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祈願祭
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鏡には五十六人の願いが書かれていた。
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8/8【Fate/zero】
○衛宮切嗣/○言峰綺礼/○アーチャー/○ウェイバー・ベルベット/○ライダー/○間桐雁夜/○雨生 龍之介/○キャスター
7/7【魔法少女育成計画】
○スノーホワイト/○リップル/○カラミティ・メアリ/○ルーラ/○ハードゴア・アリス/○森の音楽家クラムベリー/○スイムスイム
6/6【魔王 JUVENILE REMIX】
○安藤/○安藤潤也/○犬養舜二/○マスター/○蝉/○スズメバチ
5/5【HELLSING】
○アーカード/○ウォルター・C・ドルネーズ/○アレクサンド・アンデルセン/○リップヴァーン・ウィンクル/○少佐
4/4【バトル・ロワイアル(小説)】
○川田章吾/○桐山和雄/○杉村弘樹/○三村信史
4/4【ニンジャスレイヤー】
○ヤモト・コキ/○スーサイド/○ソニックブーム/○シルバーカラス
4/4【小説 仮面ライダー龍騎】
○城戸真司/○秋山蓮/○浅倉威/○霧島美穂
4/4【エアマスター】
○深道/○ジョンス・リー/○駒田シゲオ/○尾形小路
2/2【ダークナイト】
○ジョーカー/○トゥー・フェイス
2/2【バットマン(映画)】
○バットマン/○ジャック・ネイピア(ジョーカー)
5/5【書き手枠】
○/○/○/○/○
56/56
【唯一のルール】
戦わなければ生き残れない
【地図】
ttp://www20.atpages.jp/r0109/uploader/src/up0303.jpg
・ミラーワールドではないです
【支給品】
・OPで桐山和雄が手渡されたように参加者は全て 四次元袋@魔法少女育成計画 を持っています。
・四次元袋の中にはランダムに支給品が1〜3個と手鏡が入っています。
・手鏡には血文字で所有者の願いが書かれており、また色々映ります
・色々は色々です、地図や参加者情報や両親の現在など好き勝手に映しましょう
・鏡がいろんな役割を果たすので基本支給品は無いです
・龍騎勢のエンブレムは支給品枠を一枠削って本人支給とします。
・サーヴァントの宝具も上に同じ
【雑多】
・放送、首輪、禁止エリアは無いです。
・会場は常に明るいものとしてください
・制限は特に無いですが他作品のキャラ同士が普通に戦えるようなそういうものはあります
・サーヴァントは受肉した状態です
・予約期間は延長なしの一週間です
・書き手枠は参戦作品内なら好きに使ってください
【時間表記】
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
-
寝具の中で微睡んでいる中で、本人も気づかぬ内に夢の世界へ落ち込むように、彼は気づけばその場所にいた。
その場所は鏡の部屋という他無かった。
床も壁も天井も全てが鏡で構成されている。
本来ならば鏡は何もかもを正反対に、あたかもそれが真実であるかのように映すだけだっただろう。
だが違う。鏡をよく見ればその表面はびっしりと血文字で覆われていた。
絵馬に願いを書いて奉納するように、その部屋は欲望の叫びで溢れている。
金を欲する者、愛を願う者、現状の変化を望む者、健康やあるいは誰かの死を祈る者、中には玩具を望むような他愛のない願いも存在する。
「…………」
桐山和雄は人間として空白だ。
母親の胎内にいた頃に特異な事故に遭い、手術の際に神経細胞の一部を削り取られ、感情が失われてしまっている。
故に、突然起こった世界の転換も、押し寄せる願いの濁流も、桐山和雄の心を動かすことはない。
彼が異変に気づくのに、そう時間は必要無かった。
この場にいる誰のものでもない人影が鏡に写っている。鏡と向き合うべき現実の主体が存在していない。
それは茫茫としていて、まさしく人の影というべきようなものだった。
(願いを書け)
おそらく人影が発したであろう声を、桐山和雄は聞いた。
いや聞いたというよりは感じたという方が正しいのだろう、その声は鼓膜を介さず直接脳を震わせたもののように思われた。
願いとは何だろうか、桐山和雄はわからない。
己が望むものは何もない。
何と出会おうとも、あるいは何と別れようとも、己はああ、そうか。と思うだけだろう。
書け、と言われても願いがない。
何の気も無しに学生服のポケットを漁れば、当然であるかのようにポケットの中には硬貨が入っていた。
ならば、プログラムの時のようにコイントスに願いを託してみようか。
表ならば――プログラムに戻る
裏ならば――この流れのままプログラムの関係ない土地に行く
宙に放たれた硬貨の出目の行方は、桐山和雄の手の中に落ちるまでは全知全能の神以外に知るものはいないだろう。
桐山和雄は受け止めたコインの出目を確認した。
鏡はまた一つ、新たな願いを受け止めた。
それと同時に、桐山和雄の手に袋が握られた。
無造作に手を突っ込むと、慣れ親しんだサブマシンガンの感触がある。
(契約は成立した)
契約――その言葉に桐山和雄は、かつて読んだゲーテのファウストを思い出した。
目の前にいる、と言うのも差支えがあるが、ここに己を連れてきた人影は悪魔なのだろう。
(戦え、五十五人の願いを踏み越えて……己の願いを叶えろ)
周りの鏡には、戦いの姿が映っている。
それは世界におけるありとあらゆる場所、ありとあらゆる時間軸での戦いの光景だった。
鏡のある面は、古代ローマの闘技場で剣闘士が獅子を相手に戦っている様子を映し出している。
またある面は、侍同士が己の刀に魂を込め、一騎打ちをしている様子を映し出している。
また、甲冑を模した強化外骨格の戦士同士が戦っている様子や、ドレスを血に濡らして少女たちが争っている様子も映しだされている。
何も変わらないと、桐山和雄は思った。
殺し合い、生き残る。やることはプログラムと何一つ変わらない。
ならば、何も問題はない。
桐山和雄は当然のように鏡の中に進んでいく、妨げるはずの固体の質量はなく、鏡は液体のように桐山和雄を迎え入れた。
鏡の中は無窮の闇である。視界の中には灯火ほどの光もない。
ならば、いつか見るであろう光――そこが、己の戦場なのだろう。
感情は動かない。
桐山和雄は戦場に向かった。
【GAME START】
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アーカード、ジョンス・リーを予約します。
