そうとしてるの?」
「おのれぇぇぇぇええ!! 許さないでゲソォォオオ!!!」
「貧弱過ぎてつまんない」
「アアアアアァァァァッ!!」
縫が腕を少し開くと、体を縛る触手が押し負け、引き千切れた。
「締めるのなら、せめて首をやるべきだと思うけどな〜。
まぁどっちにしてもキミの力じゃあ弱すぎるけどね!」
「このッ……!」
残った触手によって闇雲に手刀が放たれるも、一切の手応えが感じられない。
「そんな適当な攻撃なんて当たらないよ。
ちゃんとボクの姿を見てるの? あぁ、ベットに縛られてるから見えないんだ〜」
「うああああぁぁぁぁぁ!! なんで! なんでええぇぇぇ!!」
チョキン、チョキン、とはさみが鳴らされる。
そして幾つもの触手が床にポトリと落ちた。
「はい、カット完了♪」
もはや抗う事など不可能だと悟った。
まな板の上に並べられた食材は、どうあがこうと人間から逃れることは出来ない。
今の私の状況はそれだ。まともに動くことが許されず、力では絶対にかなわない。
「ひいいぃぃッ!!」
縫の細くしなやかな手が、イカ娘の帽子を強烈な力で掴み、思い切り引かれる。
「ぎっ、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い――!!!」
「なんか思ったより硬いね。根本からくっついてるみたい」
「こ、殺さないででゲソ……ッ!」
「これじゃあ無理に引っ張ったら帽子が破けちゃうわ。
仕方ないから、くっついてる所をはさみで切らなくちゃね」
「い、嫌……」
その時。
ガラガラガラと手術室の扉が開く。
「拷問とは大層な趣味だな。だがそこまでにしておけ」
迷彩柄のベストを着た大男が拳銃を縫へと向ける。
縫は別段驚くことも無く、大男――メイトリックスに不愉快そうな眼差しを送った。
「レディが取り込んでるところにノックも無しに入るなんて、デリカシーが無いと思わない?」
「俺の目にはレディなんて見当たらないね。頭のイカレたお子様なら見えるが」
「流石おじさん、老眼鏡が無いとロクに物が見えないんだね〜」
「なら試してみるか? この距離ならお前の頭を正確に撃ち抜ける」
「へぇ〜、弾無しの拳銃でどうやるの?」
「……お見通しというわけか」
メイトリックスは拳銃を後ろへと捨てた。
それを渚がキャッチしてデイパックへと仕舞った。
「た、助けてでゲソ!!」
「悲鳴を聞きつけて駆けつけてきたのかな?
でもボクとしちゃ、一気に3人も減らせるなんてラッキー♪って感じだよ!」
片手でハサミをくるくると回しながら、縫はじわじわと近づいて来る。
その発言、笑顔、佇まい……渚はこの少女に不気味な何かを感じていた。
ただの頭のおかしな女の子なんかじゃない。
体が本能的に『逃げろ』と警告している。
「ど、どうする……恐ろしい事を言ってるよ……」
「離れてろ、奴は俺が取り押さえる」
「わかった!」
すぐさま渚は廊下を走り始める。
「逃がすつもりは無いよ」
-
メイトリックスが縫を取り押さえようと腕を広げる。
しかし、その直後彼は空を掴んでいた。
縫はとんでもない身のこなしで避けて、廊下へと出ていた。
「ハーイ、もう追いついちゃった」
「うわああッ! こ、来ないでッ!」
渚は咄嗟にデイパックを振り回し、縫を追い払おうとする。
例によって軽々とかわされ、側まで接近される。
その時、カランと床に何かが落下する音がした
「キミ、ちょうどいい物持ってたのね!」
『赤色の奇妙な形をした剣』を縫は拾い上げる。
「渚ッ!」
メイトリックスが追いつき、ダンベルを思い切り縫へと振り下ろす!
ガギン、と鈍い音。
間違いなく会心の一撃とも言える破壊力。
それを縫は剣で容易く受け止める。片手のみで、だ。
「……何者なんだお前は」
「ボクはリボックス社のグランクチュリエ、針目縫だよ?」
丸太のような腕から放たれる拳を平然と回避する。
放たれたローキックは剣のみねで防がれる。
怒涛の勢いで飛んでくるプロの格闘術は、何一つ効果を示さなかった。
「無駄無駄。そんな鈍い攻撃じゃ、ボクに傷一つ負わせられないよ」
「クソッ……」
ボクサーに負けず劣らずのスピードで繰り出される鉄拳も、生命繊維の力を宿す者には意味をなさない。
これが人間という生き物の限界。"バケモノ"の壁は超えられない。
「ほいっと☆」
「ぬうぅぅっ!?」
針目縫がメイトリックスの腕を掴み、プロペラの如く振り回す。
手を離すと、勢いそのままにコンクリートの壁へと激突。
「キミも逃げちゃダメだよ〜!」
さらに、片手に持っていた赤色の剣を後方へと投擲する。
「うそ……ッ!?」
背を向けて逃走を図っていた渚に、ズン、と強い衝撃が走る。
――渚の腹部から、刃が真っ直ぐに伸びていた。
食道を伝って逆流した大量の血が、口からボタボタと垂れ落ちる。
渚はその場で膝をつき、そして崩れ落ちた。
「渚――ッ!!」
「大丈夫! すぐに後を追わせてあげる♪」
縫は渚の背中から剣を抜き取り、メイトリックスへと一閃する。
――戦 維 喪 失――
「グアアアァァァ――ッ!!」
メイトリックスの防弾チョッキが、緑色のTシャツが、紺色のズボンが。
全て、繊維の一本一本にまで細かく切り刻まれた。
一瞬のうちにメイトリックスは一糸纏わぬ裸体へと変えられてしまう。
-
縫が渚から奪い取った赤い刃……それは『片太刀バサミ』。
着ている者に強靭な力を与える"極制服"に含まれた、生命繊維を断ち切る事が出来る刃である。
無論、防弾チョッキ程度などでは、到底防ぎきれるものではないだろう。
強烈な剣撃を受けたメイトリックスは床に倒れ伏す。
そこへ縫が、彼の胸をめがけて片太刀バサミを突き立てる。
身を捩って、ギリギリでかわす。
「面倒だから避けないでよ」
無意味な悪あがきでしか無い。
縫はメイトリックスの腹部を踏みつけにし、そこで刃を突き立てた。
「やっぱ普通の人間じゃ、つまんないね〜」
「……すまないジェニー、俺は……」
赤い泡を吹きながら何かを呟いていたが、やがて事切れた。
「さて、さっきの続きをしなくちゃ」
◆
コツン、コツン。
扉が開かれ、軽快な足音がこだまする。
縛り付けられたイカ娘は、誰が入ってきたのかわからない。
さっきの助けに来てくれた人だろうか、それとも……。
「……た、助けてくださいでゲソ……」
「残念〜、彼らはボクがみーんな殺っちゃった♪」
「そんな……うあぁ……あぁ……」
最後の希望は、いとも容易く打ち砕かれた
もはやこの殺人鬼を止める者はいない。
ギチギチに拘束された体は、このベットから離れる事も無い。
故に、目の前の死から絶対に逃れられない。
どれほど身を捩っても、震えても、泣き叫んでも。
まな板の上の食材は、決して助かることは無い。
「ほら見て。さっきの少年からこんなの貰っちゃった!
これならキミの帽子を取るのに苦労しなさそうだね」
縫は"紫色の"巨大な剣のような物をちらりと見せる。
刃は酷く汚れている。べっとりと赤い液体が付着している。
その剣は、二人分の血を吸った。
まだ足りない、その剣は三人目を渇望しているように思えた。
嫌だ。嫌だ。恐い。
痛いのは嫌だ。死ぬのは嫌だ。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない……。
「触手! どうして伸びて来ないでゲソー!!」
命の危機を感じ、一度強制的に再生させた触手はもう伸びてこなかった。
短時間で何度も都合よく元通りにはならないようだった。
-
針目縫はニコニコしたまま、イカ娘の上へとまたがった。
泣き腫らして充血しきった瞳、恐怖に打ち震えた表情。
その表情に一切の興味を示すこと無く、ただ髪の付け根と帽子の境目を二本の指で開いてみる。
まるで縫い付けられているかのように、ピタリとくっついているようだった。
「お願いします……やめてくださいでゲソ……。
私はまだ死にたくないのでゲソ……! 助けてェ……」
片太刀バサミの切っ先を、器用にその境目へと刺し込む。
「いっ……」
プスリと刃は沈んだ。
端からドロリと液体が溢れでた。
そのまま縫は帽子に沿ってゆっくりと切り口を広げていく。
「いぎギギギ……痛いッ、痛いでゲソォォォッ!! 痛い、痛い、痛ああああぁぁぁッ!!」
ひたいの上の辺りを、灼熱のような痛みが走りだす。
鋭い刃が頭蓋骨をずずずっとなぞって行く感覚は不快感を覚える。
閉じた目から止めどなく涙がこぼれ、鼻水は情けなく垂れ流され、悲鳴の度に口端から唾液が飛んだ。
「あがあああああああぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
本能的に、少しでも痛みを軽減しようと、顔を真っ赤にしてもがく。
喉が壊れんばかりに大きな悲鳴を上げ、白目を向いて暗闇だけを見つめていた。
もう何も考えられない。ただ、苦しみから逃れたい一心だ。
ゆえに、気づけば彼女は失禁をする。
痛みを逃がそうと、全身に力を加えたがためだろう。
太ももの間の挟まれたスペースには、小さな水たまりが作られていた。
しかし、当の本人はそんな醜態に気付く余裕など微塵も無い。
まだ半周。永遠とも思えるほど長い苦痛の中で、刃は今後頭部を切断している。
黒々とした液体でベッドの上はどんどん染められていく。
決壊したダムの如く、体液が流れ落ちる。
「あっ、あああぁぁぁぁッ! いひいいいぃぃぃぃぃぐぎいいぃぃぃ……!!」
喉を酷使するにつれ、声帯が徐々に傷ついていく。
「……ガッ……!! ガガガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ……! ア゙ァ゙ッ……ゲホッ、ゲホッ……」
実質的な時間以上に、苦痛は長く感じられた。
針を飲み込んだかのように喉は枯れ果てる。
開かれたまぶたは、ただ闇のみを見つめるようにグルリと白目に剥かれている。
そうして、帽子に沿った頭一周に切り込みを入れられる。
勿論それで終わりなどではない。その帽子を取るのが目的なのだから。
縫はさらに、イカ娘の帽子の……頭皮の裏側に五本の指を突っ込んだ。
「ひぃがああああああががががががががッ!!」
ベリベリッ、と小気味の良い音を立てて、頭骨から皮が剥がされていく。
痛覚をダイレクトに刺激される激痛は、先ほどのものよりも遥かに強かった。
もはや恐怖も、絶望も脳内から消え去った。
思考されているのは、痛みと苦しみだけ。
そしてその苦痛に、ひたすら悲鳴を上げるだけのモノと化している。
「グギイイィィィィッッッ……! ギエ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッ……!!!」
意識が手放せるのであれば、とうに手放していただろう。
だがあいにく、最後まで意識をシャットアウトするには至らなかった。
縫の指が一周し、今にも外れそうな状態となった現在まで。
-
「ここまでやれば大丈夫そうね」
そう言って縫は帽子の先端をしっかりと握った。
力を加減しつつ、多少の勢いをつけながら引っ張る。
「エイ♪」
ぶちぶちぶちぶち! ぶっつんっ!
「…………ッ! ッ!!」
ビクンッビクンッ、とイカ娘の体が、痙攣して跳ね上がる。
まるで死に際の魚のように、何度か跳ねた。
目の前には栄子と、千鶴と、たけるの姿があった。
イカ娘が彼女たちに手を伸ばすと、三人の姿は霧となって消えていった。
そして今度は、イカ娘の手が消えていく。
腕が消えていく。
体が消えていく。
遺ったのは、漆黒だけ。
「ふー、疲れちゃった……。
でもこれで3セット全部揃った」
不思議な材質のワンピースと、水着と、帽子。
針目縫はそれらをデイパックの中へと仕舞う。
持って帰って詳しく研究するのだ。
生命繊維に及ぶとは思えないが、新たな発見があるかもしれない。
さぁ、さっさとバトルロワイヤルの最後の一人を目指そう。
羅暁様のところへ帰らなくちゃ!
ウキウキした気分で手術室を出る。
二つあったはずの死体が、一つに減っていた。
「あれれ、もしかして逃げられちゃった?
そっかー、残念だなぁ……」
◆
気が狂うほどの激痛と嘔吐感が渚を襲っていた。
腹部から溢れでている内臓と大量の血液。
その血を失った事で体は重く、意識は遠のいていく。
「ハ、ハルちゃん……マコ、ちゃ……」
だが、彼は仲間の名前を呟きながら、必死で意識にしがみついていた。
すぐ側まで迫っている死を前にして、それに抗おうとしている。
このまま何もせずに永遠の眠りに付くわけにはいかない。
誰かに自分からのダイイングメッセージを遺さなくては。
渚は鉛のように重くなった体を、無理やり起こす。
「ぐッ……うううッ……!」
少し動くだけでも、耐え難い程の激痛が襲いかかる。
高校生である彼にすら堪える事が出来ないほどの。
まるで子供のように泣きながら、それでも渚はデイパックに手を入れた。
「ウッ……うぅッ……うえぇ……」
喉を通って血が吐き出される。
鉄臭く、苦い。
なんとかバインダーとボールペンをつかみとる。
遺さなくては。
――家族への、水泳部の仲間たちへの、お別れの言葉を。
遺さなくては。
――あの少女<マーダー>の名前、針目縫についてを。
遺さなくては……。
-
苦しみのあまりに流れる汗と、血液が混ざり合った物が、肌にベタベタと密着して気持ち悪い。
大きく一文字に穴を空けられた臓器の痛覚が、動作の一つ一つを阻害してくる。
まともに動かない、震える手で少しづつ、少しづつ言葉を刻んでいく。
手術室から響き渡る、あまりに悲痛な叫び声。
あの女の子を助けることが叶わなかった。
「ごめんね……」
廊下に倒れ伏し、もはやピクリとも動かないメイトリックスさん。
あの時自分が、ここに駆けつけよう等と言わなければ、まだ……。
「ごめんね……」
ハルちゃん、マコちゃん、レイちゃん、ゴウちゃん、リンちゃん……。
もう二度と水泳部のみんなに会えることが出来ない。
「みんな、本当にごめん……」
引き抜かれるかのように、意識が急激に遠ざかる。
……まだ、まだ途中なのに……。
渚は半ば反射的にデイパックから「体力が全快になるトマト」を取り出す。
少しでも時間が稼げればいい。
これを書き終えるだけの体力を、失った水分を、ほんの僅かでも摂らないと……。
ブチリ、とかじる。
思い切りトマトの汁が辺りに飛び散る。
こんなにも汚れた状態なら、そんなのもう関係無いけど……。
〈ツインテールでドレスの女、ハリメヌイは危険〉
メモの最後のそう書き記し、最後に自分の名前を書いた。
その瞬間に、渚は全身の力を全て抜いた。
バタリ、と床に倒れた。
これでいい。これで僕が死んだ事は、決して無駄にならないはずだ……。
待てよ。
――何か、体が軽い……?