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投下します
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神塚山。
地面は特別整理されておらず、荒れ果てるままに任せて掌の大きさから、人間の頭蓋骨程度の大きさまで、大小様々な石が転がっている。
一流の登山家からすれば、物足りない距離であろうが一般人にしてみれば一汗かけていい塩梅の高度である。
絶景と言わずまでも、島の全域が見渡せる。
特別に理由があったわけでもないが、特別な目的もないので男は頂上を目指して歩いている。
ホスト風のスーツに身を包み、かといって身に纏う気は達人のそれであり、決して水商売の人間のそれではない。
外見の年齢に見合わず白髪であり、目は猛禽類の様に、ただ鋭くある。
男の名はジョンス・リー、深道ランキング元一位。現代最強の八極拳士である。
数十分そこら歩くと、ジョンス・リーは頂上に辿り着いた。
頂上には申し訳程度に双眼鏡とベンチが備え付けられており、申し訳無さそうに立っている看板には神塚山の標高が書かれていた。
双眼鏡を利用しようにも、手持ちに百円は無い。
特にすることもないので、ベンチに座り疲れているわけでもないのに、息をついた。
「願いか……」
願いを書け――と言われたが、ジョンス・リーには特別に願うことは無いように思われた。
少なくとも、この前の敗北を覆したり、あるいは渺茫への勝利を願うのは己の安いプライドが許さない。
かといって生活に関しても特に不自由はしていない。現状への不満も無い。
どんな願いでも許されることを人影に言質を取り、ならばと――ジョンス・リーは奈良と鎌倉の大仏を願った。
「おまえ、願いは?」
「随分と余裕がありそうだな、ヒューマン」
特に何を言うでもなく、ジョンス・リーと同じように山を登り、ジョンス・リーの隣に座る赤いコートの男。
ハットも赤く染められており、何らかの用途で装着しているのであろうゴーグルのレンズも赤である。
その赤色は情熱というよりもどこか血染めを思わせるが、特別に気圧されるわけでもなくジョンス・リーは平然と男に声を掛けた。
「願いを聞いてどうする?」
「特に、何も」
ジョンス・リーは男の願いに興味があるわけではない。
ただ、何となく、気まぐれに、聞いただけだ。
「庭にタワーブリッジを」
「面白いな」
言葉とは裏腹にジョンス・リーが笑みを浮かべることはない。
ただ、その願いの根源が己と同じであることは何となく理解した。
隣の男もまた、己の安いプライドと同じような何かが、直接願いを叶えることを否定している。
「やるか」
何を、とは言わない。
ただ、その言葉だけで赤い男は口角を釣り上げた。
「いいぞ、ヒューマン……お前は化物の前に立った、闘志を向けた、お前は何だ?狗か?人間か?化物か?」
「八極拳士だ」
-
深く重心を下げ、ジョンス・リーは構えた。
二本の足が確と大地を踏みしめる。
それに対し、赤い男は構えない。
二本の腕をだらりと流し、ただ動くままに任せている。
ジョンス・リーと赤い男の視線が交差した。
ジョンス・リーは跳んだ。
ジョンス・リーが足を置いていた地面は、まるでその場にだけ超重力が掛かったかのように抉れている。
――靠撃
ジョンス・リーの背面が赤い男を打った。
その威力をなんと形容するべきであろうか。大爆発、そうとしか言い様が無い。
衝撃が赤い男を吹き飛ばした。
成人男性が人間に吹き飛ばされて宙を舞う光景など、生涯に何度見ることがあろうか。
だが、宙を舞った赤い男は、重力から解き放たれたままに空で一回転し、猫のように地面へと着地した。
「素晴らしい」
「やれやれ……まただ」
目の前の赤い男の拍手を、ジョンス・リーは苦々しく受け止めた。
「だから人間は素晴らしい」
「ちっとも素晴らしくねぇ」
「ここまで技を磨き」
「本気でぶち込んでこれだ」
「ならば私も出し惜しみはしない」
「俺は最初から全力だ」
「拘束制御術式 第三号 第二号 第一号 開放
状況A 「クロムウェル」発動による承認認識 目前敵の完全沈黙までの間 能力使用 限定解除開始」
赤い男がバラバラに解けていく。
人間とは肉と血と臓物と骨で出来ているのではなかったか。
男の肉体はバラバラに解れ、解れた身体からは狼が、百足が、放たれていく。
「本当に化物退治やることになるとはな……」
完全なる怪物と化した目の前の敵に対し、ジョンス・リーの目に諦観は無い。
「怯えているか?お前は……人間でいられるか?」
「ああ」
逃走という選択肢は最初から存在しない。
例え、敵が何であろうが、行動は唯一つ。
何万と繰り返した己そのもの。
「怪物退治は慣れてる」
飛び散ったアーカードの肉片が百足へと変じて、ジョンス・リーを襲う。
足早に駆けた双頭の狼が、ジョンス・リーを襲う。
靠撃が双頭の狼を吹き飛ばす。
だが、百足はジョンス・リーに食らいついて離さない。
そして、吹き飛ばした狼は態勢を整えて、再びジョンス・リーに食らいつきに行く。
(やれやれ……)
襲いかかる魔獣の群れを相手にしながら、ジョンス・リーは心のなかでため息をついた。
(八極は大爆発じゃなかったのか?八極拳士は一撃で相手を倒すんじゃなかったのか?まさか犬の一匹も一撃で仕留められないとはな)
-
紙一重で躱した狼の牙は、ジョンス・リーの右目を抉り取った。
「ッ!?」
狼との戦いに集中していたが故に、ジョンス・リーの足もまた大部分を百足に囓られている。
皮膚を越して、血肉が見えている。
「おまえ、今、楽しんでるか?」
「ヒューマン!お前はどうだ!?」
一体どこから喋っているのか、赤い男の声は完全なる怪物と化してもいつもの調子のままだ。
「楽しんでるよ」
血塗れの右足で地面を思い切り踏みしめる。
生じた気の衝撃波によって、百足達が吹き飛んだ。
「この前、俺は……世界で一番強い男と戦ってきた」
狼の顎に、あらん限りの勁を込めて肘打ちを見舞った。
ジョンス・リーの肘は狼の顎を貫いて、そして大爆発が生じた。
爆発的な気の奔流が、狼を前よりも前よりも前よりも遥か高くに吹き飛ばす。
「ほう……勝ったのか?」
「負けたよ」
赤い男の肉体が再構築されていく。
百足が、狼が、魔物の群れが、赤い男の肉体へと帰っていく。
やれやれ――と、ジョンス・リーは心のなかで頭を振った。
あれだけやって、相手は無傷だ。
「まぁ、だからな……その、なんていうか」
もう一度構えた。己の信じる構えに身を任せた。
「もう、負けられねぇだろ」
赤い男が笑っている。
釣られて、ジョンス・リーも笑った。
愉快だ。心の底から愉快だ。
世界一の幸福者だ。
こんな時間を二度も味わえるなら。
こんな――ああ!
「一撃だッ!!!!!!」
口から血飛沫が飛び出る。
蓋をしていた目が無くなって、右の眼窩から血が溢れ出す。
構わない。どれだけでも流れていけ。
何発打った。何発打たされた。
それで何を仕留めた。
打った分、倍だ。
倍の倍の倍の倍の倍の倍の倍の倍の倍の倍の倍の倍にして返してやる!
踏み切った地面が砕ける。
思い切り、目の前の赤い男を睨みつける。
目の前の赤い男が己の心臓を指差している。
弱点か。そうか。
「弱点ごと叩き潰す!」
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気を失い、目覚め、ジョンス・リーは誰もいないことに気づいた。
「ああ……」
負けたか、と口に出しても構わないような気がしたが、やはり口に出すのは癪に触った。
誰もいない頂上のゴツゴツとした地面で、大の字になって寝そべっている。
傷の治療をしなければならないように思えたが、今はただ体の任せるままにしておこう。
「……くっそ」
【F-5/神塚山頂上】
【ジョンス・リー@エアマスター】
[状態]:右目喪失、両足ダメージ(大)、全身ダメージ(中)、疲労(大)
[装備]:なし
[所持]:四次元袋(未確認)
[思考]
基本:戦う
先程までの戦いを思い出し、赤い男――アーカードは、歓喜を抑えきれなかった。
正真正銘の、ただの人間だ。
武器も無く、術もなく、ただ、己の技術のみを磨いて、己に挑んできた人間だ。
ならば、こちらも全力で向かわなければならない。
少なくとも武器も無い状況で戦っていいような人間ではなかった。
「また……会おう、ヒューマン」
ああ、あの八極拳士が己の心の臓を貫くのを楽しみに待とう。
あの時の様に。
【アーカード@HELLSING】
[状態]:疲労(中)
[装備]:なし
[所持]:四次元袋(未確認)
[思考]
基本:戦う
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投下終了します。
スイムスイム、少佐予約します
-
投下乙
アーカードやっぱ強いね。両者の戦いがグッと来ました。
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投下乙
なかなか血生臭い戦闘で面白いな
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ダブルジョーカーとかセンスあるけどあの二人はいったい何を願うんだろう
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なんというか本当に、ああ、くそ、って感じで言葉にしにくいが雰囲気あって面白かった
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皆様、感想ありがとうございます。
名簿の人数を減らしたまま、56人と記載しました。
正確な人数は51人であり、5人は宙に浮いていますが、
流れを見て参加者を増やすなりズガン枠にするなりしていこうと思います。
>>13
ダブル・ジョーカーですが、
過去に俺ロワトキワ荘で連載されていた某ロワに対するリスペクトの念を込めて、そうしました。
ジョーカー@バットマンとトゥー・フェイス@ダークナイトの遭遇に心躍らせた人間ですので、
是非、そちらのロワも読んでみるとよろしいように思われます。
投下します。
-
沖木島診療所は島内唯一診療施設である。
規模としては、本土の病院とは比べ物にならない民家に毛が生えたような施設ではあるが、
そこに存在する治療用の道具にこそ、価値がある。
もちろん、本職の医者ではない人間にどれだけそれを扱えるという問題があるが、
自分の敵になる本職の人間に渡ることを、あるいは薬を毒として扱う人間に渡ることを思えば、
最も優先して制圧すべき拠点といえるだろう。
それをはっきりと意識して、
白の学校指定水着を着用した美しい少女が見つけた薬品や包帯の類、名前の分からないような器具などを片っ端から四次元袋に詰め込んでいく。
そう、学校指定水着――俗に言うスクール水着である。
幼い少女の、あるいは成年男性の理想を具現化した様な可憐な容貌も、スクール水着のインパクトの前では薄れてしまう。
ここは海ではないし、更に言えば夏でもない。その上、殺し合いの会場である。
一般人から見れば、変態か狂人にしか思えないだろう。
だが、それこそが少女――スイムスイムの正装である。正装といっても変な意味ではない。
スイムスイムは魔法少女である。
巷に溢れる多種多様な魔法少女の変身後の衣装と同じように、変身した結果として彼女はスクール水着になるのだ。下着も付けずに。
粗方、作業を終えるとスイムスイムは小さく息を吐き、診察室を抜けて待合室へと向かった。
「待った?」
「なに、これっぽっちも待ってはいないさ、お嬢さん【フロイライン】」
そう言って、スイムスイムに声を掛けられた男は読んでいた本を閉じた。
彼とスイムスイムは待合室で出会い、男はスイムスイムを見て逃げるでも殺すでもなく、
また、スイムスイムも男を見て、逃げるでも殺すでもなく、
言葉を交わすわけでもないが、用事を終えた後に会話をしようということになった。
さて、魔法少女の相棒とするにはあまりにも相応しくない男である。
ゲルマン系の肥満男性であり、メガネを掛けたその顔にはいやらしいと形容にするに相応しい笑みを浮かべている。
スイムスイムに返す声の調子は落ち着いているが、どこか狂気が滲んでいるように聞こえる。
彼が共にいるべきは魔法少女ではない、エゴに満ちた人間といるのが相応しい。
その狂気を含んだ声で、単純にして明快な目標に扇動【アジテート】するのが向いている。
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「さて、私に仲間になって欲しいと……?」