断続的に襲い続けていた痛みが無くなっている事に気が付いた。
穴の開けられた腹部は塞がり、指先は容易に動いている。
体を動かしても、あの苦痛はウソのように無くなっていた。
「なんで……?」
不可解な現象に、思わず言葉が出ていた。
足元には大量の血が溜まっているし、服も悲惨な事になっている。
けれど致命傷を負ったはずの腹部には何の痕跡も残っていない。
――もうなんでもいい、とにかく逃げなくちゃ。
-
針目縫に見つかる前に、遠いところへと。
渚はデイパックをさっと拾い上げて、足音に注意しながら出口へと向かった。
まぶたに焼き付いた、メイトリックスの無残な姿。
未だ背後から微かに聞こえる、あの女の子の悲鳴。
……渚の胸の内に酷い罪悪感が渦巻いていた。
――でも。
日の光に満ち溢れた屋外へと足を踏み入れる。
澄み渡るような青空が、視界いっぱいに広がっていた。
――自分は生きて針目縫から逃げてこれた。
気圧が変わったかと思うほど、心を締め付けていた緊張感が緩んだ。
安心の涙で視界がじわりと滲んだ。
「早く、針目縫の事を誰かに伝えなくちゃ……」
渚は全力で走りだした。
【イカ娘@侵略!イカ娘 死亡】
【ジョン・メイトリックス@コマンドー 死亡】
【一日目/日中/E-6/病院】
【葉月渚@Free!】
【状態】健康
【装備】レプリカの拳銃@現実
【所持品】基本支給品、マキシムトマト(齧りかけ)@星のカービィ
【思考】
1:とにかく今は場を離れる
2:針目縫の事を誰かに警告する
【備考】
ダイイングメッセージを記したメモは病院に置いたままです。
その時。
ポン、と小さな手のひらに肩を叩かれる。
すぐ耳元でささやくような、可愛らしい声が聞こえる。
「あーらら、また追いつかれちゃったね♪」
振り返った先には、端正で美しい金髪の少女が笑顔を浮かべて立っていた。
ひらりとドレスを翻し、片太刀バサミをおもむろに振り上げる。
「う……、うぅ、うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ―――っ!!!」
【葉月渚@Free! 死亡】
【針目縫@キルラキル】
【状態】健康
【装備】片太刀バサミ@キルラキル
【所持品】基本支給品、ランダム支給品1〜3、ロケットランチャー(弾数不明)@コマンドー、イカ娘の服一式@侵略!イカ娘
【思考】
1:優勝を目指し、さっさと羅暁様の元へ帰る
2:研究のためにイカ娘の服を持ち帰る
【備考】
ダンベル@現実、防弾チョッキ@現実は、メイトリックスの死体が所持しています。
拳銃のレプリカ@現実、マキシムトマト@星のカービィは、葉月渚の死体が所持しています。
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《支給品紹介》
【ロケットランチャー@コマンドー】
使い方を習わずとも、説明書を読めば使用出来る銃器。
形状は箱型で、4つの銃口から発射される。
【片太刀バサミ@キルラキル】
纒流子が所持していた武器で、断ち切りバサミの片刃。
ほとんど剣と同じ使用方法。生命繊維を切り裂く破壊力を持つ。
本来は纏流子の物なので刀身は赤かったが、針目縫が所持したために紫色に変わった。
【マキシムトマト@星のカービィ】
食べるとたちまち体力が全快になる不思議なトマト。
カービィがトマト好きだから……と公式で説明されてるが、スマブラ仕様でいいじゃん、もう。
【ダンベル@現実】
5キロのダンベル。金属製なので鈍器に使える。
【防弾チョッキ@現実】
バトルロワイヤル原作に登場したのと同じ。
【拳銃のレプリカ@現実】
エアガン。
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以上で投下終了です。
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投下乙です
救いがねェ
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投下します。
-
人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。
地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。
人類の全てを自らの手に収めようとするザビ家のジオン公国は、月の向こうに浮かぶ巨大な宇宙都市国家である。
その独裁を撃破すべく地球連邦軍は、地球上で、宇宙で、執拗な抵抗を続けていた。
●
――俺は、死んだのか。
つい先程まで俺は、後に戻れば地獄に落ちる、戦場の只中にいた筈だ。
生き残っていたのは、傷つき、屍のような有様となっていた自分一人。
仲間達は皆、死んだ。
たった一機の敵によって全滅させられたのである。
そして、奴が――赤い彗星、シャア・アズナブルが、最後に残った俺をターゲットにしたのを目の当たりにした瞬間――。
俺は、ここにいた。
――俺は、死んだのか。
再び自問する。
――違うな。
死ねば、全ては終わりだ。
近頃はニュータイプだのと言ったオカルト的な言説も流行っているらしいが、一兵卒に過ぎぬ自分としては理解し難い。
確かに――実戦経験も殆ど無しに凄まじい戦果を上げる者もいる。それは否定しない。
だからこそ、上層部はサイコミュ兵器なぞを研究しているのだろう。
だが、死んだ人間の思念だのを感じ取れると言う話は眉唾ものだと言わざるを得ない。
先のソロモン攻略戦でも、敵モビル・アーマーの背後に、巨大な、怨念のようなものを背負った影を見たと言う同僚がいた。
その時も冗談だろうと笑って済ませたものだ。
――あいつも、シャアにやられたのだったか。
何れにせよ、スペースノイドもアースノイドも、人間である事に変わりはない。
生まれも、主義主張も、関係ない。
人間は死ねば終わりである。
つまり――。
生きてはいるのだ、自分は。
捕虜にされた――訳ではないらしい。
ならば、あの瞬間に意識を失い、味方の部隊に救出でもされたのか。
しかし。
――ここは何処だ。
今まで自分がいた戦場――宇宙ではない事は確実だ。
だが、コロニーの内部でもない。ならば――地球か。
いや。
全く動けないような重傷を負っている訳でもない自分が、病院船に運ばれるなら兎も角、地球に降ろされるとは思えない。
ソロモンの確保に成功した現在、戦況はこちら側が有利だ。
一気にジオンを押し込もうという現状、特別な任務を帯びている訳でもないパイロットを地球に行かせる事はないだろう。
しかし――空から降り注ぐ光は、紛れもなく太陽由来のものである。
人工の光ではない。
――だが。
それ以前の問題がある。
-
各地で繰り広げられる光景――。
場違いな場所に存在する自由の女神像。
闊歩する仏像。
単独で飛行するモビルスーツ。
それと戦闘する生身の人間。
間違いなくこの世のものではない。
これが現実だと言うのなら、それこそ死んだ方がマシと言うものである。
無論、死後の世界だなどと言うつもりもない。
自分は生きている。
これは間違いのない事実だ。
ならば。
幻覚か、走馬灯のような――そういうものか。
本来の時間はあの瞬間のままで、自分だけがこれを見ているのだ。
そう考えるしかあるまい。
――殺し合いか。
あの場で聞いた事を思い出す。
それは、自分達が日常的に行っている事ではある。
かつての人口が半分にまで減少し、人類が自らの行為に恐怖した現在でも――それは続いている。
こんな、訳の判らない幻覚ですらそれを強制されるというのは、一種のワーカホリックと見るべきか。
知らず、乾いた笑いが出る。
今一度、置かれた状況を確認する。
自分が乗り込んでいるモビルスーツは、明らかにエース用の機体である。
完全に性能を引き出す事は、自分では到底不可能であろう。
それも宜なるかな。
特徴的な頭部センサー、V字アンテナ、ツインアイ。
この機体は紛れも無く――ガンダムだ。
――やってやる。
やってやるさ。
これは『試練』だ。
シャアに打ち勝てという『試練』と俺は受けとった。
この程度の殺し合いを生き延びられないようでは、奴に勝てる道理はない。
こんなもの、仲間も何もない、もがき苦しむ地獄の炎のような戦場よりも余程楽だ。
――狙いを定める。
ターゲットは――。
【一日目/日中/C-7/海上】
【俺@シャアが来る】
【状態】一人残った傷ついた俺
【装備】ヒュッケバイン@第4次スーパーロボット大戦
【所持品】基本支給品、ランダム支給品0〜2
【思考】
1:今はいいのさ全てを忘れて
2:狙いさだめる
3:流した血しぶき後で後で拭け
4:生きて見つめる……
【備考】
※「一人で死ぬかよ奴も奴も呼ぶ」時点の参戦です
【ヒュッケバイン@第4次スーパーロボット大戦】
テスラ・ライヒ研究所が極秘裏に完成させたパーソナルトルーパー。
動力炉に異星人の技術であるブラックホールエンジンを搭載している。
なお、旧シリーズでは実験中に暴走したという設定がなく、αシリーズやOGシリーズでの「バニシング・トルーパー」という不名誉なあだ名は付いていない。
また、本来の操縦者である主人公はモビルスーツの操縦が可能である事から、操縦系統も共通点があると推測される。
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投下を終了します。
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投下乙です。
一かじりでも全快のマキシムトマト凄ぇ。
イカ娘やメイトリックスに勝つって、どんだけ強いのだ。
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投下します。
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短いですが投下します
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◆yNQGqYZGMgさんお先にどうぞ
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E-2の街中で二人の男が対峙していた。
一人は紫の長いストールを首に巻き、左手には包帯が巻かれているなど、様々な装飾を付けている奇抜な格好をしている男、その名は田中眼蛇夢。
対するは田中とは逆に至って普通の学生服を着た男、志賀慎吾。
「クックック、どうやら我が配下になるのがお気に召さないようだな、ディアハーンの天才魔導師よ。」
「…黙れ。誰が貴様の手下になるものか制圧せし氷の覇王。」
交渉は決裂し、田中のストールから四匹のハムスター、破壊神暗黒四天王がはみ出しており、志賀慎吾は木の棒を取り出して、二人は戦闘態勢にはいる。
何故、二人は敵対することになったのか?
片方、または両方とも殺し合いに乗っていたのか?
否、むしろ二人ともこの殺し合いを潰そうとしていた。
出会った当初は手を組もうとしていたが、自己紹介をするにつれ、何故か敵対することになった。
彼等が相容れない理由、それは彼等のプロフィールが関係していた。
田中眼蛇夢。あらゆる動物達を手懐ける才能を持つ超高校級の飼育委員にして自称・制圧せし氷の覇王。配下の破壊神暗黒四天王とともに世界を支配する宿命を持つ(と信じている)男。
志賀慎吾。パラレルワールドの一つ、天空世界ディアハーンを救う天空の戦士、シガリータ・シンゴリファーに目覚めた、天才魔導師。
世界を支配する覇王と世界を救う救世主。
真逆の位置の立場に立っている二人がどうして相容れようか。
いよいよ二人が攻撃を仕掛けようとした時。
「ちょっと、あなた達!今すぐ戦うのをやめなさい!」
二人の間にバールを持った少女が入り込んだ。
突然の事で驚く二人に少女は名乗る。
「心の原石ブリリアントカット!あなたの近くの魔法少女、間近でマジカル☆ワンダーツギハ、ただいま参上!」
与次郎次葉。本名はツギハギスタ・SS・ルビーサファイア5世。人間界を狙う魔界の大帝王「ワルゴールド」に対抗しうる天界の選ばれし戦士、魔法少女マジカル☆ワンダーツギハ。
覇王と救世主の戦いに魔法少女が加わり、戦いは混沌と化していった。
【1日目/日中/E-2 街】
【与次郎次葉@めだかボックス】
[状態]:健康
[装備]:バール@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3
[思考]
1:殺し合いを止める
2:二人の戦いを止める
【備考】
オリエンテーション終了時からの参戦です。
【田中眼蛇夢@スーパーダンガンロンパ2】
【状態】健康
【装備】破壊神暗黒四天王@スーパーダンガンロンパ2
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:殺し合いを潰す
2:制圧せし氷の覇王として志賀慎吾を倒す。
3:魔法少女…だと**
【備考】
※チャプター1終了時からの参戦です。
【志賀慎吾@学園ハンサム】
【状態】健康
【装備】木の棒@スーパーダンガンロンパ2
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:殺し合いを潰す
2:天空の戦士として田中眼蛇夢を倒す
3:魔法…少女**
【備考】
※転校前からの参戦です。
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投下終了です。タイトル名は 覇王×救世主×魔法少女 です。
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改めて投下します
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前回のあらすじ
小さな孤島を舞台にして繰り広げられるバトルロワイアル。
参加者の1人として召喚された神隼人が見たものは、大木を挟んで座る男女。そしてゲッターロボへ進化した奈良の大仏の姿だった。
状況がまるで掴めない中、彼には2つの選択肢が与えられた。
◆ ◆ ◆
(さて、どうしたものか・・・)
隼人は今、分かれ道に立たされていた。
自分がいた世界の物とは異なるとはいえ、ゲッターロボが現れただけでなく、あのように暴れだしたら、
協力者や主催者打倒を志す者だけでなく、戦いを望まなくとも生きることを望む者まで失われてしまう危険性がある。
現に、先ほど名前も知らない少年が、あの異様なゲッターによりその命を奪われた。
それを踏まえると今すぐにも、あのゲッターロボを追わなければならない。
しかし、彼女はどうなる?
抱きかかえたこの女性は、どうやって殺し合いを生き抜くのか。
無理だ。隼人にはそれがすぐに分かった。こんな場所に1人置き去りしたらどうなるものか。
このふざけた殺し合いに乗った輩に殺されるのは目に見えているし、仮に助けられたとしても、最後まで生き残って帰れるかは分からなかった。
(フッ・・・俺もまだまだ甘いってわけか。竜馬、武蔵、弁慶・・・)
隼人は彼女と話すことを選んだ。
「おい、いつまで寝ているんだ。さっさと起きろ。」
このような状況で揺すって起こすのは本来はよろしくないのだが、
事態が事態なのでそのような事はもうどうでもよかった。
「う・・・あ、貴方は?」
「俺の名は神隼人。お前と一緒にこの殺し合いに巻き込まれた男だ。」
-
◆ ◆ ◆
初めてのコンタクトから2人は、分かる限りの情報交換をした。
しかし、両者の会話の中でも共通するワードや殺し合いに巻き込まれた理由は浮かんでこなかった。
「お役に立てなくてごめんなさい隼人さん。私がもっとちゃんとしていれば・・・」
「いや、お前に罪は無いさ。現にちゃんとしているであろう俺も何が何だかよく分かっていないんだからな。」
自身の無力さを謝るマリアをある程度フォローする隼人だが、彼自身もちゃんと出来る状態ではなかった。
あの時、自分は確かに真ドラゴン捜索の為にタワーで指示を出していたはずだった。
だが、殺し合いに召喚されたあげく状況が飲み込めないうちにゲッターロボまで現れてしまった。
主催者がゲッター線を手中にしているという最悪の事態も想定できた。
もし、あの力を悪用されたら13年前の忌わしい悲劇。「早乙女の乱」が再び繰り返されてしまうことも考えられる。
それを阻止する為に行動していた隼人自身、あのゲッターロボを止めることは使命感のような物を感じていた。
しかし、今の環境ではそれが出来ない。ここにいるのは自分とマリアの2人だけ。信頼出来る仲間を一刻も早く探さなければならない。
それに流れを掴むためにも、可能な限り情報を集めなければならない。
だが、それよりも気になることがあった。
「マリア。俺はこの状況の打開とあのゲッターロボ・・・もとい動く大仏の捜索を考えているがお前はどうするんだ?」
目の前の彼女はどうするのか。本来なら彼女の意志に任せるところだが、今の彼女では何も出来ないかもしれない。
「私には…分かりません何故この場に招かれたのか、何故戦わなければならないのか。
今自分に何ができるのか・・・。それさえも分からないんです・・・。」
そう言って彼女は目線を下に向けた。
やはり、守らなければ。隼人の心にそのような感情が改めて湧き上がって来た。
戦いの中で人が命を落とすのは当たり前だが、どうにも彼女にはあの時。事故で失ったあの人の面影が何処と無く被って見えた。
「なら、この戦いを最後まで生き残って答えを見つけろ。答えを出すのは今でなくても構わん。」
今の自分にはこう言うしかなかった。そんな自分に苛立ったが、それを何とか抑えた。
「隼人さん・・・。私、探します。いえ探してみせます。私のするべきことを。」
それは、隼人が最も望んでいた答えだった。
◆ ◆ ◆
「まさか、あの少年の支給品にこんなものがあったとはな・・・。」
驚きを隠せなかった隼人だが、無理もなかった。
小さなデイパックからこれ程のロボットが出てくるとは、両者共に思っていなかった。
――ガウェイン。それがこの機体の名前だ。
KMFとして初めてハドロン砲を装備しており、更には最新鋭の電子解析システム「ドルイドシステム」も搭載されている。
これにより、砲撃戦と電子戦。2つの戦術を特化したスペックで戦場を駆けることができた。
あの少年には悪いがこの機体は使わせてもらうことにした。
死人に口なしとは言うが、この戦いを生き抜くにはこのような手段も止むを得なかった。
「準備はいいかマリア。ここまで来たら、もう後戻りは出来んぞ。」
「大丈夫です隼人さん。ガウェインを出してください。」
マリアに迷いは無かった。それは彼女の眼が何よりも語っていた。
もし仮にあったとしても、それは先程までの絶望的なもの無かった。
「よし、これよりガウェインを発進する!」
異なる世界の2人を乗せて、空を駆けたガウェイン。
騎士の馬にして冥界の番犬は彼らに答えを与えるのだろうか。
【一日目/昼/C-1】
【マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】疲労(小)、軽い迷い、ガウェイン搭乗
【所持品】基本支給品、ガウェイン@コードギアス 反逆のルルーシュ、ランダム支給品0〜2
【思考】
1:答えを探す
2:隼人と行動する
【備考】
※第6話「奇跡――それは残酷な軌跡」エアキャリアで体育座りをしていた場面より参戦
※自分が戦う理由について迷いを持っています
【神隼人@真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】
【状態】疲労(小)、ガウェイン搭乗
【所持品】基本支給品、イサカM37(5/5)@現実、ガウェイン@コードギアス 反逆のルルーシュ、ランダム支給品×0〜4
【思考】
1:殺し合いには乗らない。主催者を叩き潰す
2:自分を殺しに来る相手には容赦しない
3:マリアと行動し、情報と仲間を集めに街へ行く
4:準備が整い次第、異形なゲッターロボを捜索する
【備考】
※第4話「激震!!荒れ狂う大地!」以降より参戦
※エデンのデイパックを回収しました
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投下終了です
続いてチンクル、針目縫を予約します
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投下乙です
チンクル逃げてェーー!!
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◆lQoNiC1pKkさん
予約期限が切れましたが、予約を破棄したと扱って良いのでしょうか?
もし破棄したなら先の予約のチンクルを天海春香@アイドルマスターに変更しようと思うのですが…
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チンクルェ……
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ちょっと待って
名簿が何度数えても56人になるのは気のせい?
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どうやら全員登場まではいきそうなので記念に地図と現在位置でもどうぞ。
DLパスは「dddd」です。
数えたら確かに56人になりそうな。
マップ
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5028278.jpg.html
現在位置
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5028279.jpg.html
-
レスはちゃんと読もう
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皆様お久しぶりです
>>298
その予約以外にも言えることですが、延長は基本的に認めていないため何からの報告もなく期限を過ぎている予約は、残念ながら破棄とさせていただきます
しかし、今回は初のケースなので明日の午後0時まで間を開けようと思います
それまでに延長の胸などが無い場合破棄です
>>300
規定人数内にまとめたい所ですが、現時点で登場話が投下されているキャラは特例として今回のみ認めることとします
>>301
地図乙
ありがとうございます
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回答ありがとうございます
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>>304
いえいえ、此方こそ間が空いてしまって申し訳ございません。
投下を楽しみにしております
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暫定名簿です(抜けあるかも)
1/2【現実】●自由の女神/○奈良の大仏
1/2【Free!】○七瀬遙/●葉月渚
2/2【ジョジョの奇妙な冒険】○ファニー・ヴァレンタイン/○カーズ
2/2【キルラキル】○猿投山渦/○針目縫
0/2【コマンド―】●ジョン・メイトリックス/●クック
0/2【機動戦士ガンダムAGE】●フリット・アスノ/●デシル・ガレット
1/2【ドラゴンボールZ】○ベジータ/●バーダック
1/1【Fate/stay night】○セイバー
1/1【Fate/EXTRA】○セイヴァ―(ブッダ)
1/1【Fate/zero】○雨生龍之介
1/1【Fate/Apocrypha】○黒のアサシン
1/1【ゼルダの伝説 時のオカリナ】○暗黒幻影獣ボンゴボンゴ
0/1【ゼルダの伝説 ムジュラの仮面】●密林戦士オドルワ
1/1【もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド】○チンクル
1/1【第2次スーパーロボット大戦Z再世篇】○ユーサー・インサラウム
1/1【スーパーロボット大戦OG】○アクセル・アルマー
0/1【真女神転生2】●Y.H.V.H
1/1【デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト】○アリス
1/1【シャアが来る】○俺
1/1【∀ガンダム】○ギム・ギンガナム
1/1【キン肉マン】○キン肉アタル
0/1【キン肉マンⅡ世】●アシュラマン
1/1【北斗無双】○ジャギ
0/1【聖闘士星矢Ω】●エデン
1/1【めだかボックス】○与次郎次葉
1/1【星のカービィ(アニメ)】○デデデ大王
1/1【スーパーダンガンロンパ2】○田中眼蛇夢
1/1【学園ハンサム】○志賀慎吾
1/1【東方Project】○十六夜咲夜
1/1【新日本プロレス】○オカダ・カズチカ
1/1【みなみけ】○南夏奈
1/1【らき☆すた】○柊つかさ
1/1【BLAZBLUE】○マコト=ナナヤ
1/1【ドキドキ!プリキュア】●円亜久里
1/1【とある魔術の禁書目録】○一方通行(アクセラレータ)
1/1【アイドルマスターsideM】○水嶋咲
1/1【真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】○神隼人
1/1【コードギアス 反逆のルルーシュ】○ルルーシュ・ランペルージ
1/1【戦姫絶唱シンフォギアG】○マリア・カデンツァヴナ・イヴ
1/1【仮面ライダー龍騎】○神崎士郎
0/1【イカ娘】●イカ娘
1/1【魔法少女まどか☆マギカ】○鹿目まどか
1/1【相州戦神館學園 八命陣】○壇狩摩
1/1【ドリフターズ】○ジャンヌ・ダルク
1/1【浦安鉄筋家族】○国会議員
1/1【片道勇者】○ネームレス
40/53
-
名簿乙
なんとなく神とか王とか、妙に地位が高いやつらが揃った気がするな。作品はバラバラもいいとこだが
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名簿作成乙です
短いですが投下します
-
虎よ
虎よ
ぬばたまの夜の森に燃える炎よ
いかなる神の手が、
また目が、
その恐怖の対称形を
捉えることができようか?
――ウィリアム・ブレイク
◆ ◆ ◆
孤島の東側にある森林地帯。静寂なその場所で2人の少女が走っていた。
1人は、赤いリボンが特徴な茶色のショートヘアーの少女。
もう1人は大きなリボンと眼帯が特徴な金髪が目に眩しい少女である。
一見すれば、森を舞台に鬼ごっこでもしているかのように見えた。
しかし、現実は非情である。そんなのどかな雰囲気は微塵も無かった。
先に走っている少女。天海春香は後から追ってくる針目縫から命がけで逃げていた。
(どうして…?どうして私がこんなところに?)
夢に見ていたドームでのライブを成功させ、アメリカへ旅立った「大切な人」の帰りを実に1年待ち続けていた。
その彼は明日帰ってくる。嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが混ざり合いながら、眠りについた。
そして明日には事務所の仲間達と共に出迎える・・・はずだった。
だが、次に彼女が目を覚ました時に彼女が見たものは、どこまでも続く暗闇。そして気付けばこの静かな森林地帯にただ1人放り出されていた。
「殺し合いだなんて、そんな・・・私は皆と一緒にプロデューサーさんを迎えに行かなきゃいけないのに・・・」
確かに彼女は地球征服を企む悪の皇帝として暗躍したことがあった。
しかし、それはあくまでも映画の中。演技の世界での話であり、本来は命を奪うことなど出来るはずもない少女だった。
そんな彼女は、こんな殺し合いを肯定することは出来なかった。殺し合いをしないで皆で元の世界に帰れないかとも考えた。
考えたが、あの声の持ち主は絶対にそれを許さないだろう。仮に全員が挑みかかっても、逆に返り討ちにされるのが目に見えた。
(どうすればいいの?誰か・・・誰か教えてよ・・・。誰か私を助けて・・・)
1人泣きながら、木の陰に座って呟いた。
誰かが来る。その気配を感じ取ったのは、極限状態に置かれたことで神経が活性化し、彼女にそう告げたのだ。
ここに来るのは、目の前に現れるのは誰だろうか。
殺し合いを肯定する者だろうか?否定する者だろうか?