「団結する必要がある」
スイムスイムは男が座る向かい側の椅子に座り、男と向かい合った。言った。
男の目には狂気が渦巻いている。だが、その目を直視できるスイムスイムの目からは何の感情も窺えない。
「アナタは55人も殺せる?」
「実に疲れるだろうね」
単刀直入にスイムスイムは本題に切り込んだ。
この会場に存在するのは56人。敵になる数は55人。
55人という数は尋常のものではない、それだけ殺せば世界でも有数の殺人鬼と数えられるだろう。
それを一人だけで殺せるか、魔法少女の力をもってしても不可能とは言うまいが、厳しいだろう。
そもそもスイムスイムがいる以上、その他の魔法少女がこの世界に存在する可能性もある。
ただ、この提言には殺人の効率化以外の目的も存在する。
彼女の理想――魔法少女ルーラ、それと同一化するためには部下の存在が必要不可欠である。
「だから、仲間が必要……わかる?」
「ふむ……」
男は品定めをするように、スイムスイムの頭から足先まで全面を眺めた。
美しい少女である。スクール水着をドレスに着替えさせれば、童話から抜け出た姫と言っても過言ではない程に。
また瑕一つ無い玉のような肌は、この世界に存在するありとあらゆる外苦から解き放たれたようである。
だが、言動といい。佇まいといい、妙に血生臭い。
そう、男には感じられた。
軍人【ビッチ】ではない。
戦争処女【アマチュア】だろう、だが処女膜から声が出ていない。
戦いを経験している。だが、戦争の酸いも甘いも未だ知らない。
男はそうスイムスイムを判断して、「良いだろう」と言った。
スイムスイムも「ありがとう」と答えた。
「だが、その前に君に聞いておきたいことがある」
「何?」
「君はこの戦いに何を願う?」
男にとって、戦争とは目的である。
何かを得るために闘うのではなく、戦った結果として何かがあるいは何も無いのだ。
では、どうだ。目の前の少女は何を望む。
「今度は私のチーム全員が生還するように上手くやる」
「よろしい」
今度は――その詳細は男にはわからない。
だが、それこそが少女が処女を失う原因となったのだろう。
全員が生還するというのは、どういうことだろうか。
願いを全員の蘇生に使うつもりだろうか。
本音を隠しているのだろうか、それでも良い。
少なくとも結果ではなく、過程に重点を置いている。
ならば、手伝ってやろうではないか。
男はかの吸血鬼を討ち倒し、人生で初めて敵に銃弾を当てた。そしてここにいる。
人生で最高の時間があるというのならば、今がその時だ。
ならば、目の前の生娘を女にする手伝いをしてやっても構わない。
「行動の前に名前を、私はスイムスイム」
「少……いや」
己の役職を言おうとして、男は言葉を噤んだ。
戦争は終わった、自分は唯一人の人間となった。
ならば、名乗る名前は唯一つ。
「モンティナ・マックスだ、よろしくお嬢さん【フロイライン】
【I-7 沖木島診療所】」
【スイムスイム@魔法少女育成計画】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持]:四次元袋、沖木島診療所内のありとあらゆる物
[思考]
基本:チームを作り、最後の一人になる
【モンティナ・マックス@HELLSING】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持]:四次元袋(不明支給品0〜2)、イリアス@Fate/zero
[思考]
基本:スイムスイムを手伝う
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投下終了します。
犬養舜二、ジョーカー@ダークナイトを予約します。
-
投下乙です
少佐の本名……うむ、興味深い
>>15
ご紹介していたロワを拝見させてもらいました。なかなかに興味深かったです。
確かに、同作品の映画版でありながら、細部が食い違っていたトゥー・フェイスとジャック・ネイピアの出会には心踊る心境になりました。
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投下します
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哺乳類サル目ヒト科ヒト属ホモ-サピエンス-サピエンス――俗に言う人間として生を受けながら、人間としての枠を逸脱する者がいる。
この祭に呼ばれた彼――ジョーカーもまた、その一人である。
紫のスーツに緑のインナー、服装だけを取ってみれば原色の毒々しさがあることを除けば何ということはない。
だが、その顔面は過剰なまでにフェイスパウダーで全面を白く塗りつぶされ、額の皺がまるで白い仮面に入ったヒビの様だ。
そして一面の白の中、口元から耳まで裂けた傷跡が赤で彩られている、その様は笑顔のメイクを施されたピエロのようにも見えた。
指先には化粧に使ったと思われるフェイスパウダーが残っている、まるで母親の化粧器具を悪戯に用いた様でも有る。
緑の髪はセットされることもなく、無造作に重力にまかせるままになっている。
傷だけが本人の意思とは無関係に笑っているように見える。
だが、その感情が笑いとは程遠いところにあることは化粧の上からでもはっきりとわかった。
彼の外見はとても尋常のものではない。
千人の人混みの中に紛れようとも、彼を人の中に隠すことは出来ないだろう。
だが、その内面は外見以上に狂っている。
彼の内面は闇だ。
見ようとしても何も見えはしない。掴もうとしても何も掴めない。
入り込もうものならば、出口もわからずに永久に迷うことになる。
「願い、願い、願い、願い、願い」
まるで歌うようなリズムで口ずさみながら、誰もいない村の中を一人歩くジョーカー。
隙は窺えない、にも関わらず己を狙う銃口に身を投げ出しそうな危うさがある。
「人間、一皮剥けば。これだ。なんだ。簡単だ。混沌だ。