もし、肯定する者なら全力で逃げよう。
もし、否定する者なら助けを求めよう。
やがて音が大きくなり、その人物が姿を現した。
「あれ?こんなところにも人がいたんだ?」
-
◆ ◆ ◆
目の前に現れたその少女は、明らかに異常だった。
片手には血塗られた片刃のはさみが握られていた。そのはさみで何人の命を奪ったのだろうか。
その服には、血飛沫が付いていたが、少女はそのことに何の戸惑いもなかった。
――逃げなければ。頭の中でそれが最初に浮かんだ。
少しでも関わろうものなら確実に殺される。
そう思った時には、全力で大地を蹴っていた。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
頭の中は自らの生存しか頭になかった。脚が悲鳴を挙げだしても、心臓が痛くなってもお構いなしに走っていた。
そんな自分に対し、あの少女は笑いながら追いかけてきた。
「ねぇ待ってよ。何処へ行くの?ボクとお話しようよ、ねぇ。」
猫なで声を出しているようだが、どうでも良かった。人の皮を被った悪魔とはよく言ったものだ。
もし、その言葉が合う人物を挙げろと言われたら、すぐさま彼女の名前を挙げるだろう。
とにかく、森を抜けて島の中央に行こう。そこへ行けば、誰か助けてくれるかも知れない。何処かに身を隠せるかも知れない。
理性を超えた本能がそれを告げた。それに従ったが・・・。
-
「あっ。」
転んでしまった。彼女はよく転ぶ癖があるが、こんな時に癖が出てしまった。
起き上がって動こうにも、脚が動かない。限界をとうに超えた脚はもう動くことさえ出来なかった。
その間にも、あの少女は着々と追いついて来る。
「やっと追いついた。さぁ、ボクとお話しようよ。」
もうダメだ・・・。おしまいだ・・・。
狂った少女は走るのを止め、こちらに歩き出していた。
良く見ると銃器のようなものも見えるが、使ってくる様子はない。恐らく追い詰めた上で、あのはさみで殺すつもりなのだろう。
まるで猫が鼠を食べる前に、子猫の前でいたぶるように。
一歩一歩、足音が近づくたびに、今までの思い出が走馬灯のように思い出される。
(お父さん、お母さん、千早ちゃん、雪歩、真、やよい、伊織、律子さん、あずささん、亜美、真美、美希、響、四条さん、音無さん、社長、プロデューサーさん・・・。・・・さようなら。)
心の中で思い浮かぶは、昨日までに会った人達の顔だった。最期にこんな幸せな時間を与えてくれた、あの声の主に心の底で少し感謝し、そのまま目を閉じた。
その時だった。春香のデイパックが突如開き、中から何かが勢い良く飛び出してきた。
◆ ◆ ◆
激しい金属音と耳を裂く破壊音。2つの衝撃が彼女の前を通り過ぎた。
しかし、不思議と一向に血の流れを感じない。寒くも暗くもならない。意識も遠くならない。
-
彼女は、春香は生きていたのだ。
しかし、まだ分からない。もしかしたら目を開ける瞬間を狙っているのかも知れない。
恐る恐る目を開けると、そこに彼女はいなかった。
一安心も束の間。良く見ると無残なものが転がっていた。
片刃のはさみは粉々に砕かれていた。銃器は何かに打ち貫かれて壊れていた。
トマトはぐしゃぐしゃに潰されていた。デイパックの中身が散乱していた。そして、
そこには一面に浮かぶ血の海と、点々と続く血痕があった。
再び絶望の淵へ突き落とされた少女は恐怖したが、同時にあの数10秒間で何があったのか気になった。
身体に鞭を打って何とか立ち上がり、血痕を目印に歩き出した。
それから5分くらい経っただろうか。先程走った道を戻っていた時、春香は目の前である光景を見た。否、見てしまった。
先程まで自身を追いかけてきたあの少女が、紺碧の人型機動兵器に今まさに殺されそうになっていた。
機動兵器の右腕に頭を掴まれた少女には両腕がなかった。下を見るとそこには彼女の両腕だったものがあった。
滴り落ちる血はキラキラと輝き、何処か恐ろしくも美しく見えた。綺麗なドレスは先程以上に血塗られていた。
両脚も何かに打ち貫かれ、その傷口からも血が流れていた。それが破壊されたあの銃器と同じ形と酷似していた。
喉からはヒューヒューと空気が漏れていた。声帯をやられたのか、先程嫌と言うほど聞いた声が思うように出ていない。
そしてかすかに見えたその目は、絶望と恐怖に染まっていた。あの邪悪な笑顔が嘘のように消えていた。
「あ・・・っ。だ・・・だれか・・・助け」
そこから先は続かなかった。右腕が彼女の頭を握り潰したからだ。
ぐしゃり。
聞きたくない音が耳に入った。その瞬間は目を伏せたが、彼女が死んだのは変わらなかった。
事実、顔を上げると彼女の頭は砕かれたままだった。腕は切り落とされたままだった。
脚は打ち貫かれたままだった。血の海はそのままだった。
これは夢かと思い顔を抓るも、痛いだけで目は覚めなかった。
全てが現実だったのだ。一連の出来事は全て夢物語ではなかったのだ。
それどころか、あの碧い修羅がこちらに向かって歩いてきた。
その身体は血飛沫により赤く染まり、右腕には少女の脳髄と脳漿。頭部を構成していた肉片がこびり付いていた。
その深紅の目はどれ程の修羅場を見てきたのだろう。その腕の剣と脚の砲はどれ程の命を奪ったのだろう。
「ひっ」
声にもならない叫びを挙げ、逃げようとしたが下半身が動かない。動けない。
先程の修羅場を目にした彼女の理性は、思うように指令を出せなくなっていた。
本能は逃げるように告げているが、動けないのでどうしようも出来ない。
そうこうしている内に、ついに目の前にまで迫ってきた。
「嫌ぁ!お願い!私を・・・こっ、殺さないで!!」
日ごろの生活では絶対に出ないであろう声で助けを、慈悲を修羅に乞うた。
通じるかどうかは分からない。それでも、もしかしたら助かるかも知れない。
願いと不安がぐしゃぐしゃに混ざり合った。
涙と鼻水が止まらなかった。こんな情けない顔は親友の「蒼い歌姫」にも見せられなかった。
-
◆ ◆ ◆
機動兵器はそこで歩みを止めた。彼女の声が届いたのかは分からない。
だが、その光景に春香はただ呆然とすることしか出来なかった。
「あ・・・あれ?」
確かに見間違えや錯覚ではない。完全に動きを止めている。
まるで次の命令を待っているようだった。
「え、え〜っと。私の声が聞こえますか?もし聞こえたら左腕を挙げてもらえますか?」
試しに聞いてみることにした。すると不思議なことに、左腕を天に掲げたのだ。
それを見た春香はもう1度尋ねた。
「もしかしてさっきのは、私を助けるためにしたの?聞こえたら左腕を下ろしてもらっても良いかな?」
その人型は左腕をゆっくりと下ろした。
これで考えは確かなものになった。
――自分は1人じゃない。知らない自分を守ってくれる存在と見知らぬ世界でめぐり合えたのだ。
春香は高ぶる感情を抑えきれなくなり、人型を目の前にこう言った。
「た、助けてくれてありがとう!私、天海春香と言います!・・・ところで、貴方の名前は何て言うんですか?」
次々と繰り広げられた出来事が出来事な為に、本来最初に聞くべきことを今になって思い出した。
その機体の名前はアークゲイン。Wナンバーシリーズの1体・W10だった。
何故、アークゲインは針目縫に勝てたのだろうか。
この機体は、「最初の元の世界」でシャドウミラーがテスラ研からソウルゲインを接収される前に、予め入手できた設計図を元に開発された。
その後、「第2の元の世界」でフォルミッドヘイムの前王。シュタール・ディープがアインスト世界に赴く際に、護衛の1体として使役されており、そこでアインストに改造された。
つまり、この機体はシャドウミラーとアインストのサラブレッドと言うことになる。
確かに針目縫は強力な存在ではあるし、片太刀バサミも強力な武器ではあった。
しかし、彼女とこの武器が合わさっても、強大な2勢力の力を持つこの存在に勝てたであろうか。
高い戦闘能力と強力な自己修復能力を相手に立ちまわるには、単独で挑むのは余りにも無謀だった。
アークゲインに単独で戦いを挑むならそれこそ、同じ機動兵器でもなければ苦戦は確実だろう。
つまり、縫は1人で春香を狙った時点で敗北は、死は確実だったのだ。
だからこそ片太刀バサミは腕の剣に一撃で破壊され、ロケットランチャーも膝の砲で打ち貫かれ、マキシムトマトは拳撃で潰された。
そして両腕も切断され、両脚を打ち貫かれ、喉笛を潰され、頭部を破壊された。
ソウルゲインを「魂を獲する者」とするなら「箱舟を獲する者」となるアークゲインは伊達ではなかった。
-
◆ ◆ ◆
森を抜けた春香とアークゲインは、島の中央にある寺を目指していた。
中央に行けば何かあるかも知れないと踏んだからだ。
春香の足取りは軽くなっており、アークゲインも血飛沫はふき取られていた。
中央付近へ向かう途中、針目縫のデイパックを調べたのだ。
あの血の海に手を入れるのは少し戸惑ったが、もしかしたら何かあるのかも知れないと踏んだのだ。
しかし使えそうなものと言えば、所々血がついた白い衣類系統と、だけだった。僅かに残ったトマトの果肉だけだった。
そこで春香は、白いワンピースを拝借し、アークゲインの身体を丁寧にかつ丹念に磨いた。
血飛沫を可能な限りふき取り、血の臭いを隠すためにわざと土を振りかけたりもした。
その際にトマトの果肉を少し齧ってみたところ、不思議なことに力が漲ってきた。
それだけでなく先程までの脚の重さも嘘のようになくなっていた。
そうこうしている中、中央にある寺のの姿が確認できた。
位置的には対主催かマーダーのどちらかがいるかも知れない。
それでも少女とアンドロイドは歩みを止めなかった。
もしかしたら、針目縫のような人物とまた対峙する可能性もあるにも関わらずだ。
春香は心の中で決心していた。
この殺し合いには絶対に乗らないこと。
アークゲインも含め、皆と一緒に元の世界に帰ること。
そして、殺し合いということを踏まえても、もう誰かの血を見るのも、流すのもさせないということだ。
だからこそ、彼女はどんなに辛くても、どんなに恐ろしくても、歩き続けていたのだ。
「魂を獲する者」と「箱舟を獲する者」
「極めて近く、限りなく遠い存在」が出会った時、彼らは、彼女達は何を知るのだろうか。
その答えは誰にも分からない。
【針目縫@キルラキル 死亡】
【一日目/午後/D-4】
【天海春香@アイドルマスター】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、アークゲイン@無限のフロンティア EXCEED、ランダム支給品0〜2
【思考】
1:元の世界に帰る。殺し合いには絶対乗らない
2:アークゲインと一緒に、協力してくれる人を探す
3:もう誰かの血が流れるのは見たくない
【備考】
※劇場版「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」終了後(プロデューサーが帰ってくる前日)からの参戦です
※アークゲインは春香をマスターとして認識しています。ハッキングするにはシャドウミラーとアインストの双方の技術と
それを使いこなせる頭脳が必要です。また、春香の命令及び護衛を最優先事項としています
※D-6エリアに針目縫の死体があります。損傷状況がかなり酷く、彼女と識別するのは不可能です。
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投下終了です
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投下乙
針目縫退場。これは以外
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互いに再生能力持ちだからこそ火力差が出たか。
キルラ原作的に頭を潰したなら再生はされないから倒せるのかな?
後は縫は分身できるけど、アークも分身できるから対処可能だった?
ハサミも同強度の縛斬が折られた位だから魂朧とかの麒麟系には耐えれなったか
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名簿をまとめてみました
0/2【機動戦士ガンダムAGE】●フリット・アスノ/●デシル・ガレット
1/2【キルラキル】○猿投山渦/●針目縫
1/2【現実】●自由の女神/○奈良の大仏
0/2【コマンド―】●ジョン・メイトリックス/●クック
2/2【ジョジョの奇妙な冒険】○ファニー・ヴァレンタイン/○カーズ
1/2【ドラゴンボールZ】○ベジータ/●バーダック
1/2【Free!】○七瀬遙/●葉月渚
1/1【アイドルマスター】○天海春香
1/1【アイドルマスターsideM】○水嶋咲
1/1【浦安鉄筋家族】○国会議員
1/1【学園ハンサム】○志賀慎吾
1/1【片道勇者】○ネームレス
1/1【仮面ライダー龍騎】○神崎士郎
1/1【キン肉マン】○キン肉アタル
0/1【キン肉マン2世】●アシュラマン
1/1【コードギアス 反逆のルルーシュ】○ルルーシュ・ランペルージ
1/1【シャアが来る】○俺
1/1【新日本プロレス】○オカダ・カズチカ
0/1【真・女神転生2】●Y.H.V.H
0/1【侵略!イカ娘】●イカ娘
1/1【スーパーダンガンロンパ2】○田中眼蛇夢
1/1【スーパーロボット大戦OG】○アクセル・アルマー
0/1【聖闘士星矢Ω】●エデン
1/1【戦姫絶唱シンフォギアG】○マリア・カデンツァヴナ・イヴ
1/1【ゼルダの伝説 時のオカリナ】○暗黒幻影獣ボンゴボンゴ
0/1【ゼルダの伝説 ムジュラの仮面】●密林戦士オドルワ
1/1【相州戦神館學園 八命陣】○壇狩摩
1/1【第2次スーパーロボット大戦Z再世篇】○ユーサー・インサラウム
1/1【∀ガンダム】○ギム・ギンガナム
1/1【真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】○神隼人
1/1【デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト】○アリス
1/1【とある魔術の禁書目録】○一方通行
1/1【東方Project】○十六夜咲夜
0/1【ドキドキ!プリキュア】●円亜久里
1/1【ドリフターズ】○ジャンヌ・ダルク
1/1【Fate/Apocrypha】○黒のアサシン
1/1【Fate/EXTRA】○セイヴァ―
1/1【Fate/stay night】○セイバー
1/1【Fate/zero】○雨生龍之介
1/1【BLAZBLUE】○マコト=ナナヤ
1/1【北斗無双】○ジャギ
1/1【星のカービィ(アニメ)】○デデデ大王
1/1【魔法少女まどか☆マギカ】○鹿目まどか
1/1【みなみけ】○南夏奈
1/1【めだかボックス】○与次郎次葉
1/1【もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド】○チンクル
1/1【らき☆すた】○柊つかさ
39/54
書きたいネタがたくさんあって困る・・・
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>>318
名簿乙です
ネタがあるって既に登場している面子ででしょうか?
それとも書き手枠で?
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既に登場している面々です
3話くらいは考えていますが、そんなに1書き手がやってよいものか…
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>>320
意欲的な書き手は大歓迎です
ここはフリー。自由に気楽に楽しく運営していくロワですので
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ありがとうございます
それではカーズ、ルルーシュ・ランペルージ、俺、オガタ・カズチカ、壇狩摩、ジャギ、デデデ大王、南夏奈で予約します
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徳田新之助の予約を破棄し、
サタン@真・女神転生Ⅱの予約をミカエル@真・女神転生Ⅱに変更し、投下します。
-
C-4――路上。
ゴミ一つ、埃一つ、いや、かつてそこに何者かがいた存在一つすら無い。
狂的なまでに整備された道の上、二人の男が対峙している。
片方は雲を突かんばかりの長身に幾重にもローブを纏った魚眼の男、キャスター。
肌色は土気色にして、健康とは程遠いものを感じさせる。
しかし、全身からギラついた精気は、あるいは非人間的な生命力を思わせただろう。
それに対するは、巨なる二つの翼を背に持った天使、
赤き皮膚に甲冑を纏い、槍を持った姿は――邪悪なる容貌をしたキャスターを裁きにきたかのように思われる。
「あっ……ああ……」
キャスターの目の前にある存在が、彼から言語を奪い去った。
激情を越して、顔を呆けさせ、ただ呻き声を上げる様はまるで白痴の如し。
「あ……」
言葉が出ない。何と言えば良い。彼の人生はある種、目の前の存在に出逢うためにあった。
何十、何百、と数えきれぬ程の罪なき子の死を階段のように積み上げ、それでも天上にいるそれには未だ届かず。
それに裁かれぬままに、人の手によって己が命と財を奪われ、英霊の座に上がって尚も、未だそれには届かず。
そして今、運命の――否、神の悪戯で、彼とそれは対している。
「大天使達の長【ミカエル】!明けの明星の弟【ミカエル】!神の如き者【ミカエル】!四大天使【ミカエル】!
誘惑の蛇を屠る者【ミカエル】!勝利を意味する者【ミカエル】!判定者【ミカエル】!ミカエエエエエエエエエエエエエエエエエル!!!!!」
その名を讃えた。
今、己の目の前にある者の名を、押し寄せる激情の中、軋みを上げる脳の音と共に、愛する者を叫ぶように、幾度と無く叫んだ。
キャスターこと、フランス元帥ジル・ド・モンモランシ=ラヴァル。
イギリスとの百年戦争の最中、聖処女【ジャンヌ・ダルク】と出逢う。
敬虔な信者たる彼は、神の啓示を受け戦う彼女を、神を愛するように、愛した。
彼は彼女と共に、聖戦に挑み、幾度と無く勝利を重ね、そして待ち受けていたのはありふれた悲劇。
神を愛し、神に愛され、民草を勝利へと導いた聖女は、司教の手によって異端と断じられ、魔女として処刑された。
ならば、神が彼女を認めぬのならば、私も神を認めぬ。
聖処女処刑の後、祖父の莫大な遺産を引き継いだ彼は、黒魔術に傾倒する。
神に祈りを捧げたその腕で、罪なき子どもの首を締め上げ、腹を裂き、手足を削ぎ、
神への祝詞を捧げたその口で、神への呪詛を吐いた。
神よ。
ジャンヌが何をしましたか。
背徳の日々は、神ならぬ人の手で終わりを告げる。
目当ては彼が受け継いだ財のため、彼の所業に誰もが目を背ける。
誰一人として彼の罪を見据えることは出来ぬ。
これは神罰ではない、人罰でもない、ただの略奪だ。
彼の所業をこれ幸いと、正当な理由で以て彼から財と命を奪ったに過ぎない。
神よ。
聖処女を騙ることは、我が所業すら届かぬ程の罰ですか。
なれば――私は。
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今、キャスターの前にあるのは、幾度と無く望み、そして終ぞ訪れることのなかった神の裁きだ。
大天使の長であり、神の如き者と呼ばれるミカエル。神罰の代行者と言うならば、これ以上に相応しい存在はない。
ミカエルは天の使いだ。魔女として処刑されたが故に地獄に送られた聖処女【ジャンヌ・ダルク】と同じ場所へ、必ずや彼を誘うだろう。
聖杯は己を選んだ。
ジャンヌ・ダルクは蘇らない、なればその神秘が、彼を彼女のいる地獄へと誘うのだ。
崇高な宗教画を見た敬虔な信者の様に、キャスターはミカエルの前で頭を垂れた。
殺し合い――願い――聖杯戦争――雨生龍之介――何もかもが、どうでも良い。
待ち望んだものは聖処女との再会。それだけの為に蘇った。
「悪霊 ジル・ド・レェか……」
ミカエルは己の名を知っている、己の所業は天界にも届いている。
それでも尚、己がサーヴァントになるまで神罰を下そうとはしなかったのか。
神はやはり、人間を玩弄するだけか。
罰されることですら、英霊の座に上がってようやくであるのか――元より諦観の念はあったとはいえ、
改めて確認することとなったその事実はキャスターに深い哀惜をもたらした。
聖処女の死後の己の生は――全て無駄であった。
「哀れな男だ――ジャンヌ・ダルクの罪は赦され、だがお前の罪は永劫赦されることはない」
「……ジャンヌ?」
待て、今ミカエルは何と言った。
赦されたと言ったか、ジャンヌ・ダルク――聖処女の罪は。
「神の名の下に聖処女は汚され、そして神の名のもとに聖処女は赦されたと、そう言ったのですか!?」
「過熱化した信仰が、ウリエルを堕天させたように、ジャンヌ・ダルクは聖女故に、
人にとっては神よりも神に近く、故に魔女として裁かれた。だが、神は慈悲深くもジャンヌ・ダルクを赦された」
「慈悲深くも、と抜かすか!!己が手で彼女を叛神的存在に貶めておきながら!!」
キャスターの顔に朱が差し込む。
聖処女の死、己の死、それでも未だ、神という存在を理解できてはいなかった。
下部分に砂が落ちきった砂時計のように、彼は神への愛の分だけ、神を憎んだ。
それでも未だ、彼は神を信じていた。
そして今、神の代理人によって、聖処女の罪は神によって赦されたと聞いた。
己が着せた罪で、抜け抜けと赦すと、そう抜かすというのか。
「人は神の創造物なれば、神を超えることは赦されない――しかし、それでも神はジャンヌ・ダルクを許し、聖女として認めた……慈悲深いことだ」
「それが慈悲と言うならば、神の慈悲など必要あるものか!!やはり聖杯を!万能の願望機を!!この手に!!
神すら腐敗に塗れているというのならば、人の世に聖処女を!ジャンヌウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!」
キャスターの手に握られしは宝具――螺湮城教本【プレラーティーズ・スペルブック】
人皮で装丁された、限りなく無尽蔵に近い魔力を持つ魔導書である。
宝具としては最高クラスの性能を持ち、やりようによれば目の前の大天使とも戦えるだろう。
「Ia! Ia! Cthulhu fhtagn!」
螺湮城教本が門を開け、異界より導かれしは名状しがたき外見をした水魔達。
宇宙的恐怖感を齎せし、冒涜的存在たる彼らは、複数で群れをなし、ミカエルへと襲いかかる。
「無駄だ」
天の使いたるミカエルが、冒涜的たる水魔の姿など見る必要すらない。
手に持ちしは、神の子を貫きたるロンギヌス――瞬時にして、召喚されし水魔を貫く。
なれど、螺湮城教本――ただの魔導書にあらず、
水魔の死体を魔力へと変換し、さらなる水魔の召喚を――
「聖四文字なる神よ 神の光を以て 魔なる者に 裁きを」
その時、キャスターは目の前の存在が大天使たる所以をその身を以て知ることとなる。
歌うように紡がれしは、究極の呪文にして、何者をも呑み込む万能の力――全能の神が与えし力の一つ。
「 メ ギ ド ラ オ ン 」
召喚されし水魔が塵一つ残さず光の中に消えた。
万能たる光は究極の威力を以て、何もかもを消滅させる。
キャスターはその光の中に火刑にかけられた聖処女の姿を見た。
-
「ジャンヌ……」
聖処女よ、その火の中で何を思う。
己が救った人間に投げ込まれる火の中で何を思う。
ああ、貴方に近づきたかった。
貴方が魔女ならば、私は魔道に堕ちて貴方に寄り添おう。
人間が貴方を殺したならば、私もまた人間を殺そう。
五百の人間が貴方を殺すのならば、私は千人の死で以て貴方の死に応えよう。
ジャンヌ。ジャンヌ。
「ジャンヌウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
神の光――火刑の光の中、終わりの光景をキャスターは確かに見た。
例え、幻影と分かっていようとも、
今まさに神の光の中、聖処女【ジャンヌ】は燃え尽きんとしている。
十字架に掛けられた彼女に手を伸ばす。
あの時、救えなかった彼女を――今度こそ。
十字架に掛けられた彼女の手を掴む。
握りしめたその手にはカードデッキが握られている。
「ia……」
召喚した水魔に、キャスターは己の左目を抉らせた。
勢いのままに放られた左目は宙を舞う。
網膜に、キャスターの全身が映る。
「変身」
キャスターは呟く。
キャスターの姿が消える。
メギドラオンの光の中に全てが消える。
もう何も無い。
【一日目/日中/C-4/道路】
【ミカエル@真・女神転生Ⅱ】
【状態】健康
【装備】ロンギヌス@真・女神転生Ⅱ
【所持品】基本支給品、不明支給品(0〜2)
【思考】
1:???
【備考】
※本編撃破前からの参戦です
-
ライダーバトル――願いを懸けて戦うという点では、聖杯戦争に類似した戦いである。
その戦いに於ける宝具であるカードデッキ。
黒魔術に傾倒する中、彼はカードデッキが何であるかを噂程度には知っていた。
数多ある平行世界の中、錬金術とライダーバトルの関係性が証明された世界がある。
なれば、キャスターの世界に於いて、黒魔術とライダーバトルの関係性が証明されていないことは証明できない。
いや、何を言おうともキャスターは知っていた。それに尽きる。
彼はミラーワールドに入り込み、メギドラオンを避けた。
しかし、それはあくまでも一時的なこと。
ミラーワールドに滞在できる時間は決して長くはない。
何よりも、彼の愛すべき聖処女【ジャンヌ・ダルク】の為にまごついている時間などありはしない。
どこまでも、戦わなければならない。
その願いのために。
【一日目/日中/C-4/ミラーワールド】
【キャスター@Fate/zero】
【状態】ダメージ(中)、左目消失、変身中
【装備】螺湮城教本@Fate/zero、リュウガのデッキ@仮面ライダー龍騎
【所持品】基本支給品、不明支給品(0〜1)
【思考】
1:ジャンヌを蘇らせる
2:ジャンヌを復活させる
3:ジャンヌを現世に
4:ジャンヌをもう一度
5:ジャンヌを救う
6:ジャンヌを
7:ジャンヌを
8:ジャンヌを
9:ジャンヌを
10:ジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌを
ジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌを
ジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌを
ジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌをジャンヌを
【備考】
※原作2巻、セイバーとの遭遇前からの参戦です。
-
投下終了します。
-
投下乙です
キャスターの狂気がとてもよく伝わってきました
奇遇にも彼の望む聖処女は居るんですよね。会場に……
-
投下乙
キャスターマジヤバい……
-
投下乙です
うん、お目当ての聖処女はいるにはいるんだよな
糞まみれだけど
-
投下乙です
ただ、参加者が56人になりますが・・・
-
>>332
>>303によると特例で認めるみたいです
-
投下乙です。
神すら堕落していた!
なれば、自分こそがジャンヌを救わねば!
そのジャンヌは、またしても人に汚されてるけどね。
-
0/2【機動戦士ガンダムAGE】●フリット・アスノ/●デシル・ガレット
1/2【キルラキル】○猿投山渦/●針目縫
1/2【現実】●自由の女神/○奈良の大仏
0/2【コマンド―】●ジョン・メイトリックス/●クック
2/2【ジョジョの奇妙な冒険】○ファニー・ヴァレンタイン/○カーズ
1/2【真・女神転生2】●Y.H.V.H/○ミカエル
1/2【ドラゴンボールZ】○ベジータ/●バーダック
2/2【Fate/zero】○雨生龍之介/○キャスター
1/2【Free!】○七瀬遙/●葉月渚
1/1【アイドルマスター】○天海春香
1/1【アイドルマスターsideM】○水嶋咲
1/1【浦安鉄筋家族】○国会議員
1/1【学園ハンサム】○志賀慎吾
1/1【片道勇者】○ネームレス
1/1【仮面ライダー龍騎】○神崎士郎
1/1【キン肉マン】○キン肉アタル
0/1【キン肉マン2世】●アシュラマン
1/1【コードギアス 反逆のルルーシュ】○ルルーシュ・ランペルージ
1/1【シャアが来る】○俺
1/1【新日本プロレス】○オカダ・カズチカ
0/1【侵略!イカ娘】●イカ娘
1/1【スーパーダンガンロンパ2】○田中眼蛇夢
1/1【スーパーロボット大戦OG】○アクセル・アルマー
0/1【聖闘士星矢Ω】●エデン
1/1【戦姫絶唱シンフォギアG】○マリア・カデンツァヴナ・イヴ
1/1【ゼルダの伝説 時のオカリナ】○暗黒幻影獣ボンゴボンゴ
0/1【ゼルダの伝説 ムジュラの仮面】●密林戦士オドルワ
1/1【相州戦神館學園 八命陣】○壇狩摩
1/1【第2次スーパーロボット大戦Z再世篇】○ユーサー・インサラウム
1/1【∀ガンダム】○ギム・ギンガナム
1/1【真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】○神隼人
1/1【デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト】○アリス
1/1【とある魔術の禁書目録】○一方通行
1/1【東方Project】○十六夜咲夜
0/1【ドキドキ!プリキュア】●円亜久里
1/1【ドリフターズ】○ジャンヌ・ダルク
1/1【Fate/Apocrypha】○黒のアサシン
1/1【Fate/EXTRA】○セイヴァ―
1/1【Fate/stay night】○セイバー
1/1【BLAZBLUE】○マコト=ナナヤ
1/1【北斗無双】○ジャギ
1/1【星のカービィ(アニメ)】○デデデ大王
1/1【魔法少女まどか☆マギカ】○鹿目まどか
1/1【みなみけ】○南夏奈
1/1【めだかボックス】○与次郎次葉
1/1【もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド】○チンクル
1/1【らき☆すた】○柊つかさ
何時見ても参加者が狂ってるな(良い意味で)
-
主催陣@フリーロワ、主催@フリーロワ、
そして主催側でムテバ・ギゼンガ@ケンガンアシュラを追加予約して投下します。
-
「アタルさん、アタルさん」
「どうしたマコト」
「いつまで隠れてればいいの? あたしたち!」
「何らかの動きがあるまでだ。我慢しろ。諜報部員なら隠れるのは得意だろう」
「うーん……わかったよ! 自分のしっぽをモフモフして落ち着くことにする」
場所にしてF-4とF-5、森と平原の境目にある生垣のような茂みに、
キン肉マンソルジャー(キン肉アタル)とリスの獣人マコト=ナナヤは隠れていた。
隠れて10分くらいは経っただろうか、
辺りの風景が変わらないのにそわそわしていたマコトだったが、
仕方なく自分の大きなリスしっぽを自分でモフることで緊張を和らげ始めた。
なぜ二人は隠れているのか?
それは彼らの目の前に落ちてきた、とあるモノのせいである。
スタート地点付近にあった明らかに怪しい自由の女神へと向かって走っていた二人。
自由の女神の付近には他に参加者が居るかも……と考えての行動だったが、
彼らが自由の女神を目指して走っている最中にいろいろなことが起きた。
①まず、自由の女神のトーチの上に黒い点が見えたかと思えば、
それはトーチに向かって降下していき――いきなり自由の女神が破壊された。
②かと思えばすぐに石像がその場に復活し、しかも自由の悪魔になっていた。
③驚いていたら今度はその悪魔の像も破壊され、そしてまた自由の女神が復活した。
キリストもびっくりの復活劇の連続である。
よほど激しい争いがあったのだろう。そしてまだ続いているやも知れない。
正義に燃える二人はさらに自由の女神へと急いだ。だがそこで。
二人の前に落ちてきたのである。
自由の女神から外れた、大きな大きな首輪が。
「モフモフ……モフモフ……モフ……モフ……」
「マコト、正気に戻れ。動きがあったぞ」
「えっ!」
その巨大な首輪、高さにして4メートルはあろうかという巨大な物体は、
自由の女神から落ちた衝撃で爆発するのではないかと思われたが爆発しなかった。
爆発しなかったのだ。
キン肉アタルは、首輪が爆発しなかったことに不審を抱いた。
――もしやこの首輪、中身は火薬ではないのではないか。
火薬ではないとするならば、いったい何が中に入っているのだろうか?