Ah……今日日、エレメンタリースクールのガキだって自信たっぷりに言うぜ、人を殺しちゃいけません、と。
だけどな、いい年こいた俺達は願いを叶えるために椅子取りゲームなんてやってる。
悪くないジョークだ、そう思わないか?ジェントルマン?」
向かい側から歩いてきた男――犬養にジョーカーは声を掛けた。
「だが、それが人間だよ」
この世界では周りの全てが敵になる。
だが、それも構わずに、犬養は足を止め、ジョーカーの言葉に返した。
正反対のものを並べることで、互いが互いを引き立てあう。
それはジョーカーの前に立った犬養にも同じことが言える。
ジョーカーとは正反対に落ち着いた色合いの服装を身に纏い、化粧の無いその顔は、男ながらに妖しい色気を発している。
そして腕に巻かれた群生相の飛蝗を描いた腕章――それこそが、ジョーカーと彼の最大の違いだろう。
ジョーカーは狂気そのものだ。
彼はこの世界に来る前に行っていた行為に関して、具体的にこの場で言うことは避けるが、
彼という狂気は、人間の理性の仮面を外し狂気の様相を明らかにした。
それに対し、犬養もまた狂気を巻き起こした。
彼もまた人間の理性の仮面を剥いだ。いや、なお性質が悪いことに仮面を剥がされた者は己が仮面を脱いだことに気づいていない。
正義に基づくものであると――思い込んでいる。
彼らの行動は現実に何が起こったのかをだけを見れば、通じる部分がある。
だが、決して似てはいない。
ジョーカーは混沌を求めているが、犬養は秩序を求めている。
「Ah……ジェントルマン?とりあえずお名前を伺っても?俺は……こういうものだ」
名刺を差し出す、そのような日常的な行為ですらこのような場所で、それもジョーカーが行えば狂気の行為そのものだ。
それもジョーカーが差し出し、犬養が受け取ったのは、名刺ではない。
トランプのカード――表すはジョーカー。
「ジョーカー?」
「イエス」
「洒落ているね。僕は犬養だ」
「それはそれは……お褒めに預かり光栄です。Mr.犬養」
冗談染みた光景――そうとしか言い様が無い。
慇懃無礼に頭を下げるジョーカーに、口元に薄っすらと笑みを浮かべて応対する犬養。
ここが殺し合いの場でなく、ゴッサムシティでも、誰もが口を揃えて言うだろう。悪い冗談であると。
-
「さて……で、あんたは?どうなんだ?」
「どう、というのは?」
犬養の言葉に対し、ジョーカーはつまりと前置きをしてコルト・パイソンを四次元袋から取り出し、自分の頭に突きつけた。
「BANG,BANG,BANG,BANG,BA------NG!!」
そして引き金を引く度に、彼は冗談めかして銃声の声真似をした。未だ、弾は出ていない。
そして五回引き金を引くと、犬養の手を広げ、優しく銃を握らせた。銃口にはジョーカーから頭を寄せている。
装弾数は六発――ジョーカーがロシアンルーレットをするつもりだったのならば、今犬養が引き金を引けば、ジョーカーは死ぬ。
「これだ」
「それか……」
ふうと息をついて、犬養は引き金を引いた。
銃口は犬養自身の頭を向いていた。
「hi……hihihihihi……HaHaHaHaHaHaHa!!!」
ジョーカーは、この日初めて笑った。銃弾は発射されなかった。
このタイミングで銃弾が不発などということが有り得るだろうか、確率的に見ても1%すらあるかどうか考えられない。
「運命は……僕を選んでいる」
「悪くないジョークだ」
「人は皆、何かしらの役割を担い生まれ、使命を果たして死んでいく……僕の使命は世界を変えることだ」
「俺の使命は?」
「僕のために死ぬことだ」
「良いジョークだ」
誇大妄想狂染みている。果たして、世界の誰が自分を運命に選ばれたと信じ己に引き金を引けるだろうか。
だが、臆面もなく世界を変えると言える人間には――それが必要なのだ。
「だが……そんなことを言われると、俺ァ……今この場で殺したくなるなぁ、アンタを」
「だとしたら……僕はその程度の男だったって事だ」
「面白い」
臆面もなく言い放つ犬養を見て、ジョーカーはハービー・デントを、そしてバットマンを思った。
愉快だ。楽しくてしょうがない。
果たして、これから出会う54人の人間の中でこれ程に面白い人間と出会えるだろうか。
「犬養、アンタに着いて行っても?」
「構わないよ」
嗚呼――犬養。口が裂けるほど笑わせてやる。
「さて、アンタの道に祝福あらんことを……っていうことで、俺から一言」
「Go with a Smile!」
【F-2/平瀬村】
【ジョーカー@ダークナイト】
[状態]:健康
[装備]:コルト・パイソン@バトル・ロワイアル
[所持]:四次元袋(不明支給品0〜2)
[思考]
基本:ジョーカーの内面を覗くことは出来ない
【犬養舜二@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持]:四次元袋
[思考]
基本:最終的に世界を変える
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投下終了します。
尾形小路、ソニックブーム予約します。
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投下乙です
この二人はロワを徹底的に掻き回しそうだな
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投下乙です
ジョーカーと犬養のコンビがこのロワにどんな影響を及ぼすのか楽しみです
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いつの間にか、すごい自分好みのロワが
投下乙です
どれも何とも言えない雰囲気があって良いですね
『基本:ジョーカーの内面を覗くことは出来ない』が何か気に入りました
少ししか書いたことのない初心者ですが、私も予約していいでしょうか?
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>>26
もちろん予約は大歓迎です。ご自由にどうぞ。
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ではアーチャーを予約させてもらいます
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期限までの投下が厳しいので、一度予約を破棄します。
再予約が無ければ、今週中に投下します。
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アーチャー、投下します
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冲木島北端の崖の上に男がいた。
金色の髪を逆立てた美しい男だ。見るからに豪華な黄金の甲冑を身にまとっている。
ともすれば悪趣味にも見える程の輝きを放つ甲冑だが、不思議とその男には似合っていた。
アーチャー。聖杯戦争において聖杯を奪い合うべく召喚された七騎のサーヴァントの内の一騎。
アーチャーは聖杯よりあふれ出た黒い泥に飲み込まれ、気が付くと鏡の部屋にいた。
恐らくあの泥こそが聖杯の本体だと彼は考えている。杯は泥を呼び出す器に過ぎなかったのだろう。
ならば泥に飲まれて行き着いた鏡の部屋は聖杯の中ということになる。そして鏡の部屋を抜けた先のこの場所も。
穏やかな所だ。
空は雲一つなく晴れ渡り、照りつける日は暑すぎもしなければ寒すぎもしない。
後方では草木が茂り、崖下の海は底が見える程に透き通っている。
あの泥からはまるでこの世の悪意を凝縮させたかのような醜悪さを感じた。
何故あんなものの中にこのような空間がある。
そして何故聖杯の中で五十六人の者が願いをかけて戦う。
確かに万能の願望器である聖杯を力をもってすればどんな願いも叶えられるだろう。
だが聖杯に願いを託すための戦いは外で行われる聖杯戦争だ。何故中でも同じように争う。
アーチャーは考え――しかし静かに首を横に振った。
疑問はあるが今気にすべきことではない。理由など後回しでもいい。
今気にすべきことは、この聖杯の中に五十五人もの雑種が入り込んでいるという事実の方だ。
聖杯は自分の所有物である。それは彼が聖杯戦争を勝ち抜き、勝者となったからではない。
この世に存在するありとあらゆる宝物は、余すところなく全て彼のものだからだ。それが絶対の道理であり、法だ。
故に今この聖杯の中にいる自分以外の者は、主の許可なく居城に居座る賊も同然。
アーチャーのサーヴァントにして、人類最古の英雄王ギルガメッシュ。
彼は静かに歩き出す。ここに存在する無法者共を手ずから罰するために。
【アーチャー@Fate/zero】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持]:四次元袋(不明支給品0〜2)、王の財宝
[思考]
基本:賊どもに罰を与える
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短いですか投下終了です
問題がなければこのまま雨生龍之介、ハードゴア・アリスを予約します
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場所と時間書き忘れてる。何やってんだ自分…
【A-2 崖/深夜】です
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投下お疲れ様です。
アーチャーは平常運転ですが、この世界は聖杯と取りましたか。
参戦時期的にzero勢の皆を知っていますし、他のキャラとの関係性も楽しみですね。
次回予約の作品も期待しています。
投下します。
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(これまでのあらすじ)
オワリ・ニンジャクランの最後の生き残りオガタ・コウジは、ビョウボウに敗北を喫した。
消失した意識は肉体を引きずり、オガタ・コウジをネガイカナエタイセンに巻き込む。
生き残れるのはただ一人、オガタ・コウジの運命はブッダのみぞ知る。
カミツカサンの麓に建つタカノ・テンプル。
テンプルとは日本人にとって聖地に等しい場所であるが、
そこに管理するボンズはおらず、サイセンオハコには威圧的なミンチョ体で
殺伐、キリステ、等の恐怖を煽る文言がショドーされていた。
「願いか」
オガタは現状を早々に理解し、フェイク漆が塗られたトリイを背にして独りごちた。
何事か考えようにも、特に何も思い浮かばない。
一般的サラリマンと違い、オガタは現状に満足している。
それよりも重要なのは過程だ。
願いを叶えるという結末に至るまでに起こるであろう幾つもの戦い、
何か願いがあるというのならば、それこそがオガタの願いだ。
特に何も浮かばぬままに、オガタは支給された四次元袋を開くと、
その中にはバリキドリングと弁当が入っていた。
果たせるかな、フカミチ・バトルロイヤルで己が用意した弁当であった。
弁当は良い。とオガタは思う。
だが、バリキドリンクはオガタにとって未知の存在である。
毒ということは無いだろう、
いや、仮に毒だとしてもオガタはリアル忍者である。少々の毒ならば耐えられる。
だが、味がわからない。用意した弁当に合うのだろうか。実際、重要な問題である。
さて、オガタが知る由もないがバリキドリンクとはただの滋養強壮ドリンクではない。
一日一本までならば問題はないが、麻薬用成分が含まれており、多量に飲めばオーバードーズの可能性があり、実際危険なドリンクなのである。
-
「ドーモ、ソニックブームです」
ドスの利いた声がオガタの耳に入る。
結果として、オガタはその問題を今結論付けることはなかった。
金糸入りのニンジャ装束に身を包んだ男にオジギをされたのである。
男のオジギが終わるや否や、オガタは駆けた。
意味がわからない。何故かヤクザめいた男に自己紹介された。ナンデ?
関係ない。敵だ。
オガタは一息にソニックブームとの距離を詰めた。
足の甲を高速でくねらせることで姿勢を崩さずに移動する、
オワリ・ニンジャ独特のホコウ・ジツ!コワイ!
ソニックブームの表情に青筋が浮かぶ。
アイサツが返ってこない。
アイサツというのはニンジャ同士のイクサにおける絶対の法であり、
古事記にも書かれている実際奥ゆかしい礼儀作法である。
怠ればムラハチは避けられない。
ムラハチとは陰湿な社会的リンチのことだ。
「イヤーッ!」
ソニックブームの右腕が霞んだ。
ブーム!破裂音と共に発生した衝撃波がオガタを消滅させる!