首輪の中身の正体を探るために、
アタルとマコトは自由の女神に向かうのを止め、
近くの茂みに隠れて首輪を監視していたのだが……今!
ウィーン、と。
首輪の一部が車の扉のようにスライドして開いたのだ!
「えええっもががが!」
「驚くのはいいが声を荒げるな」
「もががが!(そうだった!) ……あ、人が出てくる……たくさん!」
「大体のやつらはローブで姿を隠しているが最初に出てきた一人だけ顔が見えるな……む!」
「あ、あいつは!」
-
そして――中から人が出てきた。
それもけっこう大人数だ。大体はローブを着ていて体格すら分からないが、
一人だけローブを着ていない者がいる。
マコトはその人物を知っていた……そしてアタルも知っている……!
だが読者の皆さんはその姿を知らない上にネタバレとなってしまうため、
ここでの描写としてはコナンの犯人のように黒タイツを着た謎人物の姿でイメージして頂きたい!
そう。その人物とは。
参加者に殺し合いの開始を告げた、このゲームの、主催である!
「何か喋ってるね……でもここじゃ聞き取れないよアタルさん!」
「しかし不用意に近づくのは危険だ。いま、私たちには首輪が嵌められている。
姿を見られた瞬間にドカン、と爆発させられたらひとたまりもない」
「じゃあどうすれば」
「実は盗聴器をセットしておいた」
「すごい! 冷静で的確な判断だね……!」
都合よくアタルの支給品は盗聴セットだった。
アタルはそれを綺麗な水平投げで茂みから地面を滑らせるように首輪の下に置いていたのだ。
マイクを取り出し耳に当てる。マコトもそのマイクに耳をくっつける。
そして二人は主催陣の会話を盗聴したのだった。
◇
(中略)
◇
「――なるほどね。聞いたよね、アタルさん。
あいつら、自由の女神の首輪の中に隠れてあたしたちを見張るつもりだったんだね。
確かに悪くない手だ。自由の女神からなら会場全体を見渡せるし、
首輪に攻撃しようって人はそうはいないだろうから、会場に居ながら参加者から隠れることが出来る」
「なんと……まさかこのバトルロワイヤルが開かれた真の理由があんな理由だったとは……」
「え? えっ、そんなこと言ってたっけ!?」
「うむ、大体理解できた」
「ちょ教えて教えて!」
「今はまだ語るべき時ではない……」
「えーっ!?」
「それより、また動きがあるようだ。何かがやってきた。あれを見ろ」
盗聴に気をとられ、景色の変化に気が付かなかったらしい。
アタルが指差した先をマコトが見ると、
小さくてかわいい妖精みたいなのが主催陣の群れに向かって軍隊進行していた。
アシュラマンの支給品だった建造妖精である。
そして彼らは――何やら光る石のようなものを、主催の男に向かって差し出した。
「あれは!“ジェネラル・ストーン”!」
「エーッ! ジェネラルストーンといえば、
復活を目論む悪魔将軍が自分の力の一部を石にして悪魔超人軍団に与えた、
悪魔の力によって身体を若返らせたり変化させたりできるあの石だよね!?」
「そうだ」
「なんでその石がここに!? そしてどうして主催はあれを!?」
「ふむ……分からん。分からんが、一つ思い出したことがある」
アタルには何か思い当たることがあるようだった。
-
「自由の女神像にまつわる超人のみが知る逸話だ」
「逸話?」
「うむ。実は自由の女神像のモチーフは真の自由の女神像なのだが、
真の自由の女神像にはとある不思議な力が備わっていたのだ」
聞くに、それは超人の中でも限られた人間しか知らない情報だという。
「真の自由の女神像はかつて、正義超人と残虐超人の争いの中で、決闘の場として使われた。
それは『自由の女神像の上で行われた超人レスリングの勝敗は絶対』というルールがあったからだが、
実のところ、そのルールを決めた者は存在していない……これは誰かが作ったルールではない。
かつて存在していた自由の女神像自身が、『そこで戦った者から自由を奪っていた』のだ」
「自由を……奪っていた?」
「そうだ。より正確に言えば、『誓いを守らせる力』、法の力を備えていた。
自由の女神像の魔力はそこに立った者から、
勝敗以外で物事を決めるという、選択肢の自由を奪うのだ」
戦争ではなく、決闘による取決めを行うために。
『約束を反故にすることができない』その像の上で超人たちは戦った。
戦い、勝敗を以って、納得のいく“法”を作り上げたのだ。
そしてその結果、正義と残虐の争いは終わり、多くの超人たちは自由を得た。
ゆえに自由の女神像。しかしその実際は、
「“自由”のために作られた“法”の象徴。
“法”の力を持ち自由を奪う存在。それが真の自由の女神像の力!」
「な、なんだってーーー!? でもそれとジェネラルストーンがどう繋がるの!?」
「それは俺が説明してやろう」
「!?」
「!!」
いつのまにか茂みに潜む二人の目の前にローブを着た男!
バッと飛び離れるアタルとマコト。
戦闘態勢を取る!
対峙する男はがははと笑うとローブを脱ぎ、正体をあらわにした。
「あいにく俺はただの雇われ傭兵で、詳しいことは何も知らないが……、
さっき自由の女神を壊した奴には主催の邪魔をしたとみなして法(ペナルティ)が与えられた。
本人も気づかぬうちに、体内の若返り石を俺たちに回収されていた。
自由の女神の破壊によって――肉体の自由を奪われた、というわけよ」
浅黒い練り上げられた筋肉。
スキンヘッド。
黒目のない眼。
どこかフレンドリーな笑顔。そして……体中に刻まれた部族的漆黒タトゥー。
彼こそは伝説の傭兵、ムテバ・ギゼンガである。
「今頃きっと、他の参加者に始末されているころだろうよ。
……そして。俺がお前たちの前に立っているということは、分かっているな?」
アタルは辺りを冷静に見た。他に敵は無し、主催陣は――首輪ごと消えていた。
建造妖精によって首輪を解体し、どこかへ姿をくらましたのだろう。
ただし一人。この、殺気にあふれる戦ペイントの男を、“警告役”として自分たちに差し向けていった。
「聞かれていた、というわけか」
「ねえアタルさん! なんかあいつあたしをいやらしい目で見てる気がする!」
「考えてみれば当然だな……先ほどまでは監視されていたのだから、
おおよその位置はばれていたわけだしな。あえて殺すほどでもないと判断されたか」
「?」
ムテバは頭にハテナマークを浮かべた。
-
「おい、お前……俺がお前たちに警告だけして帰ると思っているのか?」
「ねえアタルさん! あいつ何だか存在がいやらしいよ!」
「思っているが、何か問題はあるか」
「ふぅむ。舐められたものだな」
手をわきわきしていたムテバは気分を害された、という風に手を振った。
ひゅん――風が吹いた、ような音。
次の瞬間、マコト=ナナヤは脱衣していた。ムテバの誇る女性限定高速脱衣拳である。
「ほう、いい乳だ。あとで揉んでやろう」
「え、ええっ、ちょ、えええええええええええええええええええ!!!???」
慌ててマコトは手としっぽで体を隠しながら、茂みにダイブした。
ひょこんと顔だけ出して、
「おおおおおおいふざけんな死ね!!!!」
ストレートな罵倒である。ムテバは笑みを崩さずに平然と返す。
「そんな布キレのような服を着ているほうが悪い。さて。分かったか?
俺は警告をしに来たのではない。俺は――人間狩りを楽しむために来たんだ」
「マコト。この牧師服を」
「アタルさん!」
トン、トン。と足でフットワークを取るムテバに向かい、
キン肉アタルがマコト=ナナヤを守るように上着を差し出しながら一歩踏み出た。
ムテバはさらに楽しそうな笑みをした。
アタルの目が正義に燃えていたからだ。
「……人間狩りをしたいところ悪いが。私は正義超人だ。お前には、私は狩れぬ」
そして。
ゴングが鳴った。
-
【1日目/午後/F-5】
【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【所持品】基本支給品、ランダム支給品×0〜1
【思考】
1:首輪の解除及び脱出
2:マコトと行動する
3:自由の女神像に向かう
【備考】
※キン肉星王位争奪編終了後からの参戦。
※殺し合いが開かれた理由を盗聴した主催の会話から導き出したっぽいです。
※なんでジェネラルストーンのこと知ってんだろうな。
【マコト=ナナヤ@BLAZBLUE】
【状態】健康、
【所持品】基本支給品、牧師の服、ランダム支給品×1〜3
【思考】
1:首輪の解除及び脱出
2:アタルと行動する
3:自由の女神像に向かう
4:もし、ノエルとツバキがいたら……
【備考】
※CONTINUUM SHIFT本編終了後〜CHRONOPHANTASMA本編開始前からの参戦。
【ムテバ・ギゼンガ@ケンガンアシュラ】
【状態】健康、性欲100
【所持品】なし
【思考】
1:人間狩りする
2:女はおいしくいただく
3:超人ってなんだ? 理人とかいう奴のことか?
【備考】
※主催に雇われた傭兵です。
※自由の女神の首輪内に隠れていた主催陣は、
首輪を建造妖精で解体したあと、どこかに消えていきました。
※主催陣はアシュラマンのジェネラル・ストーンを回収しました。
-
投下終了です。
-
と、OPで主催は姿を現してないようなので該当部分を修正します。
まあ、なんかまた人増えちゃったし、
>>1さん的にアレだとおもったらこの話は破棄でも構いません! 首輪から人が出てくる図を書きたかったのだ
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「えええっもががが!」
「驚くのはいいが声を荒げるな」
「もががが!(そうだった!) ……あ、人が出てくる……たくさん!」
「む……、この声は!」
そして――中から人が出てきた。
けっこう大人数だ。謎のローブを着ていて体格すら分からないが、
しかし何やら雑談しながら出てきたその集団の中に、ひとつ聞き覚えのある「声」がある。
マコトはその「声」を知っていた……そしてアタルも知っている……!
そう。その「声」とは。
参加者に殺し合いの開始を告げた、このゲームの、主催である!
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ええいなんだこの話は!
通るかこんなもん投下乙!
-
おはようございます
投下乙です
フリー!フリー!フリー!フリー!フリー!フリー!フリー!フリー!
良いんじゃないでしょうか
首輪から主催とは正にフリー!
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黒幕や運営側からの刺客を出すのはぉkですか?
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>>346
展開に度を越えて不自然な所がなければ基本的に認める事とします
『早い者勝ち』ですので
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予約から壇狩摩とカーズを外します
-
落ち着いたからなのか、スレの勢いも緩くなったね
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参戦作品の把握がしんどい
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一応秩序を持たせるため主催陣営も書き手枠制にします。
【主催陣営書き手枠】
○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○
22/22
書き手枠の増量なども意見があれば考慮します
-
この書き手枠は「今までに出たキャラたちと同じ作品に限る」などのルールはありますか?
それともまったく新規のキャラを出してもOK?
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>>352
縛りはありません。主催陣営なら出展作品でないものもアリです
しかしある程度の説得力は考えてください
(どう考えても主催側になりそうにない・またはやらないであろうキャラクターなどは……)
-
22人はちょっと多いかなと思います
-
では半分に割って11人にしますか?
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12から13くらい。少なくて8くらいが丁度良いかもしれないです
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【主催陣枠】
1/1【ケンガンアシュラ】○ムテバ・ギゼンガ
○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○
13/13
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投下します
-
蒼ざめた瞳 見つめる炎
今 全てを 捨てる時が来た
想いだす事も 悲しむ事も
許されずに 闘い続ける
今日で命が 燃えつきるとしても
それでも人は 明日を夢見るのか
それが 運命でも
I WANNA GET A CHANCE
絶望の宇宙に 吹き荒れる嵐
未来は誰のためにある
滅びゆく世界 駆け抜ける嵐
選ばれし者 MEN OF DESTINY
◆ ◆ ◆
「さて、あの鳥野郎は何処に行きやがったか」
街中を堂々歩きながらジャギは言った。
先程、黒人の男を殺したのはよいが、その場にいたもう1人。
もう1体といったほうがよいのかも知れないが、とにかく参加者に逃げられてしまった。
あの外見ならすぐにスタミナも切れるだろうし、見たところ戦闘慣れはしていないようだった。
ジャギからすれば、あのような男は恰好なカモであり、優勝するためにもいち早く始末しておくほうが得策だった
「待っていろ鳥野郎!見つけ次第必ずぶっ殺してや―」
「ねぇ、おじさん。私と楽しい事しない?」
意気込みを高らかに言い放とうとしたのに邪魔された。
声のした方角に顔をやると、奇妙な人間がいた。
体つきからして成熟しきっていない少女と判断出来た。何故か服の所々に染みのようなものがあったが、特に気にも留めなかった。
しかし、それ以上に気になったのは少女が付けていた仮面だった。
素顔は分からないが声色とは明らかにあっていないその仮面は、不気味に見えたが何処となく魅かれる魅力のようなものがあった。
普段の彼なら仮面をかっぱらって立ち去るところだったが、今はそんな事は後でよかった。あの鳥男を探すほうが先だ。
「あ〜ん?何だてめぇは?生憎俺は御飯事なんかしている時間は無いんだ。遊び相手なら鳥頭の男でも探すんだな」
そう言って少女と別れたジャギ。少女を尻目に彼はある計画を考えていた。
(鳥男を探せか・・・。状況が分かってるのかは知らねぇが、あのガキなら嬉々と探しに行くだろう。
そしてもみ合いにあっているところを、俺が2人まとめてあの世へ送る。そうすりゃ、
あのガキと鳥野郎に支給品を奪えるだけでなく、優勝にも一歩近づける。へッヘッヘ、我ながらいい考えだぜ!)