ソニックカラテ・パンチだ!
だがオガタの死体が無い!これはどういうことか。
ピィーッ!
ソニックブームは聞いた!鳥が鳴くような声を!
「アアッ?」
音が揺らしている。
ニンジャ三半規管に衝撃走る!
だが、それだけか。
見よ!オガタ・コウジの姿を!
一人、二人、三人、四人……十六人!
ああ、これは現実の光景なのだろうか!
オワリ・ニンジャ・クランのホコウ・ジツの発展形!
-
タジウ・ブンシン・ジツ!
態勢を崩さぬままの高速移動がオガタの姿を複数に見せているのである!ワザマエ!
「ハッ!」
円を狭めるようにして、オガタ達がソニックブームに迫る。
ああ!これからソニックブームに訪れる運命はブッダのみぞ知る!
「ピィーッ!」
「イヤーッ!」
オガタの攻撃をソニックブームは咄嗟にブリッジ姿勢で回避!タツジン!
「耳が遠いのか?もう一度アイサツしてやる」
ドスの利いたヤクザめいた声で、ソニックブームが言った。
「ドーモ、ソニックブームです」
態勢を立て直したソニックブームのジェット・ツキ!
「……ッ!」
オガタの身体がくの字に折れ曲がってトリイに衝突!
吐血!腹部骨折!トリイ破損!
「また……挨拶か、流行ってるのか?」
「あぁ、そういうことか……ハッ」
オガタの言葉、そして殴った感触にソニックブームは唾を吐き捨てた。
「モータルのニンジャ・ゴッコか」
「!?」
「アイサツも出来ねぇわけだ、合点がいった」
モータル、その意味はオガタにはわからない。
だが、ニンジャ・ゴッコという言葉からバカにされていることはわかる。
ならば――
「尾張忍者の末裔、尾形小路だ」
尾形小路は忍者だ。
ソニックブームの言葉は尾形小路の安っぽいプライドに触れてしまった。
連連と受け継いできた一族の誇りを、己の技を、虚仮にされてたまるか!
身体が痛む。知らない。立つ。もう一度。戦う。
「名乗ってやったぞ、貴様のために挨拶してやったぞ、耳が遠いのか?もう一度挨拶してやる……拙者【オレ】は尾張忍者の尾形小路だ!」
-
「……で?」
もう、ソニックブームの興味はオガタには無い。
カラテ差は歴然。敵はサンシタ。勝てぬことなし。
「拙者【オレ】の名前を忘れるな、今からお前を殺すんだからな」
「ザッケンナコラー!」
ソニックブームのヤクザスラングが飛ぶ。
「もう……勝利のシナリオは持ってる。後は勝つだけだ」
尾形小路はそう言って、吐血した。
噴水のように血が流れ出ていく。
「これで……喉の通りが良くなった」
「ピ ィ ィ ィ ィ ィ ィ イ」
言うや否や、尾形小路の口から怪鳥音が発せられる。
「茹で上げてやるよ、お前を」
◆◆◆◆◆◆
【尾形小路@エアマスター 死亡】
【G-6/鷹野神社】
【ソニックブーム@ニンジャスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持]:四次元袋
[思考]
基本:???
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投下終了します。
ニンジャソウル成仏ネタとかは流石に。
すいませんが、次の予約まで間が空きます。
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面白そうな企画ですね、自分も参加させていただこうかと思います。
よろしければ、秋山蓮、シルバーカラス、書き手枠でラ・ピュセル@魔法少女育成計画、予約しますね。
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ギリギリになりましたが雨生龍之介、ハードゴア・アリス投下します
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鎌石小中学校の少し西。神塚山の中腹。周りに草木が生え傾斜した地面に彼女は立っていた。ハードゴア・アリス。
真黒な髪に真黒な服。淀んだ瞳に濃い隈。青白くて不健康そうな肌。十人が見たら十人が不気味という感想をいだくであろう少女だ。
ハードゴア・アリスは自分以外の五十五人を殺し願いを叶える、なんてことに興味はなかった。何故ならスノーホワイトならそんなこと絶対にしないからだ。
家の鍵をなくして困っていた自分を助けてくれた憧れの魔法少女。
もし彼女がここいたら、人を殺すどころか一人でも多くの人を助けようとするはずだ。
だからハードゴア・アリスもそうする。スノーホワイトのように皆を助ける。そう決めた。
彼女の願いはただ一つ。より多くの人をたすけること。何故ならスノーホワイトならそうするから。
もし彼女がここにいたら、人を殺して願いを叶えたりなんて絶対にしない。むしろ一人でも多くの人を助けようとするはずだ。
だから自分も一人でも多くの人を助けるのだ。スノーホワイトのように。
手始めに袋の中身を確認しよう。いつの間にか手の中に握られていた袋。この催しを始めた奴が用意したものだろう。
何か役立つ物が入っているかもしれない。
ハードゴア・アリスは袋を開けて中身を覗き、目を見開いた。
袋の中には真黒の巨大な空間が広がっていた。底や端がまったく見えない。まるで星のない宇宙だ。
もしかしたらこれは魔法の力によるものだろうかと思ったが、深くは考えなかった。今はそんなことどうでもいい。
袋の中に入っている物を確認しようとして――
「もしもーし。そこのお嬢ちゃーん」
ふいに背後から声を掛けられ、慌てて振り向いた。しかし
後ろには誰もいなかった。念の為辺りを見回してみるが人影は見当たらない。空耳かと思い袋の中身に視線を戻した。
瞬間だった。
背後で轟音が響いた。頭に凄まじい衝撃と熱が駆け抜けた。身体が前のめりに倒れ、ハードゴア・アリスの意識は一瞬で闇に飲まれた。
-
倒れ伏す少女の肉体。姿は見えなくても、その傍らには確かに男がいた。
雨生龍之介。その手で何人もの人間を殺してきた殺人鬼である。
「本当に見えなくなんだなぁ」
自分が着ている外套を見て関心したように呟いた。
透明外套。龍之介の袋の中に入っていたアイテムだ。付属の説明書によると、これを羽織ると自分の姿が他人から見えなくなり、匂いも消せるらしい。
胡散臭い代物だったが、わざわざ少女に声を掛けてこっちを向かせても、何の反応もなかったところをみるとどうやら本物らしい。
おかげで苦もなく(気づかれたところでさほど苦があったとも思えないが)袋に入っていたもう一つのアイテム、レミントンM31RSというショットガンを少女の頭に撃つことができた。
もっとも今はこれで殺したのは失敗だったかもしれないと思っている。威力が強すぎたのだ。
少女は頭の上半分が弾け飛び、開いた穴から血が溢れでている。
少女のゾンビのような不気味な容姿は『儀式』の生贄にはピッタリだと思ったのだが、これだけ血が流れてしまっては使えそうにない。
今まで様々な方法で人を殺してきた龍之介だが、銃は殺した実感が湧きにくいわりに入手が面倒なのであまり経験がなかったのだ。
「まっ、しょうがないか。この娘は別のやりかたで遊ぼ」
溜息混じりに言って少女の死体を握っていた袋ごと自分の袋に入れた。
不思議なものでこの袋に入れた物はまったく重さを感じなくなる。理屈は不明だが便利なものだ。
雨生龍之介もまた五十五人を殺して願いを叶えることになど大した興味はなかった。
だがそれでも彼はこの殺し合いゲームに乗るつもりだった。何故なら乗らない理由が特にないからだ。
殺しは彼にとって趣味であり、日常であり、生きがいだ。殺せと言われて殺すのは少し癪だが、拒否するほどではない。
殺し合いというシチュエーションにも魅力を感じる。
いつも無力な市民を一方的に殺すだけだったので、たまには自分も狙われるというのもスリルがあって新鮮だ。
願いを叶えるという賞品もそれ目当てで殺しはしないが、貰えるならば貰うに越したことはない。
龍之介の願いは『実在するなら悪魔に会いたい』だ。常々思っていた。テレビや新聞では自分のことを悪魔と呼ぶがもし悪魔が実在するならそれは失礼じゃないかと。
そう思うと期待に応えて悪魔と名乗るのも躊躇われる。だから実際に悪魔にあってどう思うか聞こうと考えていた。
とはいえまずはこの少女の死体で楽しもう。さすがにいつ誰が襲ってくるかわからない外でやるのは抵抗がある。
龍之介は近くに見える、学校らしき建物に向かって歩き出した。
-
ハードゴア・アリスが目を覚ますとそこは真黒な空間だった。
彼女は『どんなケガをしてもすぐに治る』能力を持った魔法少女だ。
頭が吹き飛んだくらいで死にはしない。吹き飛んだ部分もすでに回復している。意識を失ったのは頭に衝撃を受けたからに過ぎない。
この場所には見覚えがあった。あの袋の中だ。
恐らく自分に攻撃してきた奴が意識を失ったのを死んだと勘違いして入れたのだろう。何故わざわざ死体を袋の中に入れるのかはわからないが。
攻撃したきたのはたぶん直前を声を掛けてきた奴だ。やはりあれは空耳ではなかったのだ。
姿は見えなかったが声からしておそらく若い(といっても中学生の自分よりは上の)男だ。
自分を殺そうしたということは、他の全員を殺して願いを叶えるつもりなのだろう。
危険だ。そんな男がいてはより多くの人を助けることができない。そんな男は殺さないといけない。ここから出て今すぐに。
まずは袋の口を探さなくてはいけない。上の方にあるのだろうか。全てが真黒でどこに何があるのかまったくわからない。
とりあえず魔法少女の人間離れした身体能力を使ってジャンプしてみた。内側の布を掴めないかと思い、手を伸ばすが何に触れることもないまま下へと落ちていった。
もう一度、今度は力を込めて出来る限り高くジャンプする。結果は同じ。
袋の端に行けないかと思い走ってみる。どれだけ走っても端には着かず、やがて息が上がってきた。
外から見た通り、袋の中はとてつもなく広い。それこそ無限の広さがあるようにも思えてくる。
口などとても見つけられそうにない。外から開けられるのを待つしかなさそうだった。
速く殺さないとあの男はまた誰かを襲うだろう。
ハードゴア・アリスは苛立ちを覚えながらも、腰を下ろしてじっと上の方を見つめた。
一刻でも速く袋が開くように願いながら。
【D-5 神塚山中腹/深夜】
【雨生龍之介@Fate/zero】
[状態]:健康
[装備]:透明外套。レミントンM31RS
[所持]:四次元袋
[思考]
基本:殺し合いゲームを楽しむ
1:学校らしき建物に入り、少女の死体で楽しむ
【龍之介の四次元袋の中/深夜】
【ハードゴア・アリス@魔法少女育成計画】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[所持]:四次元袋
[思考]
基本:一人でも多くの人を助ける
1:袋が開くのを待ち自分を襲った男を殺す
2:それ以外にも危険な奴は殺す
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投下終了です慌てているので何かミスがあるかもしれません
あったら遠慮なくいってください
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投下乙です。
不死者を四次元袋の中に閉じ込めるというのは卓越した着想と言わざるを得ません。
それにしても、二人は原作と同じ道を進みますが、
龍之介はキャスターとの遭遇前、アリスは生存できるのが一人のみ、と
如何様にも変わりかねない要素を与えられました。
実際、これからの展開が楽しみです。
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すみません、ちょっと期限内に仕上がらなかったので一旦予約は白紙にします。
出来次第改めて投下したいところですが、それ以前に予約されたい方がいたらどうぞ。
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死んだか・・・
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本スレッドは作品投下が長期間途絶えているため、一時削除対象とさせていただきます。
尚、この措置は企画再開に伴う新スレッドの設立を妨げるものではありません。
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