今思えば、あの少女と遊んだほうが良かったと後悔する事も知らずに・・・。
-
捜索を続けるジャギだったが、ふと歩みを止めた。
何かが近づいてくる音がした。それがバイクかトラックかは分からない。
もしそうだったら、運転手を引きずりだして奪ってしまおう。そう考えていた。
しかし、音が大きくなるにつれてジャギは少し不安になって来た。
バイクやトラックにしてはやけに音が大きいのだ。どちらかと言うとジェットエンジンのようなものに近かった。
そしてジャギの不安はより一層強めるかのように、それは目の前に現れた。
「おじさん。私1人じゃ鳥頭の人が見つからないから、おじさんも一緒に探すの手伝って?」
「う、うわあああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」
ジャギが見たのはバイクやトラックなどではなかった。かといって飛行機でもなかった。
それは今まで見たこともないくらい巨大なロボットだった。
RX-78GP02A ガンダム試作2号機。コードネーム・サイサリス
アナハイム・エレクトロニクス社がが開発した地球連邦軍の試作型モビルスーツで、
「ガンダム開発計画」によって製造された3機のガンダムのうちの1機である。
当初は高機動性を活かして、様々な弾頭を発射可能なバズーカで敵の中枢を攻撃する強襲用モビルスーツとして開発されたが、
後に戦術核弾頭で敵をを殲滅するコンセプトへ変更された。
動く核ミサイル発射台とでも言うべき存在がジャギの目の前に迫ってきたのだ。
彼は知らなかっただろうが、これは本来は夏菜ではなく、オドルワに対して支給されたものだった。
しかしオドルワにはこの機体を使いこなせるわけなく、放置されていたのを夏菜がデイパックごと回収してきたのだ。
(な・・・何であのガキがこんなモノを持っていやがる!?いや、今は逃げるしかねぇ!)
「ちょっと!待ってよおじさん!」
全力で逃げるジャギとそれを追う夏菜。
地獄の逃走劇はここに幕を開けたのだった。
「だっ、誰か助けてくれーっ!!」
-
◆ ◆ ◆
「な、何とか奴を振り切ったゾイ・・・」
街路樹に寄り掛かりながらそう呟いたデデデは見るからに疲労していた。
訳の分からぬまま殺し合いに巻き込まれ、初めて出会った参加者に殺されそうになったと思ったら、
また別の参加者にその参加者が殺された。次に狙われるのは自分と考えて一目散に逃げ出したが、
無茶な走りをし続けたため息もかなり上がっていた。
「しかし、このままでは何時また奴に見つかるか分からんゾイ!支給品の中に武器になるものは無いかゾイ!?」
急いでデイパックの中身を見てみるも、武器として役立ちそうなのは巨大な鉄パイプでだけで、後は基本支給品と武器としては役に立たないものばかりだった。
「えぇい!こんなものでどうしろと言うゾイ!!ワシはプププランド第17052代目の大王ゾイ!!」
支給品に文句を言いながら鉄パイプを片手で担いで移動しようとしたその時。
「だっ、誰か助けてくれーっ!!」
何処かで聞いたことのあるような声がした。誰だったかを思い出した時、急に背筋が凍りついた。
あの男だ。あの8頭身の男の首を回転させたあの男の声だった。
しかし、どうにも様子がおかしい。あの男があんな情けない声を出すだろうか。
恐る恐る声がした方に眼をやった時、更なる恐怖を感じることになった。
あの男が全力で逃げる中、その後ろを巨大なロボットが追いかけてきたのだ。
しかも、見たところ速度はそんなに出していないようだが、逆に言えばその気になればすぐに捕まえることが出来るということは、
初歩的な足し算もできないデデデでもすぐに理解できた。
「ぎいぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁっっっ!!!」
先程以上の悲鳴を。鶏の断末魔のような声を挙げてデデデは逃げ出した。
「あっ、鳥頭の人だ!待ってー!」
名も知らない鳥頭の男の姿を見て速度を上げる夏菜。この展開はジャギも予測できていなかった。
「な、何ぃっ!?速度を上げてきただと!!鳥野郎め覚えてやがれ!」
鳥頭の男を恨みながら、ジャギもまた全力で走り出した。
ジャギと夏菜から逃げるデデデ。
デデデを追いながら夏菜から逃げるジャギ。
ジャギとデデデを追いかける夏菜。
3者の思惑が絡み合いながら、逃走劇は続行された。
「ふぅ・・・ここまで走れば少し疲れましたね・・・。休んでいきましょうか」
そう言うのは妖精を2匹連れた男。オガタ・カズチカだった。
レスラーとして活躍していた彼も、オカダッシュをし続けるのは無理があった。
というよりもあれだけの距離を走破したことに驚きを隠せない。
「オカダ・・・さんもずいぶん走ったわね。これだけ走れば仲間の1人や2人はいるはずよ」
チャットはオカダのスタミナを呆れながらも評価していた。
先程まではオカダと呼び捨てにしていたが、その度に訂正されるため最終的にはチャット自身が折れてしまった。
「でもお姉ちゃん・・・もし、この場所に殺し合いに乗っている人が来たら・・・」
「何言ってるの。その時は引きずってでもオガタ・・・さんを連れて行くわよ」
チャットとトレイルの会話を微笑ましく見守っていたオカダ。
その光景は殺し合いと言う場では異常なものであると共に、砂漠の中のオアシスのような救いのあるものだった。
しかし、その平和は長く続くことはなかった。
-
◆ ◆ ◆
「ぎいぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁっっっ!!!」
耳を劈くような汚い叫び声が響き渡った。見ると随分と出来の良い鳥のマスクを被った男が全力でこちらに走ってきた。
その後ろから、見るからに悪人面な男。そして2人を追いかけるロボットの姿があった。
「ちょっとあんた達、何があったのか説明しなさい!」
チャットの静止を振り切って爆走する2人。その顔は恐怖に歪んでおり、明らかに普通の人間のものではなかった。
「オカダさん!このままだとボク達まで・・・」
トレイルの声を聞く前にオガタは行動に移っていた。
単身で迫り来る巨大ロボットに向かっていったのだ
「お二方、下がっていてください。ここは何とか彼らの逃げ切る時間を稼ぎます」
そう言いながら、巨大ロボと対峙するオガタ。
その体格さは歴然だった。
オガタが2メートルもないのに対し、試作2号機は18.5メートルの巨体を誇っていた。
しかも先程戦ったオドルワと違ってこちらは機械。ダメージが通っているかどうかは、息遣いで判断することは不可能であり、
直接見て判断しなければならない。しかも83.0トンという桁外れな重量を持っている相手には、お得意の『フィニッシュ・ムーブ』も通じる可能性はきわめて低かった。
「あっ、オカダさん!私と少し遊んでくれませんか?」
その声から少女が乗っていると判断したオカダは確信した。
勝てる
絶対に勝てる――と。
「分かりました。全身全霊の力を持ってあなたの相手になりましょう!」
次の瞬間、彼の意識は永遠の闇に沈んだ。
ファイティングポーズを取った瞬間。試作2号機のビームサーベルに一刀両断されたからだ。
刀身の膨大な熱量にオガタの身体は真っ二つになると共に一瞬で溶解してしまった。
先程倒した巨大な敵、オドルワと試作2号機を同一レベルに見てしまったことが、彼の最大の敗因だった。
何があったのか考える時間さえ与えられず、オカダはこの殺し合いの場から脱落したのだった。
「あれ?もう死んじゃったの?つまんないの」
あまりにも早い幕切れに退屈そうな態度を取る夏菜。
今の彼女が望む楽しいこととは、他の人間からすればただの殺し合いだった。
ムジュラの仮面を被り続けたことで、その身体は強大な呪力に蝕まれつつあった。それにより彼女の物言いも何処か狂ったものになりつつあった。
彼女の意識が完全に取り込まれる可能性もあるが、そんなことを彼女は知るよしもなかった。
「お・・・お姉ちゃん・・・」
「・・・・・・・・・」
「お姉ちゃん!」
「わ、分かってるわよ!急いで逃げるわよトレイル!」
「あ〜あ。妖精さんに逃げられちゃった」
そう言いながら地上に降り立ち、オカダのデイパックを調べた。
しかし、中には使えそうな支給品はなかった。あの妖精2匹が彼に宛てられた支給品だったのだ。
チャットとトレイルには逃げられてしまったが、彼女からすればどうでも良いことだった。
あの羽なら、少なくともこの試作2号機並の速さで動けるとは思えなかった。
仮に捕まえたとしてもその後はどうしようか。そのまま始末しても良いし、仕えさせるのも面白い。
「まぁいいか、さっきのおじさん達も探して遊ばなきゃ」
明るくも何処か狂った声色で、捉え方によっては物騒なこと共取れる物言いをしながら、彼女は試作2号機に乗り込みそのまま発進させた。
-
◆ ◆ ◆
「あ、あの灯台に身を隠すゾイ!」
一瞬の惨劇が起きたことを知らないデデデの肉体はもう限界に来ていた。
あの8頭身の男が殺されてから、ほとんど休みなく走り続けてきたのだ。
普段ここまで走ることはなかったし、仮に元の世界で走ったとしても目の前で人が死ぬことはなかった。
少なくとも、目に映る灯台に逃げ込めば何とかやり過ごせるかもしれない。
「ま、待ちやがれ鳥野郎!」
後ろからあの男が走ってくる。しかし声から推測するに、先程までの余裕は全くなかったようだ。
事実。このままだと自分だけでなくあの男も巨大ロボットに殲滅される可能性もあった。
しかし、それと共にある考えが思いついた。
――あの男をこちら側に引き入れられないだろうか?
ここにいる参加者は、仮定はどうであれ結果的には生きてこの世界からの脱出を望んでいるかもしれない。
それを踏まえて説得すれば、もしかしたら共同戦線を組める可能性があった。
だからこそ、デデデは一世一代の大勝負に出た。
「ちょっと待つゾイ!お前さん、ワシと手を組む気はないかゾイ!?」
駄目元で同盟を結ぶことを告げた。
「あぁ!?こんな時に何寝ぼけたことをほざきやがる!」
「お前さんが殺し合いに乗っているのは十分に分かっておるゾイ!
だか、根本的にあるのはこの世界からの脱出なはずゾイ!
それを考えれば、お前さんも1人でも協力者が必要になってくるゾイ!!」
「・・・」
デデデの言葉を耳に入れながらジャギは考えた。
(協力してくれだと・・・?フンッ、こんなデブに何が出来るって言うんだ。
だが、囮ぐらいには使えなくもないか・・・。それに気に食わない言動をすれば、
すぐに殺してしまえばいい。こんな奴を連れて脱出なんてまっぴら御免だ!)
「そんなに言うなら仕方ねぇ。協力してやる。だがな、もし馬鹿なことしやがったらすぐにぶっ殺してやるからな!」
「おぉ!それは助かるゾイ!それじゃあ今後ともよろしく頼むゾイ!」
ジャギの思惑を知ってか知らずか、願ってもない返答に喜ぶデデデ。しかし、その間にも巨大ロボットを迫ってくる。
「と、とにかくあの灯台に逃げ込むゾイ!」
ジャギと共に灯台を目指すデデデだったが・・・。
「もう!待ってって言ってるでしょ!」
夏菜そう言いながらビームサーベルを戻すと共に、背負っていたバズーカに持ち替えた。
照準は前を走る2人・・・ではなくその前。灯台と孤島を繋ぐ大橋だった。
そして夏菜は狙いを定め、ビームバズーカを発射した。
-
◆ ◆ ◆
耳を裂く爆音。
砕け散る大橋。
吹き飛ばされる瓦礫。
全ては一瞬の出来事だった。目の前に起きたことに2人は俄かに信じがたいことだった
「げっ!!橋が!!」
「こ、壊されたゾイ!」
そこには見るも無残な大橋だったものがあった。もう橋としての機能を果たすことはないだろう。
「えぇい、こうなったらこのまま飛び越えるゾイ!」
その言葉と共に大橋を飛び越える。しかし、ここで1つの問題があった。
仮に逃げ込めたとして、もしそこに殺し合いにのっている者がいたら。
さらに、もしその人物が今隣にいる男より強かったら。
この男だけ殺してもらって、自分だけ助かる・・・という展開は望めそうになかった。
だが、もうここまで来たら後戻りできない。
何とか灯台に逃げ込んだ2人だったが、それと同時に灯台から何かが発進するのが見えた。
灯台の最上階から出撃したのを考えると、どうにもこちらの味方の可能性があったが、まだ油断できなかった。
それを踏まえて2人はただ、飛びだっていった何かがあの巨大ロボットを何とかしてくれることを願うしかなかった。
「?何かこっちに向かってくる?」
灯台を目前にした夏菜の前に接近してくるものがあった。
少なくとも、あの2人のどちらかと言うことはない。あれだけ体力を消耗し、恐怖したら逆に立ち向かってくるとは思えなかった。
仮に別の誰かだったとしても、夏菜からすれば遊び相手が増えるだけでしかないので、願ったり叶ったりといったところだった。
やがて、メインカメラで確認できるほど近づいてきたそれは、全身が赤く塗装されたモノアイの機体だった。
「あれ?あなたも一緒に遊んでくれるの?」
「何処の誰かは知らんが、これ以上好きにはさせんぞ!」
モノアイの機体に搭乗する男。ルルーシュは少しばかり焦っていた。
いかんせん信用できない男と柱の男を名乗る不審人物に加え、灯台に転がり込んできた2人組みの男。
そして、その後を追ってきた巨大ロボットと。彼でなくとも精神疲労が溜まるのに無理はなかった。
だからこそ、今すぐにでもこの目の前にいる敵を撤退。もしくは撃墜しなくてはならない。
そう考えているうちに、敵は武器を腰にあるビームサーベルに切り替えた。
幸いにもこちらにも似たような武器はあったが、こちらは機体慣れしていない上に武装からして不利だった。
こちらはビームピストル。ビームサーベル。クレイバズーカ。55ミリバルカン・ファランクス。多目的ランチャーといったものだが、
一方の敵には60ミリバルカン砲。ビームサーベル。ビームバズーカ。多連装ロケットシステム。ラジエーターシールド。
そして両者共に知らない最終兵器。アトミック・バズーカ。
武装数はほぼ互角だが、火力面に関しては試作2号機が上だった。特にアトミックバズーカを使われようものなら、
灯台は確実に消し飛び、中にいる者たちも一瞬にして燃えつきるだろう。それだけでなく、エリア近辺が放射能汚染されるのは間違いなかった。
だからこそ、限られた手段で目の前の敵に対処しなければならない。
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その時。激突する2人をまとめて一網打尽にせんと、1つの機体が急接近してきた。
「な、何!?援軍!?」
「違う!あれは・・・!」
望んでもいない第3者の乱入に驚愕する2人を尻目に現れたのは、異なる世界で「バニシング・トルーパー」の名で呼ばれる機体・ヒュッケバイン。
その外見は初見は誰もがこう思ってきた。
――ガンダムだと。
「ガンダム」であり、「ガンダム」でないもの
「ガンダム」のようで「ガンダム」でないもの
「ガンダム」でない姿で「ガンダム」であるもの
三つ巴の「ガンダム」による戦いの時は一刻と迫っていた。
【オカダ・カズチカ@新日本プロレス 死亡】
【一日目/午後/A-6】
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康、クワトロ専用リック・ディアス搭乗
【所持品】基本支給品、コルトガバメント(7/7)@現実、クワトロ専用リック・ディアス@機動戦士Zガンダム、ランダム支給品0〜1
1:バトルロワイアルを頓挫させる
2:2体の機動兵器を撤退させる。最悪の場合は撃墜も考慮
3:当面は狩摩と行動。殺し合いに乗った参加者は片っ端から無力化する
【備考】
※R2最終話後からの参戦です
※ギアスで他人の生死に関わる命令を行うことは出来ません(●●を殺せ等は可)
【俺@シャアが来る】
【状態】1人残った傷ついた俺、ヒュッケバイン搭乗
【所持品】基本支給品、ヒュッケバイン@第4次スーパーロボット大戦、ランダム支給品0〜2
【思考】
1:狙いさだめる
2:流した血しぶき後で後で拭け
3:生きて見つめる……
【備考】
※「一人で死ぬかよ奴も奴も呼ぶ」時点の参戦です
※クワトロ専用リック・ディアス、ガンダム試作2号機にジオン系モビルスーツの面影を感じています
【南夏奈@みなみけ】
【状態】健康、狂気、ムジュラの仮面装備、ガンダム試作2号機搭乗
【所持品】基本支給品、ムジュラの仮面@ゼルダの伝説 ムジュラの仮面、ガンダム試作2号機@機動戦士ガンダム0083 STRADUST MEMORY、ランダム支給品0〜3
【思考】
1:楽しいことをしたい
2:目の前の2人と楽しいことをする
3:その後でおじさんと鳥頭の人と遊ぶ
【備考】
※オドルワのデイパックを回収しました
※ガンダム試作2号機はオドルワのランダム支給品です
※ムジュラの仮面を装備していることで狂気に囚われています。仮面を引き剥がすか破壊することで正気に戻せます
※灯台と孤島を繋ぐ橋は破壊されました
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【一日目/午後/A-7】
【ジャギ@北斗無双】
【状態】疲労(大)、恐怖、コンバットナイフ装備
【所持品】基本支給品、コンバットナイフ@現実、ランダム支給品1〜5
【思考】
1:殺し合いに乗って優勝する
2:ロボットがこっちに来ない事を祈る
3:今はデデデと行動する。時が来たら・・・
4:どうにかしてケンシロウとの差を埋めたい
【備考】
※死亡後の参戦ですがケンシロウに伝承者候補の辞退を迫る前の風貌です
※以下の奥義が殺し合い中には使用可能です
・北斗千手殺
・南斗邪狼撃
・秘孔穿腕孔
・北斗羅漢撃
・陰陽殺
・北斗邪剪手
※以下の奥義は殺し合い中には使用不可です
・スカーフェイス
・俺の名を言ってみろ!
※以下の奥義は特定の武器があれば使用可能です
・鉄の暴風
・燎原の火
・核の炎
※クックのデイパックを回収しました
【デデデ大王@星のカービィ(アニメ)】
【状態】疲労(大)、恐怖、鉄パイプ装備
【所持品】基本支給品、鉄パイプ@コマンドー、ランダム支給品0〜2
【思考】
1:殺し合いから脱出する
2:ジャギと共に灯台に身を隠す
3:協力してくれる部下を探す
【備考】
※最終決戦前の参戦です
※武器になるものは鉄パイプ以外ありません
※チャットとトレイルが何処に逃げたかは他の書き手さんに任せます
※カーズと壇狩摩がこの戦いに気付いているかは他の書き手さんに任せます
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投下終了です
続いて、水嶋咲を予約します
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主催陣も姿を現し始めたのでまとめてみました
参加者
0/2【機動戦士ガンダムAGE】●フリット・アスノ/●デシル・ガレット
1/2【キルラキル】○猿投山渦/●針目縫
1/2【現実】●自由の女神/○奈良の大仏
0/2【コマンド―】●ジョン・メイトリックス/●クック
2/2【ジョジョの奇妙な冒険】○ファニー・ヴァレンタイン/○カーズ
1/2【真・女神転生2】●Y.H.V.H/○ミカエル
1/2【ドラゴンボールZ】○ベジータ/●バーダック
2/2【Fate/zero】○雨生龍之介/○キャスター
1/2【Free!】○七瀬遙/●葉月渚
1/1【アイドルマスター】○天海春香
1/1【アイドルマスターsideM】○水嶋咲
1/1【浦安鉄筋家族】○国会議員
1/1【学園ハンサム】○志賀慎吾
1/1【片道勇者】○ネームレス
1/1【仮面ライダー龍騎】○神崎士郎
1/1【キン肉マン】○キン肉アタル
0/1【キン肉マン2世】●アシュラマン
1/1【コードギアス 反逆のルルーシュ】○ルルーシュ・ランペルージ
1/1【シャアが来る】○俺
0/1【新日本プロレス】●オカダ・カズチカ
0/1【侵略!イカ娘】●イカ娘
1/1【スーパーダンガンロンパ2】○田中眼蛇夢
1/1【スーパーロボット大戦OG】○アクセル・アルマー
0/1【聖闘士星矢Ω】●エデン
1/1【戦姫絶唱シンフォギアG】○マリア・カデンツァヴナ・イヴ
1/1【ゼルダの伝説 時のオカリナ】○暗黒幻影獣ボンゴボンゴ
0/1【ゼルダの伝説 ムジュラの仮面】●密林戦士オドルワ
1/1【相州戦神館學園 八命陣】○壇狩摩
1/1【第2次スーパーロボット大戦Z再世篇】○ユーサー・インサラウム
1/1【∀ガンダム】○ギム・ギンガナム
1/1【真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日】○神隼人
1/1【デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト】○アリス
1/1【とある魔術の禁書目録】○一方通行
1/1【東方Project】○十六夜咲夜
0/1【ドキドキ!プリキュア】●円亜久里
1/1【ドリフターズ】○ジャンヌ・ダルク
1/1【Fate/Apocrypha】○黒のアサシン
1/1【Fate/EXTRA】○セイヴァ―
1/1【Fate/stay night】○セイバー
1/1【BLAZBLUE】○マコト=ナナヤ
1/1【北斗無双】○ジャギ
1/1【星のカービィ(アニメ)】○デデデ大王
1/1【魔法少女まどか☆マギカ】○鹿目まどか
1/1【みなみけ】○南夏奈
1/1【めだかボックス】○与次郎次葉
1/1【もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド】○チンクル
1/1【らき☆すた】○柊つかさ
主催陣
1/1【ケンガンアシュラ】○ムテバ・ギゼンガ
12/12【書き手枠】○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○/○
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タイトルをSTAR DUSTに変更します
連投すみません
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投下乙&参加者まとめ乙です
ロボット対戦がはじまった…
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作品把握難易度が高いからなのか、スタート時に比べて人がいないな…
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短いですが投下します
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彼女。いや「彼」は焦っていた。
頼れる人はいない。プロデューサーも、同事務所の仲間達も誰もいない。
自分は何をすればいいのか。何かをしなければならないのか。
何を選べばよいのか。その先に何が待ち構えるのか。
何も分からない。分かってもどうすることもできない。
そんな自分が醜くて仕方なかった。
自分はただカワイクなりたかっただけなのに。あの時見て憧れた少女達「765エンジェルス」のようになりたかったのに。
殺し合いを最後まで生き残り、元の世界へ帰還して望んでいたアイドルになれるだろうか。
いや、それは無理だ。
咲はすぐにその考えを捨て去った。もし自分以外の参加者達を皆殺しにし、カワイイアイドルになったとしても、
そのまま何ごともなく平常心を保っていられるだろうか。
もし彼がトチ狂った人殺しや全てを無常に感じる存在だったらどうとでもなっただろう。
しかし「彼」はそんなぶっ飛んだ連中ではなく、ただアイドルになりたいだけの少年でしかないのだ。
「うぅ・・・・・・どうすれば、どうすれば誰も傷つけないでいられるの?
どうして人を傷つけなくてはいけないの?あたしのためだけにひどいことをしてもいいの?」
いくら自問自答しても、答えは出てこない。
地図もなしに道を迷った人間が、目的地にたどり着けるだろうか?
眼前の事実を泣くことで一時的に逃れようとする人間に、未来を掴めるだろうか?
――そもそも、何故自分はここにいるのか。
誰が望んでここに招いたのか。咲自身はそんなこと全く望んでいなかったのに。
もし仮に何か行動を移そうにも、手に持っているのは1本のバールだけ。
これだけで何が出来るというのか。殺し合いに召喚された以上、殺し合いに乗った参加者もいるかもしれない。
それに殺し合いに乗らない参加者と合流できたとしても、これだけではその人達の足を引っ張ってしまうのは目に見えていた。
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何か武器になる物はないかとデイパックをひっくり返してみるも、出てきたのは基本支給品と1つの小袋だけだった。
その小袋の中には、緑色の豆が10粒だけ入っていた。
現実は非情だ。こんな自分にはバールと豆粒しか支給されないとは。
絶望の淵に突き落とさそうになった時、咲はあることに気がついた。
「あれ・・・やけに暗い?」
デイパックをひっくり返してから妙に自分の回りが暗くなっていたのだ。
先程までは昼時なだけに日光がさんさんと照っていたのに。
影の方を向くとそこには、身の丈16メートルはあろうかと言う鋼鉄の闘士だった堂々と仁王立ちしていた。
マスターガンダムと呼ばれたその機体は、かつて地球と自然の再生に苦悩したある男の愛機だった。
その力はデビルガンダム四天王筆頭にして、クーロンガンダムを素体としてDG細胞により生成された存在と言えば、どれ程の力を持っているか分かるだろう。
真紅のウイングシールドをマント状に展開させ全身を覆ったノーマルモードは『防御形態』と呼べるもので、
攻撃力や機動力はアタックモードに劣るものの、高い防御力を誇り、マントの1部を展開して片腕を出して技を繰り出す変幻自在な面も持つ。
一方、ウイングシールドを翼の様に折り畳むとアタックモードになる。
この形態こそがマスターガンダムの本来の姿であり、とても高い戦闘力をいかんなく発揮することが可能になる。
更にはDG細胞と呼ばれる金属細胞により「自己再生」「自己増殖」「自己進化」の機能を持ち、
それにより驚異的な自己修復能力を誇り、長期間の戦闘を可能としている。
しかし、そんなDG細胞は完全な有益物ではなかった。
本来ならメカニックの整備の手間を省き、生物には欠損部分を補助する目的で開発されたが、
無機物でありながら、有機物とも融合して固体そのものを変異させてしまうという欠点があった。
完全に侵食されると生物は凶暴になり、挙句の果てにはゾンビとなって生きる屍と化してしまう。
一定のエネルギー供給がなければ活動は促進せず、健全な生命体が必要不可欠になるが、
生命体自体にも負担を強いられるので無限供給ができるわけではない。
また、人間の強靭な意思でその活動を操作することが可能であり、逆に言えばその意思がなければ細胞に支配されてしまう。
そんな諸刃の剣を前にして「彼」はその強靭の意思を保ち続けられるだろうか。
「彼」には「元の世界に帰りたい」という強い意思があった。しかしそれと共に「その過程で誰かを傷つけたくない」という考えもあった。
相対する2つの意思を持った咲は、この機械仕掛けの武神を我が物とすることが出来るだろうか。
その答えは「神」でさえ分からない。
【一日目/昼/D-3】
【水嶋咲@アイドルマスターsideM】
【状態】健康、迷い
【所持品】基本支給品、バールのようなもの@現実、マスターガンダム@機動武闘伝Gガンダム、仙豆(10/10)@ドラゴンボールZ
1:生き残ってアイドルになりたい。でもその過程で誰かを傷つけたくない
2:共に生き残りたい人達と出会い、共に行動する
【備考】
※茶髪ツインテールにメイド服、喋り方など一見女の子です
※2つの意思の間に揺れ動いています
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投下終了です
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うーん人がこないな…
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残念だが、好き放題なロワだから見えてた未来だろう…
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やっぱり参加者全員書き手枠は無理があったんやな…
某ロワは成功したけど
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参加者枠って全部埋まったんだ?
まだ予約だけで投下ないのがあると思い込んでてそれが来てからー、くらいに考えてたんだけど、
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どいつもこいつも好き勝手にほざいてて草生える
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ならほざけなくなるようどうにかしろよ。あくしろよ
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スレ主は何処に行ったのか…
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方針一切決めない放任主義って奴でしょ
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そりゃFREEだもん、蒸発もFREEよ
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これ今、枠全部埋まってて 主催陣営沸く有 予約無し
って状況でおk?
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そう見たいだね。問題はこれだけの参加者を把握して書ける人がいるかだけど
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<削除>
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待ってる
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天海春香で予約
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キン肉マン原作がフリーロワに追いついた件
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イカ娘がこんなむごい死に方をするとはなぁ…。
かわいさ+強さゆえに割と序盤は生き残りやすい印象があるだけにショックだった。
針目が死んだ時は正直ざまあと思いました。
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私自身のイカ好きが高じて、滅茶苦茶趣味の悪い展開を一度やってみたいなと思ったのです……。
あと、メイトリクス共々「死ななそうなキャラ」というイメージを払拭したいって意図もありました。
そういうわけで陰鬱な気持ちを抱かせてしまったのは、ある意味狙い通りだったりします。
繋ぎの針目死亡話は、それを多少なりとも晴らして貰える感じでしたので、心の中でGJ! と思っております。
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本スレッドは作品投下が長期間途絶えているため、一時削除対象とさせていただきます。
尚、この措置は企画再開に伴う新スレッドの設立を妨げるものではありません。
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